意味論 潰瘍性大腸炎・クローン病 疾患解説

クローン病の完治の理論と根拠

投稿日:2018年8月7日 更新日:

(クローン病は潰瘍性大腸炎が、より進展した病気ですから根本的には同じ膠原病であるので同じ理論となります。潰瘍性大腸炎の方は『クローン病』を『潰瘍性大腸炎』と読み替えてください。また同じ膠原病であるリウマチの理論とも合わせて読んでください。)

1932年にクローンによって見つけられた膠原病のひとつであるクローン病についての理論をやっと書く気になりました。クローン病に限らず、膠原病の根本原因は人間にとって異物である環境汚染化学物質であり、それが人体に摂取され、結合組織に蓄積し免疫に認識されIgG抗体で処理される時に生じる病気であることは言うまでもありません。近代文明は人工的な人間にとって異物となる化学物質を大量に作り上げたために、その化学物質と人体の様々な蛋白質が結びついて初めて免疫に異物と認識され、排除する正しい戦いが始まり、その時に見られる症状を膠原病というわけです。この蛋白をキャリア蛋白と言い、化学物質をハプテンと言い、キャリア蛋白とハプテンとの複合体を抗原と言われるのは既にご存知でしょう。

ここでついでにアレルギーや膠原病が完治するという意味について述べておきましょう。理論的には同じ抗原に対して免疫寛容を起こすことであり、検査データ的には様々な炎症所見が陰性となり、自覚症状的には膠原病やアレルギーの症状が同じ抗原にさらされても出なくなることです。臨床の世界では寛解という言葉がよく使われます。完治と言わずしてなぜ寛解と言うのでしょうか?寛解とはもっと簡単に言えば、正しい免疫を無理やりに一時的に抑え、データや症状が良くなっていることです。裏の意味は、薬が切れれば再び同じ症状で苦しみますよ、という意味です。なぜ治りもしないのに、このような間違った治療が白昼堂々と行われるのでしょうか?医学者が怠慢であり、患者を自分の家族の一人だと思わないからです。さらに医学の真理よりも製薬メーカーの力が強すぎるからです。このことを実証するためにも、やっとクローン病の理論を書くことにしました。

クローン病は潰瘍性大腸炎よりも遥かに少ない膠原病であるうえに、自分の診る患者も少なかったので書く情熱を感じていなかったのです。ところが最近、朝日が『難病』シリーズの特集記事を企てているのですが、相も変わらずクローン病は治らないとされている上に、間違った現代医療の薬物治療や手術で苦しんでいる患者さんの記事を見て、とても義憤を感じてやっと書く気になりました。この難病シリーズでは、様々な膠原病は治らない難病として報道されていますが、実は私が既に完治させている膠原病がいくらでもあるのです。そのひとつが潰瘍性大腸炎であり、さらにクローン病であるのです。

潰瘍性大腸炎とクローン病は全く違った病気であるように書き立てられていますが、結局は同じ病気であるのです。ちょうど気管支喘息とアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎やアトピー性皮膚炎が同じ原因で生じ、同じ免疫の働きで起こっているにもかかわらず、異なった病気と考えているのと同じ間違いなのです。ただ、異物を排除しようとする結合組織の部位が違うだけなのです。

まず、腸管の簡単な構造について説明しておきましょう。小腸は3つの部分から成り立っています。まず、胃の直後にある十二指腸、次に空腸、最後に回腸となります。回腸の後に大腸が続きます。大腸の始まりは盲腸であります。その後に長い結腸と続き、最後に直腸となって終わります。直腸の後が肛門であることはご存知でしょう。

さて、大学病院で診断された数多くの潰瘍性大腸炎の患者さんを治療しているうちに、これはクローン病ではないかと思うことが時々ありました。クローン病は昔は限局性回腸炎と言われたことがあります。ところがクローン病は小腸のみならず、大腸や食道にまで炎症が波及することがわかりました。従ってクローン病と潰瘍性大腸炎の判別がはっきりしなくなってきたのです。今回、完治させてあげたクローン病の患者さんも、当初なかなか診断がつかなかったのはこのためですが、同じ病気であることは分かっていたので、自信を持って治療に臨むことができました。クローン病の特徴のひとつは肛門周辺の痔ろうが多いと言われますが、潰瘍性大腸炎でも直腸型のタイプのものでは、肛門周囲膿瘍などがよく見られ、この両者の鑑別が難しいことがあります。このような困難さは同じ原因の膠原病を無理やり二つの病気に分けようとするからこそ生ずるものです。このような困難さはリウマチとへバーデン結節の場合にも見られます。ヘバーデン結節は手の指の関節だけに炎症が見られますが、(少しずつ他の関節にも波及することはあります)リウマチはさらに大きく広がり、全身の関節に見られるだけなのです。従ってリウマチと同時にヘバーデン結節が見られる患者がいても何の不思議もないのです。これはちょうど、喘息とアレルギー性鼻炎を持っている場合と似ています。この場合もほとんどの人がアレルギー性鼻炎でありますが、同時に花粉のために喘息も起こす人も数多くいます。結局は花粉に運ばれる化学物質を鼻で捕まえてしまえば気管支喘息は起こらないのです。従って、喘息の人が遥かに少ないのは当たり前のことです。このようなつまらない診断の誤りが生ずるのは、病気を症状の出る部位別に分けようとするからです。原因を考えれば部位とか臓器とかに分けて病名をつける必要はないのです。原因が同じであれば治療の原理は全て同じなのです。

なぜこのような病気を診断する際に、このような問題が生ずるのでしょうか?答えは簡単です。昔は免疫学が全く暗黒の世界であったために、症状別に病名を作り、かつ臓器別に病名をつけていったためです。病気の原因がわからなかったために、同じ原因で起こる病気を無理やりに臓器別に鑑別して別々の病気に仕立てようとしたためです。例えば、今でこそアレルギー科という標榜科目が許されていますが、昔はアレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎(アトピー)、アレルギー性気管支炎(気管支喘息)は別の疾患として書かれていました。つまり、症状別や臓器別に病気を分けようとしたために、同じ原因で起こるアレルギーを別々に分けてしまう誤りにやっと厚生労働省が遅まきながら気がつき始めたのです。このようにクローン病も潰瘍性大腸炎も、実は同じ膠原病であり、腸管結合組織病とひとつにまとめられる日が来るでしょう。

さて、私はリウマチの理論を語った時に、リウマチは潰瘍性大腸炎の関節型であり、潰瘍性大腸炎はリウマチの大腸型であると述べました。同じようにクローン病でも合併症として結節性赤斑や、関節炎や、紅彩炎(ブドウ膜炎)がよく見られると言われますが、これも当たり前のことなのです。結局は体内に摂取された化学物質である異物が、どれかの臓器の結合組織(膠原線維)に沈着し、炎症を起こす病気を膠原病と称しているだけですから、わざわざ臓器別に病気の名称を変える必要はないのです。しかしながら人間の体は60兆個の細胞で成り立っています。その60兆の細胞は役割に応じて270種類の細胞集団に分けられます。そして、この細胞を結びつける結合組織は270箇所にあります。(血液の中に含まれる赤血球や血小板や白血球は細胞集団ではありますけれども、固定された結合組織を持っているわけではないと反論する人もいるかもしれません。しかしこれらの血球集団は流れる細胞集団と言えます。この流動する細胞集団の結合組織は血漿であります。つまり粘着性のある血漿によって血球は結び付けられると考えられます。)この結合組織そのものは、細胞の種類にかかわらず全て同じ種類の膠原線維からできていると考えられます。従って、これらの270種類の細胞の結合組織に異物が沈着し、この異物を排除するために炎症が生じる可能性があるわけですから、270種の膠原病が生じても不思議ではないのです。しかし現在のところ、自覚症状を基にして確認された膠原病は50数種類と言われていますが、やはり一番多い膠原病はリウマチなのであります。リウマチが一番多い膠原病である理由は、やはり関節が体中に210箇所もあるからです。つまり、体内で結合組織が最も多い組織は関節であるが故にリウマチが圧倒的に生じやすいのです。

近頃、若い潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんが増えてきました。なぜでしょう?答えは簡単です。その理由はふたつあります。まず一つ目は、環境汚染化学物質がますます増えてきたためです。食べ物や水や空気が、近代化学工業が作り出した化学物質、いわゆる環境汚染物質に汚染されてしまったからです。農薬、化学肥料、保存剤、防腐剤、着色剤、香味料など、その他さまざまな食品添加剤、下水を浄化するために加えられるあらゆる殺菌剤や水質改善剤、さらに毎日摂取する飲食物に何万種類もの化学物質が含まれます。このような異物が毎日平均10gも人体に入り込んでいると言われています。これらの異物が体内に吸収されると、あらゆる結合組織に蓄積されていきます。そして結合組織に見られる様々なタンパク質と結びついて複合体となり、これが人間の免疫に異物と認識され、抗原となり、これを排除しようとする戦いが始まります。IgG抗体やIgE抗体を作るためには必ず異物は蛋白と結びつかなければなりません。元来、これらの異物はアレルギーで処理されるべきものが、膠原病として処理されるようになったのです。つまり、IgEの世界からIgGの世界で異物を処理しようとするので膠原病となるのです。なぜアレルギーで処理されるべきものが膠原病で処理されるのでしょうか?これが、潰瘍性大腸炎やクローン病を起こす二つ目の原因となります。以下説明しましょう。

つまり、IgEの世界をIgGの世界に変える理由は何か、であります。それはストレスです。世界中の資本主義的自由民主主義的な先進国は、生まれたときに皆人間は平等であると考えています。そして資本主義社会において成功することはつまり、高い社会的地位を確立し、かつお金を儲けることです。皮肉なことに出発点が平等であるがゆえに、全ての人は競争を余儀なくされます。この競争はもっと正しく言えば、能力を最大限に磨く競争といえます。生まれて物心つく前から社会は人間の能力を評価し始めます。実を言えば、生まれたときにもう既に遺伝子の違いがあり、平等ではなくて能力には差がありますが、建前はないことになっています。しかしその能力があるかないかは、まず学校の成績から始まります。つまり学力競争です。学力競争で差別され社会に出て行きます。社会に出れば出るで、自分の力で稼がなければなりません。のんびりしていては学力競争も稼ぎの競争においても遅れてしまいます。これに打ち勝つためには常に努力を強制されます。努力は常に交感神経を刺激させ続けることによって支えられます。ストレスに耐えるためにアドレナリンやストレスホルモンであるステロイドを最大限に毎日毎日作り続けます。アドレナリンやステロイドがなければ戦う気力も出てこないのです。戦う前から負け犬となってしまいます。

現代の免疫学はアドレナリンやステロイドが戦いのホルモンであり、免疫を抑えることを証明しております。従ってこのような継続した戦いの生活は免疫を必ず抑制します。もちろんストレスを朝も昼も夜も続ければ、それこそ過労死や鬱になってしまいます。ところが休んでいる間に副交感神経が優位となり、一時的にストレスは開放されますが、同時に免疫系の抑制も取れ、リバウンドが出現します。これを毎日毎日繰り返すことは、医者から病気のために炎症を抑えるステロイドホルモンや頭痛薬や解熱剤を投与されている状態と変わりなくなってしまいます。そのうちに毎日体内に侵入してくる化学物質が膠原線維と結びついて、これが複合抗原となりヘルパー1Tリンパ球に認識され、Bリンパ球にIgG抗体をがどんどん作るように命令し、この複合抗原(キャリア蛋白と化学物質であるハプテン)と、このIgG抗体とが結びつき、これらが好中球や大食細胞やNK細胞に食われてしまうのです。これらの貪食細胞は異物である化学物質を溶かそうとしますが、元来、殺して溶かすことができない異物ですから、溶かしきれず結合組織に吐き出し、同時に活性酸素やペルオキシダーゼなどの様々な酵素も放出し、結合組織に炎症を起こし、結合組織のみならず、その周辺の実質細胞も破壊し、あらゆる膠原病が生じてしまうのです。それが消化器官で生じれば、クローン病や潰瘍性大腸炎となるのです。

このようにして、ストレスがなければ、元来簡単にIgEを作ってアレルギーで排泄すべき異物を、あらゆる組織の結合組織で膠原病を起こしてしまうのです。従って、クローン病は難病中の難病と言われますが、潰瘍性大腸炎と比べてことさら難病という必要もないのです。というよりも、潰瘍性大腸炎が消化管全てに及んだときにクローン病になると言った方が正しいのです。

従って、クローン病の根本治療は、潰瘍性大腸炎の治療と同じく、膠原病の武器であるIgGを自然にクラススイッチして、アレルギーの武器であるIgEに変えてしまうと、クローン病の症状である腹痛や下痢や出血がアレルギーの痒みに変わり、最後は自然後天的免疫寛容を起こせばよいのです。このために様々な免疫を上げる東洋医学的手法を駆使すれば、自然にクラススイッチと免疫寛容が生じて、環境汚染物質である抗原と共存できるようになるのです。ところが現代医学は免疫を抑える薬、つまり抗炎症剤しか作れないので、治る病気も永遠に治らなくなってしまうのです。つまり国民の健康を守ると言いながら、実は白昼堂々と病気を作っているだけなのです。

膠原病性大腸炎であるクローン病と潰瘍性大腸炎は下痢を主症状とする場合が多いのですが、アレルギー性消化管下痢との大きな違いは、出血があるかないか、また腹痛があるかないかによって臨床的には鑑別できます。既に述べたように、IgGと結びついた抗原は、さらに貪食細胞と結びついてはじめて貪食細胞は組織を破壊させる活性酸素や酵素を結合組織に放出して、血管を傷つけて出血を起こしたり、発痛物質であるアミン類(セロトニン、アセチルコリン)やペプチド類(ブラジキニン、サブスタンスP、バゾプレッシン)や、脂肪酸(プロスタグランディン)などが放出され、これが痛みや出血を起こすのです。

一方、IgEと結びついた抗原は、肥満細胞や好酸球や塩基球などの白血球と結びついて、ヒスタミンを大量に出させて主に痒みを感じさせるからです。このヒスタミンは、痛みを引き起こしたり血管を傷つけることはほとんどないのですが、血管を広げ、血管内細胞の透過性を高めて、下痢を引き起こすことがあるのです。

このようなIgGの世界からIgEの世界へとクラススイッチしてはじめてIgGがIgEになるのです。ヘルパー1Tリンパ球はBリンパ球にIgGを作らせるのですが、Bリンパ球にIgGからIgEの抗体を作り変えるように命令するのは、ヘルパー2Tリンパ球であります。ヘルパー1Tリンパ球よりも始めは遥かに数少なかったヘルパー2Tリンパ球にも、IgG抗体で殺しきれなかった抗原がヘルパー2Tリンパ球にどんどん結びつくようになると、ヘルパー2Tリンパ球が増えだし、多くのインターロイキン4を出し始め、インターロイキン4がBリンパ球に結びつくと、Bリンパ球はIgGからIgEに抗体を作り変え始めるのです。これを抗体のクラススイッチと言います。クラススイッチをするリンパ節は腸管に無数にあるパイエルパッチです。ちなみにこのクラススイッチの遺伝子をBリンパ球に初めて見つけたのは京大の本庶佑であります。

免疫の働きを抑えなければ、以上に述べたような免疫の自然な働きにより、クラススイッチが簡単に生じるにもかかわらず、現在の医療は殺すことができない化学物質を殺そうとして炎症を起こすヘルパー1Tリンパ球の働きを闇雲に押さえ込もうとします。すると症状は楽になるのですが、同時にヘルパー2Tリンパ球の働きも抑えるので、永遠にクラススイッチが不可能となり、治る病気が一生治らない難病となってしまうのです。また、ヘルパー1Tリンパ球の働きを抑えても、ヘルパー1Tリンパ球は免疫抑制剤で殺されるわけではないので、ただ単に働きをブロックされたり、遺伝子の働きを一時的に変えられるだけですから、ブロックがはずされたり遺伝子の修復が行われると再び炎症症状が出現します。しかも毎日毎日骨髄で何十億個ものTリンパ球が作られ、胸腺でヘルパー1Tリンパ球になるべく教育され続けるので、目覚めた1Tリンパ球と新しい1Tリンパ球が相携えて、さらに大きな炎症症状、つまりリバウンド症状を起こし続け、最後は腸管の炎症がさらに深く広まっていくと、内科的な治療では症状を抑えきれず、最後に外科手術を勧められるのです。この時に患者は初めて現代の医療で治すことができないどころか、医者に腸管まで奪われてしまうことに恐怖におののき、私のインターネットを探し始め、当院に来ることになるのです。間違った医療を始める前に当院のホームページを探せば簡単に治ってしまうのに、始めは病気の症状も軽いものですから、医者の言うままに安易な間違った治療を選んでしまうのです。病状が重篤になった時にはじめて真剣に自分の病気について勉強し始めるのは、時既に遅しです。まさにこのような現代の膠原病に対する治療はまさに病気を治しているのはなくて、病気を新たに作っている医原病と言うべきものです。

この医原病を完治させることが私の仕事となるのです。それは一切のペンタサやサラゾピリンやステロイドをやめさせる事が私の仕事となるのです。いつもの如く、その困難さはどれだけ免疫を抑えてきたかに依存します。長期に大量に免疫抑制剤を使ってきた人は、その分だけ免疫を回復させ、免疫の力が何倍も強くなるので、免疫と異物との戦いが激しくなり、症状がひどくなり、それだけ苦しまざるを得ないのです。

遅すぎましたがクローン病の原点に戻りましょう。クローン病の患者さんも現代の治療が間違いであることを心から悟って初めてクローン病という病気に恐れを抱き、完治のための探求が始まるのです。インターネットを縦横に駆使して情報を捜し求め、うまく私のホームページにヒットした患者さんは遅まきながらどんな遠方でも飛んでこられるわけです。どうせ当院に来られるなら、もっと早く来られたら今までこれほど苦しむことはなかったのに、と思うと残念でなりません。

そしてステロイドにしろペンタサにしろ、徐々に量を減らしゼロにしてしまいます。とりわけ、ステロイドは突然にやめると副腎機能不全を起こし、ショック状態をもたらすことがあるので慎重に減らしていきます。もちろん来られたときには既に自分の副腎が作り出すステロイドホルモンで生きているのではなくて、医者の投与した人工ステロイドホルモンで生き続けている人がたくさんいます。そのような人はますます注意しながらステロイドを減らし、自分のステロイドの機能を回復させるまでは目を離せないのです。ペンタサも大量に長期に飲み続けている人はすぐに止めるととんでもないリバウンド症状が出て、脱水症状や栄養不良状態を起こし、生命が脅かされることもあります。クローン病のほとんどの患者さんは人工栄養剤であるエレンタールを摂取しています。もちろん何を食べても良いのですが、ステロイドやペンタサを減らしている途中で普通の食事では下痢がひどくなる人は適当にエレンタールを食べてもらうことあります。また、下痢がひどい人は水分のみならず、電解質も減っていきますから、スポーツドリンクを飲んでもらうこともあります。さらにアルブミンが減っている人が多いのでその原料であるアミノ酸を服用してもらうこともあります。

いずれにしろ免疫を抑える製薬メーカーが作っている全ての薬をやめない限りは、絶対にクラススイッチは起こらないどころか、免疫寛容も起こらないのです。完全にこのような薬を止めて初めて徐々に免疫が回復しだします。それと同時に様々な症状、とりわけ下痢、下血、腹痛が一掃悪くなることがありますが、これを漢方と鍼灸と私の理論で乗り切っていくのです。下痢がひどいときには脱水症状に常に気をつけ、下血がひどいときには貧血の度合いを監視しなければなりません。腹痛がひどければ腸管破裂ということも考えられるでしょうが、いまだかつて経験したことはありません。腸管の炎症はほとんどが粘膜に留まり、粘膜筋層にまで至ることは滅多にないうえに、筋肉は非常に密に詰まっていますから結合組織が少ないので、そこまで炎症が波及することは理論的には絶対にないので腸管が破裂することはないのだと考えています。

ここであえて一言付け加えておきましょう。最近、膠原病を自己免疫疾患などと脅かす医学者も減ってきました。一時は自己の免疫が自己を攻撃するというとんでもない理屈で患者を脅かし、学会を席巻したのでありますが、近頃は膠原病が自己免疫疾患であると聞くことが少なくなりました。私は既に自己免疫疾患などはないのだということを論証していますから、こちらを読んでください。ただ付け加えたいのは、自己免疫論者が決して口にしないことがあります。自己の免疫が自己の何に対して攻撃をしているかについてであります。既に述べたように、全ての人は独自のMHC蛋白を持っています。もう一度なぜかを説明しましょう。人体は細胞と結合組織のふたつから成り立っています。この細胞がつぶれてしまうと、人間は生きられません。ましてや異物を殺すことができる力を持っている細胞はまさに免疫細胞です。この免疫細胞が別の自己の細胞を攻撃するなどということがないように、同じ味方であるということを知らせるために、60兆個の細胞の全てにMHCクラス1が細胞膜に表示されているのです。免疫は自己を攻撃しないのはまさに味方であることを示す全く同じMHCを持っているからに過ぎないのです。こんな簡単なことを頭の良い複雑な頭脳構造をした医学者はなぜかなぜかと捜し求めています。愚かなことです。これを解明すればノーベル賞がもらえるとほざいている医学者もいるぐらいです。既に分かりきっていることになぜノーベル賞を出す必要があるのでしょうか?

免疫の仕事はただひとつ、敵である異物を殺すか排除するかのどちらかなのです。敵であるかどうかはMHCが同じであるかないかで決めているのです。臓器移植の時には他人の異なったMHCが侵入してくるので即座に敵と認識し、その臓器を拒絶してしまいます。ところがMHCを持っていない異物が入った時に、免疫はどのようにして敵と認識するのでしょうか?これも答えは簡単です。まず自分の味方、つまり自分の独自のMHCにその敵を捕まえさせて、ゆっくりとその敵を煮たり焼いたり食べる方法や捨てたりする方法を考え出したのです。これをMHC拘束性と言います。いわばまずMHCという警察に敵を捕まえさせて、それを裁判にかけてTリンパ球やBリンパ球という裁判官に殺すかどうかを判定させるという、まさに人知を超えた素晴らしいシステムを進化の中で作り出したのです。

アレルギーや膠原病は60兆個の細胞の中に入った敵を殺したり排除したりしているのではないのです。あくまでも人体に侵入し、結合組織に蓄積した異物を排除しようとしているだけなのです。この結合組織に溜まった異物をIgEで処理しようとすればアレルギーとなり、この異物をIgGで処理しようとすれば膠原病となるだけなのです。従って、鼻炎も結膜炎も喘息もアトピーも全て異物をIgEで排除しようとしているだけで、それらの結合組織が存在する臓器が違うだけで病名が別々に付けられているのです。同じように私が治したSLEもMCTDもリウマチもクローン病も潰瘍性大腸炎もブドウ膜炎も天疱瘡も尋常性乾癬も全て、異物をIgGで排除しようとしているだけで、これも戦う結合組織の臓器が違うだけで病名が別々に付けられているだけなのです。このために同じ原因である同じ病気でも、臓器別にさらに症状別に病名が付けられるので、病気が数万を超え、ますます患者は訳の分からない病名に驚き、恐怖を抱き、原因も知らない医者がたむろしている病院に駆け込むことになります。しかも病気の原因が分からずしてどうして病気を治せるでしょうか?治せないためにこれほど医学が進んでいるといわれるのに、患者は増えるばかりとなります。それは医者が治すどころか病気を拡大再生産させているからです。残念です。改めて言います。全ての病気の原因はたった一つです。異物です。そしてその病気の原因を処理する仕方はたった二つです。ひとつは異物を殺すことです。ふたつめはその異物と共存することです。この治療は免疫がやってくれることです。医者は免疫の働きを手助けするだけです。

こんな簡単なことを学ぶために日本一数学や物理ができないと東大理Ⅲや京大の医学部に入れないのは本当に滑稽なことです。医学の真実を知るためには数学や物理などは全く要りません。確かに医学も全てが解明されているわけではありません。しかし医学の目的は38億年の生命の進化の驚異を理解して、感嘆するだけでよいのです。ときに人体に異物が入ったときにそれを排除しようとする免疫の働きを手助けしてやるだけでよいのです。しかしながら免疫を高めるという薬は永遠に作ることはできないので、結局は医者ができることはワクチンをうったり抗生物質を投与したり、せいぜい胃薬を入れたり血圧の薬を投与するぐらいしか本当の仕事はありません。それよりも如何に異物を入れないかという保健衛生教育をやるべきなのです。成人病などというのはまさに必要なものを入れすぎたために異物となって起こるだけです。これもブラックユーモアになりますが、成人病になった人に税金をかけるべきです。たとえばメタボリック税とか糖尿病税とか肥満税をかけるのです。そうすれば税金も増えると同時に病気も減ってしまうのでしょう。

医学を研究しても人体を利用することは決してできません。ところが数学や物理は研究すればするほど新しい発見がどんどん見つけ出されると同時に、その原理を人間の幸せのためにいくらでも活用することができるのです。物理や数学の真理は生命と違って進化には関わりがないうえに、現象は変えても真理は絶対に変えられないからです。実は同じことが人体についても言えるのです。隠れた正しい人体の免疫の働きを現象である症状を変えようとすることは一時的に可能ではありますが、免疫の遺伝子そのものを永遠に変えることは絶対にできないのです。

なぜこのような症状を取ろうとするつまらない間違いがいつまでも続くのでしょうか?答えはいくつかあります。ひとつは、昔は病気の原因がわからなくて症状を臓器別に分けて、その症状を臓器別に病名をつけてしまったためです。つまり免疫の正しい戦いに際して見られる症状を病気だと言う以外にない未熟な医療であったためです。病気の原因は異物であると明確に認識しているのは世界でおそらく私一人でしょう。ましてや5大栄養素とも水と酸素以外に異物が入らない限り本当の病気は絶対に起こりえないと認識しているのも世界で私一人でしょう。ふたつめは、このように現在ほどナノやミクロの分子生物免疫学が進んでいる時代においても臨床医学者達が病気の根源に横たわっている免疫学を勉強しないことに原因があります。私に言わせると、症状が原因不明である病気などはほとんどないのですが、臨床医はいつまでも免疫の働きが症状を起こしていることをまるで理解せず、症状が病気そのものだと思い続けているためです。このような意識は人類発祥以来の病気に対する考え方と何も変わっていないのです。症状が悪いのではなくてこの症状を引き起こす原因、つまり異物が悪いのだということを医学界は気がついていないのです。このように医学、つまり免疫学が最高度に解明されたにもかかわらず、この病気の本質が今なお知られていないのは、やはり薬で病気を治すものだという間違った考え方があるのは、やはり医学界が製薬メーカーに支配されているからだと思います。症状とは免疫が異物を処理する正しい戦いの状態であり、それを手助けするのが薬であり医者であるのですが、このような極めて簡単な事実を誰も気がついていないのです。

この世に名医はいません。真実を知らないやぶ医者がゴマンといます。いや、実は名医はいるのです。それは外から見えません。隠れています。全ての人にこっそりと生まれたときから与えられている免疫の遺伝子であります。この遺伝子こそが全ての病気を治してくれる名医であります。この名医の働きを介助するのが医者である私なのです。病気を治す主人公は医者でも薬でもありません。免疫の遺伝子こそヒーローなのです。しかし免疫だけでは実は病気を治すことはできないのです。患者自身も自分の免疫の働きを手助けする必要があるのです。というのは、患者自身が免疫の働きを抑えることがあるのです。それはストレスです。ストレスこそが免疫の敵なのです。従って常にストレスから開放される生き方をする必要があります。免疫の働きと心の働きは連動しているのです。この意味であらゆる病気は肉体の免疫と心で治すべきものだと言えるでしょう。

最後に一言、病気は自分で作り、自分で治すものです。

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