潰瘍性大腸炎・クローン病 症例報告

潰瘍性大腸炎、クローン病完治の症例報告Part26(コメントなし)更新2022.5.20

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症例報告59例目

完治された病名1)潰瘍性大腸炎

患者:39歳、男性

1996年秋頃、腹痛が数日前から続き、ある日突然トイレが血で染まっていました。それから進行が早く2~3日で完全な下痢になり、一日10回以上の血便が続きました。当初はその当時大流行していた0-157なのではないかと思っていました。未だ25歳と若く、仕事もあったのでしばらく様子をみましたが、余りに下痢が酷く、渋々病院に受診。結果「潰瘍性大腸炎です。」と医師から告げられ「0-157じゃなくて良かった」と思ったのも束の間、その後に続けて「今の医学では一生治りません」「一生薬を飲み続ける事になります」想像を超える様な最悪な話を淡々と無表情で告げられました。そして、「ステロイドを沢山使うので1ヶ月程入院してもらわないと危険を伴います」と言われました。突然のことで混乱し、よく意味も理解できないと言うよりも、したくなかった患者さんはとりあえずそんな事あるハズがないと、自力で治してみせると病院を後にして自宅に帰り、食事や民間療法的な事で安静にして数目間様子をみていましたが、やはり一日10回以上の血の下痢と腹痛に耐え切れず入院することになりました。

入院は約1ヶ月間でした。最初の一週間を絶食にし、食事の代わりに点滴。薬はプレドニン錠剤、ペンタサ、ステロイドの注腸を使用されました。薬が効いている間はピタッと下痢が止まり、出血もなくなり、退院してからも全て普通の生活通りに過ごせていました。医者からは「再熱と寛解を繰り返す病気なので、日々の生活習慣に注意する様に」注意喚起されても症状が治まり、一生治らないと言われた現実を受け入れたくない思いから、しばらくしてすぐに好きなものを食べたり、少しお酒を飲み始めたのでした。

それから一年程経ったある日、腹痛と出血が再発しました。慌てて食事をあっさりした物に変えて、地元の名所である温泉に通ったり、母親から勧められた健康食品等でその場を凌いで誤魔化していましたが、前回よりも悪くなる進行の速度が速く症状も以前より悪化していました。約1ヶ月何とか耐えていましたが、しまいには一人で立ち上がる事も厳しくなり、母親の運転する車で病院へ直行、緊急入院する事となりました。この時は前回と違う「潰瘍性大腸炎の名医」と地元でうたわれている0病院を知人から事前に紹介され診察を受けました。

0病院院長のM先生は「今回はあなたが放ったからしにしたお陰でかなり酷い状態にあるので、最悪大腸の全摘出を覚悟して下さい」「大腸全摘出をした後は一時は人工肛門にします」「炎症が酷くこのまま寛解したとしても又再熱するので、大腸を取った方が良い場合もありますよ」と瀕死の患者さんに過激な言葉を浴びせ続けたのです。更にM先生は続けざまに「そうならない為にギリギリまで人体の耐え得る大量のステロイドを使って炎症を抑えます」との事でした。患者さんはもう腹痛と下痢が耐え難く辛すぎるのと、医学の知識も全く無くもはや思考能力も完全に停止寸前だったので、ワラをも掴む思いで全てM先生の治療方針を受け入れました。

点滴を鎖骨の下から入れるIVHを行い、40日間の絶食を行われました。IVHの点滴では食事の代わりに高カロリーの輸液とステロイド、朝晩の注腸が繰り返されました。毎日モルモットの様にベッドの上で食べる事も飲む事も出来ず、唯ひたすら大腸の全摘出だけは免れたいと天井を眺め神に祈る日々でした。このステロイド大量投与の結果10日間~2週間で下痢と出血が徐々に止まり落ち着いてきました。その代償として副作用で顔面は真ん丸に腫れ上がり、目は飛び出し、顔全体はニキビで一杯になりました。そして信じられない様な情緒不安定に襲われ、突然涙を流したり、怒り出したり、「奇行」が目立つ事もありました。ステロイドの副作用の恐ろしさは顔の形や体調を変化させるだけではなく、精神もメチャクチャにしていくのです。

約2ヶ月の入院からようやく自宅療養に切り替えられる様になり退院されましたが、顔の腫れやニキビは中々治らず、3ヶ月~半年かけても徐々にしか治りませんでした。退院してからステロイドからペンタサに薬を切り替えて毎日飲み、定期的な大腸検査を続け、食事も消化の良いあっさりした物だけにして気を付けていましたが、必ず1年経つか経たないぐらいに下痢・出血・腹痛と再び暴れ出すのです。その時は仕事等でどうしても長期入院は難しく、10日間絶食してまたステロイドを使い、ちょっと症状がなくなったところで無理矢理退院されていました。それからも何回も必ず繰り返す症状の疑問と、一生治らないのに何故薬を飲み続けるのかという疑問とで、薬を飲む事を止め、病院に行く事も止めました。そして食事も好きな物を食べる様になっていきました。「発症から10年以内にガンになる」と散々医者に驚かされていましたが、自分の人生、自分が決めてやると開き直って、どうせ死ぬなら、こんなモルモットの様な人生よりも好きな事をして死んでやると覚悟を決めました。

しかし症状は深刻で辛く、一進一退の生活を続けていました。2009年春にふと「病気は必ず治る方法があるのではないか?」「この世に治らない病気なんてある訳ない」と、自分の今迄の考えを全て否定しました。そして、何かに取り懸かれた様に無意識の内に携帯電話で『潰瘍性大腸炎・完治』のキーワードを入力して検索を始めていました。そしてとうとう、松本漢方クリニックのホームページにたどり着いたのです。今迄全く聞いた事の無い私の理論と当時掲載されていた沢山の具体的な内容の患者さんの手記を読んで、漠然と「これは絶対に治る」と確信しました。そして、2009年夏に初めて松本漢方クリニックを訪れました。

九州から遥々やって来たので、開院の1時間前に到着し一番乗りしました。みるみる内に人が増えて、30分もしない内に満員状態になった光景を見て鳥肌が立ったそうで「やっぱり大丈夫だ、自分の選択は間違ってなかった」と再度確信されたとのことでした。診察の順番が来て私は「治してあげるよ!」と患者さんに言い、固い握手を交わしました。それから私の問いかけに長年の積もり積もった思いを吐き出し、患者さんの気持ちに呼応して、時に熱く、時には歯に衣着せぬ過激な口調で話をしてしまいました。全ての診察を終え、漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、九州へ帰って行きました。

ここから本当の免疫とヘルペスとの戦いの始まりです。漢方薬を煮出す時間、煮出した漢方薬の悶絶する程の苦さ、漢方薬を1日3食前後と就寝前に飲む事の手間、患者さんは一人暮らしだったため、1人ですべて行うのは大変でした。病院に行って薬を貰ってちょっと飲んだら直ぐに治るのだと安易に考えていたので、毎日規則正しく薬を飲んでいたそうですが、3ヶ月位経っても未だ症状が劇的に変わらない事に苛つき、業を煮やしとうとう薬を飲む事を止めてしまったのです。

患者さんはかなり長い間ステロイド治療を受けてきたので免疫がものすごく下がっていました。ステロイドを多く長期間使い続けてしまうとその分激しいリバウンドが現れて長い時間をかけてステロイドを抜き、免疫が元に戻していきます。リバウンドにより酷い場合はトイレや食事はもちろん、1日中寝たきり状態になってしまうので一人だと生活もままならなくなります。なので当院で治療を受けるにあたってはご家族の理解と協力が必要不可欠なのです。

2~3ヶ月位経った頃、薬を飲むのを止めてから、ふと「あれ?オレは一体何をしているのだろう?」「他に方法なんか無いのに一生この状態で生きて行くのか?」自問自答した結果、また漢方薬を貰って治したいと思い直し、当院に電話しました。私ははちゃめちゃに𠮟咤しました。「本気で治す気がないんやったら止めとけ」と突き放すように言いました。しかし、患者さんは凄く有難く嬉しかったそうです。なぜなら今迄の医者は皆、自分の都合、自分に迷惑がかかるとか、自分の点数に関わるとか、恐らく自分の利益の為に怒っている様にしか見えなかったからです。しかし私は、絶対的な信念と裏付けを持って、何より患者の為に怒ってくれていると患者さんは私の電波を受け取ったのです。

その時から「何としても自分を実験台にして絶対に治してやる。後に続く人の為にも、一生懸命やってらっしゃる先生の為にも、世の中で自分みたいに病気で困っている人の為にも」と。それからは頑張って毎日コツコツとマイペースに続けて行きました。漢方薬の飲み方がまちまちだったり、患者さんの仕事柄やや偏った生活習慣だったようですが徐々に下痢の回数や出血量が減り良くなっていきました。患者さん自身が体が良くなってきていると自覚してからは劇的に症状が良くなっていきました。

松本漢方クリニックにかかる数年前までは、一日に10回以上の血の下痢と腹痛があったのが、今では一日に1~2回程度の普通便、食事も美味しく食べられるようになったので体重も増えました。集中力も生まれ精力的に物事をこなす事が出来、仕事もプライベートも充実しているようでした。他人に嫉妬せず逆に一緒になって喜び、あまり頑張り過ぎず、時には諦めることで心の在り方をコントロールしストレスを軽減するように指導し、患者さんに卒業を言い渡しました。

症例報告60例目

完治された病名1)潰瘍性大腸炎

患者:37歳、女性

ある日、トイレに行くと血便と粘血便が出たり、便が我慢できなくなったりするため、胃腸外科を受診。医師により内視鏡検査を受けてみると直腸から7センチあたりに潰瘍ができており、潰瘍性大腸炎と診断されました。ペンタサを処方され、帰りに潰瘍性大腸炎は指定難病の1つなので治療費の一部を国が負担してくれる制度があるので必要な書類を持たされ保健所に行くように言われました。患者さんは重い病気にかかってしまったとかなりショックを受け暗い気持ちになってしまいました。

患者さんはアトピーですでに当院で治療を受けており、アトピーが良くなった時に聞かされたので尚更ショックだったのです。帰宅してすぐに私に電話して内容を伝えてくれました。私はすぐに下痢・出血に効く漢方薬を処方し、胃腸外科から出された薬はせっかく上げた免疫を落としてしまうので絶対に飲んではいけないと指導しました。

すでにアトピーの治療で免疫を上げていたので処方した漢方薬を飲むと始めに粘血便がなくなり、次に血便もなくなりました。もし胃腸外科からもらった薬を飲んでしまうと飲んだ分だけ治りが遅くなってしまい、さらに炎症を抑えるため一生薬を飲み続け薬漬けになっていたかもしれませんね。無事に治ってよかったですね。

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