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iPS細胞に見られる新しいタンパク質の発見について

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iPSに見られる新しいタンパク質は異常なタンパク質です。一言で言えばiPSは癌細胞であることを示しています。癌細胞が作った腫瘍マーカーと似た癌タンパク質なのです。

 12/9 日本経済新聞

 京都大学の石浜泰教授は8日までに、ヒトのiPS細胞を大規模解析し、約8000種のたんぱく質を検出したと発表した。山中伸弥京都大教授らとの共同研究による成果で、iPS細胞に特徴的なたんぱく質もいくつか見つかったという。iPS細胞がどうして様々な細胞になる能力を持つのかを調べる手がかりになりそうだ。
 ヒトiPS細胞と、iPS細胞の元になる皮膚細胞を、質量分析計などで網羅的に解析して比較した。両方あわせて9510種のたんぱく質を検出。うち2366種はiPS細胞にだけあった。iPS細胞の機能を調べる目印となるものが新たに5種見つかった。
 ヒトの細胞は環境によって1万数千種のたんぱく質があるといわれる。今回はiPS細胞にある全種類を検出できたわけではないが、これまでで最大規模の報告だという。

 (このニュースは何を意味しているのでしょうか?このニュースの裏に隠れている真実の意味の一つ一つについて検討してみましょう。ノーベル賞をもらいたての山中先生のiPSですから、私としてもiPSにまつわる全ての真実を求めながら批判することは楽しすぎます。喜びに溢れすぎないようにしながら真実を語っていきましょう。

 まず彼らが気づいていない最も大きな問題は何でしょうか?答えは極めて簡単です。人間の皮下組織に最も多くある繊維芽細胞が作るタンパク質と、遺伝子を変えて作ったiPSのタンパク質とが全く違ったという意味づけがされていないことです。最も基本的な事実を彼らは故意に認めていません。つまりタンパク質を作るのはまさにDNAの遺伝子の指令によって作られる遺伝子の意味を明らかにしたクリックのセントラルドグマを全く無視していることです。セントラルドグマとは何でしょうか?生命発生以来、DNAの遺伝情報は不可逆的にDNAからRNAに転写され、RNAの情報が翻訳されてタンパク質を合成するという事実です。京大の教授たる人々がこんな簡単な真実を知らないわけはありません。にもかかわらず、繊維芽細胞にはなくてiPSに新しい2366種のタンパク質を見つけて喜んでいるザマが悲しいのです。彼らは山中4因子を入れてiPSを作ったのですが、そのiPSが正常な線維芽細胞にない異常なタンパク質を作ってしまったことを嘆いていない点が、私にとっては恐ろしいのです。つまり異常な細胞を作ってしまったことに楽しみを見つけ出している様子は、まるで彼らは遺伝子遊びをしていることに気づいていないのです。

 タンパク質を作る遺伝子を変える方法は2つしかありません。皆さん、ご存知だと思いますが、成人の細胞は60兆から成り立っています。この60兆個の全ての細胞に同じDNAが含まれています。遺伝子はDNAから成り立っていることもご存知でしょう。にもかかわらず、どうして違った組織が出来上がるのでしょうか?言い換えれば、なぜ目の中に腸管ができたり、なぜ心臓に耳ができないのでしょうか?目も耳も心臓も全て同じ遺伝子を持っているのにもかかわらず、であります。その答えは簡単です。1個の精子と1個の卵子が結びついて1個の受精卵ができます。この受精卵の核に存在するDNAは、この受精卵から赤ちゃんが生まれ、この赤ちゃんが成人になり老人になり、死ぬまで同じDNAを持っています。にもかかわらず、肺が足になったり、肝臓が膀胱になったりしないのでしょうか?

 ここでひとつだけ注意を促します。一人の人間の細胞は全て同じだといいましたが、例外があります。リンパ球です。リンパ球だけは特別な細胞であり、このリンパ球の細胞だけが異なることを証明したのが利根川進です。彼はタンパク質である抗体が何億種類もある根拠を証明してノーベル生理医学賞をもらったのです。この仕事は山中先生のノーベル賞よりもはるかに価値のある研究です。つまり利根川進が証明したのは、全ての体細胞は抗体の遺伝子を作る前駆体を持っているだけで、前駆体の遺伝子だけでは抗体のタンパク質を作ることができなくて、ただリンパ球だけが分化する過程で抗体遺伝子の組み換えが起きて、ひとつのリンパ球はただ1種類だけの抗体遺伝子を持つようになるメカニズムを完璧に利根川進は解明したのです。つまりそれまでは全ての体細胞は同じ遺伝子を持っていると考えられていたのですが、リンパ球だけは例外であることを証明したのです。これは素晴らしい研究です。だからこそ日本で初めてのノーベル生理医学賞の受賞者となったのです。

 利根川先生と山中先生のノーベル賞の価値の違いについて述べておきましょう。まず利根川先生はリンパ球を含めて全ての体細胞は、それまでは同じ遺伝子であるという概念が間違っていることを証明しました。しかもリンパ球が他の体細胞と遺伝子がどのようにして変わるかということを完璧に証明しました。彼は無理やりにリンパ球の遺伝子を変えることができるということを証明したのではないのです。38億年の生命の進化の中で生じた神なる遺伝子の一部であるリンパ球が作る抗体の可能性を明らかにしたのです。つまり既に知られていた抗体の多様性の事実を原理的に説明しただけなのです。さらにこの研究を金儲けに利用したわけではないのです。

 一方、山中先生のiPSは、たまたま山中因子を4つ入れて細胞が分化するために必要であった1000個以上のメチル化を訳も分からずはずし、さらに400万個もある転写因子の中の数多くの転写因子をONにしたりOFFにしただけで、たまたま訳の分からないiPSといういかにも素晴らしい細胞を作ったように見えるだけで、実は癌細胞を作っただけですから、何の意味もないのです。つまり無理やりに変えてはならない神なる遺伝子を変えることによって世間を驚かせただけですから、真実とはまるで関係がないうえに、病気の治療にも実は役立たないのです。しかもどのようにしてメチル化をはずしたのか、というシステムを解明したわけでもなく、かつどのようにして数多くの転写因子をONにしたりOFFにしたかについてもひとつも解明していないのです。さらに遺伝子を変えることによって病気などは治るわけはないのに、世間に病気が治るように喧伝しているところが罪なのです。

 彼は臨床経験がほとんどないので、病気の意味もご存知でないのです。彼は神戸大の整形外科医であったらしいのですが、上司からはもちろん、自らも認めておられるのですが、不器用で整形外科医には向かないということで“じゃまなか”というあだ名までつけられていたようですが、リウマチを治すことができないので基礎研究学者に転向されたようです。ところが実は私は既にリウマチを治すことができるので、基礎研究などは何も要らないのです。病気を治すのは患者の持っている免疫の遺伝子ですから、あくまでも治る根拠を研究するのが学者の責務でありますので、私から言わせると、彼もアレルギーと膠原病が同じ病気であることさえ知らないと思います。そうでなければ世間にiPSで治らない病気を治すというような雰囲気を作り出す必要もないからです。

 ステロイドを作ったヘンチはノーベル賞をもらいましたが、ステロイドによって治した病気は何一つないのですが、巨大な富を医薬業界にもたらしたのは確かです。このような意味でiPSを使われた患者にどんどん病気を作っていき、さらにそれを治すと称して、医薬業界はステロイド以上に莫大な富を稼ぐことになるでしょう。ステロイドもiPSも決して“人類の最も貢献した研究”に相応しい功績ではなくて“医薬業界に最も貢献した研究”の故に、ノーベル生理医学賞が与えられたものだと私は考えています。ワッハッハ!薬で病気を治すものではありません。医者が病気を治すものではありません。生命が進化できたのは38億年間、免疫の遺伝子が生命の命を守ってきたからなのです。その遺伝子を変えることは絶対に許されないのです。38億年の進化の中で医者がいましたか?薬がありましたか?何もなかったでしょう。本当の医者と薬は全ての生命に与えられている免疫の遺伝子そのものだったのです。もちろん今も変わりはありません。

 1個の受精卵は母親の胎内にいる間に分化というプロセスを経るのです。分化とは何でしょうか?目になる細胞は目になる遺伝子のタンパク質だけを作らせて、その他の全ての遺伝子の命令を封殺してしまうのです。心臓になる細胞は心臓を作るタンパク質だけを作らせる遺伝子だけを働くようにさせ、他の全てのタンパクを作る遺伝子の働きを完全に止めてしまうのです。それではどのようにして不必要な遺伝子の働きを封じ込めることができるのでしょうか?目が目になる例をとって説明しましょう。

 目になるために必要な遺伝子にはメチル基がつかないで、目になる以外の不必要な遺伝子の全てはメチル化されるのです。メチル化とは何かを説明しましょう。メチル基が目になる遺伝子以外のDNAにある遺伝子のシトシンという塩基に結びつくと、その遺伝子の働きが抑制されて、それらの遺伝子の発現が不可能となり、つまりそれらの遺伝子にコードされているタンパク質が作れなくなってしまうのです。もちろんどのようにして発生段階でDNAの特定領域をメチル化するのかの機構は全く不明であるのですが、目が目になる発生過程や心臓が心臓になる発生過程、つまり分化過程は、いわば発生に不必要なDNAの特定の部分がメチル化してしまうプロセスとあるということは分かっているのです。

 逆に言うと、無理やりにメチル化をはずすことができれば、見かけは元の分化がなくなったように見えて、よく言われるように、『iPSは線維芽細胞の分化をはずして初期化し、万能才能になった』と喧伝されているのです。現在分かっているだけでも、ひとつの細胞のメチル化を1000箇所以上はずしたといわれています。ところがはずしてしまうと、その細胞が死なない限りは、訳の分からない細胞になり、これが癌細胞といわれるものになるのです。つまりiPSが分化していくと様々な組織を作ってしまい、テラトーマという癌になるのです。日本語では奇形腫といい、癌組織中に様々な組織が混在する腫瘍となるのです。つまりどのように正しい組織を作るのかが分からなくなり、目になっていいのか骨になっていいのか肺になっていいのか分からない細胞が死なないで生き延びていくと、最後は38億年の進化の中で見たこともない細胞の集まり、つまりとんでもない癌が出来上がってしまうことになるのです。iPSを作った山中先生も常にiPSは癌になる可能性があると言い続け、医薬業界に警鐘を鳴らしているのは当然のことなのです。だからこそ私はなぜこんな細胞にノーベル賞が与えられたのか全く理解できません。癌を治すことが世界の医学で最も大きな目標になっているにもかかわらず、癌細胞を作るiPSにノーベル賞を与えるというのは気が狂っているといっても過言ではないのです。にもかかわらず世間一般の人はiPSで全ての病気が治るなどと信じているようですが、ばかげた話です。iPSは癌細胞を作っているだけなのです。病気の原因は文明が作った化学物質と、文明が作った免疫の働きを抑える薬によって増えたヘルペスウイルスだけなのです。

 癌は病気ではありません。癌は生命の元である細胞自身が生き過ぎたことを知り、老化を知り細胞自らが癌細胞になって自殺するのも当然の摂理であり、細胞が老化したり自殺してしまえば、人が老化し死ぬのも当然なのです。私おしゃべり松本も癌で死ぬでしょうが、皆さん喜んでください。うるさい男がこの世から消え去ったことを喜んでください!iPSが癌細胞であるということを証明するような男は早く癌になって死んでもらいたいと思っている人も多くおられるでしょうが、その人たちとともに喜んでください!ワッハッハ!人はみんな癌で死ぬべきです。長生きして若い人に迷惑をかけてはいけません!癌で死ぬのが最も自然な死なのです。なぜなら細胞の遺伝子が死ねと命令しているわけですから、一番自然な死なのです。

 ここで一言、余計な話ですが真実をお話しましょう。ノーベル賞を作ったノーベルは、どのようにして巨額の財産を手に入れたかご存知ですか?私は子供の頃からノーベルは安全な爆薬であるダイナマイトを作って鉱山などから鉱石を採りやすくしたために富を築いたと信じていました。皆さんもそう信じているでしょうが、実は彼は武器製造販売業者である“死の商人”であり、彼の父も“死の商人”だったのです。彼が生きている間は“死の商人”で名を馳せていたのです。父の意思を継いでアルフレッド・ノーベルは、武器の改良や安全な爆発物、つまり相手を殺すのに扱いやすい爆発物ダイナマイトを作り、戦争で安全に使うように改良して得た富が巨大であったのです。鉱山を爆発させるだけで巨大な富が蓄積されるでしょうか?無理です。やはり昔も今も“死の商人”にとっては戦争が一番儲かるのです。彼は相手を殺す武器の改良に改良を重ねてノーベル賞の原資を生み出したのです。彼が生きていた時代に、彼は死の商人で有名であったことを、アルフレッド・ノーベルの生涯を勉強して分かりました。彼がノーベル賞を創設したのは罪の償いのためにやったのかもしれません。最後にいやみな一言を付け加えさせてください。核兵器を作った会社が儲けた莫大な金で世界平和賞を作ったところで何の意味があるでしょうか?考えてください。巨大な富を築くのはやはり悪いことをしなければならないのでしょうか?医薬業界も同じなのでしょうか?悲しいことです。残念ですが、以上の話も全て真実の一部です。興味のある人はアルフレッド・ノーベルがどのようにして巨大な富を作ったかを勉強すれば極めて面白いですよ。真実は常に酷薄です。悲しいことです。

 脇道から本道に戻りましょう。メチル化をはずすことは何も分化した細胞を分化を始める状態に戻すこと、つまり初期化するだけではないのです。実を言えば、癌細胞のほとんどが分化のために必要であった遺伝子のメチル化がはずされていることも分かっています。

 皆さん、特にお年よりの方はご存知だと思いますが、体の臓器の細胞が癌化していないかどうかを見るために、『腫瘍マーカーを調べましょう』と医者に言われたことはないでしょうか?有名な腫瘍マーカーには、CEA、TPA、BFE、SCC抗原、SLX、CA19-9、NCC-ST-439、CA125、CA72-4など、現在知られている腫瘍マーカーだけで30種類以上あります。これらは正常な細胞では作られないタンパク質であり、まさに癌細胞が作ったタンパク質であるので、体の中に癌があるかどうかが分かるのです。このような腫瘍マーカーであるタンパク質はどうして癌細胞が作ったのでしょうか?答えは簡単です。皆さんご存知のように癌は遺伝子の病気なのです。つまり正常な遺伝子が癌を作る遺伝子に変わり、その結果癌だけが作るタンパク質を作っただけなのです。だからこそ腫瘍マーカーといわれるのです。遺伝子を人為的に変異させてしまうと癌になってしまうので、遺伝子を人工的に変えてはならない理由のひとつになるのです。iPSはまさに人為的癌細胞なのです。もちろん遺伝子が正常でないタンパク質を作ったからといってすぐに死ぬわけではありません。しかし時間が経てば経つほど、癌遺伝子を持った細胞がどんどん増えていき、正常な細胞の働きをなくすとともに、正常な組織でしかも生命に絶対必要な組織に転移してしまうと死んでしまうのです。

 iPSも再生医療に用いられたとしても、例えばiPSを見かけは心筋細胞や目の網膜細胞や神経細胞に変えたところで、すぐに癌になることはないでしょう。けれども、iPSによって変えられた遺伝子は必ず元の線維芽細胞に戻ろうとするか、癌細胞になるか、アポトーシス(細胞自殺)になるか、それとも異常の細胞として生き永らえても、その細胞の機能は異常になるかのいずれかでしょう。自信を持って予言できます。iPSの臨床治験はES細胞の再生医療の利用において失敗したのと同じく、必ず失敗するでしょう、と。遺伝子操作遊びはやめましょう!

 これほど世間に期待を持たせているiPSを作った山中先生は、癌を治せるということを言わないかこれで皆さん理解できたでしょう。だって彼自身が癌細胞を作っているわけですから、どうしてiPSで癌を治すことができるでしょうか?不可能です。iPSは世間に期待を持たせすぎたので、しかもノーベル賞をもらってしまったので、iPSのイロハも知らない一般大衆がiPSに過大な期待を抱くのも当然でしょうが、今後臨床治験で組織再生のために使われた後に大問題を起こすことも予言できます。そのとき彼はどのような態度をとるでしょうか?楽しみです。生命の根源である遺伝子を理解することは許されても、訳の分からない山中4因子を入れて、遺伝子を変えることによって訳の分からないiPSを作って利用することは許されないのです。なぜならば神なる遺伝子は人間の猿知恵がいじくりまわすことは許されないからです。松本という男はなんて意地悪な男かお分かりになったでしょう。だってノーベル賞受賞のiPSを堂々と批判するのですから、なんと嫌な男でしょう!日本一いけ好かない男でしょう。しかしこれが真実なのです。いずれ誰かに殺されて死んでしまうでしょう。ワッハッハ!

 メチル化の話はここまでにして、今述べた山中因子はステロイドと同じように転写因子そのものであることを知ってください。以前に述べましたが、1個の細胞には400万個以上の転写装置があることを覚えておられますか?遺伝子はアミノ酸を作る設計書であります。このアミノ酸を繋ぎ合わせてタンパク質を作る設計書といってもいいのです。この設計書の指令どおりにタンパク質を作れるようにする働きが開始されるときに、その遺伝子がONになったとか、発現したとかと言われます。他方、その遺伝子がタンパク質を作っていない状態を、その遺伝子がOFFになっているとか、その遺伝子が発現していないとかと言われます。タンパク質こそ生命活動を続けるために必須の条件です。さらにエネルギー代謝も必要ですが、細胞が生存し続けるためには常にこれらの働きが必要ですから、このときにONにならなければならない遺伝子があります。このような遺伝子は“人間という家”を維持するために必要な遺伝子ですから、ハウスキーピング遺伝子といいます。このハウスキーピング遺伝子は毎日毎日ONになってタンパク質を作ったり、エネルギー代謝を行う仕事をしているのです。

 一方、人体にウイルスや細菌や化学物質が入ったときに、特別な免疫の遺伝子がONになって、最後は抗体を作って敵をやっつけるのです。このやっつけ方は4つあります。まず相手を殺すこと、これが風邪のウイルスや他の感染症を起こす病原体です。2つめが共存することです。これが化学物質です。3つめはヘルペスウイルスです。神経節や神経叢に封じ込めることです。4つめは排除することです。このような勝利を導くために様々な抗体を作るのですが、この抗体を作るまでに無数の遺伝子がカスケード的にONにされたりOFFにされたりしているのです。このONとOFFを調節する遺伝子を闇雲に切ってしまったのが山中4因子なのであります。もちろん山中4因子は1個の線維芽細胞の遺伝子の中に400万個以上もあることが分かっています。その400万個の転写因子、つまり遺伝子を発現させるスイッチのどこを変えたかについては一切わかっていません。つまり転写因子のON、OFFは人間が自由に操れるものではないということです。さらに一瞬にして山中4因子をあらゆる細胞に入れてiPSに変えても、再びその転写因子の働きがどのようにしていつ戻ってくるかさえも分かりません。

 分化した細胞の遺伝子は必ず受精卵から分化するまでの遺伝子の過去の発現は全てものである染色体の遺伝子に刻印されていると考えられます。つまり遺伝子は過去の自分の仕事を記憶しているといってもいいのです。それはちょうど脳の神経細胞が過去現在において、時間の中で意識されたできごとを記憶したり、免疫の戦いを免疫系の様々な記憶細胞であるメモリーT細胞やメモリーB細胞やメモリーキラーT細胞が敵を覚えているのと同じことなのです。今なお記憶が脳細胞でどのように行われ、免疫記憶細胞がどのようにしてできあがるのかは、いまだに誰も明らかにしていません。iPSも同じように元の細胞が自分の過去の履歴を覚えている例として最近の研究の一例を挙げましょう。新聞記事に報道されていた記事を載せましょう。

がん患者の免疫細胞、iPS化した後で再び元気な免疫細胞に

 がんを攻撃している患者の免疫細胞を取り出し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、元気な免疫細胞に生まれ変わらせることに成功したと理化学研究所のチームが4日付の米科学誌に発表した。試験管での実験段階だが、がんの免疫療法に応用できる可能性もあるとしている。
 どんな細胞にもなり得るiPS細胞を利用することで、免疫細胞を活性化させる従来の免疫療法よりも、寿命が長く大量の免疫細胞を得られるのが利点。免疫細胞のうちリンパ球は、いったんiPS細胞となっても、それ以前に攻撃していたがんの特徴を“記憶”する性質があるという。
 チームは、悪性度の高い皮膚がんの「悪性黒色腫」の患者から、がんを攻撃しているリンパ球の「T細胞」を取り出し、iPS細胞を作った。再びT細胞へと分化させ活性化させたところ、試験管内でがん細胞を活発に攻撃する能力があるのを確認した。
 T細胞はがん細胞を認識する際に、遺伝子の並び方を変えてがんの特徴を記憶する。そこからiPS細胞を作ると、遺伝子の並び方にがんの特徴が保存されているため、以前と同じがんを攻撃する。  理研の河本宏チームリーダーは「動物実験で効果を確認したい」としている。
2013.1.4

 上記の記事に書かれているように、免疫細胞のキラーT細胞はいったんiPSになってもそれ以前に攻撃した癌の特徴を記憶しているのです。この記事をあえて取り出したのは、どんな細胞をiPSに変えても、過去の履歴を記憶していると私は言いたいためです。と同時にこのキラーT細胞はiPSにされた記憶をどのように遺伝子に刻印したのかも興味があります。むりやりiPS細胞にされたために、その後どれぐらい見かけは正常なT細胞を続けるのか、あるいはこのT細胞が癌になって白血病になるか、それともアポトーシスするか、今後の実験が楽しみです。この結果も予想はできます。必ず遺伝子の修復が起こり、とんでもない細胞になってしまう可能性が大です。遺伝子を無理やりに変えられてしまうと、遺伝子を修復する遺伝子まで変えられてしまっている可能性もありますから、一体このような細胞がどのような運命を今後たどっていくのかは誰も予言できないのですが。いずれにしろ、遺伝子を無理やりに変えることは必ず遺伝子から逆襲を受けてしまうのです。遺伝子は人間が自由に操れるものではないのです。遺伝子を触ることは神なる38億年の時間を否定し、かつその時間の中で進化した神なる遺伝子をも否定することになるからです。山中先生はiPSという禁断の木の実を手に入れてしまったのです。

 ついでに付け加えると、このような実験の無意味さについてであります。このT細胞をiPSに変えて再びT細胞に戻し、それを増殖させて再び癌患者に入れる実験の無意味さです。患者からT細胞を取り出して何もわざわざiPSに変えて、さらにT細胞に分化させる馬鹿なことをしないで、単にT細胞を取り出してそれを試験管で増殖させて、それを癌患者に入れるほうがはるかに安全で金もかからないからです。実はこれは実際に行われていることです。それが免疫療法という名で行われている癌治療であります。この治療も莫大な金がかかりますから、保険医療では認められていません。金のある特定の癌患者だけが自費でやっています。

 癌は生命の根源である細胞自身が癌化するものですから、老化のひとつです。老化を止めることはできません。人間がいつまでも生き続けたいという気持ちはもちろん分かりますが、責任を果たした老人が若い人に迷惑をかけてまで生き続けるけることは実は日本人が一番嫌うところです。近頃は癌で大往生するのが一番素敵であるという本が出始めましたがまさにその通りです。私もいずれ老化による癌で死んでしまいますが、家族には『私が癌で死んだときには大いに喜んでくれ、大宴会をやってくれ』と今から楽しい遺言を言い続けています。

 確かに免疫は癌細胞をやっつけることができますが、遺伝子の命令で生きている私たち人間は、遺伝子が癌化し正常な生命を断ち切られるという真実を絶対に排除できません。しかしながら癌化した細胞を少しでも免疫で排除させるここによって少しでも長生きできる可能性は残ります。従って長生きしたいと思う人はできる限り自分の免疫を抑えないでいち早く癌細胞を自分の免疫で殺す生き方が大事です。つまりストレスホルモンである副腎皮質ホルモンを出さないで免疫を常に正常に保つ生き方が一番大事なのです。その生き方の要諦は、喜んで欲を捨てる・諦める・自分の運命を受け入れる、というような生き方を毎日心がけることです。ストレスがゼロの生き方は、はるかに自分よりも幸せな人の幸せを共感し、喜んであげることです。このような心は一切お金が要らないので実は誰でもできることなのです。誰もが欲しがる金を一銭も使わずにできる最高の生き方が実は皮肉にも最もできにくいというのが人の心の不条理さであります。

 私は高額な免疫療法よりも高額になるiPS療法はやりたい人は全て勝手に自分のお金でやればいいのです。しかしながら再生医療という名においてiPS研究には巨額の公費が投入されていますが、その公費は誰が負担するのでしょうか?先日の新聞記事にも自民党は1100億円の巨額の公費を再生医療の研究に投与すると報じられていました。この予算の全てが税金です。アベノミクスで10年間で20兆円の大判振る舞いをしつつありますが、果たして日本は成長が可能でしょうか?200兆円以上の金が10年後に儲かるでしょうか?絶対に無理です。若い人たちに借金を増やすだけです。失敗したときに責任は誰が取るのでしょうか?

 経済の原理原則は安い良いものを作って売りまくり、その差額を利益として儲けることですが、日本人の生活レベルが上がったために安い賃金でものを作ることが不可能になりました。だからこそ優れた日本の会社が作った製品は高くて売れないのです。パナソニック・シャープ・サンヨー・ソニーがそうです。このような優れた会社が造った製品が売れない限りは儲かりません。そのため安い賃金の国での生産に移行し、貧乏国が徐々に日本やアメリカに追いついていくことは経済の歴史が証明しております。そんなときに病気を治すこともできないiPSに公費を使って何の意味があるのでしょうか?

 現代文明の病気の原因は化学物質とヘルペスウイルスと風邪だけです。過去の歴史で人類が死んでいった病気は感染症だけだったのです。感染症が抗生物質とワクチンと公衆衛生の向上と栄養状態の増進の結果、感染症で死ぬことはなくなったのです。だからこそ寿命が延び、最後は老化である癌にならざるを得なくなったのです。つまり病気とは、まさに感染症そのものだったのです。ペストであり、天然痘であり、結核であり、コレラであり、赤痢であったのですが、感染症=病気がなくなったので、まさに死ぬような病気がこの世の中からなくなったのです。だからこそ病気という言葉もなくすべきなのです。もっとはっきり言いましょう。従って病院という名前もなくし、病人という言葉もなくすべきなのです。愚かな大衆は、実態の全くない病気という言葉で操られているだけなのです。と同時に病気の対極語である健康という言葉もなくすべきなのです。なぜならば病気という言葉がなくなれば、当然健康という言葉もなくすべきなのです。

 医者や製薬メーカーや一般大衆は病気の定義さえも知らないのに何も怖くない病気を恐れています。医薬業界は愚かな大衆を『病気に気をつけろ、病気になれば医者にかかれ』と言いまくり、病気の意味も知らない大衆を脅かし続けています。さらに健康の意味も知らずして愚かにも健康を求めて騒ぎまくっています。医薬業界は『病気にならないために定期健診を受けなさい、健康を守るため、病気にならないために健診を受けなさい。』とお金を儲けるために愚かな大衆をそそのかしています。悲しい現実です。健康食品、健康サプリメント、何も要りません。

 成人病は感染症ではないので病気というべきではないのです。いわゆる健康のためには絶対に必要な5大栄養素を摂りすぎたために生じた贅沢病がいわゆる成人病といわれるものです。つまりいやみを言わせてもらえば、いわゆる美味しい健康食品をとりすぎたために病気になっただけですから、贅沢をやめればこのような成人病はなくなってしまうのです。この真実も医薬業界は一言も口にしません。残念なことです。それでも自分でいわゆる美味しい食べ物を大量に食べて成人病を作ることは勝手ですが、そのために医療費という公費を使うのは間違っています。ものごとは原因を知って初めて正しい答えを出せるのです。病気も同じことです。病気の原因を知らなければ根本的に病気を治すことはできません。従って成人病を治すためには贅沢をしないというキャンペーンを医薬業界がやるべきです。これが本当の成人病に対する予防医学ですが誰もやりません。なぜならば金が儲からないからです。真実を全て語れば日本のGDP、いや世界のGDPはガタ落ちになるでしょう。しかしながら、国家財政をいつまでもふくらませていく公費の医療費は減っていくので、日本の、いや世界の先進国の財政負担は極端に正常になってしまうでしょう。世界のGDPが増えれば増えるほど国家が破綻するという皮肉な現象が既にヨーロッパに起こっています。いやアメリカも起こりつつあります。いや、日本で目の前に起こりつつあります。この窮境を誰が救うことができるでしょうか?無理でしょう。残念です。人間は真実よりも快適な幻想が大好きですから、どうにもなりません。

 いつも思うことがあります。山中先生は病気をいち早く治したいとあちこちで言われていますが、彼は病気とは何かご存知でしょうか、と問いかけたいのです。事故は病気ではありません。老化も病気ではありません。癌も病気ではないのです。彼は病気を治すという意味を実際にどこまで理解しておられるかいつも疑問に感じております。さらにiPSで見かけの精子を作り卵子を作ることが可能であります。この卵子や精子が正常であるかは誰も保証できません。しかしながら男性の細胞から卵子を作り、女性の細胞から精子を作ることも原理的には可能です。男性のiPSから卵子を作り、女性のiPSから精子を作って合体させたらどんな人間ができるのでしょうかね?ワッハッハ!

 実はクローン人間を作ることも原理的には可能なのです。数年前に韓国のソウル大学の黄ファンジャ教授がクローン人間の元になるクローン胚を作ったと発表しましたが、実は嘘でした。ところがこれはたまたま症例数が少なかっただけで、何万個の卵子を使って人間クローン胚作成の実験をやれば必ずひとつはクローン胚になった可能性は実は充分にあったのです。たまたま出来上がってなかったのに、出来上がったと言ったために症例数が充分でなかったのです。10万個の卵子を使っていれば、必ずひとつは人間クローン胚になっていたはずなのです。彼は功を焦りすぎたのです。ちょうどそれは山中先生が5万個の線維芽細胞に山中4因子を入れて数個のiPSがやっとできたのと同じくらいの確率でしか人間クローン胚はできないのです。いやもっと確率は低かったかもしれません。いずれにしろ黄ファンジャ教授も理論的には絶対にクローン胚ができると確信していたので、自分がいち早く発表して他の学者に先を越されないようにと焦って発表するのが早すぎたのです。韓国で初めてのノーベル賞をとりたい野心が強すぎたのです。その後、世界中の全ての学者がこっそりと人間クローン胚を続けているはずです。時代の流れとしては人間クローン胚の作成を許さない雰囲気がありますから、既にこっそりと人間クローン胚を作ってしまった学者は発表を控えているだけだと考えられます。なぜならば金儲けと人間の好奇心は倫理をはるかに超えているからです。ひょっとすればクローン人間が既に生きているかもしれませんね!ワッハッハ!

 皆さんご存知のようにドリーというクローン羊が作られました。6年間生き続けました。美味しい肉を作ってくれる優秀なクローン牛もあちこちで作られ、私たちは食べています。このように遺伝子操作が誰でも簡単にできるようになった現代において、動物はともかく人間の遺伝子を自由に操ることの意味を病気や健康の真実の意味と合わせて考えるべきです。皆さん、考えてください。病気は自分で作り、医者が作り、薬が作るものです。病気を治すのは38億年かかって生命を守り通した免疫の遺伝子です。免疫の遺伝子に勝る医者も薬も何ひとつないのです。確かに免疫の遺伝子を助けてくれるワクチンや抗生物質はできました。しかし免疫の遺伝子のない人にワクチンや抗生物質を入れても、本来の病気である感染症に勝つことはできないのです。やはり免疫の遺伝子こそが人類の命を守ったのです。

 感染症が完全に制圧されたこの文明社会において死ぬような病気は何ひとつないことを知ってください。だのにどうしてiPSが病気を治すために必要でしょうか?おかしなことばかりです。化学物質やヘルペスが文明社会の最も大きな病気の原因であることを誰も言いません。ましてやアレルギーと膠原病は同じ化学物質を相手にしていることさえ誰も言わないのです。アレルギーはIgEを武器として用い、膠原病はIgGを武器として用いている違いだけなのです。従ってアレルギーではハウスダストに対するIgEがあるように、膠原病ではハウスダストに対するIgGがあることさえ、学者の誰も教えないのです。おかしなことばかりです。しかしiPSも必ず巨大な富を医薬業界にもたらすことは必定です。ステロイド以上に巨大な富を医薬業界にもたらすでしょう。と同時に、巨大な病気をステロイド以上に生み出すことになるでしょう。病気を作ってますます医薬業界は繁栄するでしょうが、と同時に国民皆保険が続く限りはさらに巨大な国家財政の赤字をもたらすことになるでしょう。iPSの研究も山中先生ご自身のお金でやればいいのです。iPS治療を受けたい人も自分のお金で受ければよいのです。病気の意味さえ知らない人たちに国家の金を無駄に使うことは許したくないのです。

 皆さん、これだけ医学が発達したのにもかかわらず、なぜ病気が増え続けるのでしょうか?答えは簡単です。工場で作られる薬は全て人間の免疫の働きを支配する免疫の遺伝子を変えてしまうからです。一時的には快適さを患者にはもたらすのですが、あくまでも一時的であり、薬をやめると再び症状がひどくなります。なぜ症状がひどくなるかというと、薬によって免疫の遺伝子を変えられた人体は、その遺伝子の働きを元に戻そうとする修復作業を開始します。その繰り返しを死ぬまでやり続けるものですから、病気も病人も累積するばかりです。しかもこれらの薬は免疫の遺伝子だけを変えるのではありません。とりわけステロイドはあらゆる遺伝子の転写因子をOFFにしていきます。38億年かかって作られた完璧な遺伝子の働きを変えることは、人工的遺伝子病を作ることになるのです。

 ステロイドは麻薬です。麻薬の取り締まりはあるのに、なぜステロイドという麻薬の取り締まりはないのでしょうか?私には分かりません。iPSはステロイドの何百倍、何千倍も遺伝子を変えるので、その罪たるや言葉に表すことはできません。残念です。病気を治すのは自分の免疫の遺伝子だけです。この真実を誰も言わないことが断腸の思いです。残念です。

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 全ての細胞の生命の設計図である遺伝子は、同じ遺伝子であるのにもかかわらず、その遺伝子が細胞によって発現されたりされなかったりする違いを「エピジェネティックな違い」といいます。分化とは、とどのつまりは …

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なぜCOVID-19(新新型コロナウイルス)に対するワクチンができないのか 2020.6.4更新

まずワクチンの目的はなんでしょうか?未来において、病気を起こすウイルスや細菌が侵入した時に、それらの病原体に対して、液性免疫である抗体を作ってくれる記憶B細胞を作ったり、細胞に侵入するウイルスや細菌を …