理論

インフルエンザワクチンが必要でない理由と副作用について

投稿日:2019年12月28日 更新日:

 インフルエンザウイルスは他のウイルスと大きな違いがあります。それは他のウイルスの遺伝子はDNAでありますが、インフルエンザウイルスはRNAが遺伝子となっていることです。RNAを遺伝子に持つ医学的に重要なウイルスには、麻疹(はしか)ウイルス、C型肝炎ウイルス、AIDSの原因となっている人免疫不全ウイルス(HIV)などがあります。

 これらのRNAウイルスの一般的な大きな特徴のひとつとして遺伝子の変化速度、つまり遺伝子の変異速度は他のDNAウイルスと比べてはるかに早いことです。つまりインフルエンザウイルスは、毎年毎年ウイルスが絶えず変異しているために、ワクチンを作ったところで、そのワクチンは変異したインフルエンザウイルスに効かないのです。だからインフルエンザワクチンをやる意味はないのです。

 普通の風邪ウイルスは数が多くて、全ての風邪ウイルスにワクチンを打つことは不可能です。従って幼児期に様々な風邪を子供たち同士で移し合いをして今日強力な免疫を身につけていくのです。インフルエンザウイルスに関しても、ひとたびインフルエンザにかかっても免疫を落とすような治療をしていない人は強力な抗体ができ、同じインフルエンザウイルスに対しては何年もの間インフルエンザにかかることはないのです。

 逆に言うと普通感冒もインフルエンザも、一番の予防法は幼少期に感染して強い免疫を身につけておくことなのです。仮に感染したとしても、現代の子供たちは栄養満点である上に、家族から大事にいたわってもらえる豊かな生活をしているわけですから、インフルエンザになれば免疫の抗体を作るタンパク質の多い高栄養の食事を取り、ゆっくり休みよく睡眠をとれば、強い免疫を作ることが可能なのです。

 逆にインフルエンザに対する免疫を作っているときに、解熱剤を使ったり、症状がひどいからといってステロイドを使うと大変なことになってしまうのです。つまり免疫がつかないどころか、インフルエンザウイルスが呼吸器の粘膜にどんどん増殖し、肺炎になって死ぬことがあるのです。

 ここでインフルエンザワクチンのウイルスの副作用について考えてみましょう。インフルエンザウイルスのワクチンは病原菌であるウイルスを人工的に培養し、ウイルスだけを取り出して体内で増殖しないように不活化してあります。この不活化のために、先ほど述べたようにホルマリン、つまりホルムアルデヒドの水溶液を使うのです。元来ホルムアルデヒドはタンパク質を凝固する作用があり、防腐剤や腐食剤として用いられてきたものです。さらに住宅建材、壁紙の接着剤としても添加されており、シックハウス症候群の原因となるのです。目や鼻の粘膜への強い刺激があり、気管支喘息や生態浮腫などの症状を起こします。さらに人に対しては発癌性もあると報告されています。いずれにしろ細菌やウイルスを殺すことができる毒性があるので、人体にとっては異物であります。このホルマリンをワクチンの中から完全に消し去ることは不可能なので、様々な副作用を起こします。肝機能障害、発疹、発熱、けいれん、アナフィラキシーショック、ギランバレー症候群などが報告されています。

 私が最近経験したインフルエンザワクチンの副作用としては、Ⅰ型糖尿病になった子供がいました。これはインフルエンザワクチンの副作用というよりも、別のメカニズムによって膵島のβ細胞が破壊されたためです。それを説明するためにインフルエンザワクチンがどのようにして作られるかを述べておきましょう。3つのステップがあります。最初のステップは鶏の受精卵をたくさん用意し、37度の孵卵期に10日間入れておくと、この受精卵はヒヨコになる途中の卵になります。これを孵化卵といいます。この孵化卵にウイルスの混ざった液体を注射器で注入しておくとウイルスが増えていきます。増えていく最中に孵化卵から液体を取り出して集めます。次のステップはこの液体からウイルスだけを取り出すことです。この液体には卵の成分であるタンパク質もたくさん含まれているので、この液体を遠心分離機にかけると、比重の違いを利用してウイルスだけを取り出すことができます。最後のステップは、分離したウイルスにホルマリンを加えて殺し、ウイルスを不活化します。これが不活化インフルエンザワクチンとなります。

 ここで問題点がいくつかあります。ウイルスを不活化するということに意味についてどの本にも書かれていないのです。不活化ワクチンは殺してしまったウイルスをワクチンに用いるという意味です。実際的には不活化ワクチンを人体に入れても感染はしないというワクチンです。感染はしないということはワクチンにしたインフルエンザウイルスの遺伝子が複製(コピー)できないという意味です。にもかかわらずホルマリンがどうしてインフルエンザウイルスの遺伝子を複製できないようにしているかについては一言も書かれていないのです。ワクチンの専門家は必ずこのような疑問を感じて解明しているはずですが、なぜ語らないのでしょうか?しゃべるとホルマリンで不活化することが人体にまずいことになるからかもしれません。今のところ私にはわかりません。ただ複製できなくなっても、上に述べたように、HAタンパクやNAタンパクはワクチンに残っていますから、ワクチンを投与すれば人体はそれに対して抗体を作ることはできるのです。この15種類のHAに対する抗体を作ったり、9種類のNAに対する抗体をワクチンによって無理やり作らせると、この抗体とクロスリアクション(交差反応)する膵島のβ細胞の膜の糖鎖を生まれつき持っている人、つまり遺伝子を持っている人はこの抗体が付着し、細胞もろとも大食細胞やナチュラルキラー細胞が食べてしまうことがあるのです。なぜクロスリアクション(交差反応)というのかを説明しましょう。交差反応とは、抗体が作られる元となった抗原とは別のよく似た違った種類のタンパクの抗原に対して結合し反応を起こしてしまうことをいいます。この場合は、インフルエンザワクチンに含まれているHAタンパクやNAタンパクと、膵島のβ細胞の膜の糖鎖の分子構造がよく似ているため、この違った2種類のタンパクに対して1種類の抗体が反応するので交差反応と呼ばれるのです。そうするとβ細胞でインシュリンが作られなくなり、幼くしてⅠ型糖尿病となり、生涯インシュリンを打ち続けなければならなくなるのです。

 さらに詳しく知りたい方は、この論文のフルバージョンも読んでみてください。

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