片頭痛・習慣性頭痛 疾患解説

片頭痛や習慣性頭痛について

投稿日:2018年8月22日 更新日:

片頭痛や習慣性頭痛がどのように起こるのかについて説明しましょう。私は以前から、頭痛は三叉神経と脳の血管神経とヘルペスの3者が深く関わりがあることを述べてきました。それでは三叉神経と脳の血管神経とヘルペスがどのように関わって深部痛覚として認識され、頭痛が生ずるのかを詳しく説明しましょう。かなり難しい話になりますがついてきてください。結論から書きますと、脳の血管を支配する自律神経に感染したヘルペスウイルスと、脳の免疫細胞であるミクログリアやアストロサイトやオリゴデンドログリアとの戦いによって生じた炎症が三叉神経の知覚神経に反射弓を通じて痛みとして感じられるのです。つまり、脳の自律神経と三叉神経の痛覚反射の結果として頭痛が生じるのです。そのメカニズムを詳しく説明しましょう。

脳血管に分布している交感神経は、血管を収縮させる作用があるので、一般に血管収縮神経といわれます。例外もあります。一方、副交感神経(迷走神経)は血管を拡張させるので血管拡張神経といわれます。交感神経性血管収縮線維は、アドレナリン作動性線維といわれます。自由神経終末から放出されたノルアドレナリンが血管平滑筋α受容体に作用して血管収縮を起こすのです。常に持続的にある程度の興奮をしており,血管の緊張(tonus)を保っています。例外として、交感神経性血管拡張線維があり、コリン作動性線維といわれます。このコリン作動性線維は、自由神経終末からアセチルコリンを放出し、血管拡張を起こすのです。交感神経は常に血管を収縮させる神経だと思っている人がいますが、実は交感神経にも血管を拡張させる作用もあるのです。もちろんこのときの交感神経の自由神経終末から伝達物質は、ノルアドレナリンではなくてアセチルコリンであることを知っておいてください。このコリン作動性線維は、骨格筋に分布しており、運動時に筋への血流を増加させるためであります。

副交感神経性血管拡張線維もコリン作動性線維神経終末からアセチルコリンが放出され、血管拡張を起こします。血管拡張神経には持続性の興奮はありません。なぜ血管拡張神経には持続性の興奮がなく、一方、交感神経性血管収縮線維は持続性の興奮が必要なのでしょうか?なぜならば血管が拡張し続ければ血圧が維持できないので、心臓がいくら頑張っても血液を全身に流し続けることができないからです。現在の医学では、私たちが普通に頭痛といってすませている痛みを4つに分類しています。それは、群発頭痛、発作性片側頭痛、結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT)、三叉神経・自律神経性頭痛の4つであります。いずれにしろこの4つの頭痛の全てにヘルペスウイルスが関わっているのです。

さらに深部感覚のひとつであるチネル徴候について述べながら、神経が大好きなヘルペスと免疫の戦いによって神経に炎症が起きたときに、どのように炎症のために傷ついた神経が修復されるのかの話もしておきましょう。まずチネル徴候とはなんでしょうか?交通事故による外傷などで傷ついた神経線維(神経軸索)は、徐々に徐々に修復され、新しく正常な神経が再生されます。有髄神経といわれる神経の軸索は髄鞘(ミリエン鞘)で包まれていますが、無髄神経では髄鞘(ミリエン鞘)はありません。傷ついた神経線維が再生する際、まずは軸索が再生され、その軸索の上を髄鞘が覆っていきます。再生していく軸索の先端部は、まだ髄鞘に覆われていないので、軽い刺激でも痛みを感じることがあります。これが時間の経過とともに、末梢部分へと徐々に移行する現象をチネル徴候というのです。チネルという名前は、このチネル徴候を見つけたフランスの神経科医の名前にちなんだのです。軸策の再生が順調に経過する場合、当初は受傷部に強く現れる痛みの徴候が次第に弱まって末梢へ移るため、痛みは神経の再生速度を知る目安にもなります。また神経が損傷しているにもかかわらずチネル徴候が長期に見られない場合は、神経の再生の可能性が低く、治りにくい損傷であることを示しています。

神経線維は6種類あることは既に述べました。髄鞘を持っている神経線維はAα線維、Aβ線維、Aδ線維、Aγ線維、B線維の5つであります。C線維だけ髄鞘がありません。それでは髄鞘のないC線維にいるヘルペスと免疫が戦って損傷した神経線維はどのように修復されるのでしょうか?髄鞘を作る必要がないので、チネル徴候は見られません。C線維は神経軸索を伸ばすだけで簡単に損傷が修復・再生されるのです。アトピーの治療と称して長期間ステロイドを塗りつけてきた患者さんは、膨大なヘルペスウイルスがAα線維やC線維に増殖しています。このような神経線維の神経軸索に増殖しているのみならず、表皮のケラチノサイト(角化細胞)にも入り込んでいます。ステロイドをやめて免疫を復活させるときに、C神経線維にいるヘルペスウイルスと免疫が戦うときは、チクチク・ヒリヒリ・ピリピリという痛みが出ます。一方、表皮の細胞に入り込んでいるヘルペスウイルスを殺すためにNK細胞やキラーT細胞が表皮細胞もろとも細胞内のヘルペスウイルスを殺します。このとき皮膚の表面はリンパ液だらけになります。というのは、細胞は70パーセント近くがリンパ液ですから、細胞が潰れたときにこのリンパ液が皮膚から外部へ漏れだしてしまうためです。

既にご存知のように自律神経は全て無髄神経でありますから、自律神経に増殖したヘルペスと免疫が戦うときには様々な症状が出ますが、傷ついた自律神経はC線維と同じく神経の損傷が治りやすいのです。ところが、痛みを感じる神経はC線維だけではなくて、髄鞘を持ったAδ線維もあります。このAδ線維に住み着いたヘルペスウイルスを殺すために免疫との戦いがひどくなると、その傷はまさにチネル徴候を呈します。しかも傷がなかなか治りにくくなるのです。例えば、線維筋痛症と呼ばれる全身性の痛みは、現代医学では原因不明とされていますが、実はヘルペスウイルスが痛覚神経に増えすぎたためです。医者の使った大量のステロイドホルモンや、さらに自分自身がストレスに耐えるために自ら作り出したステロイドホルモンのために、全身の痛みを感じる有髄神経であるAδ線維に住んでしまった大量のヘルペスと免疫の戦いによって生じたものであります。従ってAα線維はC線維と違って修復再生が難しいので痛みがなかなか取れないのです。

一方、脳神経の全ては無髄神経であるので、ヘルペスとの戦いによって頭痛が起こっても傷が治りやすいので、四六時中続く頭痛は稀にしかないのです。ただし気をつけておいてもらいたいことがあるのですが、あらゆる痛みに際してステロイドや痛み止めを飲むと、免疫の働きによる神経線維の修復再生ができなくなるので、ヘルペスは増えるのみならず、神経線維の傷が治らないので、ますます傷が深く広がるばかりであることを知っておいてください。現代文明に残された最後の病気の原因は、ヘルペス8種類と、7500万種類以上の化学物質であるので、免疫を抑える薬は現代文明の病気の原因を増やすだけであります。

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