用語解説

ビタミンAについて

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 実は、ビタミンAも転写因子のひとつであり、当然、細胞の核内にはビタミンAの受容体があります。ビタミンAもステロイドと同じように摂りすぎると過剰症となり、訳のわからない症状が出ます。例えば、脳圧亢進、激しい頭痛(おもに後頭部)、脱毛、骨・四肢の痛み、不安、易刺激性(不機嫌)、吐き気や嘔吐、肝機能障害、疲労感、奇形の発生、食欲不振、発疹、下痢、睡眠障害、皮膚の荒れ、かゆみ、色素沈着、めまい、鼻血などであります。ビタミンA剤ごときでも過剰になると訳のわからない病気が出てしまうのです。

 逆に欠乏すると、夜盲症、乾燥眼炎、感染に対する抵抗力の低下、成長不良、骨・歯の発育不良と変形、皮膚や粘膜の角質化、皮膚の異常乾燥、色素沈着、性腺の変性退行などの病気になります。

 しかしながら、これらの病気で死ぬことはほとんどないでしょう。ただ、ビタミンAがステロイドと違うところは、ビタミンAを過剰に摂っても、免疫を抑えることにはならないので、快楽を生み出すことがないので、わざわざ医者が不必要に過剰にビタミンAを投与してビタミンA過剰症を作ることはないのです。ワッハッハ!

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