RAG1とRAG2とは何か?RAG(recombination activating gene) ‑1とRAG(recombination activating gene) ‑2は,リンパ球特異的に働くリコンビナーゼ であり,リンパ球がその発生段階で抗原受容体 を形成しているときのみ発現される.私たちの体には、免疫システムと呼ばれる、ウィルスや細菌などの感染から体を守る機能があります。免疫システムには、⾃然免疫と獲得免疫の⼆つがあり、この⼆つが協⼒して病原体から体を守っています。⾃然免疫は、主に病原体の構造を認識するのに対し(⾮特異的反応)、獲得免疫はウィルスなどの細かいタンパク質(抗原)の違いを認識し、特異的な反応を起こします。獲得免疫は、B 細胞と T 細胞が特異的な抗原を感知して起こす反応で、ウィルスに対する感染防御や、癌免疫反応、アレルギー反応などが獲得免疫によって⾏われます。この特異的な反応は、遺伝⼦を組み換えることで作られた特殊な受容体(抗体、T 細胞受容体)により⾏われます。この遺伝⼦の組換えを⾏っているのが、Rag1, Rag2 という分⼦です。Rag1/Rag2 分⼦は、B 細胞と T 細胞だけが発現できる⾮常に特殊な分⼦です。⾔い換えると、獲得免疫(B,T 細胞)始まりは、Rag1/Rag2 分⼦が発現するかどうかで決まるのです。
それではこの分⼦は、どうして獲得免疫の細胞だけ発現して、他の細胞は発現しないのでしょうか? そして、この Rag1/Rag2 の発現をコントロールする因⼦は、⻑年議論されてきた、『獲得免疫と⾃然免疫の分かれ道はどういう因⼦によって調節されているのか?』の答えになるとも考えられます。遺伝⼦の発現は、エンハンサーと呼ばれる DNA ゲノム上の領域により調節されています。これらのエンハンサー領域には、B 細胞に特異的な転写因⼦や、T 細胞に特異的な転写因⼦が多数集まっていたことから、どの因⼦が⼀番重要なのかを検討しました。多くの因⼦の中で、転写因⼦ E2A は B 細胞でもT 細胞でも共通の因⼦としてエンハンサー領域に結合していたことから、E2A に着⽬しました。転写因⼦ E2Aは、E ボックスと呼ばれる特徴的な DNA 配列に結合し、標的の遺伝⼦の発現を誘導します。そこで、エンハンサーにおける E2A の重要性を⽰すために、T 細胞のエンハンサー領域の E ボックス配列だけを⼊れ替えたE ボックス変異マウスを作製しました。これにより、E2A は結合できないが、他の因⼦は結合できるエンハンサーができたことになります。予想した通り、E ボックスの変異マウスでは Rag1/Rag2 の発現が障害されていたことから、転写因⼦ E2A が Rag1/Rag2 の発現に⾮常に重要な因⼦であることが証明できました。このことから、獲得免疫の細胞になるのか、それとも⾃然免疫の細胞になるのかは、転写因⼦ E2A の働きで決まるとも⾔え、⻑年の議論に答える結果と⾔えます。転写因⼦ E2A がこのエンハンサー領域に結合することで、コヒーシンや CTCF といったクロマチンルーピングを誘導する分⼦を呼び寄せ、この遺伝⼦座がスーパーエンハンサーと呼ばれる特殊な構造を形成し、それによりエンハンサーと遺伝⼦のプロモーターが相互作⽤し、Rag1/Rag2 が発現することがわかりました。
活性化誘導シチジンデアミナーゼとは、 AICDA、AID、一本鎖DNAシトシンデアミナーゼとしても知られ、ヒトではAICDA遺伝子によってコードされている24 kDaの 酵素です。シトシン塩基の脱アミノ化によってDNA に変異を引き起こし、 シトシン塩基をウラシル(チミンとして認識される)に変えます。言い換えれば、C:G塩基対をU:Gミスマッチに変えます。細胞のDNA複製機構はUをTとして認識するため、C:GはT:A塩基対に変換されます。Bリンパ球の胚中心の発達の過程で、AID作用後のエラーを起こしやすいDNA修復によって、C:GからA:Tへの変異など、他の種類の変異も生成されます。AIDはAPOBECファミリーのメンバーです。APOBECの正式の英語はapolipoprotein B mRNA editing enzyme, catalytic polypeptideです。
ヘルペスウイルスのよって変異したAPOBEC遺伝子ファミリーが各種の癌の悪性化と進行の原因であるのです。がんは日本国民の半数が罹患してしまい癌患者の半分が癌死してしまう病気です。多くの癌で新規治療法が日々開発されているにも関わらず、現在でも癌のすべてを根治することができません。この難治性の原因の一つが、抗がん剤に対してヘルペスが遺伝子を変えてしまい耐性化がすぐに起こり効果を失ってしまうからです。それはヘルペスによって癌関連遺伝子変異が蓄積することのみならずAPOBEC遺伝子もヘルペスによって 変異してしまい、変異したAPOBEC遺伝子によって作られた変異してしまったAPOBECタンパクは シトシン脱アミノ化反応を触媒し、結果としてシトシンをチミンに変換し、遺伝子変異を引き起こしてしまい抗がん剤が効かなくなるのです。
APOBEC遺伝子は、DNAやRNA上のシトシンをウラシルやチミンに変換する酵素群で、遺伝子変異を引き起こします。APOBECファミリーには、APOBEC1、APOBEC2、AIDなどが分類されています。APOBEC1はRNA編集酵素、AIDは抗体遺伝子の改変現象を司る機能を持っています。APOBEC3Gは、1本鎖DNAのCをUに変換することで、G/A hypermutationをウイルスゲノムに導入し、その複製を阻害します。一方、HIV-1 Vifはユビキチン・プロテアソーム径路を用いてこれを分解し抑制します。
リンパ節のB細胞では、AIDは抗体の多様性を生み出す変異を引き起こしますが、同じ変異プロセスがB細胞リンパ腫を引き起こすこともあります。この遺伝子はシチジンデアミナーゼファミリーに属するDNA編集デアミナーゼをコードする。このAIDタンパク質は免疫系のB細胞における免疫グロブリン遺伝子の体細胞超変異、遺伝子変換、クラススイッチ組換えに関与している。AID遺伝子(活性化誘導シチジンデアミナーゼ)は、DNA中のシチジン基からアミノ基を取り除く、24 kDaの酵素である。 AIDは現在、リンパ節に御置ける活性化Bリンパ球の二次抗体の多様化のマスター制御因子なのです。AICDA(活性化誘導シチジンデアミナーゼ)がその開始に関与しているのは、3つに分かれた免疫グロブリン多様化プロセスである①体細胞超変異(somatic hypermutation 略してSHM)、②クラススイッチ組換え(class switch recombination略してCSR)、③遺伝子変換(gene conversion略してGC)の三つです。①の細胞超変異(somatic hypermutation 略してSHM)では、抗体遺伝子が最小限に変異して抗体変異体が生成され、その一部は特定の抗原に対して、その近縁変異体よりも高い親和性を持つ。②のクラススイッチ組換え(class switch recombination略してCSR)では、B細胞がIgMからIgGまたは他の免疫型に発現を変化させます。CSRやSHMには、活性化誘導シチジンデアミナーゼ (Activation-induced cytidine deaminase略してAICDA)という酵素が必須です。AID (AICDA)の過剰発現は、異常な体細胞突然変異や染色体転座を惹起し、腫瘍形成に関与する可能性があります。③遺伝子変換(gene conversion略してGC)は、脊椎動物である人の抗体遺伝子に突然変異を引き起こすプロセスです。
AID は4つの英語と日本語の名前を持っています。①活性化誘導シチジンデアミナーゼ ②英語でAICDA(Activation-induced cytidine de-aminase)、③AID、④一本鎖DNAシトシンデアミナーゼの4つです。
AID は、in vitro(試験管内)で一本鎖 DNA 上で活性があることが示されており、従って④の一本鎖DNAシトシンデアミナーゼともいわれ、脱アミノ化活性を発揮するためには活発な転写が必要であることが示されている。 AID 活性は、免疫グロブリンの「可変」領域では、AID 活性の影響を受けることが知られているゲノムの他の領域よりも数桁高いため、 Cis調節因子の関与が疑われている。シス調節因子とは、転写領域のDNAと同一の分子(シスの位置)に存在する塩基配列(シスエレメント)に対応するタンパク質で、転写因子(転写調節因子、調節タンパク質)とも呼ばれます。シスエレメントとは転写活性に影響を与える塩基配列で、転写にとって必要な塩基配列です。転写因子はこのシスエレメントに結合して転写を促進したり抑制したりします。
シスエレメントとトランス制御因子(転写因子)の相互作用によって、特定の細胞タイプや細胞外刺激に応答した遺伝子発現が調節されます。トランス制御因子(転写因子)とは、ゲノムDNA上の特定の塩基配列に結合して、RNAポリメラーゼによる転写を促進または抑制するタンパク質です。転写因子は、DNAにさまざまな組み合わせで結合して会合体を形成し、DNAに刻まれた遺伝情報を引き出します。これにより、細胞がどのような機能を果たすのかが決定されます。転写因子の活性は、細胞の状態を表す重要な情報です。また、複数の遺伝子の発現に関与し、それらが協調して働くことを可能にするため、シス制御と比べてより広範囲のストレスに対する遺伝子発現に影響を与えるのです。これは、ゲノムに組み込まれた人工レポーター構築物やトランスジーンにも当てはまる。最近の出版物では、スーパーエンハンサー活性により反対側の DNA 鎖の転写が収束すると、いくつかの非免疫グロブリン標的で高い AID 活性が達成されることが示唆されている。人工レポーター構築物とは実験室内で、レポータ遺伝子(細胞内のある遺伝子の発現を可視化するために使用される外来遺伝子)、関心の対象であるいくつかの遺伝子、制御因子などを人工的に結合させて作られるDNA配列のことです。トランスジーンとは、遺伝子工学によって個体の遺伝情報を変化させる技術において、次世代の個体に受け継がれるなど安定的に導入されたDNA遺伝子を指します。
トランスジェニック技術は、受精卵などの細胞に特定の遺伝子を注入(顕微注入やマイクロインジェクション)することで、その遺伝子情報が生物の遺伝情報に取り込まれるようにします。
トランスジェニック技術を用いて作られた生物は、遺伝子組み換え生物(GMO)とも呼ばれます。トランスジェニック動物は、宿主がもたないタンパク質を発現させたり、野生型や変異型のタンパク質を過剰に発現させたりする目的で作製されることが多く、生命現象の解明や人間のタンパク質の生産などに役立っています。遺伝子組み換え生物(Genetically Modified Organism 略してGMO)とは遺伝子工学の技術を用いて遺伝物質を改変させた植物や動物、微生物を指します。遺伝子組換え技術では、生物の細胞から有用な遺伝子を取り出し、別の細胞の遺伝子に組み込むことで、新しい性質を持たせることができます。生産者や消費者のニーズに合致した性質を効率よく付与できるほか、種を超えてさまざまな生物から有用な遺伝子を得られるという特徴があります。日本では、大豆、ナタネ、とうもろこし、じゃがいも、綿、テンサイ、パパイヤ、アルファルファ、カラシナの9作物がGMOとして認められています。食品として利用されているGMO作物としては、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、綿実油などの食用油や、コーンスターチ、コーンシロップなどがあります。また、家畜の飼料としても多く使われています。科学界では、GMOに危険性がないことが証明されており、消費者や環境に対する安全性は繰り返し、広範囲に試験されています。
最近、活性化誘導シチジンデアミナーゼ(Activation-induced cytidine deaminase略して AICDA)は活性DNA脱メチル化に関与しており、AICDAは5-メチルシトシンを脱アミノ化し、塩基除去修復によってシトシンに置換することができる。
AIDが働く機構は多段階のメカニズムでSHM(細胞超変異somatic hypermutation 略してSHM)を引き起こすと考えられている。AIDは標的DNAのシトシンを脱アミノ化する。ホットスポットモチーフ内に位置するシトシンは優先的に脱アミノ化される(WRCYモチーフW=アデニンまたはチミン、R=プリン、C=シトシン、Y=ピリミジン、またはその逆RGYW G=グアニン)。結果として生じる間違ったU:G(U=ウラシル)ミスマッチは、いくつかの運命のうちの1つに従う。
間違ったU:G の不一致は複製されて 2 つの娘種が作られ、1 つは変異せず、もう 1 つは ピリミジン間のC → T 遷移変異を起こします (U は DNA の T に類似しており、複製時にそのように扱われます)。遷移変異とは塩基置換のことであり、プリン間 ( A ←→ G ) やピリミジン間 ( C ←→ T ) の 置換である転位 ( トランジション:transition ) と,それ以外の 置換である転換 ( トランスバージョン:transversion ) とがある.一般に, トランジションの方が起こりやすい。トランスバージョン(transversion)とは、生化学においてピリミジン塩基とプリン塩基が入れ替わる変異、または塩基転換を指します。塩基転換とは、DNAの塩基対が変化する変異の一種です。DNAの塩基対は、A(アデニン)とT(チミン)、G(グアニン)とC(シトシン)の4種類の塩基で構成されており、これらの塩基が結合した対を指します。
塩基転換には、プリン間(A ←→ G)やピリミジン間(C ←→ T)の置換である転位(トランジション)と、それ以外の塩基置換である塩基転換があります。
また、DNAの塩基対が1つ変化した変異を点変異といい、この点変異には、塩基→ピリミジン塩基の変化とプリン塩基→ピリミジン塩基 or ピリミジン塩基→プリン塩基の変化の2種類があります。前者をトランジションといい、後者をトランスバージョンといいます。
塩基編集技術では、ゲノムDNAに精密な塩基の変更を加えることができます。疾患の原因遺伝子の発現抑制や、疾患に関連する点変異の修正、細胞治療の最適化などに使用されています。
塩基とは何でしょうか?塩基には、二二つの意味がります。①水に溶けて水酸化物イオン(OH-)を生じる物質で水に溶けて水酸化物イオン(OH-)を生じる物質を塩基といいます。水に溶けている塩基をアルカリと呼び、アルカリ性は塩基の持つ特性を指します。②DNAやRNAなどの核酸を構成する有機化合物でDNAやRNAなどの核酸を構成する有機化合物を塩基とも呼びます。DNAやRNAはヌクレオチドと呼ばれる化学物質が連なって構成されており、ヌクレオチドに塩基が結合しています。DNAの塩基はアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類、RNAではチミン(T)の代わりにウラシル(U)となります。ヌクレオチドの並び方を塩基配列と呼びます。
核酸とは何でしょうか?核酸は、リボ核酸(RNA) とデオキシリボ核酸(DNA) の総称で、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子である。糖の部分がリボースであるものがRNA、リボースの2’位の水酸基が水素基に置換された2-デオキシリボースであるものがDNAです。
ウラシルはウラシル DNA グリコシラーゼ(UNG)によって切り出され、無塩基部位(APとか、アプリン/アピリミジンともいう)が生じる。アプリン/アピリミジンの「ア」は「無」の意味です。この無塩基部位 (または AP、アプリン/アピリミジン) はDNA ポリメラーゼ イータなどの損傷乗り越え合成DNA ポリメラーゼによってコピーされ、4 つのヌクレオチド(A、G、C、T) のいずれかがランダムに組み込まれる。また、この無塩基部位はアプリンエンドヌクレアーゼ(APE) によって切断され、デオキシリボースリン酸骨格に切断が生じる。この切断によって通常の DNA 修復が行われるが、このような切断が 2 つ発生し、どちらかの鎖に 1 つ発生すると、交互に発生する二本鎖切断 (DNA double-strand break略してDSB) が形成される。因みにこのDSBは,細胞にとって最も脅威となる DNA 損傷なのです。クラススイッチ領域または Ig 可変領域のいずれかでこれらの 二本鎖切断 (DSB) が形成されると、それぞれ CSR または GC につながると考えられている。CSRとは(クラススイッチ組換え:CSR)クラススイッチとは、B細胞が抗原刺激によって分泌する免疫グロブリン(抗体)の型を、IgM型からIgG型、IgA型、IgE型などに変化させる現象です。この変化により、抗原特異性を保ったまま、より効率的に抗原を排除できるようになります。クラススイッチの仕組みはB細胞は通常、免疫応答の初期段階でIgMを発現しています。抗原などの刺激を受けると、B細胞はDNA組換えにより抗体分子の定常部を変化させます。この変化により、B細胞の表面にIgMの代わりにIgGやIgE、IgAなどの抗体のもととなる分子が現れます。抗体は、Y字型ユニットの数や重鎖の種類に基づき、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5つのクラスに分けられています。
GCとは遺伝子変換(gene conversion)は、あるDNA配列が相同な配列(英語版)によって置換され、同一な配列となる過程である。遺伝子変換は対立遺伝子間(alleic)の変換、すなわちある遺伝子の一方のアレルが同じ遺伝子の他方のアレルを置換する場合と、異所性(ectopic)の変換、すなわちあるパラログ配列が他のパラログ配列を置換する場合とがある。パラログ配列とは、同じ遺伝子から生じた兄弟の遺伝子であるパラログのDNA配列です。
パラログは、同一の生物種内で遺伝子重複によって生じたホモログ遺伝子(相同遺伝子)を指します。時間の経過とともに異なる機能を獲得することがあり、通常は同じ機能を持つ遺伝子です。
CSR(クラススイッチ組換え)とは、抗体遺伝子の定常領域のDNA配列を標的として、DNA2本鎖切断とその断端の結合による反応です。CSRは、抗原を認識する可変領域は変化させずに、抗体のDNAに起こる一連の変化です。免疫グロブリン(Ig)遺伝子のクラススイッチ組換えには、DNA切断と切断端の修復を行う分子であるAIDが必須です。
U:G ミスマッチはDNA ミスマッチ修復(MMR) 機構によっても認識される可能性があり、具体的には MutSα(アルファ) 複合体によって認識されます。MutSα はMSH2とMSH6からなるヘテロ二量体です。このヘテロ二量体は、U:G DNA ミスマッチと一致する、DNA バックボーン内の主に 1 塩基の歪みを認識できます。MMR タンパク質による U:G ミスマッチの認識は、エキソヌクレアーゼ活性による DNA の処理につながり、DNA の 1 本鎖領域が露出し、その後、エラーが発生しやすい DNA ポリメラーゼ活性によってギャップが埋められると考えられています。これらのエラーが発生しやすいポリメラーゼは、DNA ギャップ全体にランダムに追加の変異を導入すると考えられています。これにより、AT 塩基対での変異の生成が可能になります。
B細胞におけるAID活性のレベルは、AID発現の調節によって厳密に制御されています。AIDは転写因子TCF3(E47)、HoxC4、Irf8、Pax5によって誘導され、PRDM1(Blimp1)とId2によって阻害されます。転写後の制御レベルでは、AID発現は、IL – 10サイトカインB細胞シグナル伝達によって制御される小さな非コードマイクロRNAであるmir-155によってサイレンシングされます。サイレンシング(silencing)は、日本語では「遺伝子サイレンシング」や「RNAサイレンシング」などと訳されます。遺伝子サイレンシングとは、遺伝子の発現が抑制される現象です。
AIDの臨床的意義についてはこの遺伝子の欠陥は、高IgM症候群2型と関連している。濾胞性リンパ腫などの特定の血液悪性腫瘍では、持続的なAID発現がリンパ腫形成と関連しています。
AID(Activation-induced cytidine deaminase)とは何でしょうか?
AID(Activation-induced cytidine deaminase活性化誘導シチジンデアミナーゼ) 人類史上初のワクチン療法は,1798 年の Jenner による天然痘ワクチンである。その後,なぜ天然痘ワクチンが感染を予防することができるのか 100 年以上不明であった。しかし,北里柴三郎らによって,ジフテリア毒素の免疫により血清中に中和活性を持つ抗体が出現することが初めて報告された。その後,抗体の分子構造が解析されると,抗原刺激によって B 細胞より最初に免疫グロブリン M(IgM)が誘導され,2 回目に同じ抗原を投与すると最初から抗原と強い結合能力を持った IgG 抗体が産生されることが明らかとなった。このような B 細胞中で誘導される抗原感作による免疫記憶によって抗原排除に有利な結合力の高い抗体にクラススイッチされる現象がワクチンの基本原理である。1978 年,本庶佑らによってその抗体クラススイッチの分子機構として,抗体遺伝子のDNA レベルでの組換え(Class switch recombination;CSR)が起こることが報告された。また,抗体可変領域遺伝子の体細胞突然変異(Somatic hyper-mutation;SHM)が抗原との結合能力を上昇させることが明らかとなった。そして 1999 年,それらの二つの現象の責任因子として活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)が発見された。
AID は,DNA 中のシチジン基からアミノ基を取り除く脱アミノ活性酵素であり,B 細胞において特異的に遺伝子発現がみられ,抗原刺激においてその活性が著しく上昇する。シチジンとはRNAを構成するピリミジンヌクレオシドの1つです。デオキシシチジンはDNAを構成するデオキシピリミジンヌクレオシドの1つとなる。HM((hyper-mutation超変異)
と CSR (Class switch recombination) は,ともに AID が持つ脱アミノ活性が抗体遺伝子において特異的に DNA鎖上のシチジン(C)をウリジン(U)に脱アミノ化することによって開始される。具体的には,B 細胞レセプターを介した抗原刺激によって AID(活性化誘導シチジンデアミナーゼ) が活性化することで,抗体可変領域遺伝子上のシチジン(C)を脱アミノ化しウリジン(U)を形成し,生じた U/G(グアニン)ミスマッチを塩基除去修復経路の酵素群が処理する結果,DNA 切断が生じるのです。
これらの DNA 切断が抗体可変領域遺伝子の体細胞突然変異(Somatic hyper-mutation;SHM)を無作為に起こすことで,抗体遺伝子の多様化が生じ抗原との結合能力を上昇させる。また,抗原刺激を受けたヘルパー T 細胞が発現する TCR(T細胞受容体) と CD40L が B 細胞と相互作用することにより,AID の転写を増強させ,抗体定常領域遺伝子座に AID を誘導します。この誘導された AID は,抗体定常領域遺伝子上に二本鎖切断を引き起こすと同時に DNA 修復酵素をリクルートし,DNA の組み換え((Class switch recombination CSR)を起こし抗体のクラススイッチを誘導する。さらに,T 細胞が産生する IFNγ,IL-4 や IL-5 を受け取ることにより,IgG,IgE や IgAなどの高親和性の抗体が作り出される。ヒトにおいて,AID 欠損症や CD40L を欠損する X 連鎖高 IgM症候群ではこれらの抗体クラススイッチ機能が働かず,IgM と IgD 以外の免疫グロブリンを産生できないために高 IgM 血症および免疫不全に陥ります。
AID はワクチン療法に重要な役割を担うと示唆される。
しかし,AID を介した抗体クラススイッチ機構は未だ不明な点が多く,その機構の理解は次世代のワクチン療法の開発において重要である。一方で,慢性感染症によって異常発現した AID による異所性のSHM(somatic hyper-mutation) の誘導が B 細胞の発がんに関与することが報告されている。
抗がん剤とは、何でしょうか?がん細胞の増殖を妨げ、死滅を促す目的で作られた薬剤です。点滴や注射、飲み薬として処方され、体内に入ると血液に乗って全身を巡り、がん細胞を攻撃します。しかし抗がん剤治療は癌の原因治療でもないので癌を完治させることはできません。癌の原因であるヘルペスウイルスを減らせる殺せる抗がん剤しか癌を治せません。しかしヘルペスウイルスを減らせる抗ヘルペス剤は癌を直せることはできます。何故ならば抗ヘルペス剤は原因治療であるからです。
抗がん剤は、がんの進行度や患者の健康状態を総合的に判断して行われる薬物療法(化学療法)の一種です。手術や放射線療法が適応とならない場合や、血液やリンパのがんのように広い範囲の治療が必要な場合などに用いられます。
抗がん剤には、①殺細胞性抗がん剤(狭義の抗がん剤)、②分子標的薬、③免疫チェックポイント阻害薬の3種類があります。
①殺細胞性抗がん剤(狭義の抗がん剤)とはがん細胞を死滅または抑制させる化学物質を用いた薬で、がん細胞の増殖を抑制したり、DNAやRNAの合成を妨害したりして効果を発揮します。殺細胞性抗がん剤は、がん薬物療法で最も早くから使用され、今も現役の薬です。一般的に点滴で治療されます。
殺細胞性抗がん剤の副作用は、薬の種類や量、抗がん薬の組み合わせなどによって異なりますが、がん細胞だけでなく正常細胞も攻撃するため、副作用も多いのです。
②分子標的薬とは、がん細胞の増殖に関わるタンパク質や、栄養を運ぶ血管、がんを攻撃する免疫に関わるタンパク質などを標的にしてがんを攻撃します。分子とは、2つ以上の原子が結びついた粒子のことで、物質の性質を示す最小単位です。分子は、構成している原子の種類と数を示した「分子式」で表すことができます。分子をつくる物質には酸素や水素、窒素など、金属ではない物質だけでできている単体や化合物です。分子をつくらない物質は金属の単体や金属の原子を含んだ化合物です。
③免疫チェックポイント阻害薬とは免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、がん細胞が免疫細胞の攻撃を逃れる仕組みを解除して、がん細胞に対する免疫を活性化させる薬剤です。免疫チェックポイント阻害薬とは、がん細胞が免疫細胞の攻撃を逃れる仕組み(ブレーキ)を解除することで、免疫細胞の力を回復させてがん細胞に対する免疫を活性化・持続させる薬剤です。オプジーボの様な免疫チェックポイント阻害薬(immune check point inhibitor略してICI)は免疫細胞の働きを抑制する「免疫チェックポイント」を阻害することで、がん細胞に対する免疫を活性化・持続させます。免疫細胞にはそもそも、免疫が過剰に働いて正常な細胞を攻撃することがないよう、その働きを抑制するシステムが備わっています。これが免疫チェックポイント機構です。癌細胞がこの仕組みを利用して免疫細胞の攻撃から逃れているのです。免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボについてはここを読んでください。悪性黒色腫(メラノーマ)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫などに用いられます。副作用は免疫が働きすぎることによる免疫関連有害事象(immune-related Adverse Events; irAE)」と呼ばれる副作用が現れることがあります。2019年からは、免疫チェックポイント阻害薬と抗癌剤の併用療法が使用できるようになりました。
抗がん剤治療では、がんが小さくなり、場合によっては消えてなくなりますが、9割以上の方は数カ月から数年後に再発しますから抗がん剤治療では癌を根治することはできません。これらの抗がん剤は結果的には免疫を抑制していることになりますので癌の原因であるヘルペスを増やすことになり長く抗ガン剤を使えば使うほど最後は増えたヘルペスが様々な細胞に感染してしまい細胞の機能を弱めてしまい以下のような副作用が見られるようになります。治療期間中に経験するつらさとしては、「疲れる・だるい」「不安がある」「精神的につらい」「経済的につらい」「味覚がおかしい」「髪の毛が抜ける」「吐き気や嘔吐がある」などが挙げられます。
何故未分化癌は悪性度が高いのか?未分化細胞とは、細胞が分化していない状態にある細胞です。細胞の成長のプロセスをあらわす言葉で、がん細胞の成熟度を示す指標としても用いられます。未分化細胞に関する用語には、
- 幹細胞(ステムセル)。自己複製能と分化能の二つ同時に二つの能力を常に持つ特殊化していない細胞です。特に体を構成するすべての組織細胞や生殖細胞に分化できる未分化な幹細胞は多能性幹細胞と呼ばれます。
- 未分化癌。がん細胞が未分化、つまり成熟していない状態を指す言葉で、悪性度が高いのは成熟した癌なるまでに細胞分裂する度に癌を作ったヘルペスも猛烈な勢いで分裂増殖して増えてしまいます。その結果、数百もある癌関連遺伝子が増えたヘルペスによって変異を起こす確率が高くなるので未分化癌は悪性度が高いといわれるのです。
- 分化度。がん細胞が本来の正常な細胞の形態をどれくらい維持しているかを表す指標で、「未分化」「低分化」「高分化」などと表現されます。細胞の形態とは形状および外観のことです。細胞の形態である形状および外観は細胞内の変化によって変わります。
- 。幹細胞からの分化が完了した神経や心筋など特殊化された細胞です。終末分化細胞はその終末分化細胞や人が死ぬまで二度と分裂しないので癌はできません。何故ならばヘルペスがゲノムに入って癌化という変異を起こすためには細胞分裂のときに染色体がバラバラになる時にしか遺伝子に侵入できないので原です。癌を生み出しようがないからです。上述の説明は何故心臓や大脳や小脳や脊髄神経(中枢神経)に癌は起こらないのかの答えになります。つまり心臓や中枢神経の細胞は 最終分化細胞(終末分化細胞)であるからです。
- 因みにカルスは未分化の植物細胞群を指します。
ヘルペスがあらゆる細胞に、癌を作るにはまずあらゆる細胞に感染する能力を持っている必要があります。それではどのようにしてヘルペスウイルスはヒトの組織の細胞のすべてに感染できる強い感染能力を持っているのでしょうか?
ヒトヘルペスウイルスの細胞内侵入(エントリー)についてはまずヒトヘルペスウイルスは1型〜8型からなり、単純ヘルペスウイルス1型、2型 (HSV-1, -2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の3つは下の表に示すようにアルファヘルペスウイルス亜科に属する。ヘルペスウイルス科のウイルスは線状二本鎖DNAを内包する正20面体のカプシドと、その周囲のテグメント、最外層のエンベロープからなる(図1A)。ヘルペスウイルス科のウイルスの宿主細胞への細胞内侵入(エントリー)は、下図の①と②の2種類あります。ウイルス粒子の細胞表面への吸着、続いて、エンベロープ上のグリコプロテイン(糖蛋白)分子と宿主側受容体との会合(結合)によって、①のエンベロープと細胞膜の膜融合(fusion)、もしくは、②のエンドサイトーシスの後、エンベロープとエンドソーム膜が膜融合することによって、エンベロープ内部のカプシドが細胞内に侵入することで細胞侵侵入(エントリー)が成立する(図1B)。グリコは「糖」でプロテインは「蛋白質」です。
エンドサイトーシスとは、細胞膜を内側に陥入させて小胞を形成し、細胞外にある物質を細胞内に取り込む現象です。ヒトから酵母に至るまですべての真核生物の細胞に備わった基本的な生命現象で、細胞の増殖や栄養の取り込み、神経伝達物質の放出など、さまざまな生命現象に重要な役割を果たしています。エンドサイトーシスには、次のような特徴があり、①細胞膜の形態変化により物質を取り込む②不特定の物質を取り込む場合と、細胞膜上の特異的受容体に結合して取り込まれる受容体介在型エンドサイトーシスがある③取り込まれた物質は、エンドソームを形成後、ライソソームと融合し、酵素分解を受ける④エンドサイトーシスは、小さな病原体やウィルスの感染経路としても使われています。
カプシドは、微小管などに結合し、宿主細胞核へと輸送され、核膜を通過するときに、カプシドから“脱殻”し、ウイルスDNAが核内に取り込まれる。従って、ヘルペスのエンベロープとの細胞の膜融合を引き起すことができ、ウイルスの細胞内への侵入を可能にする宿主側分子をエントリーレセプターと呼ぶことができます。
HSVの細胞側のエントリーレセプターとして宿主側分子をPILRα(ピラーα)と呼びます。PILRα(ピラーα)とは何かについては詳しく後述します。乞うご期待!!
微小管(びしょうかん)とは何でしようか?真核生物の細胞骨格を構成する管状の構造体で、細胞の形態形成や染色体分離など、細胞のさまざまな機能に重要な役割を果たしています。
微小管の主な特徴は①タンパク質のαチューブリンとβチューブリンがつながったダイマー(二量体)を基本構成単位とする②細胞骨格で最も堅固な部分を形成する③重合と脱重合を繰り返す非常に動的な構造物です。重合とは一種類またはそれ以上の単位物質の分子が、二つ以上化学的に結合して、もとのものより分子量の大きい化合物を作ることです。④細胞分裂の際には紡錘糸となって現れます。
微小管の役割は①細胞の形を決めたり、形を保ったりする②細胞小器官やタンパク質を細胞内へ移動させる③細胞分裂の際に染色体を分離する④線毛や鞭毛などの特殊化した細胞突起の運動に関与する⑤細胞分裂の際には、中心体から伸びる微小管が紡錘糸となって染色体を2つに分ける働きをします。線毛とは、細胞の表面に生えている毛状の構造で、医学用語では「繊毛」ではなく「線毛」と表記します。線毛の役割には①精子の運動②脳、気管、輸卵管などの上皮組織の水流発生③気管などの呼吸器官でウイルスや細菌を排除する
線毛には、波打ち運動を起こす「運動線毛」と、運動せず機械受容などのセンサーとして働く「一次線毛」があります。気道上皮には200~300本程度の線毛を持った線毛細胞が多く存在し、線毛が相互に共調運動することで、気道に侵入した病原体や異物を粘液と共に体外に輸送・排泄します。また、細菌の表面にも線毛が存在し、他の菌や宿主の細胞と接着する器官として機能します。他の菌との接着に利用されるものは遺伝子の伝達をするため「性線毛(sex pili)」と呼ばれます。鞭毛(べんもう)とは、細胞の原形質表面にある糸状の突起で、運動性をもつ小器官です。繊毛と似た構造をしており、運動機構も共通しています。
鞭毛と繊毛の違いは、主に形状や細胞あたりに生えている数によって区別されます。鞭毛は本数が少なく長いため、繊毛は本数が多く短いためです。
鞭毛は、次のような生物に見られます。①原生動物の鞭毛虫類②海綿動物の細胞③藻類④
菌類の遊走子・配偶子⑤精子⑥細菌。鞭毛の代表例としては、精子の鞭毛が挙げられます。バクテリアの多くは鞭毛と呼ばれる細長いらせん状繊維を菌体から伸ばし、それを根元のモーターで高速回転して推進力を発生させ、水の中を泳ぎ回ります。ヒトの体にも鞭毛運動が見られ、脳室上皮細胞、気管上皮細胞、卵管上皮細胞、精子などに存在します。生命の誕生や生体防御などの重要な役割を担っています。
表 ヒトヘルペスウイルス科の分類
ヒトヘルペスウイルス(human herpesvirus, HHV)はα、β、γは、それぞれのヘルペスウイルスの3つの亜科に分類される。
図 1 ヒトヘルペスウイルスの構成とエントリー経路
(A)ヒトヘルペスウイルス科のウイルスの構造を示す。(B)エンベロープをもつウイルスが宿主細胞内にエントリーするための2つの経路(宿主細胞膜との直接の膜融合、エンドサイトーシス経路)を示す。いずれの経路でも、ウイルスエンベロープ上のグリコプロテインと細胞側の膜上のレセプターとの会合による膜融合が必須である。テグメントはテグメントタンパク質でありウイルスの侵入と同時に細胞質に放出されます。このタンパク質は、ウイルス増殖に有利な細胞環境の構築に貢献しています。
HSV-1は全てのヘルペスウイルスのプロトタイプ(基本形、原型)と言われており、HSV-2とは、ゲノム上の相同性は約50%と高いものの、他のヘルペスウイルス科のウイルスとはゲノム上も、表現型も異なる性格を有する。HSV-1は広い組織への感染性をもち、実際、角膜ヘルペス、口唇ヘルペス、ヘルペス脳炎、性器ヘルペス(陰部ヘルペス)など様々な疾患を引き起こし、我が国ではおよそ数百万人から数千万人が罹患していると推定されている。HSV-2は主に性器ヘルペスの原因ウイルスとして有名であり、我が国では受診者数だけで年間約72,000人にものぼる。性器ヘルペスはHSV-1によって引き起こされる場合もある。また、HSVは初感染後、知覚神経節の神経節細胞に潜伏感染し、宿主の免疫低下時の細胞の分裂増殖時に歩調を合わせて、細胞よりもはるかに多く分裂増殖しまくりヘルペスの子供であるビリオンは近隣の細胞に感染しそこでも同じことを繰り返して増え続けます。増えすぎた細胞から新しい細胞に感染するときに大食細胞やNK細胞に捕食されたときや細胞にいる間に細胞もろともインターフェロンαやインターフェロンβによって細胞自殺により細ヘルペスウイルス細胞がもろとも死滅するとあちこちの皮膚に水疱状の皮膚炎が見られ、同じことを繰り返し終生引き起すだけのみならずあらゆる細胞に感染してヘルペス性脳炎も起こすのです。
HSV-1, -2のエントリー(細胞侵入)に先立つ宿主細胞表面への吸着には、いくつかのエンベロープグリコプロテイン(外衣糖蛋白)が関わっており、その中でも、HSV上のグリコプロテイン C (gC訳して糖蛋白C)の宿主細胞上のヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)等との会合が吸着に関与しています。ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)とはヘパラン硫酸プロテオグリカン(heparan sulfate proteoglycans; HSPGs)は、コアタンパク質にヘパラン硫酸(HS)が共有結合した分子群で、細胞外マトリックスの成分の一種です。コアタンパク質とはプロテオグリカン(糖蛋白質)を構成するタンパク質ほぼすべての動物細胞の細胞膜表面や細胞外基質に存在し、成長因子シグナル伝達や細胞接着、酵素触媒などの生物学的プロセスに関与しています。HSPGs(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の糖鎖であるヘパラン硫酸(HS)は、軸索誘導因子、細胞外マトリックス、成長因子やサイトカインなどの分子を結合させる能力を持ち、生体内の発生過程の様々な現象に関わっている。また、HSPGsは多くの分子と相互作用し、その機能を調節しています。ウイルスがフィロポディアなど細胞移動に必要な細胞突起に吸着した際、ウイルス粒子がエントリーしやすい細胞体の方に細胞表面を移動した後にエントリーする”viral surfing”という考え方が提唱されている。フィロポディアとはフィロポディアは糸状仮足と言われ、フィロは糸状でポディアは仮足で細胞が遊走する際に伸長する構造です。フィロポディアの日本語訳は糸状仮足で、フィロポディアの役割は細胞の遊走方向を決定する、遊走のための足場を構築します。血管新生、細胞の遊走、新型コロナウイルス感染などに関わり、血管新生において伸長する血管の先端にある内皮細胞が血管新生タンパク質に反応して形成されます。また、新型コロナウイルスは侵入した細胞にフィロポディアの形成を促しているのです。この現象は、レトロウイルス、ヒトパピーローマウイルスなどのほかに、HSV-1、ヒトサイトメガロウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスでも見られ、viral surfingにおけるウイルス粒子接着にも、HSV-1のgC(グリコプロテインC)とHSPG(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の会合(結合)が中心的役割を果たしている。このようにgCは、HSVの吸着という局面に非常に重要なはたらきを担っているが、膜融合, エントリーを含めた、ウイルスの生存において必須な分子ではないのです。これに対してgBはウイルスの生存において必須な分子なのです。
HSVのエントリー(細胞侵入)には、gB(グリコプロテインB)以外に、gD、gH、gLが関与しており、gDはNectin-1、HVEM (herpes virus entry mediator)、3-O-HS (3-O-硫酸化ヘパラン硫酸)と会合する。Nectin-1(ネクチン-1)は主に細胞接着に関与する分子で,膜貫通糖タンパク質で、細胞接着分子として機能しています。上皮や内皮細胞の接着接合部やタイトジャンクションの組織化に役割を果たし、神経シナプスにも関与しています。タイトジャンクションとはタイトジャンクション(密着結合)とは、細胞同士を密着させて細胞間隙をシールする細胞接着装置で、生体のバリア機能を担っています。タイトジャンクションは、皮膚や腸管、血管内腔などの上皮細胞系や内皮細胞系に存在し、役割は、皮膚の表皮を構成する顆粒層に存在し、皮膚のバリア機能(障壁機能)を高めて外部からの刺激物の侵入を防ぎます。又、腸管の上皮細胞に存在し、腸内細菌や病原菌、毒素などの外来異物の侵入を防ぎます。タイトジャンクションは、クローディンと呼ばれるタンパク質がジッパーのように結合して形成されています。透過型電子顕微鏡では、隣接する細胞の細胞膜が融合しているように見えることから、密着結合とも呼ばれます。
Nectin-1は、Poliovirus receptor-related 1(PVRL1)やCD111とも呼ばれ、免疫グロブリン超ファミリー(IgSF)に属するヒトのタンパク質です。免疫グロブリン超ファミリー(IgSF)とは、免疫グロブリンに特徴的なIgドメインを持つタンパク質のグループです。IgSF分子群は、Igドメインを介して他の分子との接着や認識を行っています。IgSF分子群は、神経系や免疫系、他の生体システムなど、さまざまなシステムに存在しています。また、IgSF分子群には細胞接着タンパク質(IgSF-CAM)や免疫関連タンパク質、レセプター分子なども含まれます。IgSFは、免疫グロブリン超遺伝子族(immunoglobulin super gene family)とも呼ばれます。
VEM (virus entry mediator訳はウイルス侵入仲介物)はT細胞、B細胞、単球、樹状細胞などに発現しているTNFレセプターファミリーに属するI型膜貫通タンパクであり、LIGHT、lymphotoxin-α (LTα以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-β)といわれた。)の分子のレセプターとなり、発現細胞に活性化の副シグナルを伝達する。一方、HVEMは宿主受容体であるヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)であり、ウイルスエンベロープ糖タンパク質との相互作用を通じて単純ヘルペスウイルス(HSV)の侵入を促進します。BTLA (B and T lymphocyte attenuator)、CD160のリガンドとなり、T細胞、B細胞に抑制化のシグナルを伝達する 。attenuatorの訳は抑制です。リンホトキシン-α(LTα)は、以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-α)として知られていました。活性化したリンパ球によって分泌される可溶性のタンパク質で、免疫応答に関与しています。TNFαと最も近いホモログで、炎症や自己免疫疾患に関与していることが示唆されていましたが自己免疫疾患は存在しないのでヘルペスとの戦いに伴う炎症を起こします。
LTαはTNFスーパーファミリーのタンパク質の1つで、以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-β)として知られていました。ヒトではLTA遺伝子によってコードされるタンパク質です。LT-αは、抗増殖活性を示し、腫瘍細胞株の細胞破壊を引き起こします。TNFSF1とも呼ばれます。LTαとLTβはヘテロダイマーを形成し、リンホトキシンβ受容体(LTβR)を介してシグナルを送信します。トキシン(毒素)という名前が付いているのでLTαの特徴には①細胞増殖を抑制する活性がある②腫瘍細胞株の細胞破壊を引き起こす③脾臓の濾胞構造の発達を支援するからです。
HSVのエントリーレセプターとしてのPILRα3. HSVのエントリーレセプターとしてのPILRα(ピラーアルファ)とは何でしょうか?
gBと会合し、膜融合を起こす分子としてpaired immunoglobulin-like type 2 receptor α(PILRα)を同定されました。PILR発現細胞である単球等へのHSV-1感染は、gBとPILRα、gDとHVEMの会合のどちらか一方を、抗PILRαモノクローナル抗体もしくは抗HVEM(ヘルペスウイルス侵入メディエーター)モノクローナル抗体で阻害すると感染が抑制されることから、PILRαは単球等のPILR発現細胞において、gDレセプターと共役する、HSV gBのエントリーレセプターであります。(図2A)
PILRは単球、顆粒球などに発現している細胞表面分子であり、ITIM (immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif)を有する抑制化レセプターのPILRαとITAM (immunoreceptor tyrosine-based activation motif )を有するDAP12と会合する活性化レセプターのPILRβから成っている。マウスではPILRαとPILRβがCD99を認識し、免疫反応を制御します。一方、ヒトPILRβでは、PILRαと比べて、139番アミノ酸が、トリプトファンからロイシンに変異していることによって、HSV-1, -2のいずれのgBとも会合せず、従って、ヒトPILRβに対するリガンドは明らかでない。
VZVについて。
VZVは、扁桃などで、T細胞、樹状細胞、単球などに感染した後、感染細胞にのって全身に運ばれ、初感染時、主に小児で水痘(水疱瘡)を起こす。感染後、VZVはHSVと同様に知覚神経節に潜伏感染し、成人では免疫低下時に感染細胞内で分裂増殖して、免疫が回復したときにNK細胞やキラーT細胞に破壊されてた崩壊産物が帯状疱疹という形でみられるのです。一方で、VZVは初感染時や免疫低下時に再活性化といわれる分裂増殖時に増えたVZVがあちこちの神経細胞や血管内皮細胞などに感染して脳炎、脊髄炎、Ramsay-Hunt症候群のような脳神経炎やVZV関連脳血管炎なども引き起す。VZVの感染には様々な細胞にエントリー(細胞侵入)するためにgB、gE、gH、gLが必須であるといわれていますが不明な部分が多いのです。VZVの侵入に関与する分子としてはcation-independent mannose-6-phospahe receptor(MPRci)がVZVの感染を促進することが報告されているがVZV上のどの分子と会合するかは明らかでない。また、gEはinsulin degrading enzyme (IDE)と会合し、VZV感染を促進することが報告された。しかし、IDE、MPRciは、膜融合を引き起すことができないことから、IDEやMPRciは、VZV感染におけるエントリーレセプターと呼ぶには十分ではないが様々な細胞にVZV感染を促進することはできるのですが、VZVの生存に必須であるが、エントリーには必須ではないと考えられる。
図 2 HSV, VZVのグリコプロテインとエントリーレセプター
(A)HSV、(B)VZVのエントリー及び膜融合に必要なグリコプロテインと各々のグリコプロテインに対応する宿主側エントリーレセプターを示す。VZVのgEは、エントリー及び膜融合に必須といわれていたが、VZVの生存に必須であるが、エントリーには必須ではないと考えられる。図2の略語の説明。HVEM: Herpesvirus entry mediator、3-O-HS: 3-O-硫酸化ヘパラン硫酸、PILRα: Paired immunoglobulin-like type 2 receptor α、MAG: Myelin-associated glycoprotein、NMHC-IIA: Non-muscle myosin heavy chain IIA、MPRci: cation-independent mannose-6-phospahe receptor、IDE: Insulin Degrading Enzyme。
VZVのエントリーレセプターとしてのMAG(Myelin-associated glycoprotein)について。
VZVは、HSV-1と同様にαヘルペスウイルス亜科に属すことから、VZVのgBレセプターの候補として、PILRαと相同性を持つ分子を探索された結果、アミノ酸レベルで、12%の相同性があるmyelin-associated glycoprotein(MAG)が同定された。myelin とは髄鞘(ミエリン)のことで,神経細胞に機能を与える役割を持つ鞘(さや)様の脂質に富む構造体である。MAGは、魚類からほ乳類までの神経組織に発現している100kDaのI型膜タンパクである。MAGは神経軸索上の分子NgR1(Nogo Receptor 1)、NgR2、paired Ig-like receptor B(PIR-B)あるいはGD1a、GT1b等のガングリオシドと結合することにより、神経軸索が伸長するのを抑制し、神経組織の構築に関与している 。ガングリオシドとはガングリオシドは、おもに中枢神経系の神経細胞において、原形質膜(細胞膜)の外葉に脂質ラフトを形成する酸性スフィンゴ糖脂質で細胞膜外層に存在する物質です。ガングリオシドは、細胞増殖、分化、接着、シグナル伝達、細胞間相互作用、腫瘍形成および転移に関与しています。ガングリオシドの蓄積は、様々な疾患に関与します。ガングリオシドの蓄積はヘルペスウイルスによる神経細胞変性疾患の結果なのです。シアル酸残基を有する酸性スフィンゴ糖脂質で、哺乳類の組織、特に脳や神経組織に多く存在し、細胞の増殖や分化、接着、シグナル伝達、細胞間相互作用、腫瘍形成および転移に関与しています。
ガングリオシドは、ヘルペスウイルスの細胞侵入に際して細胞膜のエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれ、ライソゾーム内の加水分解酵素によって分解されます。
興味深いことに、MAGとヒト免疫グロブリン定常領域との融合タンパク(MAG-Ig)はVZV gBだけでなくgE発現細胞とも会合し、逆に、VZV gB-Ig、gE-IgもMAG発現細胞と会合した。MAGはVZV gB、gEと会合するにも関わらず、MAG発現細胞はVZV gB、gE、gH、gLを発現細胞とだけでなく、gB、gH、gL発現細胞とも同程度の膜融合効率を示し、gE, gH, gL発現細胞とは膜融合を起こさなかった。以上のことから、VZVの膜融合においては、これまでgB、gE、gH、gLが必須であるとされてきた説とは異なり、gB、gH、gLだけで十分な膜融合が引き起せることが明らかとなった。一方、MAG(Myelin-associated glycoprotein)発現細胞はVZV感受性となり、MAG発現細胞へのVZVの感染は、抗MAGモノクローナル抗体で特異的に阻害された。以上のことから、MAG(Myelin-associated glycoprotein)はVZV gBと会合し、膜融合を引き起こせるVZVのエントリーレセプターであることが判明した(図2B)。
HSV、VZVの組織指向性について。
ウイルスの感染組織指向性を決定するにあたって、標的組織へのエントリーが可能かどうかも重要な要因のひとつである。例えばHIVのT細胞、マクロファージへの指向性は、エントリーレセプターであるCD4, CXCR4, CCR5に依存している。これまで、HSVあるいはVZVの感染に関与する宿主側分子として挙げられてきた、HVEM, Nectin-1, IDE( Insulin Degrading Enzymeインスリン分解酵素), MPRciなどは、多臓器に分布しており、HSV, VZVの神経組織指向性を説明するには不十分であった。Nectin-1(ネクチン-1)とは、上皮や内皮の細胞における接着接合部やタイトジャンクションの組織化に関わる膜貫通糖タンパク質です。また、ヘルペスウイルスや仮性狂犬病ウイルスが細胞に侵入する際の標的分子としても機能します。MPRciとはcation-independent mannose 6-phosphate receptorで略して MPRCIは訳してカチオン非依存性マンノース 6-リン酸受容体 (MPRCI) は、新しく生成されたリソソーム酵素と細胞外リソソーム酵素の両方をリソソームにパッケージングする働きをします。MPRCI の細胞内位置はこれら 2 つの機能を反映しており、受容体はゴルジ体、エンドソーム、および細胞表面にあります。
ところが興味深いことに、HSV-1のgBもMAG(Myelin-associated glycoprotein)と会合し、MAGを介して膜融合を引き起こしMAG発現細胞に感染することが判明した。MAG(Myelin-associated glycoprotein)は、神経組織にのみ局在するので、MAGが、VZVとHSV-1両方の神経組織指向性に関わるエントリーレセプターであると考えられた。逆に、神経組織以外へのHSVの感染において、既知のgDレセプターであるHVEM, Nectin-1とともに、PILRαやユビキタス(普遍的)に分布するgBレセプターである、non-muscle myosin heavy chain IIA (NMHC-IIA)が作用しているものと考えられる。一方、VZVにおいては、IDE( Insulin Degrading Enzymeインスリン分解酵素), MPRci (cation-independent mannose 6-phosphate receptor)以外に、皮膚や血球系細胞など、神経組織以外の組織に分布するエントリーレセプター分子は報告されていないが、未知のgBレセプターが存在していると考えられる。IDEとは
Sialic acid-binding immunoglobulin-like lectin (siglec)とウイルス感染について。
糖鎖を認識する分子のうち、酵素や抗体を含まないタンパクをレクチンと総称します。レクチン(Lectin)とは、蛋白質です。植物や動物、微生物、ウイルスなどに存在する糖タンパク質やタンパク質で、糖に特異的に結合する物質の総称で酵素や抗体を含まないタンパクです。ラテン語の「糖をlegere(選択する)」に由来します。レクチンには、次のような性質や役割があります。①細胞膜の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する②動物では、病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して免疫系を活性化させる細胞凝集反応を起こす③レクチンは、豆類や植物性食品、動物性食品などに広く含まれています。豆類に含まれるたんぱく質のレクチンは一種の自然毒で、安全に食べるには、乾燥した豆を水に浸し、沸騰した状態で十分に加熱調理する必要があります。なぜ豆類に含まれるレクチン蛋白質は一種の自然毒になるのでしょうか?植物が生み出す有毒な「レクチン」を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
また、レクチンと糖の親和性を利用したレクチン染色は、細胞表面に存在する糖と結合したレクチンを組織化学的に認識する手法です。レクチン染色とは、レクチンと糖の親和性を利用して、細胞表面の糖と結合したレクチンを組織化学的に認識する手法です。レクチンは、免疫反応の産物以外の糖結合性のタンパク質または糖タンパク質で、細胞または複合糖質を凝集する性質があります。一定の糖構造を特異的に認識し、結合する特性に注目して、細胞表面の複合糖鎖の検索や細胞機能の解析に用いられます。
ウイルスとレクチンの関わりでは、例えば、HIVウイルス, SARS コロナウイルス, 麻疹ウイルスなどと会合するDC-SIGN等が知られており、C型レクチンと呼ばれる。C型レクチンとは、レクチンとして知られる炭水化物(糖)結合タンパク質の一種です。 Cタイプの指定は、結合にカルシウムが必要であることから来ています。 C 型レクチンドメインを含むタンパク質は、細胞間接着、病原体に対する免疫応答、アポトーシスなど、さまざまな機能を持っています。また、HIV, HTLV-1(成人型のT細胞白血病ウイルス-1)の感染効率を高めたりします。Galectin-1はS型レクチンである。SはSulfurのSで「硫黄」です。 S型レクチンとは、遊離のチオール基を必要とするレクチンの一種です。チオール基(-SH)とは、硫黄原子(S)を含む有機化合物の末端にある置換基です。チオールは、硫化水素やメチルメルカプタンなどのSH基を有する化合物の総称です。レクチンとは、植物や動物、微生物などに存在するタンパク質や糖タンパク質で、糖に特異的に結合する性質を持つ物質の総称です。細胞表面の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する性質があり、動物では病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して免疫系を活性化させる防御タンパク質として働きます。さらに、前に述べた、VZVの感染効率を高めるMPRci(cation-independent mannose 6-phosphate receptor)はP型レクチンである。P型レクチンとはP 型レクチンのpは、マンノース 6-リン酸のリン酸のpです。
レクチンはウイルスとの相互作用にも重要なのです。I型レクチンであるSiglec-1が、HIV, porcine reproductive and respiratory syndrome virus (PRRSV)などのウイルスと吸着するのです。I型レクチンとはI型レクチン(I-type lectins)とは、免疫グロブリン様ドメインを糖鎖認識ドメインとして持つレクチンの総称です。レクチンは、植物や動物、微生物、ウイルスなどに存在する糖タンパク質で、糖に対する特異的結合活性を持つ物質です。細胞表面の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する性質があり、動物では免疫系を活性化させる防御タンパク質として機能しています。レクチンは、病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して、自己・非自己を識別できるのです。
補体を活性化する経路に「レクチン活性化経路」があります。「レクチン活性化経路」とは何でしょうか?補体系の働きは5つあります。その一つが補体系を活性化させるレクチン活性化経路によって、病原体の細胞壁の糖鎖構造を糖鎖結合性タンパク質のレクチンが認識して補体を活性化させる経路があります。補体の活性化経路には3つあり、①レクチン経路のほかにも②古典経路や③第2経路(代替経路)があります。レクチン経路の活性化経路は、血清レクチンの一種であるマンノース結合レクチン(MBL)が病原体の表面の糖鎖に結合して活性化されることで起こります。MBLはマンナン結合蛋白(MBP)とも呼ばれ、マンノースやN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)にカルシウム依存的に結合します。
補体が活性化すると、貪食細胞や抗体を呼び寄せ、活性化させる働きがあります。補体や抗体が抗原に結合することで、抗原が貪食細胞によって捕らえやすくなる現象を「オプソニン化(オプソニン効果)」といいます。オプソニンとは「味付け」という意味です。
ウイルスや細菌の表面にあるマンノースやN-アセチルグルコサミンやのN-アセチルノイラミンサンの意味や他のsiglec(sialic acid-binding immunoglobulin-like lectin、シグレック)とヘルペスウイルスとの関わりについて説明していきましょう。MAG(Myelin-associated glycoprotein)はSiglec-4とも呼ばれているI型膜貫通タンパクであり、siglec(シグレック)は1か2個のV-セット免疫グロブリン様ドメインとそれに続く1から16個のC2-セットを持つ。V-セットIg様ドメインによって、シアル酸を含む様々なタイプの糖鎖を認識する。ヒトsiglec(シグレック)は、Siglec-1〜Siglec-16までが同定されているが、Siglec-13は欠番であり、Siglec-XIIはV-セットドメインにあるアルギニンに変異があるため、シアル酸を認識できない。siglecがシアル酸を介して標的分子を認識するという特徴をもつことから、MAGによるgBの認識にもシアル酸が関与していると思われる。シアル酸とは何か?シアル酸とは、N-アセチルノイラミン酸です。シアル酸とは、ノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名です。通常、糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。ノイラミン酸とはN-アセチルノイラミン酸(NeuAc)で、NANAです。シアル酸の生合成の過程で生成される物質で、ヒトのシアル酸はNANAです。N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)(シアル酸)はアミノ糖であると同時にデオキシ糖です。糖の誘導体にはN-アセチルノイラミン酸(NeuAc)とN-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を基本に、30種類を超える糖の誘導体が生体物質として存在します。N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)とは N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)は、ブタやラットなどの哺乳動物に存在するシアル酸の一種で、ヒトでは合成されず微量しか存在しない非ヒトシアル酸です。N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)と並ぶ哺乳類の主要なシアル酸です。シアル酸は、細胞間での情報伝達や細胞間接着作用、サイトカインの取り込み、細胞の品質管理など生体制御作用を担っています。また、炎症などの障害が生じたときに糖鎖から切断酵素により遊離することから、炎症マーカーとしても注目されています。
シアル酸は、ムチンから得られる酸性の糖で、細胞と細胞の情報伝達に関わっています。ムチンとは、動物の消化管や気道、唾液腺などで作られる粘液の主成分で、糖とタンパク質が結合した高分子糖タンパク質です。体を保護したり、潤滑したりする役割があります。
ムチンは、次のような特徴があります。①難分解性で、消化管上皮を保護する機能がある②
唾液中のムチンは、細菌を集めて外に追い出す作用がある③オクラ、モロヘイヤ、長芋などに多く含まれる④ムチンは、唾液の粘性のもととなっており、食べ物を口の中でやわらかくして飲み込みやすくする役割があります。⑤ツバメの巣などのネバネバした食材にも含まれています。人の細胞にも含まれ、母乳や卵などにも存在します。⑥ウイルスや細菌などが細胞に感染することを防ぎ、免疫力を高める働きがあります。⑦ノイラミン酸は分子内にカルボキシル基とアミノ基を持つ特殊な9炭糖でガングリオシドなどの糖鎖の一部として存在している⑧ノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。⑨通常、糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。
上記のようにMAGによるHSV、VZVの感染にも、シアル酸が関与している可能性がある。シアル酸とはノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。通常糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。ノイラミン酸は分子内にカルボキシル基とアミノ基を持つ特殊な9炭糖でガングリオシドなどの糖鎖の一部として存在していることが多いのです。一方PILRαも、免疫グロブリン様ドメインをもち、そのリガンドであるHSV gB、CD99、PANPと会合(結合)する際には、これらの分子上のシアル酸を必要とする。この意味でも、PILRαはsiglec(シグレック)に類似の分子といえる。実際、前述のように、MAGはPILRαとの相同性検索から浮かび上がった分子でもある。従って、HSV, VZV、HIV, PRRSV以外のウイルスでも様々なsiglecと会合し、siglecをエントリーに利用する可能性があり、siglec分子群とウイルスの相互作用を明らかにすることにより、ウイルスの感染成立のメカニズムの一端に迫れることが期待される。また、ウイルス感染における糖鎖の利用という観点から、ウイルスのエントリーレセプターなどとしての、宿主細胞側の糖鎖だけでなく、HSV gBやインフルエンザウイルスHA、HIV gp120、C型肝炎ウイルスE1、E2、ウエストナイルウイルスE、SARSコロナウイルスS、M、エボラウイルスGPなどのように、ウイルス側の表面(糖)タンパクの糖鎖修飾も、感染組織指向性の変化や、宿主免疫からの逃避を可能にする免疫原性変化をもたらすなど、ウイルス感染機構を解析する上で重要であると考えられる(図3)。
図 3 HSV感染における糖鎖の関与
(A) HSVはgCを介して、宿主細胞膜のヘパラン硫酸プロテオグリカンを利用して細胞膜表面へ吸着する。また、gDと3-O-硫酸化へパラン硫酸の会合を介して、細胞内へエントリーする。 (B) O型糖鎖修飾を受けたHSV gBはPILRαと結合し、HSVの宿主細胞へのエントリーを可能にする。(C) しかし、gBの特定のアミノ酸のO型糖鎖修飾を欠くと、PILRαと結合できず、宿主細胞へエントリーできない。
PILRαタンパク質とは、「Paired immunoglobulin-like type 2 receptor αの略」で日本語は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ」です。
哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質で、単純ヘルペスウイルスや他のヘルペスウイルスが細胞に感染する際に利用します。PILRα(対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ)タンパク質は、単純ヘルペスウイルスや他のヘルペスウイルスの仲間が持っている糖鎖とペプチドを同時に認識する分子機構を備えています。それはPILRαタンパク質に結合する糖ペプチドを添加すると、免疫細胞のPILRαと単純ヘルペスウイルス側の糖タンパク質の結合部位がふさがれてしまうので、ウイルスが細胞膜に結合できないのでヘルペスウイルスの細胞への侵入が阻害されてしまうからです。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると死滅することがなく、神経節の中に潜んでいたり細胞のゲノムにプロウイルスとして潜伏感染しているため正常な免疫は手も足も出すことができないのです。逆に、細胞の免疫力が弱まった時に再び分裂増殖してから免疫に増えすぎたヘルペスを認識されて免疫に戦いを挑まれて様々な症状を現します。病気の症状は免疫が高まったときに見られるのです。にもかかわらず殺され切ることは絶対に無いのでヘルペスウイルスは、哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質(PILRα)を最大限利用し尽くして免疫応答を抑えることで、ヒトの組織の一般の細胞や免疫細胞や末梢神経細胞や中枢神経細胞などが持っているPILRαタンパク質を利用して様々な細胞に自由自在に必ず感染できるのです。だからこそ人体のあらゆる細胞に感染して細胞の免疫が低下した細胞の分裂増殖の機会に乗じて細胞がヘルペスも同時に分裂する間に数十倍、数百倍分裂増殖してしかも細胞から5大栄養素や核酸の原料のみならずエネルギーのすべてを奪って癌細胞を無限に増やして人体の正常な細胞はもとより癌細胞まで餓死状態にさせて最後は両者の細胞も餓死状態になり悪液質のために命を失ってしまうのです。細胞が二つに分裂するのに必要な24時間という長い時間の間に数分という短時間に2倍に分裂できるヘルペスは多い時には何千回も分裂増殖できるのでヘルペスが増えた分だけ細胞の癌関連遺伝子は変異してしまう可能性を増やしてしまうのです。
人は癌細胞が増えすぎて癌死するのではなくヘルペスが無限大、増えすぎたためにヘルペスが癌死をもたらしたのでヘルペスがひとを殺してしまったというべきなのです。癌についてはここのみならずあちこちに書きまくっていますから全部読んでください。ロイアルレイモンド博士についてもここを読んでください。ヘルペスがゲノムにプロウイルスとして潜伏感染したときに部位特異的遺伝子組み換えをやって癌関連遺伝子の二つを変異させる確率を高めるのです。
プロウイルスとは何でしょうか?ウイルスが宿主に感染した後免疫が低下してかつ細胞分裂が行われるときに感染細胞の染色体に侵入してプロウイルスとして潜伏感染(溶原感染)して宿主細胞のゲノムDNAに自分のゲノムを組みこむときに同時に宿主細胞のゲノムDNAを部位特異的組み換えが必然的に生じてしまい様々な種類の遺伝子変異を起こしてしまいあらゆる種類の遺伝子病が生まれることになるのです。
ヘルペスは宿主細胞のDNAに組み込む前には免疫が及ばない自律神経節にまず隠れます。免疫が落下してかつ細胞分裂が行われるときに染色体のDNAに侵入出来て初めて遺伝子変異を起こせるのです。
哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質(PILRα)とは何でしょうか?PILRαタンパク質とは、「Paired immunoglobulin-like type 2 receptor αの略」で日本語は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ」と訳します。です。PILRα(ピラーアルファ)は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の表面にある糖鎖とペプチドを同時に認識する分子です。ウイルスタンパク質の中にある7個のアミノ酸配列のペプチドと糖の両方を認識する恐らくヘルペスウイルスだけが持っているユニークな結合によって、立体構造が大きく変化します。単純ヘルペスウイルスは脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、小児ヘルペスなど、あらゆる人の組織のあらゆる細胞に感染してあらゆる多様な疾患を引き起こす難治性の病原性ウイルスであり、日本だけでも年間約7万人が治療を受けていると言われています。症状がなくても日本人すべてに感染しています。特に、若い時に一番多くみられる性器ヘルペスは既存の抗ウイルス薬では完治が不可能で、ヘルペス脳炎では致死的もしくは重度の後遺症が残る場合があります。単純ヘルペスウイルスの感染機構の解明は、これらの感染症を制御するうえで大変重要ですから他の研究者の知らないヘルペスに関する真実を書きまくっているのです。残念ながら私自身も64年間ヘルペス脳炎を患って生きてきたのです。だからこそ誰も治せない自分の病気を解明するためにかつ自分で治すために三つ目の大学である京都府立医科大に入ったのですが「京都府立医科大」の教授連も誰も原因治療は不可能であるどころか治療と称する免疫を抑える病気つくりの名人が集まっている大学病院であることを知ったときには未来に絶望して4回目の自殺を仕掛けたのですが無理でした。その経緯についてはただで読める「私の苦痛に塗れた自伝」の電子書籍をこの私のサイトに載せていますからここを読んでください。お陰で死なずに苦しみながら「癌の原因もヘルペスである」ことを見つけ何人もの癌をも治せるようになりました。これも100年前にすべての癌を完治させたロイアルレイモンドライフ博士との出会いがあったからです。何十万人の他の医者が治せない難病を完治させた臨床経験と自分自身の病気から学んだ経験が真実の医学を医学から教えてくれたのは言うまでもありません。ロイアルレイモンドライフ博士の「光癌療法」についてはここを読んでください。
ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質(glycoprotein)が存在し、その中でも糖蛋白であるglycoproteinB(gB、糖蛋白B)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαタンパク質(日本語訳は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファタンパク質」)と結合すると、免疫細胞がヘルペスを攻撃できないように抑制するスイッチがオンになって、8種類のあらゆるヘルペスウイルスは免疫細胞から回避できるので難なく細胞内へ侵入します。それらの結合機構の構造的な基盤を述べましょう。Herpesウイルスのエンベロープ(外皮)のgBとペプチドと結合した細胞膜にあるPILRαタンパク質(対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファタンパク質)の、PILRαとgBとペプチドとの複合体の結合機構の立体構造が、原子レベルで解明されました。その結果、PILRαはこれまでgBの糖部分だけを認識していると考えられていましたが、実際は糖部分とたんぱく質(ペプチド)部分の両方を同時に認識していました。さらに、外からPILRαタンパク質に結合する7アミノ酸からなる糖ペプチドを加えると、PILRαタンパク質を競合阻害し、単純ヘルペス感染を阻害できることが判明しました。単純ヘルペスウイルスは脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、小児ヘルペスなど、多様な疾患を引き起こす難治性の病原性ウイルスであり、日本だけでも年間約7万人が治療を受けています。特に、性器ヘルペスは既存の抗ウイルス薬では完治が不可能であるのみならず、ヘルペス脳炎では致死的もしくは重度の後遺症が残る場合があります。私の場合はヘルペス脳炎で右目が視力ゼロになってしまいました。
ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質が存在し、その中でもglycoprotein B(gB)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαタンパク質と結合すると、それが免疫細胞の攻撃を抑えるスイッチの役割を果たし、単純ヘルペスウイルスは難なく細胞へ侵入します。PILRαは免疫系の細胞や、神経系などのあらゆる種類の細胞に、ヘルペスウイルスに感染させてしまい免疫を低下させてヘルペスを増殖させ、難治性の脳神経変性疾患はじめ、癌までも引き起こしてしまうのです。最後に残された唯一の病気の原因はワクチンができない8種類のヘルペスウイルスなのです。ただしこのヘルペスを増やすのは患者自身の「不満を耐え続けざるを得ない生活から生まれる心のストレスそのものなのです。」
ヘルペスウイルスは、細胞膜との融合やendocytosis(viropexis)によって細胞質内に侵入・脱穀した後、核内で増殖し、核膜をかぶって成熟します。ViropexisとはViropexisはバイロペクシスと読み、ウイルスが細胞膜と融合するか、endocytosis(エンドサイトーシス)と呼ばれる二つの過程のいずれかを経て細胞質内に侵入する現象をバイロペクシスというのです。
ウイルスは細胞に吸着し、Viropexisによって細胞質内に侵入・脱穀した後、核内で増殖し、核膜をかぶって成熟します。特に、ヘルペスウイルス以外にピコルナウイルスやパポバウイルスなどのウイルスがViropexisによって宿主細胞に侵入します。ピコルナウイルスとは直径約 30nm の大きさで envelope. を持たない小さな(pico) RNAウイルスと言う意味でこの名がある。パポバウイルスとは慢性の脳炎である行性多巣性白質脳症 (progressive multifocal leukoencephalopathy, PML)の原因ウイルスです。
ヘルペスウイルスは、宿主細胞の中で不活性(休眠または潜伏)状態でとどまるため、感染は生涯続きます。ときとしてウイルスが免疫低下のときに再活性化し、増えすぎたヘルペスビリオンが免疫細胞に察知されてしまうと感染細胞が免疫細胞やインターフェロンαなどに破壊されたときに病気の症状が現れます。
ヘルペスウイルスは、好中球やマクロファージなどの免疫細胞表面にある免疫受容体PILRαを利用して宿主の免疫系に排除されず、宿主に感染しています。PILRαはヘルペスの糖部分だけではなく、ヘルペスのペプチド領域も同時に認識するというユニークな結合をしています。また、結合に伴い、PILRαは大きく構造変化しており、変化した部分は糖ペプチドの認識に直接関わります。糖ペプチドとPILRαの相互作用には糖、ペプチドの両方が必要であります。PILRαのリガンドは、糖だけでなく糖とペプチドの両方を同時に認識しているのです。
ヘルペスウイルスのエンベロープ分子とはヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルス粒子を覆っている表面の膜構造に埋まっているたんぱく質である糖蛋白であり、宿主細胞への感染時に重要な役割を果たしているのです。
癌は「細胞」の何が、どこがおかしくなっているのか?100%正しいのは「ヘルペスウイルスによって遺伝子に異変が起きている」ことです。通常ならばぜったいに起こりえない23500個のk0の遺伝子の内に数百個もある癌関連遺伝子の二つのセットである癌原遺伝子と癌抑制遺伝子がヘルペスウイルスによって突然変異して最初の癌細胞が生まれます。更に免疫を抑えれば抑えるほど複数個の癌関連遺伝子が次々とヘルペスウイルスによって変異されていくと癌細胞の数が増えていき、と同時にherpesウイルスも加速度的に分裂増殖
した医療遠隔転移してしまい癌死する直前には人体の40兆個の細胞数をはるかに超えるヘルペスが増えてしまっているのです。人は癌で死ぬのではなく数十兆個増えるためにherpesが細胞から奪い取った栄養素。私たちの体をつくっている細胞と同様、細菌は自らエネルギーを作り出し、独自に増殖することができますが、ウイルスは自らエネルギーを作り出すことができず、細胞などに入り込んでエネルギーを細胞から、略奪するために感染するのです。
ウイルスの構造は、核酸(DNAやRNA)をタンパク質で包んだだけの非常に単純なものです。このような単純な構造では自己で複製を作るどころか、エネルギー生産・代謝活動すらできず、その他生体活動は一切行われていません。ただし、遺伝物質である核酸を有するので、他の生物の生きた細胞内に侵入することで受動的に自己の複製を作ることが可能です。
また、生命の最小単位である細胞をもたないので、非生物であると位置づけられる傾向にあります。大きさは大腸菌が2000~4000nm(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)であるのに対し、20~300nmと極小なため電子顕微鏡を使わないとその詳細を観察することはできません。
「ウイルス」は、「毒液」または「粘液」を意味するラテン語“virus”に由来して命名されました。ウイルスの構造は、核酸(DNAやRNA)をタンパク質で包んだだけの非常に単純なものです。このような単純な構造では自己で複製を作るどころか、エネルギー生産・代謝活動すらできず、その他生体活動は一切行われていません。ただし、遺伝物質である核酸を有するので、他の生物の生きた細胞内に侵入することで受動的に自己の複製を作ることが可能です。最初の癌細胞はヘルペスウイルスによって二種類の癌関連遺伝子の突然変異が変異したために生まれたのであり、正常細胞よりも分裂増殖のスピードも速くなるのも増えたヘルペスウイルスが癌関連遺伝子を変異させた遺伝子が増えてしまうから最後は悪液質という細胞の栄養失調症で死ぬのです。癌患者が癌死するのは癌細胞が患者を殺すのではなくヘルペスが細胞の餓死をもたらすからです。本来癌死などは存在しないのです。
何故ヘルペスは細胞の餓死をもたらすのでしょうか?細胞に感染してしまったherpesウイルスは、裸になってしまい遺伝物質の核酸(DNAやRNA)という情報以外の他に何も持っていないのです。情報だけでは遺伝子の複製や細胞の複製などの自己複製をするどころか、エネルギー生産・代謝活動・栄養・核酸すら作ることができず、その他の生体活動は一切行うことができません。ただし、子孫を作る遺伝物質である核酸という情報を有するので、他の生物の生きた細胞内に侵入することで彼らの力を100%利用してエネルギー生産・代謝活動機構・5大栄養素・核酸の原料を奪い取って正常細胞や癌細胞をやせ衰えさせて無限に増えすぎた時が細胞の餓死や個体である人間の死に直結するのです。つまりヘルペスウイルス自身のゲノムの遺伝子情報を発現するために受動的に自己の複製を作ることだけは可能なのですがその犠牲者が癌患者なのです。これに気づいていない現代医学の三大癌医療はすべてヘルペスを増やす間違った医療にふさわしくない免疫抑制医療ですからいつまで癌研究がされても永遠に人殺し医療にならざるを得ないのです。癌の原因はヘルペスウイルスなのです。
大きさは大腸菌が2000~4000nm(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)であるのに対し、「ウイルス」は20~300nmと極小なため電子顕微鏡を使わないとその詳細を観察することはできません。しかし残念ながら生きたままヘルペスウイルスを見ることはできません。
また、生命の最小単位である細胞をもたないので、非生物であると位置づけられる傾向にあります。大きさは大腸菌が2000~4000nm(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)であるのに対し、20~300nmと極小なため電子顕微鏡を使わないとその詳細を観察することはできません。一般的な光学顕微鏡の最大倍率は1000倍です。光学顕微鏡の分解能は、約0.4~0.7μm(マイクロメートル)程度です。これは、観察に用いられる可視光(目に見える光)の波長(400~700nm)が限界を決めているためです。分解能とは、2つの点を2つの点と認識できる最短の距離を指し、解像度とも呼ばれます。光学顕微鏡の性能を決める要因の中で最も重要な要素です。光学顕微鏡では、数十倍から1500倍程度まで拡大でき、ゾウリムシやヒトの卵、大腸菌などの観察が可能です。ここで疑問がわきます。100年前にロイアルレイモンドライフ博士が作った6000倍の倍率の光学顕微鏡はどのようにしてつくられたのでしょうか?研究資料のすべてを当時のアメリカ医師会会長のフィッシュベインに焼かれてしまったので存在していないので調べようがありません。残念です。
一方、電子顕微鏡は光の波長の10万分の1以下の電子線を使用するため、分解能は光学顕微鏡の約1,000倍程度高くなっています。電子顕微鏡では、0.1nm(10億分の1m)の原子も観察することができます。電子顕微鏡の分解能は約0.1ナノメートル(nm)以下で、光学顕微鏡よりも1000倍程度高くなっています。分解能とは、物と物を分離して観察できる最短の距離です。電子顕微鏡は、電子線を使用することでナノスケールでの高い分解能を実現し、原子レベルの詳細を明らかにすることができます。
電子顕微鏡は、ガラスの代わりに電子レンズを使用しており、電磁石でできた電子レンズが磁界を利用してマイナスの電気を帯びた電子を曲げています。
電子顕微鏡の倍率は2,000倍から100万倍程度に対応しており、使用用途が幅広い専門性の高い顕微鏡です。
ヘルペスウイルスの性質とはウイルスは自身では増殖できないため、他の生物(宿主)の体内を利用して増殖します。まず、宿主となる細胞の表面に付着します。細胞は常に外部と物質のやり取りを行っていますが、細胞はその物質の一部としてウイルスを取り込みます。細胞自体はウイルスとそれ以外の物質を区別できませんが、ウイルスの種類によってどの種類の細胞の内部に侵入できるかは異なります(例えばHIVならヘルパーT細胞)。しかしヘルペスウイルスはすでに説明したようにあらゆる細胞内への侵入に成功できるリガンドを持っているのでいとも簡単に細胞に入り込むとカプシド(遺伝子である核酸を覆っているタンパク質)は一度分解され、核酸が遊離します。その後、細胞の複製能力によりヘルペスウイルスの子供であるビリオンを産生するためにヘルペスウイルスの核酸が細胞内に大量に生成され、細胞のタンパク質合成能力によりウイルスのタンパク質も大量に合成されます。ヘルペスウイルスは感染細胞の複製能力を最大限利用してウイルス自身のの核酸が細胞内に大量に生成され、細胞のタンパク質合成能力によりウイルスのタンパク質が合成されます。核酸とは、リボ核酸 とデオキシリボ核酸 の総称で、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子です。糖の部分がリボースであるものがRNA、リボースの2’位の水酸基が水素基に置換された2-デオキシリボースであるものがDNAであります。因みに植物ウイルスはほとんどがRNAウイルスである
このようにして出来上がったウイルスの核酸とタンパク質が集合し、再びヘルペスウイルスの子供であるビリオンとして元の姿に戻るのです。出来上がった大量のヘルペスウイルスは細胞外へ脱出しますが、このとき細胞膜や細胞壁は破壊されます。これを溶解感染というのです。細胞外へ脱出したヘルペスウイルスは次々と組織にでたり血やリンパ管に入ったり近くの細胞に感染したりして増殖分裂して癌細胞を増やしていくのです。一度ウイルスに感染し代謝能力を乗っ取られた細胞は、最後は癌化するか溶解感染によって死を迎える運命にあります。
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たとえば癌になって癌細胞の分裂増殖が激しくなるとそのたびごとにヘルペスも細胞の分裂増殖に歩調を合わせて分裂増殖するのでこの時にヘルペス感染癌細胞は正常なときに比べると何倍以上ものエネルギーと5大栄養素や核酸が必要になるのでその結果大量の様々な人間が生きるためには絶対に欠かせない原料の絶対的不足に陥ってしまい癌が治らない限り癌患者が痩せ衰えていくのはヘルペスだけが肥え増えていくために、細胞活動のために必要な構成物質になる原料も払底してしまうと細胞はどうなっていくでしょうか?
実は免疫が極度に落ちている癌患者の癌細胞は増えることが仕事ですから癌の初期には癌患者の栄養も十分あるので癌の分裂が起こるたびにヘルペスもどんどん指数関数的に爆発的に増えていきます。注意しておきたいのはヘルペスが分裂して増殖できるのは細胞が分裂する時にしないことです。何故ならば細胞分裂のときにしか細胞の染色体に侵入できないからです。真に夕出来ないからです。逆に言うと細胞のゲノムから出て初めてヘルペス自身にそっくりの子供であるビリオン粒子を作ることができないからです。
このように細胞の分裂毎に増えたヘルペスが盗み取ってしまった栄養素が極端に減っていくので痩せ衰えていくだけでなくさらに新規血管を作って増えた栄養素や酸素もヘルペスに利用されてしまい徐々に増えた癌細胞もヘルペスのために栄養不良に陥ってしまうのです。いずれにしろ正常細胞も癌細胞もヘルペスのために栄養的にはじり貧になってしまうのです。つまり両者の細胞ともヘルペスに栄養素をすべて略奪されてしまうからです。正常な細胞構造があってこそ正常な細胞機能活動が可能なのに細胞構造も異常になり、かつ細胞成分の新陳代謝も不可能になってしまい癌細胞は癌細胞に共通な独特な形態をとり始めます。さらに癌化した細胞が多くなりかつすでに癌細胞になった癌細胞の残りの正常な数百の癌関連遺伝子も増え続けるヘルペスウイルスによって突然変異を起こし続け一個の癌細胞の癌の悪性度が進行していきます。それらの細胞の良性度や悪性度や、病変の大きさや悪性度といわれる癌細胞の形や核の形や大きさやさらに細胞内の構造異常や細胞内の様態が大きく変化して細胞異型が進んでいきます。この時に病理学者の出番となり、正常な細胞と比較して、細胞の形や核の大きさが異なっている細胞異型の度合いを診断するのです。
異形成(いけいせい)とは何でしょうか?細胞を顕微鏡などで観察して癌になるかどうかを判断する病理学の用語です。細胞が「現状ではがんとは言えないががんに進行する確率が高い状態(前がん病変)」や「悪性・良性の境界にある状態(境界悪性)」であることを指します。病変の程度により、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成の3つに分類されます。
病理学とは何であり病理学者や病理医の役割は何でしょうか?病理学(Pathology)とは病気の原因や成り立ちを科学的に解明しようとするものです。このため、病理には人体病理学と基礎病理学という2つの柱があります。病理医とは患者の細胞・組織の組織診断を行う医師のことを病理医といいます。病理医は、細胞診診断は、細胞検査士という資格をもつ専門技師と病理医の共同で行います。内視鏡検査時に採取される生検組織の顕微鏡検査による病理による病理診断は最終診断として取り扱われます。手術中の切除断端にがん細胞の取り残しがないか、リンパ節に転移がないか、などの術中迅速診断も病理医が行います。不幸にして患者さんが亡くなられた場合、生前の診断は正しかったのか、治療は適切だったのか、死因はなにか、などを検証する剖検診断も行います。米国では病理医はDoctor’s doctor(医者の中の医者)と呼ばれていますがヘルペスが。
病理医は、守備範囲が広く「楽」ではありません。しかし、受け持ち患者さんがいないため、比較的自由に時間を使えます。患者さんと接する機会が少ないため、仕事中にもゆとりがもてます。顕微鏡があれば、どこでも仕事ができます。当直はありません。病理医として診療に関わりながら、疾患の病因・病態の解明を目指した研究に時間を使えます。他の診療科に較べて臨床と研究の両立が容易です。待遇は他の臨床科と同じです。研究を行いたいが医師として臨床にも関わっていたい人には最適な分野です。すべての現代の医学研究は病気を治すのは薬であるという前提があるのでどんな医学研究もお金儲けの病気つくりのためですから何の価値もないことを病理医も知りません。病気を治すのは患者の壮大な免疫であり免疫を助けるワクチンか抗生物質しかありません。
実験病理・診断病理の研鑽に情熱を注ぐ人はもちろん、時間的に制約のある人、趣味を大切にしたい人、家事・子育てと両立したい人も柔軟に対応できます。病理は気楽なやり甲斐のある責任を問われることのない「楽」しい 仕事ですが実は病気を治すためには病理医や病理学は全く役に立ってはいないのです。間違いだらけの病理学です。何故ならば現代の最も難治な三大疾患は①癌②自己免疫疾患③アレルギーであります。①癌と②自己免疫疾患の原因はヘルペスウイルスであることを病理医は何も知りません。しかも現在の顕微鏡の倍率は1000倍なので細胞診をやってもあらゆる病気に原因であるヘルペスウイルスは見ることはできません。アレルギーの原因も化学物質ですが化学物質の大きさは0.15マイクロメートル以下ですから化学物質を光学顕微鏡で見ることはできないのは言うまでもないことです。
にもかかわらず100年前にロイアル・レイモンド・ライフ博士が6000倍の倍率の「光癌療法」の光学顕微鏡を発明してすべての癌を極めて簡単に完治させたのですよ。発明家としても医学者としてもいかに偉大な人物であったことがわかるでしょう。このような人物をアメリカ医師会の会長であったユダヤ人のフイッシュベインが金の力ですべてを破壊してしまったのですよ。ロイアル・レイモンド・ライフ博士についてはここを読んでください。しかも彼の業績を世界中の誰一人として復活させようとしないのですよ。世界中の半分以上の癌患者が毎日毎日虚しく治る病気である癌で死んでいくのですよ。言葉に尽くせないほど悲しいですね。おかねですべてが支配される資本主義は命よりもお金が大切なシステムですから絶望以外に何も残されていないのでしょうか????
病理診断とは病理診断は、生検組織や手術摘出組織、病理解剖後の最終診断として取り扱われます。病理診断には二つあります。①組織診断。生検、手術などの受託検体を組織診断します。組織診断には、次のような意味があります。病変の組織片を顕微鏡で調べる病理検査を行って、組織の状態を測定して組織の問題点や課題を解決する手法です。病理検査としての組織診断は、がんの診断でよく行われる検査です。病変の一部から組織片を採取し、顕微鏡で調べることで、細胞異型や構造異常などの情報を得ることができます。細胞異型とは、何でしょうか?正常な細胞と比較して、細胞の形や核の大きさが異なっている様子を指します。細胞異型に関する用語には、次のようなものがあります。
- 異型性。腫瘍細胞と正常細胞の形態の違いを指す用語です。
②異型度。腫瘍細胞と正常細胞の形態の違いの程度を指す用語です。異型度が高いほど、正常細胞との形態の乖離が大きくなります。
③異型細胞。採取された細胞を光学顕微鏡などで観察した場合に、形態が正常ではない細胞を指します。現代の光学顕微鏡では癌の原因である生きたままのヘルペスウイルスを観察することはできません。
- 核異型度。乳がん細胞の核や組織の異型度を示す分類です。乳がんとしての悪さ(転移・再発のしやすさ)を言い表します。
がん細胞やその前段階の細胞は、正常な細胞と比べて細胞膜や細胞の形がゆがんでいたり細胞内のあらゆる種類の細胞小器官のすべてが多かれ少なかれ変形したり、核膜や核内の核小体や核膜孔が不整だったり個々の染色体のDNAの位置とか核マトリックスの繊維状態などに異常な変化が見られることなどの異形成がいくらでもあるのです。良性腫瘍は一般的にこのような異型性が乏しく、異型度が低いのに対し、悪性腫瘍(癌や肉腫)は一般的にすべてにおいて異型性が目立ち、異型度が高い傾向にあります。細胞診と組織診断の違いは何でしょうか?組織診断の方が比較して採取できる組織量が多いため、多くの情報を得ることができ、正しい診断率が高く、しばしば確定診断となります。細胞診と病理組織診断では観察する対象が異なります。病理組織診断は細胞の集まりである組織の構造を観察するのに対し、細胞診は個々の細胞についての形態的な変化を観察します。組織診は細胞異型に加え、構造異常の情報も調べられるので、細胞診に比べて診断率が高く、しばしば確定診断となります。正しい診断・治療には、臨床各科の医師と病理医の連携は欠かせません。病理診断は残念ながら世界中の間違った医療の根幹を支えています。
組織診断の手順は次のとおりです。
- 組織診断:手術や内視鏡などで取られた臓器や生検組織を病理検査室に提出する。提出された組織を一晩ホルマリンに浸ける。翌日、病理医が臓器の切り分けを行い、技師が組織の写真撮影・脱脂・薄切などを行う。厚さ2μmの組織標本を作製し、染色する。組織診断は、臨床診断を元にして行われる検査で、病理医が病変の診断を行います。この診断は最終診断として臨床医に報告され、治療方針等を決定します。言い換えると現代の間違った医療のすべては病理医が病気つくりの医学の根幹を支えているといえます。
- 細胞診断:各臨床科からの受託細胞診検体を細胞診断を行います。細胞診とは、何でしょうか?患者から採取した細胞を観察して、細胞の良性・悪性や病変の有無などを診断する検査です。細胞診では、病変部から採取した細胞をスライドガラスに塗り、色づけして顕微鏡で観察します。細胞診には、次のような方法があります。①穿刺吸引細胞診:細い針を刺して細胞を吸引する。②分泌液細胞診:乳頭から分泌されている液を採取する。③捺印細胞診:乳頭糜爛から細胞を採取する。因みに乳癌に際して見られる乳頭糜爛は乳がん乳腺細胞に感染して癌を作ったヘルペスを癌細胞もろとも殺し体外に排除しつつある証拠であることを癌専門家の誰も気づいていないのです。全ての観察できない組織の上皮癌は多かれ少なかれ免疫が抑制されない限り生じている現象なのです。細胞診は、低侵襲で比較的安全に検査ができるため、子宮頸がん検診や肺がん検診などのがん検診や、日常診療で病変の有無や腫瘍の良悪性を診断する目的で広く用いられています。
細胞診と似た検査に病理組織診断や組織診がありますが、細胞診と病理組織診断では観察する対象が異なります。病理組織診断は細胞の集まりである組織の構造を観察するのに対し、細胞診は個々の細胞についての形態的な変化を観察します。組織診は細胞異型に加え、構造異常の情報も調べられるので、細胞診に比べて診断率が高く、しばしば確定診断となります。皮肉を言えば組織診は細胞診に比べて診断率が高く、しばしば確定診断とされますがこの確定診断に基づいて故近藤誠さんの言われる「人殺しがん医療」を確信をもって臨床医が行うのは悲劇そのものです。すべての癌の原因はヘルペスが正常な細胞の癌関連遺伝子を「癌化」させるという本質が癌治療に携わるすべての医者に頭に入っていない限り叩き込まれない限り「人殺しがん医療」は永遠に受け継がれるでしょう。がんは治る病気なのです。癌細胞を増やすのも増殖したヘルペスが癌関連遺伝子を次々と変異させていくからなのです。癌細胞自身がかってに増えていくのではないのです。
病理専門医とは病理医は医療の根幹を支えています。平成20年に病理診断科として診療科に加わりました。病理診断を専門とする医師を病理専門医と呼びます。専門医制度で広告が認められた専門医の一つであり、医行為である病理診断業務を専門にします。
病理専門医は全国的に不足しています。病理医は患者さんの前に出る機会が少ないため一般に認知されていませんが、医師不足で有名な小児科医、産婦人科医、外科医よりはるかに少ないのが現状です。全医師数のわずか0.7%です。病理医は、地味、仕事がきつい、標本や顕微鏡相手、といったイメージのせいかもしれません。正しい答えは病理医は癌を直すのに何の貢献もしていないからでしょう。癌死の出発点は病理医の根拠なき無責任な「癌の確定診断」なのです。
ここで癌細胞はヘルペスウイルスによって5大栄養素と核酸の原料をすべて奪われた結果細胞の正常な構造と正常な機能を失ってしまったために癌患者は最後はherpesに栄養のすべてを奪われて餓死状態になりその結果ヘルペス性細胞障害とヘルペス性細胞機能障害とヘルペス性遺伝子障害と細胞餓死によって最後の最後は個体としての癌患者も悪液質という極限の栄養不良で亡くなってしまうのです。
ここからは健康な命が維持されるために細胞構造やヘルペスによって機能が糖、脂質、タンパク質、ビタミン、核酸などによって支えられているかを詳しく述べます。同時にヘルペスウイルスによってこれらの栄養素が欠如したり核酸の構造や機能が異常になったら人はどうなるのかを具体的に見ていきましょう。
細胞の構造は、大きく4つに分けられます。
①細胞膜:リン脂質二重層で構成された薄いシートのような膜で、細胞内外を仕切り、細胞内の恒常性を維持する役割を担っています。
②核:核膜で覆われ、細胞の遺伝情報の伝達やタンパク質の合成などを制御しています。
③細胞質:核以外の部分で、半流動性のコロイド溶液である原形質(サイトゾル)が含まれています。
④細胞小器官:細胞内で固有の働きをもつ構造体で、ミトコンドリア、リボソーム、ゴルジ装置、リソソームなどが含まれます。
細胞にはさまざまな種類がありますが、全ての細胞で共通しているのは、膜(細胞膜)で覆われていることと、遺伝情報を内部に持っていることです。遺伝情報が核(細胞核)の中にある細胞を「真核細胞」、細胞の中に遺伝情報はあるものの核を持たない細胞を「原核細胞」と言います。
細胞の主な機能には、大きく4つがあります。
①体の構造をつくる
②食物から栄養素を取り込む
③栄養素をエネルギーに変換する
④遺伝情報を含むため、自らコピーをつくって増殖する
細胞の構造と機能と癌細胞との関わりについて。
生物の 基本的な最小単位が細胞で、細胞の核の中には染色体があり、その上に粒子状の遺伝子が 載っていて遺伝情報を伝えている。ことが理解できたと思う。
1.細胞の概観。明視野の光学顕微鏡では、核と大型の粒子が見える程度であるが、染色法の工夫や顕微鏡の改良により、染色体やミトコンドリア、小胞体なども観察できるようになる。
さらに電子顕微鏡により、飛躍的に拡大した像を見ることができるようになり、こうした知識を総合して人の細胞の模式図が上の図です。
細胞の内部にはさらに多くの構造物で 埋め尽くされている。これらの構造を細胞小器官(organella)と言い、 それぞれの細胞小器官は細胞の活動に必要な特定の機能を持っている。
細胞小器官の名前 | 機能 |
核(nucleus) | 遺伝子(DNA)貯蔵所です。個々の染色体には縄張り(染色体テリトリー)がありパッチワークの様に核膜の裏側に張り付いている。 |
①核膜(nuclear envelope)は核質を細胞質基質から分ける二重の膜です。核膜は小胞体の一部が特殊化したものです。②染色質(chromatin)は染色体が脱凝集した無定形の構造です。核の染色質とは、細胞の核内に存在し、塩基性色素に染まり、染色糸をつくる物質です。クロマチンとも呼ばれ、真核生物の細胞核にあるDNAとタンパク質(ヒストン)の複合体です。染色質は、細胞分裂の際に染色体の骨組みをつくります。また、クロマチンは非常に帯電しているため、周囲の環境(陽イオン、分子混雑など)によってその構造は大きく異なります。③核小体(nucleolus)はリボソーム形成に必要な原料を供給します。④1つの染色体テリトリーに着目すると染色体末端のテロメアと転写活性が低いヘテロクロマチンの部分で核膜に付着しています。⑤ 逆に転写活性の高い領域は核膜孔の近くに集まり転写したmRNAが細胞質ゾルに搬出しやすい配置にあります。⑥別々の染色体テリトリーのDNAがloopoutして(輪状にはみ出して)互いに接触することもあるのは転写因子が二つの遺伝子を同時に制御しているのです。核の内部には特定の役割の領域があり核小体はリボソームを産生します。さらに「核マトリックス」という繊維のネットワークが有って複製や転写反応の「足場」になっています。⑦核は「核膜」でかこまれています。「核膜」は小胞体の一部が特殊化したのです。⑧核膜の内側はラミナと言われる中間径フィラメントの網目構造で裏打ちされているので核は頑丈なのです。⑨各幕には「核膜孔」という孔が一個の核あたり2,000~4000個あります。➉孔には核膜孔複合体という大型のゲートがあり核膜を往来する物質はすべてこの大型のゲートを通ります。サイズ的には9 nm以下の水、イオン類ならフリーパス出来ます。また蛋白分子も通過できます。⑪9nm以上よりも大きいものは輸送体に乗って通過しなければならない。「核内から核外」の輸送はエクスポーチン輸送体が、「核外から核内」の輸送はインポーチン輸送体が行う。⑫エクスポーチン輸送体されるのはmRNAとtRNAやリボソームがあります。多い時にはリボソームは1分間に20000個あります。インポーチン輸送体されるのはDNAや転写のための酵素類とヒストンがあります。ヒストンは小さいタンパク質であるが1分間に最大300000個もインポーチンされるのでインポーチンの助けが必要なのです | |
小胞体(endoplasmic reticulum) | 細胞内に発達した膜系です。小胞体は名称からすると小さそうですが実はとても大きのです。 endoplasmic reticulumの「plasmic」は「細胞質」であり「endo」は「中」で 「reticulum」はラテン語で「ネットワーク」ですから「細胞質内のネットワーク」となるので、細胞質にネットワーク状に広がる大きな構造になるのです。内膜系の中心的な存在であり内膜全体の半分を占めます。複雑に入り組んでいるが全体が一つの袋であり内部の空間である内腔は一つに繋がっているのです。小胞体の機能は「タンパク質」と「膜」という細胞の二大最重要物資を作る場所です。粗面小胞体と滑面小胞体という二つの領域が区別できます。滑面小胞体(smooth ER)は管状をしていて核から離れた場所にあります。「膜」は二つの小胞体で作られますがタンパク質は粗面小胞体のみで作られます。粗面小胞体で作られたタンパク質は粗面小胞体と滑面小胞体の境界である小胞体遷移領域付近から出芽して小胞に包まれてゴルジ体に運ばれます。 粗面小胞体(rough ER)はシート状をしていて核の周辺に集まり蛋白質を作っているリボソームが無数についているので表面がざらざらしています。核膜も粗面小胞体の一部が伸びたものです。一方、滑面小胞体はシート状ではなく管状をしており核から離れた場所にある。膜は小胞体全域で作られるがタンパク質は粗面小胞体でのみ作られます。粗面小胞体で作られるタンパク質は細胞の外に運ばれるタンパク質で、消化酵素、分泌因子、細胞外マトリックスの成分、受容体などの膜タンパク質などです。粗面小胞体は正常な蛋白質の産生と細胞外に輸送することに特化しており全タンパク質の約三分の一が細胞の外に運ばれます。粗面小胞体(rough ER)は分泌たんぱく質を量産する肝臓や膵臓などの細胞でよく発達しています。「粗面小胞体」で作られた「外行き」のタンパク質にはそのタンパク質のN(アミノ基)末端には「荷札」に相当する短いシグナル配列と言われるアミノ酸配列があります。「荷札」を認知したリボソームは粗面小胞体の表面に移動してその表面から小胞体の内腔に注入するようにタンパク質を合成しています。 |
粗面小胞体(rough ER)は細胞外へ分泌されるタンパクを合成する以外、タンパク質の折り畳みや糖鎖やS-S 結合の付加もします。タンパク質の品質管理もやります。折り畳みの不完全な「不良品」蛋白は小胞体内腔から細胞質ゾルに戻されプロテアソームで分解されます。滑面小胞体(smooth ER)の役割は5つあります。1つ目は「膜の産生」。2つ目は「薬物の代謝」です。薬品などを解毒するのはシトクローム(チトクローム)P450群という酵素でこの酵素がある肝臓では滑面小胞体がよく発達している。3つ目は「グリコーゲンの代謝」です。細胞質ゾルに存在しているグリコーゲンを最終段階でグリコーゲンをグルコースに変換する6-リン酸ホスファターゼは肝細胞の滑面小胞体の膜に局在しています。4つ目は「カルシウムの貯蔵」です。このカルシウムは筋収縮に必要なカルシウムの放出が行われます。5つ目は「ステロイドの生合成」です。精巣のライディヒ細胞などの性ホルモンを作る細胞には滑面小胞体が多いのです。このように粗面小胞体はタンパク合成関連の仕事に特化していますが一方滑面小胞体は直接、蛋白質産生に関わりがない5つの種類の大切な役割を果たしているのです。 | |
リボソーム(ribosome)。 tRNAとは何でしょうか?遺伝暗号に従って塩基の並びをアミノ酸の並びに変換するアダプター分子が tRNAです。アダプター分子とは細胞内に存在してアダプタータンパク質ともいわれ、受容体タンパク質の細胞内領域(に結合する、酵素活性を持たない分子で、受容体が受けた刺激情報を細胞内のさらに他の分子に伝える仲介の仕事をします。アダプター分子とは「仲介者分子」と訳します。他のタンパク質との結合に関与するドメインを複数有しており、アダプター分子の代表は①SH2ドメイン②ロイシンジッパー、③Znフィンガーなどの構造です。 アミノアシル化とは何でしょうか?アミノ酸がカルボキシル基のところで他の化学気の水素と入れ替わる反応です。 tRNAではその3‘末端にあるリボースの-OHの水素がアミノ酸と入れ替わってアミノアシル化された tRNAができます。アクセプター・アームとはアダプター分子であるtRNAは1本のRNA鎖が部分的に相補鎖(茎)を作ってクローバーの葉のように表示されます。クローバーの中央の葉っぱの部分がアンチコドンでここが塩基とくっとく。この茎の部分がアミノ酸と受け入れてくっつくアクセプター・アームなのでその末端がアミノ酸を受け入れてくっつくのです。アクセプター・アームは「アミノ酸を受け取る腕」という意味です。この茎の部分がアミノ酸と受け入れてくっつくアクセプター・アームであり全てのtRNAの3’末端には例外なく塩基のCCA(シチジン-シチジン-アデニン)という配列があります。全てのtRNAのこの3’末端にはCCAという配列が存在し、その末端塩基A(アデニン)にアミノ酸が結合して、必要とされる場所にアミノ酸が運ばれる。tRNA本体の大部分の70-90塩基のRNA鎖はDNAを鋳型として合成されるが、末端のCCA配列だけはCCA付加酵素とよばれる鋳型非依存性RNA合成酵素によって合成される。 | mRNA遺伝情報を翻訳してタンパク質に合成 変換する装置です。mRNAが提示する配列通りに tRNAを順番に取りこみ、 tRNAが運んできたアミノ酸をつなぎ合わせるという2種類の作業を行います。つまりmRNA、 tRNA、アミノ酸の三者が出会う場所がリボソームです。一個の細胞には数百万個のリボソームがあります。リボソームの成分はRNAと蛋白質で60%がRNAなのでRはリボでありソームは「集まり」となるのです。材料となるRNAは核で作られ、蛋白質は細胞質で作られます。細胞質で作られた蛋白質はいったんかくの二つの核小体入り直し、核小体で組み立てられたリボソームは再び細胞質に運び出されるのです。二つのサブユニットである大サブユニットと小サブユニットは合わさって鏡餅のような形をしています。小サブユニットの機能は mRNAのコドンと tRNAのアンチコドンを引き合わせます。大サブユニットはアミノ酸と出来上がりつつあるポリペプチドを結合させます。リボソーム内には tRNA と結合する場所が3個ありA(aminoacyl- tRNA)部位,P(peptidyl- tRNA)部位、E(exit)部位の3つの部位がありアミノ酸を運んできたtRNAは A部位→ P部位→ E部位と移動しながら出来上がりつつあるペプチドに一個のアミノ酸を付加します。 P(peptidyl- tRNA)部位には前回入った tRNAがありアクセプター・アームの先端にそれまでに合成されたポリペプチドがくっついている。蛋白質が完成すると E部位に移動した tRNAはリボソームから出てしまいます。因みにリボソームのサブユニットやRNAの名前にはその重さに対応するその重さに対応するSの価が付けられます。このSの価は形にも左右されるのです。このSは趙遠心機での沈降速度を表すSvedbergのSです。 |
ゴルジ装置(Golgi apparatus) 細胞からの分泌様式には二種類あります。一つ目は構成性分泌であり二つ目は調節性分泌です。構成性分泌はすべての細胞が常時、行っている分泌様式であり分分泌を行うたびに物質を包んでいた(パックしていた)小胞の膜は細胞膜と融合してその一部になります。従って構成性分泌の役割は物資だけを細胞外に出す機能以外に新しい細胞膜は細胞に残すので細胞表面に供給するという機能も持っているのです。一方、調節性分泌は分泌専門の分泌細胞がホルモン、消化酵素、神経伝達物質などを放出する役割があります。この調節性分泌では分泌される物資は分泌小胞という専用の小胞の中でのうしゅくされかつ貯蔵されて、細胞表面の近くで待機しており放出しなさいという刺激シグナルがある時に、刺激に反応して内容物の物資を放出するのです。 糖蛋白質に付加される糖鎖には 2種類ありN-結合型糖鎖とO-結合型糖鎖です。 N-結合型糖鎖はタンパク質中のアスパラギン側鎖にあるアミノ基(-NH2)に結合する糖鎖であり O-結合型糖鎖はタンパク質中のセリンまたはトレオニンの側鎖にある-OH基に結合する糖鎖です。 | ゴルジ体は発見者の名前が付いた珍しい細胞小器官です。細胞外へ分泌されるタンパク質を輸送するために包みます。 ゴルジ層板といわれる扁平な袋が層状に積み重なった構造です。小胞体とゴルジ体はタンパク質、脂質、糖の生産と供給の中心であります。生産工程の前半を担当するのが小胞体です。小胞体から受け取った物質を加工して、細胞の各部分に配給するのがゴルジ体の役割です。細胞内膜の10%を占めています。ゴルジ体は細胞全体に広がって存在しています。特に分泌細胞や上皮細胞では核の近くに存在します。数枚から数十枚の独立した扁平な層板が重層した構造をとっています。ゴルジ体には方向性があり小胞体に近い方をシス面、遠い方をトランス面という。シス面にはシスゴルジ網がありトランス面にはトランスゴルジ網があり両面とも凹凸の激しいい領域がある。シスゴルジ網とトランスゴルジ網が凹凸が激しいのは物資を輸送するための輸送小胞が絶えず出入りしている場所であるから凹凸ができるのです。「トランス」は「横切る」という意味で「シス」は「こちら側」の意味です。 小胞体から運ばれてきた物資はまずシスゴルジ網のシス面からトランス面の方向に移行しながらそれぞれの層板のなかで決められた順序で加工を施されます。 ゴルジ体は糖に特化した細胞小器官であるのは「外域」の蛋白質は原則として糖たんぱく質であるのでゴルジ体を出るまでには何らかの「糖」をまとわなければならないからです。 凹凸が激しい小胞体からゴルジ体へは膜の一部が出芽して小胞になり物資はこの小胞に包まれて輸送されます。なお小胞体に残るべき物資がほかの物資に紛れて間違ってゴルジ体に送られてしまった場合には小胞体残留のシグナル配列を手掛かりにしてゴルジ体→小胞体方面ぬ送り返されます。ゴルジ体を出る物資はトランスゴルジ網から細胞の各所に搬出されますが。細胞内部の主な搬出先は「リソソーム」と「細胞膜」です。リソソーム以外は細胞表面まで送られて分泌されるのです。 |
ミトコンドリア(mitochondoria) NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、生物界に広く存在する補酵素で、細胞内の化学反応に不可欠な物質です。細胞の機能と生存に不可欠な役割を担っており、健康維持や体力維持に寄与しています。 NADの主な役割は解糖系やクエン酸回路などの電子伝達体として機能する。 長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子に働きかける。 ミトコンドリアでのエネルギー産生反応の補因子として機能する。 NADは、アデニンとニコチンアミドという2つのヌクレオチドがリン酸基によって結ばれており、体内ではニコチン酸(ナイアシン)などから合成されます。また、NADとともに、その還元型(NADH)およびリン酸化型(NADP+と NADPH)も重要な役割を担っています。 NADHやFADH2はATPを作る前のエネルギーを電子という形で内蔵し ATPになる過程で利用されるのです。 ATPが最後の ATP合成酵素で作られるポイントだけをまとめましょう。ミトコンドリアはマトリックスという内腔を2層の膜(外膜と内膜)が取り囲む構造をしており最後に ATPを作るのは内膜に埋め込まれたATP合成酵素です。まずマトリックスからプロトン(H+)が組みだされて内膜と外膜のあいだの膜管腔に蓄えられたプロトン(H+)がマトリックスに向かって一気に流れ込むエネルギーがマトリックスで行われるATP合成の駆動力になるのです。 | 細胞のエネルギー発電所でありエネルギー源である ATPの大半を産生する。 ATPはミトコンドリア「呼吸鎖」で作られます。細胞は「呼吸鎖」で「呼吸」をしているのです。 ミトコンドリアはカイコの繭の様な形をしており多くの「ひだ」を持つ内膜と内膜をかこむ外膜の二重構造をしている。内膜は物質を通過させない強いバリアであるが外膜は「孔の多い」膜であり水やイオンや小さい分子なら通過できます。「孔」はエネルギー関連の物質であるATP,NAD、CoAなどの出入り口になっています。 CoA(コエンザイムA)は、生体内で重要な補酵素の一つで、多くの生合成やエネルギー生成、分解経路においてアシル基キャリアとして機能します。 CoAの誘導体であるアセチルCoA(アセチルコエー)は、糖質・脂質・アミノ酸の代謝や脂肪酸の合成に関与する高エネルギー化合物です。アセチルCoAは、補酵素Aのチオール基と酢酸のカルボキシル基がチオエステル結合した化合物で、「活性酢酸」とも呼ばれます。 内膜の更に内部あるにある空間が「マトリックス」である。高濃度の蛋白質が含まれ粘性が高いのはこの「マトリックス」という空間でクエン酸回路、β参加、尿素回路などの代謝系が存在している場所であるからです。またこの「マトリックス」という空間にはミトコンドリア専用のリボソームが存在しています。 ATPはどの様にして作られるのでしょうか?呼吸鎖はクエン酸回路というエネルギー代謝系でつくられたNADHやFADH2を使ってATPを大量に合成するシステムなのです。ミトコンドリア内膜にある三つのプロトン(H+)ポンプである複合体Ⅰ、複合体Ⅲ、複合体Ⅳを電子が通過しながら複合体に内蔵されたエネルギ-を順番に渡しながら、その渡したエネルギーで水素ポンプといわれる三つの複合体がマトリックス内のプロトン(H+)を内膜と外膜のあいだの膜管腔に組み上げるのです。このようにして膜管腔にたまったプロトン(H+)が最後に複合体ⅤにあるATP合成酵素(ATPシンターゼ)を横切ってマトリックスに流れ込む力(エネルギー)でATPが作られるのです。 ATPシンターゼ(複合体Ⅴ)はプロトン流入と共役させてATPを生成するのです。「電子」とは、原子を構成する素粒子のうち、(負の)電荷を帯びて原子核の周りを取り巻くように運動している素粒子のことです。 |
細胞骨格(cytoskelton) 細胞の中はドロドロしたコロイド溶液の液状体なので「細胞質ゾル」と言われますが実は細胞ゾルの空間には細胞骨格がぎっしり張り巡らされており細胞の中の全タンパク質の80%が細胞骨格に付着しており、細胞内の水分子でさえ,20~40%は細胞骨格に補足されているのです。 モータータンパク質はATPアーゼという酵素であるのになぜモーター酵素と呼ばないのでしょうか?普通の酵素は必ずなんらかの「化学反応」を起こすのですがこのモータータンパク質と言われる酵素はATPのエネルギーを使って「自らの形を変える」珍しい酵素であるからです。 三つ目の③「中間径フィラメント」は微小管とミクロフィラメントの中間の太さであるので中間径フィラメントの名前が付けられました。しかし中間径フィラメントは微小管やミクロフィラメントとは性質が違います。第一に微小管はチューブリンタンパク質から、ミクロフィラメントがアクチンたんぱくという単一要素から構成されているのに中間径フィラメントには複数の蛋白質が含まれているのです。例えば代表的な中間径フィラメントのタンパク質であるケラチンだけでも50種類以上もあります。第二の違いはタンパク質の形が違います。チューブリンやアクチンタンパク質は球状、それが繋がることによって線維が形成されるのですが、中間径フィラメントのタンパク質は最初から繊維状なのです。子の線維が何十も縒り合されてロープのような太くて丈夫な繊維を作れます。第三の違いは微小管やアクチンが細胞を細胞の「中」から支えるのに対して中間径フィラメントは細胞を「集合体」として支えるのです。さらに中間径フィラメントの上を動くモーター蛋白酵素はないので「運動」とは縁が薄いのです。 | 細胞骨格は細胞を内側から支える繊維状の構造で二つの役割があり第一は細胞を内側から支え細胞小器官を細胞内の適切な芽所に配置してその状態を維持します。第二は細胞のあらゆる「動き」可能にします。筋収縮や鞭毛の激しい動きや穏やかな動きや細胞内のタンパク質や小胞の輸送のためのレールの役割もあります。 細胞骨格のタイプは三つあり①微小管②ミクロフィラメント(アクチンフィラメント)③中間径フィラメントがありそれぞれ個性的な機能を持っています。 一つ目の①微小管はチューブリンという蛋白質からできておりα-チューブリンとβ-チューブリンが交互に繋がり繊維状になります。その繊維を横に13本並べてすだれ状のシートにしてこれをくるりと回して管にしたものが微小管なのです。細胞骨格の三つのタイプの中で一番太くて硬くかつ微小管の先端で脱重合が起こるので伸びたり縮んだり出来るので細胞内では放射状に分布しておりしかもその中心には微小管形成中心という足場があるのです。この足場から微小管が無数に突き出ているのです。細胞分裂の際にできる紡錘体以外に鞭毛や繊毛も微小管からできているのです。さらにキネシンやダイニンやミオシンというモータータンパク質の上を移動物資輸送のレールにもなっているのが微小管なのです。モータータンパク質とはアデノシン三リン酸(ATP)を分解してエネルギーを取り出すATP-アーゼという酵素なのです。アクチン上を動くミオシン、微小管上を動くキネシンやダイニンが知られている。 二つ目の②ミクロフィラメントはアクチンというたんぱく質からできているのでアクチンフィラメントとも言います。アクチンタンパク質が繋がって繊維状になりその繊維2本がらせん状にからまったのがミクロフィラメントです。微小管よりも細く柔軟性もあるのは微小管と同じく脱重合によって伸びたり縮んだりできるからです。ミクロフィラメントは細胞膜の裏側に網目状に分布して細胞膜を内側から支えています。腸の吸収細胞には数百から数千の微絨毛が生えておりこれによって栄養分を吸収するための表面積を増大させているのです。ミオシンというモータータンパク質酵素はミクロフィラメントの上を動くのです。三つ目の③「中間径フィラメント」は微小管とミクロフィラメントの中間の太さであるので中間径フィラメントの名前が付けられました。しかし中間径フィラメントは微小管やミクロフィラメントとは性質が違います。 |
紡錘体 spindle apparatus)と中心体(centriole) 染色体のうち、紡錘糸と結合した部分を、動原体といいます。 中心体から伸びた紡錘糸が、並んだ染色体の動原体と結合して、ラグビーボールのような形をとっています。 この形全体のことを、紡錘体といいます。 紡錘体とは中心体と紡錘糸と染色体の三つから成り立っているのです。 紡錘体は主に微小管により構成され,染色体を分配して細胞を正しく二分する役割を持つ。 微小管は真核細胞 に存在する直径約 25 nm の管状のタンパク質繊維で,その サブユニットであるチューブリンの重合・脱重合により動的 に伸長・短縮します。 | 細胞分裂時に形成される紡錘体は微小管から構成される染色体分配のための装置です。微小管は微小管形成中心(MTOC)という微小管形成の核となる足場から放射状に生える性質をもっています。微小管形成中心(MTOC)は二つの中心小体から成り立っている中心体のことです。中心体(centrosome)とは、動物細胞における細胞小器官の一つで、微小管形成中心(MTOC; microtubule organizing center)とも呼ばれます。中心小体はA,B,Cの3本のトリプレット(三つ組)が9セットから構成されています。中心体が複製して二つになると両者の距離がだんだん遠ざかりながら、明瞭な形をした「紡錘体」ができてくるのです。因みに有糸分裂の「糸」は細胞分裂期に糸状の構造である染色体と紡錘体が現れることからきているのです。 紡錘体は、真核生物の細胞分裂において、姉妹染色分体を娘細胞へ分離するために形成される細胞骨格構造です。遺伝学的に同一な娘細胞を作り出す過程である有糸分裂の際に形成される紡錘体は、mitotic spindle(有糸分裂紡錘体)と呼ばれる。また、母細胞の染色体の半数を含む配偶子を形成する過程である減数分裂の際に形成される紡錘体は、meiotic spindle(減数分裂紡。錘体)と呼ばれる。紡錘体は染色体に加えて、数百のタンパク質から構成されている。微小管は紡錘体に最も豊富に含まれる構成要素である。 |
リソソーム(lysosome) リソソームは「物質の分解」を専門とする細胞小器官です。直径0、5μmの小胞にあらゆる種類の加水分解酵素が高濃度に詰まっている。リソソームの内部を酸性にするために、リソソーム膜にはV型ATPアーゼというポンプ(能動輸送を行う)がありプロトン(H+)を内部に汲み入れているので pHが下がり酸性になっています。 ところがリソソームの酵素がさらに強い酸性で働くようにリソソームの酸性度が強くなっていくのをリソソームの成熟と言います。リソソームはどのように「成熟」していくのでしょうか?エンドサイトーシスで未熟なリソソームに取り込まれた小胞は徐々に増えていくにつれてエンドソームが徐々に増えてリソソームが変化して成熟していき、成熟に伴っていきリソソームの内部の酸性度だんだん高くなりこの間に様々な加水分解酵素がゴルジ体から搬送されてくるのです。ゴルジ体から運ばれてきた加水分解酵素はリソソームが酸性条件になって初めて活性型の酵素になるのでリソソームが成熟するまで酵素の活性が封じこまれているのです。 | リソソームには50種類以上の加水分解酵素が含まれあらゆる生体分子である三大栄養素や核酸を分解できます。リソソームの内部が強い酸性のpH4~ 5になっているのもリソソームの特徴です。ゴルジ体の内腔も弱酸性ですが一般的な細胞内の大部分を占める細胞質ゾルの pHは弱塩基性です。リソソームの内部を常に酸性にするためにリソソーム膜にはV型ATPアーゼというポンプ(能動輸送を行うポンプ)がありプロトン(H+)を内部に汲み入れているので pHが下がり酸性になっています。リソソームが十分な強い酸性度になっていくのをリソソームの成熟と言います。リソソームの成熟は何故必要なのでしょうか?ゴルジ体からリソソームに搬送されてくる加水分解酵素にはM6Pという輸送シグナルの目印が付加されています。リソソーム行のタンパク質にはマンノース6リン酸(M6P)という目印が付いています。マンノース6リン酸(M6P)とは糖鎖に含まれている6炭糖であるマンノースという糖がリン酸化されたもので、リソソームがもっているM6P受容体と結合します。すると酸性のリソソームに到着して産生環境に置かれるとうまい具合にM6PがM6P受容体から外れるのです。このようにpHが低くなると酵素がM6P受容体から外れるとゴルジ体から運搬され、運ばれてきた加水分解酵素がどんどんリソソームに取り込まれるのでリソソームは成熟していくのです。 |
細胞膜(cell membrane)と膜 細胞における膜の役割は三つある。第1は「仕切り」をすることです。イオンや大半の生体部bb氏はあぶらの想を通過できないので仕切りは理想的な障壁となります。第2は化学反応を行う場を提供することです。ほとんどの生体の化学反応は溶液中よりも膜表面の方が効率が良いのです。第3は様々な蛋白質を埋め込む土台を提供することです。膜を横切る物質交換であるチャネルやポンプ、シグナル伝達、組織構築を行う細胞接着分子などは膜のタンパク質があるので可能となるのです。 膜に含まれる主なリン脂質は4つあります。①ホスファチジルコリン②ホスファチジルセリン③ホスファチジルエタノールアミンと4つ目は④スフィンゴミエリンです。 膜タンパク質には膜における存在状態によって3つに分けられ①内在性タンパク質という膜に埋め込まれているもの②表在性タンパク質という膜の表面に付着しているもの③脂質アンカー型膜タンパク質脂質で膜につなぎ留められているものの3つがあります。 生体膜に組み込まれていない膜に存在する他のタンパク質には①能動輸送に必要なチャネル・キャリア・ポンプの膜タンパク質②細胞接着分子③シグナル伝達の中間体である三量体Gタンパク質とRas。④免疫にかかわるタンパク質であるT細胞受容体やMHC(主要組織適合遺伝子複合体)などがあります。 最後の主要な膜の構成成分にはコレステロールがあります。動物に存在する代表的なステロイドです。このコレステロールからステロイドホルモンや胆汁酸やビタミンDが作られます。 | 細胞をつつむ膜であり細胞と外界との境界面です。原形質膜ともいい、すべての生物の細胞にある。ある種の細菌細胞のように直径が1 µm以下のものから、動物の卵細胞のように直径が 0.1 mm以上のものまで種々の大きさの細胞があるが、細胞膜の厚さはいずれの細胞においても8~10 nmとほぼ同じである。これは細胞膜がリン脂質の二重層からできていて、脂質分子の大きさにより膜の厚さが決まるからである。光学顕微鏡によっては見ることができず、電子顕微鏡によってはじめて観察された。脂質二重層のなかにはタンパク質がうめこまれていて、細胞膜の選択的透過性や細胞同士の接着などの現象はそれぞれ固有のタンパク質のはたらきによる。生体膜とは何か?生体膜はリン脂質の二重層にたすうのタンパク質が埋め込まれてモザイク状になっており、脂質の層は大変流動的でタンパク質は「海にうかぶ氷山のように常に漂流している。モザイクとはモザイク(mosaic)は、小片を寄せあわせ埋め込んで、絵(図像)や模様を表す装飾美術の技法で、石、陶磁器(モザイクタイル)、有色無色のガラス、貝殻、木などが使用され、建築物の床や壁面、あるいは工芸品の装飾のために施される。膜の「動的」な側面は、まず膜を構成するリン脂質そのものが動的でありリン脂質分子はその分子の軸を中心に高速で回転しています。横方向の移動も早くまた細胞の表と裏にあるリン脂質が逆転して入れ替わるフリップ・フロップもあるのです。 さらに細胞内にある様々な「膜」の動きも盛んである。膜を製造するのは小胞体です。小胞体で作られた膜は小胞体から出芽して小さい袋状の小胞になりゴルジ体経由で細胞表面まで届けられて細胞膜の一部になります。これをエキソサイトーシスと言います。その逆の動きをエンドサイトーシスです。エンドサイトーシス(endocytosis)とは飲食作用とも言われ、細胞が細胞外の物質を取り込む過程の1つで、細胞に必要な物質のあるものは極性を持ちかつ大きな分子であるため、疎水性の物質から成る細胞膜を通り抜ける事ができない、このためエンドサイトーシスにより細胞内に輸送される。極性とは分子内で正負の電荷に偏りがあることです。エンドサイトーシスとエンドサイトーシスとは頻繁に繰り返されるので膜の成分はいつも入れ替わっているのです。 |
鞭毛と微小繊維(マイクロフィラメント) | 細胞には4種類の「毛」があり①鞭毛、②繊毛、③微絨毛、④微小繊維の4つです。鞭毛は長くて数が1本か少なく2本で精子の長いしっぽが代表的です。微絨毛は細胞表面の突起です。腸の一個の吸収細胞には数百から数千の微絨毛が生えており栄養分を吸収するための表面積を増大させています。微小繊維(マイクロフィラメント)とは、細胞骨格を構成するタンパク質の線維で、アクチンフィラメントとも呼ばれます。アクチンという球状タンパク質が数珠状に連なってできており、直径は5~8ナノメートル(nm)です。 細胞形態の変化や保持、細胞移動、細胞分裂、細胞内オルガネラと物質の輸送、膜分子の局在制御などの働きを担っています。また、筋細胞ではミオシンとともに筋収縮を駆動します。 アクチンフィラメント(マイクロフィラメント)は、細胞が移動する際に伸長する葉状仮足や細胞が分裂する際の分裂帯に現れます。アクチン線維は、その時々の細胞変化の必要に応じて頻繁に構築と破壊が行われますが、筋肉のアクチンや微絨毛中にあるアクチンの束のように特別な場合では、より恒久的な構造となります。 |
ペルオキソーム ペルオキソームではオキソの名前が示唆しているようにさまざまな物質が「オキシダーゼ」という酵素で酸化されるが他の酸化還元酵素であるデヒロゲナーゼやオキシゲナーゼと違ってペルオキソームのオキシダーゼは「酸化に伴って過酸化水素(H²O²)を発生するタイプであるのでペルオキソームのペル(per)という「過ぎた」という意味の言葉がついたのです。発生する過酸化水素(H₂O₂)を無毒化して(2H₂O₂→O₂+2H₂O))酸素と水にするためにカタラーゼが必要になるのです。 「脂肪酸の分解」であるβ酸化もペルオキソームの重要な仕事です。β酸化はミトコンドリアとペルオキソームの二つで分担し合いますが短めの脂肪酸のβ酸化はミトコンドリア、長い脂肪酸や分枝脂肪酸はペルオキソームが担当します。ペルオキソームの担当分は脂肪酸全体の25~50%です。因みにペルオキソームのにはD-アミノ酸や生体異物(xenobiotics)を分解する働きもあります。 ホタルの発光物質で、バイオ研究でよく使われるルシフェラーゼもペルオキシソームの酵素の一つです。 生体異物の代謝とは何か?生体は異物を代謝することで異物を除去します。この過程は異物の不活性化と排出からなり、主に肝臓で行われる。排出経路は、尿、糞便、呼気、汗である。生体異物の代謝を担う肝酵素は、まず不活性化(酸化、還元、加水分解や水和)を行い、その後、活性型二次代謝産物は他の親水性分子であるグルクロン酸、硫酸やグルタチオンと抱合されて胆汁や尿へ排出される。抱合とは生物における代謝の一型式で、薬物などの外来物質(異物)や体内由来の一部物質(ホルモン、胆汁酸、ビリルビンなど)に他の親水性分子(硫酸、グルクロン酸、グルタチオンなど)が付加される反応をいう。こうした生体異物代謝に関与する代表的な酵素は、肝臓ミクロソームのシトクロムP450です。肝臓ミクロソーム(顆粒体)とは遠心機を用いる分画遠心法でえられた肝ミクロソーム分画に、シトクロム P450 (CYP)やUDPグルコニルトランスフェラーゼなどの薬物代謝酵素が含まれているのです。この分画遠心法は、主に薬物代謝研究に用いられています。ミクロソームは遠心器にかけて得られた分画の細胞質内の小胞体などを含む顆粒体です。 シトクロムP450とは読み方はシトクロム・ピー・ヨン・ゴ・ゼロと読みます。シトクロムP450(Cytochrome P450)は特定の酸化還元酵素ファミリーに属する酵素の総称で、単にP450あるいはCYP(シップ)と呼ばれるので三種類の読み方があります。様々な基質を酸化し、肝臓において解毒を行う酵素として知られているとともに、ステロイドホルモンの生合成、脂肪酸の代謝など、生物の正常活動に多くの役割を果たします。NADPHなどの電子供与体と酸素を用いて基質を酸化することも共通である。シトクロムP450は細胞内の小胞体に多く、一部はミトコンドリアに存在する。動物では肝臓に多く、特によく研究されている。 シトクロームとシトクローム450とは同じものではないのです。 シトクロム( cytochrome略して, cyt)は、酸化還元機能を持つヘム鉄を含有する、ヘムタンパク質の一種である。酸化還元機能を持ち好気呼吸に重要な役割を持つことが実証された。シトクロムはチトクロム、チトクローム、サイトクロム、シトクロームなどの6種類の呼び名があります。と呼ばれることもある。シトクロームの種類はシトクロムは含有しているヘムの種類によって以下の種類に分かれる。ヘム蛋白質とは、鉄原子をヘム基の形で含む鉄たんぱく質の総称で、動物や植物、ほとんどすべての微生物に存在します。呼吸と密接な関係にあり、酸素の運搬や貯蔵、エネルギーの生成、殺菌作用、物質の変換など、生体内のさまざまな機能に深く関与しています。 シトクロムa(フォルミルポルフィリン鉄) シトクロムa1 シトクロムa3 シトクロムb(プロトポルフィリン鉄) シトクロムb2 シトクロムb5 シトクロムb559 シトクロムb563 シトクロムc(メソポルフィリン誘導体鉄) シトクロムc1 シトクロムf シトクロムd(ジヒドロポルフィリン鉄) また、シトクロムP450という呼称を持つタンパク質が存在するが、モノオキシゲナーゼでありシトクロムではない。 シトクロムP450とは何でしょうか?ゲノムプロジェクトによって一部の細菌を除く大部分の生物(大腸菌には見つかっていない)にそのシトクロムP450の遺伝子があることが明らかにされた。例えばヒトにはシトクロムP450の遺伝子は57個の遺伝子がある。また、植物のシトクロムP450は基質特異性が高く、多くの種類が存在するとされている。例えばイネにおいてはシトクロムP450の候補遺伝子が400以上も発見されている。しかし、機能がわかっているものは少ない。 シトクロムP450の構造について。 すべてのシトクロムP450は約500アミノ酸残基からなり、活性部位にヘムを持つ。保存されたシステイン残基と水分子がヘムの鉄原子にリガンドとして配位する。基質が酵素に結合すると、水がはずれ酸素が結合できるようになる。シトクロムP450はシトクロムとは以上のような構造的特徴、および反応過程で鉄が酸化・還元を受ける点で類似性があるが、シトクロムは一般に酵素でなく電子伝達タンパク質であって機能が異なる。 一酸化炭素が還元型の酵素の活性部位の鉄原子に結合すると、450ナノメートル(可視光領域)の波長を持つ電磁波に対し吸収極大を示すので、ピグメント(色素)450という意味で大村恒雄と佐藤了により1964年に命名された。 Cytochrome P450とは何か?シトクロムP450( Cytochrome P450)は特定の酸化還元酵素ファミリーに属する酵素の総称である。単にP450あるいはCYP(シップ)と呼ばれることがある。様々な基質を酸化し、多くの役割を果たす。肝臓において解毒を行う酵素として知られているとともに、ステロイドホルモンの生合成、脂肪酸の代謝や植物の二次代謝など、生物の正常活動に必要な様々な反応に関与している。NADPHなどの電子供与体と酸素を用いて基質を酸化することも共通である。シトクロムP450は細胞内の小胞体に多く、一部はミトコンドリアに存在する。動物では肝臓に最も多い。ヒトには57個の遺伝子がある。 すべてのシトクロムP450は約500アミノ酸残基からなり、活性部位にヘムを持つ。保存されたシステイン残基と水分子がヘムの鉄原子にリガンドとして配位する。「配位結合」は、電子対が一方の原子だけから提供されてできる共有結合のことです。基質が酵素に結合すると、水がはずれ酸素が結合できるようになる。シトクロムP450はシトクロムとは以上のような構造的特徴、および反応過程で鉄が酸化・還元を受ける点で類似性があるが、シトクロムは一般に酵素でなく電子伝達タンパク質であって機能が異なる。 一酸化炭素が還元型の酵素の活性部位の鉄原子に結合すると、450ナノメートル(可視光領域)の波長を持つ電磁波に対し吸収極大を示すので、ピグメント(色素)450という意味で命名された。こうした生体異物の代謝を担う酵素は医薬品の分解も担うため、医薬品産業において非常に重要である。独特なシトクロムP450システムを持つ種としてはDrosophila mettleriがあり、この種は生体異物耐性を利用して、植物由来の壊死性の滲出液を含む土壌など、より広い範囲での生育を可能にしている。 シトクロムP450は細菌から植物、哺乳動物に至るまでのほとんどすべての生物に存在しています。分子量約45000から60000の酸化酵素で、異物(薬物)代謝においては主要な第一相反応の酵素です。約500アミノ酸残基からなり、活性部位にヘムを持つ。保存されたシステイン残基と水分子がヘムの鉄原子にリガンドとして配位する。還元状態で一酸化炭素と結合して450nmに吸収極大を示す色素という意味でシトクロムP450(P450)と命名された。動物では主に肝臓に存在し、肝以外にも腎、肺、消化管、副腎、脳、皮膚などほとんどすべての臓器に少量ながら存在する。NADPHの存在下で基質を水酸化する。 | ペルオキシソーム( peroxisome)はほぼ全ての真核細胞が持つ細胞小器官で、多様な物質の酸化反応を行っている。一重の生体膜に包まれた直径0.1-2㎛の器官で、多くは球形を成す。哺乳類の細胞では数百から数千個が一細胞内に存在する。環境や細胞によって必要とされる機能が異なるため、数大きさ構造等様々に異なる。ペルオキシソームの関わる代謝経路には、①超長鎖脂肪酸のベータ酸化、②コレステロールの合成③胆汁酸の合成、④アミノ酸やプリンの代謝などがある。これらはペルオキシソームの内腔に含まれるオキシダーゼによって行われる。オキシダーゼの働きによって活性酸素の一種である過酸化水素が発生するが、これは同様にペルオキシソームの内腔に含まれるカタラーゼによって分解されます。 ペルオキシソームは、自律性の高い細胞小器官です。自ら分裂して数を増やし「酸素」を使い「β酸化」をするなどミトコンドリアとの類似点多いのですがミトコンドリアのように自らのDNAは保有してはいないのです。リソソームやゴルジ体等の細胞小器官と異なり、小胞輸送を利用せず、細胞質から直接蛋白質を取り込み成長し、ミトコンドリアのように分裂して増殖すると考えられてきましたが、ペルオキシソームの構成蛋白質が小胞体から小胞輸送によって供給されている報告もあり、謎の多い細胞小器官です。 因みにペルオキソームにはD-アミノ酸や生体異物(xenobiotics)を分解する働きもあります。 D型-アミノ酸は微生物が作る抗生物質に含まれています。血液中など体内に存在する遊離アミノ酸や、蛋白質を構成する標準アミノ酸20種類を基本とするアミノ酸残基は、ほとんどがL型です。 生体異物(xenobiotics)とは何でしょうか?生体異物(xenobiotic)とは、生体内に存在する化学物質のうち、自然には産生されないもの、または存在するはずのないものを指す。また、通常よりもはるかに高い濃度で存在する物質を指すこともある。下水処理場の排水口の下流に生息する魚にヒトのホルモンが取り込まれた場合や、身を守るために一部の生物が産生する化学物質が捕食者に取り込まれた場合のように、天然化合物も他の生物に取り込まれた場合に生体異物となることがある。しかしながら、生体異物という用語はダイオキシンやポリ塩化ビフェニルなどの汚染物質とその生物相への影響という文脈で使われることが非常に多く、こうした文脈では生物システム全体にとって異質な物質、すなわち人間が合成する前は自然界に存在しなかった人工的な物質を指して用いられる。 環境中の生体異物とは何でしょうか?生体異物には多くの種類があるため下水処理システムの課題となっており、それぞれをどのように除去するか(または除去する価値があるかどうか)が問題となる。 生体異物の一部には、分解されにくいものがある。ポリ塩化ビフェニル(PCB)、多環芳香族炭化水素(PAH)、トリクロロエチレン(TCE)やなどの生体異物はその難分解性のために環境中に蓄積し、その毒性と蓄積によって環境問題となっている。 最近問題になっている難分解性の 化学物質であるPFASとは何でしょうか?ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(per- and polyfluoroalkyl substances、略称PFAS(ピーファス)、PFASs )は、アルキル鎖に複数のフッ素原子が結合した有機フッ素化合物の総称である。PFASは、強力な化学結合である炭素 – フッ素結合(F – C)を持つため分解されにくく、2018年のワシントン・ポスト紙の論説を受けて「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」と呼ばれている。PFASのうち、ペルフルオロ・オクタン酸(PFOA) 、ペルフルオロ・オクタン・スルホン酸(PFOS)などの物質については、人体に蓄積し、毒性があり、環境汚染物質と知られている。なおすべてのPFASが人体に有害であるわけではない。これらは特に地下環境や水源で問題となっており、生物システムに対しても影響を与え、ヒトの健康に影響が生じる可能性がある。環境への生体異物の導入や汚染の主な原因の一部は、医薬品、化石燃料、パルプや紙の漂白、農業などの大規模産業によるものである。問題となる物質はプラスチックや農薬などの合成有機塩素化合物であったり、PAHなどの天然由来の有機化学物質であったり、原油や石炭の一部の留分であったりする。 このような環境汚染問題に対しては、微生物による生体異物の分解、すなわちバイオレメディエーションが有効な解決策となると考えられる。微生物は、環境中に導入された生体異物に対して遺伝子の水平伝播によって適応し、これらをエネルギー源として利用することができる。遺伝子の水平伝播(でんぱ)とは何か?遺伝子の水平伝播(horizontal gene transfer略してHGT)またはlateral gene transfer略してLGT)は母細胞から娘細胞(母から娘)への遺伝ではなく、個体間や他生物間においておこる遺伝子の取り込みのことで、生物の進化に影響を与えます。遺伝子の水平転移と呼ばれることもある。微生物の代謝経路を操作することでこの過程にさらに変更を加え、特定の環境条件下でより望ましい速度で有害な生体異物を分解するようにすることもできます。 バイオ・レメディエーションのメカニズムには、微生物を遺伝子工学的に操作する方法と、自然に存在する生体異物分解微生物を単離する方法がある。バイオレメディエーション(Bio-remediation)とは、バイオレメディエーション(Bioremediation)とは、微生物や植物などの生物を利用して土壌や地下水、海洋などの環境汚染を浄化させる技術です。「バイオ(bio)=生物」、「レメディエーション(remediation)=修復」を意味するので、日本語では Bioremediationを「生物を利用した環境修復技術」と訳されます。 バイオレメディエーションの施工方法としては、浄化剤を水に溶かして井戸から注入することで、土壌や地下水中に浄化剤を拡散させ、微生物を活性化させる方法などがあります。微生物や植物等の生物が持つ化学物質の分解能力、蓄積能力などを利用して土壌や地下水等の汚染浄化を図る技術のことをいいます。 もともと自然界には汚染物質を分解できる微生物が存在するので、それらを活性化することで、浄化を促進する浄化手法です。特定の生体異物に対する代謝能力を担う微生物の遺伝子を同定する研究が行われており、こうした研究を利用して特異的に微生物を改変することが可能であると考えられている。 生体異物は環境中で限られた領域に存在し、地下環境などアクセスが困難な場合がある。分解を担う生物がこうした化合物にアクセスできるようにするため、走化性を高めるなど、移動性を高めるように改変を行うことができる。 バイオレメディエーションの限界の1つは、特定の微生物が適切に代謝機能を発揮するために最適な条件が存在し、これは実際の環境条件下では満たすのが困難な場合があることである。多くの生体異物がさまざまな生物学的影響をもたらすが、それらはバイオアッセイによる特徴づけにも利用される。ほとんどの国では、生体異物となる農薬の販売登録の前に、ヒトへの毒性、生態毒性、環境中での残留性などのリスク要因について幅広く評価を行う必要がある。例えば、除草剤のクロランスラムメチルは、土壌中で比較的迅速に分解されることが登録の過程で判明した。 生体は代謝により異物を毒性の低い形態にしてから排泄することで除去することができるが、時には代謝によってより毒性の高い形態に変換されることもある。この過程はbioactivation(生体内活性化)と呼ばれ、微生物叢に構造的・機能的変化を引き起こす可能性がある。微生物叢が生体異物にさらされると、物質によって特定の細菌集団のサイズが増大したり減少したりすることで、微生物叢のコミュニティ構造が破壊される。結果として生じる機能的変化は物質によって異なり、ストレス応答や抗生物質耐性に関わる遺伝子の発現上昇、産生される代謝物のレベルの変化などが生じるのです。 生物は生体異物に耐性を持つように進化することもある。一例として、イモリによるテトロドトキシンの産生と、その捕食者であるガーター・スネーク(蛇)のテトロドトキシン耐性の共進化が挙げられる。この捕食者と被捕食者のペアでは、進化的軍拡競争によりイモリでは高いレベルの毒素が産生され、それに応じてヘビには高いレベルの耐性が備わっている。この進化的応答は、ヘビで毒素の作用するイオンチャネルの形状の変化による、毒素に対する耐性の獲得に基づいている。生体異物耐性機構のもう一つの例はABC輸送体の利用であり、昆虫で多くみられる。ABC輸送体は毒素を細胞膜を越えて輸送し、細胞内への蓄積を防ぐことで耐性に寄与する。 ABC輸送体とは ABC輸送体は、ABCトランスポーター (ABC transporters) 、ABC蛋白質(ABC proteins)とも呼ばれる。ATP結合カセット輸送体 (ATP-binding cassette transporters) の略称。ATPのエネルギーを用いて物質の輸送を行う膜輸送体の一群である。構造的特徴を共有する非常に大きなタンパク質スーパーファミリーをなし、現生のすべての生物に存在する。生体膜を通して様々な基質、例えば脂質、糖、ビタミン、その他の代謝に関わる物質、外来の薬物、イオン、ペプチド、タンパク質などを輸送するものが知られ、輸送の方向も細胞の内から外へ(不要物を排出し、あるいは細胞外で働く物質を分泌する)、外から内へ(必要な物質を取り込む)の両方、さらに細胞内でオルガネラ内外間の輸送を司るものがある。医学的に重要なものとして、細菌や癌細胞の多剤耐性の原因となるものや、遺伝病である嚢胞性線維症の原因となるCFTR(塩素イオンチャネル)などがある。ヒト染色体上には48種のABC輸送体遺伝子があり、それらの異常が様々な疾患を引き起こすことから、ヒトの健康の維持のために重要な働きをしていることが明らかになったのです。。 シトクロムP450とはシトクロムとの違いは何でしょうか?シトクロムP450(CYP)は、シトクロムの一種です。シトクロムP450は、薬物代謝酵素として働き、身体が取り込んだ薬物を酸化反応により分解し、体外に排出しやすい形にする酵素群の総称です。 シトクロムP450とシトクロムの違いは、シトクロムP450が薬物代謝酵素として働くのに対し、シトクロムは生物の正常活動に必要な反応に広く関与していることです。 シトクロムP450は、還元状態で一酸化炭素と結合して450nmに吸収極大を示す色素であることからシトクロムP450という名前が付けられました。動物では主に肝臓に存在しますが、腎臓、肺、消化管、副腎、脳、皮膚などほとんどすべての臓器に少量ながら存在します。 シトクロムP450とシトクロムとは①構造的特徴と②反応過程で鉄が酸化・還元を受ける点で類似性があるが、シトクロムは一般に酵素でなく電子伝達タンパク質であってシトクロムP450とは機能が異なるのです。 シトクロムP450(CYP)は、ヘムを有する蛋白質で、分子量約45,000から60,000の水酸化酵素ファミリーの総称です。一方、シトクロムは、還元状態で一酸化炭素と結合して450nmに吸収極大を示す色素を指します。 シトクロムP450は、主に薬物代謝酵素として働き、身体が取り込んだ薬物を酸化反応により分解し、体外に排出しやすい形にする酵素群の総称です。ヒトに投与される薬物の代謝反応の約80%に関与すると言われています。 シトクロムP450 (CYPP450またはチトクロム450) は、動物では主に肝臓に存在し、肝以外にも腎、肺、消化管、副腎、脳、皮膚などほとんどすべての臓器に少量ながら存在します。 P450は基質特異性の異なる複数の分子種からなる遺伝子スーパーファミリーを形成している。全生物では700種類以上、ヒトでは50種類程度の分子種が報告されている。各々の分子種は基質特異性ではなくアミノ酸の相同性に基づいて命名されており、CYP1A1のように接頭語のCYP(cytochrome P450)、次にファミリーを示すアラビア数字、次にサブファミリーを示すアルファベット、最後に分子種番号を示すアラビア数字の組合せで表され CYP1A1となるのです。 薬物(異物)代謝型のシトクロムP450の基質は脂溶性で、蓄積すると毒になるものが多い。ポリ塩化ビフェニル(PCB)や、フェノバルビタールをはじめとする多くの薬物である。これら基質の多くにはシトクロムP450の発現を誘導する性質もある。カルシウム拮抗剤などでグレープフルーツ果汁との併用により副作用が増強することがある。これはCYP3A4の活性が阻害され薬物の代謝が遅くなるためとされている。逆にセントジョーンズワートはCYP3A4を誘導し薬物の代謝を速めるとされる。野生で育つ植物であるセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、何世紀にもわたってメンタルヘルスに使用されており、ヨーロッパではうつ病に広く処方されています。しかし、うつ病に対するセントジョーンズワートの使用に関する現時点でのエビデンスは確固たるものではなく、ハーブには重篤な副作用がある可能性があります。また、アメリカでは、うつ病の治療に対するセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)について処方薬としての使用を承認していません。またCYP2D6などの遺伝的多型により各種薬物の代謝速度に個人差が現れることが知られている。内因性物質代謝(合成)型はCYP7~27のファミリーに含まれ、ステロイドや脂溶性ビタミン類などに対して高い基質特異性を示す。 |
細胞質。細胞質ゾル 細胞の構成要素をそれぞれの特色によって大きく三つのグループに分けられます。一番目の細胞質ゾルと核と細胞骨格の三つは同じ空間を共有しています。この空間のイオン環境を見ると細胞の「内部」は細胞の「外」に比べてK+濃度が高くNa+やCl–は低濃度に保たれています。Ca2+に至っては細胞の外の濃度は細胞内部の一万倍の高濃度になっています。二番目の「内腔」を共有するグループには小胞体、ゴルジ体、リソソームの三つがあります。この内腔のイオン環境は細胞の外に近いのです。内腔は細胞質ゾルよりすこしpHが低く弱酸性になっています。このグループの役割はふたつの重要物資である「タンパク質」と「膜」を細胞の「内部」と「外」の間でやり取りすることです。「小胞体」は「膜」を生産する工場であり細胞質全体に「内腔」のネットワークを作っています。「ゴルジ体」はタンパク質に踏査をつける加工工場であり、リソソームは物質の分解工場です。三番目の独立性の高いグループにはミトコンドリア、葉緑体、ペルオキソームの三つがあります。 | 細胞質と細胞質ゾルの違いは何でしょうか?細胞質ゾルとは細胞質を満たしている液状の部分です。細胞質とは「核以外のすべての細胞小器官」と「細胞質ゾル」とを合わせた名称です。 細胞小器官の内部には「内腔」という別の空間が広がっています。従って細胞質ゾルからすれば「外界」となります。事実、小胞体やゴルジ体の内腔は外界への連絡通路になっています。しかし「核」は出入り口を持った核膜という「仕切り」を持った細胞質ゾルに自由に行き来できるので核は細胞質の区画の一部なのです。 勿論、ヒトは葉緑体を持っていません。葉緑体は光合成を行う細胞内小器官で、植物の細胞に含まれています。ヒトを含めた動物は葉緑体を持たないため、植物のように光をエネルギー源として使うことも、葉緑体を介した物質生産もできません。そのため、動物は植物とは異なり、他の生物を食べる必要があります。葉緑体は、今から10~20億年前に、光合成を行う独立した生物(シアノバクテリア)が、植物の祖先細胞に取り込まれてできたと考えられています。葉緑体は細胞の核とは異なるDNAを持ち、細胞内で自律的に分裂して増殖する性質を持つことが特徴です。葉緑体はミトコンドリアと似ておりミトコンドリアや葉緑体の起源は細胞に外から入り込んだ原核生物であるからです。 ペルオキソームは物質の酸化という特殊な機能を持ちペルオキソーム自身が自ら分裂する性質を持つ不思議な細胞小器官であります。 細胞膜は形質膜とか原形質膜とも言います。細胞質ゾルはサイトゾルとも言います。細胞小器官はオルガネラ、細胞器官、細胞内小器官とも言います。 |
アトポーシス アポトーシスは細胞外からアポトーシスを促進させる二つの誘因となる刺激があります。一つ目の刺激は細胞表面のFas受容体か、核の DNA損傷からくる。二つ目はアトポーシスを抑制している生存因子がなくなったときである。生存因子(survival factor)とは、動物細胞が生存するために他細胞から受けるシグナルのことです。生物が生存を維持するには、細胞の生死が適切に制御される必要があります。細胞の生存を支える因子としては、神経細胞生存因子などがあります。また、アポトーシスは細胞レベルでの生命体の品質管理機構で、要らない細胞や危険な細胞を除去する機構なのです。例えば発生中の神経細胞は神経成長因子(NGF)がアポトーシスを何とか起きないように抑制しているのですがこの因子が欠如すると死んでしまうのです。生存因子とはすべての増殖・成長因子のことであり NGF以外に線維芽細胞増殖因子(FGF)や上皮細胞増殖因子(EGF)などがあります。 | アポトーシス(apoptosis)とは、細胞が自然に組織のために死滅する現象で、プログラム細胞死(PCD)や制御された細胞死(RCD)とも呼ばれます。周辺の細胞に迷惑をかけずに美しく死ぬのがアポトーシスの特徴です。核や細胞骨格などが酵素で分解され細胞膜が破れる前にマクロファージの様な食細胞が食べて処理してくれます。特にアポトーシスを起こす細胞膜では普段は脂質に二重層の内側にあるリン脂質であるホスファチジルセリンが反転して外側に露出してこれを食細胞が見て貪食するのです。 アポトーシスは、発生や病気の過程で特定の組織で起こり、胚や成体において正常な細胞数と細胞構成を維持するために重要です。たとえば、胎児の指が指と指のあいだで細胞が死ぬことで指が形成されます。 アポトーシスは、日常的に組織が起こる細胞死の大半はアポトーシスです。細胞外から与えられた障害(血行不良、外傷など)が原因で死ぬ「ネクローシス」と対義語として用いられます。 アポトーシスでは細胞の内部構造を維持している細胞骨格の蛋白質や核ラミンなどの分解が細胞のあちこちで一斉に生じる特徴があるのです。カスパーゼというタンパク質分解酵素がその主役です。核ラミンとは、細胞核の核膜の裏側に存在する、ラミンタンパク質が重合した網目状の繊維構造です。核膜とクロマチンの相互作用を介して、核内の様々な反応の調節に関わっています。カスパーゼは普段は活性のないプロカスパーゼの状態にあります。カスパーゼが最初に活性化させるのはミトコンドリアから細胞質に放出されたシトクロームcに反応してプロカスパーゼが切断されて活性化を連鎖的にし始めて最終的には細胞全体で分解反応が起こり細胞自殺となるのです。 |
細胞外マトリックス | 細胞外マトリックス(ECM)とは、細胞の外周に形成される線維状や網目状の構造体で、すべての組織や臓器に存在する非細胞性の構成成分です。細胞と細胞の間を満たし、生体組織を包み込む高分子の構造体で、組織の支持体となるだけでなく、細胞の増殖や分化を制御する働きがあります。 細胞外マトリックスは、コラーゲン、非コラーゲン性糖タンパク質、プロテオグリカンなどの成分で構成されています。解剖学的には、結合組織の主体である間質と上皮組織を裏打ちする基底膜に大別されます。 細胞外マトリックスの役割は、細胞にとって物理的な足場となる。組織の形態形成・分化・ホメオスタシスに必要とされる生化学的・生物力学的な合図を出す。細胞の生存や増殖を支援し、個々の細胞が本来の機能を発揮できるように醸成する。 |
細胞接着分子 シナプス可塑性とはシナプスでは、信号伝達が長期間にわたって起こりやすくなる長期増強と、逆に信号伝達が起きにくくなる長期抑圧が起こり、その結果、学習や忘却が起こります。 つまり、記憶はシナプスの機能変化として脳に蓄えられます。 この機能をシナプス可塑性といいます。 タイトジャンクションとは、密着結合とも言われ皮膚最表面である表皮を構成する顆粒層に存在し、隣接細胞の間隙を埋める細胞接着装置である。 タイトジャンクションが細胞同士を強く接着させることで、皮膚のバリア機能を高め外部からの刺激物の侵入を防いだり、内部からの水分や保湿成分の蒸散を防いだりすることができる。 | 細胞が互いに認識・結合し、組織や器官を形成し、これらが集まり合うことで多細胞生物の個体が形作られる。また、細胞外環境に存在する細胞外マトリックス(細胞外基質)分子や分泌因子あるいは他の細胞の膜タンパク質など、多種多様な細胞外情報が細胞接着・認識分子群によって読み取られ、移動・接着・シグナル伝達・分化などの細胞の行動・運命が決定される。神経系の発生・発達・機能発現の諸過程においても細胞接着分子群が重要な役割を果たしている。幹細胞の維持、細胞移動、神経軸索伸長、樹状突起形成、シナプス形成、ニューロン・グリア細胞間結合、シナプス可塑性などの様々な場面における細胞接着分子群の機能が発揮されている。 細胞接着は、細胞同士の結合、細胞と細胞外マトリックスとの結合に大別される。細胞同士の結合はさらに、カドヘリンや免疫グロブリン・スーパーファミリーなどによる膜タンパク質同士の相互作用による特異的認識と接着、タイトジャンクションにおける強固な細胞間接着に分類することができる。細胞外マトリックス分子との接着はおもにインテグリン・ファミリー分子群が細胞膜受容体としてはたらく。 |
細胞間コミュニケーション ギャップジャンクションとは隣接する細胞と細胞を結合する構造の うち,細胞間チャネルを有する特殊な膜構造は,gap junction(ギャップジャンクション)と呼ばれ,骨格筋細胞や血液細胞などの一部の例外を除いて,生体組 織に広く分布し,細胞間の興奮伝播や情報伝達など において重要な役割を演じている. | 細胞間の情報伝達には神経による電気的シグナルやホルモンなどによる液性因子による伝達方法のほかに、細胞同士の細胞質が直接つながるギャップジャンクションを介した伝達方法がある。 ギャップジャンクションを構成しているタンパクはコネキシンと呼ばれ、ほ乳類ではコネキシン43が最も多く発現している。 |
細胞小器官 | 細胞小器官(organelle)とは、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ数多くの構造の総称である。 細胞内器官、あるいはラテン語名であるオルガネラとも呼ばれる。 細胞小器官が高度に発達していることが、真核細胞を原核細胞から区別している特徴の一つである。 |
細胞質ゾル | 細胞質基質(cytoplasmic matrix)とも呼ばれ細胞内の部分の呼称で、細胞質から細胞内小器官を除いた部分のことである。細胞質ゾル、サイトゾル(cytosol), 細胞質マトリックスあるいは細胞礎質とも呼ばれる。細胞のなかで、核以外の部分を細胞質と言います。 細胞質には小胞体やミトコンドリアも含みますが、それら細胞小器官(オルガネラ)を除いた部分をサイトゾルと言います。 |
染色体 | 染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。 人間のすべての正常な細胞には23対(計46本)の染色体が入っています。 |
核酸 | 核酸(かくさん、英: nucleic acid)は、リボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸 (DNA)の総称で、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子である。糖の部分がリボースであるものがRNA、リボースの2’位の水酸基が水素基に置換された2-デオキシリボースであるものがDNAである。 |
シグナル伝達 | 細胞が外部からの刺激を感知して、対応するための細胞内に信号を伝える仕組みのことを言います。 |
モーター蛋白質 | 細胞内輸送にかかわるタンパク質です。 様々な物質と結合した状態で細胞骨格の上を移動し、物質輸送を行う特徴があります。 モータータンパク質のうち、微小管の上を移動するものは、キネシンとダイニンです。 キネシンとダイニンはそれぞれ逆方向に移動し、一方向にのみ物質を輸送します。 |
上皮組織 | 上皮細胞(じょうひさいぼう)とは、体表面を覆う「表皮」、管腔臓器の粘膜を構成する「上皮(狭義)」、外分泌腺を構成する「腺房細胞」や内分泌腺を構成する「腺細胞」などを総称した細胞。これら以外にも肝細胞や尿細管上皮など分泌や吸収機能を担う実質臓器の細胞も上皮に含められる。上皮細胞にできた悪性腫瘍を「癌」と呼ぶのです。それ以外の悪性腫瘍を「肉腫」といいます。 |
結合組織 | 全身の組織と組織つなぎ、身体を支持する組織のことです。 この用語には、多くの場合、骨、軟骨、腱、および靱帯が含まれます。 |
筋組織 | 収縮することにより力を発生させる、代表的な運動器官である[1]。 動物の運動は、主として筋肉によってもたらされる。筋肉が収縮することにより発生する力を筋力と呼び、これは収縮する筋肉の断面積におおよそ比例する。つまり筋力は、筋肉の太さと密接に関係している。また、食用に供する食肉は主に筋肉であり、脊椎動物の骨格筋は湿重量の約20%をタンパク質が占め、主にこれを栄養として摂取するために食される。食料品店で肉と表示されているものは筋肉だけでなく脂身(脂肪分の塊)も一緒になった状態で、タンパク質ばかりでなく、かなりの高脂肪です。 |
神経組織 | 神経系を構成している組織。 神経細胞とその突起の軸索および付属細胞とからなり、興奮の伝導や伝達を主な役目とする。 |
血液に含まれる細胞 | 血液中には、赤血球・白血球・血小板という3系統の細胞が存在します。 赤血球は酸素運搬を担い、白血球は細菌などから体を守り、血小板は出血時の止血に関わる細胞です。 |
生殖細胞 | 生殖細胞とは遺伝情報を次世代へ伝える役割を持つ細胞のことであり、精子、卵子になる細胞をいいます。 なお、生殖細胞にある遺伝子の変異は、子どもに伝わる可能性があります。 一方、体細胞はそれ以外のすべての細胞を指します。 例えば、神経、筋肉、内臓などを作っている細胞のことをいいます。 |
幹細胞 | 幹細胞とは、自己複製能と分化能を持つ特殊化していない細胞と定義されています(図1.1)。自己複製とは、幹細胞が複数の細胞分裂の周期を経ても、未分化状態を維持する(すなわち、母細胞と同一の娘細胞を生成する)能力と定義されています。 |
有糸分裂と減数分裂 | 真核細胞の核の基本的な分裂形式をいう。有糸分裂は、体細胞有糸分裂と減数有糸分裂に大別されるが、有糸分裂は体細胞有糸分裂の意味で使われる場合が多い。両者ともに分裂時に核膜は消失し、染色質(クロマチン)は染色体に凝縮され、紡錘体によって娘核に等分される。多細胞生物では、中心体有糸分裂が最もよく見られ、紡錘体は両極に位置する中心体(紡錘体極)から赤道面に向かって円錐形に伸びた形式を取る。真核生物では、体細胞は核が分裂するときには染色質が糸状の染色体となって分裂が進行するので、有糸分裂(mitosis)という。 一方、生殖細胞を作るときには染色体の数を半減させるので、このような分裂の過程を減数分裂(meiosis)という。 |
細胞増殖 | 細胞増殖とは、細胞の成長と分裂により細胞の数が増加することである。 |
エネルギー | 仕事をすることができる能力、またはその量。 最初は物体が仕事をなしうる力学的エネルギーのみが考えられていたが、次第に熱、電磁気、光、質量など間接的なものにも拡大された。 大きさは、そのエネルギーがなくなるまでの間にする仕事の量で表わされる。 単位はエルグ、ジュールなど。 |
代謝 | 食事によって得た栄養と、 呼吸によって取り込んだ酸素を使って、 体づくりに必要な 生体物質や、活動するためのエネルギーを生み出しています。 こうした、 体内で物質を変化させる さまざまな化学反応のことを「代謝」と呼びます。 |
物質輸送の様式 | 細胞や細胞小器官では,生体膜を介して物質の輸送が行われています。 この輸送には、濃度勾配に基づく拡散によって起こる受動輸送と, 濃度勾配に逆らって起こる能動輸送があります。 |
生物を分類するとは何を意味するのでしょうか?生物の進化的な変化を手がかりに、生物同士の関係性を明らかにしようとする営みが生物を分類することの意味である。そして、分類という営みが明らかにしようとしている進化の実体とは、数限なく繰り返された細胞核内のDNAの変異から出発し、DNAによって継承され、交配によって撹拌され、今生きている生物の中に進化の実体が蓄積・保存されているのです。そして、そのDNAが描き出すのは、その生物独自の形態であり、生理であり、生態であり、機能なのです。DNAはこれまでも、これからも、私たちが生命を理解するため切り札なのです。
分類学的階級は進化の道しるべなのです。現在地球上には、およそ130万種の生物が発見されている。それぞれ、DNA誕生以来、40億年という時間を掛けて進化してきたものである。現在の生物の分類は進化のスタート時に誕生した真正細菌と古細菌と真核生物の3つのグループはドメインというカテゴリーにまとめられています。
DNA誕生以来、この進化の歴史のかなり早い時期に、共通の祖先が2つのグループに分かれた。その後、そのうちの1つのグループがさらに2つのグループに分かれた経緯を述べます。
分岐しなかった一つの枝が真正細菌ドメイン、分岐した枝の二つの一方は古細菌ドメイン、もう一方の枝は真核生物ドメインと名づけられた。
これらのうち真核生物ドメインは、進化の過程で細胞構造、栄養の取り方、増殖の方式などに違いが生じた結果4つのグループに分かれた。そしてそれらのカテゴリーには「界(かい)」という階級が与えられた。すなわちそれらが、原生動物界、植物界、菌界、動物界の4つです。
真正細菌ドメインと古細菌ドメインは明確な進化的変化を欠いているために、そのまま真正細菌界と古細菌界と呼ばれている。進化の歴史の中で生物はドメインだけの世界からさらに多様に分岐して、それぞれが持つ特性に従ってドメインから段階的に新たなグルーピングが次々と可能となった。
その結果うまれた新しいカテゴリーそれぞれに、[門(もん)][綱(こう)][目(もく)][科(か)][属(ぞく)][種(しゅ)]という分類階級が与えられた。言い方を変えると、分類階級は進化に伴う分岐を跡づけることのできる道しるべなのです。そこで「分類」は、進化を背景とすることから系統分類と呼ばれるようになり、同一の階級に属している生物同士は性質も似通っていることが裏付けられることになったのです。
植物細胞では細胞膜の外側を硬い細胞壁が覆っていること、葉緑体を細胞内に含んでい ることが、動物細胞と異なる点である。 動物細胞と植物細胞は真核細胞と呼ばれ、核膜によって核と細胞質が分けられている。 真核細胞からなる生物を真核生物(eukaryote)と呼んでいる。一方、モネラ界に属する生物すなわち原核生物(prokaryote)の細胞は原核細胞と呼ばれ、核膜による仕切りがなく、 細胞小器官もタンパク質を作るリボソーム以外は発達していないのが原核生物(prokaryote)なのです。原核生物(prokaryote)でもたんぱく質は必要なのでタンパク質を作るリボソームという細胞小器官だけは持っているのです。
モネラ界とは何でしょうか?モネラ界とはどんな生物界なのでしょうか?モネラ界(Monera)は原核生物界のことで、ロバート・ホイッタカーの五界説で唱えられた生物の最上位分類の一つ。モネラ界に所属するとされていたのは全て原核生物であるので、モネラ界(Monera)とは原核生物界のことになるのです。五界説の界の一つである「モネラ」は「単純なもの」という意味で、その昔、目に見えない生物群に着けられた呼び名で原核生物に相当するのです。五界説では、モネラ界は五界説における生物の最上位分類のひとつで、細胞核を持たない原核生物を含む界でモネラ界、原生生物界、菌界、植物界、動物界の5つの界に分類されます。
現在、用いられている生物の分類には、ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種の8つの
階層に分ける分類法です。
モネラ界とその他の4界の原生生物界、菌界、植物界、動物界の差異は、4界同士の差異とは質的に大きく異なるという指摘があります。主要な分割は真正細菌と真核生物の間になければならないという意見が現在は大勢を占めています。
モネラ界の2つの系統について。
生命が38億年前に発生し真核生物が出現するまでのおよそ20億年間,つまり生物の歴史のおよそ半分の時間,原核生物が生物進化の主役であったことはあまり理解されていない。38億年の歴史を背景にもつ原核生物の多様性や生物群としての広がりはおそらくわれわれの想像を越えるものであろう。実際,原核生物の持っているタンパク質を作るためのリボソームRNAの調査結果から原核生物は起源の異なる2つの大きな仲間を含むことがわかってきた。つまり生物界は形態でみると原核と真核の2つに分けられるが,系統的には真正細菌,古細菌と真核生物の3つの仲間からなる。真正細菌はグラム陰性細菌やラン藻などを含み,古細菌にはメタン細菌,好塩細菌,好熱細菌などが属する。2つの原核生物は界の階級で扱われることが多い。さまざまな生体分子や代謝の性質が真正細菌よりも真核生物に近いことなどから,古細菌の方が真核生物により近いと考えられている。
原核生物とは何でしょうか? 前核生物、原生核生物ともいう。真核生物に対立する用語で、細菌および藍藻に代表される生物のことである。染色体はDNA分子がほとんど裸のまま細胞のほぼ中心部にあるが、核膜はなく、構造的に細胞質から区別できない。また、核膜や染色体構造、仁やヒストンとDNAの結合が認められず、有糸分裂が起こらない。細胞質構造がなく、原形質流動が観察されない。リボソームは、70s型です。微小管構造がみられず、鞭毛は1本の単純構造である。原核生物の細胞壁にみられるムラミン酸は真核生物には認められず、ステロイド類は原核生物にはない。
リボソームは、70s型の70s型とは何でしょうか?リボソームは、DNAからRNAに「転写」された遺伝情報をタンパク質へと「翻訳」する役割を担う小粒子で、RNA(リボ核酸)とタンパク質から構成されています。雪だるまのような形をしており、上部が小サブユニット、下部が大サブユニットと呼ばれます。リボソームのSは、分子が遠心によってどれだけ速く動くかを測定するのに使われる単位「スベドベリ単位」(Svedberg unit)に由来しています。分子量とは必ずしも比例しないため、会合体は80Sでなく「70S」となります。
一方、植物やヒトなどの真核生物のリボソームは80S型です。真核生物のリボソームは4本のrRNAと約80個のリボソームタンパク質からなる巨大複合体です。rRNAとは何でしょうか?リボソームRNA (rRNA)は、翻訳装置として働くリボソームの構成因子です。リボソームは大小二つのサブユニットから成る巨大なRNA-タンパク質複合体です。rRNAは、触媒作用を持ち、翻訳時にアミノ酸が一つずつ結合していく際のペプチド結合の形成に関わります。ゲノムにはrRNA遺伝子が多数存在します。rRNAはタンパク質を合成するリボソームに大量に含まれるので、ゲノム上にrRNAの領域が1つしかなかったら、最大速度で転写をしてもリボソームが不足するからリボソームRNA (rRNA)は、翻訳装置として働くリボソームの構成因子です。リボソームは大小二つのサブユニットから成る巨大なRNA-タンパク質複合体です。rRNAは、触媒作用を持ち、翻訳時にアミノ酸が一つずつ結合していく際のペプチド結合の形成に関わることが知られています。
ゲノムにはrRNA遺伝子が多数存在します。何故細胞のゲノムにはrRNA遺伝子が多数存在しているのでしょうか?rRNAはタンパク質を合成するリボソームに大量に必要なので、ゲノム上にrRNAの遺伝子領域が1つしかなかったら、最大速度で転写をしてもリボソームが不足するからです。細胞質には通常、数百万個のリボソームがあります。rRNAは一つながりの前駆体として転写され、真核生物では18S rRNA、5.8S rRNA、28S rRNA、5S rRNAという4種類に切断されます。その後200ヵ所以上の場所で修飾を受けますが、それにはsnoRNA(small nucleolar RNA)という小さなRNAが働いています。このrRNAに多くのタンパク質が結合してリボソームという顆粒が形成されます。真核生物の80Sのリボソームは40Sの小サブユニット(18S rRNAと約30種類のタンパク質)と60Sの大サブユニット(5S rRNA、28S rRNA、5.8S rRNA と約50 種類のタンパク質)からできており、核の中の核小体という部分で作られます。核外に出て行った後、小胞体表面に結合して粗面小胞体を形成するものと、細胞質に残るものがあります。です。細胞質には通常、数百万個のリボソームがあります。
下図に生物界のドメインを構成する3つの仲間である①真核生物ドメイン②古細菌ドメイン③真正細菌ドメインを示します。左図で分かるように③の真正細菌(細菌)ドメインと②の古細菌ドメインにモネラ界に二分されそれ以外は神格ドメインになりました。我々真核生物は細菌よりも古細菌と近縁であるのです。真正細菌と細菌は同じです。
塩基配列やアミノ酸配列から二つの静物の近縁の度合いを比較する相手によって指標にする遺伝子を使い分ける必要があります。近い生物同士の近縁度をミトコンドリアDNAの様に突然変異率の高い進化速度の速いものを用い、遠い生物にはシトクロームcのように進化速度の遅いものを使います。例えば「界」のレベルで比較するには進化速度の最も遅いリボソームRNAが最適です。因みに、リボソームRNAは遺伝子配列の進化速度が遅いことから、信頼できる分子時計としても利用できるのです。
分子時計とは、DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列などの分子構造が生物の進化に伴って変異することに着目し、共通の祖先を持つ生物種が進化の過程で分岐した年代を推定する方法です。分子進化には、年あたりの「速度の一定性」と、変化様式の「保守性」という2つの大きな特徴があります。また、遺伝子(DNA)の塩基配列の突然変異は、遺伝子の種類や場所にかかわらず一定の頻度で生じると考える分子時計の中立説も提唱されています。
分子進化とは、生物のタンパク質や核酸などの分子レベルでの進化を指します。具体的には、DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列に関する進化です。生物のタンパク質や核酸などの分子レベルでの進化を指します。具体的には、DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列に関する進化です。分子進化の研究では、異なる生物の同じ遺伝子の配列を比較して系統樹を作成し、生物の進化を推定します。この系統樹は分子系統樹と呼ばれます。
分子進化の研究から生まれた概念に「分子進化時計」があります。これは、進化の過程でDNAやタンパク質などの分子の中に、時計のように時を刻み続けて変化している部分があると考え、その変化を指します。異なる生物間でその違いを調べれば、生物間の類縁関係や互いが分岐した正確な年代も推定できると考えられています。
「分子進化の中立説」とは、分子進化に関する学説として「分子進化の中立説」があります。これは、木村資生によって提唱された学説で、DNA分子レベルでの遺伝子の変異は多くの場合、生物の生存にとって有利でも不利でもない中立的な変異であるとするものです。
分子進化の研究では、異なる生物の同じ遺伝子の配列を比較して系統樹を作成し、生物の進化を推定します。この系統樹は分子系統樹と呼ばれます。
しかし、塩基配列情報がさまざまな生物から蓄積されてくるにつれ、分子時計は狂いやすいものであることがわかってきました。分子データから分岐年代を推定する際には、対象としている遺伝子や系統で分子時計がきちんとはたらいているかどうかを相対速度テストで検討する必要があります。
進化とは何でしょうか?ダーウインの進化論では、ダーウィン(1809-1882)が1859年に発表した『種の起源』で記した「ダーウィニズム」とも呼ばれる自然選択説を基礎にした考え方です。ダーウィンの進化論の主なポイントは次のとおりです。①生物には多産性という原則があり、その結果として生存競争が起こる。②環境に適応した変異を持つ個体が生存競争に勝ち、子孫を残すことができる。③生物には目的や方向性はなく、進化は偶然の結果にすぎない。④人間は神が創造したものではなく、生物の進化の歴史の中で誕生した。⑤生物の種は本来多産性を原則としており、そのために起こる生存競争の中で環境により適応したものが子孫を残すことができると考えました。⑥同種であっても個体間に変異があることに着目し、生存競争の中で環境により適応した変異を伝える確率が高いとしました。つまりダーウィンは『種の起源』の中で「最も強いものが生き残るのではない。最も変化に敏感なものが生き残る」という言葉を残しています。最も変化に敏感な生物が生き残り長い年月をかけて遺伝的変異を蓄積し、その結果として体の特徴が変化して別の種へと分かれていくのです。
進化は、次のような条件が揃ったときに生じます。①集団の中に特徴の異なる個体が存在する②その特徴の違いが遺伝子の違いに起因する③その特徴の違いに応じて生存率や繁殖率が異なる④進化によって、生物の形質(形態・生理・行動など)は、生息する環境に適したものになります。⑤単純な原始生命から複雑多様なものへ変化することもあります。
生物を分類する時に、遺伝子配列に基づいて分類すると細菌、古細菌、真核生物という3ドメインは明確に区分できます。真核生物ドメインの大部分が原生生物で占められ残りの真核生物ドメインの動物、植物、菌類の三つは系統中の先端付近で短く枝分かれ器和得て下小さなグループに過ぎないのです。普段毎日見ている生物の世界が生物界の氷山の一角に過ぎないのです。動物や植物が出現したのは5~6億年前であり、原核生物の歴史はこれより30億年長いので当然なのです。原生生物は真核生物ドメインの大部分を占めています。原生生物とはいったい何者なのでしょうか?下図は一本の鞭毛を持った真核生物ドメインの原生生物の一例です。原生生物(Protist)とは、生物の分類の一つで、真核生物のうち、菌界にも植物界にも動物界にも属さない生物の総称です。
真核生物は細胞は核とそれ以外の細胞質(cytoplasm)からなり、細 胞質の一番外側には細胞膜があり、内部は細胞小器官で満たされている。と言っても、液体の部分がないわけではない。細胞小器官が浮かんでいる液体の部分を細胞質基質あるいはサイトゾール(cytosol)と呼んでいる(下の右図水色の部分)。サイトゾールにはカリウ ムイオンなどのイオン類のほか、多くのタンパク質やその原料であるアミノ酸、ブドウ糖などが溶け込んでいる。
1.動物細胞の内部の構造、特に細胞小器官の構造とはたらきについてみていこ う。 ①核の構造。核の中には染色体があると書いたが、核を観察すればいつでも染色体が見えるわけではない。染色体が見えるようになるのは細胞分裂のときだけである。それ以外の時には、電子顕微鏡で観察しても、核の内部には核小体以外には、特定の構造が見えない。
ヘマトキシリン法で染色すると、核内に染色される部分があるので、これを染色質(chromatin)と名づけた。その後、 この部分は DNA とヒストンと言うタンパク質の複合体であることが分かり、現在ではクロマチンと言うと、DNA とヒストンとの複合体の意味で使うことが多い。電子顕微鏡で観察すると、染色質は濃い黒色に見える。
核の中にはヘマトキシリンで強く染まる小球体があり、核小体(仁)と言う。核小体ではリボソームの原料を作っている。ヘマトキシリン染色法とは何でしょうか?ヘマトキシリン染色法とは、ヘマトキシリンとエオジンという2種類の染料を用いて、細胞核とその他の組織成分を染め分けます。細胞核は青藍色と他の組織成分は赤色に染め分ける染色法です。ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)とも呼ばれ、病理組織標本の最も基本的な染色法として、細胞学や組織学、組織病理学の発展とともに1世紀以上にわたって活用されています。ヘマトキシリンの語源はギリシア語で「hema(血液、赤い)+ xyl(木)」、すなわち「血のような赤い木」という意味です。エオジン(HE)の語源は、ヘマトキシリン・エオジン(Hematoxylin Eosin)染色におけるエオジン液の成分です。エオシンのeosは美しい赤色の意味でギリシア神話の暁(あかつき)の女神に由来しています。
ヘマトキシリン染色法の特徴は次のとおりです。ヘマトキシリンは青紫色の色素で、核やリボソームなどを青藍色に染めます。エオジンは細胞質や繊維、赤血球などを赤色に染めます。
ヘマトキシリンによる核の染色性は、ヘルペスによって生み出された悪性腫瘍の診断の際に重要な所見となります。
膵臓のヘマトキシリン・エオシン染色像(丸い紫色が核) 核の電子顕微鏡像 核小体と核膜の一部拡大像
核を包んでいる核膜(nuclear envelope)は二重の膜で、たくさんの核膜孔(nuclear pore) が開いていて、核の内部とサイトゾールとをつないでいる。遺伝子は DNA であり表現型はタンパク質に対応するが、遺伝子は核の内部に染色質(クロマチン)という形で納め られていて、その情報は核膜孔を通ってサイトゾールに運ばれ、これをもとにタンパク質 の合成がリボソームでおこなわれるのである。ふだんの核はそうは見えないが、クロマチン(染色質)のあちらこちらで細胞の通常の活動に必要な遺伝子から遺伝情報が読み取られ、サイトゾールへ送られている。
2.染色体 ふだんは脱凝集して核の中全体に広がっていたクロマチンは、細胞分裂が始まると凝集を始め、染色体という明瞭な構造になる。DNA は直径 2nm の細い糸のようなものなので、このままでは絡まってしまって収拾がつかなくなる。そのためまとめて扱いやすい形にする必要がある。糸を糸巻きに巻いて裁縫箱に整理しておくのと同じである。 DNA の糸は、4種類のヒストンが2つずつ集まった八量体のタンパク質(糸巻き)に巻きついている。糸巻き1つにヌクレオチド 146 個の DNA が図のように巻きついていて、一 つの単位となっている。これをヌクレオソーム(nucleosome)と呼んでいる(直径 11nm)。
ヌクレオソームを左側は横から、右側は上から見た図。 上段はヒストン八量体を、下段は DNA をワイヤーフレームで表示してある。 ヌクレオソームは、リンカーと呼ぶ DNA の糸で次のヌクレオソームとつながり、全体として数珠のような構造になっている。このヌクレオソームは凝集して直径 30nm のクロマチン繊維となる。 細胞分裂が始まると、クロマチン繊維は、足場となるタンパク質にループ状になって貼り付けられて直径 300nm の繊維となり、さらにこの繊維がラセンを作って直径 700nm の 紐となる。これが染色体(chromosome)である。細胞分裂の中期(後述)の染色体は複製されるので、動原体のところでくっついた Y 字状の構造をとる。
染色体の数は種によって決まっている。ヒトの染色体の数は 46 本(23 対)で、そのうち 半数は父親から、半数は母親から受けついでいる。1本の染色体は一続きの DNA 分子なの で、46 本の DNA 分子が、ふだんはクロマチン繊維の形で核の中に分散していて、細胞分 裂の時には凝集して染色体という形をとることになる。なお DNAが即遺伝子ではないのです。
3.小胞体とリボゾーム 。①小胞体の構造 真核生物の細胞の内部には、これから述べる小胞体や次に述べるゴルジ装置のような、 非常によく発達した膜系が存在する。小胞体(endoplasmic reticulum、略して ER)は、名前の示すように細胞質内の網状構造で、粗面小胞体(rER)と滑面小胞体(sER)の2種類があ る。粗面小胞体という名は、平たい袋状に拡がった小胞体の2枚の膜表面にリボソーム顆粒が付着していて、電子顕微鏡で観 察すると表面が粗く見えるからである。滑面小胞体にはリボソームの付着はなく、平たい膜ではなくむしろ管状構造をしている。両者の小胞体の管腔は連続している。
rER は細胞におけるタンパク質 の生合成に中心的な役割を演じてい るので、分泌性タンパク質をさかん に合成する消化酵素をつくる細胞や、 内分泌腺の細胞でよく発達している。 二重の核膜の外側の膜と小胞体の 膜は連続している。
②リボソームの構造。 リボソームは、左下図に見られるよに電子顕微鏡では黒い粒子である。らに拡大してみると、ダルマ のように大顆粒(large subunit)と小顆粒(small subunit)が重なった 構造をしている事がわかる。リボソームは RNA とタンパク質の複合体で、核の核小体部で作らRNA とサイトゾールで作られ核に送り込まれたタンパク質からつくられ、再びサイトゾールに送り返される。サイトゾールはサイトゾルと書かれることも多いです。
③小胞体とリボソームの機能 。リボソームはタンパク質合成の場所である。遊離のリボソームでは細胞内で日常的に使われるhouse-keepingタンパク質が合成され、小胞体に結合したリボソームでは細胞外へ分泌されるタンパク質あるいは膜に埋め込まれる膜タンパク質が合成されている。後者 の2種のタンパク質は小胞体腔へ入り、管腔を通って処理され、ゴルジ装置へ送られる。
house-keepingタンパク質とはハウスキーピングタンパク質とは、細胞の生存に必須なタンパク質で、分化した細胞すべてで作られるタンパク質です。特殊な機能は果たしませんが、細胞の維持や増殖に不可欠な役割を持ちます。ハウスキーピングタンパク質の例としては、RNA合成酵素、エネルギー生成系酵素、リボソームのタンパク質、細胞骨格タンパク質などが挙げられます。膵臓には幹細胞が存在する可能性があります。膵臓は、膵臓の外分泌組織と内分泌組織の両方で自己増殖によって維持されているため、幹細胞が必要がないので存在しないという報告もありますが、成人膵臓にも成体幹細胞があります。成体幹細胞とは通常は身体の組織に眠っている幹細胞のことで、細胞が死んだり、組織が損傷した際に、新しい細胞を供給したり、組織を再生したりする役割を担っている。また、膵臓には幹細胞が存在し、臓器の形態維持や組織再生が示唆されています。
4.ゴルジ装置 ①)ゴルジ装置の構造と機能。 ゴルジ装置(ゴルジ体とも言う)は、平たい袋状の構造が積み重なったような構造をし ている。やはり分泌活動のさかんな細胞で発達している。 ゴルジ装置の機能は、分泌性タンパク質をまとめて小包にし て送り出す働きをしている。小胞体に結合したリボソームで合 成されて小胞体腔へ送り込まれたタンパク質は、小胞体から輸 送小胞の形で送り出され、ゴルジ装置の膜と融合してゴルジ装 置へ取り込まれる。ゴルジ装置では糖が付加されて糖タンパク 質になり、ふたたび膜に包まれた小胞(分泌顆粒)となる。 ゴルジ装置には方向性があり、粗面小胞体から小胞を受け入 れる面(cis 面)と、送り出す面(trans 面)が区別できる。
ゴルジ体からサイトゾールへ送り出された輸送小胞(分泌顆粒)は細胞内に留まり、必 要に応じて細胞膜へ移動して細胞膜と融合し、顆粒内部に貯蔵された糖タンパク質を細胞 の外へ分泌する(開口分泌、exocytosis)。膜タンパク質は小胞の膜に埋め込まれたまま細 胞膜と融合し、小胞膜内側が細胞膜外側となることによって細胞膜に埋め込まれる。
5.ミトコンドリア 1)ミトコンドリアの構造 ミトコンドリアはこれまで述べてきた核膜、小胞体、ゴルジ体を構成する細胞内膜系と 異なり、独立した構造をもった細胞内小器官である。 ミトコンドリアはラグビーボールのような回転楕円体から もっと長く伸びた棒状のものまで、いろいろな形を取るが、い ずれも内外2枚の膜からなり、内膜はミトコンドリア内に棒状 あるいはヒダ状に張り出していて、この部分をクリステと呼ん でいる。2枚の膜でできているので、ミトコンドリアの腔所は 2つあり、一つは外膜と内膜の間の膜間腔(intermembrane space)、もう一つは内膜に囲まれた基質(礎質とも言う、 matrix)である。
ミトコンドリアの基質には、ミトコンドリア独自の DNA とリボソームが含まれている。 この DNA とリボソームを使って、ミトコンドリアは自立的に分裂して数を増やすことができる。
2)ミトコンドリアの機能 ミトコンドリアは細胞の活動に必要なエネルギーを供給するパワープラントである。エ ネルギーは ATP という分子の形で産生され、必要な場所で使われる。 http://cellbio.utmb.edu/cellbio/mitoch1.htm
6.細胞骨格 1)細胞骨格の種類 細胞が一定の形を保つことができたり、分泌顆粒を分泌したり、食胞によって取り込ん だり、あるいは原形質流動と呼ばれる細胞内の細胞小器官の動きを作ったりするのは、す べて細胞骨格の働きである。 細胞骨格と言っても骨のように本当に固い構造をしているのではない。いずれもタンパ ク質の繊維であり、繊維は単位となるタンパク質が会合してできている。繊維の太さや構 造によって次の3つの種類がある。1)微小管(マイクロチュービュール)、2)アクチンフィラメント(微小繊維)、3)中間径フィラメントである。
微小管 | アクチンフィラメント | 中間径フィラメント | |
構造 | 中空の管、13 個のチューブリンで管壁を構成 | 2 本のアクチンが縒り合 わさっている | 繊維状タンパク質が縒 り合わさった太い繊維 |
直径 | 25nm(管腔は 15nm) | 7nm | 8-12nm |
単位 | αとβチューブリン | アクチン | ケラチンなど |
2)細胞骨格の機能 。微小管は細胞内の運搬の道筋となる。細胞内にはダイニンやキネシンといったモーター タンパク質があり、これらのモータータンパク質は微小管の上を滑っていくことができる。 モータータンパク質は微小管の線路の上を走るトロッコのような働きをして、細胞小器官 や小胞などを動かすことができる。この他、細胞分裂のときに染色体を動かす原動力となる。また繊毛や鞭毛の構成要素となり、細胞運動を司る。 アクチンフィラメントは細胞の表面にたくさんあって、細胞表面の形を変えたり、原形 質流動を起こしたり、細胞のアメーバ運動を司る。細胞分裂のときの細胞質分裂をおこなう。 中間径フィラメントは主として細胞の形を保つのに重要である。また核膜の内側にあって核の形を保っている。 筋肉の収縮は、アクチンフィラメントとモータータンパク質の一種であるミオシンとの 相互作用によっておこる。
7.細胞膜 1)細胞膜の構造 細胞膜は、細胞内部を外部から区画して保護するとともに、外部との物質の出入り口となるため、細胞にとってきわめて重要である。 しかしながら、核の節に掲げた膵臓のヘマトキシリン・エオシ ン染色像を見て分かるように、細胞の境界らしきものを判別する ことはできるが、膜の構造までは分からない。 電子顕微鏡で拡大すると、細胞の境界には確かに黒い一本の線 があることがわかる。そこでさらに拡大をすると、下の図のよう に細胞膜は一本の黒い線ではなく2本の黒い線が白い線を挟んだような構造をしていることが分かる。これまで述べてきた細胞 内膜系の膜も細胞膜と同じ構造をしているので、このような細胞内の膜構造を単位膜(unit membrane)と呼んでいる。
単位膜の構造については、その後さまざまな推定がおこなわれたが、現在では、左下の模式図のような構造をしていると考えられている。すなわち2本足のマッチ棒のように描いてあるリン脂質が足を内側にして2層に並んで膜を形成し(脂質二重膜、lipid bilayer)、 この膜に膜タンパク質が埋め込まれた構造である。所々に見えるコレステロールは、膜に 硬さを与えている。 細胞の外側に面した部分には糖鎖が多くあるが、内側面にはほとんどは無い。グリコリピッドは糖脂質です。これらの 糖鎖は、膜タンパク質あるいはリン脂質に付加されている。 膜タンパク質にはさまざまな種類があり、上の図に描かれているように細胞骨格と結合 して細胞の形を保つように働くもの以外に、物質の出入りを調節する膜タンパク質、信号を受取る膜タンパク質などがある。細胞膜の機能は、細胞膜に埋め込まれたこれらのタンパク質が担っているのである。
2)細胞膜の機能 。細胞膜の機能は細胞を取り巻いて内部を保護するとともに細胞の形 を維持し、細胞内外の物質の出入りを調節している。特に重要なのは、細胞膜が脂質二重膜であるためにイオンや電荷を持った物質は細胞膜を通過することができないことである。 そのため、特定のイオンや電荷を持った物質を通過させることができる膜タンパク質が細 胞膜に埋め込まれれば、その細胞にそのような機能を持たせることができる点である。
男の配偶子である精母細胞や女の配偶子である卵母細胞で行われる減数分裂がどのようにして多様な配偶子を生み出す仕組みは何でしょうか?人は46本の染色体をもっています。46本の染色体の内訳は男性の場合は父から受け継いだ1番から~22番の22本の常染色体とY染色体、母から受け継いだ同じく1番から~22番の22本の常染色体と1番から~22番の22本の常染色体とX染色体1番染色体に着目すると、体細胞には父と母由来の2本の相同染色体があります。体細胞では2本の相同染色体は常に同居していますが生殖細胞の精母細胞と卵母細胞のどちらにしても減数分裂では配偶子を作る段階で再び分かれて相同染色体のいずれか1本が配偶子に入ります。
まず精母細胞については22本の常染色体では組み合わせは1番染色体から22番染色体までそれぞれ2本の染色体から1本を選ぶので222通りの可能性があります。それに加えて性染色体のX染色体とY染色体の2本から1本を選ぶので2通りあるので全部で223通りの可能性があります。同じことが卵母細胞についても言えます。
さらに精母細胞の、減数第一分裂では「乗り換え」とも「交差」とも「交叉」ともいわれる遺伝子の乗り換え現象が起こりすべての相同染色体の一部が交換されるので、1番染色体に関して、父の1番染色体、母の1番染色体、父と母の1番染色体が途中で入れ変わったものが2種類で、合計4種類の染色体が出来てしまいます。常染色体のすべてでそれぞれ「乗り換え」が起こるので、その組み合わせは1番常染色体から22番常染色体の可能性は422換えはとなり最後の性染色体はX染色体かY染色体のいずれかの2通りとなります。422は244で最後はX染色体かY染色体のいずれかの2通りが加わり245通りとなるのです。
因みに子供がその父か母の配偶子全く同じ配偶子を作る確率は289分の1で限りなくゼロに近いのです。
子供がその父か母の配偶子とまったく同じ配偶子を作る確率は常染色体だけで244×244で289種類の染色体のとなりさらにX染色体かY染色体のいずれかの2通りが加わり合わせて289分の1となり限りなくゼロに近くなります。このように減数分裂という過程は膨大な289種類の多様性を作り出すのです。一個体だけでもこれだけの多様性を生み出すので地球上の人が作り出す多様性は天文学的な数字になります。人類の歴史の中では同じ遺伝子構成を持った個人は二度と現れないのです。ただし一つだけ例外があります。それが一卵性双生児で全く同じ遺伝子構成を持つクローン人間なのです。クローン生物とは何でしょうか?人の様に有性生殖をする生物では一倍体の卵と精子が合体して出来るに倍体の受精卵が個体の出発点になります。クローン生物とはこのような受精を介することなくある生物からとってきた核を、核を除いた卵に移植して発生させることによって人為的に作った生物です。
以上の説明が人類の歴史の中では、同じ遺伝子構成を持った個人は絶対に二度と現れることがないのは何故なのでしょうか?に対する答えとなるのです。
更に詳しく説明しますと無限大の多様性を生み出すことによってとんでもない想像を絶する恐ろしい敵によってあるいは天変地異によって似た遺伝子構成を持った数少ない同一のが突然に滅亡しないためなのです。
生殖細胞は人体の中ではごく一部に過ぎないが子孫に受け継がれるのは生殖細胞の持っている遺伝情報だけなのです。生殖細胞のうち受精に関与する卵と精子をまとめて配偶子と呼びます。配偶子の核のDNA量は体細胞の半分で一倍体です。細胞や核が2セットの染色体を持っていれば、それは二倍体(diploid)と呼ばれる。 1セットだけ持っていれ配偶子は一倍体(haploid)であります。 精子と卵子は一倍体で、受精するとそれぞれが一倍体の染色体を出し合うので、受精卵(配偶子)では二倍体の受精卵に回復できるのです。
生殖細胞の細胞分裂は体細胞とはおおきく異なっているのです。例えば父と母から1本ずつもらった相同染色体は体細胞では細胞分裂をしても分かれることなく同居できるが生殖細胞が分裂する際には別々の細胞に分かれるのです。
ついでに言えば、ヒトでは減数分裂の様子が男性と女性ではかなり異なるのです。女性では減数分裂はすでに胎内で始まっており生まれてくるときにはすべての細胞が減数第一分裂まで進んでいます。思春期になると排卵という形でやっとつぎの段階に進み受精した卵だけが減数台に分裂を完了します。排卵しても受精卵にならない方の細胞は極体として放出されてしまいます。一方男性は減数分裂は思春期になってようやく始まるのです。
ヘルペスが癌を産生することによって人間の細胞を飢餓に追いやり人という個体を滅亡させる勢いで癌が増えていきます。ここで細胞の正常な内部構造や機能がヘルペスによってどのように餓死状態になり崩壊させられるのかを理解するために生命の根本となる細胞の
すべてを詳しく見てみましょう。そして癌死の根源は何かを洞察しましょう。
正常な細胞の内部構造や機能はどのように生命を支えてくれているのでしようか?
細胞膜は、細胞の内と外を仕切り、細胞内の恒常性を維持する役割を担っています。細胞膜が機能しないと、細胞は死んでしまうほど重要な機能です。
細胞質には、エネルギーの消費や変換を行い、細胞としての機能を担う構造物が含まれています。
核には細胞の遺伝物質(遺伝子や染色体)が含まれており、細胞がどう機能するかについてのすべての指示が入っています。また、細胞の分裂と増殖を調節しています。
細胞質には、ミトコンドリア、リボソーム、ゴルジ装置、リソソームなどの細胞小器官が含まれています。これらの細胞小器官は、それぞれ異なる機能を営んでいます。
細胞は、タンパク質がもつ機能を使って働いています。細胞にはさまざまな種類があり、働きが異なります。
細胞の主な機能には、次のようなものがあります。①体の構造をつくる②食物から栄養素を取り込む③栄養素をエネルギーに変換する④遺伝情報を含むため、自らコピーをつくって増殖する
細胞の内部構造や機能について、詳しく見てみましょう。
細胞膜は、細胞の内と外を仕切り、細胞内の恒常性を維持する役割を担っています。細胞膜が機能しないと、細胞は死んでしまうほど重要な機能です。
細胞質には、エネルギーの消費や変換を行い、細胞としての機能を担う構造物が含まれています。
核には細胞の遺伝物質(遺伝子や染色体)が含まれており、細胞がどう機能するかについてのすべての指示が入っています。また、細胞の分裂と増殖を調節しています。
細胞質には、ミトコンドリア、リボソーム、ゴルジ装置、リソソームなどの細胞小器官が含まれています。これらの細胞小器官は、それぞれ異なる機能を営んでいます。
細胞は、タンパク質がもつ機能を使って働いています。細胞にはさまざまな種類があり、働きが異なります。
それぞれのウイルスに特有の宿主となる細菌や人を含む生物の細胞に寄生して,宿主のタンパク質合成能やエネルギーを利用して,自己増殖を行う。ところがこの世に一つだけ感染する細胞をえり好みせずにすべての細胞に感染できるウイルスが1種類存在しています。それがヘルペスウイルスなのです。ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質が存在し、その中でもglycoprotein B(gB)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαタンパク質と結合すると、それが免疫細胞の攻撃を抑えるスイッチの役割を果たし、ヘルペスウイルスは難なく細胞へ侵入します。Glycoprotein B(gB)は、ヘルペスウイルスに存在する糖タンパク質で、ウイルスが宿主細胞に侵入する際に必須の分子です。ウイルスエンベロープに存在し、宿主細胞の表面と融合してウイルスが侵入します。
herpesウイルスは,その大きさが数十~数百nmときわめて小さく単純であることと,単独では生物としての要件である自己増殖能をもたず,寄生してはじめて自己増殖を行うことから,しばしば〈生物と無生物の間にあるもの〉と表現されることがある。また,ワクチンによる免疫療法を除くと,細菌などに対する抗生物質のように,ウイルス感染症に対する直接的な特効薬がいまだに発見されていないのも,ウイルスの独特な寄生性と自己増殖性によるものである。
自然免疫で極めて大切な補体の5つの働きと補体を活性化する3つの経路について詳しく説明しましょう。乞うご期待。
常染色体優性遺伝子病もすべてherpesウイルスが生み出した病気です。後述します。乞うご期待。
何故麻酔薬も免疫を低下させるのか?後述します。乞うご期待。
遺伝子変異の浸透率とは何でしょうか?ある遺伝子をもつ全員にその形質がみられる場合、浸透度は完全(100%)です。 遺伝子をもつ人の一部でしか形質がみられなければ、浸透度は不完全です。 例えば、50%の浸透度とは、遺伝子をもつ人の半数だけにその形質がみられることを意味します。しかしなぜ同じ遺伝子を持っているのにこのような遺伝子発現の違いがいろいろ(浸透度の違い)出てくるのでしょうか?答えを思案中です。
遺伝の仕方(すべての遺伝子が子供に伝わる仕方)には、大きくわけて4つあります。①常染色体優性遺伝、②常染色体劣性遺伝、③X連鎖性劣性遺伝、④X連鎖性優性遺伝4つです。
ほとんどの遺伝性がんは、「常染色体優性遺伝」という形で遺伝します。これは両親のどちらかに生殖細胞変異があると、その変異は性別に関係なく、親から子に50%の確率で伝わるというものです。
- 常染色体優性(顕性)遺伝の特徴
私たちが親からもらった遺伝子はすべてペア(対)ですが、その遺伝子の一方が特徴が出やすい優性遺伝子があり、その遺伝子に何らかの変化である遺伝子変異があればその変異した症状が出ます。その遺伝子が変異していると通常と違ったタンパク質が作られるためです。特徴を述べますと、50%(1/2)の確率で病気に関係する遺伝子が伝わります。男女差はありません。
病気もしくはその病気の原因となる遺伝子の変異は世代ごとに発現します。優性遺伝の疾患の場合に、1つの家族に現れる症状にばらつきが出ることもあり、親はごく軽い症状で病院にかかるレベルではなく、病気とは見られていませんが、子どもで強く症状が出るようなこともあります。このような場合に一見、隔世遺伝のように思えます。
隔世遺伝(かくせいいでん)とは何でしょうか?個体の持つ遺伝形質が、その親の世代では発現しておらず、祖父母やそれ以前の世代から親の世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のこと。間歇遺伝(かんけついでん)や先祖返り(せんぞがえり)の一部も、この隔世遺伝によるものである。隔世遺伝の仕組みは最も簡単な例として、メンデルの法則が成り立つような遺伝形質、すなわち一対の対立遺伝子のみがかかわる形質で、顕性(優性)・潜性(劣性)の別がはっきりしている場合を考える。このようなケースで、隔世遺伝が現れるのは、潜性遺伝子による形質についてである。注意しておきたいのは近頃、優性を
顕性と呼び劣性を潜性と呼びます。というのは優性を優れている形質と思い劣性を劣った形質と思い込む人がいるからです。
両親が、ともに潜性遺伝子を一つしか持っていない場合、両親には顕性の遺伝形質が発現しており、潜性の遺伝形質は現れない。しかし、その子は1/4の確率で潜性遺伝子を二つ持つこととなり、その場合潜性の遺伝形質が発現することとなる。このとき、もし祖父母の世代に潜性遺伝子を二つもつものが居たならば、表面上は祖父母の世代の形質が父母の世代を飛び越して遺伝してきたように見えることになる。これが、隔世遺伝の最も簡単な場合のメカニズムである。
実際には、上記のように遺伝形質の発現が一組の対立遺伝子のみで決定される場合ばかりではなく、むしろ性格のような形質は複数の遺伝子がかかわる遺伝が多いため、隔世遺伝のすべてをこのような簡単な仕組みで理解できるわけではない。ただし、親の世代でその形質が失われたように見えても、子供の世代でその形質が発現するからには、何らかの形で親の世代の染色体の中に遺伝子が保存されていたといえるのは、すべての隔世遺伝において共通する事実である。また特別な遺伝のように見えるがその親の世代での遺伝と同様に知的障害等の障害が隔世遺伝として遺伝することもある。
- 常染色体劣性(潜性)遺伝の特徴
私たちは、誰でも何らかの変異遺伝子を数個持っています。これらは1個では身体に症状を起こすことはありません。私たちが親からもらった遺伝子はペアなので、1個に変異があるとしても、もう片方の遺伝子がカバーして必要なタンパク質を作っているため問題はおこらないです。このような変異遺伝子は劣性遺伝子と考えられます。しかし、同じ部分に変異がある劣性遺伝子を持つ両親の間に、変異が2つ揃った子どもが生まれる場合があります。その場合には必要なタンパク質が作られないので症状が出ます。この両親に生まれる子では、25%(1/4)の確率で症状が出る可能性があります。劣性遺伝の特徴は次のように考えられます。子どもに症状が現れた場合、両親のどちらもその病気の保因者であると考えられます。男女差はありません。両親と他の親族に同じ症状を持つ人がいなくても、生まれてくる子どもだけが遺伝性疾患による症状を持つことがあります。
X連鎖性劣性遺伝の特徴
X連鎖性というのは、変異遺伝子がX染色体の1本にのっているものを言います。女性はXを2本持っています。男性はXとYを持っています。変異遺伝子を母親からもらった男性は、半分が症状をもつ可能性があります。父親から息子に遺伝することはありません。
その病気の患者である男性から娘を介して、孫へ遺伝します。孫が男の子なら、その1/2が病気の可能性があります。保因者である女性は症状がないことがほとんどですが、何らかの兆候を持つ人もいます。
X連鎖性優性遺伝
変異遺伝子はX染色体にのっています。優性遺伝ですからX染色体にのっている変異遺伝子を受け継いだ人は男性でも女性でも症状をもちます。症状が現れた男性はその変異を娘には伝えますが、息子には伝えません。優性遺伝とは何でしょうか?私たちは親からそれぞれ遺伝子をもらいますが、変化を持つ遺伝子を1つ受け継いだときに発症する遺伝の仕方を優性遺伝といいます。 両親のどちらか一方が変化のある遺伝子を持つ場合、50%の確率で罹患児が出生する可能性があります。 多くの世代が罹患します。 50%の可能性で次世代へ伝達します。
症状がある女性で変異遺伝子を1つだけ持つ人は1/2の確率で子どもに変異を伝えます。
体質、性格、顔つきなど、親から子へ伝わります。その伝わり方には数種類あります。遺伝子に関わるさまざまな病気も親から子どもに遺伝子の変異として伝わります。私たちの体は両親から1組ずつの遺伝子をもらってできあがっています。一人当たり2組の遺伝子を持っているわけです。その遺伝子のうち、相手方よりも特徴がでやすい遺伝子があれば、それは優性遺伝子と呼ばれています。特徴が出にくい遺伝子が劣性遺伝子です。
遺伝の仕方には、大きくわけて4つあります。
常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖性劣性遺伝、X連鎖性優性遺伝です。
ほとんどの遺伝性がんは、「常染色体優性遺伝」という形で遺伝します。これは両親のどちらかに生殖細胞変異があると、その変異は性別に関係なく、親から子に50%の確率で伝わるというものです。
2013年5月、米女優・アンジェリーナ・ジョリーが「私は乳がん・卵巣がん家系で、その原因遺伝子に変異がある」「将来乳がんになるリスクが高いため、正常な乳房を予防的に摘出した」と告白したニュースは、またたく間に世界中を駆け巡りました。”アンジェリーナ効果”なる言葉が生まれたくらい、”がんと遺伝”について人々の関心高まりましたが、「がんが遺伝する」ということを正確に理解している人は、当のアメリカでさえ意外に少ないといわれています。がんは癌関連遺伝子の二種類がヘルペスによって癌化をもたらす遺伝子異常があちこちの細胞に積み重なって長い時間かけて起きる病気ですが、このこととがんが遺伝することはどう違うのでしょうか?
遺伝するがん(遺伝性がん)と遺伝性がんでない癌の違いは何でしょうか? 遺伝性がんのほとんどは、がん抑制遺伝子の異 常(変異)によって発生します。がん抑制遺伝子は、私たちの体中の一個一個の細胞内 に、父親由来のものと母親由来のものが一対となって入って い ま す。片方のがん抑制遺伝子に変異が起きても、もう一方の遺伝子が正常に機能していれば、その細胞はがんになりません。つまり、一対のがん抑制遺伝子の両方に変異が起きると、細胞はがん化に向かうのです。ところで、この遺伝子異常が生殖細胞(精子または卵子)に認められることがあります。これを「生殖細胞変異」といいます。この場合、受精卵に遺伝子変異があり、それは受精卵から出来てくる体中の細胞に伝わります。つまり生まれつき体中の一個一個の細胞内で、片方のがん抑制遺伝子に変異があることになります。このような仕組みで発生するのが遺伝性がんです。もう一方の遺伝子に変異が起きれば癌につながるわけですから、普通の癌よりも若いうちにがんが発症することになります。血液の細胞にも遺伝子変異は伝わるので、遺伝性がんの遺伝子検査には血液を使って遺伝子を調べる価値はあるのです。
では、通常のがんはどのような仕組みで発生するのでしょうか。たとえば大腸がんの場合、大腸の細胞内で、ヘルペスのよって一対の癌関連遺伝子の両方に遺伝子変異が起こり一個の癌細胞が生まれます。別の癌関連遺伝子でもヘルペスによってこのような癌関連遺伝子の変異が起こり、長い間に複数の癌関連遺伝子変異が積み重なることで大腸がん細胞がどんどん増えて大腸がんが大きくなり進行していきます。というのは1個の細胞には数百個もあるからです。あちこちの細胞に存在している遺伝子がヘルペスによって癌化していくには相当の時間がかかるため、通常のがんはストレスが多すぎた高齢者に多いのはストレスに耐えている間に免疫が抑えられてヘルペスが増えてしまったためなのです。また、通常のがんではがん化の原因となる癌関連遺伝子の変異はがんが発生した臓器の細胞で認められ、他の臓器の正常な細胞では認められないのは言うまでもないことです。
ほとんどの癌になり易い遺伝性がんは、「常染色体優性遺伝」という形で遺伝します。「常染色体優性遺伝子」を持っているから癌になるのではなくこれは両親のど ちらかに生殖細胞変異があると、その変異は性別に関係な く、親から子に50%の確率で伝わります。遺伝性がんの診断には、家系内のがん患者の情報(がんの家族歴)が重要です。常染色体優性遺伝ですから、父方、母方両方の、すべてのがんの 情報が参考になりますが全体の癌の数と比べてはるかに数は少ないのです。発がんリスクの高い人に個別のがん予防をするためにはherpesを増やさなければ可能なのです。癌になるのは癌関連遺伝子の二種類である癌原遺伝子と癌抑制遺伝子が二つともヘルペスによって突然変異が起きない限り絶対に癌にはならないのです。癌関連遺伝子の一種類だけが変異を起こして癌化しても絶対に癌にはならないのです。
細胞はどれくらいの速さで分裂増殖するのか?増殖は生物の基本的な営みです。一個の受精卵が細胞分裂で増えることが個体を作るための第一段階である。生まれて間もない子供が成長するのも細胞が増殖するからです。成人になった後も毎秒あたり、数百万回の細胞分裂が起きているからヘルオペスウイルスはその細胞のゲノムに侵入できるのです。勿論人体には常に増殖している組織、時々増殖する組織、全く増殖しない組織などがあります。細胞が分裂して2個になる周期を細胞周期と言います。細胞周期の長さは細胞によって異なります。ヒトでは受精卵の細胞周期が極めて短く分裂するごとに細胞は小さくなります。ヒトの平均的な細胞周期は10時間から50時間以内です。24時間前後が一番多いのです。ヒトの造血細胞の幹細胞の細胞周期は数日です。幹細胞を持っている細胞しか分裂できません。分裂する時に染色体はバラバラになるときにヘルペスウイルスは感染した細胞のゲノムに自分のゲノム割り込ませて遺伝子を突然変異させてあらゆる癌をはじめとする遺伝子病を起こすきっかけを得るのです。細胞が分裂・増殖することがなければ癌は起こりえません。分裂・増殖することができなければ遺伝子を持った生命は誕生することはなかったでしょう。
アトポーシスを起こすカスパーゼはどのようにして細胞死をもたらすのでしょうか?①DNA分解②核凝縮③細胞骨格破壊の三つを起こすと細胞膜が破れる前にマクロファージの様な食細胞が処理してくれるので炎症を起こさずして必ず細胞死が自然に生じてしまいアポトーシスと言われる遺伝子による計画的な細胞死をもたらすのです。アポトーシスを起こす細胞膜ではふだん脂質二重層の内側にあるリン脂質であるホスファチジルセリンが反転して外側にこれを露出するのでこのホスファチジルセリンを見つけた食細胞が見つけてくれるのです。
「常染色体優性」の三種類の遺伝子疾患の意味と「常染色体優性」の三種類の遺伝子疾患が起こる三つの原因は何か?「常染色体優性」の遺伝子疾患は常染色体に遺伝子があり優性の
アレル「A」が遺伝疾患の原因になります。ヘテロ(Aa)でも発症するということは、言い換えると「正常な蛋白質である(aの遺伝子産物)が半分あっても正常に機能できない」ということになります。これを分子レベルで説明するためには三つの状況があることになります。
第一はタンパク質が「半分」では量が足りない場合です。これをhaplo-insufficiencyと言います。Haplo(半分)とは親から受け継いで対になった対立遺伝子で、片親由来の遺伝子の並びをハプロ(半分の遺伝子)と呼びます。タンパク質が片親の「半分」しかできない場合は量が足りないのでメンデル遺伝の不完全優性に該当します。メンデル遺伝の不完全優性とは必ずしもヘテロ接合体(Aa)でもあってもいつも優性の形質が表に出るわけではないという法則です。メンデル遺伝の不完全優性とは、対立遺伝子間の優劣関係が明確でなく、不完全な場合を指します。ヘテロ接合体(Aa)において、一方の形質(a)が完全に隠されることなく、中間形質が現れる現象です。不完全優性の例としては、キンギョソウやオシロイバナなどの花色が挙げられます。これらの花は、遺伝子型がヘテロ接合の個体の表現型が二種類のホモ接合型の中間となります。不完全優性と似た言葉に「共優性」があります。共優性とは、ヘテロ接合体の形質が両親の両方の形質を示す場合を指します。不完全優性と共優性は、形質をどの段階(個体、細胞、分子)で観察するかの違いによるため、区別は曖昧です。
第二は「異常な蛋白質」が半分あると、たとえ残り半分が正常でも全体としてはタンパク質の機能が「異常な蛋白質」のために損なわれる場合であり、これをdominant-negativeと言います。多量体で機能する蛋白質がこのタイプです。
第三は異常な蛋白質の「異常な機能」が正常タンパク質よりも勝る場合でありこれをgain-of-funnctionといいます。このように「常染色体優性」の遺伝子疾患の分子機構にいくつかのタイプがあるので「常染色体優性」の遺伝子疾患の種類や性質は常染色体劣性疾患よりも多岐にわたっているのです。何故ならば劣性形質は元々表にはあらわれにくい形質であるからです。劣性形質の表原型が表に出てくるには対立遺伝子が二つとも劣性のホモである場合にしかありえないからです。
一方「常染色体劣性」の遺伝疾患は異常なアレルがホモ接合体である(aa)になるときにのみ発症するのです。つまりタンパク質がつくられないのでタンパク質が量的にゼロかあるいは作られても機能的にしない場合に、機能的にゼロの時に発症するのです。これをloss-of-functionといいます。
子宮頸癌組織由来のHeLa細胞株は培養細胞として最も広く使われている無限に増殖する能力を持っている細胞であり続けるのは何故でしょうか?人の同じような無限に増殖できる培養細胞株には他に大腸がんや乳がんや白血病などもあります。これらの細胞株は増殖性も高く造像腫瘍性も持ち続けているのは何故でしょうか?
答えはヘルペスウイルスによって癌原遺伝子と癌抑制遺伝子が変異した癌化した遺伝子を持っているので栄養の多い血清液(培養液)を与える限りは生き続けることが出来るからです。初代培養の正常な細胞の増殖能には必ず限界があり、40~50かい分裂すると分裂できなくなるのは遺伝子が癌化していないからです。血清には細胞の増殖に必要な種々の増殖因子が含まれています。
ところがHeLa細胞株のような悪性度が高い癌細胞株にはティッシュに接触しなくても足場非依存性の浮遊状態や寒天培地の中でも増殖できるのは何故でしょうか?それは悪性度が高い癌細胞株はアポトーシスを誘導するタンパク質が一切周りに存在しないうえに、酸素と栄養素を含んだ培養液(血清液)には生存因子からだけのシグナルで生き続ける以外にないからです。癌細胞の細胞膜には生存因子である血清液にいっぱい存在するEGF、FGF、NGFなどの増殖・成長因子と結合する受容体があるのでどんどん生き続けて死ぬことはできない不死化細胞になってしまうのです。
生存因子である成長因子(増殖因子)には何があるでしょうか?成長因子とは、動物の体内で特定の細胞の増殖や分裂を促進するタンパク質の総称で、「細胞再生因子」や「細胞増殖因子」、「グロスファクター」とも呼ばれています。成長因子は、成長ホルモンの分泌を活性化させたり、キズを治すために細胞の増殖を促したり人体にとって重要な役割を担います。
①上皮成長因子(EGF)、
②繊維芽細胞成長因子(FGF)、
③神経成長因子(NGF)、
④腫瘍増殖因子(TGF訳してトランスフォーミング増殖因子)。TGFは、腫瘍細胞から分泌され、細胞表面の受容体に結合してシグナル伝達経路を活性化することにより、一連の増殖作用機序を誘発します。
④成長ホルモン。成長ホルモン(GH)は、脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンで、成長を促進する作用や代謝作用を有しています。アミノ酸191個からなるタンパク質です。肝臓や骨の先端近くにある軟骨に働きかけ、成長因子(IGF-Iの訳はインスリン様成長因子)の産生を促す。骨格、筋肉、その他多くの器官の成長を促進する。脂肪を分解する。肝臓で作られたコレステロールの取り込みを促す。経口投与すると胃で分解されるため効果はありません。
成長ホルモンは、成長ホルモンが過剰につくられると、骨格や筋肉などの組織が異常に活発に成長する巨人症や先端巨大症などの疾患を引き起こしますが、がんではない良性の下垂体腫瘍(腺腫)が原因です。
⑤KGF(ケラチン細胞増殖因子/表皮細胞増殖因子)
⑥PRP(多-血小板血漿)。PRP(Platelet-Rich Plasmの訳が多-血小板血漿)とは、血小板を濃縮した血漿で、日本語では多血小板血漿と呼ばれます。血液中の血小板は、血管が損傷したときに止血するだけでなく、組織を治癒させる能力を有しています。
⑦IGF(インスリン様成長因子)
⑧血小板由来成長因子(PDGF)
⑨肝細胞増殖因子(HGF)。
⑩血管内皮細胞増殖因子(VEGFs)
さらに造血機能を持った細胞を増やす増殖因子(生存因子)があります。癌細胞を産生したヘルペスは癌細胞や正常細胞から更に多くヘルペスの子供のビリオンを増やすためにこれらの細胞をも最大限利用するために更に正常なあらゆる細胞に感染し癌関連遺伝子の変異を続け癌細胞の増殖を促進します。造血を増やす増殖因子も利用して造血の手伝いをして栄養豊富な細胞になることを願って最後はHerpesはこのような細胞を利用し尽くして細胞自身が栄養不良で増殖成長することができなくさせて餓死させて多細胞から成り立っている個体である癌患者自身も悪液質という栄養不良でヘルペスに殺されて死ぬのです。癌患者は癌で死ぬのではなく増えすぎたヘルペスに殺されて死ぬのです。癌自体は何も怖くはないのです。医者が脅かすだけです。免疫を抑える癌治療が癌細胞のみならず正常な細胞をも癌関連遺伝子の変異を無限に引き起こす増えすぎたワクチンができないヘルペスウイルスがこの世で一番怖いのです。
造血を増やす増殖因子(生存因子)で白血病を起こす癌細胞を増殖成長させてしまう次のような生存因子があります。
⑪エリスロポエチン(EPO)。エリスロポエチンは主に腎臓尿細管近傍間質細胞でつくられ、赤芽球前駆細胞の分化増殖を促進する糖タンパク質。貧血、低酸素でHIF-1(低酸素誘導因子)が活性化され、EPOの遺伝子発現が腎臓尿細管近傍間質細胞で亢進する。エリスロポエチンは様々な貧血(特に腎性貧血)の治療、血液ドーピングに用いられます。血液ドーピングとは競技力を高めるために禁止されている薬物や方法などを使用することです。
⑫顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)
⑬顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)で造血幹細胞の顆粒球の前駆細胞を、マクロファージ、好酸球、好塩基球へと、分化増殖を促進する。このG-CSFは末梢血にいるマクロファージが産生します。G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)とは、骨髄内で血液を造る物質のひとつで、主にマクロファージから分泌されます。好中球のもとになる細胞を刺激して好中球を増やし、好中球の働きを強めます。G-CSFの作用には、骨髄系前駆細胞の増殖、分化、生存の促進。骨髄幹細胞に対する動員作用。抗アポトーシス作用。好中球前駆細胞の分化増殖を促進させる。好中球減少症の治療に用いられる。
⑭幹細胞因子(SCF)。幹細胞因子(stem cell factoroで略してSCF)です。SCFとは、線維芽細胞や内皮細胞によって作られるサイトカインで、造血幹細胞の生存や維持、増殖、分化に重要な役割を担っています。SCFはc-Kit(CD117)として知られる受容体に結合し、造血関連細胞や免疫系細胞などの増殖や分化誘導などに関与しています。また、マスト細胞を増殖させるなどの多彩な作用もあります。c-Kit(CD117)は、肥満細胞(マスト細胞)やカハール細胞の受容体として機能するタンパク質です。カハール細胞(カハール介在細胞)とは、消化管の筋層に存在し、消化管の運動やリズムを調整する働きを持つ細胞です。神経と相互に作用しながら筋肉にスイッチを入れる働きをしています。この細胞の働きが不調になると、過敏性腸症候群のような症状を引き起こす可能性があります。また、私自身が治した経験を持っている消化管間質腫瘍(Gastrointestinal Stromal Tumorの略称がGIST)の多くは、カハール細胞(正確には、カハール細胞の前駆細胞と思われる)内の「c-kit」という遺伝子にヘルペスによって突然変異が起こり、異常なKIT蛋白が作られることが原因で発生します。c-Kitは、肥満細胞増殖因子(MGF)のタイプ3膜貫通受容体で、チロシンキナーゼ活性を有する細胞膜貫通蛋白です。血液や皮膚、消化器系の一部を形成する細胞の成長、生存、発達に関与しています。造血の初期に作用する。
⑮血小板産生刺激因子(トロンボポエチン;TPO)。肝臓、骨髄で産生される。巨核球前駆細胞の分化を促進し、血小板を増加させる。EPOと相同性がある。受容体はc-mplと呼ばれる。TPOは化学療法後の血小板減少症の治療に応用されている。c-MPL(Myeloproliferative leukemia protein)とは、トロンボポエチン(TPO)の受容体(TPOR)とも呼ばれ、血小板の産生に重要な役割を担っています。
⑮マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)。マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)は、単球やマクロファージや線維芽細胞が主な産生細胞です。血管内皮細胞やヒト内胸動脈由来の平滑筋細胞からの分泌もあります。CSFはサイトカインの一種で、造血前駆細胞のクローン増殖を誘導する成長因子です。造血前駆細胞のクローン増殖を誘導する成長因子で、サイトカインの一種です。骨髄細胞数を制御する役割があり単球、マクロファージ系前駆細胞の分化・増殖を促進する。末梢血の単球・マクロファージにGM-CSF, G-CSF産生を刺激します。骨髄移植後、抗癌剤治療に伴う顆粒球減少の治療に使われるミリモスチムは正常なヒト尿から分離・精製され、単球やマクロファージなどの細胞に作用して分化や増殖を促進します。また、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)や顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)の分泌を促進させることで、白血球の増加を図ります。
成長因子(細胞増殖因子)とサイトカインの違いは何ですか?細胞増殖因子とサイトカインは、細胞の増殖や分化に影響を与える物質ですが、その役割は異なります:
細胞増殖因子は細胞の増殖や分化に直接影響を与えるタンパク質の総称で、「細胞再生因子」や「グロスファクター」とも呼ばれます。成長ホルモンの分泌を活性化したり、キズを治すために細胞の増殖を促すなどの役割があります。
サイトカインは免疫系の調節因子で、免疫応答を惹起することで細胞の分化と活性化にも影響を及ぼします。細胞から分泌されるタンパク質で、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称です。免疫や炎症に関係した分子が多く、各種の免疫や炎症に関係した増殖因子や増殖抑制因子があります。サイトカインは、複数の臓器(白血球や血管内皮細胞、線維芽細胞など)で産生され、通常はパラクラインあるいはオートクラインに働きます。ホルモンのように特定の分泌臓器から産生されるわけではなく、比較的局所で作用することが多いのが特徴です。
何故Y連鎖劣性遺伝子病がないのか?何故Y連鎖優性遺伝子病がないのか?このような疑問を感じる学者もいないのですが、いずれ私が答えを出して見せます。なぜ近頃、同性愛者が多くなったのかという疑問にも答えましょう。乞うご期待!!!
正常な細胞で増殖のために遺伝子にタンパク質を作るためのシグナルを伝える簡単な経路は、①細細胞外からきた増殖因子が細胞膜の増殖受容体に結合して、②細胞内の増殖のシグナル伝達が核に伝わり、③核の中にある遺伝子の発現を制御するタンパク質である転写因子に伝わり、④その転写因子が遺伝子の発現を開始させ⑤細胞周期チェックポイントを無事通過すると細胞周期エンジンは細胞の増殖・分裂を開始します。
それでは癌細胞で生じている異常にはどんな種類があるでしょうか?
①~④異常があるとつまり①増殖因子と②増殖因子の受容体と③増殖シグナルの伝達因子と④転写因子が増殖が不必要な時に細胞が分裂して増えなさいという増殖シグナルが出ます。⑤の細胞周期の調節因子に異常があると増殖の抑制が効かないのです。さらに遺伝子を作るDNAに異常があってもDNA修復系も全く働かず、遺伝子の突然変異が蓄積し遺伝子異常がますます蓄積していくのです。DNAの異常が蓄積しても癌は起こりません。癌が起こるのは癌関連遺伝子の突然変異が蓄積して初めて癌細胞が増えていくのです。
さらに細胞の分化を促す転写因子(遺伝子)も異常があると細胞の正常な分化も起こらなくなり異常な癌細胞が増えるのです。その上にアポトーシスのシグナルも異常があるとアポトーシスで死ぬべき細胞が生き残るのです。
上記のすべての因子というのは癌関連遺伝子のことなのです。つまり癌関連遺伝子の二つの癌原遺伝子の異常か癌抑制遺伝子の異常のどちらかなのです。しかもこの異常はすべてヘルペスウイルスによる癌関連遺伝子の突然変異によるのです。癌はヘルペスが起こす感染症に過ぎないので癌を恐れることは無いのです。
何故癌細胞はアトポーシスから逃れることができるのか?なぜ癌細胞は不死化できるのでしょうか?アポトーシスは細胞の生死を決める出来事なので完璧にきちんと制御された一連の反応で、二つの誘因があります。一つは細胞外からアポトーシスを促進する刺激が与えられたときです。このような刺激は細胞表面のFas受容体からくるか、核のDNA損傷からくる。もう一つはアポトーシス抑制している生存因子がなくなったときである。さまざまな生存因子があるがこれらの生存因子がアポトーシスを何とか抑制しているが生存因子が欠如すると細胞死に至るのです。このような生存因子がなくなった細胞にとってはアポトーシスが標準で生存が選択肢になるのです。逆に生存因子がある限りはアポトーシスが起こらない細胞が正に癌細胞なのです。それでは何故癌細胞は生存因子に愛されているのでしょうか?生存因子には何があるでしょうか?
まず何よりも生存因子の代表は癌細胞が最も好む増殖を高めるのは増殖因子こそが生存因子でありapoptosisを起こさせない因子であるからです。