なぜシリーズ 潰瘍性大腸炎・クローン病 病気とは何か?

クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)の原因物質は何でしょうか? 更新2022.3.27

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この世には原因の分からない病気などはひとつもありません。病気とは一体何でしょうか?病気という言葉には実体がありません。病気とは単なる概念であります。病気という事象は症状のことであります。症状はどうして起こるのでしょうか?便、尿、呼気、汗などから生理的に排除できない異物に対して、免疫の働きが初めて開始されるのです。それでは症状とはどのようにして起こるのでしょうか?人体の免疫の遺伝子が不必要な異物を認識し、異物と戦うために症状という現象を引き起こすのです。

さぁ、ここで真剣に考えてみましょう。クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)の原因物質は何でしょうか?全世界の医学界はまず「原因が分からない」と言います。ある人は「免疫の暴走」と言います。また別の人は「自己免疫疾患」と言います。つまり「自分の成分を自分の免疫が攻撃するためである」というわけです。以上の3つが世界の偉い医学者が言うセリフです。この3つとも根拠が何もないのです。ひとつずつその間違いを説明していきましょう。その前に私のノーベル賞級?の潰瘍性大腸炎完治の理論をまとめておきましょう。証拠についてはこの症例報告をはじめ、腐るほどあるので、皆さん何回も読み直してください。

まず潰瘍性大腸炎(略してUC)の原因は化学物質であります。その化学物質をIgEで戦えばアレルギー(アトピー・喘息・花粉症)となり、ステロイドで免疫を抑えればIgGで戦う膠原病(UC・CD・リウマチ・MCTD・SLE・シェーグレン)となります。UCは腸管の膠原病であります。いかなる膠原病でも、完治させるためには、ステロイドを使わずに漢方生薬で免疫を高めると、IgGはIgEに抗体のクラススイッチを自然に免疫はしてくれます。すると膠原病がアレルギーに変わります。さらに免疫を抑えずに漢方煎剤を飲み続ければ、免疫が上がり続け、最後はレギュラトリーT細胞(T−reg)により、いま戦っている化学物質に対して自然後天的免疫寛容を起こすのです。極めて簡単な理論でしょう。真実は常にシンプルなのです。この理論を30年以上前に見つけました。

ここでどうしても理解しておいてもらいたいことが2つあります。一つは、ステロイドを投与するのは医者だけではないのです。皆さんご存知のように、ステロイドは別名ストレスホルモンともいい、ストレスに対抗するために全ての人間は自分の副腎皮質の束状帯という場所で毎日毎日作っているのです。なぜって?生きることは他人と競争することであり、ストレスと戦うことですからね。ステロイドホルモンを出せない人は、鬱になるか自殺するかのどちらかですね。逆に出しすぎる人は、化学物質と戦うときにIgGからIgEに免疫がクラススイッチできなくなってしまうことを十分すぎるほど知っておいてください。

二つ目は、これも極めて大事なことですから理解しておいてもらいたいのです。人間の免疫は抗体を作るときに、まず最初に骨髄で生まれたBリンパ球はIgM抗体を自然に作ります。その次に敵を強力に殺すためには必ずIgMをIgGを作り変える必要があるのです。これもIgM抗体からIgG抗体への抗体のクラススイッチといいます。絶対にIgM抗体からIgE抗体を直接クラススイッチすることはできないのです。なぜでしょう?ここからの説明は難しいので、あちこちで何回もやっているのですが、復習しましょう。

皆さんは、異物が人体に侵入すると、まず最初に大食細胞が食べるという話を何十回も聞いたことがあるでしょう。ところがもうひとつ異物を食べる樹状細胞があるということもご存知でしょう。大食細胞と樹状細胞の違いはご存知ですか?ふたつとも抗原提示細胞(APC)であることはご存知でしょう。このAPCとはどんな仕事をするのでしょうか?T細胞に敵を提示することですね。何のためにでしょうか?結論から言うと、B細胞にIgGを作らせるためなのです。つまりIgMからIgGにクラススイッチさせるためです。初めて異物が人体に入ったときに、その異物を近くの所属リンパ節にまで運んで、リンパ節だけにしかいない、生まれたてのまっさらなT細胞に提示してTh1細胞にすることができるのは、樹状細胞だけなのです。これを免疫学的に言うと、「樹状細胞だけがナイーブT細胞(まっさらなウブなT細胞、ときにバージンT細胞といいます)をTh1細胞に変えることができる」というのです。それではTh1細胞はどんな仕事をするのでしょうか?インターロイキン2(IL-2)とインターフェロンγとTNF-βという3種類のサイトカインを作って、B細胞にIgMからIgGに抗体を作り変えろと命令することができるのです。実は、大食細胞もインターロイキン12(IL−12)を作ることができるのです。にもかかわらず、なぜ樹状細胞と同じ仕事ができないのでしょうか?それは、大食細胞は敵が入ってきた組織から所属リンパ節に移動することが絶対にできないのです。だからこそナイーブT細胞に抗原を見せることができないからです。つまり所属リンパ節にいるナイーブT細胞をTh1に変えることができないからです。IgMからIgGにクラススイッチを起こさせるために絶対に必要なのは、インターロイキン12(IL-12)であることを忘れないでください。

本論に戻りましょう。まず4つのグラフを掲載します。このグラフを見ながら説明していきましょう。本当にUCは原因が分からないのでしょうか?まずCDやUCは、いつから多くなったのかを見てみましょう。CDとUCは同じ病気ですから、主にUCを取り出して説明していきましょう。

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グラフ①は、潰瘍性大腸炎の年度別患者数推移。グラフ②はクローン病の医療受給者証交付件数の推移。グラフ③は、潰瘍性大腸炎の初診時年齢別患者数。グラフ④は、潰瘍性大腸炎の各国の罹患率の4つのグラフです。

まずグラフ①の潰瘍性大腸炎の年度別患者数推移を見てください。日本人の1975年から2013年の年度別のUCの患者数の推移であります。まずこの表から分かることは、1974年まではこんな病気は日本にはほとんどなかったということを示しています。グラフ②はクローン病の医療受給者証交付件数の推移であり、このグラフも見てください。UCと同じ形で患者が増えていることが分かるでしょう。もちろん私が40年以上前に医学生だった時には、CDもUCはいずれも医学書の片隅に他の国に見られる病気として1〜2行書かれていただけでした。このグラフを見るだけで、UCが免疫の暴走とか自己免疫疾患ではないということが分かるでしょう。だって、1975年から突然に患者の免疫が暴走したり、突然に狂ったように自分の成分を自分の免疫が攻撃するわけがありませんからね。もちろん1975年から根拠もなく免疫の遺伝子が突然に狂い出したと主張するバカな医者がいれば別の話ですが。ワッハッハ!

それではなぜ1975年ごろからUCやCDが増えだしたのでしょうか?1945年に第二次世界大戦が終わってから、日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月から1973年(昭和48年)11月までの約19年間であります。この間に、軽工業が大発展したのみならず、化学工業をはじめとする重工業が飛躍的に伸びました。この間に、大気や土壌や河川が汚染され、様々な公害問題が発生し国民の健康に対する意識も高まっていきました。1961年に国民健康保険法が改正され、国民皆保険体制が確立されたのですが、1955年頃までは、農業や自営業者、零細企業従業員を中心に国民の約3分の1に当たる約3000万人が無保険者で、社会問題となっていました。しかし、1958年に国民健康保険法が制定され、1961年には全国の市町村で全ての国民に対して国民健康保険事業も始まり、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる体制が確立しました。

自然の恵みから生きる糧を全て得ていた農業国家であった日本が、新たに重化学工業国家に脱皮したということは何を意味するのでしょうか?本来、5000年前に生まれた農業は、汚れのない自然の土と水と空気から化学物質で汚染されていない食べ物を作ることでありました。ところが重化学工業の発展によって、農業も生産性を高めるために、農業の歴史上初めて化学肥料や農薬や除草剤を用いだし、自然を合成化学物質によって汚染しだしたのです。もちろん食のみならず、衣料も住宅も、全ての生活日用品が人工化学物質化されてしまったのです。まさに上で述べたように、高度経済成長の終わりは1973年であり、CDやUCもこの頃から増えだしたのです。まさにCDやUCの原因は化学物質であることを証明しているのであります。さらに日本においては、自動車の生産数も1960年代に急激に増えました。この1960年代こそが次々と報告されたブタクサ、カモガヤ、スギ、ヨモギなどによる花粉症が始まりの時代であったのです。まさに自動車の排気ガスに含まれているPM2.5がハプテンとなり、花粉のキャリアタンパクと結びついて複合的なアレルゲンとなり、花粉症を引き起こしたのです。

PMというのは、粒子状物質であり、英語ではParticulate matterとか、Particulatesといいます。2.5というのは、粒子状物質の大きさを言い、単位はマイクロメートル(μm)であります。主に、燃焼で生じた煤や、風で舞い上がった黄砂などの土壌粒子や、工場や建設現場で生じる粉塵のほかにガソリンの燃焼による排出ガスや、石油からの揮発成分が大気中に飛散した粒子などから成り立っています。これらの粒子は全て人体にとっては異物であり、それを吸い込むと、この微粒子を異物と認識できるMHCⅡの遺伝子を持っている人はIgEを作り、鼻炎になったり、気管支喘息になったりすることはすでにご存知でしょう。つまり化学物質が大気を汚さなければ、これらのアレルギーは全く起こらないのであります。ところが、これらの化学物質が食べ物や飲み物に入ってくると、それをIgEで処理すると、アレルギー性下痢になったり、アトピーになったりするのです。ところがこれらのアレルギーの症状を抑えるために、医者たちがステロイドホルモンを吸入させたりすると、免疫のクラススイッチができなくなり、つまりIgGからIgEへのクラススイッチができなくなって膠原病が生まれてしまうのです。

グラフ③のUCの初診時の年齢別患者数と、グラフ④のUCの各国の罹患率とを絡ませながら、UCの原因を明らかにしていきましょう。このグラフは2006年に調査されたデータであります。現在は2015年ですから、10年前のデータであります。現在この調査が行われれば、患者数は激増していることは言うまでもありません。2015年の現時点では、UCとCD合わせて25万人の患者がいるといわれています。

グラフ③でまず気づくことは、0歳児からUCが見られるのです。0歳児に初めて見られる病気は、ご存知のように風邪でしょう。風邪以外に他に何があると思いますか?そうです、アトピーです。アトピーの原因はなんでしょう?母乳から入ってくる化学物質であります。この化学物質を皮膚からIgEで排除するときに見られるのがアトピーでありますが、腸管から排除しようとするときにアレルギー性下痢となります。と同時に、IgGで排除しようとするときも下痢となり、これをUCやCDなどと診断されるのです。

学童期になると急激にUCが増えていきます。なぜでしょう。2つ理由があります。ひとつめの理由は、長ずるにつれて、人間が過去250年間に作り出した人工化学物質との出会いがさらに増えるからであります。2つめの理由は、資本主義社会は子供の頃から受験勉強を学童児に強いてしまいます。本来、吸収された化学物質はアトピーで出るべきものが、嫌な受験勉強を続けざるをえないストレスに耐えるために、ストレスホルモンである副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)を副腎皮質から出させるとともに、交感神経が興奮し、化学物質に対して作られたIgGがIgEにならないためであります。これを私は抗体の逆クラススイッチと呼んでいます。

さぁ、本論の潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)の話に戻りましょう。自己免疫疾患といわれる(実は自己免疫疾患などないのですが)炎症性腸疾患(IBD)の原因は化学物質ですから、当然、化学物質大国の代表であるアメリカにもIBDはありふれています。実際に、アメリカには100万人以上のIBD患者さんがいます。このうち、潰瘍性大腸炎およびクローン病の割合はそれぞれ約50%ずつであります。日本では現在、潰瘍性大腸炎は約16万人、クローン病は約4万人で、IBDの総計は20万人以上であります。ご存知のように、潰瘍性大腸炎もクローン病も、原因は化学物質でありますが、どうして病名が変わるのでしょうか?

潰瘍性大腸炎(UC)よりもクローン病(CD)の方が、はるかに病勢が強いということです。つまり、免疫を抑え続けた結果、知らず知らずのうちにリバウンド現象(免疫の増強)を繰り返し、症状がひどくなった結果、UCがCDになってしまったのです。というのは、免疫と化学物質との戦いがUCは大腸だけに限局しているのですが、他方のCDは大腸からさらに小腸にまで波及しているのです。加うるに、さらにCDになってしまうと、肛門周囲に痔瘻ができたり、腸の激しい粘膜の炎症の結果、X線や内視鏡で縦走潰瘍や敷石像が見られるようになるのです。この痔瘻と縦走潰瘍と敷石像はUCにはなくCDにしか見られないのです。言い換えると、CDとは痔瘻と縦走潰瘍と敷石像を持ったUCと定義してもいいのです。さらに潰瘍の数もUCよりもCDの方がはるかに多く、しかも潰瘍の深さの度合いもCDの方が深掘れしているのです。従ってはじめにUCと診断された人が、免疫を抑える間違った医療を続けると、免疫のリバウンドを繰り返す結果、知らず知らずのうちに病気が深刻になり、病名も実態もCDとなってしまうのです。それではなぜ免疫を抑え続けるとUCがCDになってしまうのでしょうか?言い換えると、痔瘻や縦走潰瘍や敷石像を持ったUCが増えていくのでしょうか?

CDの確定診断は、痔瘻や縦走潰瘍や敷石像があるかないかで決まり、腸の粘膜の組織を生検して顕微鏡で病理診断をする必要はないのです。世界中の医学者たちはCUとCDを別の病気と考えていますが、実は全く同じ病気であることがお分かりでしょう。それではどうして痔瘻や縦走潰瘍や敷石像ができるのでしょうか?ここでどうしてCDに痔瘻や縦走潰瘍や敷石像ができるかということを、私自身が書いた論文を引用しながら、かつ加筆・敷衍しながら、長い時間をかけて復習しましょう。世界中のどんな医学者も医者も知らない極めて大切な真実が満載ですから、楽しみながら一緒に勉強しましょう。

まず痔瘻とは何かを説明しましょう。痔瘻の「痔」というのは、肛門とその近接部位の直腸の病気の意味を示しています。痔瘻の「瘻」というのは、瘻孔の意味を持ちます。また痔瘻は英語で“analfistula”といい、“anal”は「肛門の」という意味であり、“fistula”は「異常導管」とか「瘻孔」という意味です。瘻孔とは、体の組織や器官などに作られた、あってはならない異常な導管のことであります。従って痔瘻とは、肛門部周辺に作られた異常な導管であり、直腸の粘膜に穴が開き、その穴がお尻の筋肉も破って管を作って肛門の周辺の皮膚に貫通してできた異常な導管です。肛門瘻管といってもいいのです。

それでは、どうして直腸から屈強な肛門括約筋や肛門挙筋などの筋肉を破ってお尻の皮膚にまで異常導管ができてしまったのでしょうか?もし、炎症であれば皮膚筋炎や多発筋炎で見られるCPKという酵素が上昇するはずなのに、この痔瘻性筋炎と名づけてもよい痔瘻においては、なぜ筋肉の細胞から漏れ出るCPKがあがらないのでしょうか?この導管が作られるときに、どのようにして頑強な筋肉を破り、穴を開けることができるのでしょうか?実は、決して化学物質と免疫が戦って生じた炎症の結果よりも、痔瘻はウェルシュ菌の毒素によって作られたものといってもいいのです。

ウェルシュ菌は正式にはクロストリジウム・パーフリンジェンスといい、正常な腸管細菌叢に常在している細菌であり、いわゆる悪玉菌のひとつです。痔瘻とウェルシュ菌について語りながら、痔瘻とウェルシュ菌の関係を論じていきましょう。

クローン病で見られる腹部膨満感が一番起こりやすいのは、腸管の悪玉菌であるウェルシュ菌と腸管の免疫が戦う時であり、この時に腸管内にガスが生じます。大量に発生した時には腹部膨満感のみならず、ガス(屁)が出て臭くなります。ウェルシュ菌についてさらに詳しい論文もあるので是非是非読んで下さい!「ウェルシュ菌について

クローン病に比べて非常に多くの潰瘍性大腸炎患者さんがいます。IBDが増加している化学物質製造大国においては、まず初めに潰瘍性大腸炎の発症率の増加が認められます。一方、クローン病の発症率は潰瘍性大腸炎発症率増加の約10年後に増加し始めます。従って、ほとんどの場合、IBDが増加している国では、潰瘍性大腸炎の発症率増加が最初に認められます。産業大国の最先端を走っているアメリカ類似の状況は、遅かれ早かれあらゆる文明国で見られるのです。クローン病の発症率のピークは潰瘍性大腸炎の発症率のピークから10年程遅れます。今から約10年後の日本にはクローン病患者さんの数が現在よりも必ず多くなります。ましてや松本理論の免疫でしかあらゆる病気は治らないという治療が日本全国に広まらない限り、UCより深刻なCDになり、かつ治らない累積患者が増えていくからです。

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