混合性結合組織病 症例報告

混合性結合組織病(MCTD)Part1更新2022.1.28

投稿日:2022年1月21日 更新日:

症例報告1例目

治した病名と症状:1)混合性結合組織病(MCTD)、2)レイノー現象

この患者さんは、混合性結合組織病(MCTD)で当院に来られましたが、ステロイド薬を使用せずに、症状の改善がみられ、検査データも正常になりました。

患者:当時46歳、女性

混合性結合組織病は、混合という名前の通り、強皮症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病が混合した症状を起こします。またその症状は、同時に起こったり別々に出てきたりします。共通する症状としては、全身の筋力低下、手足の指が白色になり冷たくなるレイノー現象また指と手が腫れる、多数の関節の痛みと腫れ、全身のリンパ節の腫れ、手の指の皮膚が堅くなる皮膚硬化、肺線維症による胸痛呼吸困難、食道の動きが悪くなって食事が取りにくくなる、などです。血液検査では、白血球や血小板の減少、CRPの上昇、抗RNP抗体が陽性であることが特徴です。MCTDの治療については、現在は炎症を抑えるステロイド投与によるものが中心であります。

この患者さんは、幼少期からアレルギー性鼻炎の症状があり、時々耳鼻科を受診されていましたが、成長期に向かってその症状も見られなくなり健康な状態のまま婚期を迎えられました。子育て、医院の開業と多忙な日々を送られていた最中、ご実家とのトラブルに巻き込まれ、毎日頭痛や精神的ストレスがあり、約10年間症状をやわらげるために痛み止め(ロキソニン)を飲み続けておられました。

2011年1月上旬頃、近くのショッピングセンターで買い物中、膝に軽い違和感を覚え、少し痛みもあり、湿布(貼り薬)をして様子を見られましたが、数日過ぎても良くならないので近くの整形外科を受診され、レントゲン検査、血液検査、リウマチ系検査をされました。特に異常なしと診断され、筋力トレーニング、リハビリの日々がしばらく続きました。ところが、数ヶ月経過するも症状は一向に良くならないばかりか、全身的痛み、特に関節痛が悪化の一途を辿りました。その後、しばらくして突然38℃~40℃の高熱が数週間続きました。

再度、大学病院、市民病院等、大手病院の診察を受診されましたが、診断結果は特に異常は見られずとのことで、抗生剤(フロモックス)、痛み止め、解熱剤(ロキソニン)を処方され、様子を見ると言われました。結局、病気の原因が確定できず、その処方も不透明のまま、ただただ対症療法で熱を下げ痛みを緩和することのみで不安の日々が続きました。

薬を服用してから3~4週間後、熱がようやく下がってきました。ところが、熱が下がった数日後、突然MCTD特有な現象であるレイノー現象(指の先が白色になって冷たくなり指と手が腫れる)が現れ、足の腫れもひどく靴が履けない状態となりました。すぐに内科を受診されたところ、血液検査の結果から膠原病の疑いを指摘され、国立病院膠原病内科の受診を勧められました。その診断結果で初めて膠原病と診断され、治療はステロイドの投薬でした。ステロイド投薬の治療効果や副作用との関係、病状完治の見通しや実体例など、何の説明もなく、不安と不信感が募ったそうです。ステロイド投薬は断り、何か別の方法はないかとインターネットを検索され、当院のホームページを発見されました。

2011年9月下旬に初診で来られました。漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、治療を開始しました。治療開始直後、足に発疹が出始め、首や手が赤く腫れ、赤ら顔になりました。国立病院の予約がそのままになっていたので受診され、当院の漢方治療の事を話されたところ、漢方治療を否定され、医師は「ステロイドしか治らない。誰が何を言ったのかは知らないが、酷くなってから忙しい僕の所へ駆け込んでこないでよ」と言われたそうです。この時、患者さんは必ず漢方治療で治し、漢方治療を否定した事を謝罪してもらおうと心に決めたそうです。また知り合いから膠原病に効くSODを治療に使う土佐清水病院を勧められましたが断ったそうです。

徐々に発疹は身体全身に広がり、日時の経過と共に強烈な痒さと分泌物を伴い耐えがたい日々が続きます。漢方煎じ薬は1日3回飲み、漢方風呂、漢方塗り薬を必要に応じて処方しました。治療開始から約3ヶ月後、膝下ふくらはぎ部分が像の足の様に腫れあがり、歩行困難の状態が約2ヶ月続きました。

2012年2月頃、漢方治療開始から5ヶ月後、症状が少しずつ改善し、階段の昇り降り、座った状態からの自立、痛みは感じるも外出はできるようになりました。2012年6月頃、38.5℃の発熱があり、ちょうど当院の受診日であったので血液検査をしたところ、膵炎の疑いがありました。その後、発熱が続き、40℃が3日、38℃が7日間あり、その頃から手足の裏部分にピリピリした異常な痛みと歩行困難な状態が続き、頭痛、耳鳴り、耳下腺炎、身体全体の痛み、関節痛など様々な症状が発生しました。漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤であるバトルレックス(アシクロビル)を処方しました。

服用後、徐々にMCTDの症状は改善し、2013年10月ごろに全ての症状が無くなりました。現在は完治され、通院されておりません。

症例報告2例目

治した病名と症状:1)混合性結合組織病(MCTD)、2)レイノー現象、3)脱毛

この患者さんは混合性結合組織病(MCTD)によりプロトピックを使用されましたが、当院で治療を行ったことによって症状が改善し、また心の在り方を見ることの大切さを知りました。

患者:当時41歳、女性

この患者さんは、乳児期に軽い湿疹、喘息があり、治療したのかは不明ですが、その後は特にアレルギーに悩まされる事も無く生活していました。

1997年、正看護学校を卒業され、親元を離れて看護師寮で初めての一人暮らしをされました。毎日が忙しくて寮に帰って自炊する気力もなく、コンビニ弁当やカップラーメンを飽きる事なく毎日の様に食べ、食生活は最悪でした。仕事面では上下関係がとても厳しく、とても気を遣いながら仕事をしていたそうです。

1999年、仕事にも慣れ始め、生活にもゆとりができたため、テニススクールやスポーツジムにも通い始めました。体力だけは人に負けない自信があったそうで、夜勤の前にもスポーツジムに行って体を鍛え、さらに真夏の炎天下の中でトレーニングをして、人生の中で一番日焼けをしたそうです。職場の人から、何を目指しているのか分らないけど少しやり過ぎているよ、と言われた事もあったそうです。

そのような生活を1年程続けていると、額に突然、にきびのような発疹が出てきました。日焼けのせいかと思い、じきに良くなるだろうと軽く考えておられましたが、なかなか治りませんでした。皮膚科を受診されましたが原因不明で、抗生剤、ツムラの漢方、ローションが処方されました。あまり効果が見られなかったため、別の皮膚科にいくつか行きましたが同じ様な薬を出されるだけで、どの医師も何が原因かを調べる事もなく、また何が原因かも教えてくれませんでした。得体の知れない原因不明の発疹に鬱状態になったそうです。人と会うのも苦痛になり、テニススクールもスポーツジムも辞めて、仕事以外は寮に引きこもり状態になりました。発疹の範囲は額から、顔全体に広がって行き、しだいに髪の毛も抜け始め、そんな生活が3年程続きました。

皮膚科での処方:抗生剤、ツムラの漢方、ローション

職場で最も話しやすい研修医の女医さんに相談したところ、とことん調べてみようということになり、血液一般、アレルギー、腫瘍マーカなどを調べました。結果は非特異的IgE 525とアレルギー値が高く、その他は特に異常なしでした。ちなみにリンパ球は28.3でした。発疹はアレルギー値が高いから仕方がないことだと思われ、皮膚科に通うのをやめると、皮膚の症状も少しましになり、髪の毛の脱毛も気にならなくました。しかし、それでも職場や外出以外にはマスク無しで出歩きたくありませんでした。

2006年10月頃、突然レイノー症状が出てきました。内科部長の医師に相談し、自己抗体検査の結果、抗核抗640倍、SPECKLED (斑紋型)抗RPN抗体64、血清補体価CH50が39、C3が83、C4が17となり、MCTD (混合性結合組織病)と診断されました。内科部長に「抗核抗体640を下げるにはどうしたらいいのですか?」と質問されると、「補体もあまり動いてないし様子観察しましょう」と言われ、特に何も治療はされませんでした。レイノー症状に対して、オパルモン、ユベラニコチネートが処方され、2ヶ月程内服しましたが、全く改善が見られないため中止されました。

内科での処方:オパルモン、ユベラニコチネート

しかし患者さんは当時気になる男性によく見られたいと思い、MCTD (混合性結合組織病)は治す事は無理でも、せめて肌だけでも綺麗にしようとしました。しかしその考えが、今後の険しい茨の道への第一歩を踏み出すことになってしまいました。2007年2月、昔足のイボを治してもらった皮膚科を思い出して受診されました。この時に初めてプロトピック軟膏と抗アレルギー剤が処方されました。医師は「プロトピックは、ステロイドより、副作用は少ないので安心して使って下さい。塗れば塗る程皮膚は良くなるので怖がらすに塗って下さい」と説明を受けました。そして抗アレルギー剤を内服し、プロトピックを顔に塗ると一日もたたないうちに皮膚の赤みは取れ、久しぶりの綺麗なつるつるの肌に戻りました。患者さんは、さすが新薬で魔法の薬だと思ったそうです。ところがプロトピックを塗るのを止めると、元通りの赤みがかった肌に戻りました。この薬はいつまで塗ったらいいのだろうと疑問を抱きながらも、塗れば塗るほど皮膚は良くなる、と言う医師の言葉を信じて毎日のように顔に塗っていました。

皮膚科での処方:プロトピック軟膏、抗アレルギー剤

2007年3月、患者さんの彼が転勤することになり、長年勤めていた病院を退職されました。新しい土地でまた近所の皮膚科に行き、前の皮膚科でもらっていたプロトピックを下さいと言うと、すぐに出してくれました。しかし塗りつづけているうちに、皮膚の色は赤黒くなり、顔色は悪く、太陽に当たると皮膚がひりひりしました。そして体がだんだんと鎧をかぶっているかのように、重たくなっていきました。道で歩いていても人に追い越され、自転車に乗っていても、上り坂が上りづらくなり、家事をするにも、体がしんどくて寝ている日が多くなってしまいました。

皮膚科での処方:プロトピック軟膏

2007年12月、頭部、胸部、上腕部、背部、に発疹が出てきました。インターネットで病院を探し、大学病院の名誉教授が総合病院で週2回診察されていることを知り、2008年2月に診察に行きました。プロトピック軟膏を使用している事を話すと、名誉教授は、「この薬は新薬だから、今は副作用が少ないとされていますが、これから、5年後、10年後いろんな副作用が出てくる可能性があるのでやめたほうがいい。それに比べてステロイドは15年使っても副作用はこの程度だから」と15年間ステロイドを使用してきた患者さんの写真を見せました。その写真は、赤黒くなった皮膚が写っており、この程度、と言っている意味がよく分からず、恐怖を覚えたそうです。結局プロトピックとステロイドの両方処方してもらいました。

総合病院での処方:プロトピック軟膏、ステロイド軟膏

2008年4月、焼肉を食べた後に、夜間ひどい下痢になりました。体温は37度3分、抗生剤を内服されましたが、全く改善せず、水分補給をしながら様子を見ていると、下痢は続き微熱から徐々に39℃代の高熱になり、熱が上がる度に家にあった、ロキソニンやバファリンを何度も内服して1週間過ごしました。しかし熱が下がる気配はなく、食事、水分も取れなくなり、尿量減少、全身の体のむくみと関節の痛みもでてきました。しだいに自分で立ち上がる事もできなくなり、カレンダーを見てみると、同じ大きさの字で書かれているはずの数字が、1段目は普通に見えているのに、2段目の数字が小さく見え、視覚障害まで出てきました。

平成20年4月8日に総合病院を受診し、採血と点滴をしてもらい、検査の結果、CRP 8.70、 CPK 450、LDH 430、GOT 55、Na130、Cl94、腸炎を起こしてそれが引き金になり膠原病が悪化したのではないか、と説明を受けました。この病院では対応出来ないとのことで、大学病院を紹介してもらいました。

2008年4月9日、 大学病院に入院されました。入院時は、39℃の高熱、全身の関節痛、全身の浮腫があり、息切れがして歩けない為、車椅子で病室まで行きました。入院後皮膚の生検をしましたが、異常なしであり、持続点滴をしました。 CRPが10.31あり、熱に対しては、解熱剤(アセトアミノフェン)を使用しましたが、効果はなく38~39℃代の熱が続きました。個室に3日間入っていましたが、2日目までは個室のトイレに行くのも息切れがして体に力が入らず、トイレと検査以外はベッドで横になっていました。入院3日目になるとようやく脱水症状が取れてきて、尿も普通に出るようになりむくみも少しとれてきました。高熱は続いていましたが、部屋の中を少し歩ける位になり、4日目大部屋に移りました。

1週間以上プロトピックを顔に塗っていなかったため、アトピーのリバウンドで顔はとてもひどい状態になっていました。主治医に軟膏を塗っていいのか許可を取って、再びプロトピックを塗りました。しかしその翌日から咳が止まらなくなり、左肺の下のあたりが咳をするたびに痛み出してきました。胸部のCTをとってもらうと左下葉のあたりが白くなっており、胸膜炎の疑いが出てきました。夜間も息苦しさと咳で横になって眠る事が出来ず、ベッドの頭元を上げて座った状態で寝ていました。咳止めの薬(メジコン)を3日間内服しましたがあまり効果はなく、肝機能の値が、GOT 121、GPT  113、γGPT  113と上昇してきた為、内服薬は中止になりました。

その後2~3日、同じ症状が続きましたが、徐々に改善に向かい咳も息苦しさも無くなってきました。 入院7日目にCRPが10.31から3.70になり、昼間は高熱も出なくなりましたが、夜になるとまた高熱が出てきました。医師は、来週までに熱が下がらなかったら、ステロイドを使う事も考えています、と言いました。患者さんは、ステロイドの副作用を知っていたので全く使う気はなかったのですが、最初からいきなり拒否すると入院生活が送りづらくなると考え、いざステロイドを使うというときに断ろうと考えていたそうです。しかし研修医も含めて4人の医師が患者さんの担当であり、その医師たちが入れ替わり立ち代りステロイドの話をしてきました。熱のせいで頭もクリアでなく、一瞬ステロイド使わないといけないのかな、という気持ちになったそうですが、おとなしくしているわけにも行かないということで、ステロイドを使いたくない事を医師に告げました。すると、受け持ちの看護師がすぐに来て、「ステロイドを使いたくない気持ちは分かるけど、使わないといけない時は使わないとね」と言いました。そこで患者さんは受け持ち看護師に「私は今使わないといけない時期ではないと思っているので使いたくないのです」というと、それ以上にステロイドの話はしてきませんでした。

その数日後、熱も下がり、退院の予定が立ちました。特定疾患の申請をするかどうかを決める事になり、主治医は「他の先生達とも話し合ったのですが、結婚前の女性に特定疾患の申請をして、こういった病名(MCTD)をつけるとあなたの経歴に傷がつくし、相手の親御さんにも嫌がられると思うので、このままステロイドを使わずに経過観察でいくなら、申請しない方がいいのではないか」と言いました。患者さんは、世間一般ではこの病気は隠さなければいけない病気なのかと思われ、それ以来私は自分の病気の事をあまり人に話さなくなったそうです。結局、特定疾患の申請はせず、入院から13日目にようやく退院することが出来ました。胸膜炎と疑われた影もなくなり、CRP 0.30、血沈62.8、GOT 77、GPT 97 γGTP 70で、両膝の関節の痛み、手の腫れ、こわばりはまだありましたが、後は外来でフォローする事になりました。

退院後、肝機能が高い為、ウルソを内服していました。全身倦怠感、関節痛がありましたが、彼の協力を得ながら、何とか家事が出来るぐらいの生活をされていました。しかし外出すると歩く速度はかなり遅く、50メートルぐらい歩いては立ち止まって息を整え、再び歩き出すという状態でした。

2008年8月、自己抗体検査は入院時測定したのみで、その後検査はしていませんでしたが、血沈16.0、CRP、肝機能も正常になり、ウルソも中止となりました。アトピーに関してはプロトピックを継続して使用していました。主治医に、「この薬を塗っていると体にすごく吸収されている様な感じがするのですが、大丈夫ですか?」と質問すると、「体全身に塗っているのならともかく、顔に塗っている位なら大丈夫」と言いました。しかし軟膏を塗った後の一瞬体が軽くなる様な感覚がやっぱりおかしいと思っていたそうです。この感覚はおそらくプロトピックを使用した人間にしか分からないとも思われましたが、塗らなければ外に歩けない程の顔になるので、仕方なく塗り続けていました。指の腫れは以前からあったのですが、手首の腫れも気になるようになり、まるで手首にサランラップを巻いたように皮膚がツルツルと光って硬くなってきました。主治医に報告すると、「これが強皮症です」と言いました。生検を勧められましたが、入院中にも生検をして、とても痛かったのと、検査料も高かったので断ったそうです。その後、強皮症の範囲が上腕、前胸部にまで広がってきました。

平成20年11月、久しぶりに実家に帰り、入院していた事を家族に報告し、プロトピック軟膏を使用している事を話すと、「その薬はインターネットで、医者から勧められても、絶対に使ってはいけない薬に入っていたから、使うのをやめろ!」と強く言われました。家族の反対でやっと目が覚め、プロットビックをすぐに中止しました。すると、5日後からリバウンドで顔が腫れ、外に出られ無くなりました。尿量も減り全身も少し浮腫み出し、とても息苦しくなりましたが、必死で我慢しました。その後、1週間で徐々に尿も出だし、浮腫みも取れてきましたが、顔は火傷をしたように真っ赤でした。

そんな時、お母様の職場で働いている方が、アトピーの治療で当院に通院しており、ステロイドをやめて徐々に肌が綺麗になっていることを知りました。当院を受診する場合は、行く前に必ずインターネットを読むようにとのことで、ホームページを見てみると、当時掲載していた大量の手記と理論などが掲載されており、とりあえずアトピーの理論と、MCTDの手記を読まれました。患者さんは、それまで看護師として働いていましたが、私の理論は臨床では全く聞いたことのない理論であったため驚かれました。しかしながら、これまで自身の体で体験したことと当てはめて、この理論は絶対に真実だと確信されたそうです。すぐにでも医院に行きたいと思ったそうですが、その他の理論や手記を読むのに時間がかり、ホームページを発見してから2日後に当院に初診で来られました。とても真面目で賢い患者さんでした。

平成21年1月7日、患者さんは顔に出ているアトピーを隠す為に、マスクをして当院に来られましたが、待合室には彼女よりもはるかにアトピーのきつい患者さんがマスクをせずに堂々と座っていたため、情けなくなると同時に勇気づけられたそうです。診察で、MCTDとアトピーの治療を一緒にすることを説明し、2種類の煎じ薬を処方しました。そして病気の症状以外に、患者さんの生活背景を聞きました。彼女は私のストレートすぎる質問で、診察室で爆笑していました。心の底から笑ったのは数年ぶりだったそうです。その後、鍼灸をして帰宅してもらいました。

早速漢方を煎じて服用すると、もともと便秘気味だったのが便通が良くなりました。アトピーに関しては顔にたっぷり赤い紫雲膏を塗ってもらいました。こめかみからリンパ液のような汁が出てきましたが、勝手にプロトピック軟膏を止めた時ほどリバウンドはひどくなく、むしろ綺麗になっていきました。

治療開始から1週間後、血液検査の結果が出ていました。プロトピックを使っていた影響で、大学病院で入院時に測定した値より、抗RNP抗体が151から500以上に、RFが57から125に上がっていました。血沈23と抗核抗体5120倍は同様でした。

2009年2月4日、治療開始1ヶ月後、血沈37、RF130とリバウンドしましたが、特に症状的にはあまり変化はありませんでした。

2009年3月4日、治療開始2ヶ月後、抗核抗体2560倍RF78と値が下がってきました。鎧をかぶっていたような重い体が随分と軽くなってきたとのこと。2年間も仕事を休んでおられましたが、また看護師として働けるのではないかと相談されました。ちょうど看護師を探していたので、当院で治療しながら働くことを提案しました。患者さんも快諾してくれたので、働くまでにしっかり理論を頭に入れといてくださいとお願いしました。患者さんは半年間で理論の説明が出来るぐらいにマスターする為に、毎日インターネットで何時間も理論を読み、分からない言葉は看護学校時代の教科書を引っ張り出して勉強されたそうです。

2009年3月下旬に当院に看護師として就職していただきました。漢方煎じ薬を飲みながら仕事をされ、昼休憩の時は自身でお灸をしていました。治療開始から4ヶ月後、診察室で私がヘルペスの話を患者さんにしているのを横で聞いておられました。頭痛、肩こり、首こり、耳鳴り、難聴、めまい、立ちくらみ、寝汗、疲れやすい、吐き気、乗り物酔い、昼間眠たくなる、皮膚がピリピリする、筋肉痛、こむらがえり、肋間神経痛、腰痛、動悸、などの症状もヘルペスだという事を聞かれ、自身にも当てはまる症状があるとのことで、抗ヘルペス剤を1週間内服すると、症状は無くなりました。

アトピーについては、家にいる時は常に赤い軟膏をたっぷりつけ赤鬼のようでした。治療を初めて4ヶ月間は煎じ薬を飲んでいました。症状も落ち着いていたので、患者さんの申し出でアトピーの粉薬に変え、10ヶ月間内服してもらいました。肌の調子は比較的落ち着いてきましたが、もっと早く治したいとのことで、やはり煎じ薬に変えました。

煎じ薬に戻し1ヶ月ぐらいたつと、リバウンドが起こり、突然目が腫れ、顔も腫れてきました。1ヶ月ほど顔が腫れ、その後も何度か同じ事を繰り返しアトピーが顔に出てきましたが、徐々に出ても1週間位で落ち着くようになり、アトピーのでる期間が段々と短くなってきました。アトピーが出た分、肌が良くなっているのが自分でも分かったそうです。

膠原病(MCTD)については、治療を始めて1年以内は足首、膝、手首が痛くなったり、時には全身の関節が痛くなったりして少し仕事がしづらい日がありました。(5~6回程)その都度、自分で昼休憩にお灸をしていました。どうしても痛みが取れない時には、鍼灸師さんに鍼灸をしてもらうと、症状はすぐに無くなりました。検査結果も順調に良くなってきました。

治療開始から9ヶ月頃には随分と体も軽くなり、治療前は50メートル位歩くと息が切れて歩けなかったのが、少しペースは遅いけれども、休憩せずに歩けるようになりました。随分体も楽になってきたのでこの辺りから漢方もサボリ気味になってきたそうですが、漢方を飲まない日でも、症状が悪くなる事はありませんでした。強皮症の症状については、治療開始から1年で皮膚の光った感じも無くなり、皮膚が柔らかくなってきました。

2010年3月30日、治療開始から1年3ヶ月、もう少しで完治しそうなのになかなか治らないので、漢方を指示通り飲むように指導しました。その後、検査結果は2010年10月5日、治療開始1年9ヶ月まで順調に良くなっていましたが、その後、横這いになりました。アトピーも急に出なくなり、漢方をやめてみたところ、少しアトピーが顔に出だしましたが、手のこわばりも無くなりました。しばらく漢方を飲まないで様子見ることになりました。

2012年7月24日、漢方を中止してから1年2ヶ月が経ち、血液検査をしました。結果、抗核抗体が640から320に、抗RNP抗体51が13まで下がりました。今残っている症状としては、日によってはまだ少し顔にアトピーが出ますが、それ程気になりません。MCTDのレイノー現象は、夏にはほとんど症状はありません。たまに無理をするとヘルペスの症状(筋肉痛のような痛み)が出ますがすぐに治ります。冬になるとたまに手のこわばりがあり、レイノー症状が出ます。治療前は、手の指先、足の指先、舌の先にもレイノー症状が出ていましたが、今は指先だけになりました。強皮症は、手の甲、指については寒くなると少し色が赤黒くなりますが、手首、上腕、前胸部は完全に無くなりました。関節が痛くて鍼灸をしてもらう事も無くなりました。駅の階段も一挙に上れるようになり、ゆっくりなら走る事もできます。

当院には数年間勤めていただき、現在は退職されました。現在は完治され、通院もしておられません。

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