なぜシリーズ 潰瘍性大腸炎・クローン病

何故、下痢が起こるのでしょうか?更新2021.12.18

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食事をすると約10時間ほどで直腸のすぐ上にあるS字結腸に達します。通常はそこで水分が吸収されて適度なかたさの便がつくられますが、なんらかの原因で大腸の内容物が急速に通過してしまうことがあります。この時、腸管で水分がうまく吸収されない、あるいは腸粘膜から過度の水分が分泌されるなど、便の水分量が増えてしまうために下痢の症状が起こります。いずれの場合も腸の運動が異常に高まり、液状の便が排泄されます。

何故腸の運動が異常に高まり、液状の便が排泄される下痢が起こるのかを詳しく説明しましょう。腸を始めとする消化管は、内容物を先へ送ったり、消化液と混ぜ合わせるために運動をしています。運動の種類は大きく分けて3つあり、それぞれ1)蠕動運動(ぜんどううんどう)、2)分節運動(ぶんせつうんどう)、3)振子運動(ふりこうんどう)の三つです。これら三つの腸の運動は、それぞれ目的が異なります。

1)蠕動運動は飲食した内容物を先へ送る働きがあります。口側の消化管が収縮と、肛門側の弛緩が同時に起こります。内輪走筋のはたらきです。ちなみに、蠕動運動のスピードは1秒あたり1cmです。大腸の一部である上行結腸では、重力に逆らって内容物を上に送らなければなりませんが、蠕動運動は強力な収縮で内容物を重力にさからって運搬しています。このような腸の運動を可能にしているのは、消化管に分布している固有筋層にある筋肉の働きです。消化管の固有筋層は、内輪走筋と外縦走筋の2層構造になっています。これらの筋肉は手足の筋肉と違い、意識的に動かすことができない、平滑筋(へいかつきん)と呼ばれる種類の筋肉です。この2層の筋肉を組み合わせたり、あるいは単独で動かすことで、腸の運動が行われています。

2) 分節運動は蠕動運動とは違い、内容物である食べ物と消化液混ぜ合わせる働きがあります。内容物を吸収できる状態に変化させます。分節運動では腸からしっかり栄養を吸収できるように、混ぜ合わせているのです。分節運動の仕事は内輪走筋です。分節運動が起きると腸がくびれたところと、膨らんだところができます。このくびれたり、膨らんだりする部位を少しづつ変えることで、内容物が混ぜ合わされます。

3)振子運動は、分節運動と同様に、内容物を混ぜ合わせる運動です。しかし、分節運動とは動き方が違い、腸を縮めたり、伸ばしたりを繰り返すことで、内容物を混ぜ合わせます。振子運動は縦走筋が担っています。腸がジャバラ状に縮んだり、伸びたりします。以上をまとめると、このように3つの運動を通して、腸は内容物を運搬したり、混ぜ合わせたりして、必要なものは吸収し、不要なものは排泄する仕組みを作っています。すでに述べたように、食べてから小腸にたどり着くまでに3時間から6時間ほどの時間を要します。食べてから排泄されるまでには、24時間から72時間ほどの時間を要します。栄養素の吸収のために小腸内に内容物がとどまるのは、1〜2時間程度で、排泄されるまでのほとんどの時間、20時間から64時間は大腸内にとどまります。

さてこのような1)蠕動運動2)分節運動3)振子運動の三つの働きは何が制御しているのでしょうか?腸の運動は自律神経である交感神経、副交感神経によってコントロールされています。腸の働きを良くするのが、リラックスした時に活発に働く副交感神経です。ですから、消化不良を起こさないためには、リラックスした状態で食事をとり、腸から栄養を吸収できるように心がけなければなりません。一方、腸の働きを抑えるのが、活動時や緊張した時などに活発に働く交感神経です。ですから緊張している時は、消化管である腸は活動しにくくなります。腸が働いていないということは、体は栄養を吸収できる状態にないということです。では、腸のためには副交感神経ばかりが働いた方が良いかというと、そうではありません。体はどこもそうですが、適度な休息が必要です。食事をした時には、副交感神経を活発にして腸の働きを上げなければなりません。しかし、それ以外の時には、次に働くときのために、腸はしっかり休んでおく必要があります。間食をしすぎると腸は休むことが出来ないので止めましょう。規則正しく食事をとりましょう。つまり、交感神経と副交感神経のバランスが大切ということです。腸がしっかりと動くと、排泄物がしっかりと腸内を移動し排便につながります。そのため老廃物を体内に溜め込むことがなくなり、ダイエット効果を生み出します。また、老廃物をしっかり排泄することは美容にも良い効果をもたらします。

何故、異常な下痢が起こるのでしょうか?

自律神経の副交感神経である迷走神経の働きは消化管の運動を促進し胃の出口である胃幽門括約筋を弛緩して小腸へ早く食べ物を送り込み消化管の分泌を促進します。一方、交感神経は消化管の運動を促進し胃幽門括約筋を収縮して弛緩し分泌を抑制します。それではこのような自律神経はどこにあるのでしょうか?二種類あり一つは筋層間神経叢 (アウエルバッハ神経叢)であり消化管壁の筋層のうち、内側の輪走筋と外側の縦走筋の2つの筋層の間に分布する神経叢で、平滑筋の運動を支配し、消化管の蠕動運動に関与しています。二つ目は粘膜下神経叢 (マイスネル神経叢)であり消化管壁の粘膜下組織に分布する神経叢で、消化腺の分泌に関与します。この二つの神経をあわせて壁内神経叢といいます。

消化管壁内にある壁内神経叢を構成する神経系は腸神経系ともよばれ、外来性の交感神経や副交感神経による調節をうけるが、腸神経系自体が消化管を支配する完全な反射回路をもっているので、脳や脊髄から指令がなくとも、独立して基本的な諸機能を果たすことが出来るのです。自律神経を切る。断しても、消化管の基本的な運動は保たれるのです。

この腸神経系と言われる筋層間神経叢 (アウエルバッハ神経叢)や粘膜下神経叢 (マイスネル神経叢)の神経にherpesが感染して交感神経と副交感神経のバランスが崩れて炎症性腸疾患と言われるクローン病や潰瘍性大腸炎が起こるのです。

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