潰瘍性大腸炎・クローン病 症例報告

症例報告(潰瘍性大腸炎、クローン病)更新2021.9.1

投稿日:2021年8月8日 更新日:

数えきれないほどのあらゆる自己免疫疾患の中で子供たちや学生に一番よくみられる炎症性腸疾患の症例(潰瘍性大腸炎とクローン病)の何千何百とある症例を一つずつ詳しく症例報告をしていきます。と同時に治療中に見られた合併症と言われる自己免疫疾患の完治例も症例報告として提示していきます。

症例報告1例目

症例:潰瘍性大腸炎とクローン病 

この患者さんは、高校1年生の時に発症しましたが、今では完治しています。この症例報告は、患者さんの詳細な記録をもとに作成しています。

患者:当時15歳、男性、学生。この患者さんは数学の天才です。もし世界中の医者が口をそろえて言うように、潰瘍性大腸炎やクローン病が治らない不治の病であれば、彼の類まれなる数学の才能は永遠に発揮されなかったでしょう。しかし、現在、彼は位相幾何学(トポロジー)に全身全霊に向けて打ち込めるようになっています。彼の大成功を心から祈ります。

この患者さんは、まず私の“自己免疫疾患はない”という理論を完全に理解されたうえに、さらに炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病の治し方を完全に理解されて、自分の免疫で完治させた最高の学生さんでした。

2009年12月初めに潰瘍性大腸炎の症状が出てきました。当時、有名な公立の進学校に入学し、勉強と部活と行事を両立させようとしてストレスが極限状態であったためです。また、患者さんがとても生きがいをもってやっていた和太鼓も忙しさゆえに行けなくなり、ストレスを発散することもできなかったのでしょう。この時ストレスに対抗しようと自分の副腎皮質からステロイドホルモンを出し続け、免疫の細胞の中に直接入っていき、ステロイドがDNAの転写酵素に影響を与え、IgGから、IgE抗体への遺伝子のクラススイッチができなくなったのです。まさに自分で自分を傷つけていたのです。そして外出先で腹痛によりトイレに駆け込むと、トイレが血の海になりました。症状が出た後、2つ掛け持ちした部活を1つは退部、もう1つは休部状態になってしまいました。

患者さんはパソコンで「腸出血」などで調べて、癌やほかの病気の不安と恐怖に駆り立てる説明をみて、自分は死んでしまうのかとさらに不安と恐怖に駆られ、発症から1週間経ってからご両親に相談しました。痔かもしれないと思い市販の痔薬を買い使ってみましたが出血は一向に収まらず、肛門科を受診されました。そこではいぼ痔と診断されて、強力ポステリザン軟膏(ヒドロコルチゾン2.5mg含有)を処方され服用しますが、それでは出血は治まりませんでした。

処方:強力ポステリザン軟膏.

ポステリザンはヒドロコルチゾン2.5mg含有するステロイドホルモン軟膏です。

2010年3月終わりごろ、潰瘍性大腸炎かクローン病の疑いにより初めての大腸内視鏡検査を受け、潰瘍性大腸炎と診断されました。

消化器専門病院でペンタサ錠3錠を処方され、服用すると出血が止まりました。患者さんは出血がなくなったことに素直に喜び、当時は潰瘍性大腸炎の治療は炎症を抑える治療が一番なのだと思い込んでしまいました。

処方:ペンタサ錠3錠。

ペンタサ錠はメサラジンやとメサラミンとも呼ばれる抗炎症薬の一つです。潰瘍性大腸炎の原因の一つはヘルペスを取り込んだ好中球やマクロファージなどの炎症性細胞からは敵との戦いの後、活性酸素などを吐き出すので正常な細胞に障害を引き起こすこともありますがそれは貪食したherpesを殺した後ですから仕方のないことです。メサラジンはこれら活性酸素を除去する働きがあり、組織の障害を抑制することで炎症を抑えますが活性酸素を放置してもほかのさまざまの活性酸素を除去する酵素や抗酸化物質が処理してくれます。抗酸化物質にはビタミンCビタミンEベータ・カロチンビタミンAグルタチオンなどがあります。活性酸素を除去する酵素にはスーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼなどがあります。ロイコトリエンは炎症反応において敵を殺すのに非常に重要な役割を果たします。ロイコトリエンのひとつであるロイコトリエンB4などが血管内の好中球や大食細胞や樹状細胞などの炎症細胞を血管の外に出るような走化性を与えることで、血管の外にいるヘルペスウイルスなど戦わせるために炎症を生じさせるのです。ロイコトリエンB4は気管支に異物が侵入しないように気管支を収縮させたり血管拡張作用、特に小静脈血管の強力な拡張作用があり、その血管拡張効果ゆえに血管透過性亢進を高めて血管の外に血管内の白血球が出やすくなり組織にいるherpesを殺しにかかると炎症が生ずるのです。炎症は良いことなんですよ。現代の医学は炎症を目の敵にしていますが炎症があるからこそ病原体を殺し人体を侵入者から守ってくれるのですよ。

ロイコトリエンのいわれは何でしょうか?ロイコは白血球という意味の英語の略字であり血管外にトリ出してエン症をおこさせるので組み合わせてロイコトリエンという名前が付けられたのです。アッハハ。メサラジンはロイコトリエンが作られる過程を阻害することによって炎症を一時的には鎮めますので症状は止まるのですが病気は治らないのです。抗炎症薬の全ては病気を治す薬ではないのです。

しかし2011年1月頃、出血が再発しました。それに伴いペンタサ錠9錠と増え、ペンタサ注腸も使用するも出血は止まりませんでした。

処方:ペンタサ錠9錠、ペンタサ注腸。

2月の終わり頃、患者さんの希望によりプレドニゾロン20mgを処方されたものの、ステロイドの恐ろしさを知っていたためすぐに飲むことはなかったのですが、いっこうに出血が治まらなかったため2日後に服用してしまいました。服用2日後に出血が止まったので、早々にプレドニゾロン20mgを減量し3月終わりには5㎎になっていました。

処方:プレドニゾロン20mg→プレドニゾロン5㎎。

高校3年生、担当医が変わると対応が冷たくステロイドをもう少し飲んだ方が良いと言われ、医療をビジネスでしか見ていないと感じ、家の近くのIBD治療を行う開業医に変えました。今までずっと服用してきたペンタサを大腸まで届くように改良されたアサコールによる治療に変わりました。治療をすると少しまだ残っていた出血が収まりました。ステロイドからも離脱し、寛解に至りました。

処方:アサコール。

アサコールの 特徴はなんでしょうか?それまでのペンタサやサラゾピリンの大部分が小腸で吸収されてしまい、大腸まで十分に届けることが難しかった点を改善しているのがアサコールなのです。潰瘍性大腸炎の炎症は大腸で起こっているのでアサコールがペンタサやサラゾピリンよりも炎症を止める効果は優れているのです。

寛解して5月頃には普通の生活を送れるようにまでなり、アサコールも調子がいいときは徐々に自分で減らしていきました。

9月、学校の文化祭が終わり、気持ちがホッとしたのと、受験勉強というプレッシャーから血便が出始めてしまいます。血の量はどんどん増えていき、今までなかった激しい腹痛が出てきました。腹痛の原因はヘルペスだったのです。便も下痢となり、アサコールを増量してもどうにもなりません。

10月終わり頃、内視鏡を受けると大腸はボコボコで、やけどのようになっていました。毛細血管はズタズタになっていて、炎症は回盲部まであり小腸にも少し炎症が見られ、全て見終わると潰瘍性大腸炎の全型と診断されましたが実はクローン病にもなってしまっていたのです。

11月初め、紹介された大学病院にてクローン病の疑いと診断され、患者さん希望により顆粒球除去療法(GCAP)を受けました。しかし、食欲がなくなり、お腹を抑えて寝ることしかできなくなりました。手足の冷えも激しく、CRPも悪く貧血もひどかったため絶食治療と入院をすることになりました。

治療:顆粒球除去療法(GCAP)。

顆粒球除去療法(Granulocyte-monocyte apheresis略してGCAP)は、なんでしょうか?血液の一部を体外へ連続的に取り出し白血球の顆粒球や単球を血液から選択的に除去できる白血球成分除去療法用吸着器に通し、一時的に体外に出してその後、血液だけを体内に戻す治療法です。顆粒球除去療法(GCAP)は 1度の活動期につき潰瘍性大腸炎の治療としては10回または11回まで、クローン病の治療では10回まで実施が可能です。この血液を体外に取り出す治療法は体外循環除去法といい、いろいろな疾患や難病で数多く行われています。GCAPも一時的には免疫の成分は除去されて症状はよくなることは有りますが結局は免疫の働きを弱くしているだけですから残念ながら高価で面倒な対症療法に過ぎないのです。

入院した日の夜に点滴と週2のGCAPの入院治療を始めました。GCAPの治療もひどく辛いものですが絶食治療もとても辛いものです。入院中にクローン病の疑いということで、胃の内視鏡検査もされましたがひどく苦痛だったはずです。そして入院して一週間くらいたった後、やっと食事が再開されました。そして二週間くらいたった後にCRPが徐々に下がってきているということで退院されました。その後もGCAPを頑張って続け、激しい痛みに耐えながらも11回やった後にようやく出血が止まりました。11月終わりのころでした。便も固形となってきました。

治療:顆粒球除去療法(GCAP)。

退院して1週間、親族と退院祝いの中で出された鰻を食べた後に腸がギュルギュルと鳴り異変を感じました。鰻は脂質が多く含まれている魚です。異変から1週間後くらいに下痢、出血が出始めました。すぐ病院へ行き、もう一度GCAPをしてもらうと思いましたが回数が11回までと決まっており、透析科の先生にもお願いしないといけないと言われてしまったので、プレドネマ注腸を処方してもらいました。しかし、プレドネマ注腸を行うも少しずつ悪化していきました。

処方:プレドネマ注腸。

プレドネマとは何でしょうか?注腸用のステロイドであるプレドニン(商品名はプレドニゾロン)です。成人は、1回量プレドニゾロンリン酸エステルナトリウムとして22mg(プレドニゾロンリン酸エステルとして20mg)を注腸投与(直腸内注入)します。

2012年、腹痛、出血ともに良くならず、センター試験が近いていたため、経口ステロイドを始めてしまいました。センター試験も腹痛があるなか受けられました。食事制限も厳しくとても辛かったでしょう。このころに漢方に興味を持ち、都内の病院で漢方を処方されましたが一向に良くなりませんでした。そして2月半ば頃から私立大の本試験、国立大の二次試験も症状が良くないまま受けました。

処方:経口ステロイド。

高等学校卒業後、4月、今後の治療方針を決めるため内視鏡検査を実施され、結果、クローン病と診断されました。しかし、クローン病と診断されたのが分岐点でした。

のちに、インターネットで松本医院を見つけ、4月半ば、新幹線の中で腹痛に耐えながらも当院を受診されました。血液検査と免疫を上げる鍼灸治療を行い、診察しました。

治療:鍼灸治療

処方:漢方薬(食前、食後の2種類)、漢方風呂、赤色と黄色の塗り薬、抗ヘルペス剤。

ご自宅に帰られたその日の夜に漢方薬を作られましたが、漢方薬は吐き気がするほど苦くて苦戦されました。しかし2~3日飲み続けると便が固形になり、出血も止まりました。

大学病院での採血結果、これまでCRPの値4が0.1と正常値になっていました。

漢方風呂も免疫細胞が活発化しているイメージが湧くような、身体の芯から温まるように感じ、前々から悩まされていた手足の冷えもポカポカしてきました。受験勉強を自分のストレスにならない程度にして、毎日煎じ薬を飲み、お灸とマッサージを続けました。

漢方薬を初めて1~2ヶ月後、リバウンドにより止まっていた出血が再発しました。患者さんは理論をしっかり読んでいたので、「体が元に戻ろうとしているのだ。」「免疫の遺伝子を修復するのには出血もしょうがないことでしょう。」と理解していました。出血止めの漢方薬を処方しました。(患者さん曰く、この漢方は今までの漢方と違って甘くてやみつきになってしまい、今では一日の楽しみとなったそうです。)またこの頃から手のひらに湿疹ができるようになりました。湿疹を掻いた傷口に赤い薬を塗ると、すぐにかさぶたになってくれます。

他のIBD(inflammatory bowel disease、訳して炎症性腸疾患)の患者さんの手記で見たような壮絶なリバウンドが来ると覚悟されていましたが、2〜3ヶ月ほど慢性的な出血だけでそのうち治まりました。カレーを食べても何ともありませんでした。

ストレスを溜めないためにも和太鼓を続けてもらいました。

手のひらの湿疹が増え、痒くて夜眠れない日がたまにありましたが、そのうち出血は止まりました。アトピーへクラススイッチしたことにより、潰瘍性大腸炎の症状がなくなったため、アトピーの治療に切り替えました。

2012年9月頃、受験勉強のためストレスがかかってしまい、治まっていた下血が再発しました。アトピーも出ています。

処方:漢方薬(断痢湯、きゅう帰膠艾湯)と粉薬(たまに抗ヘルペス剤と鼻炎用の粉薬)

下血だけで下痢や腹痛もほとんど無く、軟便程度で、日常生活は過ごせるようになっていました。

大学受験は終わり、新しく大学生活を迎えた2013年、9月頃、下血が止まりましたが、下血止めのきゅう帰膠艾湯をしばらく処方し、9月半ばで完全に完治したので治療を終了しました。

症例報告2例目

症例:潰瘍性大腸炎

「25年間西洋薬を服用した為、短期間で免疫機能が戻るはずはない」と割り切り、リバウンドに耐えていた方の症例報告です。

患者:当時59歳 女性

1986年、29歳の時に粘液便が1ヶ月くらい続いたため、近くの大学病院の外科を受診したところ潰瘍性大腸炎と診断され、サラゾピリンを処方され服用していました。受診する度に外科手術を勧められるので、半年後、別の医院の内科胃腸科のA先生に受診するも「治らないが、サラゾピリンで抑えていきましょう」と言われ、その後もサラゾピリンを服用し続けます。しかし、粘血便が治まったり出たりを繰り返します。

投薬:サラゾピリン。

1994年、37歳、熱、激しい腹痛、便血便、下痢、白血球の値:12000、痛みに我慢できなくなり、最初に受診した大学病院で4週間入院します。その後もサラゾピリンと初めてステロイド注腸を1日1回5日間されました。服用直後、それまでの激痛が嘘のようになくなります。

投薬:サラゾピリン、ステロイド注腸(1日1回5日間)。

 退院後、A先生の内科胃腸科に戻り、サラゾピリンを引き続き服用します。3ヶ月くらい粘血便が続いたときに湧永製薬のキヨーレオピンを1日1ml服用します。キヨーレオピンとはニンニクを長期間かけ抽出、熟成し、濃縮して得られた濃縮熟成ニンニク抽出液に、肝臓分解エキス、ビタミンB1及びビオチンを配合した滋養強壮剤です。1ヶ月すると粘血便が出なくなり、その後、粘血便が出ても1ヶ月位すると治まりました。

投薬:サラゾピリン、湧永製薬のキヨーレオピン(1日1ml)。

1997年~2002年、41歳~46歳、6年くらい粘液が全く出ず落ち着いた状態が続き、サラゾピリンを昼食後飲み忘れることが度々ありました。

投薬:サラゾピリン、湧永製薬のキヨーレオピン(1日1ml)。

2003年6月頃、46歳、1日に10回10秒くらいの腹痛が起こりましたが粘液も出ず、下痢もありませんでした。しかし2~3週間後に粘液が出始め、下痢、腹痛が起こりました。腹痛は1日に10回、下痢便を出し切ると治ります。すぐにA先生のところで受診すると、自宅で注腸するステロネマ注腸3㎎(1日おきに使用)、下痢止め(ラックビー微粒N1%とタンナルビン「ヒシヤマ」とCBスコポラ錠10㎎)を処方されてしまいました。ステロネマ注腸3㎎を1日おきに5本服用すると粘液は出なくなり、下痢も治まります。その後、サラゾピリンだけになり1年は症状が出ませんでした。

ステロネマ注腸とはなんでしょうか?ステロイドとして、ベタメタゾン3mgを100mLの液体中に含む注腸剤です 。 1日1~2個を直腸内に注入します。

投薬:サラゾピリン、ステロネマ注腸3㎎(1日おきに使用)、下痢止め(ラックビー微粒N1%とタンナルビン「ヒシヤマ」とCBスコポラ錠10㎎)。

ラックビー微粒はどんな薬なのでしょうか?ビフィズス菌製剤で、腸内優勢菌のビフィズス菌が増殖し、酢酸および乳酸の産生により有害細菌の増殖を抑制し、腸内菌叢を正常化させます。ビフィズス菌とは何でしょう?三つのビフィズス菌の特徴をもっています。一つ目は桿菌であり二つ目はグラム陽性菌であり三つめは偏性嫌気性菌の三つです。それでは人間の腸管にはビフィズス菌の種類は10種類ばかりあり1)ビフィダム種2)ロンガム種3)アニマリス種4)ブレーベ種5)カシワノヘンス種6)がアドレッセン種などが主要なビフィズス菌の種類です。つぎにビフィズス菌のむ六つの効能についてのべましょう。1)整腸作用2)ビタミンの生合成3)感染防御4)アレルギー反応の抑制5)コレステロールの低下作用6)不安感の除去の六つとなります。

2004年、47歳、また粘液が出始め、下痢、腹痛と前回と同じ症状が起こりました。前回と同じ処方をされ、症状が治まります。しかし、その後も粘液が出始め下痢になればサラゾピリンの他に、ステロネマ注腸3㎎と下痢止め(ラックビー微粒N1%とタンナルビン「ヒシヤマ」とCBスコポラ錠10㎎)と同じ処方を出し、症状が出なければサラゾピリンだけ処方する、ということを繰り返し、徐々に治まっている期間が短くなり、とうとうステロネマの使用本数を増やさないと治りにくくなってしまいました。

投薬:サラゾピリン、ステロネマ注腸3㎎(1日おきに使用)、下痢止め(ラックビー微粒N1%とタンナルビン「ヒシヤマ」とCBスコポラ錠10㎎)。

タンナルビンは、何でしょうか? 腸で「タンニン酸」を遊離して穏やかな収斂作用を発揮する 整腸剤です。 腸の粘膜が炎症を起こして過敏になると、下痢を起こしやすくなります。 「タンニン酸」は、腸内のタンパク質と結合して被膜を作り、腸の粘膜を覆います。

以下、記録している限りのステロネマ注腸3㎎の使用本数。

ステロネマ注腸3mg    

2008年1月、9本位

11月、10本

2009年1月、4本

2月、7本

5月~6月、13本

2010年2月~3月、8本

6月、3本

9月、7本

11月、5本

1日2~4回の下痢を起こし、赤みがかった薄茶色の水のような粘液が出て、便器に散り、腹痛を起こしました。粘液だけの時もあり、下痢便が出ると痛みは治まります。

2011年2月22日、54歳、松本医院を受診しました。当時、患者さんの身長150㎝、体重36㎏で、前年より1年で3㎏減少していました。

翌朝、松本医院で処方した漢方煎じ薬を服用し、夜にお灸も始めました。車で10分ほどの鍼灸院にも週1回通われました。西洋薬(サラゾピリン、ステロネマ注腸3㎎、下痢止め(ラックビー微粒N1%とタンナルビン「ヒシヤマ」とCBスコポラ錠10㎎))は一切服用をやめました。例外として、松本医院で処方したフロモックス、ベルクスロン錠、ビオフェルミン、フェルムカプセル、メチコバールは服用していました。

CBスコポラ錠はなんでしょうか?急な胃痛や腹痛を改善する鎮痛鎮痙剤です。胃痛や腹痛、さしこみ(内臓がキリキリとするような痛み)は、強い緊張やストレスなどによって起こりやすくなります。この薬の成分は、神経伝達物質の働きを抑え、胃腸の痛みをやわらげます。同時に、胃酸の過剰な分泌を抑えて胃粘膜を守ります。

投薬:漢方薬14日分、抗ヘルペス剤、フロモックス、ベルクスロン錠、ビオフェルミン、フェルムカプセル、メチコバール。

漢方薬だけになると腹痛、水様便、粘液の回数が増え、疲れた時などは粘血便も出るようになりました。腹痛があるとすぐにトイレに駆け込み、我慢できずに出てしまうこともあり、中には膣の中で細菌が入り、黄緑色のおりものが出たときもありました。腹痛、下痢1日十数回、夜中も2~3回はトイレに行き、外出時は紙おむつを着用していました。

体重も徐々に減少し、体力も落ちていたので点滴を近所の一般的な西洋医療のクリニック(A先生とは別のB先生)で月2~3回点滴と検査だけ行いました。

治療:点滴(月2~3回)。

その時々で患者さんが困っていることを相談されては漢方煎じ薬や錠剤を処方しました。例えば体重減少と同時に両膝あたりに何とも言いようのない倦怠感が出てき、椅子に座っているだけなら痛みもなく腫れていないのですが、歩くと違和感が出たとのことでベルクスロン錠を処方し、のちに秋口には膝のだるさが解消されました。またリバウンドの苦痛により患者さんの旦那さんが洗濯、ゴミ出し、お風呂掃除と家事を率先して行っていたようです。患者さんだけでなくその家族の理解を得て一緒に協力していかないと1人ではとても治療を続けられないほどに他の病院で治療という名の病気を作り続けられてきたのです。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、フロモックス、ベルクスロン錠、ビオフェルミン、フェルムカプセル、メチコバール。

食事制限は特になく、ファーストフード以外は何でも食べても良いのです。夏の暑い時期でも食欲があり食べたいものをいくらでも食べられるようになったので、少しでも食べ過ぎるとすぐに腹痛下痢を起こしてしまいました。患者さんは食事、食材にこだわり、化学物質が入っていない、また遺伝子組み換えもなく、無農薬の有機肥料のものをできるだけ調達し、調理して摂っていたそうです。外食もほとんどせず、友人と会えるような体調になってもお弁当を持って行くようにしています。

2013年、秋あたりから水様便の回数が減ってきていましたが、2013年、春からは1日8~10回の腹痛、水様便、粘液、血液が出るようになってしまいました。あと少しでIgGがIgEかIgAにクラススイッチしてアトピー性皮膚炎か気管支喘息といったアレルギーの症状が起これば、便秘になり良くなると思うと、2~3日するとまた何回も下痢になってしまいます。それからも良くなったかと思えば下痢になる、ということを何回も繰り返します。

いつ完治できるのかはまだ誰にも分らない事だと分かっていても、やはり辛い日々を送っていました。しかし、患者さんは漢方薬で治そうと選んだのは自分自身で、25年間も西洋薬を飲んでいたから短期間で免疫機能が戻るはずはないと割り切る事に努めておられました。

現代の全ての病気の原因はヘルペスウイルスであり、原因不明な病気も自己免疫性疾患も全て医学業界と製薬メーカーが自分たちの利益のために作り出した病名疾患に過ぎないのです。しかも、ヘルペスを増やしたのはストレス過剰に耐えるために自分のステロイドホルモンを過剰に放出したためによるものであり、加えて治療により免疫を抑えるステロイドを使いすぎたためにヘルペスを膨大に増殖させて作られた病気なのです。ヘルペスを増殖させないようにステロイドホルモンを出さないようにするためには、①頑張り過ぎず、あきらめること、②他人のエゴを受け入れること、③自己中心的な欲望を捨てること、④他人の幸せを喜ぶことの4つを行い、ステロイドホルモンを出し過ぎないようにすることです。

病気を治すのは患者自身の免疫であるという科学的根拠に裏打ちされた理論に励まされ、いつかは絶対に完治するという気持ちだけは常に持ち続けながら5年間を過ごされました。

2015年、夏あたりから徐々にトイレに行く回数が減ってきました。腹痛もなくなりました。

2016年、12月、患者さんの旦那さんが突然大きな手術をしなければならなくなってしまい、1日だけで何回もトイレに駆けこみますが、粘液や水様便になる事はありませんでした。

そして日常生活でも外出時トイレを探す必要がなくなってきました。形様便(小指ぐらいの細さ)になっており1日1~2回までになりました。夜中トイレで時間を過ごすという事もなくなりました。

症例報告3例目

症例:潰瘍性大腸炎

患者:当時30歳、女性。アメリカで潰瘍性大腸炎と診断され、納得のいく治療法を探し求めて当院へ受診。

2003年、10月、在住するアメリカで潰瘍性大腸炎と診断され、メサラミン(日本ではペンタサのような薬)を処方されました。しかし、6週間後悪化したため、患者さんの判断で薬をやめ、中国人の鍼灸師の下に通い、漢方薬を処方してもらっていました。のちに2~3週間で症状も落ち着きました。

処方:メサラミン(日本ではペンタサのような薬)、のちに漢方薬に変更。

3ヶ月後、血便下痢が再発し前回よりも悪化してしまい、下痢は1日8回、下血の量も多く、毎日37.2℃の微熱が続きました。他院でステロイドを服用するように言われましたが、患者さんはステロイドの恐ろしさを知っていたので拒否しました。

日本の病院を調べている中で、当院を見つけ、受診するため6月下旬に帰国されました。

当院で処方した漢方薬、抗ヘルペス剤を服用した次の日に便が1日2回になり、下血も下痢もなくなりました。2ヶ月後、近所の病院で内視鏡検査と血液検査を行うと正常値に戻っていました。

症例報告4例目

症例:潰瘍性大腸炎

10歳の息子さんが他院で潰瘍性大腸炎と診断され、母親と共に当院を受診されました。

患者:当時10歳、男性、小学生

2012年6月、息子さんが腹痛、下痢、下血を起こしました。それまでは便秘気味ではあったものの大きな病気もせず、学校にも通っていました。熱はなく、食欲もあったため、かかりつけの小児科に行き整腸剤を処方されました。

処方:整腸剤。

整腸剤とは何でしょうか?腸内には多種多様な細菌(腸内細菌)が生息していて、その集団を腸内菌叢(ちょうないきんそう)といい又腸内フローラともいわれます。。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三つに分かれますが、何らかの原因によりこのバランスが崩れると下痢や便秘などの消化器症状があらわれる場合があります。従って 整腸剤は主に善玉菌を増やす目的で乳酸菌やビフィズス菌などの菌類を配合した薬剤や漢方や食物繊維などがあります。

しかし、その後2日間下痢が続き、腹痛も強くなってきました。顔色も青白く、食べるとすぐ腹痛が起き、1日に6~7回トイレに駆け込む状態が続き、便が下血していることが分かると、近くの当番病院へ行きました。入院した方がいいと言われ、消化器科がある病院を紹介され、そこで急性腸炎と診断されました。3~4日絶食してから大腸内視鏡検査を行うため入院することになりました。

大腸内視鏡検査を行いましたが、検査がひどく苦痛だったため、検査後かなりぐったりされたのですが、翌日に結果を持ち越されました。翌日、担当医から検査によると大腸全体に炎症があり、原因は食中毒か、クローン病や潰瘍性大腸炎かもしれないが、組織検査の結果を待たないと判断できないと説明を受けられました。母親は初めて聞く病名だったのでインターネットで調べてみると、どんどん不安になっていき、原因が食中毒であってほしいと祈りました。組織検査の結果、「食中毒に見られるような菌は今回の検査では出ませんでした。菌が便と一緒にもう外に出てしまって検査結果に出ないこともあります。炎症が広範囲なので潰瘍性大腸炎の可能性もあります。うちの病院ではこれ以上の検査は出来ないので、専門医のいる病院を紹介します。詳しい検査をしに行ってください。」と言われました。患者さんである息子さんには何の声もかけず、淡々とした説明をされたそうです。

2012年7月、紹介された病院で全病院での検査結果を見て潰瘍性大腸炎であることは間違いないと思うが、もう一度大腸カメラの検査が必要なこと、治療の進め方、最低2ヶ月の入院になることを告げられました。それを聞いて、今までどの病院でも気丈にしていた息子さんも涙をこぼされ、その姿を見て、胸が締め付けられる思いで、母親も涙をこらえきれなかったそうです。ショックと不安で一杯だったそうですが、痛みを感じず検査も終わり、IVH(中心静脈栄養)とペンタサでの治療が始まりました。すると、腹痛も弱まり、便の回数も減りました。同じ病気の子供たちが何人もいたので、絶食もそこまで苦痛に感じずにすみました。

IVH(中心静脈栄養)とは何でしょうか?IVHとは、英語で「Intravenous Hyper alimentation」の略で、「高カロリー輸液」のことです。中心静脈栄養は、食事が口から摂れない患者さんや体力低下を防ぐ必要のある患者さんの為に有効な治療法で、高カロリーの栄養輸液を体内の中心に近い太い静脈から継続的に入れます。

病院からは、「最初は副作用がないペンタサから始めて、効かないようなら薬を強いものに変えていきます。ステロイドは子供に使うと一時的に成長を止めてしまう副作用があるから出来るだけ使わない治療方針です。」と説明されていました。ステロイドについての詳しい知識はありませんでしたが、漠然と怖いという思いはありました。でも、実際にはステロイドを使って長く入院している子供たちが多くいました。3度目や4度目の入院という子もいると言われて、また不安になってきたそうです。

処方:ペンタサ。

ペンタサとは何でしょうか?消化管の炎症を抑えるために使用される薬の一般名がメサラジンであり商品名としてペンタサや、アサコールがあります。また炎症性細胞からは活性酸素などが放出され他の細胞に障害を引き起こすことがありますがメサラジンはこれらの活性酸素を除去する働きもあり、組織の障害を抑制することで炎症を抑えます。本来炎症というのは免疫が病気を治すために敵と戦っているので免疫を抑える必要はないのですが現代の標準医療の目的は症状を一時的に減らすために抗炎症剤を用いてしまうので病気が治せないのです。私があらゆる病気を治せるのは一切抗炎症剤を用いたことがないので患者さんの免疫で治させることができたのです。症状は免疫が治しつつある証拠なのです。症状だけを消そうとするだけの医療は永遠に病気を治すことはできないのです。炎症を引き起こす物質としてロイコトリエンと呼ばれる物質も関与していますが、メサラジンはロイコトリエンが作られる過程を阻害することによっても炎症を鎮めます。したがってメサラジンでは病気そのものは永遠に治せないのです。

治療:IVH(中心静脈栄養)。

入院から一週間程経ち、気持ちも落ち着いてきたので、病気のことをネットで調べるようになりました。松本医院を知られたのはその頃です。ホームページには私の理論や、当時は実際に治った方の手記が松本医院のサイトにたくさん載っていました。膨大な患者さんの手記を読めば読むほどに、薬と医療制度の怖さを理解されました。このままではいけないと思われ、すぐに夫に相談されましたが、現実問題としてIVHを付けた状態では松本医院には行けませんでした。

そして、2ヶ月半が過ぎ、幸か不幸か、息子さんはペンタサで症状が良くなり、退院の目処が立ちました。退院する間際に病院から言われた事は、この病気は治らないこと、再燃しないように薬は一生飲み続けなければならないこと、薬を飲んでいても、どんなに食事に気をつけていても発症する時はしてしまうこと、この年齢でこの病気になって再入院していない子は一人もいないこと。それを聞いて、母親は背筋がぞっとしたそうです。そんな事を言われる病院より、必ず治ると言ってくれる病院に行きたいと思うのは当然です。すっかり痛みがなくなり、一見元気になった息子さんでしたが、すぐに松本医院に行こうと思ったそうです。それまでにホームページを読んでいたご主人も賛成してくれました。

2012年9月末、松本医院に来られました。鍼とお灸をし、お家でのお灸のやり方を鍼灸師が説明しました。母親曰く、松本先生のお人柄は想像していましたが、お会いするのはやはり緊張されたそうです。勉強不足でお叱りを受けるのではないかと思ったそうです。診察では、現在の医療制度についてと、医者が免疫を抑えるたびごとに病気を治りにくさせるどころか更にこっそりとヘルペスを増やして新たなる病気を無責任にも製造していることを十分に説明しました。私が息子さんを見て、『可愛い顔をしているなぁ。』、『将来のある10歳の子供に一生治らない病気だなんてそんなアホな話があるか。必ず治るからね。君の免疫力が治すんや。』と言い、力強く握手しました。自宅に戻り、漢方薬を煎じられました。覚悟はされていましたが、煎じ薬の漢方薬はとても苦くて匂いも独特ですから、息子さんは最初、1回分の130mlを飲むのに1時間もかかり、1日3回も飲めそうもないと言いましたが、お母さんは私の理論を息子さんにも理解させ、納得させたうえで治療を受けさせたかったので何回も、母親なりに十分に説明を尽くされたようです。健康で余裕がある生活を取り戻す為に一緒に乗り越えようと話されました。『自分で悪くしていたなら、自分で元に戻さなきゃダメってことか。』と息子さんも理解されました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、お灸、ペンタサ。

『自分(の免疫力)で治したい』と言い、一口飲んではハチミツで苦味を消し、それでも苦みが残り、嗚咽で少量吐いてしまう状態でしたが、頑張って飲み続けました。そのうちにコツを掴み、ハチミツなしで一気に飲み干せるようになりました。お灸も自ら準備して、熱さにも耐えられるようになりました。体が温まり、よく眠れるらしく、今では寝る前のお灸が好きになったそうです。

息子さんは頭がよく生真面目でとても努力家です。繊細でいわゆる良い子がストレスが溜まって、この様な炎症性腸疾患にかかりやすいのです。穏やかでユーモアもあるので、周囲からは色々な精神的ストレスが辛そうには見えなかったようです。しっかりしているとか大人っぽいと言われることが多かったのです。家でも学校でも感情を爆発させるようなこともなかったし、塞ぎ込むこともありませんでしたが、時間に追われる毎日でいろいろな面でストレスを感じていたのではないかと思います。これからはご両親がもっと変化に気がついて、時間をかけて話を聞いたり、ストレスを貯めないように力になってあげて欲しいことも伝えました。

漢方薬を飲み始めてペンタサを今までの半分の量にしましたが、悪化するようなことはありませんでした。

一週間後、電話で状態を聞き、ペンタサは止めるよう指示しました。それからはペンタサは全く飲んでいません。たまにおきる腹痛には抗ヘルペス剤のベルクスロン(現在の名前はアシクロビル)を処方しました。それを飲むと痛みは楽になりました。それは潰瘍性大腸炎の原因の一つがヘルペスだからです。そして、詳しい血液検査の結果も教え、もう一つの原因は化学物質に対してアレルギー体質なのでアレルギーだが出てくれば最後はこのアレルゲンに対して免疫寛容を起こせば君の病気は完治すると励ましました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、お灸。

2012年11月、今までより強い腹痛がおきて、下痢を起こし、便にも少し血も混じっていると電話がかかってきました。『リバウンドが始まったな。出血を止める漢方薬をすぐに送ってあげるから。』とすぐに手配しました。食後に飲むと翌日には下痢も出血も止まりました。理論通りのことが息子さんにも起こり、母親は本当にすごいと思ったそうです。腹痛も徐々に減り、1週間程で学校に行けるようになりました。

その後は下痢をすることはありませんでした。リウマチが出て膝を痛がるようになりましたが、これもヘルペスが原因で起こる痛みなので抗ヘルペス薬である、ベルクスロン(アシクロビル)を飲むと楽になりました。こうして、遠方ではありますが、電話で症状を伝えながら、薬を送る治療をし続けました。

2012年12月末、その後は腹痛も下痢も全くなく、元気に学校に行き、普通の生活ができ最後は完治となりました。

症例報告5例目

症例:潰瘍性大腸炎とリウマチ

身体が弱い自分に嫌気をさしていましたが、当院で治療し始めて今までの自分の考え方が間違っていたことに気づきました。

患者:当時35歳、男性、会社員

 患者さんの症状が出たのは24歳の頃です。最初は下痢が2週間ほど続き、近くの診療所に受診しました。そこで過敏性の下痢と診断され薬をもらいましたが、一向に下痢は治まらずひどくなる一方でした。この頃から便に血が混じるようになりました。大変な病気ではないかと心配になり、もう一度診察してもらい血液検査もしてもらいました。血液検査の結果はCRP 0.3で少し炎症反応があると言われ、一度大きな病院で検査を受ける事を進められました。患者さんは若いころから身体にこわばりが出たり、痛みが出たりすることが何度かあり、そのたびにCRPが少し高いと言われていました。この頃には少し下痢は治まりかけていましたが心配なので検査を受けることにしました。検査の大腸の内視鏡カメラで当日の朝からスポーツドリンクのような下剤を2リットルほど飲んで腸の中を洗浄してから検査を受けたのですが、炎症があるせいか内視鏡カメラが痛みを伴いとても辛いものでした。内視鏡カメラではクローン病、潰瘍性大腸炎ともに代表される症状は見られず炎症の出ているところの細胞を採り細胞検査してからの結果となりました。一週間後に検査結果を聞きに行くと潰瘍性大腸炎と診断されました。この時には症状は全くなく健康そのものでしたが、先生に治る病気ではないので特定疾患の申請をしてはと言われ保険所にいき申請をしました。その保健所の人にイロイロと話しを聞くと自分の病状はとても軽いものだと思いましたが、そこでも治らないと言われ落胆してしまいました。特定疾患の申請は問題なく受理され医療費、薬剤費の負担は少なくなりましたが、申請をしてから症状が悪化する事がほとんどなくなり病院に通院することもしなくなりました。

お腹に違和感があり、下痢になり最終的には血便を伴う下痢になる日がありましたが、病院で処方してもらったペンタサを飲むと2、3日で下痢も治まり薬があれば大丈夫と思っていました。1年に1度あるかどうかの症状だったので特定疾患の更新もせず、ペンタサがなくなれば病院に処方してもらいに行く、といった事を何年か続け病気と向き合うことをせず過ごしました。実際は仕事が忙しかったため、強いストレスによるステロイドホルモンが過剰放出し、化学物質やヘルペスウイルスと戦っている免疫が抑制されてしまい一時的に症状が出なかっただけなのです。ストレスがなくなり自分のステロイドホルモンが出なくなると抑えられていた免疫が活性化し、化学物質やヘルペスウイルスを殺そうと戦いを繰り返すのでいつまでも治らないのです。ですが当時の患者さんは病気の事をあまり深く考えず、本気で治ったのだと思い込んでおられました。

処方:ペンタサ。

 発症してから5年が過ぎたころ、病気の本当の怖さがやってきました。いつものように違和感から始まり下痢、血便と悪化していき、またペンタサを飲むだけで症状がなくなるだろうと高を括っていたらいつまで経っても下痢は治まらず逆にひどくなる一方でした。その後、熱も出るようになり食欲もなくなり1週間以上高熱が続いたので我慢できず病院に受診すると、血液検査の結果や熱が続いていることから入院することになりました。まだ患者さんは入院して治療すればすぐ元気になるものだと思っていました。しかし、全く熱は下がらず辛い日々が続きました。このころから関節が痛く腫れ上がるようになり自分で歩くことも出来なくなりました。

この関節の腫れも関節に一番多い線維芽細胞感染したヘルペスによるものなのです。この病院の医者はリウマチだと診断したので、このままではまずいとステロイドを処方することを勧めたのです。そもそも潰瘍性大腸炎とリウマチとはヘルペスが原因でどの組織でヘルペスと戦うのかによって病名が異なるだけです。

ステロイドが怖い薬なのはなんとなく知っていましたが高熱が続く状況から逃げ出したくステロイド治療を承認しました。最初に処方されたステロイド量は1日プレドニゾロン80㎎でした。ステロイドを飲むと数時間後には歩けなかったのが噓のように熱も下がり元気になりました。これもステロイドを服用したことにより体の中で人体にとって異物となる化学物質やヘルペスウイルスと戦っている免疫が抑制されて病状が良くなったように見えただけです。しかし、患者さんはステロイドを素晴らしい薬だと信じてしまいました。ステロイドが著効病気の原因はすべてヘルペスウイルスが原因の病気です。

処方:プレドニゾロン1日80㎎。近頃はプレドニゾロン1日80㎎は多すぎてどんな難病でも投与する医者はいなくなりました。私は医者を40年近くやっていますがステロイドを使ったことがない変わり者です。

ステロイドは一週間おきに採取し血液検査のCRPの結果でステロイドの量を減らしての繰り返しで順調に減量でき、一ヶ月後には1日20mgまで減らせ、それと同じくして食事も少しずつ始まり無事に退院することができました。

処方:プレドニゾロン80㎎→プレドニゾロン20㎎。

その後は2週間おきに通院し、血液検査をして少しずつステロイドを減量していきました。半年ほどは何も症状はなくこのままステロイドは飲まなくてよくなるのだろうなと思っていたころに再び違和感が襲ってきました。すぐに病院に行き診察してもらうとやはりCRPが上がっているのでステロイドの量を増やそうと先生に言われ、患者さんも早く症状を抑えなければまた悪化するのだと思いステロイドの量を増やす事を承認しました。このころは1日にステロイドを1mgしか飲んでいなかったので10mgにすると直ぐに症状は治まりCRPも正常値に戻りました。このCRPの上昇は自己免疫疾患ではなくヘルペスとの戦いで生じたものです。何故ならば自己免疫疾患も原因はすべてヘルペスによるものであるからです。自分の免疫が自分の体の構成成分を攻撃することは絶対にありえないのです。

処方:プレドニゾロン1㎎→プレドニゾロン10㎎。

 しかし、本当の怖さはここからでした。ステロイドを徐々に減らしていくと再び症状が悪化するという繰り返し〈リバウンドの繰り返し〉で、ステロイドから抜け出すどころか、徐々にステロイドが効かなくなっているような感じでした。この頃から精神的にも不安定になり自分の将来が不安で仕方ありませんでした。症状がでるのが怖くて仕方がなかったようです。患者さんは、仕事をしないといけないプレッシャーでお腹が痛くなったり下痢をすればすぐにステロイドの量を増やして症状を抑える事しか考えていませんでした。この頃は腹痛がでるたびに症状が酷くなる前に症状をステロイドで抑えた方がいいと思っておられました。しかし症状はステロイドを増やしている間は治まるものの、減らしていけばまた症状が出るという繰り返しでした。これを緩解と再燃といいます。それ以上にステロイドの量が減らせなくなってきている自分が一番怖かったと後に語っています。でも病院の先生に難病で一生治らない病気なので仕方ないし、患者さんはまだ「ステロイドが効くだけいいよ」と言われていたので、患者さんは完全に諦めていました。そんな状態で退院してから4年間ステロイドを服用する日々が続きました。

処方:プレドニゾロン。

プレドニゾロンとは何でしょうか?コルチゾールから作製された合成副腎皮質ホルモン製剤で、商品名はプレドニンでブランド名がプレドニゾロンです。強力な抗炎症作用があり、炎症反応の抑制に使われ適応となる疾患は多く、ほとんどすべての診療科で使われます。 特に内服薬を長期に使用した際には、感染症のリスク増加、副腎皮質機能不全、クッシング症候群、精神症状、骨粗鬆症、白内障、糖尿病など多彩に生じることがあります。プレドニゾロンを長期的に使用してからの中止は離脱症状の可能性があるため、徐々に減薬する必要がありますがこの患者さんのようにリバウンド現象が繰り返されることがしばしみられることがあります。リバウンドが何回繰り返されるかは誰もわかりません。

 完全に諦めて月1回通院しながら血液検査をして、その結果でステロイドを処方してもらう日々が続いていた時に、仕事関係の社長さんが僕の体調を気に掛け色々と難病について教えてくれました。社長さんの妹さんが病気は違いますが難病で長年苦しんでいたそうですが、病院を変えたり食事に気をつけたり体を温めたりして自分に合う治療法を探して難病が完治したそうです。最初は全く信じてなかったのですが、直接妹さんに会って話をすると「病気は絶対に治せる!!ステロイドなんか飲んでいたらダメ!」と言われました。ステロイドが良くないは解っていたものの医者に言われることが一番の治療だと信じていました。妹さんから、まず体を冷やさないようにして、冷たい飲み物も止めてストレスを溜めないようにするのと、漢方を強く勧められたのでした。一度にすべては出来ないのでまず冷たい物を止め、体を温めることから試してみましたこの患者は小さい頃から体温が低く35℃前後しかなかったようです。それが悪いのであれば体温を上げる努力をしてみようと思い、体を温めるために岩盤浴が出来るベッドを購入して毎日温める努力をしますと最初は少しだるい感覚はありましたがその後は体調もよくなり自分でも元気になっている感覚がうまれ体温も36℃をきることがなくなり順調にステロイドも減らしていけると安心したのですがたやっぱりそれだけでは治せることはできなかったのです。

 ステロイドが1日7㎎になっていた頃にまた症状が出てきました。しかしステロイドを増やしたくはないので食事はせずに体を温めて免疫を上げれば症状は治まるだろうと自分に言い聞かせ10日程我慢をしていたのでしたが、やはり我慢できるものではなく病院に行かないと、と思いましたがまたステロイドが増えるだけだろうな、嫌だな、と思った時に社長の妹さんに漢方を勧められたのを思い出してインターネットで漢方治療をしている病院を探しだしたのです。

松本医院の存在は1年程前からご存知だったそうですが、その頃は漢方が効くとは思えず治療費が高くつくイメージしかなかったようなので関心を持っておられませんでしたが、妹さんからは「病気は絶対に治せる!!」と言われてから漢方も試してみようと思い松本医院に診察に行くことになったそうです。

私は、「なんで1年前から知っていて来んかったんや!!」「ステロイドを4年も飲んでアホちゃうか!!」「ステロイドが欲しかったら他の病院に行ってもいいんやで!!世界中でステロイドを使わないから病気を治せる医者は俺しかいないんやで。」懇々と怒鳴りました。しかし病気は病院の先生が治しているんじゃない!自分の免疫が闘ってくれているんや!だから薬で症状を消すのではなく免疫を高める為に漢方や鍼やお灸で手助けして治療するんや!あと自分に降りかかるストレス無理に耐えることが一番ダメやからストレスを溜めないように!最後に「病気は絶対に治るから!!」と握手をしました。すぐに鍼治療とお灸を受け、漢方薬とお風呂に入れる薬草と抗ヘルペス剤を処方し、お灸の艾もぐさ)も買って帰られました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、お灸、漢方入浴剤。

リバウンドを覚悟するように伝えたのでビクビクしながら漢方薬を飲み始められましたが、漢方薬を飲みだした初日から便の回数、腹痛が減りびっくりされたそうです。しかし後から来るリバウンドを覚悟しながら漢方薬とお風呂とお灸を1週間続けた後、当院に患者さんから電話が入り経過が順調なのでステロイドを10㎎から5㎎に減らすように指示しました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、お灸、漢方入浴剤、プレドニゾロン10㎎→プレドニゾロン5㎎。

1週間後、当院で再診察したのですが、患者さんは人を信用しない性格だったかはわかりませんがまだ私を疑っているようでした。時間をかけて仕事でのストレスの話や今までの病気の話を聞いてあげました。「病気の事を理解しなさい!心と体は繋がっている!だからストレスは絶対にダメ!自分に期待しすぎるな!諦めろ!」患者さんは自分でストレスを溜めない方法が分かりませんでしたが私の言葉で精神的に楽になり病気にも前向きになられました。

1週間ごとにステロイドを半分にして3回目の診察の時にはステロイドがなくなりました。その後少し頭痛や倦怠感はありましたがすぐになくなり、人体異物である化学物質をIgEで戦うアトピーが顔に出てきました。頭痛もヘルペスが原因なんですよ。患者さんはまさかリバウンドもなくこんなに早くクラススイッチするのか?と思ったそうですが早速、当院に電話をしてきました。「それはクラススイッチや!!」と言われ無茶苦茶に嬉しかったようです。ここまで2ヶ月弱で血液検査の結果もみるみる良くなり下痢、腹痛、血便といった症状も全くなくなり初診から3ヶ月で完治しました。こんなに早く完治することはなかなか無いのですが、患者さんは病気が治って考え方や性格が変わったような感覚だったそうです。完治したので治療も終わりました。すべての病気は患者さんの免疫が治すものです。

症例報告6例目

症例:潰瘍性大腸炎と壊疽性膿疲症

下痢、下血が止まるまで時間がかかりましたが、諦めず「免疫で治す真実の治療」を続け、現在は元気に毎日過ごされています。

患者:当時46歳、女性、看護師

患者さんが38歳の時、第二子妊娠4ヶ月目にほんの少し下血を起こしました。長男妊娠中に便秘が原因で切痔になった経験があるため、また痔になったと思い、すぐに肛門科を受診しました。診察の結果、医師から「切れ痔ではないが、妊娠中のため検査は出来ない。出産後も続くようなら検査したほうが良いだろう。」言われました。

その後も下血は続き、妊娠後期にはかなり貧血が酷くなり、鉄剤の点滴を受けました。そんな状況でしたが、幸いなことに無事次男を出産することができました。

治療:鉄剤の点滴。

出産後も下血は持続しましたが、二人の子供の育児に負われ、病険を受診することはできませんでした。引越しをすることになり、その準備のために更に忙しくなると、下血の量はさらに増えていきました。そんな中、左足のすねに虫刺されの様な膨らみができました。それはみるみる膨れ、かなりの痛みを伴うようになったため皮膚科を受診しました。診察の結果、直ぐに総合病院の皮膚科に行くよう言われ、その足で受診されました。受診後、できものの細胞を採り、詳しく調べることになりました。

帰宅後、足が腫れ上がり、再度病院を受診すると、検査したことが原因で感染を起こして蜂窩織炎となった事が分かり、即入院することになりました。入院後、抗生剤とステロイドの点滴治療が始まりました。下血の原因を調べるため大腸の内視鏡検査を受けると、検査を担当した医師から「おそらく潰瘍性大腸炎だろう」と言われました。検査の結果、できものは壊疽性膿疲症で、潰瘍性大腸炎が原因でした。退院時からペンタサが処方され、ステロイドと共に内服しました。役所に書類も提出し、潰瘍性大腸炎が特定疾患として認定されました。

壊疽性膿疲症とは何でしょうか?若年で発症し、進行性のびらん性関節炎及び、難治性の皮膚症状(壊疽性膿皮症様病変、嚢胞性座瘡)を伴う自己炎症性疾患であるとされていますが実はヘルペスが原因ですからステロイドが良く効くのです。皮膚には、表皮と真皮があります。表皮はわずか0.2mm程度の薄いものです。表皮の下には真皮があり、血管・神経・毛包・皮脂腺・汗腺などがあります。さらに、その下には皮下脂肪や筋肉組織があります。びらんとは皮膚の損傷が表皮までにとどまっているものであり潰瘍は皮膚の損傷が真皮以下の組織まで達しているものです。

療:抗生剤とステロイドの点滴。

処方:ペンタサ、ステロイド。

壊疽性膿疲症の画像

ペンタサを飲み始めても数ヶ月は下血が続き、内服と共にペンタサ注腸を暫くやることで、やっと落ち着きました。実際は化学物質やヘルペスウイルスと戦っていた免疫を抑えて良くなったように見えるだけです。しかし、患者さんは自分が難病の潰瘍性大腸炎になったことにショックを受けましたが、病気と上手く付き合い、生活していく上で大きな支障がなければいいと思い込んでしまったのです。

その後3人目を妊娠し、無事長女を出産することができました。3人目の育児休暇が終了し、2011年の2月から看護師の仕事に復帰しました。2011年の3月には東日本大震災があり、様々なことが混乱しました。4月から部署が異動となり、3人の子供の育児や家事をしながら新しい仕事を覚え、環境に慣れるのに苦労しました。ご主人も震災の節電の影響で土日が勤務日となり、自分の休みは育児と家事に追われ、ほとんど休む暇なく動いていました。また、遠方に住む実父が食道癌となり、病状が落ち着かなかったため、度々日帰りで見舞いに行くなどし、かなり体を酷使していました。そして、そんなストレスが蓄積している状態が続いてしまったために再び下血、下痢を起こしてしまいました。

その頃、患者さんが働く総合病院の消化器内科で潰瘍性大腸炎を診てもらい、直ぐに相談しました。ペンタサからアサコールに薬を変えたりしましたが、血液検査で肝臓や膵臓の値が悪くなったため、患者さんの病院の先生が思うような治療は出来ませんでした。そしてまた足に壊疽性膿疲症ができたのを期に、壊疽性膿疲症に一番効果のあるステロイドの内服が始まり、下血、下痢は止まりました。壊疽性膿疲症とは皮膚に痛みを伴う大きな病変が生じる、原因不明の慢性の炎症性皮膚疾患といわれていますが実はヘルペスが原因なのです。治療はステロイドしかないので慢性化してなおらなくなってしまうのです。ステロイドでしか治らないといわれる病気はすべてヘルペスが原因です。

処方:ペンタサ、アサコール、ステロイド。

しかし、ステロイドの量を減らしていくと、再び下血が始まり、ステロイドを中止することが出来ませんでした。そのせいで、様々な副作用が出ました。この様々な副作用の原因もすべてヘルペスなのです。医者も患者さんも知らぬが仏ですが。この仕事も休職したりしながら治療を続けましたが、下血は止まりませんでした。

そんな状況が9ヶ月続き、生活にも支障が出ている状況の中、患者さんは初めてインターネットで潰瘍性大腸炎について調べ、当院の事を知り、私の治療や論文を読み、松本医院を受診したいと思われました。

2012年6月、横浜から新幹線に乗り、当院を受診されました。私に初めて会ったとき、患者さんは泣いてしまいました。今までステロイドを使うのは嫌でしたが、病気が良くなるために仕方ないと思い使っていました。しかし9ヶ月良くならない状態が続き、不安で一杯でした。良くなるためにステロイドを使うというのは真逆の治療をしています。何回も述べたように体の中に入っている化学物質やヘルペスウイルスを殺そうと戦っている免疫をステロイドを使うことによって抑制していまい、一時的に症状が消えただけに過ぎないのです。ステロイドを使わなくなると抑制された免疫が活性化し、化学物質やヘルペスウイルスを再び殺そうと戦い始めるのです。したがって、いつまでもステロイドをやめられないのです。ですが、患者さんは当院を見つけ、幼い大切な子供たちの為にも潰瘍性大腸炎を完治したいと思い、当院を受診しました。漢方薬、鍼灸、抗ヘルペス剤の説明を受けて帰られました。

処方:漢方薬、鍼灸、抗ヘルペス剤。

最初は大変でしたが、少しずつ漢方薬を煎じて飲むことにも慣れ、ご主人にも協力してもらってお灸もやりました。ステロイドを中止した直後は下血の量が増え、疲労感も凄く、このまま死んでしまうのではないかと思うほど苦しんだようでした。これらのすべての症状はステロイド中止した後に出現するヘルペスとの戦いによる当然の症状なのです。

私は遠方でもちゃんとフォローできるようにどのタイミングで電話すればいいのかを最初の受診の時に指示し、真夜中でも携帯電話に電話をかけていいとまで伝えました。電話を受けた際は現在の病状と心配に思っていることを聞き、最後は必ず治らない病気はない。病気を治すのは自分の免疫だということを患者さんに言い続けました。

治療を初めて3ヶ月くらい後、下痢と下血がほとんどなくなり安心したのも束の間、下痢と下血が酷くなり、足にもできものが出てきました。ヘルペス性壊疽性膿疲症の再燃だったのです。その後、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、治療して9ヶ月がたった頃、クラススイッチを起こし両足全体がアトピーで湿疹だらけになりました。ついでにヘルペスもでき、そのヘルペスから膿が出て、痒みと痛みで1ヶ月くらい辛い思いをしました。ヘルペス性壊疽性膿疲症の再燃を繰り返し繰り返し起こしヘルペスを退治していたのです。しかし、アトピーが出たことはクラススイッチしているのだから悪いことではないと言い聞かせて、乗り切らせました。ヘルペス性壊疽性膿疲症だったので抗ヘルペス剤も大量に飲ませました。ヘルペス性壊疽性膿疲症もそのうちに上の図で示したような壊疽性膿疲症もよくなっていきました。

2013年5月、下血が酷くヘモグロビンの値が下がり、造血剤を飲んだり、下痢が酷くて一晩に3回~4回トイレに行かなければいけなくなりました。疲労感も強く、体重は治療を開始した時に比べ8㎏減少してしまいました。一度休職して2ヶ月間、自宅で安静にしてもらった結果、状態が大方良くなりました。リバウンドのヘルペスとの戦いで患者は絶対に死ぬことはないのです。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、鍼灸、造血剤。

しかし、復職してしばらくすると、また下痢や下血が始まりました。落ち込むこともありましたが、ステロイドの副作用を経験した患者さんは私の真実の治療を続けたいと思い、治すのは自分だと心に決めました。そして生活全般を見直し、休む時間を増やし、食事もさらに気に掛けるように心がけられました。

2014年10月中旬から下血の量や下痢の回数が減り始め、下旬には下血と下痢が止まりました。現在、多忙な日々を過ごされていますが、その後一度も下血せず元気な毎日を過ごしています。いつの間にか病気の症状もなくなり完治してしまいましたが患者さんも看護婦さんでしたので壮絶な病気との戦いを乗り切ることができたのです。今後も医者からステロイドを入れられないようにすることと、ストレスでステロイドホルモンを出し過ぎないように、①頑張り過ぎず、あきらめること、②自己中心的な欲望を捨てること、③他人の幸せを喜ぶことの3つを心掛けてステロイドを出し過ぎないようにすることを務めてやり続ければ再び潰瘍性大腸炎になることは二度とないでしょう。つまり再燃は起こらないということです。

ストレスの根本は何でしょう?自分の本能に相反する思いを他人から押し付けられるとストレスを感じます。それでは自分の本能を支配しているのは何でしょうか?本能を支配しているのは高等な大脳皮質ではなく進化の低級な大脳辺縁系の遺伝子なのです。自分だけの欲望だけを満たそうとさせる大脳辺縁系の遺伝子を抑制させてくれる高等な大脳皮質を働かせてで他人の本能にも配慮してあげるとストレスはなくなるのです。それが上の①~③に書き上げた私の心がけ、つまり大脳皮質の働きなのです。

症例報告7例目

症例:潰瘍性大腸炎

1年半出血と腹痛で苦しみましたが、当院を受診し完治しました。

患者:当時34歳、女性

1994年7月、トイレに行くとケチャップのような色と粘りのある便が出ました。以前は健康そのものでしたが、粘血便が出る1年半前からストレスによる腹痛が続いていました。現代文明にみられる最後に残された病気の原因は化学物質とヘルペスです。しかもこの様な病気の発病のきっかけはストレスに耐えている間にストレスホルモンを出しすぎて知らぬ間に免疫を抑えたために増えたヘルペスによるものです。はじめの1ヶ月間はそのままにしていましたが、8月に近所の胃腸科の病院に受診しました。

結果、潰瘍性大腸炎と診断されました。近所の胃腸科の先生は、ステロイドを使うと免疫が抑制され症状が一時的に治まるため、永遠にステロイドを飲み続けなければならないことと、免疫を抑制しているので他の病気にかかりやすくなると患者さんに説明したようです。この医者のようにステロイドが免疫を抑制するので他の病気にかかりやすくなると患者さんに説明する医者がいても、実際には免疫を抑える限りは他の病気は治せないとまで言い切る医者が皆無ですから、日本の医療費は上昇するばかりです。ステロイドを使用せずに症状を抑えようとしましたが、出血は増加し、便意を感じるも便は出なくなりました。それは腸管のどこかに。狭窄があったからでしょう?

1995年1月、正月休みを利用してご実家に帰省した際に、アトピー性皮膚炎でひどかった友人と、十二指腸潰瘍だった別の友人のご主人が当院で完治したと聞き受診されました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペスウイルス剤。

早速、漢方煎じ薬を煎じて飲んだその日のうちに今まで便意を感じても出血だけでしたが便秘になり出血も止まりました。2日目も便秘で患者さんは効きすぎて不安になったそうです。3日目で便意を感じてトイレに行くと、いつもの血の海だった便器には山吹色のプリプリしたバナナ状のきれいな便が出ました。半年ほど出血ばかりだったので患者さんは感激しました。

それから3年間漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を飲み続け、ストレスも溜め過ぎないように気を付けました。結婚を機に最初にかかっていた病院で検査だけしてもらうと、潰瘍を起こしていたS字結腸の所がすっかり綺麗に治り、どこも異常がないと言われたそうです。私の医療の出会いが早ければ早い患者さんの絶対に治らないといわれている自己免疫疾患も極めて簡単に治るのです。

症例報告8例目

症例:潰瘍性大腸炎とヘルペス性浮腫

小学6年生で潰瘍性大腸炎と診断され、漢方治療を選択しました。

患者:当時15歳、男性、学生

患者さんは小学6年生の夏休みに潰瘍性大腸炎と診断されました。漢方治療を選んだ理由は患者さんの母親がブドウ膜炎の治療で使ったステロイド剤で苦しんだ経験から選択されました。しかし、患者さんが潰瘍性大腸炎になった原因は、母親に感染していたヘルペスウイルスがいつの間にか乳幼児に感染がおこり、大きくなる間にさまざまのストレスに耐え続けたためにさらにアトピーの治療でステロイドを用いたために持ちためにヘルペスが増えそのヘルペスウイルスを見つけた患者さんの免疫が腸管にいるヘルペスウイルスを殺そうと戦ったために潰瘍性大腸炎の症状が出てきたのです。母親がブドウ膜炎になったのも眼底のブドウ膜に大量に感染したヘルペスウイルスと免疫が戦って起こったものです。

ブドウ膜炎とは何でしょうか? ぶどう膜炎は 眼の内側の全体を包んでいるぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)にherpesが原因で炎症が起こっている状態をいいます。したがって現代眼科の治療はステロイド剤しかないのです。ステロイドしか効果のない病気の原因はすべてherpesなのです。この真実を伝えるために76歳の老体に鞭打って頑張っているのです。ですから本当にブドウ膜炎の根治療法をやりたければ抗ヘルペス剤を投与すればよいのです

世界中のほとんどの人がヘルペスウイルスに感染しています。 ヘルペスウイルスに感染しすぎた人があらゆる不調を被らざるを得ないのです。

患者さんは幼い時からアレルギー体質で、離乳食を始めると肘や膝の裏がカサついていました。これは離乳食の中にある化学物質が患者さんの体の中に入り、免疫が排除しようとして皮膚がカサカサし、垢として身体から出ていくのです。馬油や皮膚科で出された保湿剤を塗り、痒くて眠れない時には1番弱いステロイドを数日塗っていました。3歳の時には花粉症と診断され、幼稚園では常に耳鼻科に通っていました。薬を大量に処方され不安になった母親は「このような粉薬を半年も飲んで大丈夫なのか?」と耳鼻科の医者に聞いたところ、「皆、飲んでいます」と言われましたが、患者さんの母親判断でほとんど服用しませんでした。標準医療はすべての医者がステロイドを使うために病気は死ぬまで治らないのです。は花粉症も食べ物や飲み水や空気中の化学物質が身体の中に入って免疫が排除しようして皮膚の炎症や鼻水や痰が出てくるのです

処方:保湿剤、ステロイド剤。

この頃より体質改善として漢方薬を時々飲ませていましたが、患者さんには飲みにくく、苦いのであまり飲み続けることをやめてしまったようで受信をしなくなりました。母親は患者さんが成長して症状がなくなったらと思いながら、食べ物は添加物の多いものや加工品を避けて過ごされました。

処方:漢方薬。

ご家族の仕事の都合により転勤が度々あり、患者さんが幼稚園入園前と小学校入学前と小学校の半ばで引っ越しをされていました。父親も忙しく、また夫婦中も安定せず子供である患者さんにいつも気を遣わせていた状態でした。患者さんはとてもしっかりしていて学級委員などの代表をやるような大人から先生から見るととても頭の良い子でした。

小学6年生になる前に、さすがにもう転勤は可哀そうということで父親だけ単身赴任となりました。患者さんも父親と一緒に行くか悩みましたが、母親と患者さんの2人の生活が始まりました。このころに、転勤をしなくても良いと安心し、今まで良い子でいようというストレスによって患者さん自身の中のステロイドホルモンが過剰放出されて免疫を抑制しヘルペスウイルスが大量に増殖していましたが、ストレスがなくなりステロイドホルモンが放出されなくなり免疫が活性化して患者さんの中のヘルペスウイルスを殺そうと戦いが始まって再び以前と同じ症状が出始めたのです。

小学6年生の夏休みに入ると患者さんは食事中に何度もトイレに行くようになり、便器の底に血が溜まり真っ赤でした。患者さんは腹痛も熱もなく元気でしたが、近所の小児科を受診しましたが結果がわからず、近所の大学病院を紹介され受診し検査入院した結果、潰瘍性大腸炎と診断されました。

子供である患者さんが大腸内視鏡検査をするのはとても苦痛なことです。不味い下剤を2リットル飲まなくてはならず、腸内の中は炎症を起こしているので内視鏡が当たって痛かったはずです。しかも担当の医者から、今まで事故はないが一応書いてくださいと「検査中に腸が破れても責任を問いません」という不安を煽るような内容の承諾書を書かされ、不信感で一杯になったそうです。

診断後、アサコールを処方され入院されました。食事が朝食に添加物だらけの菓子パンに缶詰の果物と豆乳、昼食に山盛りの白ご飯に野菜のおかずが少しでした。母親は身体によくないと思い、せめて朝のパンを添加物の入っていない天然酵母のパンを持参するので変えてほしいと担当医にお願いしたところ、病院の食事に従って下さいの一点張りでより不信感が募りました。食事の固形の脂と植物油は1日40gまで、なるべく穀物からカロリーをとるように言われ、相撲取りじゃあるまいし白飯を毎食2杯、そんな食事を本当に続けないといけないのかと母親は絶望的な気持ちになられました。さらに一生アサコールなどの薬を飲まないといけないことが死刑宣告に感じられました。この日から母親は必死に仕事の後インターネットで毎晩情報を集めました。「潰瘍性大腸炎 漢方」で検索すると当院が出てきました。

退院間際に再度、内視鏡検査をされ、あまり炎症が治まっていませんでしたが自覚症状がひどくなかったため退院することができ、8月下旬に退院後、電車で2時間弱かけて当院を受診されました。

私は母親に子供さんにストレスをかけないようにご自分も反省してくださいと伝え、と同時に、患者さんには必ず治ると言って握手をしました。転勤族でいつ引っ越して環境が変わっても勉強を付いて行けるように勉強を常に無理やりさせていたのは、更に自分よりも子供を賢くさせようと勉強勉強と言い続けることをやめるようにお説教しました。

アサコールを止め、漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、お灸のやり方を鍼灸師から説明を受け自宅でもするように指示しました。患者さんは漢方煎じ薬を嫌がらず飲み、学校にも持って行き飲みました。漢方の入浴剤はのぼせるのが嫌で長時間入れませんが、お灸は気持ちいいからか嫌がらずに続けていました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、漢方の塗り薬2種類。

処方して1週間後、頬がおたふくのように赤く腫れましたが、これをヘルペス性浮腫というのですが熱はなく数日で治りました。症状が出れば患者さんは病気が悪化していると医者に教育されていますから間違った治療を受けていると思いがちですが実は隠れているヘルペスとの戦いが始まったいい兆候なのです。その後、出血は常にあり、便も3回~5回くらい固形状のものが出ていましたが特に問題なく生活されていました。食事はファーストフードなどの油っぽくないものは避け、それ以外のものはなんでも食べてもらいました。

ヘルペス性浮腫にはどんな病気があるでしょうか?まず一つ目はヘルペス性黄斑浮腫であり、二つ目はヘルペス性眼瞼炎による浮腫であり三つめはといわれる角膜実質のherpes角膜炎であり四つ目は糖尿病網膜症でみられるヘルペス性浮腫です。網膜の中心にある視力が一番強い黄斑部に液状の成分が溜まり、腫れている状態のことです。五つ目は唇やその周囲に小さな水ぶくれが出来る病気の口唇ヘルペスの水ぶくれもヘルペス性浮腫の一つですが黄斑浮腫は視野の中心が見づらくなるという特徴があり、「真ん中がかすんで見える」「人の顔や文字がゆがむ」などが黄斑浮腫の症状です。黄斑浮腫の治療にステロイドを用いると糖尿病性網膜症などで黄斑部の毛細血管がヘルペスで傷つけられると、血液中の水分が漏れ出して黄斑部にむくみが生じ、上記のような黄斑浮腫の症状が現れます。ステロイドを用いると徐々に黄斑部の視細胞にherpesが増えていき視細胞が傷み、最終的には不可逆的な視力障害を残してしまうのも神経は取り替えがきかないからです。黄斑浮腫の根本治療は抗ヘルペス剤を大量に投与するかステロイドを点滴で大量投与することです。

9月に入り、以前に通っていた大学病院で血液検査を行うと、便潜血がマイナスにならないからと言う理由で、白血球除去療法(LCAP)や、パルス療法(薬を服用する期間と服用しない期間を周期的に繰り返す治療法)や、更に患者さんが成長期だからステロイド治療はしないで欲しいと母親は伝えたにもかかわらず非常に強い免疫抑制剤のタクロリムスを勧めてきました。患者さんの母親はタクロリムスは治療に本当に必要なのか担当医に聞くと、潰瘍性大腸炎は何をしても治るわけはないのでと言われ子供である息子も大学病院で治りもしないのに色々苦しい治療をやられるのは強いストレスになると思い、大学病院に行くのをやめ私の漢方免疫療法と抗ヘルペス療法を続けました。

タクロリムスとはどんな薬でしょうか?タクロリムス (tacrolimus) は、23員環マクロライド・マクロラクタム構造を持つ免疫抑制剤で、臓器移植または骨髄移植を行った患者の拒絶反応を抑制する薬剤です。またアトピー性皮膚炎に対する塗布剤、関節リウマチ治療薬としても用いられるようになりましたが極めて。いずれも危険なハイリスク薬です類似の薬剤としてはシクロスポリン等があります。

10月、11月は症状が良くなったり悪くなったりの一進一退の状態でした。

12月、急に便の状態が悪くなり、7~8回とトイレの回数が増え、その後リバウンドが始まりました。トイレの後、腹痛が30分程度続き、うずくまり少し下着に便がつくようになりました。その後、1月頃になると少し腹痛が治まりましたが、学校が始まると微熱が出てきました。

2月も体調は悪く、自宅で寝ているだけの日々が続き、卒業前の小学校の修学旅行と卒業式以外は学校を休みました。それ以降、熱も出ず、便も食べたものによるのか固形状かフワフワと様々で、出血も底に溜まるほどではなかったのですが止まることがなく、便に混じったような状態が続きました。

4月、中学生になり、緊張によるストレスのためか学校にいる時は便の回数が減っていました。中学に入ってすぐの旅行にも行けました。しかし、常に症状が良くなったり悪くなったりと一進一退で日常を過ごされました。

秋になると排便後に腹痛でうずくまり、学校に遅刻するようになり、そのまま1日休むことが増えました。午後には患者さんは元気なようでしたが学校には行かず、家で読書したり、夕方には塾に行っていました。

夏になるとアトピーが酷くなり、外に行くと他人から二度見されるくらいに顔の皮が剥け血だらけの酷い状態になりました。潰瘍性大腸炎の原因は化学物質をIgG抗体で戦い同時にヘルペスとの戦いをやっているのですからIgG抗体がアトピーのIgEに変わったので喜んでくださいと伝えました。アトピー性皮膚炎に対して当院で漢方の塗り薬2種類を処方し、痒い時に塗るように指示し毎日痒い所に塗ってもらいました。

暑い時期がすぎるとアトピーの症状が出なくなりました。中学2年生の生活はこのまま家と週2回の塾の生活を過ごしました。

中学3年生になり、急に学校に通えるようになりました。私もそんな状態で高等学校の入学試験に通るのか心配しましたが、学校でも自宅でも体調を崩す事もなくなり、部活も行けるようになり友人と遊べるようにまで回復しました。受験勉強で、あまりストレスをかけないようにし、ヘルペスウイルスを増えすぎないように抗ヘルペス剤を服用し、漢方煎じ薬をのみつづけることによってどんどんよくなり高等学校にも合格しました。完治したので高校在学半ばに私の治療も終了しました。現在は東京の大学で何の問題もなく勉学を楽しく続けています。

症例報告9例目

症例:潰瘍性大腸炎

大学入試で溜まったストレスがなくなり、潰瘍性大腸炎の症状が発症してしまいましたが、約1年かけて治療され完治されました。現在は社会人として活躍されています

患者:当時21歳、男性、学生

2012年3月、患者さんが一浪して超有名国立大学に合格された数日後に下痢を起こしました。しかし、元々お腹が弱く、また生活に支障をきたすようなものではなかったため、すぐに治まると思い放置されました。

下痢が起こってしまったのは、免疫が化学物質とヘルペスウイルスをIgGで殺そうと大腸で戦ったからです。今までの大学入試の勉強によるストレスに対抗するためにまず視床下部から脳下垂体へさらに脳下垂体から副腎皮質から命令が出されステロイドホルモンが過剰放出され続けられる、免疫の機能が抑制されると必ずすべての患者さんに感染しているヘルペスウイルスが増殖します。そして難関国立大学に合格し、ストレスから解放されステロイドホルモンが出す必要がなくなると、ステロイドで抑制されていた免疫が活性化しIgMやIgGを作り出し免疫の働きが上がります。しかし、長い間ステロイドホルモンの影響でAID遺伝子の働きが抑え込まれてIgGやIgMへのクラススイッチができないのみならず IgGやIgMからIgEにもクラススイッチできず、ストレスがなくなるとAID遺伝子の働きが回復すると、herpesのみならず体に入りこんだ化学物質にまでIgGで攻撃を加えてしまい、化学物質とヘルペスウイルスと免疫の戦いが大腸で繰り広げられているために、大腸に炎症が出てきたのです。

AID遺伝子とは何でしょう?英語でActivation-Induced Cytidine Deaminaseといい日本語で活性化誘導シチジンデアミナーゼと訳し英語の略字で、AIDとなります。AIDの働きは免疫グロブリンのクラススイッチと体細胞高頻度突然変異に中心的な役割を果たす酵素です。IgMはB細胞が骨髄で生まれた時から一次抗体多様性を持っており私たちの体は、このIgMは細菌やウイルス等の病原体から身を守るための、適応免疫の初期の免疫システムの機能を持っています。この初期の適応免疫のIgM免疫システムにおいて、IgMは病原体や異物(抗原)の刺激により生体内に作られ、抗原と特異的に結合するタンパク質がIgM抗体でありヘルパーTリンパ球の手助けを借りずに作られるのでIgG抗体と比べてやや原始的かつ一次的な抗体と言えます。私たちの体には、抗原による刺激やヘルパーTリンパ球のヘルプなしに、すでに1012種類以上(一兆個以上)のさまざまなIgM抗体がBリンパ球の膜にすでに備わっており、ほぼどんな抗原に対しても対応できるようになっています。AIDは現在、IgMがIgG抗体などの二次抗体に多様化する時に極めて大切な役割を持っていることがわかっています。

2012年5月、腹痛でトイレに行く回数が1日で5~6回に増え、血便が出るようになりました。段々と腹痛もひどくなり、血の量も多くなりました。さらに悪化し、授業中や部活中にトイレに行くことも多くなりましたが、周りの人に心配をかけたくなかったため誰にも相談せず、病院にも受診しませんでした。

徐々に悪化していき、夏休みを明けると遅刻や欠席も多くなり、特に体調が悪い日は1日に10回ほどトイレに行き、便もほとんど血であったこともあり、1日中家で寝ていられました。

2013年4月、大学の診療所で受診し、下痢で腸内細菌が流れてしまったからお腹の調子が悪いという診断され、ビオフェルミンなどの薬をもらい、食事も健康的なものを食べるようにしました。しかし、5日ほど経っても以降に良くならなかったため、自宅近くの診療所を受診すると、そこで初めて潰瘍性大腸炎の疑いと診断されました。詳しい検査を行うため血液検査と便培養と内視鏡検査を行い、次回の診察で結果を聞くことになりましたが、部活へ行く途中で倒れてしまい、大学病院に搬送されてしまいました。

処方:ビオフェルミン。

倒れた原因は貧血によるものでしたが、搬送された超有名国立大学病院で患者さんの症状は、炎症性腸疾患(IBD)により腸管からの出血が激しくなっている可能性があるため検査入院をすることになりました。そして胃と大腸の内視鏡検査を行った結果、大腸が激しく傷ついた全大腸型の潰瘍性大腸炎であり、ヘルペスウイルスの仲間の一つであるサイトメガロウイルスに感染していることがわかりました。やはり超有名国立大学病院ですからヘルペスウイルスが、炎症性腸疾患(IBD)の原因であることを知っていたのだと思うと頼もしい限りですね。その後、ご家族も呼び出され、一生治らない病気だと説明を受けられました。患者さんは当時、一生治らない病気にかかったという実感が湧かず、病院で治療を受ければすぐに復帰できると思っていました。

ペンタサの服用から始まり、絶食をしつつ様子を見ることになりました。一週間後、トイレに行く回数が10回から5回に減り、体調が良くなったため食事を再開しました。ちなみに食事は重湯やゼリーを食べられました。

処方:ペンタサ。

 しかし、食事を初めて次の日にひどく気分が悪くなり、トイレに行く回数も1日20回以上と急激に増え、全く動けなく状態になってしまいました。CRPや白血球の値も異常に高値でした。これはペンタサにより免疫を抑制され症状が良くなったように見えますが、化学物質とヘルペスウイルスとIgGの戦いが一時的に休戦されただけで、ペンタサの効き目が切れた後は増え続けていた化学物質や様々な種類のヘルペスウイルスとIgGの戦いがさらに激しくなり腸の炎症がさらに悪化したのです。

しかし、患者さんが入院していた高名な大学病院の先生は、急に食事を始めて腸が刺激されたと考え、また絶食に戻し薬もペンタサからアサコールに変え様子を見ることになりましたが、変化は見られなかったため、例の血球除去療法を行いました。週2回で全部で10回ほど腎臓内科で行われました。強大な針を刺しながら1時間ほど動けないというのは相当な苦痛です。さらに食事が取れないので心臓の近くまでカテーテルを通して高カロリーな栄養をとる中心静脈栄養(Intravenous Hyperalimentationa、略してIVH)と血球除去療法を行いました。しかし、突然CRPが高値となったため、血球除去療法は2回で中断し、レミケードによる治療を勧められました。

中心静脈栄養(Intravenous Hyperalimentationa)とは何でしょうか?中心静脈栄養とは高カロリー輸液とも呼ばれ、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与することで、エネルギーをはじめ、からだに必要な栄養素を補給することができます。栄養状態の悪い患者さんや、長期間(1週間以上)経口摂取ができない患者さんに用いられます。通常はすべての栄養素である、糖質、アミノ酸、脂質、電解質(Na, K, Cl, Mg, Ca, P)、微量元素およびビタミンの1日必要量を中心静脈から24時間かけて投与します。

上の図で示されているように投与ルートとなるカテーテルは、鎖骨下静脈から挿入し、先端部を上大静脈(中心静脈)に留置します。上大静脈は心臓に近い太い血管で体の中心にあるので、中心静脈とも呼ばれ、血液量が多くて血流も速いため、糖濃度の高い輸液も投与できます。鎖骨下静脈は血管が比較的太く、カテーテルの血管内走行距離も短いので、血栓の形成が少なくなります。

血球除去療法とは何でしょうか?血液中の白血球などを吸着して除去する治療法で白血球除去療法とも言われます。ビーズによる顆粒球吸着療法とフィルターによる方法(LCAP:エルキャップ)の2種類があり、潰瘍性大腸炎の治療に用いられています。顆粒球吸着療法はクローン病に対しても効果が認められています。治療中に副作用と思われる症状である発熱、頭痛、めまい、飛蚊症様眼症状、立ちくらみ、疼痛、気分不良、 動悸、顔面発赤、嘔気、鼻閉、皮疹などが現われた場合には、この療法は中止になります。その他、取り出した体外循環中に用いる抗凝固剤に対してアレルギー(発 疹・痒みなど)やアナフィラキシー様症状(血圧低下・呼吸困難など)がみられる場合もあります。

処方:アサコール。

治療:血球除去療法。

 レミケードは、マウス由来のたんぱく質とヒト由来のたんぱく質をバイオテクノロジーによって結合させることにより生成される薬剤であり、炎症サイトカインのTNFαの働きを抑えることで炎症を抑えます。

 TNFαは、潰瘍性大腸炎に限らず、クローン病や関節性リウマチ、乾癬の時にも増加しているので、それらの膠原病の時にも使う治療薬であるそうです。しかし、副作用として、アレルギー反応や結核などの感染症が心配されるので、事前にアレルギー予防のためにステロイドを点滴したり、ツベルクリン反応の検査を行ったりします。

レミケードも一瞬だけ痛みから解放されるだけで薬の効き目が切れると抑制されていた免疫が活性化し、増えすぎたヘルペスウイルスと化学物質を殺そうと再び戦い始めるのでさらにひどい炎症が再び出てきます。そしてまたステロイドや免疫抑制剤を使い免疫を抑えて一瞬炎症が止まり、また炎症をぶり返すを死ぬまで繰り返されるのです。こんな恐ろしいレミケードを世界中で125万人が使い免疫を抑えられ、医者や製薬メーカーにより病気が作られているのです。しかし、患者さんも含めその真実を誰も知らないのが残念でなりません。

患者さんは5月後半に一回目のレミケードの点滴治療を行いました。レミケードの副作用によりアレルギー反応や結核などの感染症が起こるということでステロイドの点滴を事前に投与し、心電図をとりながらレミケードの点滴を2時間かけて行われました。点滴中はレミケードの点滴だけでなく栄養剤の点滴と心電図の管で身動きも取れず辛く苦痛なものです。点滴が終わると免疫が抑制されているので症状が止まり快調に過ごせましたが、次の日にはCRPは下がっていたもののお腹が鳴り、痛みや出血が戻っていました。

6月に入り、もう一度レミケードの点滴をし、治療の効果を確かめるために内視鏡検査を実施されました。検査結果、出血はあり、白く腫れている部分も多くあり、以前よりも悪化しているように患者さんには見えたようです。医者によるとレミケードにより前よりも良くなっていること、白く腫れている部分に関してはクロストリジウムディフィシル(腸内で日和見感染を起こす細菌)による偽膜性腸炎の疑いがあるということでした。また、生検で、サイトメガロウイルス感染はなくなっていることもわかりました。レミケードの治療と並行して、抗ウイルス剤も点滴していたためです。そして、その後の血液検査でも良好であったので、食事を再開することになりました。しかし、いざ食べてみると、トイレに行く回数は増え、気分も悪くなり、2日ほど動けなくなりました。

患者さんは、大学病院で入院しているうちに入院する前よりも悪化している、担当医にどのくらいで治るのか聞いても個人差があると有耶無耶にされ続け、常々不安が積み重なっていました。そしてレミケードの点滴後に食事を再開し症状が悪化したのをきっかけに、以前から当院を知っていたため「このまま病院にいても治らない、松本医院しかない」と思い、苦しみながらも当院がホームページに掲載している論文や手記を読み、入院している病院から外出許可を取った後、両親と患者さんは当院へ受診されました。

患者さんに自分の病気は自分自身の免疫でしか病気を治せない、病気は免疫を落とさない限り自分で必ず治せると言い強い握手をしました。漢方煎じ薬の煎じ方と鍼灸師により鍼灸のやり方を説明し、何かあればすぐ当院へ連絡するように伝えました。

患者さんは帰宅後、大学病院から出された薬は飲まず、当院で処方した漢方煎じ薬を煎じ、と今まで水のような便が固まるようになり、お腹が鳴らなくなりました。

なぜフラジールを飲んでもらったのでしょうか?

腸管に住んでいる偏性嫌気性菌であるウェルシュ菌を殺すためです。

処方:漢方煎じ薬、ベルクスロン(抗ヘルペス剤)、フラジール(抗生物質)。

大学病院で治療を続けるよりも自宅で療養した方がいいと確信し、大学病院の先生と話し合って退院されました。その時大学病院の先生に退院を止められたようですが、漢方は免疫を上げることによって化学物質や細菌やウイルスなどの異物の排出を促し炎症を取り除きますが、現代医学では免疫を抑えて異物の排出を阻害するので、見かけは治ったように見えるが、実は症状が止まっただけで、すぐに免疫は回復して症状が出てくるのでいつまでも病気が治らないのだという私の理論を開陳して関西では最も高名な病院の先生を説き伏せて堂堂と退院したのです。しかも彼はその大学の新入生であったのです。すごく素晴らしい患者さんだと思いません!!!!

6月末に退院し、患者さんの体重が50㎏くらいしかなく、下痢も1日10回は続いていたので、下宿には戻らず、ご実家で療養されていました。2日後、下痢の回数が増え、胃が痛くなって気分が悪くなり始めました。トイレに行くのと食事のためにテーブルに着く以外では動くこともなく、ずっと苦しみ寝込んでいました。これも入院生活で抱え込んでいたストレスから一気に抜けた結果として起こったものなのです。

病院での生活でステロイドホルモンが出て免疫が抑制されていましたが、退院して急にステロイドホルモンが出なくなったのでその反動として免疫が上がり、腹痛と吐き気が同時に起こりました。食べることもできなくなり、漢方も十分に飲めず体重が46㎏まで減少してしまいました。あまりの苦痛でもう一度大学病院に戻ってしまうか、このまま腹痛と吐き気が続くのであればいっそ死んでしまおうかと本気で考えていました。しかし、死ぬに死ねないのでもう少し生きてみようと考え、漢方を飲み始めると吐き気が治まり、食事ができるようになりました。すると腹痛も治まり、今までトイレに行くか食事をするか以外では動けなかったのが、読書をし、体を動かして運動できるようになり、9月初め頃には便の回数も1日10回から5~6回に減り、下痢から便が塊のようなものが出てきました。

9月半ば頃に松本医院に来られ、以前来た時よりも元気になったようでした。改めて必ず治ると言って患者さんと握手をし、大学の下宿先に戻れるのか相談されたので、患者さんは極めて賢いお方なので患者さんが大丈夫だと自分で判断できればら戻ってもいいと伝え、次の日には患者さんは下宿先に戻ったようです。

何故私はこんな大切な判断を彼に任せたのでしょうか?自己免疫疾患で死ぬ患者さんは誰もいないという確信があったからです。だってこの世にない病気で死ぬわけは絶対ないからです。

何度も述べましたが、ヘルペスを増殖させないようにステロイドホルモンを出さないようにするためには、①頑張り過ぎず、あきらめること、②他人のエゴを受け入れること、③自己中心的な欲望を捨てること、④他人の幸せを喜ぶことの4つを行い、自分のステロイドホルモンを出し過ぎないようにすることです。以前の病院で大量のステロイド剤を投与したので完治には時間がかかりますが、悲観的にならず日々を楽しく過ごしていくことが完治に近くづくのです。

下宿に戻って2週間ほどで授業が始まり、復活できたことの喜びと、これからの学校生活への希望が再び湧き上がってきました。初めのうちは普通に授業を受けられていましたが、学校生活で色々なストレスが出てくると、すぐに腹痛が起こり、学校を休んでは登校を繰り返しました。そう、ストレスがherpesを増やし自分で病気を作っているのです。

1ヶ月後、突然身体がかゆくなり、体の各所に蕁麻疹が出てきました。蕁麻疹もアレルギーの一つですからIgGがIgEにクラススイッチして、化学物質を排除しようとアトピー性皮膚炎が出てきたのです。その蕁麻疹は全身に渡って出ているものから身体のごく一部にしか出ないものまで様々でした。便の回数も1日3~4回と減り、腹痛は時々起こるものの普通の生活を送れるようになりました。

患者さんが潰瘍性大腸炎になったのは、一浪して超難関大学の難関学部にどうしても合格したいために頑張りすぎたため、合格するまでのストレスによりステロイドホルモンを大量放出され免疫が抑制されている間にヘルペスウイルスは増殖し続けます。無事大学へ入学できるとストレスがなくなりステロイドホルモンが出なくなると抑制されていた免疫が活性化し増えすぎた化学物質とヘルペスウイルスを殺そうと大腸で戦いが起こることによって大腸に炎症が起こってしまったのです。ステロイドホルモンを出さないようにするためには、①頑張り過ぎず、あきらめること、②自己中心的な欲望を捨てること、③他人の幸せを喜ぶことの3つを心持ち、ステロイドホルモンを出し過ぎないようにすることです。頑張り過ぎない事と周りの人への感謝を忘れずに日々楽しく過ごすことが大切です。

最後に素晴らし後日談を書き添えておきましょう。世界中の医者が絶対死ぬまで治らないと口をそろえていい続ける潰瘍性大腸炎を治してあげた患者さんのお母さんも絶対治らないといわれ続けてきたものすごくひどいアトピーで長い間悩んでおられました。そのお母さんも息子の病気が治っていくのを毎日毎日見て来たので自分のアトピーも絶対に免疫寛容で治ると確信をもって受診されaました。勿論完治させてあげました。アトピーの症例報告で詳しく提示しましょう。

症例報告10例目

症例:潰瘍性大腸炎

治ることはないと思い込んでおられましたが、当院を見つけその考え方が変わりました。

患者:当時35歳、男性

高校時代から血便があり、そのまま放置して2005年に腹痛、下痢、血便、微熱などの症状が強くなり近所の病院へ受診されました。すぐに内視鏡権をし、そのまま入院され、潰瘍性大腸炎と診断され、医者の言われるまま保健所へ特定疾患の申請を行いました。

入院中に潰瘍性大腸炎について色々調べながら、点滴と絶食、サラゾピリンの投与が行われました。しかし薬疹が出たためサラゾピリンからペンタサへ変更し、ステロイドを投与されました。患者さん自身は飲みたくなかったのですが、早く退院したいと思い、飲み続けてしまいました。それから少しずつ症状が減っていき、入院から40日後に退院されました。

治療:点滴、絶食。

処方:サラゾピリン、ペンタサ、ステロイド。

退院後、ステロイドとペンタサを継続して飲み続け、たまに注腸をし、暖解期と活動期を繰り返していたために免疫抑制剤も投与されました。その後一進一退病気の適当に薬を飲んだり飲まなかったりしながら大事に至らずにやり過ごされていました。

結婚して患者さんは2人目の子供が欲しかったため、潰瘍性大腸炎に詳しい医者がいるという病院へ受診し、すぐに免疫抑制剤を止め、約2年かけて少しずつステロイドも減らしていきました。その後、ペンタサのみとなり、通常の生活を過ごせるようになります。しかし、季節の変わり目(特に春)に症状が悪化することが多く、前年は楽に過ごせても次の年は症状がきつくなるを繰り返していました。

処方:ペンタサ。

2017年6月3日、奥さんの知人の紹介で当院のことを知り、ホームページや手記を調べ、すぐに当院へ奥さん同伴で受診されました。当時、下痢、血便、アレルギーの咳などが出て絶不調でした。血液検査と鍼灸を受けていただき、漢方煎じ薬と抗生物質と抗ヘルペス剤を処方し、ペンタサの服用を止めるように指示しました。

処方:漢方煎じ薬(断痢湯、芎帰膠艾湯)、フラジール、ビオフェルミン、アシクロビル1日16錠。

6月10日(初受診から1週間後)、腹痛はあるものの出血がなくなり、トイレの回数も少し減ってきました。しかし、首と頭の痛みが出始めたため、漢方煎じ薬を変え、経過を見ることにしました。

処方:漢方煎じ薬(断痢湯、治打撲一方、神秘湯)、フラジール、ビオフェルミン、アシクロビル1日16錠。

6月24日(2回目の診察から2週間後)以降から7月下旬まで、腹痛、首痛、背中と腰の痛み、腕に少しの湿疹、吐き気、頭痛、立ち眩みがひどく、食欲も低下し疲れやすくなる症状が1ヶ月くらい続きました。お腹の調子は良くなってきたため、下痢の漢方煎じ薬と抗生物質を減らし、抗ヘルペス剤を増やして様子を見てみました。

以下、日付ごとの処方内容を示します。

6月24日  漢方煎じ薬(断痢湯、治打撲一方、神秘湯)、フラジール、ビオフェルミン、アシクロビル1日16錠。

7月8日   漢方煎じ薬(断痢湯、治打撲一方、神秘湯)、フラジール、ビオフェルミン、アシクロビル1日20錠。

7月22日 漢方煎じ薬(治打撲一方)、アシクロビル1日24錠。

8月5日、首痛が少し残り、すぐ眠くなってしまう以外は体調が良く、普通の生活を送れるようになりました。

処方:漢方煎じ薬(治打撲一方)、アシクロビル1日20錠。

8月18日、疲れや眠たくなるのはまだありますが、全体的に体調が楽になりました。

血液検査

実施日 2017/6 2017/7 2017/8 2017/9
CRP(㎎/dL) 0.34 0.05 0.05 0.05
血沈(㎜/h) 20 10 5 5
好中球(個/μL) 3811 3180 2401 3352
リンパ球
(個/μL)
2827 2342 2571 2310
総蛋白(g/dL) 7.4 7.6 7.6 7.7
総コレステロール(㎎/dL) 210 217 265 248
ヘモグロビン
(g/dL)
14.3 15 15.2 15
血清鉄(μg/dL) 86 110 84 75
血小板(μg/dL) 31.4 25.7 24.6 27.8
HSV(抗体指数) 2.1   2.2  
VZV(抗体指数) 25.8 28.2 27 27.1
EBV抗VCA
(抗体指数)
6.8 7.7    

この患者さんの検査データを上の表にまとめておきましたが、最後に残る敵はherpesなのです。特に、ほとんどの人に感染している帯状疱疹ヘルペスが永遠にあらゆる見えない病気の原因になり続けるのです。

最後に潰瘍性大腸炎の症状も消え普通の生活もできるようになって完治したのですがこの方が再び強いストレスに長期にさらされ続けると潰瘍性大腸炎が再発することもあり得るのです。

症例報告11例目

症例:潰瘍性大腸炎

16年間西洋医療を続けられ、免疫抑制剤を勧められ、抵抗を感じ松本漢方クリニックを

受診されました。

患者:当時43歳、男性、会社員

1997年、当時大学院2回生だった患者さんは、毎日夜遅くまで研究に励み、心身ともに疲れとストレスが溜まっていたと思われます。そして同年12月頃、下痢によりトイレに行く回数が増え、1998年1月頃には血便が見られるようになり、腹痛も起こすようにトイレに行く回数がますます増えました。トイレに行くも便が少量の場合や血だけ出る場合もありました。症状が日に日にひどくなり15~30分に1回トイレに行くようになり、食欲もなくなってきました。

1998年2月、近所の病院へ行き、潰瘍性大腸炎と診断され、状態が悪かったためそのまま入院となりました。入院中の治療はサラゾピリン1日6錠を服用し、食事は低残滓食(全てのものを微塵切りにしたもの)で美味しいものではないのでますます食欲がなくなり食事をしなくなったため、エレンタール(栄養食飲料)を1日6缶に変えました。しかし、エレンタールも飲まなくなり、食事を全く摂らなくなりましたが修士論文発表と就職があったことと1ヶ月ほどで症状が治まったため退院できました。入院前までは63㎏あった体重が入院中には59㎏、退院後には50㎏まで減少してしまいました。

治療:低残滓食→エレンタール1日6缶。

エレンタールとは何でしょう?潰瘍性大腸炎やクローン病では,腸が炎症をおこししているため食べ物を吸収できません。そこで栄養物を液体や粉にして摂取できるようにしたものがエレンタールです。エレンタールの主成分はデキストリンです。デキストリン (dextrin)は、糊精と呼ばれ は、デンプンまたはグリコーゲン の加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称で多糖類です。糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素がすべて含まれている完全な食事であります。

処方:サラゾピリン1日6錠。

1998年4月、退院後はサラゾピリン1日6錠の服用を続けていました。新人研修の1ヶ月間は症状が安定し、5月から配属先で勤務することになりました。入社後は会社が非常に忙しく、体調を崩したりし少し安定したりを繰り返しました。

2001年11月、転勤となり転院することになるも以前と同じサラゾピリンの服用が続きました。

2005年7月、症状が急激に悪くなり入院することになりました。血便が出て30分に1回トイレに行くようになりました。治療にサラゾピリン1日8錠とプレドニン1日2錠を服用し、2週間で状態が寛解し退院となりました。ステロイドは患者さん希望で減量しながら、服用を止めました。退院後、会社に労働環境を多少変えてもらうも体調が悪くなったり少し安定したりを繰り返しました。

処方:サラゾピリン1日8錠、プレドニン1日2錠。

2008年11月、体調を崩したり少し安定したりを繰り返しているので、かかりつけの医者から白血球除去療法(LCAP)を勧められ、寛解すると思い白血球除去療法(LCAP)を5回1セットで受けました。LCAP療法とは、血液を一度、体の外へ出し白血球を除去するフィルターを用いて炎症にかかわる細胞を取り除き、浄化された血液を体に戻し免疫の活力を弱めて、腸の炎症を抑える療法です。白血球除去療法(LCAP)を受け、一時的に容態は寛解するもののやはり体調を崩したり少し安定したりを繰り返しました。

治療:白血球除去療法(LCAP)5回1セット。

2011年より、サラゾピリンからアサコールに薬を変え、少し状態が良くなりまたがやはり体調を崩したり少し安定したりを繰り返します。状態が悪化した時はペンタサ注腸やリンデロン座薬を処方されました。

処方:アサコール、ペンタサ注腸、リンデロン座薬。

リンデロン座薬とは何でしょうか?合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の肛門に入れる座薬で肛門の粘膜から吸収されやすくで、強い抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用を持っています。

数年後、医者より体調が寛解安定しないので免役調整薬や免疫抑制剤を勧められ、患者さんは免疫を抑えつけて他の病気にかかってしまうかもわからない、おかしいと思い、受診後、奥さんと一緒に色々調べるようになり、当院を見つけられました。患者さんと奥さんは当院のホームページを熟読し、2014年9月、当院を受診されました。遠方のため、来られないときには電話にて診察を行い、患者さんのご自宅にお薬を郵送していました。来院された時は必ず血液検査をし、何かあればすぐに連絡するようにして治療を行いました。

処方:漢方煎じ薬、漢方入浴剤、抗ヘルペス剤。

当院で処方した漢方煎じ薬を奥さんに煎じてもらってから服用し、漢方入浴剤を長く浸かってもらって、血行を良くするためにお灸などをしてもらうように指示しました。食事はファーストフード以外のものであれば何でも食べても良いと説明しましたが、患者さん判断により添加物が入っていない、免疫に良い食材を良く選ぶようにされていました。

1ヶ月ぐらいするとリバンドが出始め下痢が悪化し、1日20回以上トイレに行く日々が1ヶ月ほど続きましたが、食欲もあり体調も良かったようです。1ヶ月ほど経つと相変わらず下痢ではあったものの、次第にトイレに行く回数も減ってきました。CRPの値がだんだん良くなりCRPの値0.2を示すまでになりました。トイレに行く回数も1日に3~5回となり便も軟便になる日もあり快調に向かいました。その後どんどん快方に向かい完治となり治療も終了となりました。

この患者さんはUC(ulcerative colitis潰瘍性大腸炎)の病気の経過が長かった割には予想以上に早く治った症例です。この世には一生治らない自己免疫疾患などは存在しないからこそ患者さん自身の免疫で治す手伝いしただけで治ったにすぎないのです。私が治したのではいことを十分に理解してくださいね。


免疫のリバンド(再燃)とは何でしょうか?一言で答えると製薬メーカーが作る薬はすべて免疫を抑えて症状を楽にするだけですから楽になったから薬をやめてしまうと免疫の戦いが始まり症状が再現することをリバウンドと言い日本語で再燃と訳します。

アトピー性皮膚炎を例に、リバウンドを考えてみましょう。

アトピー性皮膚炎は、体内で分解できない化学物質、たとえば農薬や食品添加物、薬などの化学物質を皮膚から排出しようとする際に起こる、皮膚の炎症やかゆみが症状として現われます。

体内に取り込まれた化学物質は、元来蛋白(ペプチド)が含まれていないのでそれ自体が免疫に抗原(アレルゲン)と認識されるわけではありません。化学物質がハプテンになりペプチドがキャリアー蛋白となり結びついてと結合して始めてアレルゲン抗原となり、はじめて免疫に抗原と認識され、免疫機能が働きアレルギー症状が出るのです。

細菌やウイルスのような元々蛋白を持っている敵には、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がIgG抗体をつくって、細菌やウイルスを殺します。ところが、たんぱくと結びついた化学物質は、細菌やウイルスのように増殖しません。そのため、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がIgE抗体をつくって、殺せない化学物質を皮膚から排泄しようとします。

なぜかゆみが出てくるのでしょうか?さらにどのようにして化学物質を皮膚から排除できるのでしょうか?この二つの疑問にお答えしましょう。まず一番目のかゆみの出るメカニズムついて説明しましょう。

IgE抗体は、ヒスタミンを作り出す肥満細胞と結合するレセプター(受容体)を持っています。ヒスタミンは、かゆみを起こす物質です。IgE抗体は、組織に大量にある肥満細胞と結びつきます。すると、かゆみを起こすヒスタミンが肥満細胞から放出されるのです。それではヒスタミンとは何でしょうか?

ここでステロイドを使うと、免疫を抑制することによって、IgE抗体がつくられなくなります。その結果、肥満細胞とIgEとが結びつかなくなりヒスタミンも肥満細胞から放出されなくなりかゆみもなくなるのです。化学物質を皮膚から排出する働きが止まり、肌はきれいになって、ヒスタミンによるかゆみもすぐにおさまります。皮膚の炎症とかゆみという症状は、ぴたりとおさまるのです。

ステロイドによって、表面の症状はおさえられていますが、本来排出すべき体内の化学物質は蓄積したままで、排せつできないうえに毎日毎日新たなる化学物質が飲食物や空気からら体内に取り込まれますのでさらに体内のアレルゲンが増えていく状態になります。それに加えて症状がおさまるからといって、アトピーでステロイドを使い続けると、皮膚の細胞にステロイドが入り込み本来正常な皮膚の細胞が変性し、ステロイド性皮膚炎となっていきます。肌が薄くなってきたり、黒くなってきたりするのです。どのようにして皮膚が黒くなったり赤くなってしまうのでしょうか?ステロイド性皮膚炎は生じるのでしょうか?などのいくつかの問いに対する答えは12例目の症例報告の最後に詳しく書きます。

リウマチもIBDも同じ自己免疫疾患とされていますからリウマチの完治させる途上でクラススウィッチを免疫が行い治るのでリウマチについても簡単に触れておきましょう。

リウマチは、関節の滑膜細胞の結合組織(膠原線維)にたまった、たんぱくと結びついた化学物質を攻撃するという、正常な免疫の働きによって起こります。

アトピー性皮膚炎と違うのは、ヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞が、本来はIgE抗体をつくって体内の化学物質を排出すべきなのに、IgG抗体をつくってしまい、関節内のたんぱくと結びついた化学物質を攻撃することです。

ただし、免疫が、間違って働いているわけではありません。細菌やウイルスの増殖を防ぐのが、免疫の緊急の役割です。まずIgG抗体をつくって、細菌やウイルスの侵入を防ぐ必要があります。細菌やウイルスとの戦いに敗北すると、死に至る場合もあります。たんぱくと結びついた化学物質が、細菌やウイルスのように増殖することがないとわかって、はじめてIgE抗体をつくるようになります。

この免疫反応が関節内で起こるため、関節に痛みや腫れが生じます。西洋医学では、リウマチを自己免疫疾患ととらえ、免疫を抑制する薬を処方します。免疫を抑制する薬によって、痛みや腫れはおさまってきます。

しかし、抗リウマチ薬やステロイドは、免疫をおさえて症状を止めているだけです。薬をやめれば、免疫の働きが正常化し、関節内での免疫反応が再び始まります。
 
免疫を抑制する薬を使わずに、免疫を高める治療をしていけば、やがてヘルパーT細胞の指令を受けたB細胞がつくる抗体が、IgG抗体からIgE抗体に変わっていきます。この現象を、抗体のクラススイッチといいます。抗体にはIgM、IgG、IgA、IgE、IgDの5種類があります。

免疫を高めるリウマチの治療を続けているうちに、抗体のクラススイッチが起こってIgE抗体がつくられ、関節の痛みや腫れがひいてきて、かゆみに変わってきます。リウマチから、アトピー性皮膚炎に変わってくるわけです。

ただし、クラススイッチが起こるためには、Thが、B細胞に対してIgG抗体の産生を止めさえかつIgE抗体作らせる指令を出すことが必要になります。抗リウマチ薬やステロイドなどの免疫を抑制する薬を使っているとヘルパーT細胞の働きも低下するので、いつまでたってもB細胞に対してIgG抗体の産生の中止指令を出せません。そのため、IgG抗体による免疫反応が関節内で起こり続けるのです。

ThというヘルパーT細胞によるIgG抗体の産生中止の指令をB細胞が受け取り、さらにクラススイッチが起こると、B細胞がIgE抗体の産生を行います。

こうして、アトピー性皮膚炎となって皮膚から化学物質を排出していくと、完治に向かっていきます。時間はかかりますが、生体の修復能力によって、変形した関節でさえも、徐々に正常化していきます。変形がひどいときには手術が必要になることもあります。

リウマチを自己免疫疾患ととらえて、免疫を抑制する治療を続ける限り、完治は望めません。それどころか、悪化させていくだけです。

免疫は常に、間違ったことはしません。アトピー性皮膚炎やリウマチに限らず、免疫を高めることのみが、唯一治癒に結びつくのです。

症例報告12例目

症例:潰瘍性大腸炎、クローン病

9年間に渡りステロイドを合計72,000㎎も使用し、完全にステロイドから解放された潰瘍性大腸炎のちにクローン病になった患者さんです。

患者:当時42歳、男性

クローン病と潰瘍性大腸炎違いは何でしようか?いずれも自己免疫疾患とされている病気ですから二つとも同じ原因である化学物質とヘルペスです。クローン病のほうが潰瘍性大腸炎よりも症状は重篤です。言い換えるとクローン病のほうがはるかに化学物質とヘルペスとの戦いが激しくなっているといえます。

1999年、当時、患者さんはご両親と共に家業を手伝っていましたが、仕事上の人間関係をうまく築くことが出来ず、将来親の仕事の跡を継いだとしても上手く営んで行けないのではないかと思いつつ、何をすれば良いのかわからないまま気ばかりが焦っていました。そのうち、仕事を終えると車で高速道路で田舎から遠い都会まで出掛けては深夜未明、時には朝方まで遊び回る不規則な生活を繰り返しました。そんな生活を続けていたある日、腹痛と下痢が数ヶ月続くようになりました。日が経つにつれて腹痛も強くなり、トイレの回数も多くなっていき、便器が血で真っ赤になった時に初めて胃腸科のクリニックに受診しました。

なぜこの患者さんはステロイドをだれにも投与されたこともないのにこのような潰瘍性大腸炎のような自己免疫疾患になってしまったのでしょうか?このような症状が出てしまったのは、将来、家業を継いで上手く経営できるか不安に思うストレスとめちゃくちゃな不規則な生活の中で、ストレスに対抗しようと患者さんの副腎皮質からステロイドホルモンを出し続け免疫を抑えてしまい、遺伝子の働きを変えてIgGやIgMからIgEへクラススイッチができなくなり、と同時に免疫を押さえている間にヘルペスウィルスを増やしてしまっていました。ところが人間自身が作れる副腎皮質ホルモンの最大量は決まっており最後はストレスのほうがステロイドホルモンより大きくなりすぎてステロイドホルモンが出せなくなり免疫を抑えることができなくなってしまったのです。するとどうなるでしょうか?うれしいことに(?)自分の免疫が回復して腸管で化学物質とヘルペスとの戦いが始まりだしたのです。自分で自分の腸を傷つけて症状が起こってしまったのです。すべての自己免疫疾患は以上に述べたメカニズムで患者さん自身が勝手に作り出した病気なのです。そもそも自分の人体を自分の過剰な免疫が訳も分からずに攻撃する病気は絶対に絶対にないのです。この世には原因がわからない病気は何一つないのです。

内視鏡検査を受け、潰瘍性大腸炎と診断されましたが、当時初めて聞いた病名であったため気軽に考えていたのと、医者からは「あまりこの病気を甘く見てはいけない」と言われたものの難病だと説明を受けていなかったため、患者さんは少し休めばすぐ治ると甘く考えていました。プレドニン1日2錠とサラゾピリン1日6錠を処方され服用していました。もちろん、ステロイドの知識もなかったので処方された薬を飲めば良くなると思い、素直に服用されていました。

しかし、なかなか良くならず、リンデロン座薬(ステロイド座薬)を使い始め少しの間は落ち着きましたが、次第に症状が悪化し、便の状態も水下痢になり出血することも多くなりました。物を食べるとすぐに便意を催し、トイレの回数も1日に10回以上になり、段々通っているクリニックに不信感を持ち始め、別の総合病院に行くことになりました。

処方:プレドニン1日2錠、サラゾピリン1日6錠、リンデロン座薬。

総合病院へ受診すると、即入院することになりました。この時、初めて潰瘍性大腸炎は厚生労働省指定の難病であることを説明されました。内視鏡検査を受けたところ、炎症は腸延滞に広がっており、とても酷い状態でした。入院した日から絶食をしながらステロイドの点滴を受けることになり、その治療が1ヶ月くらい続きました。ステロイドの点滴を使ったために下痢は少しずつ減り、便も固形状のものが出るようになりましたCを止め、プレドニゾロン1日6錠、ペンタサ1日6錠を服用するようになりました。しばらくすると出血も治まり退院されました。

処方:ステロイド点滴→プレドニゾロン5㎎1日6錠、ペンタサ1日6錠。

退院したから初めての診察日に担当医からステロイドは免疫を下げるから早く無くしたいと言われ、この時初めて患者さんはステロイドが免疫を下げる薬だと知り、免疫を下げてどうして病気が治るのか疑問に感じましたが、症状が治まっていたこともあり、難病だから多少のリスクは付き物だと勝手に解釈し、治れば飲まなくてなると思い、あまり気にせず飲んでいました。

しかし、1錠減らすと出血や下痢をしてしまい、1年間はステロイドを5~6錠を繰り返していました。2年目になると再熱をしなくなり、食事だけは気を付けていましたが普通の日常生活を送っていました。2年半でステロイドを4錠しか減らせませんでしたが、患者さんはこのままいけば順調に減らしていけると思っていました。

処方:プレドニゾロン5㎎1日6錠→1日4錠。

しかし、担当医が他の病院へ移動になり、別の医者に診てもらうことになり良くなればステロイドを減らし、悪くなればまたステロイドを増やすことを6年半も繰り返し使い続け、ステロイドの副作用により顔つきも変わってしまうほどステロイドを使ってきました。

患者さんのご自宅がインターネットのできる環境に整った際に、患者さんは潰瘍性大腸炎のことについて調べ始めましたが、もちろん現代医学ではどの治療法でも治すことができないどころか、ステロイドの恐ろしさを知り、何としてもステロイドを減らそうと担当医に相談しますが、強く反対されてしまい、患者さん判断でステロイドの量を体調に合わせて増減し、なんとか3錠まで減らすことができました。

処方:プレドニゾロン5㎎1日4錠→1日6錠→1日3錠。

しばらくすると、担当医から白血球除去療法を勧められましたが患者さんは治療をやっても意味がない事をすでに知っていたので断ると、「まぁ、この治療をやっても治る訳じゃないしね」と言われ、医者に対する失望と憤りを感じました。しかし、他に治療法がないので今まで通りにステロイドを服用し続けていました。積み重なってきたステロイドの副作用により、いつも体がだるく、顔は浮腫み、皮膚や血管も脆くなり、髪や爪なども数えきれないほど副作用が増え、顕著に現れるようになりました。些細なことにもイライラし、昼間はだるくて眠く、夜間になると頭が冴え、朝方まで眠れなくなりました。冬になると必ず風邪をひき、段々気が滅入るようになりました。

ステロイドを使い始めて8年が過ぎた頃、足を滑らせ机に脇辺りを強打した後、痛みが2~3日続いたため病院でレントゲンを撮ってもらうと肋骨に少しヒビが入っていました。ステロイドの副作用に骨粗鬆症があったため、骨密度の検査をしてもらいました。結果は正常値ではありましたが、ギリギリの最低ラインでした。

外出もあまりできなくなり、体はいつもだるく、寝てばかりいました。患者さんは何もやる気がなくなり、何のために生きているのか分からず、このままだとステロイドの副作用で死んでしまうのではないかと思うようになりました。

通院生活が9年目に入ると、日に日にステロイドの効き目も悪くなり、ステロイド以外の治療法が他にないかインターネットで調べ、やっと当院を見つけることができました。当院のホームページにある私の書いた理論を読むと、なぜ潰瘍性大腸炎やクローン病が現代医学では治せないのか、病気の原因まで詳しく書かれており今まで疑問に思っていたことの答えが全て納得でき、強い衝撃を受け当院への受診することに決めました。

2008年6月17日、初めて当院を受診された患者さんの問診票を確認し、私は今まで投与されてきたステロイド量に驚きと怒りを通り越して呆れてしまいました。9年間で72,000㎎(7万2000㎎ですよ!!!プレドニン一錠はたったの5mgですよ!)ものステロイドの量を投与され続ければ副作用で顔も変形し、脳も内臓もぐちゃぐちゃになり萎縮していきます。脱ステロイドをやりきることができるか、果たして病気を自分の免疫で治しきれるかどうかわからないと思うほどに今まで何万人というステロイドを大量に服用してきた患者さんを診てきたにもかかわらずびっくり仰天でした。今までの患者さんの中でステロイドを内服投与された量が世界一の記録の持ち主でした。患者さんには、9年間飲み続けてきた72000㎎のステロイドの量を止めるのはとても大変なことと、リバウンドで死ぬ理由はないのですが命の危機だと感じた場合はすぐ近くの救急病院に行くこと、何かあれば私の携帯電話にすぐ連絡することを正直に伝え、患者さんにも承諾を得ました。

ここでステロイドに関わるいくつかの疑問点を提示してその疑問点をひとつずつ答えを出してあげましょう。又何のためにステロイドを作るようになったのでしょうか?脳の極めて大切な仕事の一つはストレスに耐えることです。それではストレスとは何でしょうか?ストレスとは、外的な環境や、体内における精神的肉体的な苦しみに抵抗し、適応するための体の反応です。痛みや熱などの外的な環境因子だけでなく、病気などの苦しみのみならず自分の欲望や様々な想いを満たせない精神的な苦痛がストレスとなります。現代社会においてはやはりで最も強いストレスは肉体のストレスよりもやはり心の葛藤が一番大きなストレスとなります。ストレスを最初にキャッチするのはのうの不満を感じるのは脳ですからこの様なすべてのストレスを耐えるのは脳です。ストレスに耐えきれなくて自殺するわけでしょう。

因みに毎年、日本の自殺者は2万人前後であり18歳までの児童の自殺者は毎年400人前後です。自殺の一番大きな原因となるストレスは健康問題つまり病気です。二つ目は経済つまりお金がないことがストレスになります。三つめは男女問題です。私も16歳からヘルペス性網膜炎右目が見えにくくなりヘルペス性頭痛さらにヘルペス性嗜眠症になったにもかかわらずもすべての医者は診断はもとより治療は不可能だと宣告され絶望の淵をさまよい毎日毎日、どの医者も治せない病気のためにストレスだらけで自殺を意図しましたが自殺はできませんでした。最後に自殺を決行する前に自分の病気の原因が遺伝子病であるかどうかを知るために医者になりましたがどの医学成書にも遺伝子病であることも一行も言及されていないどころか、勿論ヘルペスが私の原因であるについても一切触れられてはいませんでした。ところがすべてをあきらめていた私の人生に一大転機が訪れました。漢方薬局の娘さんと希有な出会いでする気がなかった結婚し、自分の悩みを打ち明けると無理やり漢方煎剤を飲まされたのです。効きました。最も大きな苦痛の症状の一つである頭痛が6か月後に消えていたのです。長年の頭痛が消えたので漢方のすごさを自ら体験することにより歩きながら漢方を学び現在に至る世界で唯一の免疫で治す松本漢方医学を樹立することができたのです。しかも最後に人類に残り続ける病気は癌と化学物質とヘルペスしかないとわかってしまったのです。自分の病気の原因も11歳の時に右目にあった硬球が視神経に長い間ストレスをかけ続けたためにherpesが増えたのです。

ストレスとステロイドホルモンの関係について詳しく説明しましょう。元来糖質ステロイドホルモンや副腎皮質ホルモンと言われるコルチゾールは短期間のストレスに大切な脳を守るために脳の進化とともに生まれたのです。と同時にコルチゾールの役割手助けするために副腎髄質ホルモンと言われるアドレナリンも作られるようになりました。ストレスに耐えきれないと最終的には脳の病気である鬱になってしまうのです。

ストレスが脳にかかると最初にストレスを認知するのは脳の視床下部です。視床下部は内分泌機能や自律神経機能(交感神経機能と副交感神経機能)を全体として総合的に調節している中枢です。ストレスが長くかかりすぎると最後はどのように鬱が生じるのですが何故鬱になってしまうのかをすべてを詳しく説明しましょう。

視床下部(Hypothalamus)にストレスの情報が入るとCRHというホルモンが作られこのCRHは真下にある下垂体(Pituitary)に伝えられるとACTHというホルモンを作りこのACTHというホルモンが副腎皮質(Adrenal gland)に伝わりここで副腎皮質ホルモンであるコルチゾール.が作られます。このように視床下部、同じく脳の下垂体、そして腎臓の上にある副腎の3つは互いに深く関連しており、三つの英語の頭文字をとってHPA系といいます。視床下部は自律神経の中枢でありますから視床下部がストレスによって刺激されると交感神経を刺激することになりアドレナリンが副腎髄質で作られ末梢血管を収縮させ血圧が上がり心拍出量も増えストレスに対処するために中枢神経を刺激して脳の働きを高めさらにグリコーゲンを分解して脳が使えるエネルギーのグルコース(糖分)を増やしてさらにストレスに対抗しやすくしているのです。ストレスホルモンと言われるコルチゾールもアドレナリンと同じように、血糖・血圧を上げます。しかしコルチゾールは免疫力を低下させて炎症を抑えますがアドレナリンは免疫を抑えることはありません。血糖が上がれば脳へ糖分(栄養分)が届きやすくなるし、血圧が上がれば全身へ酸素を送りやすくなります。炎症を抑えてくれることで身体の痛みやつらさを感じにくくなると同時に炎症に使うエネルギー(糖分)を脳に集中させることができます。ストレス負荷がかかった時に私たちが頑張れるのは、実はこのストレスホルモンのおかげなのです。

しかし、ストレスが過剰に続いてコルチゾールの分泌量が多くなりすぎると、コルチゾールの働きも過剰になり糖尿病や高血圧になってしまったり、免疫力の低下から感染症などの病気にかかりやすくなってしまいます。コルチゾールの過剰にならないようにするために、HPA系にはフィードバック機構があります。コルチゾールが出すぎる時には、視床下部や下垂体がそれを感知しそれぞれCRHの分泌とACTHの分泌を弱めることで、コルチゾールの分泌を減らしてくれるのです。ところがストレスが過剰にかかった場合、このHPA系のフィードバック機構が壊れてしまいコルチゾールが作りっぱなしになってしまいコルチゾールの副作用が問題になってくるのです。

なぜステロイド分泌にはフィードバック機構があるのでしょうか?コルチゾールが増えすぎると、先ほど説明した糖尿病、高血圧、感染に弱くなるなどの危険以外に中枢神経に対する毒性が出現し始め脳の破壊が始まるのです。過剰なコルチゾールは脳の神経を破壊してしまうのです。具体的には、脳の海馬という部分の細胞や神経の減少、海馬におけるBDNF(神経由来成長因子)の減少、神経新生の抑制が起きてくるのです。とりわけ記憶や学習をつかさどる海馬は過剰なコルチゾールの毒性を一番受けやすくこれを「海馬神経毒性」と言います。実際にストレスに耐えすぎたためにうつ病患者さんになった人の脳をMRIなどで画像撮影してみると、健常人と比べて有意に海馬が萎縮しているのです。

この過剰なコルチゾールによる「海馬神経毒性」はいったいなぜ起こるのでしょうか?それはコルチゾールが海馬の神経細胞に自由に侵入して海馬の神経細胞の遺伝子に侵入して海馬の機能を破壊してしまうからです。どのように神経細胞の遺伝子に入り込むかについてはこの患者の症例報告の最後に付け加えた「ステロイドが、どのように細胞に入り込み、遺伝子の発現を狂わせるのか?」の長い説明を読んでください。

アルツハイマーは「海馬神経毒性」も原因の一つですが過剰なコルチゾールの結果herpesが脳の海馬に増殖しすぎて海馬神経細胞が破壊されてしまったからなのです。この大量のステロイドがherpesを増やすのかの話がこれから始まります。

実はもっと重大で怖い過剰なコルチゾールの副作用がherpesの過剰増殖なのです。コルチゾールは免疫を抑制すると病原体を増やしてしまうことはすでに述べましたね。結論から言うとすべて人の神経根細胞に隠れ住んでいるヘルペスウイルスがコルチゾールが増えれば増えるほど神経根細胞から脊髄神経やさらに大脳のあらゆる中枢神経に感染していくのです。下に後根神経節の図を示します。

その結果アルツハイマー、パーキンソン、てんかん、ADHD、統合失調症、強迫観念症そのほかのあらゆる精神障害や神経変性疾患の原因となるのです。私の右脳の海馬の細胞にはherpesがうようよ巣食っていることを感じ取れます。右目はherpes性網膜炎で失明しましたが言い殺しきれないherpes自体は私の右目の網膜のみならず網膜神経、視細胞、網膜上皮素細胞にとぐろを巻いているので毎日不愉快でたまりません。ヘルペスが増えないように大量の抗ヘルペス剤を服用しながら生きています。悲しいですね。

コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、医薬品としてヒドロコルチゾン (hydrocortisone) とも呼ばれる。炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、その代わりに糖質を増やすための生体にとって必須のホルモンであります。人体が作る3種の糖質コルチコイド(コルチゾール、コルチゾン、コルチコステロン)の中で最も生体内量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はコルチゾールです。

さてストレスと戦うためには新しく大量にステロイドホルモンやアドレナリンを作るためには必ず大量のエネルギーが必要です。人体が用いるエネルギーは電気でもなく石油でもなく人体のエネルギー通貨と言われるATPという化学物質です。脳がこのストレスに対抗できるために必要なエネルギーであるATPを直接作る原料はまさに糖質(糖分)であるのです。というのは脳がストレスがかかったらすぐに使えるATPを作る原料は糖質しかないので糖質ホルモンと言われるステロイドホルモンを視床下部は副腎皮質に作ってくれという命令を出すのです。副腎皮質より分泌される糖質ホルモンこそ、戦うか逃げるか反応において重要な役割を果たすのです。

さらに繰り返しになりますが脳の次に大量の病原体とすぐに戦うために免疫に必要なエネルギーを奪い取るために一時的に免疫を働かせないためにたステロイドホルモンに免疫を抑える働きを進化はステロイドホルモンに与えたのです。もう少しアドレナリンについて述べておきましょう。

アドレナリンはストレスがかかると自律神経の中枢である脳の視床下部は交感神経興奮させストレスに対抗できるアドレナリンを副腎髄質から出させます。すなわち「人間を含めて動物が敵から身を守るために戦うとか、逆に全速力で逃げるかの状態に対応するストレス応答を、全身の器官に引き起こすのがアドレナリンなのです。コルチゾールのストレスは専ら精神的なストレスに耐えるためのホルモンですがアドレナリンは肉体的によりストレスから離脱できるためのホルモンといえます。従ってアドレナリンは闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンとも呼ばれます。例えば喧嘩になった時に分泌されて、血まみれや骨折の状態になっても全く痛みを感じないようにさせるのがアドレナリンです。具体的なアドレナリンの肉体に及ぼす作用を上げておきましょう。

1)運動器官への血液供給増大を引き起こす反応2)心筋収縮力の上昇3)心、肝、骨格筋の血管拡張4)皮膚、粘膜の血管収縮5)消化管運動低下6)呼吸におけるガス交換効率の上昇を引き起こす反応7)気管支平滑筋弛緩8)感覚器官の感度を上げる反応9)瞳孔散大10)痛覚の麻痺11)勃起不全

そして、同時にストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されると上記のアドレナリンの1)と2)と3)の働きで、心拍数や血圧を上昇させるので脳に血糖を運びやすくなると同時に心拍数や血圧を上げることで気持ちを高めて、心理的負担に負けないような状態をアドレナリンが作ってくれます。

漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、血液検査を行い、ステロイドの飲む量を徐々に減らしていくように指示ました。食事はファーストフード以外であれば好きなものを食べても良いことを伝え、最初の診察を終えました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤。

受診してから次の日、プレドニゾロン5㎎1日4錠からプレドニゾロン5㎎1日3錠に減らし、漢方煎じ薬を1日4回、朝昼晩、寝る前に飲んでもらいました。すると今まで抑制されてきた免疫が働き出し、大量のヘルペスとの戦いが開始され始め38℃の発熱、頭の痺れだし、脳が宙に浮いているような感覚になり、夕方ごろになると寒気が止まらなくなり、夜は眠れなくなりました。しかし、便の回数は減り始め、便も水下痢から塊で出るようになり安定してきました。

普通の一般的にみられるステロイド離脱によるherpesとの戦いでは発熱することはめったにありません。しかし彼は当院に受信されるまでになんと7万2000ミリグラムのプレドニンを服用されてきた人であることを思い出してください。これから症例報告で書きだすすべての症状は潰瘍性大腸炎の症状というよりも、まさにステロイドホルモンの副作用の結果であり、ステロイドで増やしすぎたherpesとの熾烈な戦いによる激越な好転反応のすべてなのです。この様なえげつない患者さんの自己免疫疾患を何千何万と治療し病気を治してきたから病気の治し方のすべてを患者さん自身から教えてもらったのです。患者さんの本当に自分自身の生まれ持った免疫の遺伝子を信じて私に直す手伝いをさせてもらって最後までついてきてもらって本当に感謝しています。あなた方の病気を直すためのリバウンドを通じて私自身が16歳から悩んできた病気の原因もヘルペスであることに気づかせてもらって感謝、感謝の思いでいっぱいです。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日4錠→1日3錠。

受診してから3日後、プレドニゾロン5㎎1日3錠から1日2錠に減らし、ペンタサ1日6錠から1日3錠に減らしました。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日3錠→1日2錠、ペンタサ1日6錠→1日3錠。

受診してから1週間後、患者さんの血液検査の結果を見てみると、患者さんの年齢ぐらいのリンパ球の正常値は40%ぐらいなのに対し、患者さんのリンパ球の値は2.4%しかなく、改めてステロイドの恐ろしさを知りました。リンパ球の値は2.4%も世界一の最少記録です。こんなに少なくても人間は生きられることも彼は教えてくれました。最高の医者は患者さんであり最高の医学部の教授は患者さんなのです。

2週間後、ペンタサを止め、プレドニゾロン5㎎1日2錠で3週間ほど続けてもらいました。下痢便であったものの、お腹の緩さはなく、便の回数も1日2~4回ぐらいでした。しかし、喉の詰まりが強く、食べ物が急に飲み込めなくなったり、頭がボーっとすることがあり、腕が強烈にだるくなったり、体のいたる所に症状が現れてきました。すると次々に起こる症状に恐怖心が強くなり、患者さんは精神的に不安定になっていきました。あとになって、ただの鼻づまりで息苦しいだけだったそうですが、当時患者さんは精神的に不安定だったので次第に息苦しさが強く感じ、このままでは呼吸困難で死んでしまうと思い、私に連絡してきました。遠方から来ておられた患者さんに家の近くの病院で検査を受けるように言いました。結果、どこにも異常はなく、パニック障害だと告げられたそうです。

その後、少し鬱状態は残ったようですがステロイド離脱で死ぬことは絶対ないし更にヘルペスとの戦いでも死ぬこともないから生きている限りは免疫も生きつづけている自分の免疫で自分の病気である潰瘍性大腸炎は必ず治せると励ましたのです。潰瘍性大腸炎は治らないという言葉ほど罪作りな標準医療の宣告ほど患者さんをうつ状態に追いやる言葉はほかにあるでしょうか?言うまでもなくうつ状態もパニック障害も自律神経や脳神経細胞に感染したヘルペスによる病気です。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日2錠。

2008年8月、ステロイドを1日置きに2錠と1.5錠(1錠と1錠の半分の2つ)に減らしました。2度目の来院にて患者さんの症状を確認したところ、また死ぬような危機的な状況にならなことを患者さんに伝え、この世に怖い病気なんかない!全部免疫を抑える薬を投与する医者が病気を作っとるんや!その間違った医者の後始末を私がしているだけと冗談のように言って患者さんを励ましました。

処方;漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日置きに2錠と1.5錠(1錠と1錠の半分の2つ)。

9月18日から10月1日はステロイドを1日1.5錠だけにし、10月2日から11月3日はステロイドを1日置きに1錠と1.5錠に服用してもらいました。その間は特に症状に異常がありませんでした。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日1.5錠→1日置きに1錠と1.5錠。

11月15日、お腹が緩くなり、1日2~4回の便の回数が1日10回くらいに増え出し、出血するようになったため、ステロイドを1日1錠に戻りました。また、アミノバクト4本、タンパク含量約80%のプロテインを63g、水分補給にポカリスエットを栄養療法として患者さんに指示しました。リバウンドが始まろうとしていました。リバウンドは何回も繰り返されるのです。

栄養療法:アミノバクト 1日4本、タンパク含量約80%のプロテイン63g、水分補給にポカリスエット。アミノバクトは蛋白製剤です。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日1錠。

11月23日、ステロイドを1日置きに1錠と0.5錠(1錠の半分)に減らしました。下痢止めの漢方煎じ薬を飲み始めるも下痢は止まらず、便の回数も1日15~20回とさらに増え、毎日続くようになり、1日中トイレに時間を取られて睡眠不足になりました。段々、全身の関節が痛み出し、(この痛みも関節の痛覚神経に感染したヘルペスが原因です)特に肩、肘、手の指、膝、足首の痛みが激しくなり(ヘルペス性リウマチ)、足首から下が強烈に腫れあがり(ヘルペス性浮腫)、足の甲の皮膚が裂けてしまうのではないのか思うぐらい腫れました。次第に、痛みで歩行が困難になり、杖がないと歩けなくなりました。部屋にポータブルトイレを置き、熱も39℃を軽く超え(ヘルペス性発熱)、体重も身長180㎝で46~47㎏にまで激減しました。全身の痛みのため(ヘルペス性リウマチ)、ベッドに横になることもできず、ベッドの上に布団を10枚くらい積み重ねてようやく横になることができましたが、痛みで寝返りを打つことはできませんでした。さらに普通の掛け布団では重くて息苦しくなるため、軽い羽毛布団に変えましたが、当時12月で寒かったのと、異常なほど寒気を感じたため1日中ストーブをたいていました。患者さんは栄養不足にならないように食事だけは必死に食べていました。食事中、何回もトイレに行きながら食べました。

上記の症状はすべて7万2000ミリグラムのプレゾニゾロンを服用している間に世界記録的に増えたherpesがその間に患者の神経細胞をはじめとするあらゆる細胞に感染し、ステロイドを徐々に減らしていくとヘルペスと戦いが始まると様々な症状が必ず出現するという悲しい真実を彼は苦しみながら証明しているのです。しかも彼が戦っている病気は潰瘍性大腸炎ではなくてなんと皮肉にも間違った免疫を抑えるステロイドを使いすぎたために患者さんの知らぬ間に増えたherpesと戦出し思いもかけない意味不明な症状つまり病気が出てくるのです。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日置きに1錠と0.5錠(1錠の半分)。

上記の状態が15日続いたため、一度、血液検査と対面診療をして適切な治療を行いたいので無理を言って遠路から来院していただきました。診察を行ったところ、このままの治療方針で経過観察することにし、「大丈夫や、治らん病気なんかない、ステロイドを抜き始めたから出てきたリバウンドやから心配することはない」を患者さんに伝え励ましました。

栄養療法:アミノバクト1日5本、プロテイン1日12杯、水分補給にポカリスエット。

処方:漢方煎じ薬(腸を整える漢方と下痢止めの漢方)、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日置きに1錠と0.5錠(1錠の半分)。

翌日から処方した漢方とエレンタールとアミノバクトをしっかりと飲んでもらい、毎日電話するように指示しました。少しずつ症状が治まっていき、1ヶ月後の2009年1月25日には、下痢便の回数が1日6回くらいになりました。2ヶ月後、熱が37.5~37.3℃に下がり、便も少し固まり出し、1日5~6回と治まってきました。体重は51㎏に戻りましたが、腸に狭窄ができたのかガスが溜まり、腹部膨満感により辛く、便の出が悪くなり、30分~40分かかるようになりました。その後、ステロイドを1日0.5錠(1錠の半分)に減らし、大きなリバウンドが起きず下痢便が1日5~6回でした。

栄養療法:アミノバクト1日5本、プロテイン1日12杯、エレンタールさらに水分補給にポカリスエット。

処方:漢方煎じ薬(腸を整える漢方と下痢止めの漢方)、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5㎎1日置きに1錠と0.5錠(1錠の半分)→プレドニゾロン5mg1日0.5錠(1錠の半分)。

治療を始めて9ヶ月後、ステロイドを1日置きで0.5錠に減らしました。便の回数が多くなり始め、1週間後には1日20回以上の下痢が1週間以上続き、熱も39℃以上まで上がり、睡眠もできない状態になったため、ステロイドを1日置きで0.5錠と0.25錠(1錠の4分の1)に戻しました。リバウンドというのは具体的にはherpesとの戦いを繰り返すということです。

栄養療法:アミノバクト1日5本、プロテイン1日12杯、水分補給にポカリスエット。

処方:漢方煎じ薬(腸を整える漢方と下痢止めの漢方)、抗ヘルペス剤、プレドニゾロン5mg 1日置きで0.5錠→プレドニゾロン5㎎1日置きで0.5錠と0.25錠(1錠の4分の1)。

その後、少しずつ量を減らし、その都度リバウンド症状に耐え(herpesとの戦いに耐え)、治療を始めて1年5ヶ月が経った2009年11月7日、ようやく完全にステロイドを止めることができました。関節の痛み(ヘルペス性リウマチ)が完全になくなりました。

元来リウマチという自己免疫疾患は存在しないのですからherpesを細胞の中に潜伏感染させて増殖しないようにさせれば痛みはなくなってしまうのです。それではあらゆる自己免疫疾患の原因何でしょうか?もう皆さんはご存じのようにすべてherpesなのです。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤

2010年~2015年の6年間、ステロイドを減量していた時のような激しいリバウンドは起こりませんでしたが、リバウンドを何度も繰り返しました。体力的にも精神的にも疲れてしまい、諦めかけたこともあったようですが、そのたびに家族に励まされ私が潰瘍性大腸炎は自分の免疫で必ず完治させることが可能であるからと励まし何とか乗り越えてきました。初めの4年間は特につらい日々が続き、外出がほとんどできませんでした。食後は必ずお腹が緩くなり便意を催すと我慢ができず、良く漏らしていました。また、1回の排便に1時間~1時間半がかかり、最初の方はすぐに出ますがその後はマッサージをしないと出なくなりました。下痢が酷くなるほどトイレにいる時間が長くなり、2時間~3時間は当たり前で、酷いときは5時間くらいトイレに居たこともありました。それでも出切らないので1日中残便感に悩まされていました。トイレを済ませると疲労困憊し横になっていたため、便の回数が減っても生活はあまり変わりませんでした。

この患者さんは世界中の医学会が治らない根拠も何もないのに死ぬまで治らないと宣告した潰瘍性大腸炎を自分の免疫でしか治せないことを完璧に理解しどうしても完治させたいという意思を最後まで貫徹することができた素晴らしい人です。彼は賢い人だったので実は7万2000ミリグラムのステロイドを飲まされたので治らない子も気づいていた極めて賢い人であったので私の自分の免疫でしかすべての病気は治せないと確信できたのです。

2014年10月頃、少し便意を我慢できるようになりましたが、排便時間と残便感は良くなりませんでした。しかし便の回数が1日3~4回ほどになり、体力的には少し楽になり始めました。

2016年1月頃、便の回数は2~3回ほどで落ち着き、便の状態は軟便、下痢便で排便時間もあまりよくなっておらず、残便感もまだありました。腸のどこかで出血しているため貧血であり、腸に狭窄がある可能があり腹部膨満感がありますが抗生物質のフラジールを服用すると落ち着きます。血沈やCRPは正常値の範囲内ですが、リンパ球が19%と低値です。しかし初診のリンパ球の値は2.5%を思い起こすと免疫がいかに回復したかがお分かりになるでしょう。帯状疱疹ヘルペスや鼻水やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が出ていました。患者さんの免疫が正常かどうか白血球の一つであるリンパ球の数(%)を見ればすぐにわかります。

正常な値は35%~40%ですが毎日の生活でストレスのない人はほとんどいないので免疫が多かれ少なかれステロイドホルモンを出して免疫を知らぬ間に抑えているので残念ながら20%台です。

処方:漢方煎じ薬、抗ヘルペス剤、フラジール、フェルムカプセル(鉄剤)、メチコバール(鉄の吸収を高める)。

しかし、2015年12月頃の冬の寒い時期になり出すと下半身の冷えが気になり、特に足先の冷えが酷くなり、足の指、足の甲、足の裏の感覚が鈍かったり、敏感になったり、違和感が出てくるようになりました。地面に足をつけた時、足の裏が分厚くなったような感覚になり、足の指が曲げづらくなりました。しかし患者さんは季節の寒さにより血流が悪くなって起こったもので暖かくなれば良くなるだろうと思い、私に患者さんの足の症状について相談されたのは2015年4月になってしまいました。診察した結果、ヘルペスウイルスである単純ヘルペスも帯状疱疹herpesもさらにEBウイルス(エプシュタイン・バール・ウイルス、略してEBV)の抗体価がすべて高値であったので患者さんの免疫が上がりあちこちの組織で激しい戦いが進行していたのでとりあえず、アシクロビル量を増やし漢方煎じ薬は免疫を高めて症状を強くするので漢方煎じ薬は飲まず経過を見ることにしました。

すべてのヘルペスウイルスは、樹枝状細胞に捕まえられて人体の600か所にあるリンパ節に運ばれてBリンパ球は、ヘルパーリンパ球の力を借りて、リンパ節でIgMからIgGにクラススイッチさせるのです。IgGが血中にどんどん流れてIgGが化学物質やヘルペスウイルスと結合してオプソニン作用で好中球や大食細胞が食い殺そうと戦いが起こり身体のあらゆる部分で炎症が起きて戦う組織の違いや傷つく細胞の種類によって様々な症状がみられるのです。いずれにしろ人体からヘルペスウイルスを根絶できないので最高の治療はherpesが感染した細胞で増えないようにする抗ヘルペス剤を投与するしかないのです。ほかのヘルペスウイルスの治療として、漢方や鍼灸で免疫を上げてherpesをやはり増やさないようにるしかないのです。絶対にやってはならないのはステロイド投与です。新たにあらゆる種類の病気が生まれるだけなのです。自分の免疫で殺しきれない病原体は世界にたった一つherpesしかこの世には存在しないのです。

この時の血液検査でCRPと血沈が正常値であり、貧血も快調したことで炎症の漢方煎じ薬とフェルムカプセル(鉄剤)を止め、下痢止めの漢方煎じ薬だけにしました。しかし、再びリンパ球は19%から14%に低下していました。患者さんによると残便感により精神的に不安定になっていたため、ストレスに対抗しようと副腎皮質からステロイドホルモンを患者さん自身が放出し免疫を抑制していたからでした。

処方:漢方煎じ薬(下痢止め)、抗ヘルペス剤。

2016年10月、当院で対面診療を行い、ヘルペスの漢方だけ服用し経過を見てみることにしました。血液検査でCRPと血沈ともに正常値、度々繰り返していた貧血も正常値でした。リンパ球は14%から18.6%と少し上昇しました。しかし、単純ヘルペス抗体価(HSV)は83.1、EBウイルス抗体価(EBV)は9.7と高値でした。腸の状態は、1日の便の回数は2~3回ですが、ほぼ2回に治まってきました。便の状態は、基本軟便ですが下痢便、固形便も出るようになりました。残便感はまだ残っていますが排便時間が少しずつ短くなってきました。また、便をした後にお腹が緩くなる感覚、腸管が引っ張られるような違和感が出ますがガスが出ると治ります。ガスが溜まると腸管を圧迫するのか便意を感じますがガスが出ると治ります。足の状態は変わりなく違和感が残っています。また酷い症状ではありませんが耳鳴が1日中するようになりました。耳鳴りの原因もherpesです。ちなみにメニエールの原因もherpesです。

処方:漢方煎じ薬。

2017年2月頃、ヘルペスの漢方とアシクロビル1日8錠に変えました。腸の神経細胞に感染しているヘルペスウイルスの増殖が抑えられ排便時間が徐々に短くなりました。

腸管には、1億以上の神経細胞があり、消化管の平滑筋による蠕動運動の調節を行うアウエルバッハ神経叢や粘液の分泌調節を行うマイスナー神経叢といった腸管の神経細胞に単純ヘルペス(HSV)や水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)が感染し、そのHSVやVZVを免疫が殺す時に、腹痛や蠕動運動の異常や下痢や便秘の原因となるのです。

2017年7月、排便時間が徐々に快調に向かっており、残便感も少しずつ良くなってきていました。1日の便の回数は2~3回、まだ軟便や下痢気味な時もあり、ガスも溜まりますが抗生物質のフラジールで改善していました。足の違和感と耳鳴による身体の倦怠感の症状は変化が見られませんでした。鼻づまりがよく起こるようになりました。とうとう化学物質の戦いがIgGからIgEに変わり始めたのです。潰瘍性大腸炎の症状はほとんど出なく最後まで抗ヘルペスに効果のある漢方の煎剤と抗ヘルペス剤だけ投与し最後は治療終了となりました。

ステロイドの副作用のすべて

ステロイドは、一度使ってしまえば、やめることはいつでもできますが、やめると病気ははじめよりもひどくなります。その意味でステロイドは麻薬そのものなのです。私は麻薬について勉強したことがありますが、麻薬が遺伝子にどのように影響を与えるかについて研究された文献を見たことがありません。麻薬が一時的に快楽をもたらし、離脱症状が出現するのは全て遺伝子に影響を及ぼし、快楽を増やす物質を作らせ、かつ、離脱症状も遺伝子の異常によってもたらされるものであることは想像できますが、どの医学者もそこまで研究していません。

ところがステロイドの研究ははるかに進んでいます。ステロイドが全ての細胞の核にある遺伝子の発現を調節する領域のDNAに入り込んで、様々なタンパクから作られている転写因子に影響を与え、遺伝子の発現を自由自在にONにしたりOFFにしたりすることができることがわかってきました。全ての遺伝子の発現の20%をも左右することもわかってきました。そのために正常な人体の全ての細胞の活動が正常でなくなり、あるレベル以上のステロイドを使い続けると、全ての細胞の遺伝子の発現に異常になり、訳のわからない蛋白を作ったり必要な蛋白を作るための遺伝子の発現が不可能になったりその結果あらゆる病気が生ずることも知られるようになりました。そのステロイドの副作用によって生まれる病気について以下にまとめました。結局はこれらの副作用の根本原因は最終的には200以上もある様々な分化した細胞の幹細胞を殺してしまうからなのです。さらに免疫を強力に抑制してしまうのですべての人間が感染しているヘルペスが外からは観察できないので原因不明な病気と一蹴されてしまうか一生治らない自己免疫疾患と診断され大量のステロイドを服用させられてしまうのです。

ステロイドのみならず、あらゆるホルモンは微量で遺伝子の発現を簡単に変えてしまうからこそ、人間の臓器で一番大切な脳の視床下部によってコントロールされているのです。ホルモンはすべからく多くても少なくても人体の生命活動に大きな影響を及ぼすものですから、大脳がいつもホルモンの働きを監視しているのです。私は経験したことは一度もないのですがステロイドは生死を分かつような緊急事態において以外は使ってはならないのです。

副腎皮質ステロイド療法の副作用とその発症機序のすべて。残念ながら推定される発症機序が最終的にはどのように起こるかについては誰も明らかにはしていません。私はほとんどの発症機序にherpesが絡んでいると考えています。抗ヘルペス剤を大量に投与すればいいのですが保険が使えないのでどの大学病院もやろうとはしません。

系統 副作用の内容 推定される発症機序
緑内障
白内障
(cataracta subcapsuralis posterior)
眼圧の上昇
水晶体繊維の凝固・壊死
皮膚 創傷・術症の治癒遅延、皮下出血
皮下組織萎縮、皮膚菲薄化
皮膚線条
ニキビ、多毛
繊維芽細胞の増殖抑制
膠原繊維の合成阻害
肉芽の退縮
軽度のアントロゲン様作用
ミオパチー
筋萎縮
白筋における糖新生の障害
蛋白異化、低K
骨格 骨粗鬆症
脊椎圧迫骨折
無菌性(虚血性)骨壊死
:特に大腿骨頭壊死
蛋白異化、骨Caの吸収促進
負のCa平衡
骨端部血管内の脂肪塞栓
血行途絶
消化器系 消化性潰瘍
:特に胃潰瘍、消化管粘膜出血、腸穿孔
脂肪肝、急性膵炎
塩酸分泌促進、粘液分泌低下
血行障害、抗肉芽
プロスタグラシン合成抑制
脂肪沈着、脂肪塞栓、血行障害
中枢神経系 精神障害
(鬱状態→自殺企図、躁状態、分裂病様)
多幸感、異常食欲亢進(→肥満)不眠、
脳圧亢進、偽脳腫瘍症状
けいれん、てんかん様症状
神経伝達物質への影響
シナプスの神経伝達潜伏時間の延長
脳圧の亢進
脳内の水・電解質代謝異常
循環系 高血圧、Na・水貯留(→浮腫)
低カリウム血症
軽度の鉱質ステロイド様作用
代謝系 ステロイド糖尿、潜在性糖尿病の顕在化
真性糖尿病の増悪
ケトアシドーシスの誘発
非ケトーシス・高浸透圧性昏睡の誘発
高脂血症(コレステロール、TG増加)
肝における糖新生の促進
抗インスリン作用
食欲増進効果
四肢皮下脂肪の脂肪分解
躯幹・内臓への動員
内分泌系 成長抑制(小児)、月経異常・続発性無月経
間脳・下垂体・副腎系の抑制
(→医原性腎不全、副腎クリーゼ、
ステロイド離脱症候群の発症)
間脳・下垂体抑制作用
(ACTH、GH、TSH、
ゴナドトロピンなどの分泌抑制)
副腎への直接の抑制作用
血管系 血栓促成、血栓性静脈炎
塞栓、梗塞
凝固因子の増加、抗プラスミン作用
血管壁の変化
血液系 白血球(特に好中球)増加
好酸球・リンパ球の減少
好中球の生成、・骨髄からの動員の促進
リンパ球生成抑制
免疫系 免疫反応の抑制
遅延型アレルギー反応の減退
各種感染症の誘発・憎悪
(化膿菌、結核菌、真菌、ウィルス、原虫など)
リンパ球・単球の減少、抗体産生の抑制
抗原抗体反応の抑制
白血球・マクロファージの遊走抑制
その他

ステロイド外用剤による副作用症状のすべて

A)細胞の増殖能の抑制による副作用

(1)皮膚萎縮 (2)乾皮症ないし魚鱗様変化 (3)皮膚萎縮線状
(4)cortisone ski injury (5)創傷修復遅延 (6)星状偽瘢痕 (7)多形皮膚萎縮症様変化

B)細胞機能の変調に基づく副作用

(1)毛細血管拡張 (2)erythrosis interfolliculariscolli(頸部毛孔間紅皮症)
(3)ステロイド潮紅 (4)ステロイド紫斑 (5)酒焼様赤鼻 (6)口囲皮膚炎
(7)cutis punctara linenealis colli (8)ステロイドニキビ (9)ステロイド弾力繊維症
(10)ステロイド稗粒腫 (11)ステロイド膠様稗粒腫 (12)色素異常

C)免疫能抑制に基づく副作用

(1)感染症の誘発と増悪(細菌、真菌)

D)その他

(1)接触皮膚炎 (2)光線過敏症 (3)ステロイド膿疱
(4)ステロイド経皮吸収による全身性服作用 (5)ステロイド緑内障 (6)ステロイド白内障
(7)ステロイド黒内障 (8)扁平黄色腫

ステロイドが、どのように細胞に入り込み、遺伝子の発現を狂わせるのか?

  現代では、様々な病気の標準医療において合成ステロイドホルモンが使われていますが、私は常日頃から「合成ステロイドホルモンは、命に危険が及ぶ時以外使ってはいけない」と言い続けています。元来、ステロイドホルモンは体内でも作られているもので、一時的にストレスがかかれば普段より多く作ることはありますが、基本的には副腎皮質で産生される量は、一定の範囲となるよう厳密にフィードバック制御によりコントロールされています。普段より多く作るのは、主にストレスに耐えるためで、決して病気の症状を取るために作るものではないのがステロイドです。

  実は合成ステロイドホルモンは、正しくは、合成糖質コルチコイドというべきです。人体が副腎皮質で作る自然な糖質コルチコイドは、コルチゾールといわれます。一方、医者が用いる場合のステロイドは合成糖質コルチコイドです。以下で用いるステロイドという言葉は、コルチゾールである場合と合成糖質コルチコイドである場合がありますが、いずれにしろ働きは同じです。

  副腎で自然に分泌される糖質コルチコイド(コルチゾール)は、下垂体前葉からの分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって調整されていることは何回も述べました。このホルモンが運ばれていく器官を標的器官といいます。コルチゾールが、この標的器官の細胞に入り込むと、以下のような作用をもたらしことも少し復習しておきましょう。

①アミノ酸を放出する。
②脂肪を分解する。
③糖を新たに作る。
④筋肉と脂肪細胞がグルコース(糖)を抑制することによって血中グルコース濃度を上昇させる。
⑤心筋の収縮を促進する。
⑥人体の水分の貯留量を増大させる。
⑦炎症を抑えます。
⑧アレルギーの症状を抑える。

  合成ステロイドホルモンが臨床において用いられるのは、この⓻番目の炎症を抑える働きを発揮させるためで、ステロイドを外部から大量に入れると、異物と戦う免疫の働きが抑制され、あらゆる不愉快な症状が消え、間違った喜びを患者に与えることができるものですから、世界中の医者は、嬉々としてステロイドを用いるのです。

 この患者に快楽を与える⑦の働きについてはかなり詳しく調べられています。しかし、①~⑥⑧の遺伝子レベルでの働きについては、ほとんど解明されていません。しかもステロイドを用いれば、あらゆる器官において様々な副作用が生ずるのでありますが、その副作用がどうして生じるのかについても誰も解明していないのは何回も述べています。

 ステロイドの働きを簡単に説明すると、人体の細胞は細胞内部で様々なタンパクを合成するために、DNAの遺伝子情報をRNAに転写する必要があるのですが、ステロイドはこの転写の過程を促進、あるいは逆に抑制する作用があるのです。このようにDNAに特異的に結合して、転写の調整に影響を及ぼすタンパク質の一群のことを転写因子と呼びます。ステロイドは転写因子の一つなのです。転写因子については、すでにあちこちで詳しく解説していますが、ともかくステロイドは、炎症を抑制する蛋白の合成を抑制するだけでなく、あらゆるタンパク質の合成過程を気まぐれと言ってもおかしくないくらいに無理矢理、促進・抑制することで無駄なエネルギー(糖分)をできる限りストレスに対抗してくれる、脳に回そうとするために必死です。何故ならば心のストレスでじさつするひともいくらでもいますから死んでもらったら遺伝子も元も子もともになくなるので遺伝子も死にたくないので最後の最後まで遺伝子を乗せさせてもらっている人間のために懸命に働き続けてくれているのです。いずれにしろ正常なたんぱく質は多くても少なくても問題が起こし、様々な病気になるということを理解してください。

次はステロイドが、どのように細胞に入り込み、遺伝子の発現を狂わせるか説明していきましょう。ステロイドは核内に入ると、核内にある核内ステロイド受容体と結びつきます。このステロイドも核内ステロイド受容体も、いずれもDNAの遺伝子情報をRNAに移し替える(転写)するときに利用されるので、両方とも転写因子と呼ばれます。

 ステロイドは細胞の細胞膜を通過した後、細胞質のグルココルチコイドレセプター(glucocorticoid receptor、英語でGRと略します。)に結合します。GRは全ての細胞に存在し、かつステロイドホルモンは全ての細胞膜を自由に通過していきます。ステロイドと結合したGRは、全ての細胞の核内へ自由に移行し、23対の染色体に乗っているDNAの遺伝子領域と、様々なpromoter(促進)、enhancer(亢進)、repressor(抑制)などの働きを持つタンパクと結びつきます。このようにステロイドと結びつく遺伝子をステロイドの標的遺伝子と呼びます。標的遺伝子にコードされている情報をmRNAに移し替えるときに、タンパクの合成を促進したり抑制したりする調節を「エピジェネティックな調節」とも呼びます。23対の染色体にはステロイドの標的遺伝子が無限にあるので、ステロイドを使った時に、どれだけ多くの遺伝子に影響を与えるかは誰にも今のところわからないのです。というよりもわかろうとしないのです。

次に、ステロイドホルモンが60兆個の細胞に自由に入り込む様子を『Janeway’s IMMUNOBIOLOGY』の絵を参考にしながら説明しましょう。まず、タイトルのMechanism of Glucocorticoid actionの説明ですが、Glucocorticoidというのは、glucoseとcortexとsteroidの3語の合成語の略語です。Glucoseは糖、cortexは皮質、steroidはまさにステロイドを意味します。私たちはステロイドと簡便に言っていますが、実はグルココルチコイドなのです。グルココルチコイドは副腎皮質が作るホルモンの一つで、糖質コルチコイドとも呼びます。

 図①はステロイドが外部から細胞膜を通って細胞質に入ろうとするところです。英語の説明文を訳すと、「ステロイドレセプターはヒートショックプロテイン90、略してHsp90と複合体を作って細胞質にいつも存在します。」となります。このようにいつでもストレスがかかってもいいようにステロイドがいつ来るのか楽しみに待っているのです。

 “Cytoplasm”は、細胞質という意味です。細胞質には、ステロイドレセプターとHsp90が結合して待っています。熱ショックタンパク質は、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して、細胞を保護してくれるタンパク質の一群であり、分子シャペロンとして機能します。シャペロンとは元来、若い女性が社交界にデビューする際に付き添う年上の女性を意味し、他のタンパク質分子が正しいフォールディング(特定の立体構造に折りたたまれる現象)をして機能を獲得するのを助けるタンパク質の総称です。分子シャペロン、タンパク質シャペロンともいいます。

Hsp90にはHsp90αとHsp90βというアイソフォーム(構造は異なるが同じ機能をもつタンパク質)が存在します。Hsp90αとHsp90βはアミノ酸配列の相同性は高いのですが、刺激に対する応答性は若干異なります。Hsp90は非ストレス環境下においても細胞内発現量が高く、真正細菌や真核生物において広く発現して分子シャペロンとして機能します。Hsp90は細胞内において不活性状態のステロイド受容体と複合体を形成しています。また、Hsp90は癌の進展との関連が深く、Hsp90阻害剤は抗がん剤として期待されています。

 図②の説明文を訳すと「ステロイドは細胞膜を横切って、ステロイドレセプターと結びつくとステロイドレセプターから、Hsp90が離れます」となります。③からは核に入り込んだ後の話になります。

 図③の説明文を訳すと「ステロイドレセプターとステロイドが結びついた複合体が、今度は核膜を通ります」となります。Nucleusは、“核の”という意味です。

 図④の説明文は「ステロイドレセプターがNF-κβと相互作用して、NF-κβの標的遺伝子の転写を阻害します。」と訳します。NF-κβは、核内受容体と呼ばれる転写因子のひとつで、正式な英語は、“nuclear factor kappa-light-chain-enhancer of activated B cells”です。

ステロイドとステロイドレセプターの複合体は核内に入って核内にあるときに、転写因子であるNF-κβと結びつくと、AP-1(これも転写因子です)などと結びつき、炎症を起こしている遺伝子の働きを阻害して転写ができなくなることで、炎症に関与するサイトカインなどが負に制御され、結果として炎症がなくなります。つまり、世界中で使われているステロイドは、この遺伝子の働きをOFFにして炎症を止めてしまっているのです。炎症は病気を治すための第一歩ですから、ステロイドは症状を取るだけで病気を治しているわけではないのです。ただ、免疫抑制作用が強力に発揮されるので、最高の抗炎症剤として用いられるのです。図④は、まさにステロイドがNF-κβという核内転写因子と結びつくと、この制御エレメントの遺伝子の働きを抑制し、抗炎症作用を発揮していることを描いています。

 図⑤は細胞の核の中でステロイドのレセプターが、ある一つの特定の遺伝子配列と結びついて、遺伝子DNAの情報をRNAに転写する因子を活性化させている図であります。もっと具体的に言えば、図⑤の意味は、文字通りステロイドがたった1箇所の遺伝子の制御エレメントに働いて、制御因子によって制御されている遺伝子の発現を制御因子と共同で調節していることを図示しているのです。そして、ステロイドが結びつく遺伝子は1種類だけではなく、あらゆる組織や器官の遺伝子に無数にあることをも表しています。

人体の遺伝子は合計すれば2万3000個あります。この2万3000個の遺伝子の中で遺伝子が変えられてしまうと即死するような遺伝子はいまだ何一つ知られてはいません。このように生死にかかわる遺伝子は免疫の遺伝子しか実際にはないのですからステロイドが核に入り込むと脳を守るために見かけは一番エネルギーを食う一番大切な病原体から命を守る免疫の遺伝子の発現を止めているのに直接命にかかわりのないほかの遺伝子にエネルギーを使わせないのは何が悪いのだと言わんばかりの気まぐれですよね。

どのような遺伝子をONにしたりOFFにしたりするかは“Examples of genes regulated by GR”という資料に関するコラムを最後に掲載していますからご覧ください。

 図⑤の説明文は、「核内において特異的な遺伝子制御配列に結びついて、転写を活性化する」と訳します。Regulatoryという意味は、制御とか調節という意味があります。Sequenceというのは、遺伝子の塩基の並び、ヌクレオチドの配列のことです。この図⑤はステロイドの副作用を説明するときに極めて大切な意味を持つので、しっかり理解してもらいましょう。

 図⑤の下に“upstream regulatory element”と記されていますね。この意味は、「上流にある遺伝子の制御要素(エレメント)」であります。Regulatory element(レギュラトリーエレメント)とは一体何でしょうか?文字通り訳せば、制御エレメントとか調節エレメントという訳になります。実は同義語は、英語も日本語も入れると全部で10以上あります。まず英語では、control element、control region、Nucleic Acid Genetics Regulatory Region、Nucleic Acid Regulator Region、Nucleic Acid Regulatory Sequence、regulatory domain、regulatory element、Regulatory Regionなど難しい英語が8種類あります。日本語では、核酸制御配列、制御ドメイン、制御領域、調節エレメント、調節領域など、これも慣れ親しめない日本語が5種類ありますが、一番わかりやすく日本語で説明すれば、「遺伝子の発現スイッチの役割をするDNAの塩基配列」です。英語では“Regulatory element”で代表され、日本語では「制御エレメント」と訳されるのですが、いずれにしろこれらの言葉の本質は、人体にある特定の遺伝子の発現を増やしたり減らしたりするのを調節する遺伝子の一部分であるということです。

次にUpstreamについて説明します。Upstreamとは上流の意味で、下流もいずれで出てきますので説明しておきましょう。まず転写というのは、二重鎖でできているDNAをRNAに移し替えることです。二重鎖のDNAを同時に読み取ることはできませんから、まず二重鎖をほどいて一重鎖にする必要があります。どちらの一重鎖のDNAを読み取るかを決めねばならないのですが、読み取る鎖はなぜだか決まっていて、永遠に同じ遺伝子を作り続けるのでこれを「半保存的な複製」といいます。つまり同じ遺伝子を永続的に保存しながら子孫に伝えていくということになります。

RNAに移し替えようとするDNAを鋳型鎖といい、別名アンチセンス鎖といいます。読み取らない一重鎖を非鋳型鎖といい、センス鎖といいます。新しく出来上がるDNAは、言い換えると、転写するということは、新しく非鋳型鎖を作ることになるのです。なぜならば、鋳型鎖のT(チミン)に対応して、新しくできるDNAはA(アデニン)であり、鋳型鎖のC(シトシン)に対応して、できるのはG(グアニン)であるからです。逆に、-対応して新しく出来上がるDNAは、Tであり、鋳型鎖のGに対応して、新しくできるのはCであるからです。実は遺伝子の転写を仲介するRNAは、TがU(ウラシル)になっているのですが、もっと詳しく知りたい人は、高校の生物の教科書の遺伝子の項を読んでください。

 RNAに読み取られる転写の進行ですが、鋳型鎖は必ず3’→5’の方向で読み取られることを知っておいてください。3’と5’の意味は五炭糖について述べたコラムの中で解説していますので、興味があるかたを読んでみてください。その順番で非鋳型鎖が合成されます。鋳型鎖において、転写の開始部位の3’末端側を上流、5’末端側を下流といいます。遺伝子を読み取ってRNAに転写するのは、ちょうど川の流れと考えて、水が上流から下流へと流れるように読みとられていくので、読み取りの始まりを上流といい、終わりを下流というのです。読み取り始めの3’末端側を上流、5’末端側を下流といいます。

 いずれにしろ、医者が使用したステロイドがアトランダムに細胞膜を通って細胞質にあるステロイドレセプターと結びつき、ステロイド・ステロイドレセプター複合体となり、ステロイドに反応する遺伝子のプロモーター領域にある、病気を治す事とは関わりのない訳のわからない特定のDNAの配列に結びついて、遺伝子の発現を呼び起こし、その結果、様々な副作用をもたらしているということが分かっていただけたかと思います。

 それでは、このような遺伝子発現を調節する遺伝子の一部分は、人間の全ての遺伝子に何箇所あるかを考えてみましょう。まず、人間の遺伝子の全てを乗せている染色体は23対あります。この生体内にある23対の染色体にはこのような制御エレメントが分かっているだけで数十万箇所あります。このような制御エレメントは、400万箇所もあると書いている研究者もいます。私が以前からしばしばホームページで「遺伝子の発現のON/OFFに関わるエピジェネティックな箇所は400万もある」と言い続けたのはこのことなのです。皆さん、やっと私が言い続けた400万の意味がお分かりになったでしょう。

 遺伝子DNAとは何か?遺伝子発現とは何か?に対する答えを出すために、DNAの発現、つまりアミノ酸を作る出発点から終点までの経過についてコラムを書いていますので、興味のある方は、こちらもお読みください。

以前、私はいくつかのコラムで転写因子としてのステロイドがどのように細胞の核に入り込み、炎症を抑制する遺伝子について書きました。しかし、それ以外の遺伝子にどのような影響を及ぼすかについては、説明しきれませんでしたので、そこで今回はグルココルチコイドレセプターによって制御される遺伝子の例という英語の資料を元に、それについてお約束したとおりに解説していきましょう。

 黒字は原文、青字は日本語訳、赤字は私の解説になります。

Examples of genes regulated by GR(グルココルチコイドレセプターによって調節される遺伝子の例)

(人間は副腎皮質でグルココルチコイドを生き続けるために必要なだけ毎日毎日作っています。このグルココルチコイドが過剰に体外から投与されると、機能が過剰になったり、正常な機能の制御ができなくなります。グルココルチコイドによって制御される遺伝子は他にもあるはずですが、分かればさらに後日追加し、解説していきます。)

Gene Names (遺伝子の名前) Function (機能) Regulation (制御・抑制か促進)
Glutamine synthetase (グルタミン合成酵素)   Amino acid metabolism (アミノ酸代謝) Up (促進)
TAT(tyrosine amino transferase) (チロシンアミノ基転移酵素) Amino acid catabolism (アミノ酸異化) (チロシン分解の最初の反応を触媒する酵素) Up (促進)
Tryptophan oxygenase (トリプトファン酸化酵素)   Amino acid catabolism (アミノ酸異化)   Up (促進)
PEPCK (liver) (肝臓) (phospho enol pyruvate carboxy kinase) (ホスホエノールピルビン酸カルボキシナーゼ) (オキサロ酢酸の、脱炭酸とリン酸化によってPEP(ホスホエノールピルビン酸)を作る酵素。糖新生の調節点となる酵素です。) Gluconeogenesis (糖新生) (アミノ酸や脂肪酸などの、炭水化物以外の物質からブドウ糖を生合成することです。高等動物の主に肝臓と腎臓にこの機能があります。) Up(促進)
G6Pase(Glucose 6-phosphatase) (グルコース-6-ホスファターゼ) (グルコース-6-リン酸からリン酸部分を除去する糖新生経路の酵素である。 グルコースが細胞に 取り込まれると直ちにリン酸化が起こるのは、これが拡散してしまうのを防ぐためであります。) Gluconeogenesis(糖新生) Up(促進)
Angiotensinogen(アンジオテンシノーゲン) (別名ハイパーテンシノーゲンともいいます。つまり高血圧に関わりのある物質です。) Precursor of angiotensin I; vasoconstriction, electrolyte balance, etc. (アンジオテンシン1前駆体;血管収縮、電解質バランス、その他) (肝臓で合成されて血中に放出された後、レニンの作用によってアンジオテンシン1を生成します。) Up (促進)
Leptin (レプチン) (脂肪組織から分泌されるホルモンで体脂肪の蓄えを調整します。obという遺伝子によって作られるホルモン。) Energy metabolism (エネルギー代謝) Up (促進)
VLDLR (Very Low Density Lipoprotein Receptor) (超低密度リポタンパク受容体) 肝臓で生成されて血中に放出される。約1:5の割合でコレステロールとトリアシルグリセロールが含まれ、末梢組織にトリアシルグリセロールを供給する。構成するアポリポタンパク質としてアポリポプロテインB-100(apo B-100)、アポリポプロテインC-II(apo C-II)、アポリポプロテインE(apo E)がある。) Lipoprotein metabolism (リポタンパク代謝) (脂質異常症といわれるのは総コレステロールとLDLが高い人ですね。LDLはLow Density Lipoproteinのことであり、さらに密度が低いLDLをVLDLというのです。このVLDLと結びつくレセプターがVLDLRであり、未熟な脳の発達に極めて重要な役割を持っています。) Up (促進)
PEPCK (adipose) (脂肪) (phospho enol pyruvate carboxy kinase) (ホスホエノールピルビン酸カルボキシナーゼ) (オキサロ酢酸の、脱炭酸とリン酸化によってPEP(ホスホエノールピルビン酸)を作る酵素。糖新生の調節点となる酵素です。) Glyceroneogenesis (糖新生) Down (抑制)
aP2 (脂質シャペロンである脂肪酸結合タンパク。シャペロンは物質を輸送するタンパクのことです。) Intracellular lipid shuttling and metabolism (細胞内脂質輸送と脂質代謝) (シャトルとは、往復輸送するという意味です。) Up (促進)
GLUT4(Glucose transporter type 4) (グルコース輸送体4型) (インスリンが分泌されると、細胞の内側にあるこのGLUT4というタンパクが細胞の表面へ移動します。血液中のブドウ糖を、筋肉組織や脂肪細胞などに送り届ける役割をはたしているのです。GLUTには12番まで存在し、例えばGLUT2は、主に肝臓におけるグリコーゲン生成に関与しています。) Glucose transport (糖輸送) (2型の糖尿病は、インスリンが充分あるにもかかわらず血糖が細胞内に取り込まれない場合に起こります。これをインスリン抵抗性といいます。この原因のひとつは、ステロイドホルモンが細胞のインスリンの受容体に結びつくことにより、インスリンが結びつくことができなくなるからです。ストレスの多い生活をしていると、自分でステロイドを出しすぎて糖尿病を作っていることになります。) Up (促進) 
【補足】GLUT4の活性が低下する主な要因としては、加齢による代謝の低下やTNF-αがあるといわれますが、どうして感染症の炎症の最初に大食細胞が作るTNF-αが血糖を上げるのでしょうか?TNF-αは、また脂肪細胞からも分泌されます。このTNF-αは、インスリン受容体チロシンキナーゼの活性を弱め、糖輸送能を著しく低下させてしまいます。なぜインスリン受容体チロシンキナーゼの活性が落ちるのでしょうか?ステロイドホルモンが増えるからです。なぜステロイドホルモンが増えるのでしょうか?感染症に際して、副腎皮質から分泌されるコルチゾール(ステロイドホルモン)や、単球(マクロファージ)から産生されるPGE2は、細胞膜を安定化させ(細胞を炎症から保護し)、抗炎症作用を示します。生体は、感染症に際して、自分の細胞の膜を安定化させ、保護しようとして、抗炎症作用のある、コルチゾールや、PGE2を、増加させるためです。ついでに言えば、風邪をひくとステロイドホルモンが出され、アトピーが良くなります。しかし風邪が治ったあとに再びアトピーが悪くなるのは、感染症の最中はコルチゾールが増え、終わるとコルチゾールが減ってリバウンドが出るからです。)
HSL(hormone-sensitive lipase) (ホルモン感受性リパーゼ) (リパーゼは脂肪を分解する酵素ですね。その酵素は、様々なホルモンに出会うと働き出します。そのホルモンは、エピネフリン、ノルエピネフリン、ACTH、TSH、MSH、グルカゴン、セロトニン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモンなどがあります。  逆に、インスリンPGE1(プロスタグランジンE1)、アデノシンは、ホルモン感受性リパーゼの作用を抑制する方向に作用します。  HSLは、筋肉(骨格筋細胞や心筋細胞)にも存在します。HSLは、筋肉の筋線維間(遅筋線維の間)に存在するトリグリセリドを、運動時などに、分解し、生成される遊離脂肪酸は、エネルギー源として利用されます。) Lipolysis (脂肪分解) (脂肪組織の脂肪細胞内に存在し、脂肪細胞内の中性脂肪(トリアシルグリセロール)を、脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に加水分解します。中性脂肪はトリアシルグリセロールや、トリグリセリドともいいます。皆さん、脂質異常症の方はTGが高いと言われたことがあるでしょう。このTはトリアシルやトリのTであり、GはグリセロールやグリセリドのGであります。) Up (促進)
LPL(lipo protein lopase) (リポタンパクリパーゼ) (成長ホルモンは、脂肪組織のリポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性を、抑制(低下)させます。 逆に、インスリンは、脂肪組織のリポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性を、上昇させます。) Lipid metabolism (脂質代謝) リポ蛋白リパーゼ(LPL)は、脂肪組織などで合成・分泌され、毛細血管の血管内皮細胞表面(脂肪細胞外)に存在します。リポ蛋白リパーゼ(LPL)は、細胞外で、血液中の中性脂肪トリグリセリド)を、遊離脂肪酸とグリセロールに分解し、細胞内(脂肪細胞内など)に、遊離脂肪酸を取り込ませます。脂肪細胞では、リポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解されて取り込まれた遊離脂肪酸は、アシル-CoAを経て、中性脂肪に再合成され、貯蔵される(LPLは、脂肪細胞の中性脂肪貯蔵を促進します)。 Up (促進)
【補足】アシルCoAというのは、アシルコエンザイムAと読み、上に述べたように、脂肪酸の代謝にかかる補酵素です。補酵素というのは、触媒である酵素の手助けをするタンパクであり、助酵素ともいわれます。この補酵素にアシル基がつくと、アシルCoAになり、アセチル基がつくとアセチルCoAになります。
TNF-α(Tumor necrosis factor α) (腫瘍壊死因子) (TNF-αとは、サイトカインの1種であり、狭義にはTNFはTNF-α、TNF-β、LT-α(リンホトキシンα)およびLT-β(リンホトキシンβ)の3種類であります。TNF-αは主にマクロファージにより産生され、固形がんに対して出血性の壊死を生じさせるサイトカインとして発見されました。腫瘍壊死因子といえば一般にTNF-αを指します。これらの分子は同一の受容体を介して作用し、類似した生理作用を有します。広義にTNFファミリーと称する場合にはFasリガンドCD40リガンド等の少なくとも19種類以上の分子が含まれます。) Inflammation and apoptosis (炎症とアポトーシス) (mTNF-αとsTNF-αの2種類があります。“m”は“membrane”の略であり「膜」のことです。“s”は“soluble”の略であり「可溶性」のことです。TNF-αは主に活性化されたマクロファージによって産生される他、単球T細胞NK細胞平滑筋細胞、脂肪細胞も産生します。) Down (抑制)
Osteocalcin (オステオカルシン) (オステオカルシンは、骨の非コラーゲンタンパク質として25%を占める、カルシウム結合タンパクであります。骨芽細胞のビタミンK依存性カルボキシラーゼによって、タンパク質のγ-グルタミン残基に炭酸イオンが付加されたものです。骨の形成やカルシウムイオンの恒常性維持に寄与しています。ホルモンとしての作用もあり、膵臓のβ細胞に働いてインスリン分泌を促したり、脂肪細胞に働き、脂肪細胞のインスリン感受性を高めるタンパク質であるアディポネクチンの分泌を促進します。骨が形成されている度合いを見るマーカーとして用いられます。) Marker for mature osteoblasts (成熟した骨芽細胞のマーカー) (オステオカルシンは骨芽細胞のみから分泌され、骨の代謝調節および骨形成促進性に働きます。また、骨の石灰化とカルシウムイオンの恒常性維持に関与します。) Down (抑制)
CRH(corticotropin-releasing hormone) (副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン) Stress mediated/feedback hormone release (ストレスに仲介され、フィードバックホルモン放出) (ストレスが生ずると、その情報が脳の視床下部に伝えられ、CRHが放出されて副腎皮質ホルモンが作られるということです。) Down (抑制)
POMC(Pro-opio-melanocortin) (プロオピオメラノコルチン) (241個のアミノ酸残基からなるポリペプチド前駆体。285個のアミノ酸残基からなるポリペプチドのプレプロオピオメラノコルチン(pre-POMC)から作られます。) Precursor of pituitary hormones (下垂体ホルモンの前駆物質) (POMCの働きについては、こちらに書いてあります。) Down (抑制)
Prolactin (プロラクチン) (乳腺刺激ホルモン) Hormone critical for reproduction (プロラクチン) Down (抑制)
【補足】プロラクチンは、英語で縮めてPRLと書きます。女性も男性も主に下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞(lactotroph)から分泌しています。 泌乳に対しては乳腺の分化と発達を促します。思春期において、乳管の分枝構造を発達させます。また妊娠期には乳腺葉を発達させます。乳汁合成のときは、カゼインラクトアルブミンなどのタンパク質合成を促進します。赤ちゃんの吸引刺激に応じて乳汁を分泌します。妊娠維持のときには、胎盤ができるまでは卵巣に残された黄体(妊娠黄体)を刺激してプロゲステロン分泌を維持させます。このプロゲステロンの作用は排卵を抑え、また子宮内膜を肥厚させることです。妊娠8週ころになると妊娠黄体の機能は低下を始めて、今度は「胎盤」から黄体ホルモンが分泌されることで妊娠の継続が可能になるのです。 女性の母性行動については、赤ちゃんに対する敵から守り、敵に対する攻撃性を強めます。夫に対しても攻撃的になります。さらに免疫を高め、浸透圧調節も行い、血管新生にも関わります。ついでに書けば、男性でプロラクチン値が高い場合には、インポテンツ(ED)や、性欲低下が現れます。男性の場合は、射精オーガズムの後に、急速に性欲を失う原因となっています。)
Proliferin (プロリフェリン) (英語で縮めてPLFといいます。プロラクチンや成長ホルモンとの関わりがあると同時に、細胞の増殖にも関わりがあるので、この遺伝子によって作られるタンパクはプロリフェリンと呼ばれているのです。) Angiogenesis (血管新生) (成長や分化に必要である血管新生に関わっていることはわかっています。プロリフェリンは、成長ホルモン(GH)、胎盤性ラクトジェンおよびプロラクチンと同一の遺伝子ファミリーであり、GH/PRLファミリーと呼ばれています。哺乳動物の胎盤では,このファミリーに属する多種類の蛋白が見出されています。プロリフェリンが属するファミリーの大部分は特定の動物種にのみ見出される不可思議な進化を遂げた蛋白であります。 Down (抑制)
Glycoprotein hormone α-subunit (グリコプロテインαサブユニット) Common subunit of gonadotropin hormones (性腺刺激ホルモンの共通サブユニット) (サブユニットとは、高分子を成り立たせる基本単位の分子のことです。) Down (抑制)
【補足】性腺刺激ホルモンのLH(黄体化ホルモンとか黄体形成ホルモンともいいます)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン、英語で“Human chorionic gonadotropin”といいます。ゴナドトロピンは性腺刺激ホルモンの意味です。)は糖タンパク質で、タンパク質サブユニットの二量体のそれぞれがと結合しています。そのタンパク質二量体にはα及びβサブユニットと呼ばれる2つのポリペプチドユニットでできています。この構造はTSH(甲状腺刺激ホルモン)に似ています。これらのホルモンの糖の部分はフルクトースガラクトースマンノースガラクトサミングルコサミン、から成り立っています。LHの半減期はたったの20分であります。そしてLHの生物学的半減期に重大な影響を与えるのは糖であるシアル酸から成り立っています。)
IL-6 (インターロイキン6) (マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、線維芽細胞などで産生されるサイトカインです。免疫応答に関わり、造血幹細胞の増殖と分化を制御しています。) Proinflammatory cytokine (炎症促進性サイトカイン) (サイトカインとは、リンパ球やそのほかの免疫に関わる細胞から分泌される液性因子で様々な細胞を活性化します。そして生体の免疫機構を全体に作用し、制御します。) Down (抑制)
IL-8 (インターロイキン8) (ケモカインの一つであります。ケモカインとは、サイトカインのうち、白血球を炎症巣に遊走させる働きを持つ因子です。その分子中にアミノ酸のシステイン(C)の存在によってCXCX、CC、C、CX3C、ケモカインの4つのサブファミリーがあります。各サブファミリー名にリガンドのLをつけます。リガンドとは、細胞の受容体に特異的に結合する低分子物質です。50種類以上のケモカインが存在しますが、その作用は多様です。) Proinflammatory cytokine (炎症促進性サイトカイン) (別名、好中球活性化因子ともいいます。好中球を炎症の現場に遊走させたり、好中球の貪食作用を活性化させます。別名、CXCL8ともいいます。CXCL8のLは、リガンドのLです。つまりリガンドが細胞の受容体にひっつくと、情報が細胞に伝わり、その細胞の核の遺伝子をONにして様々なタンパクを作ることができるのです。) Down (抑制)
Collagenase (コラゲナーゼ) (コラーゲンやゼラチンを分解するタンパク分解酵(プロテアーゼ)であります。従って、コラーゲンというタンパクを分解するのでコラゲナーゼといいます。細胞のあらゆる基質に存在するタンパク分解酵素です。) Matrix protease (マトリックスプロテアーゼ) (マトリックスプロテアーゼの多くは、金属を含んでいます。それをマトリックスメタロプロテアーゼといいます。英語で、Matrix metallo-proteinaseといい、略してMMPと書きます。) Down (抑制)
【補足】(メタロプロテアーゼは、酵素の活性を中心に金属イオン配座し、その活性中心には亜鉛イオン(Zn2+)やカルシウムイオン(Ca2+)が含まれています。コラーゲンプロテオグリカンエラスチンなどから成る細胞の外にある古くなったり傷ついたりしたマトリックス(基質)の分解をはじめとし、細胞表面に発現する傷ついたタンパク質の分解、古くなった生理活性物質プロセシングなどその作用は多岐にわたります。MMPファミリーに属する酵素は分泌型と膜結合型の二種類に分類されます。分泌型MMPは産生後、分泌細胞から離れたところにおいても働きますが、膜結合型は細胞表面に発現しているので活動範囲は狭いのです。)
ICAM-1 (Intercellular Adhesion Molecule 1) (細胞間接着分子、CD54ともいいます。) (免疫系の細胞間相互作用を司る接着分子の一つで、リガンドであるLFA-1(lympho-cyte function associated antigen-1)と共同してリンパ球の抗原提示細胞への結合や、活性化リンパ球の血管内皮細胞への結合に関与します。さらに血管内皮細胞、胸腺上皮細胞その他の上皮細胞、線維芽細胞などのさまざまな細胞にICAMは認められ、各種炎症性サイトカイン(IL-1、TNFあるいはIFN-γ)によりその発現が増強されます。近年、敗血症、膠原病、癌転移などの病態における接着分子の役割が注目されています。) Inflammatory response (炎症反応) (近年、炎症の発症メカニズムにおいて、接着分子の関与が注目されています白血球がケモカインにより炎症部位へ遊走し移行・浸潤するには、まず血管内皮に接着することが必要であり、接着分子はその接着作用に不可欠であります。特にICAM-1は、種々の炎症性疾患に重要な役割を果たしています。ICAM-1 (CD54) は75~115kd の糖タンパクで、主に血管内皮細胞に発現を認め、そのリガンドであるLFA-1を有する白血球との接着に関与するIgスーパーファミリーに属する分子であります。IFN、IL-1、TNF等の炎症性サイトカインにより発現が増強され、免疫応答初期で作用しています。消化器癌、造血器腫瘍等でも発現し、転移時の他臓器浸潤に関与していることが分かっています。) Down (抑制)

次に、投与されすぎたステロイド(グルココルチコイド)が、心臓の血管や動脈硬化に影響を与える遺伝子の働きについてひとつひとつ具体的に説明していきます。言い換えると、そのような遺伝子の発現のON/OFFが行われているかを明らかにしたいと思います。下の表は、著名な心臓学者によって研究された成果であります。下の表の“Increase”という意味はステロイドによって発現が高まり、“Decrease”というのは発現が低下するという意味です。上の表の“Up”が“Increase”という意味であり、“Down”が“Decrease”と同じ意味になります。この表の“Effect”という意味は、上の表の“Function”と同じであります。また下の表の“ in vitro”は「動物実験において」という意味であり、“in vivo”は「人体において」であるという意味です。人体において実験ができないステロイドの作用について、動物を用いて実験したのが“in vitro”であります。

Table 1

Effects of glucocorticoids on cardiovascular risk factors and atherosclerotic mediators(コルチコイドが心血管の病気の発現を促す危険因子に及ぼす影響と動脈硬化を引き起こす仲介因子に及ぼす影響)

Risk factor/mediator Effect Evidence
Metabolic (代謝) (代謝とは簡単にいえば、古いものと新しいものが入れ替わることであります。従って新陳代謝のことです。生体内の物質とエネルギーの変化であります。代謝によって外界から取り入れた物質を基にして合成と分解を行い、そのためにはエネルギー消費すると同時に、新しくエネルギーが生産されるのです。)
Visceral obesity (内臓肥満) (脂肪細胞は語で“adipocyte”といい、細胞質内に脂肪滴を有する細胞のことです。脂肪細胞には白色と褐色があります。白色脂肪細胞は単胞性脂肪細胞といい、脂肪を貯蔵する仕事をします。一方、褐色脂肪細胞は多胞性脂肪細胞といい、細胞小器官が発達しているので、代謝型の脂肪細胞といいます。冬眠する動物では多胞性脂肪細胞を主体とする脂肪組織を冬眠腺と呼びます。脂肪組織に多くの脂肪幹細胞が見出され、脂肪幹細胞移植など再生医療のセルソース(細胞源)となっています。脂肪酸が脂肪細胞へ運ばれて脂肪細胞が成熟します。また、グルコースが脂肪細胞へ取り込まれると脂肪酸が合成されます。脂肪細胞は、インスリン受容体を介さずにグルコースの取り込みを促進し、さらに、インスリン受容体の感受性を良くするアディポネクチンを分泌します。高カロリー摂取や運動不足などによって脂肪細胞は次第に肥大化していき、肥大化脂肪細胞となり、これが内臓に溜まると内臓肥満になっていくのです。また、脂肪細胞も細胞分裂し、脂肪細胞の数も増加します。白色脂肪細胞はヒトにおいて250-300億個あります。) Increase Human adipocytes in vitro
Animals in vivo
Low-density lipoprotein cholesterol (低密度リポタンパクコレステロール) (臨床の場ではLDLコレステロールやLDLと呼ばれます。LDLは、リポタンパク質の中でコレステロール含有量が最も多く、末梢組織にコレステロールを供給します。そのため、悪玉コレステロールとも呼ばれます。LDLが酸化すると酸化LDLになり、さらに変性糖化することによってLDL受容体への親和性を失います。その場合、スカベンジャー受容体などを経てマクロファージに取り込まれ、マクロファージの機能を変化させることにより動脈硬化症を発症します。) Increase Healthy humans in vivo
High-density lipoprotein cholesterol (高密度リポタンパクコレステロール) (血管内皮細胞など末梢組織に蓄積したコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあります。その結果、動脈硬化を抑える働きをするので、善玉コレステロールと呼ばれます。) Increase Healthy humans in vivo
Triglycerides (トリグリセリド) Increase Healthy humans in vivo
Insulin resistance/glucose intolerance (インスリン抵抗性・糖耐性) Increase Healthy humans in vivo
Vascular tone/oxidative stress (血管緊張・酸化ストレス)
Blood pressure (血圧) Increase Healthy humans in vivo
Endothelial function (血管内皮細胞の機能) (血管内皮とは、血管の内表面を構成する扁平で薄い細胞の層で、血液の循環する内腔と接しています。これらの細胞は心臓から毛細血管まで全ての循環器系の内壁に並んでいます。小さな血管と毛細血管では内皮細胞はもっぱら1種類の細胞しかみられません。内皮細胞は様々な仕事をすると同時に、様々な疾患にも関わっています。例えば、血管収縮血管拡張による血圧のコントロールや、血液凝固や、血栓症や、繊維素溶解や、アテローム性動脈硬化症や、血管新生(angiogenesis)や、炎症と腫脹(浮腫)などに関わっております。 血管内皮細胞はまた、血流にある物質や白血球を血管の内から組織へと運ぶ仕事もしています。いくつかの器官で高度に分化して濾過機能に特化した血管内皮細胞があり、そのような独特な内皮構造には腎臓糸球体血液脳関門があります。適切な血管内皮細胞の機能の消失は血管病の目印であり、しばしばアテローム性動脈硬化症を引き起こします。 Impaired Healthy humans in vivo
NADH/NADPH oxidase (NADH・NADPH 酸化酵素) (NADHにリン酸が付加したものがNADPHです。どちらも化学的性質は同じだと考えていいのです。NADは、英語で“nicotinamide adenine dinucleotide”の略で、「ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド」といいます。NADは、全ての真核生物にあり、ミトコンドリアで用いられる電子伝達体となっております。さまざまな脱水素酵素補酵素として機能し、酸化型は、NAD+かNADで示します。還元型は、NADHかNADPHで示し、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドはこの還元型と酸化型の2つの状態を取り得るのです。略号であるNAD+(あるいはNADでも同じ)のほうが論文や口頭でも良く使用されています。またNADH2とする人もいるが間違いではありません。NADHオキシダーゼは、細胞膜に結合している酵素複合体であり、細胞膜や貪食細胞膜にみられます。元来、貪食細胞は病原体が人体に入ってくると、病原体を取り込んだ時にスーパーオキサイドを作り、過酸化水素を作り、最終的に活性酸素を発生します。これらの物質の働きで病原体が殺されます。ところが、マクロファージは病原体のみならずコレステロールをも取り込んでしまいます。動脈硬化は、コレステロールを蓄えたマクロファージ(泡沫細胞)が血管内膜に集積することで起こります。泡沫細胞とは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が血管組織内に多量に溜まると、変性LDLコレステロールに変化するのですが、この変性LDLコレステロールがマクロファージ(大食細胞)によって食べられた後の大食細胞のことであります。NADHオキシダーゼは活性酸素を生産し、アクチンを重合させることでマクロファージを血管壁に接着します。これはNADHオキシダーゼ阻害剤や抗酸化物質で排除されます。このようにNADHオキシダーゼは動脈硬化症の主な原因となります。) Variable Human vascular cells in vitro
Inducible nitric oxide synthase (誘導性一酸化窒素合成酵素) (一酸化窒素合成酵素は語の略語でNOSと書きます。窒素酸化物である一酸化窒素(NO)の合成に関与する酵素です。NOは単純な化学的構造を持つ分子でありますが、人体においては常温では気体の状態で存在し、生体膜を自由に通り抜けて細胞情報伝達因子として機能しています。NOはアポトーシス血圧変動などに関わっています。NOSは常時細胞内に一定量存在する構成型NOS(cNOS)と炎症ストレスにより誘導される誘導型NOS(iNOS、NOS2)に分類されます。cNOSの“c”は、“constitutive”の頭文字であり、構成的という意味で、構造に一部になっているのです。さらにcNOSには、神経型のnNOS(NOS1)と、血管内皮型のeNOS(NOS3)が存在します。“nNOS”の“n”は“neuron”の頭文字であり、神経という意味です。“eNOS”の“e”は“endothelial”の頭文字であり、血管内皮の意味です。NOSの補酵素としてカルモジュリンや上に述べた還元ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸(NADPH)が働いています。NOの機能は血管拡張作用と血小板凝集作用があります。) Decrease Human and animal endothelial cells in vitro
Endothelial nitric oxide synthase (血管内皮細胞一酸化窒素合成酵素) Variable Human in vitro
Endothelin-1 (エンドセリン1) (血管内皮細胞由来の21個アミノ酸から出来ているペプチド。このペプチドは血管収縮作用を持つ。平滑筋収縮因子のひとつ。) Increase Animal vascular endothelial cells in vitro
Endothelin-1 receptor (エンドセリン1受容体) (エンドセリン (endothelin) は、血管内皮細胞由来のペプチドで、強力な血管収縮作用を有するオータコイドの一種であります。オータコイドとは体内で産生され微量で生理・薬理作用を示す生理活性物質のうち、ホルモンおよび神経伝達物質以外のものの総称であります。エンドセリンは肺高血圧心不全腎不全といった病態との関連が指摘されています。エンドセリン受容拮抗薬である “bosentan” は肺動脈性肺高血圧症の治療薬として使用されています。) Decrease Animal vascular smooth muscle cells in vitro
Angiotensinogen (アンジオテンシノーゲン) (アンジオテンシンにはI~IVの4種が存在し、これらのうち、アンジオテンシンII~IVは心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させます。なお、アンジオテンシンIには血圧を上昇させる効果はないことを知っておいてください。アンジオテンシンの原料となるアンジオテンシノーゲン (angiotensinogen) は肝臓や肥大化した脂肪細胞から産生・分泌されます。 このアンジオテンシノーゲンは、腎臓傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンの作用によって、アミノ酸10残基から成るアンジオテンシンI がまず作り出されます。このアンジオテンシンⅠは血圧を上げることができないので、その後、これがアンジオテンシン変換酵素のACE(angiotensin converting enzymeと書き、略語でACEとなります)とキマーゼカテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンII に変換されます。 アンジオテンシンI は血圧上昇作用を有さず、アンジオテンシンII が最も強い血圧上昇作用を持ちます。アンジオテンシンIII は II の4割程度の活性で、IV はさらに低いのです。また、アンジオテンシンII は副腎に作用して、鉱質コルチコイドで血液におけるナトリウムとカリウムのバランスを制御するアルドステロンを分泌させます。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンであるバソプレッシン(ADH)が分泌されます。 アンジオテンシンII は副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からのアルドステロンの合成・分泌が促進されます。このアルドステロンの働きによって、腎臓の集合管でのナトリウムの再吸収を促進し、これによって体液量が増加する事により、血圧上昇作用をもたらします。また、脳下垂体後葉から分泌されるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進し、水分の再吸収を促進することにより、さらに血圧上昇作用をもたらします。アンジオテンシンII には血圧上昇作用があるため、これを作らせないか、またはその作用をブロックする化合物ができれば血圧降下剤として用いることができます。アンジオテンシン変換酵素 (ACE) の働きを止めるタイプの薬剤をACE阻害薬 (angiotensin converting enzyme inhibitor、ACE inhibitor) と呼びます。またアンジオテンシンII の受容体に結合し、その作用をブロックするタイプの薬剤をアンジオテンシンII受容体拮抗薬 (angiotensin receptor blocker, ARB) と言います。いずれも臨床上重要な降圧剤として広く用いられています。また近年、これらの前の段階である、レニンを阻害するタイプの降圧剤も登場しています。 Increase Human adipocytes in vitro
Animal adipocytes in vitro
Angiotensin-converting enzyme (アンジオテンシン変換酵素) Increase Animal vascular smooth muscle cells in vitro
Angiotensin II type I receptor (アンジオテンシン2タイプ1受容体) Increase Animal vascular smooth muscle cells in vitro
Alpha-1 adrenergic receptor (アルファ1アドレナリン受容体) (アドレナリンは副腎髄質より分泌されるホルモンであり、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもあります。交感神経興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンと呼ばれます。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといった状態に相当するストレス応答を、全身の器官に引き起こします。アドレナリン受容体は現在、αはα1、α2の2種類と、βはβ1、β2、β3の3種類と、更にαは3つずつのサブタイプに分類されています。これらサブタイプは、次のように分類されております。 α1(α1A、α1B、α1D) – 血管収縮、瞳孔散大、立毛、前立腺収縮などに関与 α2(α2A、α2B、α2C) – 血小板凝集、脂肪分解抑制のほか様々な神経系作用に関与 β1 – 心臓に主に存在し、心収縮力増大、子宮平滑筋弛緩、脂肪分解活性化に関与 β2 – 気管支や血管、また心臓のペースメーカ部位にも存在し、気管支平滑筋の拡張、血管平滑筋の拡張(筋肉と肝臓)、子宮の平滑筋等、各種平滑筋を弛緩させ、および糖代謝の活性化に関与 β3脂肪細胞、消化管、肝臓や骨格筋に存在する他、アドレナリン作動性神経のシナプス後膜にもその存在が予想されています。基礎代謝に影響を与えているとも言われています。 ノルアドレナリンが褐色脂肪細胞上のβ3受容体に結合すると、UCP1(脱共役タンパク質)が生成され、ミトコンドリアで脱共役が起こり、熱が産生されます。動物の冬眠時に良く見られる運動に伴わない熱産生の手段であります。日本人を含めた黄色人種ではβ3受容体の遺伝子に遺伝変異が起こっていることが多く、熱を産生することが少ない反面、エネルギーを節約し消費しにくいことから、この変異した遺伝子を節約遺伝子と呼びます。) Increase Animal vascular smooth muscle cells in vitro
Prostacyclin E2 (プロスタサイクリンE2 (人体の組織でアラキドン酸から作られ、抗凝血作用や血管拡張作用があるホルモン様物質。別名プロスタグランジンI2 Decrease Animal vascular smooth muscle cells in vitro
Homeostasis (恒常性) (恒常性とは、生物体が体内環境を一定範囲に保つ働きであります。恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指します。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもあり、生体恒常性とも言われます。 恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧pHなどをはじめ病原微生物ウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及びます。恒常性が保たれるためにはこれらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければならないのですが、これを、負のフィードバック作用と呼びます。この作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っています。)
Platelet activator inhibitor-1 (血小板活性化阻害1) Increase Human adipocytes in vitro
Von Willebrand factor (ヴォン・ヴィレブランド因子) (血液凝固因子で血管内皮細胞によって分泌されます。血漿中にあり、血管損傷部位で血小板が血管内皮下組織のコラーゲンに粘着するのを促します。血漿中で第Ⅷ因子と複合体を形成し、第Ⅷ因子の活性化の低下を防いでいます。) Increase Human endothelial cells in vitro
Cellular adhesion molecules ICAM-1, ELAM-1 (細胞接着分子 Inter cellular adhesion moleculeの略がICAMであり、細胞間接着分子という意味で、Endothelial leukocyte adhesion moleculeの略がELAMであり、血管内皮白血球接着分子です。) (人体は38兆個の細胞でできています。毎日人体は必要な細胞同士がコミニュケーションを取るためには必ず接着する必要があるのです。) Decrease Human endothelial cells in vitro
Plasma matrix metalloproteinases MMP-2,9 (プラズママトリックスメタロプロテアーゼ2、9) (MMPは30種類近くあります。マトリックスという意味は基質です。基質というのは細胞の間にある細胞間物質であります。組織は細胞だけで成り立っているのではなくて、細胞の外にある組織を結合組織といい、基質から成り立っています。プロテアーゼというのは、このマトリックスにある様々なタンパクを分解したり、細胞表面に発言するタンパク質を分解したりします。) Decrease Healthy humans in vivo
Circulating cytokines IL-1,2,6 and TNF-alpha (血中に循環しているサイトカインの中のインターロイキン1、2、6とTNF-α) Decrease Depressed humans in vivo
Rheumatoid arthritis humans in vivo
C-reactive protein (C活性タンパク質) (体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質肺炎球菌のC多糖体と結合するためこの名がある。CRPと略称されます。C反応性蛋白は細菌の凝集に関与し、補体の古典的経路を活性化する作用を有します。CRPのコーナーを読んでください。) Increase Human hepatocytes in vitro
Variable Animals in vivo
Decrease Rheumatoid arthritis humans in vivo

-潰瘍性大腸炎・クローン病, 症例報告

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