老人性アルツハイマーと若年性アルツハイマーの違いは何でしょうか?それはBACE1 による APP 切断部位選択機構の違いによって生じるのです。
アルツハイマー病(AD)は、アミロイドβタンパク質(Aβ)が可溶性オリゴマーを形成しシナプス毒性を発現することで発症すると言われていますが、海馬の細胞に感染したヘルペスウイルスを感染細胞もろとも殺し、隣接する細胞に感染しないように人体の免疫が働いているだけでシナプス毒性を発現することによってAβ(アミロイドβ)が生じるのではないのです。Aβは、元来正常な人のI 型膜タンパク質であるアミロイドβ前駆体タンパク質(APP)が細胞外領域でアスパラギン酸プロテアーゼで I 型膜タンパク質であるβセクレターゼ(BACE1)による切断を受け、さらに細胞膜内でγセクレターゼ複合体による切断を受けることでAβ(アミロイドβ)が産生されます。