理論 病気とは何か?

膠原病とは何か?

投稿日:2019年12月28日 更新日:

 改めて膠原病とは何かについて言いましょう。それを語る前に“膠原”という意味について説明しましょう。人体は60兆の様々な細胞から成り立っています。細胞は外から酸素を摂取し、栄養を取り入れ、かつ老廃物を処理しながら、ひとつひとつの細胞は新陳代謝をしながら生き続けます。それではこのような酸素や栄養はどこから取り入れるのでしょうか?血管からです。血管は細胞ではありません。もちろん血管も細胞からできているのですが、直接この毛細血管がひとつひとつの細胞に入っていくのではありません。血管から染み出た酸素や水や栄養素を取り込んでいきます。従って血管壁と細胞の壁とは0.1mmしか隙間がありません。それではこの血管はどこを通っているのでしょうか?その血管が通っている場所が結合組織とか、間質とか、支持組織とかといわれる細胞外の組織であります。この結合組織は主にコラーゲンが主成分である膠原線維でできているので、この組織で炎症が起こる病気を膠原病といわれるようになったのです。この病気の概念を1942年にクレンペラーが最初に見つけ出し使い始めたのです。ところが膠原線維だけで結合組織ができているわけではないので、近頃は膠原病といわれるよりも、もっと広い意味をこめて結合組織病といわれることが多いのです。

 それではなぜ結合組織で病気、つまり炎症が起こるのでしょうか?世界の学会は原因が分からないと言い張り、挙句の果ては自己免疫疾患という根拠のない新たなる病名を作り始めたのです。口を酸っぱくして私が何万回も言っているように、結合組織病の本質は、実は水と酸素と5大栄養素以外の、細胞の生存に必要でない化学物質が毛細血管から染み出て、この結合組織にたまり、これを異物と認識した免疫がIgGの抗体で排除しようとしたときに炎症が起こり、これが結合組織病、つまり膠原病なのであります。

 より深く理解したい人は、『なぜ自己免疫疾患はないのか?』という私の論文を読んでください。

-理論, 病気とは何か?
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

家族性大腸ポリポーシス 更新2025.7.7

家族性大腸ポリポーシス 家族性大腸腺腫症(FAP)は、大腸に多数のポリープ(腺腫)が多発する遺伝性の疾患です。ポリープは年齢とともに増加し、放置すると高確率で大腸がんになるため、早期の診断と治療が重要 …

no image

腎炎(糸球体腎炎)は膠原病であり、クラススイッチと免疫寛容で治る。

しかし糸球体はおびただしい数で、しかも極めて長い毛細血管でできているので傷が治りにくく時間がかかる。腎機能の異常がなくてもときにタンパク尿がいつまでも残る  腎臓の専門家でもない一介の開業医が、どうし …

no image

ラムゼイハント症候群のようなherpesによる治療で抗herpes剤とステロイド剤を同時併用することがしばしば見られますが矛盾する治療で止めるべきです。更新2025.9.26

ラムゼイハント症候群のようなherpesによる治療で抗herpes剤とステロイド剤を同時併用することがしばしば見られますが矛盾する治療で止めるべきです。その根拠を説明しましょう。 ラムゼイハント症候群 …

no image

オプジーボについて_その1 2018.12.13更新

まず、ノーベル賞を受賞された本庶佑先生がおっしゃられていたように、オプジーボは免疫の働きを利用した全く新しいタイプの抗ガン剤であり、かつガン治療薬において細菌病原体に絶滅させた嚆矢となったペニシリンと …

no image

免疫を抑えてはいけない理由、それは病気を作るからである

~ほとんど全ての薬は免疫を抑える薬であるから使ってはいけないのです~  まず、免疫とは何かについて述べましょう。この世に5大栄養素と水と酸素だけが存在し、他の異物がなければ、免疫の働きは生まれなかった …