アレルギー性鼻炎結膜炎 革命的根本治療法

革命的アレルギー性鼻炎・結膜炎の根本治療法

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(免疫反応を抑制せずに症状だけを漢方煎剤で取るだけで完治する。)

漢方でアレルギー性鼻炎・結膜炎は必ず治してあげます。

「漢方によるアレルギー性鼻炎・結膜炎の自然後天的免疫寛容による完治の理論と証拠」

松本漢方クリニック 院長 医学博士 松本仁幸
(京都大学卒業、大阪外国語大学中退、京都府立医科大学卒業)

( アレルギー性鼻炎・結膜炎とは環境の汚染物質が大気によって運ばれ鼻や目から侵入するときに排除しようとする高貴な戦いであり、症状が出るということは勝っていることを意味します。アレルギー性鼻炎・結膜炎が治るということは、強大な大気汚染環境との戦いに負ける、つまり人体の武器であるIgE抗体が自然に作れなくなることであります。ところが現代医療のアレルギー性鼻炎・結膜炎の全ての治療はステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いてIgE抗体の産生と使用を一時的に抑えて見掛けだけ症状を取る、つまり一時休戦するだけですからIgE抗体の産生能力が保持され続け、薬が切れると再び作られ、使用され、戦いが再開されるいたちごっこになり永遠に根治出来ない医者の作った病気になります。私のアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療法が革命的であるのは、一切免疫を抑制しないで完治させるからであります。漢方は免疫の抑制をせずに症状を楽にし、最後に戦いは終わり、IgE抗体も作られなくなりアレルギー性鼻炎・結膜炎のみならず他のアレルギーも全て完治してしまいます。)

革命的アレルギー性鼻炎・結膜炎の根本治療法

(1)私の治療法が何故革命的アレルギー性鼻炎・結膜炎の治療法になるのか?

まず私の治療法や考え方が革命的である理由を結論から箇条書きにします。

  1. 現在の正統的なアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療法は免疫を抑えることが全てでありますが、一切免疫を抑えなければ必ず治ることを証明したこと。
  2. 従って免疫抑制剤であるステロイドや抗アレルギー剤や抗炎症剤を治療に用いてはならないことを証明したこと。
  3. アレルギー性鼻炎・結膜炎は人間が作り出した人工化学物質と戦っていることを証明したこと。
  4. アレルギー性鼻炎・結膜炎を治すことは結局全てのアレルギーが治ることと同じであることを証明したこと。
  5. してはいけない事はただ一つ、日本に住み続けることである事を証明したこと。(ただ日本に住み続ける限りは人工化学物質との戦いに敗北し共存する以外に無いことを証明したこと。)
  6. アレルギー性鼻炎・結膜炎を治すのは体質を変えるということではなく、戦いに負けることを証明したこと。(体質などというのは、元来定義不可能であり、変えるなどという事はできるものではないことを証明したこと。)
  7. アレルギー性鼻炎・結膜炎は制御するものでもなく、一生付き合っていくものでもなく、完治できるということを証明したこと。
  8. アレルギー性鼻炎・結膜炎の治療の99%が医者の作った医原病や薬の作った薬害病であることを証明したこと。

 あらゆるアレルギーの権威ある書物を読んでみて共通することは、まず深く考えずに勝手にアレルギーそのものがはなから否定的に捉えられていることであります。何故このように先入観的にアレルギーが有害だと決め付けらてしまったのでしょうか?その根拠は幾つかあります。アレルギーの研究の歴史を見ますと、普通の人間の生活では決して起こり得ない不自然な実験、例えばイソギンチャクの毒素を犬に注射したり、牛の血清を兎に注射するなどの実験からアレルギーの研究が始まっています。このような実験結果は異常でないはずはないのです。最悪の場合は死に至るような悪い結果が出るものですから、異物の入れ方にかかわらず、どんな異物が人体に入ってもそれを排除しようとする反応(アレルギー) は全て悪いものだという印象を植え付けました。そのようないろいろな実験から、1906年にオーストリアの小児科医ピルケがこのように異物が体に入り、人体にとって有害に見える症状を起こすときに、アレルギーという言葉を提唱したのであります。その語源はALLOS(OTHER)とERGON(WORK)の二つの語を引っ付けて、本来の働きとは異なる(変わった)仕事(反応)すなわち、変わった反応、つまり奇妙な反応という考え方から生まれました。この名称は極めて示唆的であります。というのは、ピルケの時代はあくまでもアレルギーという言葉は学問上の言葉であり、一般の人は誰も知りませんでした。その後、世界は科学文明をどんどん発達させ、十万種類以上の人工化学物質を大量に世界中にばらまいてしまいました。その結果、最近アレルギーはどこにでも見られ、アレルギーという言葉を知らない人は誰もいなくなりました。元来免疫というのはIgM抗体やIgG抗体を作り、その結果2度と伝染病に掛からないようにしてくれる正しい仕事と考えられてきたのであります。ところが最近の研究で分かったのですが、まず排除すべき抗原と出会ったTリンパ球の指令を受けてBリンパ球がIgM抗体を作り、次に別のTリンパ球の指令を受けて同じBリンパ球がIgG抗体を作るのであります。これを免疫の抗体のクラススイッチと言います。ここでクラススイッチが終わればアレルギーは起こらないのでありますが、人間の免疫はさらに深遠なクラススイッチを行います。つまりさらにTリンパ球の指令を受けて、IgE抗体を作ることが出きるのです。人類は20世紀の後半までは生き延びる為にIgM抗体とIgG抗体を作るだけで十分であったのですが、その後科学技術文明を発達させすぎて人体の免疫にとって無視できない大量の化学物質を作りすぎて、とうとうパンドラの箱を開けざるを得なくなりIgE抗体を大量に作るようになってしまったのです。

 ピルケの活躍していた1900年代の初めは、このようなクラススイッチはおろか抗体という概念さえも無かったのです。従ってこの意味で、ピルケはこのアレルギーのクラススイッチの事実を予言していたとも考えられます。しかしこのようなIgE抗体までを作るクラススイッチを、果たして否定的に捉えて良いのでしょうか?人体は合目的に進化を遂げてきたのであります。必要でなければ進化の過程で不必要な機能は廃棄されたり退化し、必要な機能はさらに改善されてきたのです。ところが誰もがIgG抗体の一万分の一から十万分の一くらいのIgE抗体は常に保有しています。免疫の発生の胎生期に人体は自己の成分に対して免疫反応を起こさないように、自分の成分に対しては免疫寛容(麻痺)というプロセスを経て先天的に非自己だけ反応するよう決められているのであります。これを先見的免疫寛容(麻痺)と名付けて良いでしょう。しかしながら人体に侵入しても増殖はしないが人体にとって有害である物質、つまり毒が侵入したときに生理学的に排除できないときや、また生理学的には排除できる有害物質が大量に侵入したために排除できなくなったときに、人体はどうするでしょうか?その目的の為に密かにIgE抗体を作る能力を温存しておいたのだと私は考えます。つまり、そのような毒がある濃度を超えると、人の生命を奪う可能性があるときに(人間が作った化学物質は、ほとんど全てがあるレベルを超えて人体に侵入すると必ず人を殺してしまうでしょう。)、それを排除するために最後の免疫を発動させ、このときに使う武器としてIgE抗体を作るわけです。これこそ免疫の中に密かに隠されていた最後の正しい手段ではないのでしょうか?そうでなければわざわざ最後にクラススイッチしてIgE抗体を作る余地を残さなかったはずであります。それなのに何故学者はこのような考え方ができないのでしょうか?答えは簡単です。人体から排除すべき化学物質というのは科学文明によって生み出され、必ず人間の幸せを増やすと盲目的に考えられているものですから悪いことをするはずが無いと思い込まれています。現代の人間は、ましてや文明の最先端にいる科学者は、本能的に自分たちが支えている文明が悪をなしているとは決して思いつかず、無意識の内に否定してしまっているからであります。

 例えば、天然に見られるクラゲやイソギンチャクに刺されて、その毒を排除しようとしてアレルギーを起こすのは当たり前のことです。なんとならば、この地球上には人間以外に約8千万種の生命がいます。その全てが人間に好意的であるはずがありません。人間は単なる種の一つにすぎないのです。このような天然の種が作り出している天然の異物が、人間にとって有害である異物というのは無限に存在し、それを摂取した後に異物として認識し排除するのは当たり前なのです。宇宙が誕生して150億年、地球が誕生して45億年、生命が誕生して43億年、人類が誕生して250万年といわれます。この生命誕生以来の言わば無限の時間の中でそれぞれの種は敵と味方を分類し、お互いに領域を荒らさずに共存してきたのであります。例えば、アレルゲンは蛋白しか成り得ません。にもかかわらず人間は他の動植物の蛋白を摂取して生存し続けました。どうして食べ物として食べるこのような蛋白がアレルゲンにならないのでしょうか?人間にとって無限に多種類の蛋白は異物そのものであったはずです。それは無限の時間の中で自分の生存に必要な蛋白を免疫が異物と認識しないように自然と免疫学的に共存できるようになったと考えます。つまり、私がこれから唱ようとしている自然後天的免疫寛容を起こし、この認識が遺伝子に組み込まれ、最後は知らず知らずの内に子孫に伝えられ共存できるようになったと考えます。私はこれを進化論的免疫寛容と名付けたいのであります。ところが生存のために食べる必要が無かった自然に見られる蛋白は、初めから人間にとって食物になるにはあまりにも毒性が強く、様々な症状を引き起こした為に二度と口にされなかったので、自然後天的免疫寛容を起こす機会も与えられなかったのです。当然、自然後天的免疫寛容を起こした後に生じる進化論的免疫寛容も成立しなかったわけであります。従って古来から天然の異物に対してアレルギーを起こすことは何も不思議なことではなかったのです。ただアレルギーを起こさないためには、そのような異物を避ければ良かっただけの話だったのです。ところがアレルギーを起こしたときは、わざわざそのような異物と接触した人間の無知が問題だったのです。触ればかぶれたりするならば触れなければ良いわけであり、食べたり飲んだりしてアレルギーを起こすならば口に入れなければ良かったわけです。ところが現在の文明においては、生きるために嫌が応でも科学技術によって生み出された言わば新種の異物である人工化学物質と接触し、吸い込み、飲み込み、食べなければ生きられないが故に、アレルギーが文明病的な最も多数の人が患う病気になってしまったわけであります。21世紀は全ての人がアレルギー患者になっているということを自信を持って予言できます。さらに一度アレルギーを起こした後、私の言う自然後天的免疫寛容を起こせば二度とアレルギーを起こすことが無く、この資質は子孫に受け継がれ進化論的免疫寛容となり、それらのアレルゲンである人工化学物質と共存できるようになるということも予言しておきましょう。

 私達の身の周りを見てみましょう。科学技術文明の恩恵を受けない生活必需品があるでしょうか?衣食住の全てのものが、何らかの形で人工的な物質が加味されております。江戸時代を思い出してください。この時代は全てが自然から得たものを形を変えただけのものが生活必需品だったわけであります。全て自然循環の中で暮らせば良かったのです。したがってこの時代は100%人工的アレルギーとは無縁の時代でありました。まさにアレルギーとは人工化学物質文明が生み出した文明病なのであります。このような時代にアレルギーを避ける方法は二つしかありません。一つは、文明を否定して人工化学物質の無い自然の状態に生活を戻すことです。例えば日本を逃げ出してアマゾンの原住民と一緒に生活することです。無理なことです。二つ目は、アレルゲンを受け入れて化学物質と共存することであります。アレルギーを起こす人はアレルゲンと戦い、それを排除する戦いに傷つきながらも勝利していることを意味するのです。アレルゲンを受け入れ共存するということは、武器である免疫のアレルギー抗体であるIgE抗体が自然と作られなくなるまで我慢することです。昔は放っておけばアレルギーは自然と治ると言ったのはこのことなのです。問題はIgE抗体が作られなくなるまでアレルギーの戦いが続くということです。このアレルギーの戦いは避けることはできないわけですから、どのようにアレルギーの不快さに対処するかが治療法になるわけです。ところが現代の医者たちは、アレルギーの意味や全貌を全く理解せずに、重箱の隅をつつくことばかりをしています。まず、原因さえ分かろうとしません。今まで何千年もの間、人間が何の問題もなく食べてきた食べ物をアレルゲンと言ってみたり、人間の生活に貢献してきた全ての木の花粉が鼻炎を起こすなどというような愚かなことを言い続け、何の疑問も感じていないのであります。これらは単に人間が作り出した人工化学物質の運び屋に過ぎないのです。除去すべきは食べ物や花粉ではなく、その中に運ばれている農薬をはじめとする全ての化学物質なのであります。さらに、学者はその治療の為に正しいアレルギーの免疫をいかに抑制すれば良いのかということばかり研究しております。このようなアレルギーの免疫を抑制する医者を例えて言いますと、細菌が体内に入ってきて熱が出るときにIgM抗体やIgG抗体を作る免疫の働きによって生じる熱であるから、解熱させるためにこのような抗体の働きを抑制するだけで、細菌を殺すことを忘れている医者に似ています。ただこのような愚かな医者が存在しないのは、このような研究をしている内に細菌のために人が死んでしまうからです。ただアレルギーの場合は、悠長に的外れな研究が続けられるのは、アレルギーによって排除される異物は、少なくとも当面人の命を奪うものではないからです。

 ここで考え方をまるっきりかえて、コペルニクス的転回をすればアレルギーに対する治療法も極めて簡単なものになるわけです。これを世界で初めて考え出し、その治療法を実践し、全てのアレルギーを完治させているのは私なのであります。まさに天動説を地動説に変えた革命的なコペルニクスの考え方と同じく、私の考え方は革命的なのであります。まず第一に、アレルギー反応は正しい。第二に人間の頭脳が作り出した人体に有害な人工化学物質がアレルゲンであること。第三に、従って絶対にアレルギーの免疫を抑制してはいけないこと。第四に、免疫反応の結果生じた症状の後始末だけをすれば良いこと。第五に、IgE抗体が使われる免疫反応の戦いは必ず負けるわけですが、つまり環境と平和的に共存できることになるわけですから勝つことになります。この五番目の考え方が私の提唱している自然後天的免疫寛容(麻痺)であります。もっと的確には自然後天的免疫敗北と言った方が良いかもしれません。つまり負けて勝つという高等戦術であります。私の治療の理論と実践が何故全ての人のアレルギーを完治させ得るかというと、どんな戦いも全戦全敗という結果を目指しているからであります。これほど簡単な勝利はないからです。つまり、初めから負けることが勝利であるという奇妙な戦いであるからです。このように逆説的に聞こえるのは、まさにアレルギーが人間の文明が作り出した異物を排除する際に見られる戦いであるからです。どんな人でも、こんな戦いは自信を持ってできるわけであります。私がその司令官であるわけです。無限の汚染環境を敵に回して、有限である人間が勝てるわけがありません。さらに環境がなければ私達は生き続けることは不可能なのです。従ってこの戦い(アレルギー)の戦術(治療法)は、相手(汚染環境)を倒そうとするのではなくて、傷ついた味方の兵士(皮膚)をいたわることだけが全てなのです。つまり皮膚が傷つけば免疫を抑制せずに出きる限り早く皮膚の傷を治し、そこに増殖する細菌が増えないようにすること、喘息であれば免疫を抑制せずに呼吸を楽にしてあげること、鼻炎であれば免疫を抑制せずに鼻水・鼻詰まりを取ってあげることであります。このような仕事は漢方煎剤の本領とするところであります。漢方煎剤は免疫を一切抑制せずに症状だけを除去し、最後は自然に武器であるIgE抗体が作れなくなり汚染環境と無理矢理共存させられてしまうのであります。以上で私の革命的アレルギー治療法の意味は十分に理解してもらえたことでしょう。

(2) 何故アレルギー性鼻炎・結膜炎が増加したのか? 

 元来免疫とは細菌やウイルスなどが人体に侵入し増殖して生命を脅かす異物に対する感染防御の働きを意味しました。細菌やウイルスを殺す武器は体の中で作られるIgM やIgG と言われる抗体であります。一方、アレルギーは医学的には不必要な過剰免疫反応と否定的に考えられてきましたが、私に言わせると免疫の正しい働きの一つであり、微量では生命を脅かさないが、大量では人間に害を与え、人体では増殖できない異物である天然・人工化学物質に対する排泄反応、防御反応であり、排泄に用いられる武器はIgE 抗体であります。食べた異物である化学物質を皮膚から排泄する時はアトピ-性皮膚炎、鼻から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性鼻炎、目から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性結膜炎、気管支から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性気管支喘息であります。これらはすべて化学物質が体内に蓄積し生命を脅かさないように人体を守ろうとする働きであり、武器はすべてIgE抗体が用いられ、使われる場所が異なるだけであることが最近明らかにされました。従ってこれらの全てのアレルギーを同時に治療するために新しくアレルギー科の標榜が許されたのであります。

 文明が進歩するにつれて人間は科学の力によって人間だけに都合の良い便利な人工物質を大量に作りだしました。現代人の衣食住の生活の場で完全に自然から得られた物は何ひとつとして無いと言っても過言ではありません。とりわけ人体に取り込まれる水、食物、空気の中に人体にとって異物と認識され、毒にはなっても無益な化学物質が極めて多く含まれ、それらが無理やり人体に入り込むようになり、人体はこれを排除しようとするのは全く当然のことであり正しい体の働きであります。例えば鼻の粘膜や目の結膜に大気に運ばれた汚染物質であるホルムアルデヒドをはじめとする揮発性有機化合物や、防虫剤・殺虫剤などや、排気ガスの粒子や煤煙の粒子が入り込んできたらどうするでしょうか?瞼を閉じるだけで十分でしょうか?無理矢理鼻腔を狭くすることができるでしょうか?さらに奥深く粘膜から体内に侵入しようとするとき、人体はどのように対応するでしょうか?このときはじめて異物をその場で排除するために人体の奥の手である免疫を発動させ、涙を流させたり、クシャミをさせたり、鼻水を出させたり、最後は鼻詰まりをさせて異物を入れまいとするのは何と素晴らしい人体の働きでしょうか!

(3) 真のアレルギー性鼻炎・結膜炎の根本治療はなにか?    

 アレルギ-を起こすアレルゲン、つまり人体の蛋白や植物の花粉の蛋白と結びつく人工化学物質を大気を通して人体に入れないことです。積極的には文明社会から化学物質を一切除去することです。すくなくとも日本でディーゼルエンジンやガソリンの自動車の使用を禁止することです。しかしこれは不可能なことです。政治的にも経済的にも社会的にも文明的にも無理な話です。( しかし最近、電気自動車が脚光を浴びつつあります。)消極的には自動車や農薬や他の化学物質のない国に永久移住することです。どちらも無理なことです。近頃、アレルギー性鼻炎・結膜炎の原因が杉花粉であるからといって杉の木を切れなどという馬鹿なことを言う学者が増えてきたことを実に残念に思います。

(4) 次善のアレルギー性鼻炎・結膜炎の根本治療は何か?  

 一言で言えば、昔の様に医者に行かないで放置すれば必ず原理的には治ります。言わばアレルギー性鼻炎・結膜炎とは環境と人体との戦いであり、決して勝てる戦いではないのです。何故ならば人体は有限でありますが、環境は無限であるからです。しかも戦いは最後は必ず決着がつきます。常に戦いは強い側が勝ちます。有限が無限に勝てることはありません。つまりこの戦いの武器であるIgE抗体は無限に作られるわけではなくて、自然に作られなくなり、体内から消えてしまい、環境との戦いに敗北してしまうのであります。この事実は私が発見したのであります。これが私のアレルギー根治の根本原理であります。しかし戦いが終わるまで放置しておくと症状がひどいときには耐えられないことがあります。この症状を簡単に除去してくれるのが漢方煎剤であります。漢方煎剤は一切免疫を抑制せずにいかなる他の西洋薬よりも症状を楽にしてくれます。このような完治の理論と実際とを教えてくれたのは、完治まで私の治療についてきてくれたアトピーの患者さんであり、他のアレルギーの患者さんであります。始めから私が知っていたわけではありません。私が始めから仮定をたてて、それを実践して証明したわけではなく、全てステロイドを使わずにアトピーやアレルギー性鼻炎・結膜炎や喘息を完全に治してあげた患者さんの経験から学んで打ち立てた理論であります。従ってこの理論は私のみが知っており、勿論優れた博士論文に成り得るわけであります。何故私だけがこの事実を知り得たかというと、恐らく世界で一切ステロイドや抗アレルギー剤を用いずにアトピーやアレルギー性鼻炎・結膜炎や喘息の治療を行ってきた医者は私だけしかいないからです。ステロイドや抗アレルギー剤は炎症のみならずこのような貴重な理論と事実を隠してしまうこともあり得ることを考えると、本当に罪の多い薬と言えます。

 さて、外部から侵入してくる異物を抗原またはアレルゲンと言います。しかし多くの場合は化学物質は分子量が小さく、それ自身だけではアレルゲンには成り得ません。必ず分子量の大きい蛋白と結びついてはじめてアレルゲンになるわけです。これらの化学物質をハプテンと言います。優れた免疫機能を持った人体はハプテンと人体が持っている蛋白とが結びついたアレルゲンを見つけると免疫機構を発動させて、最終段階でIgE 抗体を作りアレルゲンと結びついて、このアレルゲンを排除しようとする戦いを始め、最後はわざわざ目を痒くしたり、涙を出させたり、鼻を詰まらせたりしてアレルゲンを人体に入れまいとします。よりによって鼻を詰まらせたりして異物をどうしても排除しようとし続けるのは、その異物が体内に蓄積すると死をまねくという免疫機構の認識によるものであります。しかしこの抗原抗体反応の戦いは必ず敗北に至ります。何故ならば人体において特別に作られるIgE 抗体は有限でありますが、環境に見られる農薬や化学物質は人間が文明生活を続けるために無限に作り出すからです。

 昔から天然の異物に対してクシャミをしたり、鼻水を出したり、目が痒くなって涙が出たりしたことはあったのですが、自然に治ってしまっていたのです。アレルギーは放置しておけば自然に治るというのは次のことなのです。毎日体内に無限に侵入してくる大量のアレルゲンである自動車の排気ガスや、大気や花粉に運ばれる人工化学物質アレルゲンに対して、IgE 抗体は作られ、体内に入れまいとして使われ続けるのですが、遅かれ早かれ有限のIgE 抗体という兵士は作り尽くされ、使い尽くされて体内で起こっているアレルギーの免疫反応は終わってしまうわけであります。これがいわゆる自然治癒であったわけです。この事実はいかなる優れたアレルギーの書物にも書かれたことがなく、私が初めて見つけ出した事実であります。

 実を言えば私たちが見ている目や鼻の症状は免疫反応であるアレルギー性鼻炎・結膜炎は何も目や鼻が病気を起こしているわけではないのです。あくまでも体内で生じている免疫の働きの最後の戦場を見ているだけなのです。人間の目というのはいわば節穴みたいなものですから目に見えた症状に対してだけ医者も患者もアレルギー、アレルギーと騒いでいるだけで、愚かな学者は花粉情報とかを流して、まるでアレルギー性鼻炎・結膜炎は花粉が起こしているような情報を流し、大衆を欺いているわけです。本当は自動車の排気ガス情報を流すべきですが、そんなことをすると自動車会社から文句を言われるので流さないのです。工業社会になる前の農業社会は言わば緑の社会であり、花粉の社会であったにもかかわらず、全くアレルギー性鼻炎・結膜炎がなかった事実を今のアレルギー学者はどう説明をつけるのでしょうか?さらにステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いだして体の中で起こっている本体のアレルギー性鼻炎・結膜炎の免疫反応を抑制して、その結果として症状だけを良くしてきたためにアレルギー性鼻炎・結膜炎の自然治癒が見られなくなりました。つまり自然治癒がなくなったのは正に皮肉にもアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療に眼科や耳鼻科に行ってステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を使いだしたためであるわけです。おまけにステロイドや抗アレルギー剤により一時的に抑制されたIgE抗体が、薬が切れると再び作り始められてどんどん増えてしまい、他のアレルギーも毎年、毎年作りだしているのです。従って現代のアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療は正に病気を作り出しているのです。さらに体内でIgE抗体を一時的に産生したり使用することを抑制すると薬が切れたときに必ず禁断症状(薬の効果が切れたときの症状)が出現し、IgE抗体がさらに増産され体内を駆け巡り他のアレルギ-であるアトピー性皮膚炎やアレルギー性気管支喘息をも引き起こしてしまうこともあるわけです。逆に言うと、私のアレルギー性鼻炎・結膜炎の根治治療はIgE抗体を自然消滅させるわけですから、他の全てのアレルギーも完治させてしまうのです。

(5) 何故ステロイドホルモン剤や抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用い続けるとアレルギー性鼻炎・結膜炎は治らないのか?

症状を一時的に止めるということは、IgE抗体の生産と消費を見かけだけ抑制し同時に他の免疫反応を一時的に止め、その結果症状が一時的に良くなるだけです。つまり症状を直接的に良くしようとしているのではなくて、外から見えない体内の免疫反応を一時的に抑制することが一時的には症状を起こさなくしますが、再びIgE抗体の産生と利用が勢いよく始まりアレルギー性鼻炎・結膜炎をさらに悪くするわけです。つまりステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤などを使えば使うほど見かけはIgE 抗体を減らすことは出来ますが、実際はIgE 抗体生産のシステムを一時的に寝かせているだけです。強力なステロイド内服剤やステロイド注射を用いればIgE抗体をほとんどゼロにすることもできます。しかし使用を止めると必ず抑制したぶんだけ勢いよくIgE 抗体生産が再開して症状が始めより必ず悪化するわけです。( 正常な人のIgE 抗体は100(IU/ml) 前後までと言われますが、70000(IU/ml) まで上昇したアレルギー患者がいました。) 元来、アレルギー性鼻炎・結膜炎は鼻や目の細胞の問題ではないのです。鼻や目はただ単に体内に異物が入ってくるルートにすぎないのです。従って、アレルギー性鼻炎・結膜炎は人体全体の免疫の問題であって、決して鼻や目の問題ではないのにもかかわらず、ステロイドホルモン剤を噴霧器や点眼などで鼻や目に直接塗布して吸収させ体内の免疫反応を一時的に止めることによって、見掛けの鼻や目の症状を良くすると同時に、本来正しい粘膜の細胞をどんどん変性させ、ステロイド粘膜症を作り出していくわけです。

抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤はステロイドの作用の一部を持っており、アレルギーの免疫反応の一過程の働きを一時的にブロックするだけですから、薬が代謝されてしまうと一時的な反応の阻止力が無くなり、また再び反応が勢いよく開始されるので多少ともステロイドと同じようなリバウンド現象が見られるわけであります。

(6) したがって松本漢方クリニックにおけるアレルギー性鼻炎・結膜炎の根本治療は何か? 

 ステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤などの免疫抑制剤を絶対使わないで放置すれば治るという自然治癒を目指すことであります。アトピーの場合と違ってアレルギー性鼻炎・結膜炎の反応部位は極めて狭いので漢方煎剤を飲めば様々な症状は極めて短時間に消えてしまいます。大人も赤ちゃんも一回の診療で完治する例もしばしば経験します。それはステロイド剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いなければIgE抗体 は極めて簡単に消費尽くされるからです。早く治る人は数少ない種類の化学物質だけを異物と認識して、一過性に症状を出してその異物と共存できます。元来、誰でもIgE抗体 は100(IU/ml)くらいは持っています。(従って濃度の極めて濃い多種多様の異物が体内に接触したり侵入したりすれば、全ての人がアレルギーを起こす可能性がありますから、果たしてアレルギーが病気であるかどうかが問題になります。これについては後に議論します。)しかし異物を認識する能力の高い優秀な人はIgE抗体 を100(IU/ml) 以上に作って異物を排除しようとする時に目に見える症状がでるわけです。従って症状がでたらすぐに来院され、漢方煎剤を飲まれれば症状はたちどころに消えてしまいます。アトピーの場合は反応の起こる皮膚の広さが非常に広いので、ステロイド剤、 抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を使用してから来られると、必ず一時的に症状が悪化しリバウンド現象( 反跳現象、 禁断症状、離脱症状) が出現し、どんどんIgE 抗体が上昇して、IgE 抗体が上昇すればするほどアレルゲンとの結びつきが激しくなりどんどん症状も皮膚から出やすくなり激しくなります。しかしアレルギー性鼻炎・結膜炎の場合はアトピーほど反応する場所が広くないので、リバウンド現象というのはほとんどの場合見られません。しかし強力にアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療をしてきた人は、実を言うと知らず知らずの内にアトピーの治療をしてきたことになるわけです。このような人は現代のアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療を止めると、抑制されてきた免疫が活性化されアトピーが出ることがあります。結局は現代のアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療はアトピーの治療と同じく免疫を抑制するだけですから、抑制が外れると出やすいところにリバウンド現象のアレルギーが出てしまうのです。このリバウンド現象はそれまで使ってきたステロイドや抗アレルギ-剤の量に比例します。またどのようなステロイドや抗アレルギ-剤を使ったかにも依ります。ステロイド注射が最悪です。つぎにステロイド内服剤や抗アレルギ-内服剤が悪者です。次がステロイドの塗り薬です。最後が抗アレルギ-剤、抗ヒスタミン剤や抗炎症剤の塗り薬です。従って何はともあれ、まずはステロイドや抗アレルギ-剤、抗ヒスタミン剤や抗炎症剤の使用を止めさせることです。

 ところで、ステロイドホルモンという薬は人体で必要な量だけ作られ、多くても少なくても病気を引き起こします。ところが、臨床においては病気の治療に最もよく使用されている薬であるにもかかわらず、何故すべての炎症に効くのか全く知られていない得体のしれないホルモンであります。( この炎症に効くメカニズムを完全に解明すれば必ずノ-ベル賞をもらえるでしょう。) 現代の難病と言われる全ての膠原病や、リュウマチ、アレルギ-、アトピー、喘息などに用いられて、一時的に極めてよく効くのですが、止めると多かれ少なかれ必ずリバウンド現象( 反跳現象) が出ます。時には他の華々しい副作用が出ることがあります。ステロイドや抗アレルギ-剤を止めさせると口で言うことは簡単ですが、しかし実際はこれほど難しい事はないのです。何となれば弱いステロイドが効かなくなるとさらに強いステロイドを用いざるを得なくなります。ステロイドを止めると始めよりも症状がひどくなるのは、まさにステロイドは麻薬の性質を持っていると言えます。従って必ず禁断症状(薬を止めたときに出る症状)が出現します。もっとくわしく何故禁断症状が出現するかと言いますとステロイドや抗アレルギ-剤はリンパ球や他の免疫にかかわる細胞と結合して、それらの免疫細胞の遺伝子を変え免疫反応を一時的に抑制するだけですから、結合が切れると再び一挙にに免疫反応を行い症状がひどくなるわけです。(このリバウンドのメカニズムも謎です。)ステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤の使用が多ければ、それだけそのような薬剤に結合しているリンパ球や免疫細胞が多いわけですから、多いぶんだけ薬を止めた時の免疫反応が強くなるわけです。さらにステロイド自身が皮膚の細胞分裂を抑え皮膚を変性させステロイド皮膚症という新たなる副作用を起こしますから、この皮膚を剥がし新たに作りなおすことがまた大変な仕事になるわけです。つまりステロイドで変性させられた異常な皮膚を剥がし、その後正常な新しい皮膚を作り替え、更にステロイドや抗アレルギ-剤で止められていた正常なアレルギ-の抗原抗体反応を起こさせ、最後は人体に大量に入り込んだ農薬をはじめとする化学物質という無限の抗原(アレルゲン)に対しては有限なIgE 抗体は永遠に作り続けることが出来ないのだという事を自然に知るようになるわけです。とにかく日本においても何千万人ものアレルギーを引き起こす汚染環境を敵に回して、一人の人間の免疫がそれを永遠に排除する戦いに勝つことは不可能なのです。これを自然免疫麻痺、自然免疫無活動、自然免疫寛容と言います。(このメカニズムを完全に解明すれば必ずノ-ベル賞をもらえるでしょう。)このようにして最後は戦いに負けて環境と共存して生き延びていかざるを得ないわけです。この禁断症状を乗り切らなければ絶対にアトピ-は治癒しません。体は正直ですから正しい反応であるアレルギ-反応を抑制されたぶんだけ記憶し、自分の正常な免疫機能を取り戻す際にこの禁断症状がでるわけです。免疫は記憶のシステムであります。一度かかった伝染病には二度とかからないために敵を記憶しておくというのが免疫、つまり疫(病気)から免れる(かからない)という意味です。一方正しい免疫反応を起こしているときに、無理やりその免疫反応を抑制されると、その分より一層強く敵を記憶して抑制が取れたときに一挙に強いアレルギー反応、つまり禁断症状を起こしてしまうという側面が免疫にはあるのです。(このことを証明すれば何か優れた賞が取れるでしょう。)しかしこの禁断症状を耐えきった人だけがアトピ-は完治する資格を得るわけであります。アトピ-だけが完治するだけではありません。ほかのすべてのアレルギ-であるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支喘息も同時にすべて治ってしまうことはすでに述べました。同時に又この禁断症状を乗り切らせることが私の医者としての腕の見せ所となるのです。従ってこの禁断症状を起こさせるのは正にステロイドホルモンや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤であり、薬が作った病気、つまり医薬病や医原病と言える病気であります。ステロイドや抗アレルギ-剤、抗ヒスタミン剤さえなければ起こりえない禁断症状であります。

 とりわけ近頃悪徳医師がアレルギー性鼻炎の治療でステロイドの筋肉注射を全ての患者にする医院が大手を振って闊歩している時代には、このリバウンド現象で悩むアレルギー患者が多くなってきたことは極めて残念なことです。喘息やアトピーでステロイド注射や内服剤は悪いと知られているのですが、耳鼻咽喉科の医者が今でもこのような間違いを犯していることをあらためて声を大にして伝えておきたいと思います。

(7)漢方とアレルギー性鼻炎・結膜炎

 現代のアレルギー性鼻炎・結膜炎治療は全てアレルギー性鼻炎・結膜炎の症状の根本である免疫活動を一時的に抑制するだけですから永遠に治らないことは何度も述べました。私が発見した治療法は、いかなる自然の免疫の働きは正しい反応ですから抑制しなくても、いずれこの正しい反応も無限に続かなく、自然と終結するので症状の後始末だけをすれば良いということです。この時に漢方の出番になります。漢方煎剤は症状を簡単に除去してくれます。勿論、漢方は免疫を高めて早くIgE抗体を使い切るのに大いに貢献していることは言うまでもありません。例えば、他のアレルギーの気管支喘息や消化管アレルギーの場合も、漢方を飲めばたちどころに様々なアレルギーの症状を除去してくれます。しかしどんなアレルギーの漢方治療の場合も抑制されていたIgE抗体は必ず上がっていきますから、免疫を抑制しているわけではありません。にもかかわらず症状が楽になるという点が漢方の偉大さであります。ところが、この漢方を現代医学は科学することができないのです。その理由は幾つかあります。漢方薬の研究においては、現代科学の力では生薬成分が未だ完全には特定できなかったり(全ての成分を特定することは永遠に不可能でしょう。)、薬剤として常時一定の品質を保つことが難しいなどの問題がありすぎるからです。さらには個々の成分の相互作用を考えると、今盛んに話題となっている複雑系の分野に属する事柄になり、さらに漢方の研究を難しくさせています。また漢方の経験処方は、必ず二つ以上の生薬から成り立っています。従って漢方薬の効能は単一の生薬の成分の効能によるものではなく、複数の生薬の成分の相加・相乗・相減作用に基づく効果が発揮されていると考えられます。現代医学は単一の成分だけを用いるのが原則でありますが、漢方では単一の成分を用いるよりも複数の成分を併用することが、遥かに薬効を発揮でき、さらには副作用も軽減できることが経験的に分かっているのです。ここが現代西洋医学の要素還元主義的な薬の用い方とは異なり、漢方薬が複数の生薬を用いる所以であります。一方、現代医学は漢方の考え方とは違って、薬の相加・相乗・相減作用などをはなから認めようとしません。認め始めると現代医学が成り立たなくなるためです。逆に西洋医学の薬は併用することによって副作用が出ることがしばしば問題になります。このような意味においても、漢方と西洋医学とは土俵が違うわけであります。

 古来から病気の大部分は見かけ上炎症という症状で現れます。この見かけ上の炎症を除去すれば結果として病気は治るということを、漢方を作った古代中国人は知っていました。勿論、免疫や抗体やウィルスや細菌などについては目に見えないものですから全く知らなかったわけですが、その代わりにいかにして患者の症状を楽にしてあげようかと努力を注いだのです。そしてまさにこの炎症から生じる症状を改善することの出来る草根木皮を探し尽くしたわけです。しかし炎症といってもいろいろあります。一番代表的な炎症は感染症によるものです。これについては細菌に対しては抗生物質により一応根本的に征服されたと考えられています。( しかし最近の大腸菌によるO-157 騒ぎはまだまだ細菌も手強い敵でありつづけているようです。) つぎにウイルスでありますがエイズウイルスでわかりますようにエイズウィルスそのものを殺すのにまだまだ時間がかかるようです。いずれにしろ漢方は結果的に人間自身が固有に持っている免疫力を上げることで対応し、さらに病人の症状だけをできるかぎり楽にしてあげようとした努力が漢方経験処方として私達に伝えられてきたのであります。

 ここであらためて私が考案した漢方煎剤が免疫を抑制しないことを詳しく証明しておきたいと思います。勿論いろいろと証明の仕方はありますが、言わば毎日毎日臨床免疫学をしていると言える開業医の立場から一つの答えを出しておきます。免疫抑制剤の代表であるステロイド剤は使えば使うほどIgE抗体の産生を抑制することができます。IgE抗体をゼロにすることもできるのであります。例えば、アレルギー患者に毎日毎日ステロイドを注射するとか、ステロイド内服剤を毎日毎日大量に服用させれば理論的にはIgE抗体はゼロになってしまいます。ところが、そのステロイドを止めると急激にIgE抗体の産生が始まり、抑制されたIgE抗体がどんどん上昇していきます。と同時に症状がどんどん激しくなっていきます。こんなときに再び症状を一時的に除去する為にステロイドを用いると、症状も良くなると同時に再びIgE抗体が下がっていきます。これがステロイドの免疫の抑制の意味であり、基本的には現代医学のアレルギーの治療で行われていることであります。一方、ステロイドを止めると同時に漢方煎剤を用いてリバウンド症状を楽にしていくにつれてIgE抗体が上がっていきます。これは漢方煎剤が免疫を抑制することがないことの一つの証拠です。ここで賢い人は次のようなするどい質問をするかもしれません。「ステロイドの離脱症状の方が激しくて漢方煎剤の抑制作用が隠されているのではないか?さらにあなたの言う自然後天的免疫寛容というのは漢方煎剤の免疫の抑制の始まりを意味しているのではないのでしょうか?」と。それに対して私は次のように答えます。「ステロイドの抑制作用がいずれ取れ、同時にステロイドのリバウンド現象も終わったときに、もし隠されていた漢方煎剤の免疫抑制作用があればご指摘の通り再びIgE抗体は下がるでしょうが、同時にアレルギーが治ったから漢方煎剤を飲む必要が無いので漢方を止めるとしましょう。そうすれば再び漢方煎剤の免疫抑制作用の結果、必ずリバウンド現象が出てしまうでしょう。ところが私が後天的免疫寛容が生じ、全てのステロイドの副作用を除去できたのでアトピーが治り、鼻炎が治り、喘息が治ったので漢方煎剤を服用する必要は無いと宣言した患者には、絶対にリバウンドが出ることはないという事実をどのように説明できるでしょうか?つまり、漢方を止めたからといって再びIgE抗体が上昇し、症状が再発することはないわけですから、漢方煎剤には免疫抑制の作用は絶対に無いのです。」と答えるつもりです。この質問は極めて優れた質問であり、自然後天的免疫寛容を漢方煎剤の免疫抑制の始まりと指摘するところにポイントがあるわけです。念を押しておきますと、漢方がアレルギー性鼻炎・結膜炎を治しているのではなく、漢方は免疫を抑制せずに症状だけを除去するのに貢献しているのです。

 今さら言う必要は無いのですが、様々な漢方研究施設で実験的にも漢方処方が免疫を促進させることを証明しております。

(8)実際の治療上の問題 

 アトピーと違ってアレルギー性鼻炎・結膜炎の治療上の実際的な問題は皆無です。ただアレルギー性結膜炎で長期にステロイドの点眼をしてきた人はステロイド性白内障の有無に気を付ける必要があります。アレルギー性鼻炎・結膜炎は炎症の部位が極めて狭いうえに、大気が無限大にあるので、そこに含まれている化学物質は大気に薄められているので通年のアレルギー性鼻炎・結膜炎が見られるのはまれです。ただ花粉の蛋白と結びついたディーゼルエンジンの排気ガスの微粒子が花粉散布のシーズンに鼻や目に濃い濃度で運ばれたときだけ見られるのでアトピーほど重篤度はないのです。しかし問題が起こるのはアレルギー性鼻炎・結膜炎の現代医療を止めたときに、アレルギーのリバウンドとしてアトピーが出るときです。このときはアトピーの治療の問題になります。アトピーも私が治してあげます。                       

最後に一言。

*どうしても言っておきたいのは、私が特別な名医であるからアレルギー性鼻炎・結膜炎を治せるというのではありません。アレルギーは症状が我慢できる限りは放置すれば自然治癒が原理的には可能であるからです。自然に逆らわなければ、必ず治る病気だからこそ、私が治せるのです。*

-アレルギー性鼻炎結膜炎, 革命的根本治療法
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