理論

オプジーボが一番効くガンであるメラノーマとメラニン細胞について 2019.11.21更新

投稿日:2019年2月8日 更新日:

副作用発現状況(全体集計) 集計期間:2014/07/04~2020/1/5_小野薬品工業株式会社

オプジーボ投与による華々しい副作用の一つ一つについて詳しく書くつもりでしたが、実はオプジーボが一番効くガンはメラノーマ(悪性黒色腫)であります。なぜでしょうか?その説明をまずしておきましょう。メラノーマが生ずるメラニン細胞というのはまず何であるか説明しましょう。

メラニン細胞(melanocyte)は、メラニンという黒色色素を産生する細胞であります。英語でメラノサイトとも呼ばれます。“melano”は「黒い」という意味であり、“cyte”は細胞という意味ですから、黒色細胞とも呼ばれます。チロシナーゼという酵素を持っており、血液からアミノ酸の一つであるチロシンからメラニンを生成します。チロシンというアミノ酸は、芳香族の側鎖を持つアミノ酸であります。人体の毛母基、脂腺、汗腺、真皮、脈絡膜、虹彩、髄膜、子宮小丘などに出現し、遺伝子に障害を与える紫外線から、以上述べた組織の細胞の遺伝子を守っています。表皮内に存在するものを特に表皮メラノサイトといいます。メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)はメラニン細胞のチロシナーゼという酵素を活性化させ、メラニン合成を促進させます。

それでは、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)はどのようにどこで産生されるのでしょうか?それは下垂体前葉にあるPOMC遺伝子がストレスによって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が産生されると同時にメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)が作られるのです。なぜ同時に作られるのでしょうか?POMCというのは、英語で“pro opio melano cortin”といい、「プロ・オピオ・メラノ・コルチン」と発音します。POMCのPはプロであり前駆体を意味し、Oはオピオであり、オピオイド(麻薬様)としてのエンドルフィンやエンケファリンを意味し、MはメラノでありMSHを、最後のCはコルチンであり、ACTHを指します。つまり体内で作られる快楽の元となる麻薬であるエンドルフィンを作らせる遺伝子と、メラニン色素を作らせるメラニン細胞刺激ホルモンの遺伝子と、ステロイドホルモンを作らせるACTHの遺伝子の合わせて3つが、一つの同じ遺伝子座に乗っているということを意味します。POMC遺伝子に含まれている上記の3つの遺伝子は、下垂体前葉のACTH産生細胞でコードされており、CRHによって発現が誘導されると、プロセシングを受けて、ACTHやMSHやエンドルフィンなどに分解されてその作用を示すのです。CRHというのは副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンで、英語で“corticotropin-releasing hormone”といい、ストレスが多い時に、そのストレスに耐えるために視床下部から放出されるホルモンであります。

この話はものすごく面白い話になるのですが、長いストーリーになるので、ひとまずここで終わっておきます。

続きはこちらをご覧ください。

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