リウマチは関節の痛みを主な症状とする原因不明の慢性炎症性の病気であるとされ、さらに現代医学では治らないともされています。また、最も多い自己免疫疾患のひとつで膠原病とも言われています。
私から言わせると、原因不明の病気などというのは、元来、ありえないのです。病気の原因は人間にとって不必要な異物が侵入した時に、それに気づいた免疫が排除しようとした時に起こるものです。この原因はまさに化学物質であります。
さらに自己免疫疾患という病気も絶対にありえません。しかし一方ではアレルギーの四つのタイプの中のⅢ型のアレルギーとも言われています。
私自身の考えではリウマチもアレルギーも同じ異物を排除しようとしている人体の正しい免疫反応であり、免疫を抑制しない限りはリウマチ抗体(IgG抗体)は自然に抗体のクラススイッチをし、アレルギー抗体(IgE抗体)になりアトピーが出現し、最後はアトピーの治療となるのです。私はアトピーを治すことが出来るのでリウマチも治せるのです。
私は世界で初めて見つけた自然後天的免疫寛容の理論(処理できない大量のアレルゲンと出会うと人体はそれに対応する抗体を作れなくなり、そのアレルゲンと共存するようになる。)を武器にしてアトピーやアレルギー性鼻炎・結膜炎やアレルギー性気管支喘息の全てを免疫を抑えることのない漢方煎剤を用いて完治させているからこそ、私はリウマチを治すことが出来るのです。
リウマチが敵としている相手はアレルギーが敵としている相手と同じなのです。ただひとつの違いは、リウマチの際に免疫が用いる武器はIgG抗体であり、アレルギーで用いる武器はIgE抗体であるという違いだけなのです。京大の本庶佑先生がBリンパ球に見つけ出されたクラススイッチの遺伝子は、IgGをIgEに変える遺伝子なのです。この遺伝子も免疫を抑制しない限りは、自然にクラススイッチしてIgGがIgEになって痛みがアトピーになり、最後はアトピーの治療となるのです。しかしアトピーの場合は痒みを掻いて楽しむということはできますが、リウマチの痛みは楽しむわけにはいきません。従ってリウマチがアトピーになるまで痛みをどれだけ楽にするかということが一番大きな仕事になります。そのためには漢方煎剤だけでは不充分で、鍼灸や漢方浴剤を併用せざるを得ません。
もちろんIgGからIgEにクラススイッチする為にも、免疫を上げる以外に方法はないのです。現代の製薬メーカーが作る薬は全て免疫を抑える薬しかないので、クラススイッチは起こり得ないので、現代医学はリウマチを治すことはできないのです。免疫の働きの目的は敵によって異なるのですが、殺すか共存するかの二者択一なのです。この二者択一を順序良くやっていくのですが、殺すときにはIgGを作り、共存するときにはIgEを用いるのです。異物が侵入してきた時に殺すべき増殖する敵に対してはIgGで処理できるのですが、殺せない増殖しない化学物質に対しては殺し溶かすことができないので、わざわざクラススイッチをしてIgE抗体を作り、体外へ排出するという働きに変えるのです。さらに永遠に入り続ける化学物質に対しては、最後はサプレッサーT細胞と結びついたその化学物質に対しては免疫寛容を起こして共存するようになるのは既に何回も述べていることです。
実を言いますと初期のリウマチの診断はかなり難しいのです。言うまでもなく自覚症状としては痛みが中心ですが、初期には手足のしびれ感で始まることがあります。しかも継続してこのような自覚症状が出るとは限らないうえに血液検査による炎症の確認も出来ないことがあるので、使いすぎの腱鞘炎とか五十肩とかなんとなく単純な関節炎とかと誤診されるのです。最近は抗シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)や、抗ガラクトース欠損IgG抗体などのような、最新の診断検査法が開発され、随分診断もたやすくなってきました。
さて、アレルギーになってしまえば、クラススイッチが出来上がってしまっているので、リウマチにはならないという保証なので喜べばよいのです。つまり、クラススイッチを終わっているわけですから、どんどん同じ異物をアレルギーで排泄しているので、リウマチにはならないのです。この事実を事実を知っているのは世界で私だけなのです。それは、リウマチはリウマチの専門家が治療し、アレルギーはアレルギーの専門家が治療するシステムが日本の医療の根幹となっているので、その繋がりを誰も知らないのです。
ところがアレルギーの治療はステロイドを始めとする免疫を抑制するという間違った治療をやり続けるのでクラススイッチが出来なくなり、いつの間にかリウマチになったりすることがあるのです。さらに医者からステロイドを投与されなくても、長期に渡りストレスがかかっている人は、神経的にも肉体的にもそのストレスに耐える為に、自分の副腎髄質からアドレナリンを出し、さらに副腎皮質からステロイドを出し続け、結局自分自身で免疫を抑制することになり、いつの間にかクラススイッチが出来なくなり、リウマチになる人もいるのです。
初期のアトピーは四六時中痒いのではなくてアレルゲンが大量に入った時だけ痒くなり、アトピーと自覚されないで、いつの間にか排除されてしまうと痒みが消えてしまうのと同じように、リウマチの場合も、少量の抗原が一過性に侵入し、たまたまIgG抗体で処理された時は、痛みが出てもすぐに炎症が処理されてリウマチと気が付かないことがあります。ただ大量に抗原が入って初めて免疫が本格的に大量にIgG抗体が作り出されると炎症が生じ、血液検査が陽性になり、同時に強い痛みも見られるようになります。それでも免疫を抑えない限りはその異物(抗原)を排除してしまうと、いつの間にか痛みも消え検査も陰性になるのです。一度異物と認識された抗原は免疫寛容が起こるまでは侵入する度ごとにIgGを使って戦い続け、リウマチの症状がひどくなったり、症状が消えたりすることもあります。従って本格的なリウマチになるのに時間がかかり、人によっては数年かかることもあります。中にはその内に知らず知らずのうちに免疫寛容を起こし、自然にリウマチを治していることもあるのです。逆に知らず知らずステロイドをはじめとする免疫抑制剤を投与されている人や、繰り返し強いストレスがかかっている人は、免疫を抑制を繰り返すことによって、リバウンドも繰り返し、本格的なリウマチになる事もあるのです。実際全てのリウマチ関連の血液検査が陰性であるにもかかわらず、関節の痛みを訴える患者さんがいますが、このような患者さんでも経過を観察していると免疫グロブリンγ(IgG抗体を含んでいる蛋白)の上昇や血沈(炎症の度合いを示す検査)やZTTの一過性の上昇が見られます。従ってこのようなタイプのリウマチでは、検査が全て陽性になっている時はかなり重症なリウマチであります。
ここで免疫を抑えている場合のいくつかを挙げましょう。これは同時にリウマチを起こす原因を挙げていることになります。つまり、免疫のクラススイッチが出来なくなった原因でもあります。まずアレルギーでステロイドを入れられること、ステロイド注射をした人、ステロイド剤を内服した人、ステロイド軟膏を塗りすぎた人、女性ホルモンを投与されている人、胎盤エキスを投与された人、頭痛薬を長期に使用した人、生理を止め続けた人、生理痛の薬を常用した人、避妊薬を飲み続けた人、出産直後の人、更年期直後の人、様々なストレスが長くかかり続けた人、痔の坐薬を長く使った人、風邪薬を度々飲んだ人、などであります。
一方、ある一定量のリウマチの抗原が常に侵入した結果生じるリウマチの場合は、初期から排除する為の免疫反応が継続して生じ、その結果リウマチの検査がいつも陽性で痛みも継続するのです。このような患者さんのリウマチの診断は容易なのです。
いずれにしろ、本来、死んだ異物が入ってきた時に、免疫の抑制がない限りは必ずアレルギーになります。子供のリウマチというのは滅多にないのは異物を全てアトピーのようなアレルギーで処理できているからです。つまり、簡単にクラススイッチが出来るからです。これについて述べましょう。
赤ちゃんが最初に出会う異物は空気や水に運ばれる化学物質であります。これら以外からは異物が入ることはありません。いずれにしろアレルギーが出やすい赤ちゃんは異物を認識できる遺伝子であるMHCの多様性が豊富で、アレルギーのない人よりも遥かに種々の異物を認識することができるからです。始めに述べたようにアレルギーの敵も膠原病の敵も全て同じ敵であり、赤ちゃんのアトピーは本当に多いのですが、乳幼児のリウマチに滅多にありません。それは乳幼児は簡単にIgGからIgEに抗体のクラススイッチをやってのけるからです。何故赤ちゃんはリウマチがないのでしょうか?それはお母さんから胎盤を通じてあらゆる異物に対するIgG抗体をもらって生まれるからです。生まれてすぐに化学物質と出会っても、すぐに母親からもらったIgGと結びつき、さらに貪食細胞と結びついて食べようとしますが、殺せないうえに溶けない化学物質を貪食細胞は結合組織やリンパ節にすぐに吐き出してしまいます。待ち構えているヘルパー2リンパ球(TH2)と結びつくと、TH2はインターロイキン4や5が放出し、Bリンパ球とこのインターロイキン4や5が結合するとクラススイッチが行われ、新たにIgE抗体が作られ、すぐにアトピーとなり絶対に膠原病にならないからなのです。
さらに大人になってはじめてアレルギーが起こることは絶対にないのです。なぜならば人間は生まれたときから持っているMHCという異物を認識できる種類とか度合いについては全て生まれた時に決まっており、大人である母親が食べた化学物質は全て乳幼児に母乳を通じて受け継がれます。このように大人の食べ物も赤ちゃんの食べ物も同じと考えられるので、実際に大人になって初めて出会う化学物質などというのは滅多にないのです。
にもかかわらず大人になるに連れて同じ異物に対してどうしてリウマチが出るのでしょうか?それはクラススイッチが出来るプロセスが阻害されてしまうからです。先ほど述べたような免疫を抑える状況により、TH2やBリンパ球の遺伝子がステロイドによって変えられてしまうのでクラススイッチができなくなるからです。一方、ヘルパー1Tリンパ球(TH1)はIFγというサイトカインを出してBリンパ球にIgGを作らせるのですが、TH1の方がTH2よりも遥かに数が多いので、ステロイドの影響がTH1の方が受けにくく、TH1がIgG抗体を作り続けるので、これが膠原病の原因となるのです。
先ほど述べたように、ストレスが極めて強い人は自分で副腎皮質ホルモンを出し過ぎて、医者からステロイドを出されるのと同じ状態となるのです。つまりストレスのために免疫が抑えられ、クラススイッチが出来なくなることを私は逆クラススイッチと呼んでいます。さらに、ステロイドによって非常に数少ないサプレッサーT細胞の働きも抑制されるので免疫寛容が起こりにくくなるのです。結局は免疫を抑えることが膠原病もアレルギーも治せなくしていることがお分かりでしょう。
以上のように、アトピー患者さんと同じように、リウマチの患者さんは当院に来られる前に現代医学の間違った免疫抑制剤による治療を受けておられます。免疫抑制剤を使う限りは自然後天的免疫寛容は絶対に起こりえないので、現代医学はリウマチを治すことは出来ないのです。さらに抗体のクラススイッチも起こりにくく、リウマチがアトピーになりにくいので、最後にアトピーとして治すことも難しくなるのです。
従ってアトピーの治療と同じくリウマチの場合も一切治療されないで来られた患者さんが一番簡単に早く治りますが、その原因が何かによって治り方のスピードは左右されます。例えば治療中にもストレスがかかり続けている患者さんは自分自身の副腎皮質でステロイドホルモンを作り続けている人ですから、免疫のクラススイッチも免疫寛容も起こりにくいのです。また、残念ながら長い年月に渡ってリウマチを患ってきた人は大量の免疫抑制剤が投与されているので、その影響を取るのに時間が掛かります。実は免疫抑制剤の影響を取る際に、一番困るのは止めた時に生じる離脱症状(リバウンド)よる痛みを除去することはもとより、自然後天的免疫寛容が起こるのに長い時間がかかることです。従って私の仕事はアトピーの治療と同じくリウマチの場合も他の病院で行われた間違った治療の後始末が99%であり、あとの1%は自然にリウマチをアトピーに変えアトピーの自然後天的免疫寛容を待つことなのです。
治りやすさについて言えば、ステロイド注射をされてきた人が一番治りにくく、次に治りにくい人はステロイドの内服剤を長期に飲んできた人です。最近強力な抗リウマチ剤が開発され、これを飲んできた人も治りにくい印象があります。最後は抗炎症剤を飲んできた人であります。(ステロイド注射が圧倒的に悪いのは、注射された全てのステロイドが免疫の細胞の遺伝子に入り込んで正常な免疫の働きを止めてしまうからです。従ってステロイド注射は免疫の働きを一時的に止めることによって見掛けは痛みをすぐに止めるのですが、正常な遺伝子に戻すのに非常に長い時間がかかります。)私は声を大にして叫びたい。ステロイドの注射は絶対にするな!ステロイド内服剤を絶対に飲むな!と。さらに最近、生物製剤として開発された大食細胞が作るTNF-α抑制剤のクラススイッチや免疫寛容のしにくさに対する影響については今観察しているところです。
現代医学の免疫抑制剤を止めると多かれ少なかれ必ず離脱症状が出現し痛みも増えます。しかしアトピーと同じく離脱症状そのもので死ぬことは全く無い上に、リウマチの間は感染症という合併症も起こりませんから、ただただ痛みを減らすことが私の仕事の全てです。しかし体力の消耗が激しく大量のプロテインやアミノ酸を補給する必要があります。体重の減少が10Kgを超える人もいます。
さらにステロイドを止めるとリバウンド症状として38度以上の熱が長期に続いたり、またきわめて稀に間質性肺炎(肺繊維症)が見られる人がいます。この人達も結局は大量にステロイド注射をされたり、ステロイド剤を内服している間に抑制された免疫が回復する時に見られるリバウンド現象のひとつと考えられます。ステロイドを使わなければリウマチだけで終わるのに、人為的に免疫を抑えることによって、外へ出すべき異物を体の奥深くに押し込んだ為に、あらゆる結合組織で免疫の働きが復活することで激しいリバウンドの為に様々な隠れた膠原病が見られるのです。
ちなみに免疫を上昇させることが出来るのは実は2つあるのです。ひとつは言うまでもなく異物を入れることと、二つ目は人工的に免疫を抑制してリバウンドをさせ、人工的に免疫を上げることです。このときに新たなる膠原病が出現するのです。いずれにしろ全ての病気は異物が入らない限りは起こりえないのです。皮肉なことは異物が入ってそれを排除しようとする働きを抑制することによって、新たなる病気を作っていることに他の医者は気がつかないことです。今現在数人の間質性肺炎の患者を診ていますが、いずれこれもクラススイッチと免疫寛容によって治すことが出来ると考えています。
さて、リウマチがクラススイッチをして徐々にアトピーが出現していきます。これも出方は色々あります。全身に出る人もいますし、局所的に出るだけで終わる人もいます。このようにアトピーが徐々に繰り返し出現すると共に、上昇していたリウマチ関連抗体も減っていき多少の変形なら徐々ながら正常に戻っていきます。しかし残念なことには、滑膜切除手術をやったり、人工関節を入れてきたり、ステロイド注射を数本以上、ステロイド(プレドニン)の内服薬を1000mg以上服用してきた人の場合や、長期に渡って不妊症の治療の為に女性ホルモンを大量に投与された人、更年期障害のために長期に渡って女性ホルモンを投与された人なども、クラススイッチがしにくく、時間がかかります。このような患者さんは、リウマチ関連抗体の上がり下がりが激しく、しかもその間の痛みの強さと体力の消耗は絶するものがあります。一時期寝たきりになることも稀ではありません。こんな時には家族の手助けが絶対に必要となります。
ついでにどうして女性ホルモンを投与されると治りにくいかと言いますと、女性ホルモンもステロイドホルモンのひとつであり、免疫を抑制するからです。近頃胎盤エキスが大流行ですが、これも大量の女性ホルモンそのものですから、注射されてきたりする人はそのリバウンドは凄いものがあります。人体の免疫は正直一徹でありますから、免疫を抑制された度合いを全て完全に正確に記憶しています。その記憶は必ず100%リバウンドという形で発現されます。言わば免疫に対してやってはいけない抑制をやった為に、必ずその仕返しを受けざるを得ないのです。免疫は38億年の無限の時間の中で完璧になったものですから免疫のメカニズムを理解することは許されても、絶対に変えてはならないのです。変えてしまうと必ず免疫の逆襲に遭遇します。人間は愚かにも完璧な免疫の働きを悪化させることは出来ても、それをさらに完璧なものに高めることが出来ないので、免疫を傷つける薬を治療薬と称して治せる病気を治せないようにしているのです。結局治せない病気である癌も免疫が低下するために老人に多く見られるのです。にもかかわらず全ての薬は免疫を抑えてしまうので病気が治らないのです。実は癌も免疫の老化と考えていますが、免疫を上げることによって癌を減らすことが出来る可能性を勉強しています。
最後に一言。ステロイドを長期に内服してきた人は副腎皮質の働きが全く働いていない(副腎皮質機能不全症)こともあり、急に止めるとショック状態に陥ることがあるので自分勝手にステロイドを止めないで下さい。こんな時は副腎皮質の機能を回復する為に徐々にステロイドを減らしていくのですが、減らすのに慎重になりすぎることは無いくらいです。