多系統萎縮症 理論 疾患解説

多系統萎縮症もherpesウイルスがゲノムのDNAに潜伏感染するときに部位特異的遺伝子組み換えという突然変異を起こして生まれた神経変性疾患なのです。更新2025.8.6

投稿日:2025年8月6日 更新日:

多系統萎縮症(MSA)とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がヘルペスによって障害される神経変性疾患の一種です。herpesによる病気はすべからく進行性の疾患であり、ヘルペスは様々な運動症状や自律神経症状を引き起こします。中枢神経細胞は神経膜を持ち、幹細胞も神経膜を持っています。ヘルペスはこの神経膜が持っているPILRαとherpesのエンベロープのgp(グリコプロテイン)という糖タンパクと融合させて神経細胞内に侵入できます。しかも中枢神経細胞は、幹細胞も持っているので、増殖分裂するときにherpesも神経細胞内で増殖できます。

脳内の神経細胞やグリア細胞に、αシヌクレインという異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞の変性・脱落が進行します。αシヌクレインの元の正常なタンパクは、SNCA遺伝子によってコードされる140アミノ酸からなるタンパク質です。

このSNCA遺伝子が感染したherpesウイルスによって突然変異させられαシヌクレインという異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞の変性・脱落が進行します。SNCA遺伝子によってコードされる140アミノ酸からなるこの正常なタンパク質は、主に中枢神経系のシナプス前終末に存在し、シナプス機能の調節や神経可塑性に関与しています。また、SNCA遺伝子の変異や重複は、遺伝性パーキンソン病の原因となります。

αシヌクレインは、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経変性疾患(シヌクレイノパチー)において、異常凝集して細胞内に蓄積してしまい、この異常凝集したαシヌクレインは、細胞毒性を持ち、神経細胞死を引き起こすのです。

多系統萎縮症(MSA)の症状:①小脳症状:ふらつき、歩行困難、呂律が回らない、眼球運動障害など②パーキンソン症状:動作緩慢、筋強剛、振戦(手足の震え)など③自律神経症状:起立性低血圧、排尿障害、便秘、発汗異常、勃起不全など

多系統萎縮症(MSA)の治療:抗herpes剤の大量療法です。

多系統萎縮症(MSA)の発症時期:中高年に多系統萎縮症(MSA)の発症することが多く、パーキンソン病よりも進行が早い。症状が進行すると、①小脳症状②パーキンソン症状②パーキンソン症状タイプの様々な症状が合併してきます。呼吸不全、誤嚥性肺炎など突然死の原因となることもあります。

-多系統萎縮症, 理論, 疾患解説
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

iPS作製、初期化の逆戻りのニュースについて

iPS作製、初期化の逆戻りが壁に 京大・山中教授ら発表2013年06月25日 京都新聞  iPS(人工多能性幹)細胞の効率的な作製のためには、初期化を逆戻りさせるメカニズムを排除することが重要なことを …

no image

オプジーボについて_その2 2018.12.21更新

私のこの論文のテーマの一つである「オプジーボはなぜ取り返しがつかない副作用を起こすのか」を理解するために、絶対に必要な3つの条件があります。しかも、世界中の医者の誰一人も気が付いていない3つの免疫学の …

no image

IgA腎炎はなぜ起きるのか?Part2更新2024.2.14

前回の続きです!!初めての方はこちらから読み始めてください!! 蛋白変性のサブテーマが七つもあったので蛋白変性の解説が長くなりましたがやっと脂肪変性に到達しました。蛋白変性のサブテーマが七つもあるので …

no image

CPS1欠損症有害なアンモニアを尿素に変える酵素を肝臓で作ることが出来ない遺伝病です。更新2025.7.7

CPS1欠損症有害なアンモニアを尿素に変える酵素を肝臓で作ることが出来ない遺伝病です。 CPS1欠損症とは、カルバミルリン酸合成酵素I(CPS1)の欠損により、アンモニアが体内に蓄積する尿素サイクル異 …

no image

この世に癌細胞は存在しませんし癌遺伝子も存在しません。更新2025.4.22

この世に癌細胞は存在しませんし癌遺伝子も存在しません。従ってこの世に転移癌も原発癌も存在しません。従って「癌」は怖い病気ではないのです。それでは従来から言われてきた「癌細胞」とは一体何なのでしょうか? …