ダウン症候群 なぜシリーズ 理論 遺伝疾患

ダウン症候群とはどんな遺伝子病なのでしょうか?染色体とは何でしょうか?更新2025.8.29

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それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。

DNAとは、遺伝情報を記録している物質のことをいいます。
DNAは「デオキシリボ核酸」のことで、A(アデニン)、T(チミン)、(グアニン)、C(シトシン)という4種類の物質(塩基)と、リン酸とデオキシリボース(糖)が結合してできています。

DNAは、この配列によって遺伝子情報が記録されています。
これらが鎖状に連なり、さらに2本がらせん階段のようにつながっていることから、DNAの構造は「二重らせん構造」と呼ばれます。

DNAの長さはなんと約2mもありますが、遺伝子はその長いDNAの所々に存在しています。DNAはヌクレオチドが連なった鎖状の分子そのものであり、その配列が持つ情報のことです。ヌクレオチドとは「デオキシリボース(糖)」「リン酸」「塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン)」からなりたっています。DNA分子はこのヌクレオチドが多数つながってできており、この塩基の並び順が遺伝情報として機能します。
DNAの遺伝情報に基づいて、体の様々な器官が作られます。

遺伝子

遺伝情報を記録している物質がDNAですが、DNAはそのすべてが遺伝情報を持っているわけではなく、遺伝情報を伝える部分と伝えない部分があります。
遺伝子とは、DNAのうち「遺伝情報を伝える領域」すなわち「タンパク質をつくる情報を持っている領域」のことをいいます。

タンパク質は体を構成する重要な物質で、骨や筋肉、皮膚などをつくるだけでなく、体内の様々な反応を調整する酵素の元にもなります。
骨は骨の細胞から、筋肉は筋肉の細胞からできており、タンパク質はこれらの細胞を作る元になります。

遺伝子は、「タンパク質をつくる設計図になる部分」と、「タンパク質をつくる管理や制御をする部分」から構成されています。
つまり遺伝子には、どの細胞で、どのようにタンパク質をつくるかの情報が書き込まれており、いわば「体を作るために必要な設計図」となります。

ゲノムとは

ゲノムとは、ある生物を作るために必要なすべてのDNAの情報のことをいいます。
ヒトについていうと、片方の親から受け継ぐ遺伝情報すべてのことをゲノムといいます。ゲノムのうち、タンパク質の設計図に当たる部分が「遺伝子」です。

ゲノムはそのすべてが遺伝情報を伝えているわけではなく、実際に遺伝子の働きに関わっているのはなんとわずか3~5%程度に過ぎません。人のタンパク質の設計図に当たる部分の「遺伝子」は全部で23500個あります。

まとめ
染色体とは遺伝情報の収納箱のようなもので、遺伝情報を親から子へ伝えるのに重要な役割を担っています。

ダウン症候群とは、“ダウン症”とも呼ばれ、21番目の染色体が通常であれば2本のところ3本になっている染色体異常(トリソミー)があることです。 染色体異常の中でももっとも頻度が高く、新生児の約600~800人に1人がダウン症候群だといわれています。

ダウン症は、通常2本である21番染色体が3本あるという「染色体数の異常」が原因で発症する先天性の疾患です。これは遺伝子の問題が原因ではあるものの、親から遺伝することがほとんどなく、卵子や精子ができる過程での「染色体不分離」という突然変異が主な原因です。ダウン症候群と正式に呼ばれ、心身の成長発達の遅れ、特徴的な顔貌、様々な合併症のリスクなどがみられますが、適切な支援により成長発達が期待できます。

ダウン症の主な原因①21トリソミー:ヒトの染色体は通常23対(46本)ありますが、ダウン症では21番染色体が1本多く、計3本(トリソミー)存在します。これが21トリソミーと呼ばれます。②染色体不分離:この染色体の数の異常は、卵子や精子ができる際の染色体不分離が原因で起こることがほとんどです。これは親の遺伝子の問題ではなく、突然の変異です。卵子や精子の形成過程(減数分裂)で、染色体が正しく分配されず、一部の染色体が2本とも同じ卵子・精子に入ってしまう状態が「染色体不分離」です。これにより染色体数が異常な(多い・少ない)卵子・精子が作られ、受精すると染色体数が正常な受精卵が作られず、妊娠の継続が困難になったり、流産のリスクが高まったりします。加齢による卵子の老化が不分離の主な原因であり、特に高齢出産ではそのリスクが増加します。

染色体不分離のメカニズム1. 減数分裂の異常:卵子や精子ができる「減数分裂」という特殊な細胞分裂の過程で、染色体が正しく分配されないために起こったのです。2. 染色体の分配エラー:染色体不分離が起こると、本来1本ずつに分かれるべき染色体が、2本とも同じ方向へ移動してしまい、一方には入らず、もう一方の染色体が入らなくなります。

3. 染色体数の異常:その結果、染色体が1本多い(トリソミー)または1本少ない(モノソミー)異常な卵子や精子が作られます。4. 受精後の影響:異常な卵子や精子が受精すると、受精卵の染色体数が正常の46本(23対)からずれてしまうため、染色体数的異常であるダウン症候群などを引き起こします。

染色体不分離の原因は何でしょうか?①加齢による卵子の老化:女性の年齢が上がるにつれて、卵子の染色体分離メカニズムがうまく機能しなくなり、染色体不分離が起こりやすくなります。②環境要因:放射線や特定の化学物質への曝露、herpesウイルス感染が最も多い染色体異常の原因となり得ます。③遺伝要因:まれに、親から染色体異常(例:転座した染色体の一部)が遺伝することが原因となる場合もあります。

染色体不分離による影響①妊娠率の低下:染色体不分離が起きた卵子が受精に使われると、正常な受精卵が形成されにくいため、妊娠しにくくなります。②流産率の増加:染色体数が異常な受精卵は、発生を継続できないことが多いため、妊娠しても流産するリスクが高まります。③転座型ダウン症:非常に稀なケースですが、21番染色体の一部が他の染色体に結合する「転座」が原因でダウン症が起こることもあり、この場合は親から遺伝する可能性があります。

ダウン症の主な特徴と症状①身体的な特徴:低身長、筋力の低下(筋緊張の低さ)、発達の遅れ(ハイハイや歩行の遅れ)などが見られます。②発達の遅れ:心身の発達が全体的にゆっくりで、運動、知能、ことば、社会性など、多くの面で発達の遅れが見られます。③合併症:心臓、呼吸器、目、耳、鼻などの合併症を伴うことが多く、甲状腺機能低下症のリスクもあります。

何故herpesウイルス感染が最も多い染色体異常である染色体不分離の原因となり得るのでしょうか?染色体不分離は精子の減数分裂の異常でも起こるか?

はい、染色体の不分離は精子をつくる減数分裂の過程で起こり、その結果として異常な精子が作られます。減数分裂中に染色体が正しく分配されないことで、正常な数の染色体を持つ精子が作られず、過剰な数の染色体を持つ精子ができてしまうのです。

染色体不分離の発生メカニズム①減数分裂の過程で発生する:染色体不分離は、減数分裂の過程、特に染色体が精子や卵子へ分配される段階で起こります。②原因:何らかの原因で染色体がうまく分離せず、2本とも精子に入ってしまうことがあります。何らかの原因はヘルペスです。後で説明します。

③結果:この結果、1つの細胞に染色体が異常に多く入った精子が形成され、その後の受精によって染色体数異常を引き起こす可能性があります。

精子における不分離の影響①過剰なY染色体を持つ精子:例えば、Y染色体の不分離が起きた場合、過剰なY染色体を持つ精子が作られます。②染色体数異常の発生:このような精子が正常なX染色体を持つ卵子と受精すると、胎児はXYY症候群(ヤコブ症候群)と呼ばれる染色体数異常を持つことになります。XYY症候群(ヤコブ症候群)とはXYY症候群(ヤコブ症候群)は、男性が通常のX染色体1本とY染色体2本(XYY)を持つ、男性のみに起こる性染色体異常です。多くの人が診断されないまま生涯を送り、身長が高い傾向があるものの、身体的な問題は少なく、生殖能力にも問題はありません。軽度の発達の遅れや学習障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)のリスクが高まりますが、知的障害は通常見られません。XYY症候群(ヤコブ症候群)は知性の能力をも支配するX染色体には異常がないからです。

染色体不分離は卵子の減数分裂異常でも起こるか?

はい、染色体不分離は卵子の減数分裂異常でも起こります。卵子や精子が作られる減数分裂の過程で染色体が正しく分配されないと、異常な染色体数を持つ卵子ができてしまいます。特に、母親の年齢が上がるにつれて卵子の分裂エラーのリスクが高まり、染色体不分離が起こりやすくなります。

染色体不分離が卵子で起こるメカニズム①減数分裂の失敗:卵子が作られる際、染色体を半分に分ける減数分裂のプロセスで、いずれかの染色体がうまく分かれず、同じ卵子に2本入ってしまうことがあります。②異常な卵子の生成:その結果、染色体が1本多い卵子(トリソミー)や1本少ない卵子(モノソミー)が作られます。③受精による異常な受精卵:このような異常な卵子が正常な精子と受精すると、異常な染色体数を持つ受精卵が形成されます。

母親の年齢との関係母親の年齢が上がるほど、卵子の染色体不分離のリスクが高まります。これは、高齢出産でダウン症候群などの染色体異常の発生率が高くなる主な理由の一つです。

原因と対策
詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、卵子の老化やその他の要因が関連している可能性があります。といわれていますが卵子や精子に感染したherpesウイルスが最も大きな原因です。そのメカニズムを説明しましょう。
今日はここまで8/27

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