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抗ヘルペス剤であるアシクロビルはどのように分解処理されて排泄されるのでしょうか?更新2025.6.27

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抗ヘルペス剤であるアシクロビルはどのように分解処理されて排泄されるのでしょうか?アシクロビルは核酸アナログで分解処理については、アシクロビルは主に腎臓から排泄され、代謝によって分解される経路は限定的です。アシクロビルは、主に腎臓から未変化体のまま尿中に排泄されます。代謝による分解は、一部肝臓で行われますが、その経路は限定的です。核酸アナログとはアシクロビルは核酸アナログです。核酸アナログとは、ウイルスのDNAやRNAの複製に必要な核酸の構造を模倣した化合物のことです。アシクロビルは、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼによって取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることでウイルスの増殖を阻害します。アシクロビルは、DNAの構成要素であるデオキシグアノシンの構造を模倣した化合物です。ウイルスは、このアシクロビルをDNAに取り込むことで、DNAの複製を停止させます。ヘルペスウイルス特異性のひとつはアシクロビルの活性化は、ヘルペス感染細胞内でのみ起こるため、副作用が少ないのです。アシクロビルは、ヘルペスウイルスの酵素であるチミジンキナーゼによって活性化されます。

アシクロビルの分解処理については、アシクロビルは主に腎臓から排泄され、代謝によって分解される経路は限定的です。極めて安全な核酸アナログがアシクロビルです。

アシクロビルが核酸アナログである理由はアシクロビルは、ヘルペスウイルスのDNA合成に必要なヌクレオシドと構造が似ており、ヘルペスウイルスが持つ酵素によって活性化されることで、DNAに取り込まれ、DNA合成を阻害します。この作用機序から、アシクロビルは核酸アナログに分類されます。

アシクロビルの分解処理はアシクロビルは、主に腎臓から未変化体のまま尿中に排泄されますので腎結石が起こりやすいと言われますが経験したことが一度もありません。代謝による分解は、一部肝臓で行われますが、その経路は限定的です。

アシクロビルの活性化と代謝と排泄のメカニズム:
1. 活性化:
ヘルペスウイルスに感染した細胞内では、ヘルペスウイルスが持つチミジンキナーゼによってアシクロビルがリン酸化され、活性型のアシクロビル三リン酸になります。
2. DNA合成阻害:活性型のアシクロビル三リン酸化は、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害し、ヘルペスウイルスのDNAに取り込まれることで、DNA鎖の伸長を停止させます。
3. 腎臓からの排泄:
アシクロビルは、主に腎臓から未変化体のまま尿中に排泄されます。
4. アシクロビルの代謝:一部は肝臓で代謝されますが、その経路は極めて限定的です。
アシクロビルは、ヘルペスウイルスのDNA合成を阻害する核酸アナログであり、主に腎臓から未変化で排泄されます。代謝による分解は限定的です。

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