ガン ガン コラム 敗血症 用語解説 糖尿病

NF-κBとは何か?NF-κBとヘルペス感染と癌との関係は何か?更新2025.4.7

投稿日:

NF-κBとは何か?NF-κBとヘルペス感染と癌との関係は何か?

NF-κBは、サイトカインやストレスなどの刺激に対する細胞応答に関与する転写因子で、感染に対する免疫応答の重要な役割を果たしています。未刺激の細胞において、NF-κBダイマーは、IκBにより核移行シグナルを覆われることで不活性化され、細胞質に局在しています。IκBキナーゼ(IKK)によりIκBがリン酸化されると、IκBがユビキチン化され、分解されます。これにより、NF-κBの核移行シグナルが露出し、NF-κBは核内に移行できるようになり、遺伝子発現を行う転写因子です。

NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー、核内因子κB、nuclear factor-kappa B)は転写因子として働くタンパク質複合体である。免疫グロブリンκ鎖遺伝子のエンハンサー領域に結合するタンパク質として発見され、動物のほとんど全ての細胞に発現している。

NF-κBはストレスによるherpesの増加や免疫関連サイトカイン、紫外線等の刺激により活性化される。NF-κBは免疫反応において中心的役割を果たす転写因子の一つであり、ヘルペスによる急性および慢性炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどの数多くの生理現象に関与している。NF-κB活性の不良はヘルペスによるクローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患をはじめとし、herpesによる癌や敗血症性ショックなどの原因となり、特に悪性腫瘍では多くの場合NF-κBの恒常的活性化が認められる。敗血症性ショックとは、敗血症のために危険な水準まで血圧が低下している状態(ショック)です。 その結果、肺、腎臓、心臓、脳などの内臓に、多くの場合十分な血液が供給されなくなり、結果、内臓が機能不全に陥ります。敗血症とはなんらかの感染症を起こしている細菌やウイルスが免疫を抑える間違った治療の結果、増殖しすぎ、炎症を起こすことで、臓器に障害が発生し引き起こされる免疫が敗北した状態です。

転写因子関連用語集
転写 – RNAポリメラーゼによってDNA をmRNAにコピーすること
②因子 – 特定の生化学反応や身体過程に係わる物質であるタンパク質を因子と言います。
転写制御 – RNAポリメラーゼのDNAへの結合を促進あるいは阻害して、遺伝子転写の速度を調節すること
④活性化 または 促進 – 遺伝子転写速度を上昇させること
⑤抑制 – 遺伝子転写速度を下降させること
補助活性化因子 またはコアクチベーター – 転写因子と共役して働き、遺伝子転写速度を上昇させるタンパク質
補助抑制因子 またはコリプレッサー – 転写因子と共役して働き、遺伝子転写速度を下降させるタンパク質

NF-κBファミリー

左図はNF-κBの構造の模式図。
DBD:DNA 結合ドメイン(=Relホモロジードメイン <RHD>)
TRD:転写抑制ドメイン
TAD:転写活性化ドメイン

哺乳類においてNF-κBファミリー(Relファミリー)に属する分子は下記に示す5種類が知られている。これらの分子がホモあるいはヘテロ二量体を形成したものが転写因子として機能する。NF-κBファミリーに属する分はアミノ基側末端に約300アミノ酸残基から成るRelホモロジードメイン (RHD) を有し、この構造がDNAとの結合や核内移行、二量体の形成に寄与している。

NF-κBは構造的に上の図のクラスI(上)とクラスII(下)の2つに分類される。どちらもアミノ基側にDNA結合ドメイン (DBD) を有し、二量体の形成やIκBとの結合に関与している。

クラスI NF-κB1 (p105/p50)。NF-κB2 (p100/p52)。

これらはそれぞれ前駆体であるp105およびp100として産生され、プロテアソームによる限定分解を受けることにより成熟体であるp50およびp52となる。いずれも転写活性化に関与するドメインを欠損しており、p50とp52が二量体を形成した場合には活性化した遺伝子の転写を抑制する機能を持つようになる。これらの分子が転写活性化能を示すためには下記に示すクラスIIの分子とヘテロ二量体を形成する必要がある。NF-κBクラスI のカルボキシル基側にはタンパク質相互作用に関与するアンキリンリピートと呼ばれる配列が存在し、転写抑制作用に関与している。

クラスII RelA (p65)。RelB。c-Rel(上図中には示されていない。)

クラスIIのカルボキシル基側には転写活性化作用に関与するドメインが存在する。なお、上図中には示されていないがc-RelもクラスII に分類される分子である。

これらの分子はインターロイキン(IL-1、IL-6、IL-8など)や誘導型一酸化窒素合成酵素 (iNOS)、接着分子 (ICAM、VCAM)、シクロオキシゲナーゼ2 (COX-2)などの分子の発現亢進に関与する。

活性化には①古典的経路と②非古典的経路の2つがある。

転写古典的経路

NF-κBの活性化機構(古典的経路)。IκBが外れるとNF-κBは核内へと移行し、DNAと結合することが可能となる。不活性なNF-κBは細胞質に優位に存在し、RHDを介してアンキリンファミリーに属する分子であるIκB (Inhibitor κB) と結合することによりその活性を抑制されている。しかし、何らかの刺激(リポ多糖、TNF-α等)によりIκBαのセリン残基をリン酸化する酵素複合体であるIκBキナーゼ (IKK)が活性化されるとIκBαはタンパク質分解酵素複合体であるプロテアソームにより分解を受ける。IKK複合体はIKKα、βおよびγ (NEMO) の各サブユニットから構成されている。これによりIκBαによりマスクされていたNF-κB (p50-RelA) の核内移行シグナルが露出し、核に移行できるようになる。その後、NF-κBはDNA上のκBモチーフ (GGGACTTTCC) と呼ばれる配列に結合し、目的遺伝子の転写活性化を行う。

非古典的経路

細胞への刺激により活性化したNIK (NF-κB Inducing Kinase) はIKKαから構成される酵素複合体を活性化し、p100-RelB複合体を限定分解へと導く。これにより産生されたp52-RelBはDNAに結合し、転写活性を示す。

NF-κBを活性化する分子

古典経路ではIL-1、TNF-α、LPS、活性酸素

非古典経路ではCD40L、BAFF、RANKL、LTβ

NF-κBにより転写が活性化される分子

IL-1、IL-2、IL-6、IL-8、IL-12、TNF-α、COX2、VCAM、ICAM

疾患における役割

NF-κBは真核生物の細胞に広く分布し、細胞の増殖や生存に関与している。多くのherpesにより生ずる腫瘍細胞ではNF-κBが恒常的な活性化を受けているのは当然です。それはNF-κB は病原体である細菌やウイルスと炎症を起こして殺すためです。しかし残念ながら細胞のゲノムDNAにヘルペスが溶原感染で隠れてしまうと免疫は手も足も出せなくなるのです。NF-κB が活性化されて上のNF-κBにより転写が活性化される分子IL-1、IL-2、IL-6、IL-8、IL-12、TNF-α、COX2、VCAM、ICAMのすべての炎症性の分子は活性化されても細胞内のゲノムDNAに侵入してしまったherpesには何の役にも立たないのです。

逆にNF-κBを阻害することにより細胞増殖を抑制してもherpesはherpesを殺すわけではなく、かつ細胞増殖もないのでherpesも増殖できないので抗がん剤への感受性が増大するように見えているだけです。このようなことより、NF-κBは癌の化学療法におけるターゲットとして注目されているのは大間違いです。NF-κBはその他にも炎症性腸疾患、関節炎などの自己免疫疾患の病態形成に関与しているように見えるのもNF-κBはヘルペスとの炎症に関わっているからです。NF-κBは敗血症などの疾患にも関わっていると言われるのも敗血症の原因にも殺し切れないヘルペスが関わっているからです。敗血症とは、ヘルペス感染症などによって全身の臓器に障害が起こり、生命を脅かす重篤な病気で、原因は細菌などの病原微生物に感染し、その毒素によって炎症を起こすと言われていますがherpesは毒素によって炎症を起こすわけでもないので、生命を脅かす重篤な病気である敗血症がherpesで生ずるのは何故でしょうか?herpes感染症のことは現代の医学は一切考えないので抗herpes剤を使わないで他の抗生物質を大量に使っている間にherpesビリオンはどんどん増えているので増えた莫大なherpesビリオンが5大栄養素や核酸の材料やエネルギーを細胞から奪い取ってしまいます。しかも増えたherpesビリオン粒子は新たなる細胞にものすごい勢いで感染していくので免役細胞のみならずあちこちの臓器の細胞にもヘルペスが感染してしまい全身の栄養不良状態が起こり臓器不全になってしまうのです。敗血症の症状は大量のherpes感染で見られる①高熱、②悪寒、③ふるえ、④頭痛、⑤全身の疼痛や不快感、⑥冷たく湿潤した皮膚、⑥意識低下、⑦息切れ、⑦頻脈などが出現します。敗血症の臓器障害には①心臓、②肺、③腎臓など生命に関わる主要な臓器の機能が低下する。敗血症の治療は抗菌薬や手術による病原微生物の除去、人工呼吸器や透析などの高度な医療機器を用いた治療が行われます。

-ガン, ガン, コラム, 敗血症, 用語解説, 糖尿病
-, , , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

統合失調症はどうして起こるのでしょうか?Part3更新2023.5.31

やっと真ん中まで来ましたね!次で最後ですので頑張って着いて来て下さい!!! まだPart1を読まれていない方はここを読んで下さい! 統合失調症はドパミンが過剰に分泌することが分かっていますが、臨床現場 …

no image

膠原病こそ過敏反応だ

学者先生方は免疫の働きではあるけれども、人間にとって無害な異物を排除するために起こる都合の悪い免疫の働きをアレルギーと定義しています。ところで無害であるかは誰が判断するのでしょうか。免疫にとっては、異 …

no image

TNF-α(TNF)とは何か?ヘルペスウイルスと癌とTNFと神経変性疾患とミクログリアとの関わりは何か?更新2025.4.7

TNF-α(TNF)とは何か?ヘルペスウイルスと癌とTNFと神経変性疾患とミクログリアとの関わりは何か? 神経変性疾患におけるTNF-αとミクログリア ミクログリアにおける腫瘍壊死因子-α(TNF-α …

no image

人間は糖質がなくても生きていけるのは何故でしょうか?更新2025.1.22

人間は糖質がなくても生きていけるのは何故でしょうか?癌は糖質が癌細胞に奪われてしまうので「癌死する」と言われていますが間違いなのです。その理由は何でしょうか? 炭水化物である糖質は五大栄養素の一つです …

no image

子宮癌・卵巣癌完治の研究報告Part1(コメントあり)更新2022.1.14

症例のみの「子宮癌・卵巣癌完治の症例集Part1(コメントなし)」もあるので良かったら読んで下さい。 症例報告1例目 治した病名:1)子宮癌、2)卵巣癌、 癌摘出術後に癌が再発し、抗ガン治療を勧められ …