ガン ガン コラム

がんとは何でしょうか?更新2025.2.17

投稿日:2025年2月17日 更新日:

下垂体の後葉から分泌されるホルモンには、抗利尿ホルモン(ADH)とオキシトシンがあります。

抗利尿ホルモン(ADH)の働きは①腎臓の集合管に作用して水の再吸収を促進する②体内の水分バランスを維持するのに重要③血圧が低下したときや血液の浸透圧が上昇したときに分泌が増加する。④ADHの分泌が低下すると、大量の希釈された尿が排泄される疾患を尿崩症といいます。尿崩症は口渇、多飲、多尿という点で糖尿病と似ていますが、尿に糖(グルコース)が出るか出ないという相違があります。

オキシトシンの働きは①分娩時に子宮を収縮させ、出産直後の過剰な出血を防ぐ②授乳時に乳汁を射出させる③ADHもオキシトシンも視床下部でつくられ、神経軸索を通って下垂体後葉に運ばれます。神経インパルスを受けて分泌され、半減期は約10分です。④オキシトシンは、乳児が乳首を吸引する刺激が分泌を亢進させます。⑤オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」などの別名があるのは乳児が乳首を吸引する刺激があり幸せを感じさせるからです。

 

がんとは何でしょうか?

米国国立がん研究所(NCI)で2021年8月18日に編集された優れた論文ですが間違いだらけの論文です。以下の黒字の文章は米国国立がん研究所(NCI)が作成した「がんとは何でしょうか?」というタイトルの英語の論文の日本語の翻訳です。しかしながら「癌とは何か?」に対する回答が間違いだらけであるので誤りを正しながら新たに正しい論文を赤字で書き直しました。このNCIの論文は的外れの間違いが多すぎますから元の英語の論文の段落ごとに修正した正しい論文は赤字で私(松本仁幸)が書き直した真実の論文です。癌は治せる病気である根拠を赤字で書き加えました。元の正しい一部の文章には訂正を加えていません。癌そのものは何も至る病ではないのです。そもそも「がん細胞」は存在していないのです。正しい「癌細胞」の名前は「herpes性過剰増殖性細胞」に過ぎないのです。

癌が他の病気と違って特別な性質を持っているからです。それはherpesによって自由自在に「命の根源」である絶対に変えてはならない蛋白質の設計図である「遺伝子」を変異させられて生きるために必要な正常な蛋白質が異常になり続けるからです。細胞が2倍に増殖のたびごとにherpesは数十倍~数百倍も増え続けて増殖に関わる癌関連遺伝子(増殖関連遺伝子)のみならず徐々に他の遺伝子も部位特異的組み換えによってherpesによって変異させられて、変異した異常なさまざまな蛋白も異常になってしまい正常に生きられなくなっていくのです。

初めは遺伝子変異メーカーであるherpesによって癌関連遺伝子(増殖関連遺伝子)だけの変異によって生まれた1個の癌細胞が膨大な数に増えていくたびごとにherpesビリオンをさらに多く作るためにすべての栄養素もエネルギーもヘルペスに奪われ、最後は最悪の栄養不良である悪液質になるのみならず生きるために必要なあらゆる遺伝子がherpesによる変異が重なって命をherpesに奪われて死んでいくことになるのです。癌で死ぬのではないのです。何故ならば癌細胞の定義は癌関連遺伝子(増殖関連遺伝子)だけの変異だけが問題にされているからです。

癌死とはHerpesが生み出したヘルペス性後天性遺伝子病で死んでいくのです。したがって癌の治療はいかにHerpesを殺すか、いかにHerpesを増やさないようにするしかないのです。これこそ癌の原因療法なのです。最高の治療はロイアル・レイモンド・ライフ博士の「光癌治療」で癌ウイルスであるヘルペスウイルスを殺せばすべてのがんは簡単に治ります。ロイアル・レイモンド・ライフ博士の「光癌治療」はここを読んでください。

1)がんの定義

2)がん細胞と正常細胞の違い

3)がんはどのようにして発生しますか

4)がんの原因となる遺伝子の種類

5)がんが転移するとき

6)非がん性組織変化

7)がんの種類

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1)がんの定義

がんは、人体の細胞の一部が制御不能な状態で増殖し、人体内の他の部位に広がる疾患です。

癌は、人体の細胞の癌関連遺伝子の一部がヘルペスウイルスによって変異しただけですから免疫が低下しない限り制御可能な状態で増殖し、人体内の他の部位に広がる疾患です。何故ならば癌を作り出すヘルペスウイルスが増殖しない治療が可能であるからです。ヘルペスが増殖しない限り癌は進行することがないからです。

がんは、数十兆個の細胞から成る人体のほぼどこにでも発生する可能性があります。人体の細胞は通常、人体の必要に応じて、増殖、(細胞分裂により)増加し、新たな細胞を作ります。老化した、あるいは障害を受けた細胞は死滅し、新たな細胞に入れ代わります。

がんは、すべての細胞に感染できるヘルペスウイルスによって細胞のゲノムDNAに感染して「癌関連遺伝子」を変異させて「癌遺伝子」に変えることによって生まれます。がんは、数十兆個の細胞から成る人体のほぼどこにでも発生する可能性があります。人体の細胞は通常、人体の必要に応じて、増殖、(細胞分裂により)増加し、新たな細胞を作ります。幹細胞を持っている細胞のすべては新旧の細胞を入れ替えるために細胞分裂する必要があります。この時に細胞の染色体は46本の染色体をばらばらに一倍体の92本の染色体に増やさなければならないのです。ばらばらの一倍体の92本の染色体になった時にヘルペスウイルスは細胞の染色体に自由自在に自分のゲノムDNAを細胞のゲノムDNAに組み込み細胞の遺伝子を部位特異低組み換えによって遺伝子の変異を起こす可能性を得ます。この変異が「癌関連遺伝子」を変異させて「癌遺伝子」に変える可能性を生みます。この可能性が実現すると新たに生まれた細胞の遺伝子が「癌遺伝子」を持って生まれることになります。「癌関連遺伝子」には二種類あり一つは「癌原遺伝子」でありもう一つが「癌抑制遺伝子」です。「癌原遺伝子」が変異してしまうと「癌遺伝子」になりその変異した遺伝子を持った細胞は「増殖過剰細胞」になってしまいその細胞を増殖・分裂させたがります。一方「癌抑制遺伝子」が変異してしまうと「増殖過剰細胞」を増殖させないという抑制の機能を失ってしまうのです。「癌原遺伝子」と「癌抑制遺伝子」が二つとも変異してしまうと「悪性腫瘍(癌)」になり、一つだけが変異すると「良性腫瘍」でとどまり「悪性腫瘍(癌)」にはならないのです。」

時にこの通常の細胞分裂が正常に機能しなくなることがあり、異常細胞や障害を受けた細胞が増殖、増加してはいけないときに、増殖、増加します。こうした細胞は、腫瘍という組織塊になることがあります。腫瘍はがん性腫瘍と非がん性(良性)腫瘍に大別されます。

こうした癌関連遺伝子が変異した細胞は「良性腫瘍」にしろ「悪性腫瘍」(癌性腫瘍)のいずれにしろ腫瘍という組織塊になるのです。

がん性腫瘍は周辺組織に広がります(浸潤)。また、体内の離れた部位に運ばれて新たな腫瘍となることがあります(転移)。がん性腫瘍は悪性腫瘍と呼ばれることもあります。多くのがんは固形腫瘍になりますが、白血病などの血液腫瘍は通常、固形腫瘍になりません。

二つの癌関連遺伝子である「癌原遺伝子」と「癌抑制遺伝子」が二つとも変異してしまって生まれる癌細胞(増殖過剰細胞)に寄生しているヘルペスウイルスは増殖過剰になった癌細胞がどんどん増殖・分裂の速度が速くなればなるほど癌細胞が2倍になるたびにherpesも細胞の増殖・細胞分裂の歩調を併せて数百個以上ものビリオンを増やしていきます。何故ならば1個の細胞が2個になるのに平均50時間かるのですがヘルペスの1個が2個になるのに約1分~2分しかかからないからです。1個の細胞の栄養素や、核酸や細胞のATPや他の細胞膜などを作るための部品の素材を使い切ると簡単に細胞膜を破って大量のヘルペスビリオンが次々と近隣の細胞に感染し始めます。感染した数多くの新たなる細胞で以上に述べたように細胞のゲノムDNAに自分のゲノムDNAを組み込んでしまうことを繰り返すのです。この現象はまるで癌細胞(癌性腫瘍)が周辺組織に広がるように見えるので癌が周辺組織に拡大していくように見えるので浸潤といわれるのです。実はこの現象はヘルペスが新たなる細胞に感染を繰り返し、かつ新たなる正常な細胞の二つの癌関連遺伝子である「癌原遺伝子」と「癌抑制遺伝子」をすごいスピードで変異させただけなのです。ヘルペスウイルスの感染は周辺組織の細胞だけではないのです。というのは細胞の細胞膜を破って細胞外に出た大量のherpes組織の漿液(リンパ液)にも出ていくと再び薄いリンパ管の膜からリンパ管に吸収されます。リンパ管は、鎖骨の下にある2本の鎖骨下静脈の合流部に合流して静脈系に戻り、心臓にまで運ばれ再び動脈の血液に運ばれて酸素や栄養素と共に再び組織の細胞までherpesも運ばれただけなのにリンパ管転移や血行転移によって癌細胞が転移したというわけです。血液やリンパ液はヘルペスを運んで新たなる組織の細胞に感染して正常細胞の二つの癌関連遺伝子を変異させて癌細胞をherpesが生み出しただけなのです。しかもそこで新たなる癌細胞が生まれるのであって原発性の癌細胞と転移がんの癌細胞とは同じ細胞ではないのです。

リンパ管と静脈の合流の仕組みについて説明しましょう。リンパ管は、全身の毛細血管から染み出した水分(組織液)や老廃物などを集めて運ぶ器官です。毛細リンパ管が集まってリンパ管となり、リンパ節を経由しながら合流して太いリンパ管になります。リンパ管は、胸管と右リンパ本幹と呼ばれる2本にまとまって、鎖骨の下にある2本の鎖骨下静脈に入ります。2本の鎖骨下静脈は合流して上大静脈となり、上半身の血液を心臓へ送ります。

リンパ管は、血管と似た構造をしていますが、壁が静脈よりも薄く、透過性が高いため、大きな分子のタンパク質や病原体など通常血管には入らないものをも通すのです。従って転移癌は二つのルートから生まれます。一つは癌細胞や正常細胞で増えすぎたビリオンが細胞膜を破って血行転移かリンパ管転移によって新たな正常細胞な感染してそこで増殖関連遺伝子を変異させて新たな癌細胞を生み出すか、もう一つのルートは癌細胞塊から剥がれて組織のリンパに流れ出た癌細胞はリンパ管や静脈に取り込まれます。これらのリンパ管と静脈はすぐ上で説明したように心臓の戻る前に合流するのですがもう一度復習しておきましょう。

リンパ管と静脈血管の役割は何でしょうか?下の図をじっくり見てください。

まず心臓からピンク色の動脈によって栄養素と酸素が全身のすべての細胞に運搬されて毛細血管のピンク色の毛細動脈から細胞のすぐそばの組織の組織間液に染み出させて細胞に栄養素と酸素を取りこませた後、染み出した残った余分な組織間液にある水分の90%は毛細静脈で回収します。残りの余分な組織間液にある水分の10%は毛細リンパ管で回収します。老廃物と二酸化炭素と残りの余分な水分を毛細静脈血管や毛細リンパ管から回収します。集めます。その後、毛細リンパ管は集まってリンパ管となり、毛細静脈は静脈となり心臓に戻るまでの大まかなリンパと血液の流れを説明しました。

さらにリンパの流れの詳しい説明をしましょう。リンパ管は人体に700個もあるリンパ節のいくつかを経由しながら合流して太いリンパ管になります。太いリンパ管は、胸管と右リンパ本幹と呼ばれる2本にまとまって、鎖骨の下にある2本の鎖骨下静脈に入ります。2本の鎖骨下静脈は合流して上大静脈となり、上半身の血液を心臓へ送ります。

リンパ節の一番大事な役割は膜型の抗体を持ったBリンパ球を分泌抗体に成熟させるところなのです。上の図にリンパの流れ血液の流れを示します。リンパの流れは、リンパ管を介して全身の組織から心臓に向かって流れます。リンパ節は、リンパ管の途中に700~800個あり、リンパ液に含まれる異物をろ過したり未熟なBリンパ球を抗体を作る形質細胞に成熟させる大学です。胸腺で教育されたT細胞や抗原を運んできた樹枝状細胞に刺激されたBリンパ球が一人前に分泌抗体を作れる教育機関です。未熟なT細胞は胸腺で教育されると言われますが詳しいことは今も解明されていません。一方B細胞は骨髄で教育されると言われますが嘘です。B細胞の大学並みの教育機関はリンパ節なのです。

リンパの流れは、末梢の毛細リンパ管から始まり、集合リンパ管、主リンパ管を経て、静脈に流入して心臓に戻ります。心臓から血液とともに末梢組織へと出ていきます。リンパにはポンプ機能がないため、逆流しないように弁が備わっています。リンパ液の流れをリンパ循環と呼び、体にたまった余分な水分や老廃物などを運んでいます。一方リンパ系は末梢の毛細リンパ管から始まり、集合リンパ管、主リンパ管を経て、静脈に流入して心臓に戻るまでのことです。

リンパ節の役割とは

リンパ節は、リンパ液に含まれる細菌やウイルス、がん細胞などの異物をろ過する役割を担っています。其れと未熟なリンパ球を特定の抗体を作る形質細胞に教育する学校です。

リンパ節にはリンパ球と呼ばれるTリンパ球とBリンパ球や免疫に関係する白血球が集まってきており、ウイルスや細菌などの外敵を防ぐ働きができるように教育をしています。

リンパ節が腫れて大きくなる原因として、感染症、免疫・アレルギー性疾患、血液のがん、がんの転移などがあげられます。リンパの流れが障害されるとむくみが生じることがあります。

リンパ管とは?

リンパ管とは何なのでしょうか?血液が流れる管は血管ですが、リンパ液が流れる管はリンパ管と呼びます。血管は心臓を中心に輪をかくように体の中を循環しています。心臓から出た血管は動脈であり段々と分かれながら細くなり、毛細血管となって体の各所をまわり、その後、静脈となって段々と集まり太くなって心臓まで戻ります。対して、リンパ管は輪になっておらず、一方通行の道のような構造です。全身の末梢(体の隅々)で毛細リンパ管として始まりますが、その起点は閉じられており、どの組織ともつながっていません。薄い壁を持つ1層の細胞からできており、静脈と似た構造ですが、静脈よりも壁が薄く、透過性が高いため、大きな分子のタンパク質や病原体など通常血管には入らないものも通します。神経の存在も確認されています。始まりは細くて網目状の毛細リンパ管ですが、それらが段々と集まって合流し、集合リンパ管、そして主幹リンパ管となり、太くなっていきます。最後は胸管、右リンパ本幹と呼ばれる2本にまとまって、静脈に注ぎます。


リンパ液は静脈とつながる出口に向かって、一方向に流れています。半月弁があるため、基本的には逆流することはありません。心臓は血液を流すポンプの役割を果たしますが、リンパ管にはそのような大きなポンプがありません。そのため、人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、体の外からのマッサージ刺激などがリンパ液を流す助けとなります。その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりです。流れる速さも一定ではありません。しかし、近年、リンパ管が想定されていた以上に能動的な動きをしていることが分かってきました。

毛細リンパ管の役割は組織液(間質液とも言う)であるリンパ液を吸い上げるためのポンプの役割を備えているとされています。このポンプはリンパ液を流すためのものではなく、リンパ液を吸い上げるためのものなので、血液にとっての心臓とは意味合いが違いますが、リンパ管がその起点で能動的な動きをしていると言えます。また、リンパ管の壁が収縮することによってリンパ液を流していることも明らかになってきました。長年、受動的な器官と思われていたリンパ管ですが、能動的に動いていることが明らかになってきています。念のために行っておくと組織液と間質液とリンパ液の3つは同じ液体でありおなじ成分なのです。

リンパ液とは?

リンパ液とはリンパ管の中を流れる液体をリンパ液(単にリンパとも言う)と呼びます。リンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。
血液は心臓から出て、また心臓に帰りますが、一部の血液は体のすみずみで毛細血管から外に出て、体内の細胞に酸素と栄養素を届けています。届け終えた血液は再び血管に戻りますが、その際に戻れなかった水分を組織液といい、全身の細胞はこの組織液の中に浸った状態で存在しています。この組織液の一部が毛細リンパ管に入り、リンパ液となります。組織液には細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
血液が外に出る時に、血液の赤い色の元である赤血球は大きすぎて、血管の壁を通り抜けられないため、外に出た水分は赤ではなく、薄い黄色をしています。また、血液を固まらせる成分である血小板も血管の壁を通り抜けられないため、リンパ液の凝固能力は血液より低くなります。血しょうは壁を通り抜けて組織液の基礎になり、リンパ管に入ってリンパ液となります。リンパ液は全身のどこの血管から外に出た組織液を取り込んだかによって、成分が異なります。

乳糜(にゅうび)とは小腸から取り込んだリンパ液は脂肪球を含むため、乳白色で、他のリンパ液とは区別して、呼ばれています。

リンパ節とは?

毛細リンパ管として始まってから静脈に注ぐまでの間にリンパ管は何度も合流を繰り返しますが、合流する部分にそら豆のような形をしたリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっており、多くは白血球の仲間です。白血球は血液に含まれ、血液を通じて全身を異物から守るためにパトロールしていますが、リンパ球はリンパ管の中を流れながら、全身を巡り、細菌や有害物質に備えています。異物の侵入を確認すると、リンパ節では、これらの異物が血液循環系へ侵入するのを防ぐべく、免疫細胞が戦います。免疫細胞が異物を攻撃、破壊し、食べつくしてくれるため、リンパ液はきれいな液体となって、流れていきます。
のどの奥にある扁桃腺(へんとうせん)は、リンパ節の1つです。風邪をひくと腫れることがありますが、これは扁桃腺の中でリンパ球が増えて、細菌と戦うために起こる現象です。
リンパ節から出たリンパ管はさらに合流を繰り返し、静脈に注ぐまでの間に数百~千にも及ぶリンパ節を通過していきます。体には血管とともにリンパ管と呼ばれるものがあり、そこを流れるリンパ液が血管で吸収しきれなかった栄養や酸素を取り込んで血中に戻すという役割を持っています。

リンパ系とは?免疫系の極めて重要な一部で、 具体的には胸腺、骨髄、脾臓、扁桃、虫垂、小腸にあるパイエル板など、感染やがんに対抗する特殊な白血球を作り出して処理する臓器や組織が含まれます。 静脈系と同様に、リンパ系も全身にわたる体液循環の経路になっています。

毛細リンパ管に取り込まれたリンパ液が、リンパ管を通じて全身をめぐり、最後に静脈に合流する一連の流れをリンパ系といいます。 リンパ系の役割は、主に4つあります。
 ①組織液から戻れなくなった水分を血管へ送りかえします。血管から出て血管に戻れなかった水分(組織液)をリンパ管に集め、静脈まで運びます。これにより、血液はその量を大きく増減させることなく、循環することができます。
 ②免疫反応の中核を担います。免疫細胞の1つであるリンパ球は胸腺と呼ばれる器官で、自己と非自己を学び、的確な指令を出して、外敵から体を守ります。従って自己免疫疾患はこの意味でも存在しないのです。
 ③吸収した脂肪分を運びます。小腸で吸収された脂肪分である乳糜(にゅうび)は腸のリンパ管に取り込まれ、胸管を通って静脈まで運ばれます。このため、小腸の内壁にあるリンパ管は乳糜管(にゅうびかん)と呼ばれることもあります。乳糜(にゅうび)とは、脂肪を大量に多く含んだ乳白色のリンパ液のことです。脂質の代謝異常などで血液中に中性脂肪(TG)が増加するとみられる状態です。

④タンパク質、有害な生物(ウィルスなど)、老廃物をろ過します。リンパ節内の免疫細胞が、タンパク質、細菌やウイルス、細胞の代謝から生じた老廃物などを攻撃、倒し、最終的にリンパ液はきれいな状態で静脈へと戻っていきます。リンパ系は体にとって下水道、浄水場のような存在です。

老廃物をろ過するのは、体内の老廃物や余分な水分を尿として排泄する働きを指すので実はリンパ系での仕事というよりも、もっと具体的にはリンパ節内の免疫細胞が、タンパク質、細菌やウイルス、細胞の代謝から生じた老廃物などを処理して最終的にリンパ液はきれいな状態で大静脈へと戻っていきます。

腎臓での老廃物をろ過する仕組みとは大動脈から入ってきた血液が腎臓の糸球体でろ過される。糸球体でろ過された血液は尿細管を通る。尿細管で必要なものは体に戻され、不要なものは尿として排出される。不要な老廃物が除かれた血液は大静脈に戻っていく。尿細管とは、腎臓の糸球体から排出された尿をろ過して、体に必要な成分を再吸収し、不要な成分を排出する管です。

リンパ系が存在しない臓器はありますか?このようなリンパ系はほとんどの臓器に見られますが、骨、骨髄、軟骨、中枢神経系、胸腺、胎盤および歯には存在しないのです。

5大リンパ節とは何ですか?体にはリンパの集中する5大リンパ節である①脇、②鎖骨、③胸、④腹部、⑤鼠経部があります。 5大リンパ節は体の末端の手足から心臓に向かって流れる細いリンパ管が合流する重要ポイントです。

尿細管とは何?尿が流れる細い管であり、ボーマン嚢から始まり、腎盂(じんう)まで続く間に①近位尿細管、②ヘンレループ、③遠位尿細管、④集合管の4つに分かれる。糸球体を包み、うねり曲がった形状で、たくさんの毛細血管が取り巻いている。

尿細管の働きは何?①糸球体で濾過された尿から、水や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)を再吸収する②不要な成分を尿として排出する③尿の濃縮と希釈を担う④水やナトリウム、クロール、重炭酸イオンの再吸収と分泌、水素、カリウムの分泌などを行う

老廃物をろ過する意義は何?①体内の老廃物や余分な水分を排出することで、血液をきれいにする②体内の水分量や電解質の濃度を調節する③体内で常に作られている酸性の物質を排泄し、体を弱アルカリ性に保つ。だから体液のpHは弱アルカリ性の7.2なのです。

このようなリンパ系はほとんどの臓器に見られますが、骨、軟骨、中枢神経系、胎盤および
歯には存在しないのです。リンパ管は血管と比べ研究が遅れていましたが、2000年頃から飛躍的に基礎研究が進み、色々なことが分かってきました。

良性腫瘍の特徴は周辺組織に広がりも浸潤もしません。良性腫瘍は切除されても、通常は再増殖しません。一方、がん性腫瘍は時に再増殖することがあります。しかし、良性腫瘍は時にかなり大きくなる可能性がありますが二つの癌関連遺伝子の一つだけのがん抑制遺伝子だけherpesによって変異されている限り悪性腫瘍になることはないのです。しかし残りの一つの癌原遺伝子もherpesによって変異させられると悪性腫瘍の癌になります。Herpesが増えない限りは悪性腫瘍の癌になることはないのです。

良性腫瘍は周辺組織に広がりも浸潤もしないので良性腫瘍と呼ばれるのです。また良性脳腫瘍などの良性腫瘍は重篤な症状を引き起こす可能性や、または、生命に危険を及ぼす可能性がめったにないので良性腫瘍と呼ばれるのです。脳癌とは言われないのです。

リンパ球のT細胞はどこで成熟しますか?骨髄で造血幹細胞から分化する過程でB細胞はそのまま骨髄でつくられ成熟しますが、T細胞になるべき前駆細胞は骨髄でつくられ胸腺へ移行し、T細胞は胸腺で成熟します。別な場所でつくられたB細胞とT細胞ですが、それぞれ骨髄、胸腺を出てから、抗原や抗原を運んでくる樹枝状細胞などのAPCとリンパ節や脾臓で出会って、協力し合って免疫反応を起こすのですがあまりにも簡単すぎます。しかし本当はもっともっと詳しく正確に説明すべきですがこの程度にしておきます。

2)がん細胞と正常細胞の違い

がん細胞は正常細胞と多くの点で異なり、以下の特徴があります。

①癌細胞は増殖するよう促すシグナルがなくても増殖します。この状態になるにはherpesウイルスに寄って二つの癌関連遺伝子(増殖関連遺伝子)である癌原遺伝子と癌抑制遺伝子を突然変異させなければ癌細胞は生まれません。その結果、増殖するよう促すシグナルがなくても増殖する細胞を癌細胞なのです。一方、幹細胞を持った正常細胞は新旧の細胞を入れ替える必要時だけこうした必要なシグナルを受け取ったときにのみ増殖するのです。

②癌細胞は通常,細胞周期の細胞分裂に際して「細胞分裂の停止」や「あらかじめ計画されて細胞の死」であるアポトーシス(プログラム細胞死)の命令を伝えてもシグナルを無視して増え続けます。

③癌細胞は癌細胞同士が結合してがん細胞の塊になると接着装置がherpesの炎症のために破壊され癌細胞同士がばらばらに離脱してしまい周辺組織に浸潤し、播種し、さらに人体内の他の部位に広がる癌細胞の転移を行います。仮に正常細胞は他の細胞に接触すると、増殖を停止します。また、ほとんどの正常細胞は細胞同士の接着が正常なので接着が切れることもないので人体内を移動しません 。

癌細胞は周辺組織に浸潤するのではなくヘルペスが周辺組織の細胞に浸潤するかのように感染して、感染した新たなる細胞遺伝子を変異させて癌細胞が生まれるだけで、癌細胞が人体内の他の部位に広がっているわけではないのです。

④癌細胞は血管に対して腫瘍に向かって増殖するよう促します。こうした血管は酸素と栄養を腫瘍に供給し、腫瘍からCOや老廃物を排出します。

癌細胞が新規血管を腫瘍に向かって増殖するよう促しているのではなく癌細胞内で増えていくherpesビリオンが更に多く増殖するのに必要な栄養素とエネルギーとなるATPを産生させるために新規血管(新生血管)を細胞に作らせているのです。ヘルペスの酸素が少なくなると増殖と炎症のためにがん細胞のみならず正常細胞は、血管内皮細胞の増殖を刺激するタンパク質を分泌して、新しい血管(新生血管)を作ります。この過程は「血管新生」または「腫瘍血管生成」と呼ばれています。いずれにしろ新しい血管(新生血管)で得られた栄養素やOは正常細胞も癌細胞も利用しますがherpesビリオンがこれらに二つの細胞が分裂増殖の必要な栄養素やOの何百倍も利用し尽くしてしまうので新生血管ができてもherpesビリオンがほとんど利用し尽くしてしまうどころか新しい血管(新生血管)ができたので増殖が加速してしまうので新生血管がない方が癌の進行が緩むのです。

がん細胞が血管新生を起こすのは血管内皮細胞増殖因子(VEGF;vascular endothelial growth factor)です。VEGFとは何でしょうか?VEGFは、酸素が足りないとき生成され、血管の基となる幹細胞から血管内皮細胞へ分化させるとともに、血管内皮細胞に働きかけて新しい血管を作らせるのです。VEGFは①下垂体星状濾胞細胞、②マクロファージ、③平滑筋線維、③胚線維芽細胞などの多種の正常細胞あるいは腫瘍細胞などで産生されます。

下垂体星状濾胞細胞(濾胞星状細胞、FS細胞)とは、下垂体前葉に存在するホルモンを産生しない細胞です。S100タンパク質やグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)を有しており、脳のアストロサイトと似た性質があります。下垂体濾胞星状細胞の特徴は①分泌顆粒を持たない細胞②長い細胞質突起を持って近傍のホルモン産生細胞を包み込む③成体内で新たな細胞を供給する下垂体幹細胞の有力な候補者です。

下垂体濾胞星状細胞の役割は①下垂体前葉において、ホルモン分泌細胞以外の存在として知られている②下垂体前葉の機能に何らかの役割を果たしている可能性があります。

下垂体は前葉と後葉の2つから構成されており、前葉からは6種類のホルモンの、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、乳汁分泌ホルモン(prolactin: PRL)、性腺刺激ホルモン(LH, FSH)などが分泌されます。後葉からは2種類のホルモンが分泌され、抗利尿ホルモン(ADH)と「幸福ホルモン」と言われるオキシトシンです。

腫瘍細胞で過剰に増殖するためよりもherpesが猛烈に増殖するのでエネルギーである莫大なATPを作るためには酸素が必要ですからherpesが作らせていると言った方が正しいのです。VEGFは腫瘍内に存在する腫瘍細胞やヘルペスウイルスに大量の栄養や酸素を供給するために血管新生を促進させるため、すでに述べたように①下垂体星状濾胞細胞、②マクロファージ、③平滑筋線維、④胚線維芽細胞などの多種の正常細胞あるいは腫瘍細胞などで産生されます。herpesや腫瘍細胞に栄養や酸素が行き渡り、herpesの増殖や転移を助けることになります。

血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)とは、血管新生を促すタンパク質です。VEGFが血管内皮細胞に作用すると、細胞の分裂や遊走、分化などを誘導し、その結果、既存の血管から枝分かれした新たな血管が形成されます(血管新生)。herpesウイルスによって 腫瘍細胞や正常細胞はherpesウイルスによって利用される莫大な栄養素や酸素を奪い取られるので、既存の血管だけでは補充することができないので、腫瘍細胞や正常細胞は自らVEGFを生産し周囲の血管新生を促します。実はherpesウイルスが増殖するために消費する栄養素や酸素の方がはるかに腫瘍細胞や正常細胞が増殖するときに必要とする栄養素や酸素よりも比べることができないくらい圧倒的に多いのです。それはherpesウイルスの子供たちであるビリオン粒子は腫瘍細胞や正常細胞が2倍に増える間に指数関数的に何百倍も何千倍にもビリオン粒子は増加してしまうのです。指数関数的な増加するとは、増加の割合が極めて大きいことを意味し、しかも急激に素早くビリオン粒子は増加を繰り返すのです。その結果、血管が腫瘍塊内に引き込まれ、栄養や酸素の供給を受けて腫瘍細胞や正常細胞やherpesウイルスが増殖し、細胞膜を破って多くの増えたherpesビリオンは他の組織の正常な細胞に感染してそこで新たなるがん細部を増やしてしまうのです。これが癌細胞の転移であり、転移していくのはherpesウイルスであって癌細胞自身ではないのです。もちろん癌細胞も癌細胞塊を接接着させて結合させている接着装置もherpesのために破壊され離脱して周囲に浸潤しはじめるのです。

従って原発巣の癌細胞塊から転移癌が作られるやり方は二つあるのです。一つは癌細胞癌のから細胞膜を破って組織液(リンパ液)に出てリンパ管や静脈血管から癌を作るherpesウイルスがいわば感染転移して新たなる組織で作る転移癌細胞です。二つ目は元の原発の細胞癌が細胞がんの塊の細胞接着装置を破壊して組織液(リンパ液)に出てリンパ管や静脈血管に入りこんで原発巣と同じ転移癌になるかの二つがあるのです。

一つ目のherpesによって新たに作られる癌は原発のがん細胞の転移癌ではなく全く異なった組織の全く別の種類のがん細胞であるのです。したがってこの意味では原発性の転移癌と呼ぶのは間違っているのです。この点でも世界中の癌学者は二つの種類の癌が生まれることを認めないので間違いを犯しているのです。いずれにしろ治すことが絶対にできない現代の三大癌治療はお金がすべてのAmericaで確立され最も稼げるので嬉々として癌医療を始めるのですが苦しむのは患者だけなのです。

VEGFの働きを阻害すると、腫瘍の血管新生が抑えられるので、腫瘍に栄養や酸素が供給されず兵糧攻めにできると考えられ、VEGFのシグナルを遮断する薬の開発が進められていますが無駄な医療です。酸素と栄養素の遮断により最も被害を受けるのは正常な細胞が最も栄養不良になってしまうのでさらに悪液質がアック化してしまい急激に体が弱まり死に近づくだけです。VEGFのシグナルを遮断する薬は逆効果となり正常細胞も癌細胞もエネルギーであるATPも減ってしまい悪液質になり易くなるので、無駄なことです。喜ぶのは癌関連遺伝子を変異させることで癌細胞を増やすことはできるからです。しかもherpesウイルスは細胞とは違って栄養不良で苦しむことはないのです。

治りにくい癌と治りやすい癌の違いは何処にあるのでしょうか?何でしょうか

進行の速い癌と遅い癌の違いは何がその差を生み出すのでしょうか?

死に安い癌と死ににくい癌の違いは何でしょうか?

原発の癌に多数のがんの組織型があるのは何故でしょうか?また原発の癌になりやすい組織型と治りにくい癌の組織型があるのは何故でしょうか?

ヘルペスが原因である癌の痛みは特に死が近くなる時の痛みはどのように起こるのでしょうか?

全市に分布しているポリモーダル自由神経侵害(疼痛)受容性疼痛受容体にherpesが感染するからです。そのメカニズムについて説明します。は?

侵害受容性疼痛は、熱や機械やウイルス、特に大量にherpesウイルスなどの刺激によって全身の末梢の侵害(疼痛)受容器が活性化され、その興奮が脊髄から大脳へと伝達されることで生じます。

【メカニズム】

切り傷や火傷などのケガやヘルペス感染や炎症が起こると、その部分にプロスタグランジンやブラジキニンなどの炎症性の神経伝達物質が発生します。これらのプロスタグランジンやブラジキニンなどの発痛物質が至る所にある末梢神経にある「侵害受容器」を刺激します。

侵害(疼痛)受容器の興奮が末梢神経を経て脊髄から大脳へと伝達され大脳で痛みとして認識されます。重くズーンとした痛みやヘルペスの場合はズキンズキンやピリピリも見られます。骨折や歯痛、やけど、腹痛など、ヘルペス感染で日常生活で起こりうるいたみの多くがこのタイプです。一般的に炎症や刺激が治まれば、痛みが治まります。切り傷、熱傷、骨折などの外傷、手術、ヘルペス感染、ヘルペスとの炎症などによる組織の損傷や炎症で起こる急性痛や慢性の痛みは、ほとんどが侵害受容性疼痛です。鎮痛薬が効果を示します。

侵害受容器とは痛みを起こす刺激(侵害刺激)の受容器です。 前述の、熱刺激・機械刺激・化学刺激の受容器がこれにあたります。 侵害受容性痛には、「つねった時痛み」・「熱いものに触った時の痛み」など病的な意味を持たない痛みと炎症による痛み(炎症性痛)が含まれます。

神経障害性疼痛の原因の多くはherpesが神経に感染して起こることが現代において一番よく見られます。

神経障害性疼痛の原因には、神経の圧迫や損傷、脳や脊髄の神経にherpesが感染することで起こることが極めて多いのです。①【神経の圧迫】腫瘍、椎間板ヘルニア、手首の神経の圧迫(手根管症候群、 胸椎のヘルニアや圧迫骨折。②【神経の損傷】糖尿病、帯状疱疹、脳梗塞や脳出血、 交通事故などで脊髄を損傷した場合。③【脳や脊髄の異常】脳と脊髄が痛みの信号を処理する過程の異常

ヘルペス感染によって起こされたよる脊髄疾患に見られる神経障害性疼痛は、神経が傷ついて過敏になり、本来は痛みの信号として認識されない情報までもが脳に送られてしまうこともあります。【症状】①触っただけで痛い②素足で砂利道を歩いているようだ③焼けるような痛みやしびれ【治療】神経の働きを調整する薬物療法、 リハビリテーション。

ヘルペスによる神経障害性疼痛は、一般的な痛み止め薬が効きにくいという特徴があります。何故ならばherpesは自分の免役でも殺せない史上最悪の病原体であり一度感染したherpesウイルスは死ぬまで人体の細胞のゲノムDNAの隠れ住み免疫が弱まった時にかつ細胞が分裂するときに大量に自分の子供であるビリオンをする信じられないほどの数まで増やしてしまうという想像を絶する悪魔的なウイルスなのです。現代に最後の残された難病のすべての原因はherpesの仲間のウイルスたちなのです。

 

がんの治療

がん細胞は、血管内皮細胞の増殖を刺激するタンパク質(VEGFなど)を分泌する。VEGFは生存因子でありヘルペスが作った癌細胞は正常細胞よりもはるかに過剰に増殖するたびに増殖因子であるVEGFが癌細胞のVEGFレセプターと結合する頻度が高くなり血管内皮細胞の増殖を刺激する度合いも増えて新生血管も産生されることになるのですが増えた酸素と栄養分やATPのエネルギーのほとんどが細胞の増殖関連遺伝子を変異させる莫大な数のherpesのビリオンを増やすために使われるのです。勿論正常細胞も癌細胞もherpesのために奪われた栄養分や酸素は欲しいのですが癌を治す根本治療にはならないので血管新生阻害療法はすべて無駄でいわば対症治療に過ぎないのです。何故ならばherpesが正常な細胞や癌細胞から盗み取る栄養分や酸素は癌細胞が正常なら細胞から奪い取る量はほんのわずかしかないのです。がん細胞は、周囲の結合組織を分解する酵素を出して、増殖した血管内皮細胞をがん組織の方へ導くのもherpesを増やすために利用されるだけなのです。

血管新生阻害療法とは、正常細胞とがん細胞とherpesの増殖のための酸素や栄養供給経路を遮断することで、がんの増殖を抑制する治療法が「血管新生阻害療法」です。血管新生阻害剤は、がん細胞直接ではなく、その周囲の環境である栄養や酸素をがん細胞に届ける役目をする血管内皮細胞に作用して、増殖を抑制しますが、無駄な癌の対症治療にすぎません。血管新生にしろ、血管新生阻害のいずれにしろherpesウイルス自身は痛くもかゆくも全くないのです。何故ならば栄養素や酸素やATPを正常細胞とがん細胞から奪い取る量は正常細胞とがん細胞の必要量とはけた違いに多いのです。特にがんが進行しているときにはherpesウイルスのビリオンは無限大に増えているからです。血管新生阻害薬は焼け石に水なのです。

癌細胞は免疫系から逃れます。免疫系は通常障害を受けた細胞や異常細胞を除去します。この文章は完全に間違っています。癌細胞は免疫系から逃れる必要もないのです。何故ならば癌細胞と免疫細胞と同じ自己という同じ仲間ですから癌細胞を免疫が敵とみなさないので自然免疫系も獲得免役系も働きようがないのです。というよりも自然免疫系の細胞である抗原を獲得免役系に提示できる樹枝状細胞やマクロファージやBリンパパ球などのAPC(抗原提示細胞)は絶対に自己を異物と認識しないので自己の一部である癌細胞を敵と認識できないので癌細胞を攻撃することはあり得ないのです。だからこそ自己免疫疾患はあり得ないのです。

癌細胞は免疫系を騙し、がん細胞が生存・増殖するよう促す必要もないのです。癌細胞が免疫系をだますことはできません。何故ならば癌細胞は自己であるからです。免疫系は自己を敵とみなすことができないので騙すことはできないのです。 それでは免疫系をだましているのは何でしょうか?癌を生み出したherpesウイルスなのです。Herpesがいかに免疫系を回避するかはここを読んでください。具体的には、一部のがん細胞は免疫細胞に対して腫瘍を攻撃せずに、防護するよう促しているように見えるのもherpesウイルスのなせる悪事なのです。

癌細胞は免疫系を騙すことには100%かかわりのないことなのです。一般に行われている高価な癌免疫療法はすべてお金の無駄使いです。癌細胞は重複や部分欠失などの多様な染色体変化を集積するタイプ確かにありますがこれもherpesが正常な細胞の染色体に感染するときや又同じ癌細胞で癌細胞が分裂するたびにビリオンがたびたび染色体に何回も感染しても孫ビリオンを増やすときにも染色体の数がherpesによって突然変異が起こり増えたり減ったりすることもあるのです。しかしすべてDNA修復機構が修復してしまうかアポトーシス(計画的な細胞死)で処理してくれるのですがまherpesによって生じた癌細胞はがん抑制遺伝子であるTP53働くことができないので細胞周期チェックポイントで癌細胞の増殖を止めることもできないし、TP53の遺伝子も癌細胞をアポトーシスさせることができないのです。この種の重複や部分欠失などの多様な染色体変化による癌もherpesによるものです。がん細胞の中には、染色体数が通常の2倍になっているものもあります。これもherpesが染色体数が通常の2倍になって生まれた先天性の遺伝子病の染色体のがん関連遺伝子をも変異させたので癌細胞になってしまったのです。

染色体不分離とは何でしょうか?染色体対が細胞分裂において正常に分離できず、間違った数の染色体(異数性と呼ばれます)が得られる現象を「染色体不分離」といいます。染色体不分離は女性減数分裂でも男性減数分裂でも発生します。染色体のほぼ中央にある染色体をセントロメアと呼びは、その染色体のほぼ中央にある領域CENP-Aの機能不全は、染色体の不正確な分配を引き起こし、ゲノム不安定性や多くの疾患、特にがんの発生に関連しているのです。

発癌性学物質には大きく分類して4種類あり①化学物質、②食品、③感染症、④放射線です。しかしいつも疑問に思っていることは世界中の癌学者が認めているように「癌細胞とは二つの癌関連遺伝子である癌原遺伝子とがん抑制遺伝子の二つともが遺伝子変異を起こしている細胞です。」従ってあらゆる細胞のゲノムDNAは確立されている遺伝子検査で簡単調べられるのに何故行わないのか2002年の世界的な「ヒトゲノムプロジェクト」が成功したしたとき以来ずーと疑問を持ち続けてきましたが誰もしません。不思議です。

ヒトゲノムプロジェクトとは何ですか?ヒトゲノムプロジェクトの成果は?

ヒトゲノムプロジェクトは、当初の目標を大きく超える果実をもたらし、酵母から小麦、軟体動物、ヒトまで、生物学に関する深い洞察を与えてくれます。 その結果、すべての人が実質的に同一のゲノムを持っていることが示され、DNAの小さなバリエーションが何を意味するかを理解するための素晴らしいツールが得られました。解読困難な残りの8%の人の「ヒトゲノム」の遺伝情報を完全な形で解読したと、米国立ヒトゲノム研究所などの国際チームが科学誌サイエンスで発表しました。ヒトゲノム計画の目的は何か?ヒトゲノムの研究は、1990年から本格化した「ヒトゲノム計画」によって、急速に進展することとなった。この「ヒトゲノム計画」の研究は、人のゲノムの構造と機能を完全に解析して、人間の生物機能を探り、人間の生命のしくみを解明し、それによって人の生命や健康の保持そして癌を始めとするあらゆる難病や疾病の治療と予防に大きく貢献する目的があったのです。

国際チームは、ヒトゲノム全体の約 90%をカバーする 27 億 2,500 万塩基の配列を決定しました。解析の結果、ヒトゲノムの 45~50%は、直接生体機能に関与しない繰り返し配列が占め、残りの 50~55%に様々な遺伝子が存在することも分かりました。

ヒトゲノム計画が完全解読できなかった理由は何ですか?セントロメアの繰り返し配列は長大であり、かつ周囲にセグメント重複が存在するためHGPでは解読することができなかった。染色体のセントロメアとは、染色体のほぼ中央にある領域で、細胞分裂時に染色体を均等に分配する役割を担っています。セントロメアの働きには⓵細胞分裂時に、特殊なタンパク質が集まって動原体と呼ばれる構造を形成する②紡錘体微小管が結合するキネトコアが形成される③紡錘糸が接続して、細胞分裂時に染色体を両極に引っ張ることで、等分配する。セントロメアの構造はDNAの塩基配列ではなくエピジェネティックな要因で規定される。ヒストンH3のバリアントであるCENP-Aが、セントロメア領域の形成および維持に必須である。CENP-A(centromere protein A)は、ヒトではCENPA遺伝子にコードされるタンパク質である。CENP-Aの役割は①染色体上のキネトコアの位置の決定に重要な因子である②細胞分裂時に姉妹染色体を分離する際の重要な役割を担っている③染色体の分配異常で起こる各種疾病の原因につながっている。CENP-Aの機能不全は、染色体の不正確な分配を引き起こし、ゲノム不安定性や多くの疾患、特にがんの発生に関連しているのです。

ヒトゲノムのセントロメア領域のDNA配列には独自の繰り返し配列をとっており、かつ大きな多様性があるので塩基配列決定が困難なのです。セントロメア領域のDNA配列の多様性の意味は今のところ不明です。

ヒトゲノム計画とヒトゲノム完全解読のすべて。2003年4月14日にヒトゲノム計画完了宣言がなされてから約20年後の2022年4月1日にThe Telomere-to-Telomere (T2T) consortium によりヒトゲノム「完全」解読論文が発表された。技術的限界まで精確なヒトゲノム配列を追い求めたヒトゲノム計画の国際チームがなぜ当時ヒトゲノム配列を完全解読することができなかったか、そして近年開発された様々な技術を駆使してどのようにT2T consortiumがヒトゲノム完全解読を達成したかについて述べましょう。Telomere(テロメア)とは、染色体の末端にある繰り返し配列からなる構造で、細胞分裂が進行する際に、染色体が減少するのを防ぎ、情報の損失を防ぐ役割を果たしている。テロメアが元の長さの半分くらいになるとDNA複製が出来なくなる細胞分裂のたびに短くなることで細胞の老化に深く関わっています。テロメアは23番の染色体を含むすべての染色体の末端に存在します。テロメアは、細胞分裂のたびに短くなり、ある時点で細胞分裂が不可能となります。細胞分裂のたびに短くなることで、細胞の複製時の際にエラーが起こったりDNAが損傷するのを防ぐ働きがあるのです。

テロメアの短縮が限界に達すると、DNA鎖の先端がむき出しになってしまいます。これを末端保護問題(end protection problem)といいます。末端保護問題(end protection problem)とは、染色体の末端を保護するテロメアが短縮し、DNA鎖の先端がむき出しになることで、細胞分裂が不可能になる問題です。

何故テロメアは23本の染色体全てに存在しているのか?なぜ人間には老化が必要なのか?テロメアは癌から人を含む生命から癌にならないように老化させることのよって守っているのです。さらに23本目のテロメアは細胞分裂の際にDNAの複製が行われる際に、新生DNA鎖の5’端が短くなる「DNA鎖の末端複製問題」を解決する役割があるのです。つまり細胞分裂に際して染色体DNAを複製するときに新生DNA鎖の5’端が短くなったDNA鎖を作らせないように、さらに異常な遺伝子を持った新しい細胞を作らせないようにしているのです。何故ならば新生DNA鎖は元の古い異常なDNA鎖をコピーしてしまうことになるからです。異常な23本の染色体を作らせないようにしているのです。正常な遺伝子を守っているとも言えます。更に言い換えるとテロメアは老化を起こさせて異常な生命を長生きさせないようにしているとも言えます。更に異常な染色体を子孫に残さないためです。

末端保護問題の発生原因は①細胞分裂のたびにテロメアが短くなる②特定の細胞以外はテロメアを伸ばす特殊なDNA複製酵素であるテロメラーゼの活性がない③日光を浴び過ぎたり、たばこを吸い過ぎたりすると、紫外線や有害物質の作用で細胞が傷つく。

テロメアは、動物、植物など、細胞の中に細胞核をもつ真核生物にだけ存在します。ヒトの体細胞には46本の染色体があり、それぞれの染色体の両末端にテロメアがあるので一個の体細胞には92個のテロメアがあります。ギリシャ語で「末端」を意味する「テロ(telos)」と「部分」を意味する「メア(meros)」が語源で、末端小粒(まったんしょうりゅう)とも呼ばれる。ヒトのみならず動物、植物など、細胞の中に細胞核をもつ真核生物にだけ存在するのは高等な動物、植物は子孫の遺伝子を守るためです。従ってテロメアの働きは①細胞分裂の際にDNAの複製が行われる際に、新生DNA鎖の5’端が短くなる「末端複製問題」を解決する役割がある②細胞分裂のたびに短くなることで、細胞の複製時の際にエラーが起こったりDNAが損傷するのを防ぐ働きがある

テロメアは生殖細胞にもあるのは何故でしょうか?先天性の遺伝子病を防ぐためです。子供は父親と母親それぞれから生殖細胞を介して23本の染色体を受けとります。生殖細胞がもつ1組(ヒトでは23本)の染色体のDNAに含まれるすべての遺伝情報がゲノムです。卵子や精子の染色体は各々23本であり、受精して受精卵になると染色体は父と母の23本ずつ合わせて46本になります

テロメアと老化はテロメアが短いことは、それだけ細胞の老化が進んでいるのでありますが、その進み具合には個人差があります。テロメアが短い状態が続くと、新生DNA鎖の5’端が短くなり過ぎてDNA鎖の5’端を守れなくなり染色体の危機、染色体の異常を引き起こすことになります。さらにテロメアが短縮すぎないように短縮を抑制することで細胞の寿命を長らえることになります。

染色体とは何でしょうか?ヒトの体細胞には、23対、合計46本の染色体が含まれています。染色体は大きい順に番号が付けられており、1~22番まで(計44本)を「常染色体」といいます。23番目の染色体は性染色体と呼ばれ、男性と女性で異なります。女性は2本のX染色体(XX)を持っている。男性は1本のX染色体と1本のY染色体(XY)を持っている。染色体の仕組みは父親と母親それぞれから生殖細胞を介して23本の染色体を受けとります。ゲノムとは何でしょうか?生殖細胞がもつ1組(ヒトでは23本)の染色体のDNAに含まれるすべての遺伝情報がゲノムです。生殖細胞とは卵子と精子のことであり、染色体は各々23本であり、受精して受精卵になると染色体は46本になります

染色体不分離とは染色体対が細胞分裂において正常に分離できず、間違った数の染色体(異数性と呼ばれます)が得られる現象を「染色体不分離」といいます。染色体不分離は女性減数分裂でも男性減数分裂でも発生します。染色体不分離は、染色体が23本に分かれる段階でherpesが染色体に関するなど何らかの理由で染色体が1本または複数一緒に分離してしまう現象です。染色体不分離によって、染色体数が3倍体(69本)になることがあるのです。

染色体不分離と3倍体については染色体不分離によって、余分なX染色体が発生し、トリプルX症候群(トリソミーX3、3倍体X)を引き起こすことがあります。染色体不分離は、染色体が3倍体化している細胞で高確率で発生します。3倍体は、ほとんどが2精子受精によって起こることが多く、また二倍体の卵子や精子が形成された場合にも三倍体となる場合があります。また3倍体では染色体数が3倍(3n)のため、児は長く生きられませんが、生きて生まれてくることができます。

染色体数の変化と健康への影響については染色体の数が変化すると、成長や発達、体の機能などに影響する可能性があります。染色体数の変化は、生殖細胞(卵子と精子)の形成時、胎児の初期発生時に起こる可能性があり、生後も体の細胞でherpesによって起こる可能性があります。

 

ヒトゲノム計画とはなんだったのでしょうか?

まずヒトゲノム計画(Human Genome Project: HGP)が何を果たしたのでしょうか?ヒトゲノム解析の戦略はアメリカが中心になって1984年11月に準備が始まり、1990年に正式に開始された。1991年にDNA二重らせん構造の解明でノーベル賞を受賞したJames D. Watsonが代表となりヒトゲノム計画(Human Genome Project :HGP)は稼働し、2000年ヒトゲノム概要配列の発表、2003年4月にヒトゲノム全染色体配列発表を行った。HGP(ヒトゲノム計画(Human Genome Project)で設定したゴールは、①遺伝子地図の作成、②ゲノム物理地図の作成、③ヒトゲノムのユークロマチンの95%以上を99.99%以上の精度で解読、④シークエンシングコストの削減、5一塩基多様体(Single Nucleotide Variant: SNV)の同定、⑥遺伝子の同定、⑦モデル生物のゲノム解読、⑧遺伝子機能解析の8つであったが、そのすべてを達成し、2004年10月にHGP完了宣言がなされた。遺伝子地図とは染色体上の遺伝子の位置を示した地図です。染色体地図とも呼ばれ、遺伝学的地図とも呼ばれます。ユークロマチン(euchromatin)とは、遺伝子が多く含まれているクロマチンの形状や種類で、遺伝子が活発に発現している領域です。クロマチン(chromatin)とは、真核生物の細胞核にあるDNAとタンパク質(ヒストン)との複合体で、染色質とも呼ばれます。染色質(chromatin)はDNAの配列と構造を保持しながらDNAを核に詰め込む役割があり、遺伝子の発現制御にも関与しています。完成したヒトゲノム配列は2.85 Gbp(28億5千万塩基)に及び、決定した各塩基の精度は99.99%以上、ユークロマチンの99%をカバーしたが、テロメアやセントロメアとその周辺領域であるヘテロクロマチン注1)、およびセグメント重複などの当時の技術では解読できないと判断された341ヶ所の隙間(ギャップ)があった。2.85 Gbp(28億5千万塩基対)のG(ギガ)は億でありGbpはDNAの長さを表す単位で、G(gigaの略字でギガ)は億でありbpはbasic-pairの略字で塩基対を意味しGbpは10億塩基対となります。念のために説明しておくと2.85 Gbp(28億5千万塩基対)は人体の一個の細胞の核にあるヒトゲノム全染色体配列です。人体の細胞の総数は2.85 Gbp(28億5千万塩基対)×40兆個となります。

HGP(ヒトゲノム計画)ヒトゲノム配列公開後の2003年からはヒトゲノム配列の生物学的機能解読を目的としたENCODE(ENCyclopedia of DNA Elements)計画が始まり、転写開始部位の同定、ヒストン修飾部位や遺伝子制御領域であるエンハンサーやサイレンサーなどの機能エレメントなどが同定された。さらに、2010年にはIHEC(International Human Epigenome Consortium)が設立され、DNAのメチル化やヒストン修飾などの遺伝子制御の総称であるエピゲノムの大規模解読がなされた。その後、ヒトゲノムを中核とした研究はゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームを対象とした多層オミックス解析に進んでいる。

一方で国際連携の主眼が機能解析に移った後もヒトゲノム配列は引き続き改訂が続き、2000年の概要配列(UCSC human genome version 1; hg1)から2003年のHGP(ヒトゲノム計画)完成版(NCBI build 33、UCSC hg15)、ENCODE改訂版(build 34~36、hg16~18)を経て、2009年1月にはGenome Reference Consortium(GRC)が次世代型シークエンサー等によるデータも統合して作成した GRCh37、および対応するUSCS版のhg19が公開され、2022年現在も安定版として使われている。2013年12月には1000 Genome Project(1KGP)のデータも統合し、ゲノム多様性に対応したGRCh38/hg38が公開されたが、ゲノム位置情報が不明な断片データの追加などにより、ギャップの数はHGP(ヒトゲノム計画)完了時の341ヶ所から400ヶ所以上(102ヶ所のデータが欠けている真正ギャップと368ヶ所のセグメント重複による未解決領域)へと増加している。

今回発表されたT2T consortium(The Telomere-to-Telomere (T2T) consortium)によってヒトゲノム完全配列はユークロマチンに位置するこれらのギャップと合わせてヘテロクロマチンも解読された。

クローニング困難領域とはHGP(ヒトゲノム計画)では階層的ショットガン法を選択したため、ゲノムDNAをbacterial artificial chromosome(BAC)に一旦クローニングし、BAC (bacterial artificial chromosome)を保持する大腸菌を増殖させた後にpUCベクターにサブクローニングしてからシークエンシングを行った。そのため大腸菌内で組み換えを起こしやすい繰り返し配列、特にCAに富む領域が含まれる場合に欠失を起こしやすく、正しい配列が得られない領域があった。

セグメント重複(Segmental Duplication)とは遺伝子セグメント重複とは、遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象です。ゲノムの進化や変異において重要な役割を果たしています。遺伝子セグメント重複の発生原因は①遺伝的組換えの異常②レトロトランスポゾンの転移③染色体全体の重複④細胞分裂時に偶然DNAのある部分が重複する。

遺伝子セグメント重複による影響とは新しい遺伝子を生み出す仕組みの一つで、生物進化の大きな原動力の一つとされている。

セグメント重複は90%以上の同一性を持つ1 kbp以上の配列と定義されており、霊長類の中では特に大型類人猿で高度に複雑化した構造を取っている。ヒトゲノム中には数Mbp(数百万塩基)に渡り同一の配列が複数存在する領域があり、大規模な転座や逆位による遺伝性疾患の原因となる場合もあるが、健常人でも見られる一般的なセグメント重複多型も存在する。個人ごとにユニットの数や向きが異なるため、複数人のゲノムを材料としたHGP(ヒトゲノム計画)ではセグメント重複に伴うギャップを解決することができなかった。

セントロメア(Centromere)とはセントロメアは染色体の長腕と短腕が交差する部位であり、ヒトのほとんどの染色体ではほぼ中央に位置する。細胞分裂の際にはCentromere Protein A(CENP-A)などが結合し、動原体(kinetochore)を形成する。セントロメアには50~70%程度の多様性を持つ171塩基のalpha satellite 配列(aSat)、42塩基のHuman satellites 1A(HSat1)などの短い繰り返し配列が存在する。aSat配列は同一方向に複数並んだユニットを形成し(たとえばa-b-c)、この一連のユニットがほぼ同一の配列ユニットとしてさらにHOR (Higher-Order Repeat)を形成している(abc-abc-abc…)。セントロメアの繰り返し配列は長大であり、かつ周囲にセグメント重複が存在するためHGP(ヒトゲノム計画)では解読することができなかった。

テロメア(Telomere)とはテロメアは各染色体の末端に存在するhuman telomere sequence(TTAGGG)により形成され、テロメア結合タンパク質によりループ状構造を取り、テロメアが保護された状態にあると考えられている。一般的にヒトの誕生時のテロメア長は10 kbp程度であり、細胞分裂を繰り返すたびに短くなる。テロメア近傍領域は組み換えのホットスポットであり、染色体間での相同性が非常に高いためHGP(ヒトゲノム計画)ではギャップを解決することができなかった。

リボソームDNA(Ribosomal DNA)とはリボソームはペプチド鎖の合成を行っている細胞内小器官であり、タンパク質とRibosomal RNA(rRNA) から成る。rRNAをコードするのがリボソームDNAであり45 kbpのほぼ同一の配列でヒトゲノム中に平均300個程度存在する。ゲノム中では超高度に重複して一部の染色体に局在しており、ヒトではアクロセントリック染色体)である13, 14, 15, 21, 22番染色体の短腕に位置する。

次世代型シークエンサーの登場の意味とはT2T consortium(The Telomere-to-Telomere (T2T) consortium)が未解読領域の配列を解読できたのはHGP(ヒトゲノム計画)で使用したスラブゲル型、およびキャピラリー型シークエンサーと全く原理が異なる次世代型シークエンサー(Next-Generation Sequencer: NGS)が開発されたためである。この機種は80-120塩基のDNAを一度に20万配列以上も決定することが可能であり、当時としては驚愕的な性能を有していた。最初の長鎖型シークエンサーであるPacific Biosciences社のPacBio RSは2010年に限定発売された後に2011年に正式に発売された。PacBio RSのシークエンス長はキャピラリー型シークエンサーを優に超える4 kbp以上(現在では10 ~ 25 kbp)であり、de novoアセンブリによるバクテリアゲノムの新規解読などを加速した。2014年にはもう1つの長鎖型シークエンサーであるOxford Nanopore Technologies(ONT)社のMinIONの早期利用(MinION Access Programme)が開始され2015年に正式に発売された。MinIONは光学系を必要としないため非常に小型であることが特徴であるが、発売当初から10 kbp以上のシークエンス長を有しており、最長では4.2 Mbpの報告もある。

ヒトゲノム完全解読とはT2T consortium(The Telomere-to-Telomere (T2T) consortium)はCHM13hTERTと複数の最新型DNAシークエンサーと新規技術、および新規データ解析技術によりヒトゲノム完全配列を決定した。consortiumの意味は共同企業体です。まず、クローニングが困難な領域については2005年以降に登場した多くのNGSが鋳型DNAのクローニングが不要であったため早期に解決された(表)。一方で、セグメント重複、セントロメア、テロメア、リボソームDNAについては高精度かつ反復配列を上回る長さのシークエンス長を必要としたため長鎖型シークエンサーの登場を待つことになった。

表:ヒトゲノム計画完了宣言からT2Tヒトゲノム完全解読までの歴史

2003年4月ヒトゲノム全染色体配列発表(真正クロマチン領域の95%、全配列の92%)
2004年10月ヒトゲノム計画終了宣言
2005年10月454社がGenome Sequencer System GS20を発売
2006年11月Solexa社がGenome Analyzerを発売
2009年2月ヒト参照配列 hg19/GRCh37の公開
2009年6月15番染色体の9個のGapのうちSDではない6個を解読
2011年5月Pacific Biosciences社がPacBio RSを発売
2012年4月20番染色体の3個のGapを99%解読
2013年12月ヒト参照配列 GRCh38の公開
2014年1月Oxford Nanopore Technologies社がMinION Access Programme 開始
2015年1月PacBioで完全胞状奇胎細胞株(CHM1)全ゲノムを解析
2018年Telomere-to-Telomere(T2T)consortiumの設置(Adam Phillippy, Karen Miga)
2018年11月MinIONでGM12878の全ゲノムを解析
2019年10月PacBioを用いたhigh-fidelity(HiFi)法でHG002/NA24385の全ゲノムを解析
2020年1月ヒトX染色体の“完全”解読論文発表
2020年4月複数の機器・手法を組み合わせたHiCanu法で複数の解読困難領域の解読
2021年5月ヒト8番染色体の“完全”解読論文発表、ヒトゲノム“完全”解読論文のプレプリント公開
2022年4月ヒトゲノム“完全”解読論文発表、Y染色体の“完全”配列データ公開

クロマチンとは何か?

核の中にはDNAとヒストンと呼ばれるタンパク質が結合したクロマチン(chromatin)が存在する。分裂期の細胞を色素で染色した際に濃縮して濃く染色される領域があり、この遺伝子が少なく固く閉じられている領域をヘテロクロマチン(heterochromatin)と呼び、セントロメアやテロメア周辺領域、リボソームDNA領域が含まれる。一方で、広く分散して薄く見える領域があり、この遺伝子発現に富み開かれた領域をユークロマチン(euchromatin)と呼ぶ。

 ヒトの染色体の分類は何か?

ヒトの染色体は1番、3番、16番、19番、20番のメタセントリック(Metacentric)染色体、2番、4番、5番から12番、17番、18番、X、のサブメタセントリック(Subtelocentric)染色体、13番から15番、21番、22番、Yのアクロセントリック(Acrocentric)染色体に分類される。

本稿の受理決定後の4月20日にHPRCよりHuman Pangenome Projectのデザイン論文が公開された ?本計画では少なくとも26の地域集団、350人以上の高品質ゲノムデータ(計700以上のハプロタイプ参照配列)を提供することを目標としている。さらにHGPでも課題であったゲノム解読により生じる倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues: ELSI)の特定やELSIに関する調査研究について重点的に実施する。また、T2T-CHM13では回避した二倍体(diploid)完全ゲノム配列決定技術の開発を行ない、新規に開発するツールにより遺伝子位置情報や機能領域の注釈付けを促進する。今後の国際連携に必須なデータ共有やそれに伴うエラーレポート共有の促進のためのコミュニケーション戦略の開発、クラウドを利用したデータアクセスなどについても目標としている。

 

発ガン性物質の例は?

発がん性物質には、などがあります。

【化学物質】

アスベスト(石綿)

ベンゼン

クロム酸塩

ディーゼル排気

塩化ビニルポリマー

カドミウム

芳香族アミン類

多環芳香族炭化水素類

【食品】

アフラトキシンB1(カビ毒の一種)

ヘテロサイクリックアミン(肉や魚などの焼き焦げに含まれる)

アクリルアミド(じゃがいもなど炭水化物を多く含む食品を、油であげるなど高温で加熱した場合に生成される)

ニトロソ化合物(塩魚や干物など塩分が多い食品が胃の中の硝酸と反応して生成される)

【感染症】HPV(ヒトパピローマウイルス、 ピロリ菌。

【放射線】ガンマ線、エックス線、紫外線、 太陽光。

また、タバコ(能動・受動)、アルコール飲料、大気汚染、粒子状物質(大気汚染)、PCB、加工肉なども発がん性物質に含まれます。

発がん性物質は、空気中や水に含まれる汚染物質、食品の調理加工過程などで生成されることが多く、普段の食生活を通じて摂取されます。

 

癌細胞は正常細胞とは異なる種類の栄養素を必要とします。また、一部のがん細胞はほとんどの正常細胞とは異なる方法で、栄養素からエネルギーを産生します。これにより、がん細胞はより迅速に増殖できます。

多くの場合、がん細胞は上に示した異常な活動に大きく依存しており、がん細胞の生存には、こうした異常な活動が不可欠です。この事実が着目され、がん細胞の異常特性を標的にする治療薬が開発されています。実際、一部のがん治療薬は血管が腫瘍に向かって増殖しないようにすることで、主に腫瘍に必要な栄養素を与えないようにします。

3)がんはどのようにして発生しますか

がんは遺伝子疾患です。すなわち、人体の細胞の機能、特に、細胞がどのようにして増殖・分裂するのかを制御する遺伝子の変異により引き起こされます。

がんの原因となる遺伝子変異は以下の理由で、生じる可能性があります。

・細胞分裂時に生じる異常。

・環境中の有害物質(例:煙草の煙に含まれる化学物質、太陽からの紫外線)が引き起こすDNA損傷。(詳しくは、「Causes and Prevention」を参照してください。)

・両親からの遺伝。

人体は通常DNAが損傷した細胞を、がん化する前に除去します。しかし、その能力は年齢とともに低下していきます。これが、高齢期にがんリスクが増加する理由の1つです。

各患者のがんには、固有の遺伝子変異の組み合わせが存在します。これらのがんが増殖し続けるにつれて、さらに変異が生じることがあります。同一腫瘍内でも、さまざまな細胞にさまざまな遺伝子変異が存在することがあります。

4)がんの原因となる遺伝子の種類

がんの一因となる遺伝子変異は、3種類の主要な遺伝子、すなわち、がん原遺伝子、がん抑制遺伝子、およびDNA修復遺伝子に影響を与える傾向があります。こうした変異は、がんの「ドライバー」と言われることがあります。

がん原遺伝子は正常細胞の増殖、分裂に関わっています。しかし、がん原遺伝子は、何らかの原因により変異するか、または通常時よりも活性化されると、発がん遺伝子(がん遺伝子)になることがあります。がん遺伝子により、細胞は本来死滅すべきときに、増殖して生き延びることができるようになります。

がん抑制遺伝子も細胞の増殖、分裂に関わっています。がん抑制遺伝子に何らかの変異が生じた細胞は、無秩序に分裂することがあります。

DNA修復遺伝子は損傷したDNAの修復に関わっています。DNA修復遺伝子に変異が生じた細胞は、他の遺伝子での付加的遺伝子変異や染色体変化(例:重複、部分欠失)を起こす傾向があります。また、こうした遺伝子変異により、細胞ががん化することがあります。

がんの原因となる遺伝子変異について理解が深まるにつれて、一部の遺伝子変異は多くのがん種で高頻度に発生することが明らかになっています。現在、がんで認められる遺伝子変異を標的とするがん治療薬が多数あります。数種類のこうした治療薬は、標的となる遺伝子変異を有するがん患者なら、どこでがんが増殖し始めたかにかかわらず、誰にでも使用できます。

5)がんが転移するとき

最初に発生した部位から人体内の他の部位に広がったがんを、転移がんと言います。がん細胞が人体内の他の部位に広がる過程を「転移」と言います。

転移がんでは、がん細胞の名称や種類は元のがん、すなわち原発がんと同一です。具体的には、肺に転移して転移性腫瘍を作る乳がんは転移性乳がんで肺がんではありません。

転移がん細胞は顕微鏡下では通常、原発がん細胞と同様にみえます。また、転移がん細胞と原発がん細胞は通常、特定の染色体変異が存在するなど、一部の分子生物学的特性が共通しています。

一部の症例では、治療により転移がん患者の寿命が延長することがあります。他の症例では、転移がん治療の主な目的は、転移がん増殖抑制や転移がん由来の症状の緩和です。転移性腫瘍は人体の機能に重度の損傷を引き起こすことがあります。また、がんで亡くなる人の多くは転移性疾患が原因です。

6)非がん性組織変化

人体の組織における変化全てが、がんというわけではありません。しかし、一部の組織変化は治療しないと、がんになることがあります。非がん性の組織変化のうち、一部の症例でがん化する可能性があるため観察が必要な例を以下に示します。

・過形成は、組織内の細胞が通常時よりも速く増殖し、細胞が過剰に増えるときに生じます。しかし、過形成細胞や過形成組織の形態は顕微鏡下ではいまだに正常にみえます。過形成は、慢性刺激などのいくつかの要因や疾患によって引き起こされることがあります。

・異形成は過形成よりも進行した疾患です。異形成でも細胞の過剰増殖が認められます。しかし、異形成細胞には異常が認められ、また、異形成組織の形態に変化が認められます。一般に、異形成細胞や異形成組織に異常が認められるほど、がんになる可能性が高くなります。一部の異形成は監視や治療が必要になることがありますが、その必要がないものもあります。異形成の一例は、皮膚に生じるほくろの異常(異形成母斑)です。大部分の異形成母斑は黒色腫(メラノーマ)になりませんが、一部は黒色腫になることがあります。

・非浸潤性がんはさらに進行した疾患です。非浸潤性がんは病期0期がんと言われることがありますが、がんではありません。その理由は異常細胞は他のがん細胞のように、周辺組織に浸潤しないからです。しかし、一部の非浸潤性がんはがんになることがあるため、通常は治療を行います。

7)がんの種類

100種類超のがんが存在します。がんの種類は通常、がんが生じる器官や組織により表されます。具体的には、肺がんは肺に発生し、脳腫瘍は脳に発生します。がんは、上皮細胞や扁平上皮細胞などのがんになる細胞の種類により表されることもあります。

NCIのサイトで、がんにおける「Cancers by Body Location/System(人体の発症部位)」や「A to Z List of Cancers(AからZまでのがんの一覧表)」を使用して、特定のがん種に関する情報を検索することができます。また、小児がん、ならびに青年および若年成人のがんに関する情報を検索することもできます。

特定の種類の細胞に発生する一部のがんの種類を以下に示します。

がん腫

がん腫は最も高頻度で生じるがんです。上皮細胞(人体の内外表面を覆う細胞)によって形成されます。多くの種類の上皮細胞が存在しますが、顕微鏡で観ると円柱状を呈していることが多いです。

さまざまな種類の上皮細胞に発生するがん腫には、特定の名称がつきます。

腺がんは、液体や粘液などを産生する上皮細胞に生じるがんです。この種の上皮細胞が存在する組織は、腺組織と言われることがあります。乳がん、大腸がん、および前立腺がんの大部分は腺がんです。

基底細胞がんは、表皮(人体の皮膚の外層)の下層(基底層)に生じるがんです。

扁平上皮がんは、扁平上皮細胞(皮膚の外表面のすぐ下に存在する上皮細胞)に生じるがんです。扁平上皮細胞は、胃、腸、肺、膀胱、および腎臓などの他の多くの器官の内側も覆います。扁平上皮細胞は、顕微鏡で観ると、魚の鱗のように扁平にみえます。扁平上皮がんは、類表皮がんと呼ばれることがあります。

移行上皮がんは、移行上皮(尿路上皮)と呼ばれる上皮組織の一種に生じるがんです。移行上皮は拡張・収縮することができる上皮細胞の層からなりますが、膀胱、尿管、および腎臓の一部(腎盂)、ならびに、他の少数の器官の内側に存在します。一部の膀胱がん、尿管がん、および腎がんは、移行上皮がんです。

肉腫

肉腫は、骨、ならびに、筋肉、脂肪、血管、リンパ管および線維組織(腱、靭帯など)などの軟部組織に生じるがんです。

骨肉腫は、最も高頻度で生じる骨のがんです。最も高頻度で生じる軟部肉腫(soft tissue sarcoma)は、平滑筋肉腫、カポジ肉腫、悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫、および隆起性皮膚線維肉腫です。

白血病

骨髄内の造血組織に生じるがんを白血病と言います。白血病(leukemia)は固形腫瘍になりません。しかし、多数の異常な白血球(白血病細胞や白血病性芽球)が血液や骨髄に増殖し、正常血球を押しのけます。正常血球の数が少ないと、人体は酸素を組織に取り込むこと、出血を止めること、または感染症に対抗することが困難になることがあります。

白血病は主に4種類に分類されますが、白血病の増悪速度(急性か慢性)、および白血病が生じた血球の種類(リンパ芽球性か骨髄性)に基づいて分類されます。急性白血病細胞は迅速に増殖し、慢性白血病細胞は徐々に増殖します。

リンパ腫

リンパ腫(lymphoma)は、リンパ球(T細胞やB細胞)に生じるがんです。リンパ球は、病気に対抗する白血球(免疫系の一部)です。リンパ腫では、異常なリンパ球がリンパ節やリンパ管でだけではなく、人体の他の器官でも増殖します。

リンパ腫は主に2種類に分類されます。

ホジキンリンパ腫―ホジキンリンパ腫患者には、リード・シュテルンベルグ細胞と呼ばれる異常リンパ球が認められます。リード・シュテルンベルグ細胞は通常B細胞に由来します。

非ホジキンリンパ腫―非ホジキンリンパ腫は、リンパ球に生じるがんの大きなグループです。非ホジキンリンパ腫には、急性のものもあれば、慢性のものもあります。また、B細胞由来のものもあれば、T細胞由来のものもあります。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は、別種の免疫細胞である形質細胞に生じるがんです。異常形質細胞である骨髄腫細胞が骨髄で増殖し、全身の骨の中に腫瘍を形成します。多発性骨髄腫は、形質細胞骨髄腫やカーラー病とも言われます。

詳しくは、ページ「multiple myeloma and other plasma cell neoplasms(多発性骨髄腫と他の形質細胞性腫瘍)」を参照してください。

黒色腫(メラノーマ)

黒色腫は、メラニン細胞[メラニン(皮膚に色調を与える色素)の産生に特化した細胞]になる細胞に生じるがんです。大部分の黒色腫は皮膚に生じますが、一部は眼など、他の色素組織で生じることもあります。

詳しくは、ページ「skin cancer(皮膚がん)」とページ「intraocular melanoma(眼内黒色腫)」を参照してください。

脳腫瘍・脊髄腫瘍

脳腫瘍と脊髄腫瘍にはさまざまな種類が存在します。脳腫瘍と脊髄腫瘍は、腫瘍が生じた細胞の種類や、腫瘍が最初に中枢神経に生じた部位に基づいて表されます。具体的には、星状膠細胞系腫瘍は、星状細胞と呼ばれる星状の脳細胞(神経細胞の正常を維持)に生じます。脳腫瘍には良性(非がん性)のものもあれば、悪性(がん性)のものもあります。

他の種類の腫瘍

胚細胞腫瘍

胚細胞腫瘍は、精子や卵子になる細胞に生じる腫瘍の一種です。胚細胞腫瘍は、体内のほとんどどの部位にでも生じることがあります。また、良性のものもあれば、悪性のものもあります。

詳しくは、ページ「cancers by body location/system(人体の部位や器官系)」の表「germ cell tumors(胚細胞腫瘍)」を参照してください。

神経内分泌腫瘍

神経内分泌腫瘍は、神経系からのシグナルに応じて血液中にホルモンを放出する細胞から生じます。神経内分泌腫瘍は過剰量のホルモンを産生することがありますが、多くのさまざまな症状を引き起こすことがあります。神経内分泌腫瘍には良性のものもあれば、悪性のものもあります。

詳しくは、ページ「neuroendocrine tumors(神経内分泌腫瘍)」を参照してください。

カルチノイド腫瘍

カルチノイド腫瘍は、神経内分泌腫瘍の一種です。カルチノイド腫瘍は進行が遅い腫瘍で、通常消化器系に(大抵は直腸や小腸に)存在します。カルチノイド腫瘍は肝臓や体内の他の部位に転移することがあります。また、セロトニンやプロスタグランジンなどの血管作用性物質を分泌し、カルチノイド症候群を引き起こすことがあります。カルチノイド症候群とはカルチノイド腫瘍が原因で起こる内分泌症候群です。皮膚紅潮や下痢、腹痛などの症状が現れます。カルチノイド腫瘍とは別名、神経内分泌腫瘍とも呼ばれホルモン様の物質(セロトニンなど)を過剰に産生して、カルチノイド症候群を引き起こすことのある、良性(がんではない)または悪性(がん)の腫瘍です。カルチノイド症候群は、これらのホルモンの作用により生じる一群の症状で、皮膚紅潮、下痢、腹痛、息切れ、動悸、喘息様発作、心疾患などがあります。

1)原発不明がんとは

がんは、初めに発生した臓器から、リンパ管や血管などを通じてリンパ節や離れた臓器に転移します。がんが転移したリンパ節や臓器が見つかったにもかかわらず、十分な検査を行ってもがんが初めに発生した臓器が分からないがんを原発不明がんといいます。がんが見つかりやすい(転移しやすい)場所は、リンパ節、胸膜、腹膜、肺、肝臓、骨などです。

2)症状

原発不明がんは、転移した場所に関連した症状が現れます。気になる症状が続く場合には、かかりつけの医師などに相談してみましょう。なお、転移があっても症状がないこともあります。

(1)リンパ節転移による症状

がんがリンパ節に転移すると、リンパ節が腫れてしこりをつくります。ほとんどの場合、痛みはありません。首の周り、わきの下、太ももの付け根など、体の表面近くにあるリンパ節に転移した場合は、皮膚の上から触ってしこりが分かることがあります。

(2)胸膜・腹膜転移による症状

がんが、胸膜(肺の表面や胸壁の内側をおおう膜)に転移すると胸水がたまり、息苦しさを感じることがあります。また、腹膜(胃や腸のあるおなかの空間をつくる壁を包んでいる膜)に転移すると腹水がたまり、腹部膨満感(おなかが張った感じ)が出てくることがあります。

胸水とは、胸腔と呼ばれる空間に溜まった水です。 その水で肺は圧迫され、しぼんでしまうため、息切れや呼吸困難感が生じます。

腹水とは、タンパク質を含む体液が腹部に貯留したものです。最も一般的な原因は、肝臓につながる静脈(門脈)の血圧が上昇すること(門脈圧亢進症)で、通常は肝硬変や肝がんによって起こります。 大量の体液が貯留すると、腹部は非常に大きく膨らみ、ときに食欲不振や息切れ、不快感を生じることがあります。

(3)肺転移・肝転移による症状

肺や肝臓への転移は症状がないことも多いですが、転移したがんの大きさや数、場所によっては症状が現れます。肺転移では咳せきや胸痛などが出ることがあります。肝転移ではおなかの上部の不快感や膨満感が出たり、腫瘤しゅりゅうに触れたりすることがあります。

腫瘤とは「できもの」や「瘤(こぶ)」「はれもの」などの総称のこと。 しこりと呼ばれることもある。 炎症性か腫瘍性かはっきりしない場合などに用いる。 原因には関係なく、体表や体内で確認された塊(かたまり)やできものなどはすべて腫瘤と呼ぶ。

(4)骨転移による症状

がんが骨に転移し、骨を包む骨膜や神経が障害されると痛みが生じます。また、転移したがんによって骨が弱くなり、骨折することもあります。脊椎骨せきついこつ(背骨)への転移ではがんが骨の外に広がって脊髄や神経を圧迫することで、しびれや痛み、麻痺まひなどが起こることがあります。

癌の再発と転移と播種と何ですか?

「再発」とは、治療がうまくいったように見えても、手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったり、別の場所に同じがんが出現することをいい ます。治療した場所の近くで再発を指摘されるだけでなく、別の場所で「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。 血液やリンパのがん、前立腺がんなどの場合には、「再燃」という言葉が使われます。 初回の治療でがんが完全に取り除かれていれば、もちろん再発することはありません。けれども実際には、がんが発見されたときすでに、その多くに目に見える転移、あるいは目に見えない転移(微少転移)があるといわれています。そのため初回の治療では、再発や転移を防ぐ目的で抗がん剤が使われることが多くあります。再発というのは、決してまれなことではないのです。

「転移」とは、がん細胞が最初に発生した場所から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官へ移動し、そこでふえることをいいます。多いのは、リンパ液の流れが集まるリンパ節への転移(リンパ行性(こうせい)転移)、肺や肝臓、脳、骨など血液の流れが豊富な場所への転移(血行性転移)です。

「播種(はしゅ)」とは、がんのできた臓器からがん細胞がはがれ落ち、近接する体内の空間(胸腔(きょうくう)や腹腔(ふくくう))に散らばるように広がることをいいます。 転移は、肺、肝臓、脳、骨などさまざまな部位に起こり得ます。腹膜転移は腹膜播種などとも呼びます。

原発から転移したがん病変を、転移した部位によって、肺転移、肝転移、脳転移、骨転移、腹膜転移(腹膜播種)などと呼びます。これらは、病気がその部分に広がっていることを示しています。 最初にできたがんの部位は「原発巣(げんぱつそう)」と呼ばれます。例えば、大腸に初めにがんができ、肺に転移した状態は肺がんとは呼ばれず、「大腸がんの肺転移(原発は大腸がんで、肺転移を起こした状態)」です。この場合、肺にできたがんは、大腸がん の細胞と同じ性質を持っています。つまり、「転移」した部分のがんは、もともとのがんと同じ性質を持つことになります。そのため、例えば大腸が「原発」のがんであれば、肺に転移した腫瘍(しゅよう)も、大腸がんに効果がある抗がん剤でないと反応しません。初めてがんと診断された場合でも、病気が進んだ状態で発見されると、診断がついた時点でこれらの状態のいくつかを併せ持っていることもあります。「原発」がどこか、その腫瘍が「転移」か「原発」か、再発した部位はどこかなどが、がん治療の方針を決める重要な情報になります。 がんが再発した場合、その成り立ちと部位によって「局所再発」「領域再発」「遠隔(全身)再発」の3つに分かれます。またこれによって治療法も異なります。

 局所再発:最初のがんと同じ場所か、あるいはごく近くに現れます。 領域再発:腫瘍が最初のがん発生場所の近くのリンパ節または組織で成長したときに現れます。 遠隔(全身)再発:最初のがんの発生場所から離れている器官または組織に転移しています。医師によっては、がんの再発や転移について、がんが「広がっています」「飛んでいます」と表現する場合があります。

がん転移とは何ですか?

大腸がんの再発と転移を例にとって説明します。大腸癌が大腸から離れた場所に転移していることが確認されれば、病期は最も進行したステージⅣと判定されます。大腸に存在するがんを「原発巣」、転移しているがんを「転移巣」といいます。

 がん転移のメカニズム。転移巣の転移がんがそこから別の臓器に再転移がんになることもあります。原発巣の癌が同時に2か所以上の臓器に転移することはありうることです。

がん細胞は、下の図に示したように、原発巣である大腸に癌の発生後に大腸で増殖を続け、血液やリンパ液に乗って、リンパ節や他臓器に運ばれます。運ばれた先の臓器等で定着し、腫瘍を形成するのががんの転移です。

転移する先は、肺や肝臓・脳・骨などさまざまで、原発巣のがんにより転移・再発しやすい臓器があります。また先述のように、転移したがんは、原発巣のがんと同じ性質をもっています。左上の図でわかるように原発巣からの原発癌が転移巣の転移がんとなりその転移がんがさらに別の臓器に再転移がんとして転移することもありうるのです。

ただし、がんが進行した状態で発見された場合、転移先の臓器等の腫瘍が先に見つかることがあり、この場合は詳しい検査をして原発巣を見つける必要があります。

 

がんの転移と再発の違い。

がんの転移については先述のとおりで、再発とは異なります。

がんの再発は、薬物療法等で小さくなったがんが再び大きくなったり、手術で取り切れなかった目に見えないがんが再び現れたりすることをいいます。再発の場合、原発巣付近で発見されたり、転移先の場所で発見されたりすることがあります。

がんの再発は、原発巣と同じ場所やごく近い場所の場合は「局所再発」、原発巣近くのリンパ節等に再発した場合は「領域再発」、原発巣から離れた臓器等に再発した場合は「遠隔(全身)再発」といいます。

リンパや血液がん、前立腺がんの場合は「再燃」と表現されることもあります。

主ながんが転移・再発しやすい場所。

肺がん(小細胞がん)の場合、反対側の肺、脳、肝臓、骨、リンパ節などへ転移しやすいと考えられています。

肝臓がん(肝細胞がん)の場合、肺、リンパ節、副腎、脳、骨などへ転移しやすいと考えられています。また、肝臓がんは肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変が原因であることが多く、肝臓内で再発しやすいがんです。

大腸がんの場合、肝臓や肺、リンパ節へ転移しやすいと考えられています。

乳がんの場合、リンパ節、骨、皮膚、肺、肝臓、脳に転移しやすいと考えられています。

ただし、がん細胞の種類や性格によって臓器との親和性が異なることが明らかになっており、転移しやすい場所は一概にはいえません。現在もさまざまな研究がおこなわれている分野です。

がん転移の種類。

がんの転移にも種類があり、大きく4種類に分類されます。1)「浸潤」2)「血行性転移」3)「リンパ行性転移」4)「播種性転移」の4つです。

1)「浸潤」とは、転移とは区別されるケースもありますが、転移の最初のステップで起こることです。原発巣のがん細胞が、直接周辺組織や臓器に広がっていく状態を指します。この状態を経て、血行性転移やリンパ行性転移が起こります。

どのようにして癌細胞はある程度増えて塊になるとその塊から癌細胞がぽろっぽろっと剥がれて「浸潤」という転移の最初のステップで起こるのでしょうか?

癌が浸潤するメカニズムは?

がんの浸潤とは、がん細胞が原発巣から周囲の組織や臓器に広がっていく現象です。がん細胞がコラーゲンなどの細胞外基質成分を分解する酵素を分泌して正常な組織を壊し、そのスペースに足場をつくりながら移動します。

【がんの浸潤のメカニズム】

がん細胞が上皮間葉転換(EMT)を起こし、上皮としての特徴を喪失する

間葉系の形質を獲得し、敷石状から紡錘形の形態に変化する

細胞間接着が低下し、運動能と浸潤能が亢進する

Rac依存的な間葉系遊走もしくはRhoA/ROCK依存的なアメーバ様遊走をしながら浸潤する

血管やリンパ管を経て、他臓器へと転移する

がんの浸潤は、がんが大きくなって起こることが多く、浸潤によってがん細胞が血管内やリンパ管内に入り込みます。がんが浸潤すると、周囲の組織や臓器に影響を与え、健康を脅かすようになります。

がんの浸潤を阻止するためには、がん細胞を取り巻く「微小環境」を解明し、がん細胞の浸潤がん細胞が上皮間葉転換(EMT)を起こし、上皮としての特徴を喪失する

性を抑える研究が行われています。

がん細胞が上皮間葉転換(EMT)を起こし、上皮としての特徴を喪失するのはどのようにして起こるのでしょうか?上皮間葉転換(EMT)とは上皮間葉転換(EMT)とは、上皮細胞が間葉系細胞の形質を獲得する現象です。発生や創傷治癒、がん転移などに関わっています。癌の転移でEMTとは何ですか?

がん転移のステップの一部としてよく知られているのが、上皮間葉転換(EMT: Epithelial Mesenchymal Transition)です。 EMTは、上皮系の細胞が、間葉系形質を獲得する現象であり、間葉系形質を獲得したがん細胞は移動・浸潤能が亢進し、がん転移を起こしやすいと考えられています。間葉系形質とは、間葉系細胞の性質を指し、細胞の運動性や浸潤性、薬剤抵抗性などが特徴です。間葉系細胞とは、骨や軟骨、脂肪、血管、心筋細胞など、身体の骨格を構成する細胞の元になる細胞です。間葉系幹細胞(MSC)とも呼ばれ、体性幹細胞の代表的な細胞です。体性幹細胞とは、体内の組織や臓器を維持する細胞で、再生医療の細胞ソースとして利用されています。

【特徴】

身体のさまざまな組織や臓器に存在する

決められた組織や臓器で、消えゆく細胞のかわりを造り続ける

自己複製能力と分化能を有している

損傷した組織の修復や疾患の治療に用いることができる

【種類】

造血幹細胞(血液をつくる)

神経幹細胞(神経系をつくる)

間葉系幹細胞(筋肉や軟骨、神経などに分化する)

【利用法】

血液腫瘍性疾患に対する造血幹細胞移植

脳や心臓など治療が困難だった組織に対する治療

移植後の拒絶防止

がんの遺伝子治療薬を標的へ向かわせるための役割

【注意点】

さまざまな細胞に分化することはできない

分裂回数には限りがある

時間とともに分化して増殖性・多能性を失う

体性幹細胞は、成体の特定の組織や器官に存在し、その組織や器官の細胞を再生する役割を担っています。

【間葉系幹細胞の特徴】

自己複製能と分化能を持つ多能性細胞

腫瘍形成の危険性が低い

抗炎症効果、増殖因子の分泌、血管新生促進作用といった組織修復効果がある

創傷治癒・免疫調整・神経再生などの様々な機能を持つ

【間葉系幹細胞の用途】

脊髄損傷や造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病の治療用として、承認されている再生医療等製品がある

変形性関節症、皮膚の加齢性変化(しみ・しわ)などに対しては局所へ注射され

脳梗塞後遺症、肝障害、アトピー性皮膚炎などに対しては点滴により全身投与される

【間葉系幹細胞の採取源】

骨髄、脂肪、歯髄、へその緒、胎盤、臍帯、 臍帯血。

上皮細胞が間葉系細胞の性質を獲得する現象を「上皮間葉転換(EMT)」といいます。がん細胞がEMTを起こすと、悪性度が高まり、周辺臓器への転移や浸潤を容易にします。

【上皮間葉転換(EMT)の特徴】

上皮細胞が上皮としての形質を失う

細胞極性が消失する

細胞間接着が減少する

細胞遊走能が亢進する

アクチン系細胞骨格が改築される

【上皮間葉転換(EMT)とがん】

上皮間葉転換したがん細胞は「間葉系がん細胞」、上皮間葉転換していないがん細胞は「上皮性がん細胞」と呼ばれます

上皮間葉転換したがん細胞は、高い運動能力(遊走能)を獲得するため、周辺臓器に浸潤・転移しやすい悪性度の高いがん細胞となります

【上皮間葉転換(EMT)の誘導】

炎症がおきると、骨髄からマクロファージ、線維芽細胞などの炎症細胞が遊走し、種種のサイトカインや増殖因子を分泌します。その刺激により炎症部位の上皮細胞にEMTが誘導され、創傷治癒が生じます。

【上皮間葉転換(EMT)の発生・役割】

胎児の発生や器官形成、組織修復時に発生する生理学的現象

炎症に応答して創傷治癒や組織再生に働く正常な特徴

がん細胞が形質を変化させて悪性度を高めるプロセス

【上皮間葉転換(EMT)のメカニズム】

細胞間接着が弱まり、運動性や浸潤性が向上する

核内に局在するタンパク質の発現量も変化する

上皮特異的なタンパク質(E-カドヘリン、オクルディン、デスモプラキンなど)をコードする遺伝子の転写が抑制される

【上皮間葉転換(EMT)の意義】

がん転移の主要な要因として疾患研究でもその重要性が高まっている

慢性的な炎症状態では、線維化を来たすと考えられています

線維化が起きてしまうと、元通りに組織構造が再構築されることは難しく、治療も困難となります

細胞の表面には細胞同士をつなぎとめる働きを持つ細胞接着因子のカドヘリンというたんぱく質があります。このカドヘリンというタンパク質接着面にある限り細胞同士くっついているのです。炎症も起こすヘルペス感染によって細胞の遺伝子が変異を起こして異常な癌細胞が出来てくると脂質二重層などに存在している化学物質のリゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid、LPA)という脂質の作用でカドヘリンが細胞の中に取り込まれてしまい接着因子としてカドヘリンが働かくなって癌細胞の塊になっている癌細胞がばらばらになっていくのです。がんはヘルペスが大量に増えて起こるのでヘルペスとの炎症や免疫に関与する生理活性脂質(血小板活性化因子、エイコサノイド、リゾリン脂質)の前駆体となるのがシグナリング脂質であるリゾPL(LPL)なのです。

リゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid、LPA)という脂質とは、シグナリング分子の働きをするリン脂質誘導体であり、ホスファチジン酸合成の中間生成物でもある。リゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid、LPA)は細胞増殖を刺激するため、異常なLPAシグナリングは多くの経路で癌へリンクすることがわかっています。オートタキシンまたはリゾホスファチジン酸(LPA)受容体の異常調節は腫瘍形成と腫瘍の転移や浸潤に寄与する過剰増殖を誘導してしまうのです。

オートタキシン(ATX)とは、ヘルペス性肝炎やB型肝炎やC型肝炎から肝硬変に移行しているかどうかを肝臓の線維化の度合いで調べる検査で用いられる糖タンパク質がオートタキシン(ATX)です。血液検査でオートタキシン(ATX)を測定することで、肝臓の線維化の進展を診断する補助に役立ちます。オートタキシンはリン脂質代謝酵素で、リゾホスファチジルコリン(LPC)を分解してリゾホスファチジン酸(LPA)を産生します。

ヘルペス性の肝線維化に伴う肝類洞内皮細胞の代謝不良によりオートタキシンの血清中の濃度が上昇する。オートタキシンの血液検査を測定することによって、肝線維化の初期段階から肝硬変さらに癌への病態を把握でき、画像診断で判別しにくい初期の線維化を判別できる血中マーカーとして有望視されている。オートタキシン検査の注意点は性差があるため測定値の評価は男女別に行う必要がある。妊娠(胎盤からの産生)、およびヘルペスウイルスによる悪性リンパ腫(腫瘍細胞からの産生)において濃度が上昇します。また、ステロイドの投与により濃度が低下する

ホスファチジン酸(phosphatidic acid、略称:PA)とは、細胞膜の構成成分や細胞シグナル伝達に重要なリン脂質です。ホスファチジン酸は細胞内の脂質の生合成において重要な前駆体となり、膜構造において重要で、シグナリング脂質としてサイトゾルタンパク質を細胞膜に補充する役割を担うのです。脂質二重層中のリン脂質のうち、約0.25%を占めています。加水分解によって、グリセロールとリン酸が1分子ずつ、そして脂肪酸が2分子生じる。ホスファチジン酸の合成はグリセロール3-リン酸に2分子の脂肪酸がアシルトランスフェラーゼの作用によって転移することにより合成されます。シグナリング脂質とは、細胞膜の構成成分であるリン脂質が代謝されてシグナルのセカンドメッセンジャーとして機能する脂質です。シグナリング脂質の働き生命現象の誘発に伴って代謝され、シグナルのセカンドメッセンジャーとして機能する。がんはヘルペスが大量に増えて起こるのでヘルペスとの炎症や免疫に関与する生理活性脂質(血小板活性化因子、エイコサノイド、リゾリン脂質)の前駆体となるのがシグナリング脂質であるリゾPL(LPL)なのです。細胞間と細胞内のシグナル伝達分子として機能するのです。シグナリング脂質の例としては①リゾPL(LPL)②高度不飽和脂肪酸(PUFA)③ホスファチジルイノシトール④ホスファチジン酸⑤ホスファチジルセリン(PS)⑥ホスホリパーゼA(PLA)⑦ホスホリパーゼC(PLC)⑧ホスホリパーゼD(PLD)があります。

リン脂質の分類には①グリセリンを含むものをグリセロリン脂質という②スフィンゴシンを含むものをスフィンゴ脂質という③脂肪酸を1本しか持たないリン脂質をリゾリン脂質の3つがあります。リゾリン脂質はリゾホスファチジン酸の一種でリン脂質の一種で、脂肪酸を1本しか持たない構造をしています。



カドヘリンは、細胞膜を貫通するタンパク質で、細胞同士を接着させる「接着結合」を形成する分子です。

【カドヘリンによる接着結合の仕組み】

細胞外領域にあるカドヘリンが同じ分子どうしが結合する(ホモフィリック結合)

細胞質領域に結合するカテニン群がアクチン束と結びつく

アクチンの重合制御やアクトミオシンの収縮により、細胞間結合の強さや形状が変化する

カドヘリンは、上皮細胞の接着帯や神経細胞のシナプスなどの細胞間接着部位に存在します。また、細胞選別に関与している可能性もあります。

【カドヘリンの機能】

細胞の形態や移動を制御する

組織構造の維持、変形、再編に寄与する

細胞間相互作用を制御する

細胞内へシグナルを伝える受容体として働く

カドヘリンは、動物の種を超えて働く最も基本的な接着受容体です。カドヘリン結合分子の欠失や機能不全が起きると、形態形成異常や組織の崩壊をもたらす可能性があります。

カドヘリンは細胞外から細胞質側に細胞膜を貫通して存在し、この細胞外に出ている部分が隣り合う細胞のカドヘリンに結合し、細胞同士を接着する。 この時カドヘリンは、細胞質側でカテニンを始めとするタンパク質群と複合体を形成し、更に細胞骨格タンパク質を動員した複雑な装置を形成することにより、細胞の形態や移動をも制御している。

 

2)血行性転移とは、がん細胞が原発巣から血管に入り、血流に乗ってほかの臓器等に転移することをいいます。がん細胞は、一般的には静脈を通って移動するため、例えば大腸がんが原発巣の場合には肝臓に、腎臓がんが原発巣の場合は肺などに転移しやすいと考えられています。

3)リンパ行性転移とは、がん細胞が原発巣からリンパ管に入り、リンパ液の流れに乗ってリンパ節に転移することをいいます。リンパ行性転移の場合、まず原発巣近くのリンパ節に転移し、そこから遠くのリンパ節に広がっていくという、一定の規則性があることが特徴です。

3)「播種(はしゅ)」とは、原発巣からがん細胞が剥がれ、胸腔や腹腔と呼ばれる身体の隙間に散らばるように広がることを指します。このような状態を「播種性転移」と呼びます。胃がんや膵臓がん、大腸がんなどで起こりやすい「腹膜播種」が典型例です。

がん転移の状態や症状。

がんが転移する場所は、周辺のリンパ節や臓器、離れたリンパ節や臓器、脳、骨などさまざまです。なかには、転移した先の症状が先に現れて、あとから原発巣のがんが見つかることもあります。症状の例ですが、リンパ節転移がある場合はリンパ節の腫れやしこり、脳転移がある場合は頭痛や麻痺・しびれ、骨転移がある場合は骨の痛みなどが考えられます。

一方で、内臓への転移の場合は自覚症状が現れないことがあり、0~4までの5つのステージの中で最も癌が進行したステージ4の状態になってから発見されるなどのケースもあります。

がん転移・再発後の予後。

先述のように、がんは転移・再発しやすいものとそうでないものがあります。特に、進行が早いといわれているスキルス胃がん、リンパ節に転移しやすい膵臓がん、転移だけでなく再発もしやすい肝内胆管がんは、手術や治療が困難になる場合があります。スキルス胃がんとは、胃の壁が硬く厚くなるタイプの胃がんの一種です。胃がんの4型に分類され、胃壁にがんが散らばっていく「未分化型」であることが多いです。スキルス胃がんの特徴は胃の粘膜表面の変化が少なく、胃壁全体が硬くなって伸展しにくくなる。胃の広がりが悪く、胃の表面のひだが太くなる。他のタイプの胃がんと比較して、若い方や女性に多く、腹膜への転移(腹膜播種)を起こしやすい。発見されたときには転移しているケースも多く、治療が難しい。膵臓がんは、膵臓の周りのリンパ節に転移しやすいがんです。特に膵頭部領域の腫瘍は、膵頭部の近くにあるリンパ節に転移しやすいという特徴があります。膵臓がんとは膵臓がんは小さいうちからリンパ節に転移しやすく、症状も出づらいので、早期発見が難しいがんです。膵臓がんのリンパ節への転移は、腫瘍の場所により異なります。膵臓がんのリンパ節転移は、がん細胞が発生した部位からリンパの流れにのってリンパ節にたどりつき、そこで増殖することをいいます。膵臓がんの転移しやすい部位は膵臓の周りのリンパ節、肝臓、腹膜、 肺です。膵臓がんの治療は膵臓がんの外科治療では、がんの広がりを正確に診断し、手術でがんをきれいに取り除きます。切除が不可能な場合は、化学療法、または、放射線化学療法(Gemcitabine等)を施行します。膵臓がんは、早期発見が難しく、見つかった時には周囲の血管や臓器に浸潤したり、リンパ節や遠隔臓器に転移していることが多いため、治療が困難な腫瘍の一つです。Gemcitabine(ゲムシタビン)とは、点滴で行う治療薬です。がん細胞の増殖に必要な物質とよく似た構造をしているため、がん細胞の中に取り込まれて効果を発揮します。 がん細胞のDNAに入り込み、細胞分裂に必要なDNAの合成を阻害してがん細胞を死滅させ、がんの分裂や増殖を抑えると考えられています。

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