症例報告1例目
完治された病名1)認知症
患者:89歳、女性
この患者さんは長年、高血圧と心臓の薬を近所の内科医でもらっていました。また年齢的にも多少の物忘れがありましたが日常生活は問題なく過ごされていました。
1998年10月、突然の発熱と手、足、顔などが腫れ上がりました。当時の痛みは耐えがたく、簡単に忘れることができないほどの恐怖だったそうです。
近くの病院で薬をもらうも、何度も同じ症状の繰り返しで一向に良くなりませんでした。
娘さんがアトピーで松本漢方クリニックに通っていたため、当院でリウマチの漢方を処方し服用し続けました。何かあれば私個人の携帯電話へかけるようにし、また3人の娘さんが交代で泊まり込みで看病してもらっていました。現代医学で治らないアトピーやリュウマチの全ての患者さんに対して、私は100%病気を治してあげると断言しています。しかしその言葉の裏には、責任を負う覚悟がいつもあります。従って重症患者さんの電話番号をいつもポケットにしのばせ、病状の変化をチェックする為に毎日こちらから電話をかけざるを得ない義務感を常に実行しております。
その甲斐あって、漢方を服用してから約40日で痛みが無くなり、熱と腫れが引いていきました。この患者さんも痛みを止めるために前医でステロイドを使わなかった為に、大したリバウンドも無く一月余りで症状が取れていったのです。この患者さんは鍼灸はされずに漢方煎剤だけでリウマチを治してあげました。しかし1999年1月初めに風邪により高熱が出て、認知症の症状が突然発症して、一番ひどい時はやたらに眠く、意識は赤ちゃんと同じような感じで、食事の食べ方まで分からなくなっていたそうです。ご家族はその様子を見てどん底に突き落とされた気持ちになりました。(風邪が高齢者の痴呆を悪化させることはしばしばあります。)
その後少しずつ認知症の症状はマシになりましたが、目が離せない状態が続きました。30年近く住んでいる自宅近辺も全てが初めての所と思われ、幼少時代のことは少しは覚えていたそうですが、後は白紙状態でまさしく「無」のような精神状態だったとのことでした。その時の患者さんは自分がどうなっていくのか不安でたまりませんでした。
1999年1月22日に近所の病院で脳のレントゲンを撮ってもらうと、55歳の時に脳の手術をしたため、脳の萎縮が進んでいるということがわかりました。その後、松本漢方クリニックに連絡されました。私はリウマチの漢方薬を一時中止し、認知症の漢方薬の服用を始めてもらいました。以前からしばしば高齢者の痴呆状態を改善してきた経験があるので、自信を持って痴呆も良くなると断言したのです。勿論、どんな人も脳の老化は避けられないわけですから、20歳の脳に戻すことは不可能です。ときどき血圧も高くなり高熱も出ましたが、漢方薬と抗生物質などを併用して薬を服用し続けてもらいました。
2月の初め、娘さんたちが今の間に患者さんに会わせたいと思う人達に連絡して自宅に招き入れました。しかし患者さんはほとんど覚えておらず、見た目は元気「まだらぼけ」の状態でした。それでも少しずつ少しずつ昔の話からいろいろの出来事を思い出し、でも直ぐに忘れ同じ事の繰り返しをしていました。
3月末に松本漢方クリニックに来院されました。話しの受け答えがしっかり出来るようになり、患者さんの認知症の回復振りに大変歓喜しました。
4月からは足の腫れと認知症の漢方薬を飲んでもらいました。娘さん達も手の空いた時間を話し相手になってもらって患者さんの過去を振り返り、患者さんの人生が一つにつながり、少しずつ分かるようになってきました。娘さんからは「痴呆からの生還ね。」と喜んでくれたそうです。
気分の良いときは散歩や料理の手伝い、台所の洗い物、テレビを見て楽しんだり、洗濯物をたたんだり、人との応対はおかしくない程度に出来るようになりましたが、しまう場所や洋服の着方、薬の飲み方等まだまだ出来ないことが多々有りまりました。リウマチの漢方は中止し、認知症の漢方だけ続けてもらっていました。また温泉に行きたい、旅行にもいきたい、おいしい物を食べたいという意欲がわいて余生を楽しめるようになったのは本当に良かったですね!!!!
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