症例報告200例目
完治された病名1)クローン病
患者:24歳、男性
38億年かかってできあがった全ての人間が持っている免疫の遺伝子によってしか病気は治せないのです。その免疫を痛めつける薬が病気を作り続けているのです。
皆さん、この21世紀の文明の世界の日本に、人が死ぬような病気の原因があると思いますか?もっとはっきり言いましょう。医学が全く無であった中世の時代に、黒死病といわれるペストがヨーロッパの人口の1/3の2000万人以上の命を奪ったことはご存知でしょう。その後も度々ヨーロッパを襲った黒死病でありますが、今仮に日本やヨーロッパでペストが流行しても、誰一人死ぬ人はいないでしょう。なぜならば、抗生物質がありますし、もちろん簡単にワクチンが作れます。地球上から天然痘のウイルスも駆逐され、仮に天然痘にかかりたくてもかかることができないのです。仮に結核で死にたいと思っても死ぬことができないのです。なぜならば優れた抗結核薬、つまり抗生物質があるからです。確かにアフリカなどの後進国ではマラリアが跋扈しております。なぜならばマラリアに体するワクチンも抗生物質も作られていないからです。熱帯に特有なマラリアにかかって死ぬ人もいますが、先進国である日本や西欧においては絶対にマラリアにかかることもないし、死ぬこともないのです。
昔から恐れられていたライ病や梅毒も日本では見ることが不可能になりました。しかも、抗生物質があるので、仮にかかったとしても死ぬことは絶対にないどころか、必ず治ります。昔から病気になれば死ぬかもしれないと闇雲に恐れられていたのですが、この現代の日本では恐るべき病気、つまり死ぬような病気や治らないような病気は皆無になってしまったのです。AIDSがあるではないか、と言う人がいますが、抗HIV薬ができたので、抗HIV薬の合剤を使えば、AIDSで死ぬ人も現在では激減してしまいました。しかもAIDSなどという病気にかかるのは、つまらぬことをするからです。まともな人であればHIVに感染するようなことは絶対にしないでしょう。
現在病気で死なない一番大きな証拠があります。若いうちに病気で死ぬことが誰一人いなくなってしまったものですから、老人天国になってしまったのです。現在は65歳以上の老人が3000万人を超えています。それは若いときに病気で死ぬ人がなくなり、そのまま老人になってしまったからです。ガンは病気ではありません。ガンは後天的遺伝子病でありますから、遺伝子病はどうにもならないのです。さらにガンは老化そのものですから、老いて死ぬことを恐れることはないのです。私もいずれガンで死ぬでしょう。当然のことです。
この世に原因の事象は何一つとしてありません。病気も必ず原因となる異物が人体に入って初めて起こるものです。人体に純粋な5大栄養素と水と酸素だけが入るかぎりは絶対に病気は起こらないのです。昔もペストや天然痘で死んだのは、これらのウイルスが人体に侵入したからです。
それでは現代の残された難病と言われる病気の原因の2つとは何だかお分かりになりますか?もう既に書いてしまいましたが考えてください。様々な化学物質と8種類のヘルペスウイルスの仲間の2種類だけであります。皆さん、農薬や添加物だらけの食べ物をとりたいと思いますか?様々な化学物質の入った水を飲みたいと思いますか?大気汚染物質が満載された空気を吸いたいと思いますか?2013年頃、中国で有害化学物質を含んだ濃霧が全国104都市に広がり、8億人あまりが呼吸困難になったと新聞記事に出ていました。呼吸困難、つまり気管支喘息も全て大気汚染物質が気管支に侵入し、それを排除するためにアレルギー性気管支炎を起こしていただけなのです。このような化学物質が人体に侵入して病気を起こす以外に、人類が消滅するまで人体のあらゆる神経に住み着いて人類を苦しめ続ける病気のもうひとつの原因がヘルペスウイルスなのです。これも世界の医学会は絶対に認めようとしないのです。ヘルペスについてはヘルペスのコーナーを読んでください。またヘルペスウイルスがあらゆる神経症状の原因であることを知り過ぎた人物の話もあるので興味のある人はここを読んでみて下さい。
ついでにヘルペスウイルスのひとつであるEBウイルスについて述べておきましょう。皆さん、風邪以外に乳幼児や子供や大人がよくかかる風邪に似た病気の原因はなんだかご存知でしょうか?それをお話ししておきましょう。風邪の場合は発熱が見られ、喉が痛くなり咳や鼻水や痰がでますが、咳や鼻水や痰が出ないウイルス感染症があるのです。これが8つのヘルペスウイルスの中の4番目のヘルペスウイルスにあたるEBウイルスであります。EBウイルスとは“Epstein-Barr Virus”の略語であり、このEBウイルスによって起こされた感染症を、ときには「伝染性単核球症」と呼ぶことがあります。このEBウイルスは、EBウイルスに感染している母親が赤ちゃんをキスしたり、大人同士がキスすることで唾液を介して伝染することが多いのです。唾液から口に入ったEBウイルスは口腔や鼻や咽頭の粘膜上皮細胞にまず感染します。さらに喉を囲んでいる4つのリンパ節である、口蓋扁桃、耳管扁桃、咽頭扁桃、舌扁桃にいるBリンパ球に感染し、リンパ管を通じて全身に広がって行きます。
皆さんも時々血液検査で、「あなたの血液のリンパ球に異型リンパ球がありますよ」といわれたことがありませんか?この異型リンパ球とは何でしょうか?Bリンパ球に感染したEBウイルスを殺そうとしたキラーT細胞や、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などのリンパ球であります。このような伝染性単核球症といわれる病気は、通常は自然に治癒するのです。よく発熱が続き、扁桃炎が腫れて、かつ頸部のリンパ節が腫れ続け、38度以上の高熱が1〜2週間続くことがありますね。医者は原因不明と声をそろえて言いますが、実はこれもEBウイルス感染症である伝染性単核球症にかかっているためであります。ときには全身性にリンパ節が腫脹することがあったり、扁桃炎も続くことがありますが、化膿する扁桃炎ではないのです。なぜならばウイルスによる扁桃炎の場合は、化膿することがないからです。ただ、溶連菌による二次感染が合併することがあり、そのときは化膿性扁桃炎も合併していることがあります。
さらに付け加えておきましょう。皆さんもご存知のように、GOT(AST)、GPT(ALT)の値は肝機能検査であり、これらの値が高いので肝機能障害があると言われた人がいませんか?しかし「C型肝炎でもないしB型肝炎でもないので、原因が分からない」と言われたことがあるでしょう。これはほとんどの場合がEBウイルスによる肝炎であるのです。高いときにはGOT(AST)やGPT(ALT)が800ほどになることもあります。多くの場合はステロイドを長期に投与されたり、ストレスの強い生活に耐えるためにステロイドホルモンを自分で大量に出しているうちに免疫が低下します。その間にEBウイルスが肝臓の細胞で増殖し続けます。ステロイドで免疫機能を落とされたキラーT細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)はその細胞を殺すことはできないのですが、ステロイドをやめたりストレスがなくなると免疫が回復します。免疫が回復するとキラーT細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)が、EBウイルスに感染した細胞をEBウイルスもろとも殺すために、肝臓の細胞からもれ出た酵素であるGOT(AST)やGPT(ALT)が血中に流れ出て、採血をすればこれらの値が高くなっているのです。
EBウイルス肝炎は決して慢性肝炎や肝硬変や肝がんになることはないのです。なぜでしょうか?ついでに話を進めましょう。なぜEBウイルス肝炎が肝硬変を起こさずして、C型肝炎やB型肝炎は肝硬変を起こすのかについて疑問を感じませんか?完璧な答えを出すことは難しいのですが説明はできます。常々私が言っていますように、病気とは異物を免疫が認識し、その異物を殺すか、共存するか、封じ込めるか、殺さずに排除するかの4つの方法によって敵を処理して病気を治すことをまず確認してください。
皆さん、日本で一番の金持ちはソフトバンクの孫正義社長ですね。韓国人であるにもかかわらず、日本人に帰化し、自分の出自を証明する「孫」という韓国名を保持し続けているすごい男です。差別されている韓国人の多くは名前を隠して仕事をするか、ヤクザになったりする人も中にはいるのですが、孫正義氏は見上げた人物です。その彼がこれほどまでにソフトバンクを大きくしたキッカケは何だかご存知ですか?他のところにも書いたことがありますが、彼は実はB型肝炎患者であったのです。今でこそ様々なB型肝炎ウイルスを殺す方法は開発されましたが、それでもなお完璧とはいえません。彼は今56歳でありますが、今を去る30年前に24歳でソフトバンクの会社の元を始めたのですが、仕事をすればするほど彼はB型肝炎の炎症を繰り返すために頑張りがきかなくなっていきました。その頃はインターフェロンもなかったものですから、どうすることもできなかったのです。そこで最後の手段をとったのです。今でも肝臓の大専門家で有名でおられる虎ノ門病院の熊田博光先生を訪ねました。「なんとかB型肝炎を治してください」と頼み込みました。熊田先生曰く、「非常に危険ないちかばちかの治療方法がある、命をかける覚悟があるならやりましょう」と言いました。
その方法は次のようです。大量のステロイドホルモンを孫社長に投与し、そして一挙にステロイドを抜くのです。この意味は何でしょうか?大量のステロイドで免疫の力を一時期ゼロにし、その間に大量のB型肝炎ウイルスを増やすのです。そして、一挙にステロイドを止めてしまうとステロイド離脱により、今度は免疫が一挙に回復し、肝臓の肝細胞で増え続けたB型肝炎ウイルスを肝細胞もろとも殺しきってしまう方法です。一挙に肝細胞を殺すとGOTやGPTが4000以上になり、ひどいときには10000を超えることがあるのです。いわゆる劇症肝炎を起こし、肝臓の働きが全くなくなり肝不全で死ぬことがあるのです。孫社長はいわゆるこのステロイド離脱療法に命をかけたのです。この治療法で彼の肝臓に巣食っていたB型肝炎ウイルスが免疫の働きによって全て除去され、健康な体を取り戻したのです。これをキッカケに彼はますます仕事に励み、トヨタに次ぐ株式の時価総額10兆円兆円前後の日本の株式市場2位の会社にまで育て上げたのです。すごいですね!しかも8兆円も借金をしながら、アメリカの通信会社のスプリントとクアルコムとBrightstarを買収してしまったのです。まさに彼が世界に鳴り響く経営者になれたのも、生死をかける肝炎の治療を乗り越えたためだと思われます。
以上、孫社長のすごさを語るつもりもなかったのですが、要するに症状や検査値が悪くなるのは、免疫が敵をやっつけようとしているということを証明したかっただけなのです。死なない限りは症状がどんなに悪くなっても、実は心配することはないのです。もちろん死ぬか生きるかの境を見極めることが、医者にとって最も難しい仕事となるのです。私もステロイドの離脱を35年間やってきたのですが、今まで患者さんを殺したことはありません。しかしながら患者さんには常々「死ぬ時にはステロイドを使わざるをえない」と念仏のごとく唱えています。
ちなみに孫社長のB型肝炎ウイルスの感染源は医原病であった可能性があります。確かにB型肝炎ウイルスの保菌者であった母親から出産時に直接感染した可能性もあります。(これを垂直感染といいますが。)その真否はわかりません。
さらについでに述べましょう。どうしてB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス健康保持者といわれる人と、いつの間にか慢性肝炎、肝硬変、肝がんになる人と違いはどこにあるのでしょうか?これも簡単です。同じ肝炎ウイルスといわれるウイルスの仲間の間でも、遺伝子が変異して様々な遺伝子を持った変異した肝炎ウイルスがいます。繁殖力が強く、かつ免疫に対して強い変異遺伝子をもったC型B型肝炎ウイルスはどんどん増え続けます。そして肝臓の細胞をつぶしていきます。一方、健康保持者といわれる人のC型B型肝炎ウイルスは繁殖力や増殖力が弱く、肝細胞に住みつくことだけで満足している肝炎ウイルスなのであります。ちょうどインフルエンザウイルスについてもいえます。同じインフルエンザウイルスであるにもかかわらず、致死性の強い変異遺伝子をもったインフルエンザウイルスは怖いのですが、普通のインフルエンザウイルスは何も怖くないのと同じです。
それではなぜ、EBウイルスは慢性肝炎や肝硬変を起こさないのでしょうか?やはり増殖する力も人間の免疫に勝つ力もないので、ひっそりと人間の免疫から逃れるようにして肝細胞に住みつく遺伝子を持っているからです。ときどき人間の免疫が落ちた時にずる賢く増殖するのですが、すぐに人間の免疫に発見されて肝細胞と一緒に殺されてしまうのです。この時にGOT、GPTが高くなるのは既に述べました。どのようにヘルペスウイルスが人間の免疫から逃れるかについては、ヘルペスのコーナーを読んでください。
とどのつまりは人間もウイルスも全て遺伝子の設計図によってまず決められます。この遺伝子の設計図をONにするかOFFにするかの学問がエピジェネティックスであります。エピジェネティクスについてはここを読んでください。
何百回も書いているように、21世紀に残された難病の原因は化学物質とヘルペスウイルスです。化学物質はアレルギーや膠原病の原因でありますが、最後は共存できるのです。ところがヘルペスウイルスは、殺すことも排除することも共存することも永遠にできないのです。それどころか、グローバルな競争社会においては国内的にも全ての人が否が応でも生きるために競争に参加せざるをえなくなっています。競争に勝ち抜くためにストレスホルモンであるステロイドホルモンが常に過剰に産生されざるをえません。そして自分の免疫を下げ続けざるをえないのです。この時に8種類のヘルペスウイルスは増殖しまくるのです。やっと免疫を回復した暁には、人間の免疫は増えたヘルペスと戦わざるをえないのです。生きるために休息の時間は短く、再びストレスの多い競争社会へと毎日出て行かざるをえません。ヘルペスと免疫の戦いは死ぬまでいたちごっことなってしまいます。
あらゆるウイルスを殺すことは免疫しかできません。ウイルスはDNAそのものですから、これから先もウイルスを殺す薬を作ることは不可能です。だからこそ少しでもヘルペスウイルスを増殖させない優れた抗ヘルペス剤が必要となるのです。その力が一番強かったソリブジンが市場から消え去ったことは残念でならないのです。ソリブジンについてWikipediaを参考にしながら詳しくコメントしたものあるので詳しく知りたい方はここを読んで下さい。
皆さん、線維筋痛症という病気を聞いたことがあるでしょう。原因不明の難病といわれています。さらにもうひとつ原因不明の病気とされているリウマチ性多発筋痛症もヘルペスであるのです。これらの病気の痛みに対しては痛み止めしか治療がないのですが、皮肉なことに痛み止めを飲めば飲むほどヘルペスが増え続けるという真実をどの医者も語らないのです。悲しいですね、悲しいですね!単に単純ヘルペスや水痘帯状ヘルペスが増えているだけではないのです。ヘルペスウイルスの仲間であるEBウイルスやサイトメガロウイルス(CMV)のヘルペスもこっそり増え続けているのです。
脱線してしまいましたが、本文に戻りましょう。
ある日、鼠径部に硬いしこりが触れて、座る時に激痛が走りました。すぐさま最寄りのクリニックにて切開排膿の処置を受けられました。激痛を伴う処置が終わると痛みは軽快しました。場所によって痛みが伴い、便通異常と切開した箇所から膿が出続けました。
肛門周囲膿瘍は痔瘻のことです。後で説明しますが、痔瘻は正しくは直腸皮膚瘻というべきものです。それではどのようにして腸管に穴が開くのかを説明しましょう。まず腸粘膜での化学物質とIgGの戦いのために、腸管の粘膜がただれ、さらに深くただれると潰瘍になり、その潰瘍が腸管の壁を破ると瘻孔ができます。腸の粘膜の構造は場所によって変わることがありますが、一般には5層から成り立っています。腸管腔に直接面している粘膜上皮、次に粘膜固有層、次に粘膜筋板、次に粘膜筋層、最後に筋層がきます。それらを漿膜が囲んでいます。この5層を炎症が突き破ると瘻孔ができます。一番よく見られる瘻孔が痔瘻といわれるものです。痔瘻は一般に肛門といわれる肛門管に穴が開くわけではありません。肛門管の直前の直腸という腸管の最後部の粘膜の壁から肛門の皮膚にまで穴が開き、そこから炎症の結果、皮膚から膿やリンパ液が外部に流れだしていきます。だからこそ直腸皮膚瘻というべきなのです。
なぜクローン病に痔瘻がよくみられるのでしょうか?それを説明するために、まず肛門の構造から説明しましょう。解剖学の授業をしているわけではないので、分かりやすくはしょって書きます。肛門は英語で“Anus”といいます。これは「リング」という意味があります。リングとは輪の意味であり、肛門(肛門管)の周りには、内側に内括約筋という筋が輪になって走っており、さらに外側には外括約筋という筋が輪になって取り巻いているので、リング、つまりAnusというのです。内肛門括約筋は自律神経によって支配されている平滑筋であるので、不随意筋であります。つまり締めたり緩めたりはできないのです。ところが、その外側にある外肛門括約筋は横紋筋であり、平滑筋とは違い意志に従って自由に動かせる随意筋であります。従って“きばる”と、この随意筋である外肛門括約筋が収縮し、うんちが出るわけです。
大腸の終わりは直腸であり、直腸の後に肛門がくるのです。直腸と肛門の間は肛門直腸線といって明確に区別することができるのです。それは大腸の粘膜上皮は単層の(一層の)円柱の形をした細胞から成り立っており、一方、肛門は皮膚と同じ重層の(多数の層の)平らな扁平上皮細胞から成り立っているので、その違いは歴然としています。つまり肛門は皮膚と同じ種類の細胞からできているのです。クローン病に見られる痔瘻は、肛門から皮膚に穴が開くのではなくて、直腸から皮膚へと穴があく皮膚瘻であります。従ってクローン病でよく使われる「痔瘻」という病名は正しくはないのです。正しくは「直腸皮膚瘻」というべきです。クローン病についての権威だけは腐るほどあるが真実の学才が少ない大学の教授が、痔核に似ているので痔瘻という名前を最初に安易につけたので、現在でも直腸皮膚瘻を痔瘻と言い続けているのです。学者先生は病名をつけるのが大好きですから、病名遊びから生まれた不正確な病名なのです。このような皮肉を言うのは、やはり学者は病気の原因を徹底的に追究すべきであって、病名をつけるだけで満足してはならないということを言いたいためです。
従ってこのような皮膚瘻は、小腸や大腸が皮膚に接触している部位ではいくらでも見られるのです。直腸と皮膚が“いけいけ”になっているのを「直腸皮膚瘻」というのですが、実は女性の場合は、直腸と膣に瘻孔ができる「直腸膣瘻」がいくらでも見られます。さらに女性に多いのですが、悲しいことに間違った免疫を抑えるペンタサやレミケードで治療をされてしまうと、直腸と膀胱とが通じてしまう「直腸膀胱瘻」も生じることもしばしばあるのです。残念ですが。
今述べたように、直腸は一層の丸い柱のかっこうをした上皮細胞からできているので、そこで化学物質と免疫がIgGで戦うと、すぐにその細胞はつぶされて下の層にある粘膜下層から、さらに筋層となる内肛門括約筋にまで炎症が波及し、最後には外肛門括約筋まで穴が開いてしまい、最後は皮膚にまで炎症が到達し、そこに皮膚瘻(皮膚の穴)ができてしまうのです。ところがこの直腸皮膚瘻からは膿がたっぷり出続けます。ただ単に穴が開くだけでは、その穴を通して膿が出ることはないのです。なぜ膿が出るかを説明しましょう。
人の糞便には天文学的な数の細菌が含まれており、糞便の約半分が細菌であることをご存知でしょう。人の糞便の1g中には数百種類以上の細菌がおり、10の10乗〜12乗個の細菌が含まれています。つまり1g中には、10億個〜1000億個の弱毒常在細菌が含まれているのです。糞便に弱毒常在菌が見られるということは、腸管の中に弱毒常在菌がいるということです。ご存知のように、腸管には200種類の細菌が100兆個も常に住んでいるのです。成人では弱毒菌であるバクテロイデス属や、クロストリジウム属に属する嫌気性菌が一番多いのです。さらに大腸菌などであります。これらの細菌は通常は無害菌でありますが、宿主の免疫抵抗力が弱まると、感染の原因菌になったり、いわゆる日和見感染症を起こしてしまうといわれていますが、なぜ日和見感染症が起こるのか誰も解明していません。そこで私が解明してあげましょう。
まず日和見感染とは、免疫の正常な元気な人には病原性を示さないのですが、免疫機能が低下したために生じるクローン病や潰瘍性大腸炎の腸管でどんどん増えて、重篤な感染症を引き起こすことをいいます。ここでさらに病原性とは何かについて説明する必要があります。病原性というのは、人体の免疫が敵だと認識して自分の免疫で殺そうとする度合いが強いという意味です。日和見感染を起こす病原体には緑膿菌、クレブシエラ、プロテウス、セラチア、レジオネラ、大腸菌、ブドウ球菌、腸球菌などの細菌や、カンジダ、アスペルギルスなどの真菌や、さらに単純ヘルペスウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどのウイルスであります。どうして日和見感染というのでしょうか?この言葉は実は正確な医学用語ではありません。文学の言葉です。正確には弱い敵でも免疫が弱くなった時に増えすぎると、免疫を取り戻した時にそれを殺そうとする免疫が働きだして、その敵を殺そうとした時に見られる戦いを日和見感染というのです。従って日和見感染という言葉は、正しくは「免疫低下弱毒菌増多症」とでも名付けるべきであります。
皆さん、ここで疑問を感じませんか?なぜ免疫力が弱まると弱毒菌に弱くなるのに、強い病原体に対してもっと弱くなってひどい感染症を起こさないのか?という疑問です。その答えを世界で初めて出してあげましょう。まず感染症とは何かを説明する必要があります。いつも言っているように、病気は免疫が敵と戦わない限りは絶対に病気という症状は生じないのです。感染症の場合、敵は何でしょうか?言うまでもなく、細菌であり、ウイルスであり、真菌などの病原体であります。つまり体内に入った病原体と免疫が戦わない限りは、絶対に病気の症状は起こらないことを確認してください。これを理解しない限り、以下の説明を理解するのは困難になります。というよりも、病気の本質を見逃すことになります。
それではまず人類が恐れてきた感染症を引き起こす原因は何だったのでしょうか?昔から感染症で人類が殺されてきたのは、ペスト、天然痘、マラリア、赤痢、ジフテリア、結核、破傷風、百日咳などがありました。これらはまさに強毒病原体というべきものであります。皆さん、現在の文明社会において、このような感染症を見ることができますか?滅多に見ることはなくなったといえます。なぜでしょう?まずこれらの感染症が起こるためには、これらの細菌が出現する不衛生な環境が必要です。どこにペスト菌や天然痘のウイルスや結核菌がいますか?ほとんど見つけ出すことは困難です。さらによしんばこれらの強い菌と出会っても、これらの病原体に対してはワクチンが作られ、かつ抗生物質が作られてしまっています。そのうえに栄養状態が昔と比べて極めて良好であるので、すぐに自分の免疫で敵を殺す準備が常にできていますので、これらの病原体による感染症などは日本のような進んだ現代文明では起こりえないのです。
それでは日和見感染症はどこで、またなぜ起こるのでしょうか?皆さん、皮肉にも様々な病気を治すために病院に入院している間に感染症が起こっていることをご存知ですね?このような感染症を院内感染と呼ぶのです。通常は病原性を示さない弱毒菌である常在微生物が、病院の中ではうようよしています。病院に入院するということは、抗生物質と抗ヘルペス剤の投与以外は対症療法であり、免疫を落として症状をとるだけですから、入院すればするほど長くなればなるほど、免疫力は低下させられるのですが、見かけの症状は良くなって病気が治ったと思い込まされているだけです。従って万が一退院できたとしても、実は退院の時に一番免疫が落ちた状態であるのを誰も気づいていません。もっと具体的に言えば、必ず抗ガン剤やステロイドや痛み止めや解熱剤を大量に投与されて、免疫を落とす治療をされているので、免疫力を低下させられた患者の体内に既に潜んでいる弱毒菌の腸内細菌がどんどん増えているのです。このときに訳の分からない熱が出たりして、院内感染の例としては、緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌や、ニューモンシステス・カリニ(現在はニューモンシステス・イロベチというようになりました。)や、サイトメガロウイルスやEBウイルスなどのヘルペスウイルスが単独、または重複感染することがいくらでも起こっているのです。
さぁ、イントロダクションはここまでにして、本論に戻りましょう。なぜクローン病の人に、上に述べたような直腸の粘膜と臀部の皮膚瘻がよく見られるのかに対する答えを出しましょう。クローン病も潰瘍性大腸炎も、原因は化学物質を排除しようとしてIgEで戦う世界を、免疫を落としたために化学物質を殺そうとしてIgGで戦う殺しの世界であるということは何回も述べました。まさに自分で長期にわたってステロイドホルモンを出しすぎたり、医者にステロイドをはじめとする様々な免疫抑制剤を飲まされすぎたために生じたのです。この間、腸管にいる弱毒性の常在菌がどんどん増えていくことを誰も指摘しないのです。
クローン病や潰瘍性大腸炎の最初の症状は下痢であります。なぜ下痢が出るのでしょう?昔から下痢を起こすのは、強い病原体であるコレラ菌やある種の大腸菌や赤痢菌やサルモネラ菌を、下痢を起こして外部に排除するために生ずるのです。特にコレラ菌とある種の大腸菌は、強力な細菌毒素を出すので、その毒素を排除するために下痢が起こるのです。一方、赤痢菌やサルモネラ菌はこれらの細菌が腸管の細胞内に侵入し、これらの細胞内に侵入した細菌を免疫が殺すために炎症を起こし、腸管の粘膜が傷害され下痢が起こるのです。
それではクローン病の場合は何を下痢で排除しようとしているのでしょうか?2つあるのです。ひとつは化学物質であります。この化学物質はIgGで戦うと炎症を起こし、下痢になり、さらに粘膜免疫によってIgGからクラススイッチしてIgEで排除しようとした時にもアレルギー性下痢ともなっているのです。なぜならば腸管の粘膜細胞は常にクラススイッチと免疫寛容を起こすことができるインターロイキン10やTGF-βを作り続けているからです。どうしてクローン病や潰瘍性大腸炎がクラススイッチをしやすく、かつ免疫寛容を起こしやすいかについては、Part1とPart2を読んでください。ところが必ず化学物質とのIgEとの戦いによって炎症が起こり、腸管の粘膜に傷がつきます。このときに免疫を抑えた時に増やし続けた腸内の弱毒常在菌が粘膜の細胞から体内に入ろうとした時に、新たなる腸内弱毒菌である常在菌と戦う時に赤痢菌やサルモネラ菌場合と同じように下痢を起こすのです。つまり正常な腸管であれば、腸内常在菌は腸の粘膜を傷つける力はないのですが、化学物質によってIgGの戦いをやると腸に傷がつき、さらに潰瘍を起こすので、その傷や潰瘍から奥深くの体内に入り込もうとするのです。そこで再び化学物質以外に常在菌との戦いを免疫はせざるをえなくなるのです。
皆さん、ご存知ですね?腸内常在菌にはいわゆる善玉菌といわれる乳酸菌やビフィズス菌や酪酸菌がいます。彼らは病原性がない、つまり免疫に敵として認識されることがないのです。一方、悪玉菌といわれるウェルシュ菌や大腸菌は悪さをすることがあるので免疫に敵と見なされて、免疫との戦いが始まるのです。それではついでに述べていきましょう。どうして悪玉菌と善玉菌という区別をつけるのでしょうか?それは、善玉菌はいくら増えても免疫には敵とは認識されないのですが、悪玉菌は多くなれば敵を認識する免疫の樹状細胞に取り込まれて、悪玉菌の断片をT細胞やB細胞に見せます。すると何百億というT細胞やB細胞の中に、それを異物と認識できる細胞が現れてくるからです。一度認識されてしまうと、免疫は否が応でも悪玉菌を排除しようとする戦いを始めてしまうからです。このために炎症が生じ、感染症という病気を起こしてしまうのです。
例えばクローン病や潰瘍性大腸炎で腹部膨満感は、ガスが腸管に溜まっている状態です。このガスを出すのはウェルシュ菌、正確には“クロストリジウム・パーフリンジェンス”という細菌が免疫に殺される時にガスを産生してしまうのです。このような時は、おなかが張るうえによくガスが出て、しかもそのガスが極めて臭いのです。このときにウェルシュ菌を殺すフラジールという抗生物質を用いると、特異的にウェルシュ菌を殺してくれるので症状が良くなるのです。ウェルシュ菌について私が詳細に書いた論文があるので詳しく知りたい方はここを読んで下さい。実はフラジールを飲ませるとガスが減るだけではなく下痢も減り、しかも直腸皮膚瘻の治りも早くなっていくのです。これはどういう意味を持つのでしょうか?つまり直腸皮膚瘻からもれ出てくる膿は、白血球がウェルシュ菌や大腸菌を殺そうとして生じるのです。従って長期にわたってフラジールを服用させることがクローン病には絶対に必要なのですが、健康保険の中では連続的に長期に服用することは許可されないのです。残念です。
以上の話をまとめてみましょう。まずクローン病の患者さんはストレスのために自分で自分の免疫を落として、アレルギーになるべきものを逆クラススイッチしてクローン病にさせ、腸管の粘膜で化学物質と戦うので腸管に糜爛(びらん)や潰瘍の傷を作ります。患者自身が免疫を落としている間に、代表的な悪玉菌であるウェルシュ菌などを増やし続けます。下痢が出始め異常に感じて病院に行き、クローン病と診断されると、「原因が全く分からない、従って治らない」というとんでもない間違った説明を医師にされて、下痢などの症状をとるために、免疫を落とすペンタサやアサコールやレミケードやヒミュラを使われだします。するとますます免疫力が落ち、ウェルシュ菌をはじめとする悪玉菌が腸管にますます増え続け、腸の最後部である直腸に悪玉菌がいっぱいの糞便として溜まっていきます。もちろん下痢で排除される悪玉菌もあるでしょうが、化学物質が大量に含まれている糞便に対して直腸末端でもクローン病の戦いは行われ傷つきます。この傷ついた直腸末端から様々な悪玉菌が入り込み、そこで白血球をはじめとする様々な免疫細胞に食われ、好中球の死骸とともに直腸皮膚瘻から膿として出て行くのです。
痔瘻のタイプはIILC型でIIはII型の筋間痔瘻というもので内肛門活約筋の間にトンネルが形成される様で、Lは低位(LowのL)(高位だとH)(HighのH)Cは複雑なもの(ComplexのC)(単純なものはS)(SimpleのS)で複雑な低位筋間痔瘻と診断されました。(Ⅱ型の痔瘻は痔瘻患者の約8割を占めます。Ⅰ型というのは、皮下粘膜下痔瘻といわれるものであり、筋肉には瘻孔が出来ていないものであります。一方Ⅱ型は筋間痔瘻といわれるものであり、瘻孔が筋肉を突き通って見られるものです。)身内のセカンドオピ二オンで大阪市内にある病院で治療を受けることにされました。早々に手術の日程が決まり、原発口から二次口までをゴムなどで結紮(けっさつ)するシートン法によって手術を行い、無事に終わって4日間の入院と半年間に亘って通院治療をされました。
患者さんは半年後にクローン病と診断されたのでありますが、実はこの痔瘻の時に完璧なクローン病となっていたのです。それを肛門科の医者が気付かなかったのは不思議ですが、患者さんはこの痔瘻とクローン病の関係を知らされていなかったので、クローン病の診断としては半年も遅れてしまったのです。実は痔瘻の手術をする時、同時に大腸や小腸の内視鏡の検査もやるべきだったのです。しかし肛門科の先生だったので出来なかったかもしれません。下にクローン病のために瘻孔ができ、その瘻孔に溜まった膿の排除のやり方とシートン法の手技について掲載し、コメントもしておきます。
【シートン法】
瘻孔は瘻管ともいいます。内側の腸管の穴の入り口を原発口といい、外側の肛門の皮膚の出口を二次口といいます。ゴムをこの原発口と二次口からできた瘻管に通し、下の絵のようにゴムをきつく縛ります。ゴムは人体にとっては異物ですから、人体の免疫はこの異物を体外へ徐々に内側から外側へと取り除こうとします。粘膜ですから、徐々に徐々に外へ外へと排出されて行き、最後はゴムも粘膜の外へと押しやられ、最後は皮膚まで出てしまい、下の絵のようにゴムも脱落してしまうのです。このように異物であるゴムを内部の瘻孔に巻き付けても、人間の免疫はなんとかしてこの異物であるゴムを排除しようとする働きを充分に発揮してくれるのです。これがまさに免疫の極地というべきです。この免疫の働きを製薬メーカーが作った薬が抑え込んでしまうことが、いかに健康な体を戻すことができないかが、シートン法に用いられるゴムの処理でも理解してもらえるでしょう。つまり下の絵で見ても分かるように、瘻孔の内部から徐々に徐々にゴムの輪を自分の組織を破って外へ出していくという見事な免疫の働きに感動しませんか?
既に述べたように、彼は2012年の12月には完璧なクローン病になっていたのです。もちろんクローン病の始まりは、このときよりも数年前であったかもしれません。病気の診断は、本来病気の原因の診断と同じであるべきなのです。残念ながら、現代の病気の診断名はただ単に症状や、ときにはその症状を初めて見いだした人の名前を付けたりするだけで、全く意味がない診断名、つまり病名であります。従って意味のない病名が公式に22000種類もあるのです。だからこそ痔瘻とクローン病は別々の病気だと診断される誤りもおかされるのです。さらに診断名が間違った治療という大きな過ちをおかすキッカケになってしまうのです。病気を診断するのは病気を治すためにつけられるべきでありますが、その病気を起こす原因が追究されないかぎりは、間違った治療がその診断名のもとで行われる糸口を与える病名となってしまうのです。
ここで、クローン病や潰瘍性大腸炎で最高の治療法となるIVHについて述べておきます。私の患者さんの数多くは、クローン病や潰瘍性大腸炎で入院している間に食事がとれなくてIVHだけしかやれない患者さんがたくさんいます。IVHはIntravenous Hyperalimentationの略語であり、日本語では中心静脈栄養法とか静脈内高カロリー輸液療法と訳されています。これは末梢の静脈ではなくて、心臓に近い中心にある静脈に挿入されたカテーテルを介して、蒸留水に糖、アミノ酸、脂肪、ビタミン、ミネラルなどを溶かした栄養素の輸液を注入して、食事を摂らなくても完全な営養を供給できる方法であります。このIVHをやった後に、全てのクローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)の患者の炎症所見が消えてしまうにもかかわらず、従ってIVHが最高のCDやUCの治療法であるにもかかわらず、絶対に積極的にやろうとしないのです。なぜでしょうか?答えは簡単です。お金が儲からないからです。すぐに医者たちは1回20万円もする抗TNF-α剤であるレミケードやヒュミラをしつこく勧めるのです。やるたびに国の財政も赤字になるばかりです。しかも治せない累積患者がどんどん増える訳ですから、医療費で国家財政が傾いていくことも何も不思議ではありません。
皆さん、TNF-αは一体何であるかご存知ですか?TNF-αこそ異物が人体に入った時にその異物を食べた大食細胞や樹状細胞が、最初に作り出す最重要のサイトカインであります。この最最最重要であるサイトカインであるTNF-αの働きをなくすことは、異物を処理する免疫の軍隊の手足をもぎ取り、麻痺させることなのです。どうして体を守る軍隊が活動できなくて病気を治すことができるでしょうか?絶対に無理です。大食細胞や樹状細胞の免疫の遺伝子の発現の結果生まれたタンパク質のひとつであるTNF-αの働きを完全にもぎ取ってしまってどうして病気を治すことができるでしょうか?確かに見かけの戦いはなくなり、一時的に症状は楽になりますが、一生このような病気を治せない薬を続けざるをえないのです。しかも20〜30回続ければ効力がなくなるのみならず、抗TNF-αは人間にとっては異物でありますから、この人工的な異物を排除する為にレミケードに対して抗体ができてしまい、ショック死することもあるのです。“行きはよいよい、帰りは死ぬまで地獄”ということになるのです。だってこの薬で病気が治るどころか、一生治らない病気にさせられてしまうからです。
それでは大食細胞や樹状細胞をどんな異物を食べて戦いを始めだすTNF-αを作り出すのでしょうか?その答えは、それこそ文明が作った化学物質であるのです
皆さん、ここでIVHがなぜ最高の治療法であるかお分かりになりますか?この答えは極めて明白です。化学物質が一切入っていない蒸留水に溶かされた純粋な高栄養素であるからです。化学物質の一切入っていない水と栄養はたっぷり入っていますが、化学物質は何一つ入っていないからです。こんな簡単な真実を東大や京大のお偉い方は知らないはずはないのですが、いえないのです。だって世の中は真実で動いている訳ではなく、金で動いているからです。残念ですね、悲しいですね
それではどのようにしてCDやUCを治すことができるのでしょうか?これも極めて簡単です。この説明は同時に、なぜレミケードがCDやUCの見かけの症状をなくすことができるかの説明にもなりますからしっかり読んでください。治すためには全て患者の免疫の働きに任せればいいのです。さきほどTNF-αの話をしましたが、このTNF-αは自然免疫のひとつであるNK細胞にひっつくと、NK細胞にインターフェロンγ(IFN-γ)をどんどん出させます。するとこのインターフェロンγ(IFN-γ)は骨髄で作られた後天免疫に属するナイーブT細胞をIgGを作るTh-1に変えてくれます。するとTh-1細胞は自分自身でインターフェロンγ(IFN-γ)やTNF-αやインターロイキン2というサイトカインをどんどん作って行きます。とりわけインターフェロンγ(IFN-γ)は骨髄で作られたばかりのBリンパ球にIgMをIgGに変えなさいという命令を出します。これもIgMからIgGへの抗体のクラススイッチとよびます。このIgG抗体こそが殺しの抗体であり、この抗体を作らせないようにすれば炎症は起こらないので、CDやUCの患者に抗TNF-α剤であるレミケードを注射するのです。
皆さん、分かりますか?TNF-αがあってこそインターフェロンγ(IFN-γ)が作られ、インターフェロンγ(IFN-γ)があってこそIgGが作られるのです。さらに話を進めましょう。このIgGをBリンパ球が作り続ける限りは、CDやUCは絶対に治らないのです。IgGは本来細菌やウイルスを殺すために作られるべき抗体なのであります。免疫は異物である化学物質さえをも、はじめはすべからく殺すべき敵だと認識するのです。ところが化学物質は無限に入ってきますから、もともと死んでいる化学物質を殺すことはできません。従ってその化学物質はいつまでも組織に残ります。この残った化学物質を免疫はどうすれば良いのでしょうか?皆さん考えてください。免疫は殺すのではなくて排除するという抗体を作るということに気づくのです。つまり殺しのIgGから排除のIgEにクラススイッチすれば良いのです。
さぁ、IgMも殺しの世界の抗体でありますが、より効率のいい殺しのIgG抗体に変えるのはインターフェロンγ(IFN-γ)でしたね。それではIgGをIgEに変えるには誰が何を出せば良いかを教えてあげましょう。殺しの世界で敵を食い荒らすのは大食細胞であることはご存知でしょう。それでは排除の世界でヒーローになる細胞は何でしょうか?それは肥満細胞といわれるマスト細胞であります。このマスト細胞は皆さんご存知の、痒みの原因を作る様々な化学物質を作っていますが、その代表はヒスタミンであります。それに加えて、インターロイキン4(IL-4)というサイトカインをどの細胞よりもいち早く作ることができるのです。それではどのようにしてマスト細胞はインターロイキン4(IL-4)を作るのでしょうか?
さぁ、クライマックスにやってきました。先ほど述べたようにIgGを作り続けても、化学物質はますます組織に溜まり続けるだけですね、IgGもどんどん作られ続けるだけですね、実はマスト細胞はこのIgGと結びつくことができるのです。他の殺しの仕事をする大食細胞や好中球やNK細胞や補体は上手にIgGと結びついて敵を殺す力を得ることができます。ところがマスト細胞は大量に作られた残りのおこぼれのIgGとやっと結びつくことができるのです。このIgGと最後に結びついたマスト細胞は、自分の出番であることに気づくのです。つまりやっと人体に入ってきた敵が殺すべき敵ではなくて、排除すべき敵であることを悟るのです。さぁ、IgGが自分の膜のレセプターに結びついてはじめて自分の仕事をし始めるのです。それがインターロイキン4(IL-4)を作ることなのです。
なぜインターロイキン4(IL-4)が必要なのでしょうか?それはT細胞に大量のインターロイキン4(IL-4)を作らせてIgGを既に作っているBリンパ球にクラススイッチをさせてIgEを作らせるのは、インターロイキン4(IL-4)の命令がBリンパ球に絶対必要なのです。そのためには、誰かにまずはじめにインターロイキン4(IL-4)を作らせなければならないのです。それがマスト細胞であるのです。さらにT細胞はIgGをB細胞に作らせるためにはTh-1になる必要があったのはご存知でしょう。今度はT細胞はIgEをB細胞に作らせるためにはTh-2になる必要があるのです。T細胞がTh-2になるためにも、インターロイキン4(IL-4)が必要なのです。T細胞はマスト細胞よりも圧倒的に数が多いので、マスト細胞で作られたインターロイキン4(IL-4)と結びつくと、自分自身がBリンパ球にクラススイッチする中心的な役割を果たし始めるのです。マスト細胞よりもはるかに多いナイーブT細胞はインターロイキン4(IL-4)と結びつくと、Th-1リンパ球ではなくて、Th-2リンパ球に変身し、自分自身もインターロイキン4(IL-4)を大量に作り出すのです。大量に作り出されたインターロイキン4(IL-4)は今度はBリンパ球と結びついて、徐々に徐々にIgGからIgEに作り替えさせていくのです。このようにして殺しのIgGの世界が排除のIgEの世界へと変わっていくのです。症状的には痛みの世界が痒みの世界であるアトピーや、鼻水の世界であるアレルギー性鼻炎や、涙の世界であるアレルギー性結膜炎、咳の世界である気管支喘息へと変わっていくのです。
どうですか?皆さん、理解できましたか?膠原病とアレルギーとは同じ化学物質と戦い、ただ武器がIgGとIgEの違いがあるだけだということがお分かりでしょう。難しいですか?しかし何回も読んでもらえれば完全に理解できるはずです。なぜならば免疫の働きほど論理的な真実に基づいた世界はないからです。皆さん、この真実を誰から学んだかご存知ですか?あなた方、患者さんからなのです。患者さんの免疫から、いや免疫の遺伝子から学んだのです。病気を治すのは医者でも薬でもありません。上に述べたような免疫の真実で病気を患者さん自身が治していくのです。
さらに話を進めましょう。IgGからIgEにクラススイッチしたあとにいつまでもアトピーや喘息や花粉症を続けるのでしょうか?いや違うのです。さらに38億年かかって作り上げられた人間の免疫の遺伝子はそんな無駄なことをやり続けないように出来上がっているのです。つまり最後は共存の世界へと導いてくれるのです。死ぬわけでもない化学物質に対していつまでも排除し続ける意味がありますか?全くないのです。アレルギーが全くない人でも同じ化学物質が毎日毎日侵入してきますが、彼らは症状がないからといって苦しみますか?死にますか?そんなことは絶対にないでしょう。つまり彼えらと同じように化学物質と共存すればよいだけの話なのです。この免疫の現象を自然後天的免疫寛容と私が発見し、名付けたのです。
さぁ、免疫寛容はどのようにして起こるのでしょうか?実は殺しの世界であるTh-1リンパ球とIgGの支配する世界から、排除の世界であるTh-2リンパ球とIgEの世界になったときに、既に免疫寛容の兆しは見えているのです。もちろんTh-2リンパ球が免疫寛容を起こす主人公ではありません。新しいヒーローが必要なのです。それがレギュラトリーT細胞であります。
このレギュラトリーT細胞がインターロイキン10(IL-10)とTGF-βというサイトカインだけを専ら出すことによって、あらゆる免疫の細胞に「今起こっている戦いをやめなさい」という指令を出すのです。実はTh-2リンパ球は既に、大量ではありませんが、インターロイキン10(IL-10)とTGF-βを作り出しているのです。つまりTh-2リンパ球は排除の世界を作り続けるために、インターロイキン4(IL-4)以外にインターロイキン5(IL-5)、インターロイキン13(IL-13)などを作ると同時に、実は少量のインターロイキン10(IL-10)とTGF-βを作っているのです。これは何の意味を持つと思いますか?皮膚や目の粘膜や鼻の粘膜や喉の粘膜から化学物質を出し続けても出し尽くせないということが分かれば分かるほど、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン13(IL-13)などの排除のサイトカインも増えるとともに、同時にインターロイキン10(IL-10)とTGF-βも多く産生されていきます。
大量に作られたインターロイキン10(IL-10)とTGF-βは何をするのでしょうか?まさに骨髄で毎日作られているナイーブT細胞に結びつくと、このナイーブT細胞をレギュラトリーT細胞に変えてしまうのです。レギュラトリーというのは抑制という意味があり、全ての免疫の戦いを抑制する仕事をするのです。このようなレギュラトリーT細胞を、ときには「Inducible レギュラトリーT細胞」といいます。“インデューシブル”という意味は“免疫の反応の結果、誘導された”という意味で使うのです。“インデュース”という言葉は“誘導する”という意味があることはご存知でしょう。
以上に説明したように、免疫は化学物質に対して、ある意味では無駄な戦いをやり続けるのですが、最後は免疫寛容を起こしてくれる誘導された(インデューシブルな)レギュラトリーT細胞を作ることによって、その戦いをやめて共存の世界に突入するのです。皆さんの免疫の遺伝子がものすごい力を持っているかがお分かりになったでしょう。
2013年5月頃、下痢と腹痛が起こり、症状が悪くなったり良くなったりを繰り返しました。9月頃、発熱と栄養障害による体重減少が起こり、ますます症状が悪化していきました。病院に行くも原因が分からないので大腸内視鏡検査を受けることになりました。
痔瘻の手術が2012年の12月頃、本格的に症状が出だしたのは半年後の2013年5月であります。クローン病は突然に発病する病気でないことはお分かりでしょう。治療もしていないのに再燃と寛解が起こるのはなぜでしょうか?説明しましょう。
クローン病は自分の免疫を自分自身で抑えることによって生じるということを実証してあげましょう。この文章をお読みになられた皆さんは、彼がいかに優れた男であるかがお分かりでしょう。言うまでもなく、彼は最初に出会った時になんと素敵な男かと思ったほどの好青年です。責任感が強くまっすぐで仕事に対しても真面目すぎる男です。残念なことに、彼は自分の素晴らしさや才能については気づいていない男であるのが玉に傷といえるでしょう。他人に対する配慮や思いやりも、今時の若者にしては珍しいほど持ちすぎています。話を聞いてみますと、残業も会社に言われるままにこなし、かなり不規則な生活をせざるをえなかったようです。若い人ですから、情熱に任せて心も体も酷使していたのです。つまり自ら様々なストレスに耐え続けていたのです。
ストレスに耐え続けている間はステロイドホルモンが最大限に出続けています。大量のステロイドホルモンは免疫の働きを抑えてくれているので、既に出来上がっていたクローン病はこの間は寛解の状態になります。ところが人間自身が自分で作っているステロイドホルモンの量は脳の視床下部で監視されています。ある限界を超えると視床下部は副腎皮質にステロイドホルモンを作る命令を伝えてくれるCRHというホルモンを作ることをやめてしまいます。CRHは、“Corticotropin-Releasing Hormone”といい、その略語です。このCRHが出なくなると、副腎皮質でステロイドホルモン(コルチゾール)を作ることができなくなります。すると免疫の抑制もなくなり、自己のステロイドホルモンに対する離脱症状が起こります。これをリバウンド、つまり反跳現象といったり、再燃というのです。これを彼は何回も繰り返したのです。つまりその間、彼は自分で病気を作り、自分のステロイドホルモンで間違った治療をしていたのです。この真実を世界中の医者は誰も口にしません。
人工合成ステロイドを作った3人の学者であるヘンチ、ケンドール、ライヒスタインは1950年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。ステロイドは未だかつて病気を治したことはないのですが、今なお医者の間では最も人気のある薬です。一時的に遺伝子の働きを止めて見かけの症状をとるので患者は満足しますが、つまり寛解を起こすことができますが、ステロイドをやめると再び再燃するので病気はどんどん深刻になり絶対に治らないのです。新たに人工的遺伝子病を作ることになるからです。1950年にノーベル賞が授与された人工合成ステロイドホルモンでありますが、64年も経っていますがステロイドを悪し様にいうのは世界で松本仁幸だけです。ステロイドはとんでもない毒薬であるにもかかわらず、なぜ医薬業界で最も人気のある薬になり続けることができたのでしょうか?それはステロイドを使うとやめることができないので、医薬業界に莫大な富をもたらしたからです。つまりステロイドこそ病気を作る張本人であるからです。
結果、「クローン病の疑いあり」とのことで生検も一緒にされました。この時すでに患者さんはクローン病らしき症状を自覚していたのでインターネットで調べて松本漢方クリニックでクローン病の治療を受けた患者さんの闘病手記を読んで、当院で治療を受けることを決意されていたそうです。そして検査が終わり、1時間ほど休養したあと、松本漢方クリニックへ来院されたのです。
腎炎の患者さんの診断をする際にも、どんなタイプの腎炎かを見るために余計な腎生検をどこでもやります。腎臓は一度傷つくと必ず足細胞も傷つきますから、傷ついた足細胞は分裂できないので、絶対に腎生検をやってはならないのです。腎臓の足細胞を殺すことは、さらに元の腎炎を悪化させるだけなのです。腎炎については腎炎についてのコラムを読んでください。
2013年10月2日松本漢方クリニックに初受診。正直、松本理論や手記を読んでも半信半疑だったそうですが、それでも何とかして治したいとの思いで、松本漢方クリニックへ来院されてきました。初回は下痢止めと痔瘻を良くする2種類の漢方煎じ薬と、栄養補給のためのエレンタール、さらに免疫を上げるために毎日のお灸と週に数回の漢方風呂、通院時に鍼灸を受けてもらうように指導しました。当院で血液検査を受けてもらうとCRP7.8(正常値0.3以下)と高値で、血沈も高く総合的にみてクローン病と診断しました。のちに生検の結果ではクローン病の所見なしとのことでしたが、クローン病の症状が出ているのは明確だったため、患者さんはそのまま当院で治療を受けることを決めました。
クローン病の診断は、腸の生検により得られた細胞診によるものではないのです。それでは「このような彼の病気はなんという病名をつけるのですか?」と前の病院の先生に聞くべきです。もちろんその答えは「何も分からない」ということになるでしょうが。従って「クローン病よりもひどい難病です」と言われるのがオチでしょう。ワッハッハ!ましてや大腸は見ても小腸は見ていないはずですから、ますます局所的な細胞診は意味がないのです。もちろん炎症のある部分の組織と細胞を切除して顕微鏡で見たはずですから、必ず炎症があるのです。「その炎症の原因は何ですか?」と質問したら、病理学者は「分からない」というだけでしょう。実はクローン病と潰瘍性大腸炎を分けることが明確にできる特異性を示す細胞診断は何もないのです。病理学者によってCDと診断してみたり、UCと診断したり、異なることは日常茶飯事です。従ってますます腸管の生検は不必要なのです。
私の治療というのは要するに化学物質と共存するまで患者さんの免疫を上げることだけです。免疫を上げる治療は漢方薬と鍼灸と、さらに大事なことは心のあり方です。私がいつもCDやUCの患者さんに出会ってまず言うことは、「君の心が病気を作ったのだ」という言葉です。何年か前からの自分の生活をまず省みて、自分の生き方を変えなければならないとしつこく言い続けるのです。彼がこのような病気になったのも、自分の心のあり方を見ることが少なかったからであり、見なくても自由で楽しい生活を満喫していたのでしょう。自己中心的な若者ではないので、このような心のあり方が病気を作ったかについては無頓着だったかもしれません。
心というのは脳の働きです。脳の働きが免疫を抑えるステロイドホルモンの量を決めるものです。ステロイドを脳が出せという命令が少ない人ほど病気は少なくなり、幸せになれます。ステロイドを脳が出し続けなさいというストレスの多い生活をすると膠原病が起こり、不幸になり、かつガンにもなりやすくなります。免疫は下げることは簡単であります。ストレスをかけられればかけられるほど免疫は下がります。
それでは免疫を上げることはできるのでしょうか?ストレスをなくすことが免疫を上げていることになるでしょうか?違います。ただ免疫の働きが普通の正常な状態に戻るだけです。赤ちゃんにアトピーが非常に多くなりました。なぜでしょうか?赤ちゃんにストレスが多くなったからでしょうか?そうではありません。ストレスがないがゆえに膠原病にならずにアトピーになるだけです。つまり化学物質を異物として認識できる優れた遺伝子の多様性を持っているが故に、生まれてすぐにお母さんの母乳から入ってくる異物をIgEで排除しようとしているだけです。何も免疫が上がったからではないのです。ただ免疫が正しい仕事をしているだけであるのです。それでは漢方や鍼灸は本当に免疫を上げることができるのでしょうか?というテーマを書き続けていますから、そこを読んでください。
エレンタールも農薬を使って作られた、主に大豆から作られているので化学物質はたっぷり入っていますから、クローン病の原因物質である化学物質を入れこむことになります。しかしながら下痢が続くと、必ずタンパク質をはじめ他の脂質や電解質、さらに水分も体内から減っていき栄養不良になります。とりわけタンパク質のアルブミンは減ると、免疫の抗体もできにくくなり、かつ血液の膠質浸透圧も維持できなくなり、むくみが出たり、脱水症状が出やすくなるので、アルブミンの原料となるエレンタールを飲んでもらうのです。アルブミンは食事から摂取されたタンパク質から肝臓で作るのですが、このアルブミンはBリンパ球が抗体を作るためにも絶対に必要なアミノ酸を含んでいるので、その素材であるタンパク源のエレンタールを飲んでもらうのです。さらにアルブミンは組織から水を引く力があります。これを膠質浸透圧といいますが、減るとむくみがひどくなります。アルブミンはさらに様々な栄養素やホルモンを全身に運ぶ重要な仕事もあるので、原料であるタンパク質が必要となるのです。
その後、順調に快調していき、下痢は軽快して栄養状態も改善されました。しかしリバウンドにより、突き刺すような痛みの腹痛と1日5回の下痢と口腔に無数の潰瘍がでる口内炎が出てきてしまいました。その後も、39度の高熱と倦怠感が起こり、CRPは10.01まで上昇しました。これらは体内でヘルペスウイルスとの戦いから強烈なリバウンド症状が露呈して出てきたのです。抗ヘルペス剤と口内炎を良くする漢方煎じ薬を追加で処方したところ、効果はすぐに現れ、リバウンドを乗り越えることができました。
彼はまさに免疫を抑えることによって現代文明病の原因をふたつとも増やしていたのです。化学物質を体に溜め込み、ヘルペスウイルスを増やし続けていたのです。上記の症状をひとつひとつ説明していきましょう。彼は以前から口内炎を繰り返していたようですが、そのときの治療はケナログというステロイドを口内に塗っていたのです。ケナログというのは商品名ですが、一般名はトリアムシノロンというステロイドホルモンであります。このステロイドホルモンを使えば使うほど免疫は落ちて、アレルギーで化学物質を排除すべきであるのに、その働きも抑え、いわゆる抗体の逆クラススイッチをしていたのです。
逆クラススイッチという言葉も私が作った言葉でありますが、クラススイッチとはIgGを実際にIgEに変えることでありますが、いわゆる逆クラススイッチというのはIgGがIgEにならないことを言っているだけなのです。現代のアトピーやアレルギーの治療は全てステロイドで行われていますが、いわゆる逆クラススイッチをさせようとしているだけなのです。従ってアレルギーの治療で長期にわたってステロイドを使ってきた人がどんどん膠原病になっていくのです。言い換えるとアレルギーになるということは、正しいクラススイッチが行われ、さらに免疫寛容を起こす準備態勢ができている訳ですから、膠原病にならないという保証になっているのです。
さらにステロイドを使うことによって、とんでもない病気づくりに貢献していることになるのです。それは免疫を抑えることによって、知らず知らずのうちにあらゆる神経にヘルペスを増殖させてしまっているという罪を犯していることです。このような罪を犯しているステロイドが、なぜ1950年のステロイド合成に対するノーベル賞の受賞以来、許されているのか全く理解できません。ステロイドこそが病気造りの大真犯人であるにもかかわらず、世界中の医学者の誰一人として抗議しないのです。本当に残念です。
つまり彼は自分自身のステロイドホルモンやケナログでヘルペスウイルスをたっぷり増やしてしまっていたのです。このヘルペスとの戦いがものすごい戦いとなるのです。もちろん言うまでもなく、アスピリンやバファリンやロキソニンやボルタレンなどの痛み止めや解熱剤も全て免疫抑制剤ですから、その間にヘルペスがどんどん増えていることも付け加えておきましょう。さらに高血圧の人に、動脈硬化を防ぐということで少量のバファリンを飲まされている人が多いですが、彼らも少しずつ少しずつヘルペスが増え続けていることを知らされていないのです。残念です。ヘルペスについての詳しい説明はヘルペスのコラムを読んでください。
次に39度を超える高熱がどのようにして生じたか説明しましょう。既に発熱のメカニズムについて書いたことがありますが、もう一度復習のために書きます。発熱を命令する主なサイトカインはインターロイキン1(IL-1)とインターロイキン6(IL-6)であります。このインターロイキン1(IL-1)とインターロイキン6(IL-6)を内因性発熱物質といいます。大食細胞が産生する代表的なサイトカインがインターロイキン1(IL-1)とインターロイキン6(IL-6)であります。さらに先ほどTNF-αは大食細胞が作ると書きました。このTNF-αも発熱物質となるのです。このような内因性発熱物質は血液脳関門を通過し、脳の細胞の膜にあるアラキドン酸からプロスタグランディンを作り、このプロスタグランディンが脳の視床下部の体温調節中枢に働いて体温を高くさせ、免疫機能を高めるのです。
化学物質であるハプテンとキャリアタンパクと結びついた複合体を大食細胞が食べると、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン6(IL-6)、TNF-αなどの内因性発熱物質をどんどん出していくと、ときには40度にまで上がることがあります。高熱を出しながら免疫を高めているのです。発熱死という病死はないので、何も心配することはないのですが、子供のときから医者たちが「熱は怖い」と言いまくるものですから、一般大衆は熱が出ると恐怖に駆られてしまうのです。もちろん化学物質との戦いによる発熱は怖くないのですが、感染による場合は必ず抗生物質を飲む必要があるのです。いずれの場合も熱を下げる薬は絶対に飲んではならないのです!必ず高熱が出れば、私の携帯電話に電話をかけてくれるように番号あらかじめ教えてあげておくのです。解熱剤でどれだけ多くの人たちが訳の分からない病気で死んでいったのかを思うと、悲しくてなりません。ちなみにヘルペスとの戦いで熱が出るのは、カポジー水痘様発疹の場合だけです。単に口内炎で起こることは滅多にありません。37度2〜3分ぐらい高くなることはよくあります。
「なぜ漢方薬は免疫を上げるのか?」というテーマのコラムで、漢方医学史を中国医学上の漢方医を通じて紐解いたコラムがあります。天才たちが作り上げた漢方処方は、何万種類もあります。中国の漢方薬のみならず、韓国や日本の漢方薬を支えた天才たちがさらに多くの漢方薬の処方をあみだしました。
少し韓国漢方について述べておきましょう。韓国の東洋医学の最高峰に位置する『東医宝鑑』を編集した「許浚(きょしゅん)」という漢方医の一生を描いた「ホジュン(許浚の韓国読み)」というテレビ映画が日本でも一時期人気になったことを覚えておられますか?韓流テレビ映画の走りだったのです。この『東医宝鑑』は、1613年に500年続いた朝鮮王朝のその当時の国王である「光海君」の命によって漢方医の許浚(きょしゅん)が作りました。この本によって中国医学の流れを汲む朝鮮医学が統合されると同時に、韓国における独自の漢方医学が確立されたのであります。
この『東医宝鑑』は、韓国内のみならず、日本や中国でも西洋医学が導入されるまでの400年もの間、漢方医学の聖典として珍重されてきました。台湾においても、張仲景の書いた『傷寒論』よりも、許浚が書いたこの『東医宝鑑』が漢方医学書として、まるで中国の書物であるかのようにもてはやされてきたのです。日本では1724年に、この『東医宝鑑』が漢文のまま発行されたほどでした。漢方医学の本場の中国でも、清の時代の1766年に発刊されました。現代でも中国や香港や韓国では中医学コースと西洋医学コースに別れており、医師の資格が異なります。しかしながら西洋医学に進む医学生がはるかに多いのです。中国医学の発祥の地である中国人自身が、私のレベルまで免疫を抑えない漢方生薬や鍼灸の本質的な中国医学の良さを理解している中国や韓国や香港の医者はいないようです。残念ですが。アッハッハ!日本の医学部では、漢方科の授業はほとんど行われていません。薬学部で生薬学として勉強される程度でありますが、韓国や香港では医学部に漢方医学コースがあり、そこでは『傷寒論』をはじめ、『東医宝鑑』もテキストの一部として使われているようです。
この韓国漢方医学の最高峰である『東医宝鑑』に掲載されている処方も、何千種類あるのです。この『東医宝鑑』には、外科疾患、運動器疾患、皮膚疾患、耳鼻咽喉科疾患、眼科疾患、産婦人科疾患、小児科疾患、神経科疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、血液疾患、伝染病疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、代謝疾患をはじめとする、現代にもみられる全ての病気に対する漢方処方が網羅されております。
人間の病気というのは、感染症で始まり感染症で終わるのです。現代のように衛生状態が良くなったので感染症の感染源が全くなくなり、かつあらゆるウイルスや細菌が引き起こす重篤な感染症に対してはワクチンが開発され、しかもこれらの細菌による感染症が起こっても、優れた抗生物質が作られているので感染症で死ぬことはなくなったので、結論として病気は終わってしまったといってもよいほどです。
別のコラムで書いたのですが、魏の国の皇帝の曹操が、魏の国を作った後に、長年にわたって頭が痺れたり目眩がするという病気で苦しんでいたのですが、これはヘルペスによるメニエールであり、かつヘルペス性脳血管神経炎であったのです。中国の外科の元祖であるといわれるかの有名な華佗が鍼を曹操にしてあげると、即座に治ったという話はご存知ですね。現在もメニエールや頭痛で悩んでいる患者が多いのですが、これも言わずと知れたヘルペスが原因であるのですが、この病気で死ぬことは絶対にないのです。従って最後に残った死なないが一生不愉快さをもたらす感染症はヘルペスだけとなったのですが、世界の医学会は全ての人間のあらゆる神経に住みついているヘルペスが最後の病気の原因であるということを認めようとしないだけです。もちろん曹操の時代にも、ヘルペスは頭痛やメニエールを起こしただけではなくて、口内炎もいくらでもありました。それに対しては既に様々な処方ができていたのです。中国医学は素晴らしいでしょう。
中国漢方や韓国漢方や日本漢方の過去に物された漢方医学の書籍をくまなく調べていけば、あらゆる症状に対して対応できるいくつかの漢方処方を見つけることができるのです。1798年のジェンナーによる天然痘のワクチンから始まる西洋医学の勃興から19〜20世紀までは、口内炎の原因がヘルペス(ときにはカビであるカンジダが原因であることもあるのですが)であるなどとは知られていなかったのですが、現代医学では病気の原因は全て分かってしまったのです。昔の漢方医は原因も知らずして、ただ漢方を使っていただけなのでありますが、実はそれが人間の免疫を上げて自然に治していたことも知らなかったのです。とにかく何とかして漢方生薬と鍼灸だけを用いて患者の病気を治そうとしただけで、結果的には患者の免疫を上げることによって治るべき病気は患者に治させていたのです。
現代の医療では口腔内の痛みに対してはケナログというステロイドを塗布されたり痛み止めを投与されるだけで、一時的に痛みは止まるのですが、その間ヘルペスウイルスが大量に増殖してしまっているので、再び免疫が回復するとはじめよりも増殖したヘルペスとの戦いが神経で再開され、一生治らない痛みとして残ってしまうのです。どこの病院へ行っても原因が分からないとシラを切られて、最後はさらにステロイドや強い痛み止めを出されるだけの悪循環を続けるだけなのです。残念です。こうしてますます重篤な痛みで苦しむ患者が増え続けるのです。残念ですね。
私はあらゆる痛みに対して用いる処方は、抗生物質か抗ヘルペス剤か漢方生薬や鍼灸しか使わないのです。これだけであらゆる痛みに対して対処できるのですが、医者の用いたステロイドや、患者自身がストレスに対抗するために大量に増やし続けた自分自身のステロイドホルモンのために、こっそり増殖したヘルペスが多すぎると、ときには難しい局面に出会うことがありますが、漢方生薬を用い、同時に頻回に鍼灸をすることによって乗り切ることができるのです。この病気の代表が線維筋痛症という病気であり、この病気を診断された後に5年も10年も他の医者にかかり続けた患者さんは、ステロイドや痛み止めを止めさせると、そのリバウンドの痛みたるや筆舌に尽くせないぐたいです。この線維筋痛症の原因は謎であり原因不明だと大学の教授先生方は言い続けていますが、ヘルペスなのです。一介の開業医である私が言い切っても権威や権力が認めてくれない限りは白は黒となり続けます。残念です。免疫を抑える薬を続ける限りは病気が治らないことは大学医学部の教授先生方は全て知っているのですが、資本主義的運営を続けるためには最後に残された病気の原因がヘルペスであると口に出して言えないのです。本当にこの世の中はどうなってんの!と言ったところで仕方がないか。悲しいねぇ〜。
この21世紀の文明の世には、免疫が敗北し死んでしまうような病気の原因はなくなりました。痛みで死ぬことはないので、もちろん様々な不都合や不愉快さは伴うでしょうが、免疫を上げ続ければ、さらに患者自身が耐えしのんでくれれば、痛みもいずれは消えてしまうのです。もちろんその不都合さや不愉快さにどれだけ耐え続けられるかは患者自身の問題であります。
その後、顔にアレルギー症状が出てきたので口内炎の漢方煎じ薬をやめて、クラススイッチを起こしやすくしてアトピーになりやすくする漢方煎じ薬に変えました。
まさに私の理論通りに免疫は自分自身で正しい治療を進行させてくれます。膠原病であるクローン病がアトピーに変わることを、免疫の抗体レベルで「クラススイッチが起こった」といいます。このクラススイッチの遺伝子を去年の文化勲章受賞者でいらっしゃる京大の名誉教授の本庶佑先生が見つけられたのにもかかわらず、アレルギーと膠原病は同じ敵である化学物質を抗体を変えて戦っていることを明らかにされないことは極めて残念です。
つまりアレルギーはIgE抗体で戦い、膠原病はIgG抗体で戦っているということを、なぜ医学会で発表されないのかが理解できません。膠原病で用いられるBリンパ球が作るIgGが、抗体のクラススイッチによって、IgEを作る遺伝子をBリンパ球の細胞に世界で初めて見つけられたのは、まさに本庶佑先生ご自身でいらっしゃるのです。彼のような本当に偉い先生が「アレルギーと膠原病は同じ病気である」と医学会で発表されたならば、自己免疫疾患などはないということが世界中に知られるのに、残念で残念でたまりません。
だってアレルギーの原因は、既に世界中の人が全て知っているからです。一方、膠原病の原因は分からないと言い続け、挙げ句の果てに「自分の免疫が自分の組織を攻撃している」という自己免疫疾患という病気をねつ造し続けて、アレルギー疾患と自己免疫疾患は別のものであると言い張っているのが世界の医学会の学者先生たちであります。悲しいことです。ちなみにこのIgEを見つけられたのも、ノーベル賞候補にあがったことがある日本の医学者の石坂公成先生であることも付け加えておきましょう。石坂先生も膠原病とアレルギーは同じ病気あるということを一言も口にされていませんが、これも残念でたまりません。自己免疫疾患はないというコラムを読んでください。
ついでにクラススイッチの意味をもっと分かりやすく話してあげましょう。極めて簡単な話なのです。皆さんはハウスダストに含まれている化学物質に対する特異的なアレルギー抗体であるIgEについては耳ダコでしょう。膠原病を起こすハウスダスト含まれる化学物質に対する特異的IgG抗体があるのです。検査しようと思えばすぐにこのIgG抗体の存在と量をも簡単に計れるのです。さらにもう一例を挙げれば、スギが運ぶPM2.5に対するIgE抗体の他に、スギが運ぶPM2.5に対するIgG抗体もあり、両者とも簡単にその存在と量を確定できるのです。こんな明々白々な真実を世界中のどの医学者も誰も口にしないのです。
ところが人間の免疫の遺伝子はこの真実を知っているので、免疫を抑えない限りIgGからIgEに簡単にクラススイッチして、最後は自然後天的免疫寛容を起こして化学物質と共存できる真実を知っているのです。ですから自己免疫疾患といわれるクローン病の患者は、漢方や鍼灸で免疫を上げ続ければ、すべからく必ずクラススイッチを行い、必ず痛みがアレルギーの痒みに変わって行くのです。皆さん、こんな簡単な真実が白昼堂々と否定されているのです。憤りを感じませんか?私だけが知っている話では全くないのです。真実を隠蔽する世界が医学会の学者の世界というものです。悲しいことですよね。と同時に恐ろしいことではないでしょうか?残念ですね。大事なことをここで付け加えたいのです。私の漢方や鍼灸がいかに免疫を元に戻そうとしても、患者本人の心がストレスを処理する心がけがない限りは絶対に治らないことも知っておいてください。私が病気を治すのではなくて、患者さんの免疫が治すのです。
クラススイッチをしやすくしてアトピーになりやすくする補中益気湯という漢方に変えましたが、元来、補中益気湯は病後に飲む最高の漢方として珍重されてきました。なぜ私がこの補中益気湯を使うようになったのでしょうか?それはステロイドをはじめ、あらゆる免疫抑制剤が人工的遺伝子病を作ってしまったためです。つまり医原病を作ってしまったのです。この医原病によって細胞の遺伝子が変えられてしまい、何とか元の正常な細胞に戻して下さいと叫んでいるのです。この叫びに気がついた患者さんたちが松本漢方クリニックを訪ねてこられるのです。この傷ついた病を起こしてしまった細胞を再生するために補中益気湯を使うようになったのです。
異物が人体に入った時の正しい免疫の戦いを始めるためには、その敵を処理するために必ずその敵に対応した様々なタンパク質を作る必要があるのです。膠原病やアレルギーの場合は化学物質という異物であります。この化学物質を処理するために、免疫のタンパク質という軍隊を作る必要があるのです。その免疫のタンパク質を作るためには、「そのタンパク質を作れ」と命令する遺伝子がONになる必要があります。これを「転写因子の遺伝子が発動された」といいます。ちょうど敵の飛行機がくれば、それを知らせるサイレンのスイッチをONに入れるのと同じです。なぜ転写因子というかというと、遺伝子はDNAという設計図で成り立っているだけですから、その設計図を実行し軍隊を作り動員する必要があります。そのためには実際に敵と戦う軍隊、つまり免疫のタンパク質を作らせる必要があります。
次にその必要な設計図をそのタンパク質を作ることができる工場まで運ばせる必要があります。それがメッセンジャーRNA(mRNA)であります。このmRNAにDNAの情報を渡す必要があります。情報を渡すことを専門用語で「転写」といいます。どのように転写されるかという話は難しすぎてここでは語り尽くせません。転写調節因子といわれるプロモーター、エンハンサー、TATAボックス、DNAポリメラーゼ、シスエレメント、トランスエレメント、アクティベーター、リプレッサー、コアクティベーター、コリプレッサー、基本転写因子など…思い浮かべて書き並べるだけでも、DNAにタンパク質を作らせるための諸段階の転写の仕事がいかに複雑なものであるかがお分かりになるでしょう。しかもこれだけ進んだ現代医学でも、いまだ転写のメカニズムの全てを完全には解明していないのです。にもかかわらず現代の医療は遺伝子を無理やり変える研究をやって病気を作り続けるだけなのです。遺伝子の働きを止めることほど簡単なことはないのです。ステロイドを入れれば、瞬時にして転写因子が一切働かなくなってしまうからです。ステロイドを使って一時的に免疫の遺伝子のONをOFFに変えて炎症をなくしても必ず元のONに戻ろうとするリバウンドが起こることと同じなのです。ステロイドで炎症をとっても、炎症を永遠に除去することはできないのです。それは炎症細胞がONからOFFに無理矢理ステロイドで変えられても必ずONに戻ってしまうからです。
漢方生薬は実は薬と言うべきものではありません。漢方生薬は農産品なのです。農産物を作るのには米と同じことで1年かかります。従って薬草である漢方生薬は、栄養素のみならず、その栄養素から植物自身が自分の身を守るために作った免疫成分がたっぷり入っています。薬草は医食同源といわれますが、実は医食同源+αであります。この+αが免疫向上成分であります。この両者を兼ね備えた料理が薬膳料理であるのです。薬膳料理は高いうえに美味しくないので人気はありませんが、実は最高級の食べ物といえます。この農産物である薬草は、今も昔も中国から輸入されています。実際的には100%中国から輸入されているといっても過言ではありません。中国が日本を超えて第2位の経済大国になってしまいました。中国政府も漢方薬の良さが分かり、かつ中国人の生活が豊かになるにつれて、中国内での漢方薬の消費量がうなぎ登りになっており、かつ西欧でも使われ始めたので漢方の輸出先は日本だけではなく世界中に拡大していますから、日本への輸入量が減少しています。日本政府もこのことに気づき、日本国内でも漢方生薬を作らせる努力をし始めました。
こんな努力は実はあえてする必要はないのです。なぜならば現在の漢方生薬はエキスも含めて無駄に使われているので、無駄な漢方薬の使用を止めるだけで漢方薬は充分すぎるほど日本にあるのです。その意味は一体何かについて説明しましょう。
漢方薬だけが免疫を上げるのにもかかわらず、同時に免疫を抑える製薬メーカーが作る、いわゆる西洋薬が使われています。こんな漢方薬と西洋薬の同時使用は全く意味がないのです。これをやめさせるだけでも、日本の漢方薬の原料は充分に余るぐらいです。本当に患者の病気を患者自身に治させたい医者ならば、漢方薬を使う以上は、絶対に免疫を抑える西洋薬は使わないはずなのです。いや使ってはならないのです。使ってよい西洋薬は、ワクチンと抗生物質と抗ヘルペス剤だけであり、製薬メーカーが作る薬の中でこの3つだけが免疫をヘルプできるのです。病気を治すために医療があるのですが、病気を作るために漢方薬と西洋薬が同時に使われているのが残念でなりません。それではどうして免疫を上げる漢方薬と免疫を下げる西洋薬を同時に使ってはならないかをもっと詳しく説明しましょう。その答えをズバリ答えてあげましょう。
免疫を抑えるという西洋薬は実際にどのようにして免疫を抑えているのでしょうか?さきほど転写因子の話をしましたね。敵が人体に入ったら、その敵をやっつけるために、敵の情報を遺伝子に伝えることによって、様々なタンパク質ができると言いましたよね。例えば熱が出たとします。この熱はどうして出るのでしょうか?インターロイキン1(IL-1)やインターロイキン6(IL-6)のような熱を出させるサイトカインが人体の様々な細胞が作ります。このIL-1やIL-6が様々な細胞のレセプターにひっつきます。とりわけ視床下部にある温熱中枢の神経細胞に結びつくと、その情報が神経細胞の核の遺伝子に伝わり、プロスタグランディンという生理活性物質を作らせます。このときに西洋薬の解熱剤を使えばどうなるでしょうか?この解熱剤は、上に述べたIL-1やIL-6の仕事をさせないのです。これらのサイトカインが結びつく細胞の受け皿をレセプターといいます。このレセプターにバファリンやロキソニンなどの薬が先に引っ付いてしまうと、熱を出させる情報が核の中にある遺伝子に伝わらなくなって熱が出なくなるのです。つまりこのようなレセプターにひっついて本来の敵をやっつける仕事をさせなくする薬をアンタゴニストといいます。この意味で全ての免疫を抑える薬はアンタゴニスト(拮抗剤)といいます。なぜ拮抗剤といわれるかというと、遺伝子の働きに敵対するからです。世界中の製薬メーカーは99%このアンタゴニストを日夜作り続けているだけなのです。
一方、漢方生薬の成分は何をするのでしょうか?西洋医学とはまるで反対の仕事をします。漢方煎じ薬の様々な成分が、敵が入ってきた時の熱を出させる様々な細胞のレセプターに結びついて、IL-1やIL-6などのサイトカインやプロスタグランディンなどのタンパク質をもっと作れと命令するのです。さらにこの敵が入ってきたという情報を、熱を上げるのに関わる様々な細胞のレセプターに結びついて、もっと熱を出させろと細胞に命令するのです。このような漢方生薬の成分の働きをアゴニストといいます。これを日本語では作動薬といいます。どうして作動薬と名付けられたのでしょうか?人間の免疫の働きの通りに作動するという意味でつけられたのです。もっと詳しく言えば、免疫の遺伝子をONにして作動させるという意味で名付けられたのです。残念ながら、免疫の遺伝子をOFFにしてしまうアンタゴニストの西洋新薬は金儲けのために徹底的に研究され続けています。それに反して、私たち同じDNAを持っている薬草の作動薬としての研究はほとんどされていないのです。なぜかというと、農産品である薬草によって全ての病気が治ってしまう恐れがあるからです。農産品は農業によって作られていますが、農業でお金が儲かる訳ではありません。だからこそ私たちは120万所帯程度の農民に対して、毎年一人一人の国民が25000円の農業を支える負担金を払っています。その合計は二千数百億円の巨大な額であります。それだけではありません。免疫を助ける漢方薬で病気が治ってしまうと、今度は医者が飯を食えなくなってしまいます。
皆さん、英語でアンタゴニスティックという言葉をご存知ですか?このアンタゴニスティックという言葉の訳は敵対的であります。何に敵対的なのでしょうか?まさに人間の免疫の遺伝子に対して敵対的であるのです。神なる遺伝子に敵対的であり続けてどうして病気が治りますか?逆に人間の命を守る免疫の遺伝子が傷つくばかりです。
2013年6月12日に116歳で死去した世界長寿ナンバーワンであった木村次郎右衛門さんの長寿の秘訣は何だったかご存知ですか?ただ一言「食べ過ぎない」ということです。食欲をコントロールできる人は、おそらく全ての欲望をコントロールでき、健康を維持できる遺伝子だけを発現させることができるのでしょう。食欲をコントロールすれば、強欲もないということですし、過量な食事を摂らない限りは糖尿病にもならないし、高脂血症にもならないし、肥満にもならないので成人病が生まれるはずがないのです。さらに欲のない人はストレスホルモンを出しすぎて免疫の遺伝子のみならず、全ての遺伝子の発現を無理矢理OFFにすることもなかったので、膠原病にもならないし、かつ免疫が落ちることがないのでガンにもならなかったのでしょう。だからこそ木村次郎右衛門さんは116歳まで長生きできたのです。もちろん生まれつき長生きできる遺伝子をお持ちだったことでしょうが、これは遺伝子の多様性ですから仕方がありません。ちなみに116歳というのは、2013年のギネスブックの世界長寿ナンバーワンであったのみならず、人類史の中で世界一であったことが保証されています。常々私も彼の生き方を見習いたいと思って努力しています。
大病院で「クローン病は絶対に治らない」と教育されているものですから、私のように吹けば飛ぶような医院の院長がどれだけ一生懸命「患者の免疫が一番大事である」とか、「免疫を抑えると病気が治らない」と絶叫したところで半信半疑であるのは当然です。特に私のホームページを読んでおられなかったと思われるお母さんの顔つきは、まさに疑心暗鬼の顔つきでした。しかし苦しいリバウンドを乗り越え、徐々にご子息の自覚症状がとれ、採血のデータがよくなるにつれて、お母さんの顔つきも少しずつ私に対する信頼の顔つきに変わっていきました。
半年と少しが経過後、患者さんは元気よく就労されております。しかしながら100%彼の真面目すぎる他人志向型の生き方が膠原病、つまり巷にいわれる難病である自己免疫疾患のひとつであるクローン病になったわけですから、心のあり方が変わらない限りは、再び同じ状況が起こりえるのです。この真実は全てのクローン病や潰瘍性大腸炎の患者さんに伝えておきたいメッセージであります。
とりわけ若い患者さんが多い自己免疫疾患といわれる病気のひとつですが、実はこの病気の端緒は、患者自身がストレスでステロイドホルモンを出しすぎて免疫を抑えたために、自分で作った病気であるということを知ってもらいたいのです。天然の産物が全て放逐され、人工化学物質で都市文明が作られている21世紀においては、この化学物質から逃れることは不可能です。しかしこの化学物質とは最後は自分の免疫の発現により共存できるのです。クローン病をアトピー(アレルギー)に変えて、最後は自然後天的免疫寛容を起こして共存できるのです。こんな簡単な真実を私が見つけたのでノーベル賞をもらってもいい(???)と思いますが、誰も推挙してくれません。しかし私との出会いによって、若い人が希望ある人生を取り戻してくれることが私のノーベル賞です。毎日毎日私はノーベル賞をもらい続けています。患者の皆さん、ありがとうございます。ワッハッハッハ!本当のノーベル賞は、患者さん自身の免疫の遺伝子に対して授与されるべきなのですが。アッハッハ!