アレルギー反応に分類されるタイプがⅠ~Ⅳ型がありますが、ひとつひとつについてその意味について解説しましょう。
Ⅰ型のアレルギーは、即時型アレルギーで、IgE型といわれるものであり、ときに液性型アレルギーともいわれます。アトピーや花粉症や喘息が含まれることはご存じでしょう。これらの原因は進化の中で免疫が確立した時代には全く無かった化学物質が大量に入ってきたためであり、それを免疫が異物として認識し、それを排除しようとするのも当たり前のことなのです。免疫は初めて認識した異物に対して必ず反応するからであります。しかしながらⅠ型アレルギーも私が臨床で見つけ、亡くなられた東大教授である多田富雄によって見つけられた自然後天的免疫寛容により共存できるように、免疫のシステムが治してくれます。この病気を治すこともできるのは世界でただ一人私だけなのもご存じでしょう。なぜならば、私は人体の免疫を手助けすることはあっても、絶対に免疫を抑制する薬を使わないからです。実は私が治すのではなくて、患者の免疫が治しているだけなのです。
Ⅱ型のアレルギーは、血小板減少症(ITP)などを引き起こす病気などであり、クロスリアクションといって、ウイルスなどに感染したときに作られた抗体がたまたま血小板の膜の抗原とひっつくことがあって、これらを大食細胞やNK細胞やキラーT細胞などに食べられてしまうので、血小板が減るだけであります。ウイルスが排除されれば、自然に血小板は自然に正常に戻ってくるのです。いつまでもITPが続くのは、ヘルペスウイルスがいつまでも体内に潜み、ヘルペスウイルスに対して抗体が作られ続けられるからです。とりわけ単純ヘルペスⅠ型とⅡ型、水痘帯状ヘルペス、サイトメガロウイルス、EBウイルスに対して、いつまでも作られる抗体が、血小板とクロスリアクションし続けるからだと考えています。これも実を言えば医原病といえます。現代の医療は全てステロイドをはじめとする免疫を抑制する薬を投与することで満足しているために、免疫が落ちている間にヘルペスウイルスが増殖し、人体はヘルペス天国と化しているからです。おまけにこのITPの治療はステロイドでありますから、さらにヘルペスウイルスを増やしてITPを治せなくしているのも、とんでもない医原病の一つであります。
Ⅲ型のアレルギーは、いわゆる血清病といわれる病気で、他の動物の血清を入れるなどというのは本来自然の状態では絶対起こりえないことであり、結局は他の動物のタンパクを治療と称して人間が人体に入れたためにそれを排除しようとする反応は全く正しい反応なのです。これは、いわゆる抗原抗体複合病ともいわれるように、自然に人体に入ってきた細菌が、とりわけ連鎖球菌が主でありますが、この連鎖球菌などを完璧に抗体の力を借りても殺せないときに、血流に乗った連鎖球菌の断片と連鎖球菌に対する抗体が複合体を作り、様々な臓器の毛細血管の結合組織に付着し、その複合体に補体などがさらに付加されて、それらを好中球、NK細胞、キラーT細胞などが激しく貪食しようとして、ますます炎症症状が生じ、組織が破壊されて腎炎などを起こしてしまうのです。これも免疫の働きが問題にされるべきではなくて、連鎖球菌が免疫の力よりも強いからだと考えるべきなのです。ここでも敵が強くて免疫が弱いために生じているにもかかわらず、やはり腎炎の治療もステロイドですから、さらに医学は罪を重ね、新たなる深刻な医原病を作り出しているといえます。
最後のⅣ型のアレルギーは、遅延型アレルギーといわれるものであり、ときにT細胞型アレルギーといわれるものであります。その代表が結核であると言われていますが、これも免疫がいたずらをしているのではなくて、結核菌やライ病を生み出すレプラ菌が免疫に負けないほどずる賢いからです。簡単に言うと、これらの菌は貪食細胞である好中球や大食細胞のファゴゾームという袋に食われて、大食細胞の細胞質に入っても、ライソゾームという結核菌を溶かす酵素が大量に含まれている袋に取り込まれることができないので、いつまでも殺し溶かされることがないからです。これを免疫の過剰反応の中に入れるのは全くもって大間違いです。大食細胞は一生懸命、敵である結核菌を食いこんでいるのですが、相手が狡猾で自分よりも力があり過ぎるのです。免疫が落ちれば落ちるほど大食細胞の働きが弱くなり、ますます結核菌が大食細胞の中で増殖し続け、いつのまにか結核病巣が広く深くなっていくのです。このような実態を知れば、どうしてクームスとゲルが結核を第Ⅳ型のアレルギーに入れたのかが全く理解できません。50~60年前にクームスとゲルが4つのアレルギーを決めたのですが、その時代はまだ免疫学が今ほど極められていなかったので、いたしかたないことだったのでしょう。
以上、4つのアレルギーについて簡単に説明しましたが、免疫は正しい戦いをしているだけであり、何も一切過剰なことや悪いことはしていないのです。にもかかわらず、医学者は自分たちの無力を誤魔化すために人体を守る命の泉である免疫に責任を転嫁しているのみならず、冤罪まで犯しているのです。これらの間違いの根源は、人間の免疫を超える強い敵が現在でもいくらでもいることに気がつかないからです。人間が万物の霊長であるという傲慢さがもたらす誤りです。
なぜこんな簡単な真実がわからなかったのでしょうか?答えは簡単です。結局は免疫を上げる薬は製薬メーカーや薬学者が如何に頑張っても作ることができないからです。しかも敵を排除するという薬も、抗生物質以外は永遠に作れないどころか、作って儲けられるのは免疫を抑制する薬だけですから、自分たちの免疫抑制剤を正当化するためには“免疫が悪い”と思わせることが必要であったからです。真実よりも欲を満たすことを学問だと知らぬ間に思い込んだからです。この過ちは100年以上も続いていますから、今さら間違いを認めることは、過去の罪を問われることになるために隠蔽を続けているだけなのです。
無限も無限の時間である38億年の進化によって作り上げられた免疫は絶対に正しいのです。免疫は心や頭脳と違って絶対に嘘をつかないのです。心や頭脳は欲望を最大限に満たすために嘘をつき続けますが、免疫は絶対的に完璧な唯我独尊の神の道なのです。これを金儲けのために傷つけ続けている医学者を許すことはできません。免疫を抑制することを許されるのは生死に関わるときだけなのです。死んでしまえば免疫のクラススイッチも、自然後天的免疫寛容も起こりえないからです。