ガン リウマチ性多発筋痛症・線維筋痛症 症例報告

リウマチ性多発筋痛症完治の研究報告Part14-②(コメントあり)更新2022.3.23

投稿日:2022年3月23日 更新日:

前回の続きです。こちらが「リウマチ性多発筋痛症完治の研究報告Part14-①(コメントあり)」と前回分となります。まだ読まれたいない方は是非是非読んで下さい!!

リウマトレックス.とはどんなくすりでしょうか? リウマトレックスは関節リウマチ治療薬として世界で最も多くの患者さんに使用されている最も標準的な抗リウマチ薬で、ほとんどの関節リウマチの患者さんに投与されています。 抗リウマチ薬の中では群を抜いて継続率が高い薬ですが、これは有効性、副作用、コストのバランスが良く取れていることを意味しており、高い効果を示す一方で副作用はコントロールしやすく、薬剤費は比較的安価です。また効果の発現が早いことも特徴です。

エンドキサンとは何でしょう。エンドキサンの一般名はシクロホスファミド水和物です。シクロホスファミドはアルキル化剤です。アルキル化薬の作用機序は下の図しめしました。アルキル化(alkylation)とは、一般には置換反応または付加反応により化合物にアルキル基を導入する化学反応の総称である 。広義には反応形式としてアルキル基が置換される反応も含める。アルキル基とはアルカン(メタン系炭化水素)から水素原子一個を除いた残りの原子団の総称。 略号は R- です。アルキル基の例としてよく知られているメチル基・エチル基などがあります。

アルキル化薬は第一次世界大戦中に化学兵器として使用されたマスタードガスの構造に由来しています。アルキル化剤の起源は毒ガスです。毒ガスの作用に白血球を減少させる作用が見つかり、白血球と同じように増殖速度の早いがん細胞に対しても使用できるのではという考えから抗がん剤として応用されるようになりました。癌細胞に対する毒性に着目して使用され、最も早くから使われてきた抗がん剤です。世界初の抗がん剤としてナイトロジェンマスタードが使用されましたが、この物質の構造を少し変えて副作用を抑えた物質としてシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)が開発されました。

DNAに炭化水素であるアルキル基を結合させるとアルキル化され、DNA複製が傷害され、DNA複製が不可能となり癌細胞が死んでしまいます。癌細胞のDNAの中にアルキル基という塊を入れることで、DNAの構造を変化させ、細胞の増殖を抑えて、細胞死を起こさせます。肺がん、乳がんなどの固形がんから血液がん(白血病)に至るまで、幅広いがんに対して使用されます。がんの治療に用いられる抗がん剤としてシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)が使用されます。シクロホスファミドはアルキル化剤と呼ばれる種類の薬になります。

 シクロホスファミド(商品名:エンドキサン)の作用機序を更に詳しく説明しましょう。エンドキサンの正常な細胞に逆に変異が起こることがあり、がん細胞へと変貌してしまうことがあります。これが抗がん剤の副作用の一つで抗がん剤は新たなる癌を作ってしまうから抗ガン剤を使わない人も出てくるのです。主な副作用としては、骨髄抑制や悪心・嘔吐、発熱、脱毛、出血性膀胱炎などがあります。女性では無月経、男性では精子生産の停止が起こることもあります。

癌細胞も元々は正常細胞であるため、正常細胞とがん細胞の違いはわずかしかありません。そのため、がんの治療は難しいのです。がん細胞は無限増殖を繰り返すことで増えていき、正常な細胞が増殖できなくなります。ただ、正常な細胞はがん細胞のように無秩序な増殖は行いません。正常な細胞が増殖を行うときや、組織の傷を修復するなどの必要な時にしか細胞増殖は行われません。

このように、がん細胞と正常細胞には「増殖速度が異なる」という違いがあります。そこで、細胞の増殖速度の早い癌細胞だけを狙うことができれば、がん細胞は細胞分裂を止めることができます。癌細胞が分裂するとき、癌細胞の生命情報が刻まれているDNAを複製する必要があるので、癌のDNA合成を阻害すれば、癌細胞の増殖を抑えることができます。そこで、DNA合成を阻害することで細胞増殖を抑制し、がん細胞の増殖を止める薬としてシクロホスファミド(商品名:エンドキサン)が開発されました。シクロホスファミド(商品名:エンドキサン)はすでに述べたようにアルキル化剤と呼ばれており、DNAに結合します。上の図で示したようにシクロホスファミドは橋のようにまたがってDNAと結合することから、この形を専門用語で架橋構造(かきょうこうぞう)と呼びます。これによって癌細胞のDNAが複製できなくなり、がん細胞の増殖を抑制できるようになります。 

ただ、正常細胞の中でも増殖速度の早い細胞は存在します。例えば、毎日毎日、増殖を繰り返す髪の毛の細胞や精子を作る生殖器細胞、骨髄細胞などです。がん細胞と同様にこれらの細胞は細胞分裂の周期が速く活発であり、分裂のたびにシクロホスファミド(エンドキサン)がDNAを架橋してしまいDNAの複製ができなくなってこれらの正常な細胞が死んでしまうという副作用が出るのです。

現在、世界中で最もよく用いられている抗がん剤の一つがシクロホスファミド(エンドキサン)で、40年以上前に開発されました。小細胞肺がんに対するCAV療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン)や悪性リンパ腫に対するCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)などの中心薬剤として使われるほか、単独で用いられることもあります。

適応となるがん多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、白血病、乳がん、肺がん、子宮・卵巣がん、胃・膵臓・肝臓がんなどほとんどのがんの種類に用いられます。効果が穏やかなため多剤併用や大量療法で使われることが多く、併用療法のみのがんもあります。

小細胞肺がんに対するCAV療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン)や悪性リンパ腫に対するCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)などの併用療法で用いられるドキソルビシンやビンクリスチンなどの抗がん剤について勉強しましょう。

ドキソルビシン(アドリアシン)は抗がん性抗生物質呼ばれる種類の薬です。ドキソルビシン(商品名:アドリアシン)の作用機序は本来、抗生物質です。抗生物質とは、微生物が作り出した細菌を殺すための化学物質」のことで、感染症などの治療薬として抗生物質を使用しますが、この抗生物質が細菌の増殖を抑えたり殺したりすることによって感染症を治すことができます。抗生物質は「細菌に対しては毒であるが、人間に対しては毒とならない」という抗生物質の持つ性質のひとつである選択毒性を利用しています。ただ、「細菌に毒性を示す」と言うことは、このような微生物が生み出す化学物質である抗生物質の中にはヒトの細胞に対しても毒性を示すものがあります。この毒性を利用することでがん細胞を細胞死へと導くのです。 

がん細胞は細胞分裂が活発です。一方、増殖速度の速い髪の毛の細胞や精子を作る生殖器細胞、骨髄細胞など以外の正常細胞は細胞分裂をあまり行いません。細胞分裂によって増殖するためには、生命情報が刻まれているDNAを複製しなければいけません。そこで、DNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑えます。これはDNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑えるシクロホスファミド(エンドキサン)と同じ考え方で生まれた抗がん剤がドキソルビシン(アドリアシン)です。抗がん性抗生物質であるドキソルビシン(商品名:アドリアシン)は抗腫瘍性抗生物質と呼ばれることもあります。ただしドキソルビシンはDNAの間(塩基対間)に入り込むという性質がシクロホスファミドと異なります。DNAにドキソルビシンという異物が挿入されるため、DNAの複製ができなくなるのです。遺伝情報としてRNAもあるのですが、ドキソルビシンはRNAの合成を阻害する作用ももっています。 

 ドキソルビシン(商品名:アドリアシン)の特徴は、細菌の培養液からドキソルビシン(商品名:アドリアシン)が発見されました。優れた抗がん作用を有する薬であり、注射薬として使用されます。悪性リンパ腫、肺がん、消化器がん、乳がん、骨肉腫など、幅広いがんに対して利用される薬です。 

組織に吸着されやすい性質を有しており、癌細胞の組織の中に長時間留まることで効果を発揮します。 

細胞毒性と言われる正常な細胞が分裂できなくする毒性を有する薬であるため、必ず副作用が表れます。主な副作用としては、脱毛、白血球減少、悪心・嘔吐、食欲不振、口内炎、血小板減少、貧血・赤血球減少、心電図異常などがあります。 

このような特徴により、DNAやRNAなどの合成を阻害することによって抗がん作用を示す薬がドキソルビシン(商品名:アドリアシン)です。

次でラストです。「リウマチ性多発筋痛症完治の研究報告Part14-③(コメントあり)」に続きます。難しいですが頑張って着いて来て下さい!

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