研究報告1例目
完治させた病気1)結節紅班2)多発性関節痛3)多発性関節腫脹
患者:32歳、男性
膠原病と発疹との関係について詳しく解説します。
膠原病になると、紅い斑点(紅斑)など、皮膚にさまざまな発疹が現れるのは膠原病は必ず原因としてherpesが毛細血管の内皮細胞に感染して生ずるからです。皮膚に紅い斑点(発疹)が出る皮膚疾患を紅斑と言います。紅斑の特徴はatopyのない人はかゆみがないのが特徴です。膠原病による発疹はherpesが感覚神経に絡んでいるとチクチク、ヒリヒリの痛みが出ることがあります。また、その発疹に触ってみると皮膚に根をはった硬さがあるのが見られる場合があり、herpesが隣接する細胞に浸潤性に感染して細胞が崩壊した後が硬くなり皮膚に根をはった硬さが起こります。発疹が見られる膠原病には1)全身性エリテマトーデス、2)皮膚筋炎、3)混合性結合組織病、4)結節性多発動脈炎、5)スチル病、6)ベーチェット病などがあります。これらの病気はすべてherpesが原因であるのでヘルペスが多いか組織に深く感染しているか組織の細胞外マトリックスをどれだけ崩壊させたか、細胞外マトリックスの結合組織、上皮組織、金組織、神経組織の四つにどれだけのherpesが感染しているか等の違いによって紅斑の症状の多様性が異なるのです。
1)全身性エリテマトーデス(SLE)
鼻を中心に、両方の頬に蝶が羽を広げたように紅斑があらわれる「蝶形紅斑」は、特徴的な症状です。頬が中心で、鼻根部にもみられます。鼻の頭に紅斑が出ることは少ないですが、日光に過敏な人は、日ざしを浴びると反応して出る場合もあります。
また、〝狼に噛まれたような〟と例えられる「円板状ループス」(ルーブスとはラテン語で、狼という意味)は、全身性エリテマトーデスの10~15%くらいにみられます。隆起した丸い円板状のループス疹は、顔(口唇、外耳道、頭皮にもみられます)だけでなく、四肢にもあらわれます。指先や足に出て、寒さや冷たさにあうと悪化する、凍瘡様ループスという皮疹もあります。
ほかに、血管炎に伴って「網状皮斑」(おもに下腿にあらわれる)や、「紫斑」があらわれる場合もあります。全身性エリテマトーデスの皮疹は、ほとんどはかゆみがないのですが、ときにアトピーのある人はかゆくなる場合があります。
2)皮膚筋炎
独特の皮膚症状に、ピンクまたは紅紫色の紅斑が上まぶたに出る「ヘリオトロープ疹」があります(ヘリオトロープとは紅紫色の花をつける植物)。また、手の甲側の指関節に、赤紫色(もしくは桃色)の丘疹(ふくらんだ皮疹)=「ゴットロン徴候」が出るのも、皮膚筋炎の重要な特徴です。
皮膚筋炎でも、蝶形紅斑が出る場合がありますが、全身性エリテマトーデスと多発性筋炎とが合併しているのはherpesが二つの病気に感染しているからです。皮膚筋炎の皮疹は、紅斑とも呼べないような薄い色の皮疹や、とくに治療をしなくても消えるものがある一方で、難治性の場合もあり、日光に当たると悪化するものや、かゆみを伴うものもある、というように、さまざまな多様性が見られます。とどのつまりはherpesが原因である同じ病気ですから当然なのです。
3)スチル病
高熱に伴って、サーモンピンク(明るい紅色)の発疹が、胴体、四肢、顔などに、ばらまかれたようにあらわれるのが特徴です。じんましんに似ていますがかゆみはなく、一過性のものもありますし長期に続くものもあります。
3年前、丁稚奉公で大阪に1年間いた時に朝目覚めたら両足膝下から足首にかけて赤い斑点がいくつも出始めました。その時は何かの虫刺さかと思い、いつも通り会社に出勤しました。2、3日が過ぎ、朝起きると今度は体の節々が痛くなり、赤い斑点も増え、足首がどんどん腫れてきました。さすがにこれは何かおかしいと思い、勤務先の近くにあった松本漢方クリニックに来られました。診断の結果、ヘルペスによる膠原病の一種である結節性紅斑と診断しました。
治療方法として、間違った医療は通常はステロイドを処方するのですが、私は、ステロイドは一次的に病気を良くしても、病気を治せないどころか原因であるヘルペスを増やすだけですから病気を悪化させるだけだから絶対に使わないといいました。その代わり、漢方を飲んで免疫を高めれば、自分の免疫で絶対に治ると言いました。患者さんは私の言葉を信じ、処方した漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を飲み続けました。初診時の血液検査の結果はかなりの高値でしたが、漢方と抗ヘルペス剤を飲み続けて2ヶ月が経った頃にもう一度血液検査を行ったところ、正常値に近づき、患者さんも体調が回復しているのを実感されていました。そして大阪での丁稚奉公が終わる頃には何不自由なく普通の生活を過ごせるようになり、実家に帰省して、漢方煎じ薬を飲み続けて完治しました。
念のため、近所の病院で血液検査をしてもらった結果、すべて正常値でした。今も何の不自由もなく健康に日々過ごしております。当院にはもう通院されておりません。
症例報告2例目
完治した病名:1)結節性紅斑2)関節リウマチ3)アトピー性皮膚炎
患者:46歳
平成16年5月19日、朝目を覚ますと、右膝が赤く腫れ、痛みを伴う症状がありました。不思議に思いましたが虫刺されだと思い、びわエキスを塗って放置しました。しかし翌日になると3倍ほどに腫れあがっていました。「これは、尋常ではないな。」と近所の整形外科で受診されましたが、外科の先生の診断で原因がわからないとのことでした。レントゲンを撮り、骨には異常がないことだけ確認し、炎症止めと痛み止めの薬を処方されました。しかし夜になると両足に赤い斑点があらわれ、普通ではない症状の現れ方に不安が募り、外科で処方された薬は飲まず、2日後に当院へ受診されました。患者さんは以前にリウマチの治療で2年程当院に通い、もう少しで完治しつつある状態でした。
5月21日、右膝は外部から溶連菌が感染して腫れ、熱を持っている状態でした。詳しく聞き取りをしたところ、2週間前に階段から落ちて右膝と左足首を痛めたこと、また5月12日に扁桃腺を腫らしていました。検温すると37.3度の熱があり、その場で処方した抗生物質を飲んでもらい、処方した漢方と抗ヘルペス剤を持って帰宅させました。
5月22日、あっという間に両足に紅斑が増え、どんどん大きく広がり、痛む度合いも増していきました。私は「死ぬほど痛かったら、近くの病院に行くんやで」と電話で励ましました。
しかし5月23日、あまりの激痛に耐え切れず、救急車で救急病院へ搬送されました。応急処置として水分補給の点滴と痛み止めの薬を飲みました。
5月24日、搬送先の救急病院の整形外科と皮膚科で診断を受けると、整形外科では外部からのバイ菌による感染の疑いの為、点滴(抗生物質)の投与と、痛み止めの座薬を処方され、リウマチ関連の疑いから免疫内科へ行くよう指示されました。一方皮膚科では、結節性紅斑の疑いでヨウヒ化カリウムガンを処方されました。「これで効果が出なければ、皮膚採取して、検査をし、最終治療法としては、ステロイド治療になる」ことも告げられました。また膠原病、もしくはスティル病の疑いがあるとも診断されたそうです。のちに私にも連絡が入り、今回の症状の原因は扁桃腺の腫れの処理が上手くいかず、溶連菌が体内に入り込み、膝に感染して炎症を起こしたことを患者さんに説明しました。またステロイド治療の恐ろしさを詳しく詳しく説明し、現代治療の恐ろしさも説きました。今後の治療方針として、私の治療を受けるため、総合病院での予約診察をすべてキャンセルし、患者さんは実家で治療に専念することになりました。私は「痒みが出てきたら、治るからね」との励ましの言葉を言いました。
5月26日、両足に激痛が走る中、右足にかゆみが現れ、患者さんは不安の中に少しの希望が見えました。この日から少しずつ腫れが引き始め、右膝が少し曲がるようになりました。
5月28日、赤く腫れてる周りにお灸をするように指示しました。翌日、鍼をしたところが少し痛みがましになっていたそうです。この日以降、お灸をするのが日課となりました。
5月29日、両足の腫れがひき、左足にもかゆみが出始め、次の日には両足全体にかゆみが増してきました。
6月1日、両足の痛みが取れ始めると同時に、体全体が重く、だるい症状に変化し、喉の腫れに痛みを感じ始めました。夜中にひどい寝汗で眠れなくなりました。
6月2日、両足は昨日より軽くなり10歩ほど歩けるようになるも、体全体は重くて鉛が入っているような感覚でした。体全体がだるくて重いのは膠原病の特徴です。喉の腫れと、頭痛がひどくなりました。
6月3日、首から胸にかけて、強い痒みが出てきました。
6月5日、足の腫れはほとんど引き、赤みもなく、痛みもなくなり歩行も楽にできるようになりました。一方、まだ体全体が重くだるい症状で頭痛はひどく、喉の腫れが痛みました。
6月6日、胸の辺りに圧迫感があり、息苦しくなりました。微熱も一向にひかず、だんだん不安が募りました。
6月10日、両足にリウマチのだるさが出てき、足、胸、腕に痒みがでてきました。この日よりあまり症状が変わらず、微熱と全身のだるさが30日まで続きました。
7月1日、長く続いた微熱が取れ、普段通りの生活に戻ることができるようになった。
患者さんは今回の病気を通して改めて大きなストレスを抱えないように頑張り過ぎない、我慢をしないように気を付け、規則正しい生活を心がけるようにされました。現在では結節性紅斑もリウマチの症状も完治し、当院には通院していません。