症例報告10例目
治した病名と症状:1)リウマチ性多発筋痛症、2)間質性肺炎
患者:当時63歳、男性
間質性肺炎が見つかり、京大病院で検査を受けその後経過観察を受けていました。その当時は症状が全く無く、病気は無い様なものでしたが、診てもらっていた京大病院で受けた説明により、間質性肺炎に対して漠然とした強い不安を抱き、気持ちの整理が着かず、ずっと身体に魔物を抱えた様な不安を抱いていました。
それではこの患者さんの病気の原因と、免疫がどのようにこの病気を治していくのかについて、もっと具体的に話を進めましょう。まず、この患者さんの間質性肺炎の原因は何だと思いますか?この患者さんの場合は、長期にアロエを熱心に摂取したためです。このアロエは現在でも世界各国で薬として用いられ、日本では、民間療法としてアロエの汁を火傷やひび割れ、赤切れ、切り傷に用いたり、アロエの葉っぱの汁を咳や喘息に使ったり、ときには胃薬として内服したりしている人がいます。外用、内用、様々な使い方ができるので、アロエは“医者いらず”とも呼ばれています。滋養強壮薬や緩下剤としても売り出されています。彼はこのような風聞を耳にして、元気をつけたいために一生懸命アロエの効用を信じ飲み続けたのです。このアロエの成分が、彼の体で処理できずに、肺の結合組織にたまり、免疫は IgG で処理すべく膠原病を起こしたのです。この間質性肺炎を治すにはどうしたらよいのでしょうか?まず原因物質であるアロエをやめさせることです。原因物質を摂取することをやめると、肺の間質でアロエの化学成分と戦うことがなくなります。原因がなければ病気は起こらないからです。
しかし、なぜ薬剤の副作用として間質性肺炎が起こるのでしょうか?副作用の本を読んでもらえればすぐ分かることですが、免疫を抑える薬のほとんど全てに副作用として間質性肺炎が挙げられています。残念なことに、現在の薬の副作用の書物には、ひとつひとつの薬がどのような副作用を起こすのかについては詳しく書かれているのですが、薬の副作用のために生じる病名から薬の名前を検索できないのです。つまり「間質性肺炎を起こす薬のすべて」という本は一冊もないのです。なぜだと思いますか?
まず免疫を抑える化学物質は、どこで免疫を抑えると思いますか?全て結合組織(間質)です。ここでまず結合組織や間質の名前の意味について説明しましょう。まず結合組織は細胞と細胞を結合している組織のことでありますから、すぐにお分かりになるでしょう。それでは間質というのは、どのようにしてつけられたのでしょうか?間質に対して実質組織という言い方をするときがあります。それでは実質とはなんでしょうか?細胞そのものを指します。間質組織とは実質の間にある組織のことを意味します。従って“細胞の間にある組織”を間質というのです。これで結合組織と間質は同じだということがお分かりになるでしょう。
ついでに膠原病の“膠原”とは何でしょうか?膠原とは「膠(にかわ)の元」という意味です。それではなぜ「膠の元」と名づけられたのでしょうか?結合組織は線維からできています。この線維を集めてみると膠(ゼラチン)を生ずるので、この線維を膠原線維といいます。
このゼラチンは、昔は接着剤によく使われた膠(にかわ)のことです。この膠原線維は強靭で細胞を支えて、細胞の実質組織が簡単にねじれたり歪めたり折り曲げられたり破れたりできないように支えているのです。線維というのは、曲げてもねじっても元に戻る強さがあるのはご存知でしょう。もちろん糸よりもはるかに強靭ですから、細胞の組織の形が変わらないように支えているので、結合組織を支持組織という言い方もします。この膠原線維の主要成分はアミノ酸からできたコラーゲンであります。
それではこの膠原繊維はどの細胞が作るのでしょうか?線維芽細胞です。この線維芽細胞に山中4因子を入れて iPS を作るのはご存知でしょう。なぜならばこの線維芽細胞はあらゆる組織に大量にあるからです。それでは膠原病という名前はどうして付けられたのでしょうか?まさに膠原線維でできている結合組織で炎症が生じている病気を、1942 年にクレンペラーが初めて見つけて膠原病という病名をつけたのです。もちろん昔も今も原因不明の病気であり、後に間違って自己免疫疾患という名前も与えられました。本当は化学物質がこの結合組織に蓄積され、この化学物質がハプテンとなり、様々なキャリアタンパクと結びついた複合体が膠原病の原因であるので、膠原病の正しい病名は化学物質汚染症というべきです。この膠原病を治した手記が松本漢方クリニック患者会に満載されています。まさに膠原病は治る病気である証拠なのです。今も毎日毎日実際あらゆる膠原病を治しています。
言うまでもなく間質性肺炎もリウマチも膠原病のひとつなのです。自己免疫疾患はないという論文を読んでください。現代の病気の原因で一番多いのは何でしょう?先ほど述べたように、化学物質であります。この化学物質が結合組織、つまり間質に溜まり、これを IgE5 で戦うときにアレルギーといい、IgG で戦うときに膠原病ということも既にご存知でしょう。
さて本論に戻りましょう。なぜ膠原病の薬の副作用の全てに間質性肺炎やリウマチが起こる原因となるかについて説明しましょう。まずこのような薬は化学物質であり、かつ免疫の遺伝子の働きを抑えます。このような薬は膠原病を起こしている結合組織に運ばれ、そこで戦っている免疫の働きをさせなくします。このような免疫抑制剤は毎日毎日大量に飲み続けると、徐々に処理されなくなり、結合組織に蓄積していきます。しかも毎日毎日飲食物から入ってくる化学物質も一緒に溜まっていきます。もともと抗リウマチ薬は関節の結合組織で戦っている免疫の働きを抑えるためだったのですが、他のあらゆる種類の結合組織にも溜まっていきます。すると免疫の戦いはさらに別の組織の結合組織に拡大していきます。つまりミイラ取りがミイラになってしまうのです!病気を治すつもりの薬が、さらに大きな病気を生み出すという結果に終わってしまうのです。これが現代医学の病気作りのメカニズムであるのです。
今も思い出す症例があります。リウマチで 10 年間もリウマトレックスを飲んで、間質性肺炎になってから、医者に「ステロイドでしか、リウマチも間質性肺炎も治すことができないから」と言われ、私のホームページを読んでこられた非常に賢い患者さんがおられました。間質性肺炎の症状は一切ないどころか、間質性肺炎に特異的に見られる KL-6 の値も徐々に良くなったのですが、それでもやはりリウマチのリバウンド現象が激しく、関節の痛みが激しく、いつの間にか来られなくなった患者さんのことです。間質性肺炎よりも、はるかにリウマチの治療の方が難しいと感じた症例でした。医者たちは間質性肺炎を一生治らない病気だと言いまくっていますが、実は自分たちが病気を作っていることを一切認めようとしないのが残念です!
今までも様々な薬を飲んで、肺のⅡ型細胞が炎症の際に特異的に産出する KL-6 が高くなり、当院に受診された人がゴマンといます。ところが全く症状がないので、今まで患者が用いてきた現代医学の化学物質である薬をやめさせ、その代わりに免疫を上げる漢方薬を用いてほとんどの人が良くなっていきました。本人の自覚症状がないので、間質性肺炎の手記を書いてとお願いするのも気が引けたので、今まで手記を書いてもらった人がいなかっただけの話です。昔は膠原病の中で一番怖いのは間質性肺炎だと思っていましたが、数多くの患者を診ている中で、間質性肺炎を起こす原因さえ除去すれば自然と治るという確信があります。
そして4年後にリウマチ性多発筋痛症を発症されました。恐ろしい痛みと苦痛に襲われ、そして医師から一生治らないと絶望的で無慈悲な宣告を受け、そのショックと絶望で人生観は悲惨なものに一変していました。
次にリウマチ性多発筋痛症の原因は何でしょうか?リウマチの原因もアロエの化学成分です。このアロエに対して、関節の結合組織でも免疫は IgG で排除すべく、膠原病のひとつである関節リウマチを起こしたのです。実は彼の関節の痛みは、リウマチによるものよりも、多発性筋痛症を起こすヘルペスウイルスと関節の神経での戦いの方がはるかに痛かったのです。このヘルペスが多発筋痛症の原因だったのです。まさに筋肉の奥深くまで入り込んだ神経に増えたヘルペスウイルスが、キラーT 細胞や NK 細胞と戦いだし、痛みとして感じられたのです。このウイルスを抗ヘルペス剤で増やさないようにし、自分の免疫で殺せるだけ殺して残りのヘルペスウイルスを神経節に封じ込めればいいのです。これらの一連の働きは全て患者の免疫の遺伝子が指揮し、最後は患者自身の免疫の勝利となるのです。
患者さんは間質性肺炎の方により強い不安と恐怖心を持っていました。肺は悪化すれば息ができなくなり、死に直結してしまうからです。なので、医者に掛かる時は間質性肺炎に悪影響があってはいけないと思い、間質性肺炎にかかっている事を必ず先に言ってきました。患者さんが悲惨で怖く不気味な病気で口にするのも怖いと思ったり、人に言うのも恥ずかしかったり、医者の事前調書に書き込むのも恥ずかしくて書きにくいと思っていても、間質性肺炎の治療の妨げになってはいけないと医者にだけは言ってきました。その当時は極めて極めて極限な心理状態でした。勿論、当院で受診された際にも、問診票にも書き込み、口頭でも言われていました。
当院での初診の時、患者さんはリウマチ性多発筋痛症を中心にして治療を行うことになりましたが、すでに当院のホームページに掲載している私の論文を読んだ患者さんは、リウマチ性多発筋痛症の治療と間質性肺炎の治療が対症療法で同じステロイド治療であり、ステロイド治療が効くのは原因がヘルペスウイルスであるため間質性肺炎にも同様の効果があると漠然と知っていました。漢方煎じ薬は免疫を上げる手助けをするのですから病気を同時に治すことができるのです。また抗ヘルペス剤はその免疫を抑制せずヘルペスウイルスの増殖を抑えることができるので病気を同時に治すことが可能なのです。重ねて患者さんの間質性肺炎への不安から2つの病気を同時並行で治療を行うことにしました。間質性肺炎の状態を見るためKL-6を行いました。患者さんは私の論文を読んですでに今まで使っていたステロイドを止めていたのでそのままステロイドを全て止めてもらい、リウマチ性多発筋痛症に効く漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、毎日鍼灸を行うように指導しました。そして私は改めて詳しく論理を説明し、絶対に治ると患者さんに伝え握手をし患者さんの不安を取り除きました。のちにKL-6は初回と間隔をあけて2回目の結果、2回とも数値は基準値以下だったので間質性肺炎を無しにし、以後検査を打ち切りました。
しかし、当院の論文を知る前までは患者さんも他のリウマチ患者と同じように病院から一ヶ月余り、リウマチ性多発筋痛症の治療によりブレゾニン(ステロイド)を使っていました。患者さんは松本漢方クリニックに替わるまで診療所で飲んだブレゾニン(ステロイド)が効いたためだと思ったことと、また2回目の検査の数値が基準値以下でしたが1回目に比べてほんのわずかに上がっていた事も気になりました。2ヶ月後、患者さん希望により再度血液検査を行うことにしました。結果、大幅ではないものの基準値より上がっていました。ステロイドを止めてリバウンドしている証拠でした。
私はリウマチ性多発筋痛症の治療の煎じ薬と鍼灸の数を増やすように指導しました。肺と背中は近いので特に背中によく鍼灸をしていました。二回目の血液検査ではKL-6値が下がっていました。正常値すれすれでしたが患者さんは大変喜ばれました。
2ヶ月後の三回目の血液検査では数値が上がってしまいましたが、このままリウマチ性多発筋痛症の治療を続けてもらうと、四回目の血液検査では余裕の幅を持って正常値になっていました。ステロイド等の免疫抑制剤により一時的に正常値に戻ったのではありません。私の理論の通り、患者さん自身の免疫により正常値に戻ったのです。完治したのです。
当院の治療を受けて5ヶ月余りで間質性肺炎は完治し、床や畳に座れば絶対に起き上がれず椅子やベッドでさえ大変だったリウマチ性多発筋痛症も3ヶ月程で日常生活を普通に送れるようになりました。今ではリウマチ性多発筋痛症も完治され、当院との縁が切れました。