用語解説

ケモカインについて

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 全てのケモカインが持つ共通の性質について述べましょう。ケモカインはタンパクとしてはサイズが小さいこと(8~10kDa)です。ちなみにタンパクとしては小さなアルブミンは69kDaであります。ケモカインはタンパクであるので、決まった3次元構造を取っています。さらにケモカインは、4つのシステイン残基が存在しています。システイン残基というのは、アミノ酸のシステインと考えてください。ケモカインは、これらの共通の3つの特徴を持っている一群の因子の集まりで、これをケモカイン・ファミリーといいます。ケモカインという名前は、これらの物質が細胞の走化性(Chemotoxis; ケモタキシス)を誘導する直接の作用があることに由来することはすでにご存知でしょう。いくつかのケモカインは炎症性サイトカインと呼ばれ、感染部位における免疫応答の活性化を引き起こして炎症を誘発する性質があります。また炎症生ケモカイン以外に恒常性ケモカインと呼ばれるケモカインもあります。この恒常性ケモカインは、免疫細胞の発生や分化や免疫機能の維持に貢献しています。ケモカインは免疫の働きのある標的細胞の細胞膜上にあるケモカイン受容体と呼ばれる受容体と結合することによって作用が発揮されます。ケモカイン受容体は数多く見出されていますが、いずれも細胞膜を7回貫通する特徴的な構造を有するGタンパク質共役受容体(GPCR)に属しています。GPCRというのは、G protein-coupled receptorの頭字語です。一方、リガンドであるケモカイン・ファミリーには、4つの種類があります。ケモカイン・ファミリーはもちろんアミノ酸でできているタンパクです。N末端側の2つのシステイン残基(C)と他のアミノ酸(X)でできてきます。このシステインと他のアミノ酸の配列の関係の違いにより、次の4つのサブファミリーに分類されます。(C)はシステインであり、(X)はシステイン以外のアミノ酸であります。皆さんご存知のように、アミノ酸は20種類あります。したがってこの(X)は、システイン以外の残りの19種類のアミノ酸のどれかになります。

 Alpha Chemokines (CXC)、Beta Chemokines (CC) 、Gamma Chemokines (C)、Delta Chemokine (CXXXC)の4種類があります。

 Alpha Chemokines(CXC)は、2つのシステインの間に他の1つのアミノ酸が入り、C-X-Cの配列となります。好中球を引き寄せる誘因物質、つまりケモカインとして働いて様々な免疫細胞を引きつけ引きつけた細胞のケモカインレセプターと結合し、その細胞を活性化します。例えばミエロペルオキシダーゼや、その他の病原体を殺す様々な酵素を好中球から放出させるのです。ちなみにミエロペルオキシダーゼは、ほとんど好中球のみに存在する酵素で、過酸化水素(H2O2)と塩素イオン(Cl-)から次亜塩素酸(HOCl)を産生します。感染した微生物は、酵素反応によって生じた次亜塩素酸(HOCl)により、効率的に殺菌されます。ヒドロキシルラジカル(OH)も同様にH2O2から作られます。過酸化水素(H2O2)は、Hydrogen peroxideといいます。過酸化水素を略して、しばしば過水(かすい)と呼びます。主にH2O2は水溶液の形で使われます。H2O2は強力な酸化剤にも還元剤にもなり、殺菌剤、漂白剤として利用されます。

 Beta Chemokines(CC)は、2つのシステインが隣り合うC-Cの構造をしています。細胞内カルシウム濃度を変化させ単球からの酵素放出を促進するのです。

 Gamma Chemokines(C)は、N末端から2つのシステインが欠損しており、C末端が伸長しています。

 Delta Chemokine(CXXXC)は、2つのシステインの間に他の3つのアミノ酸が入るC-XXX-Cの配列をしています。

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