理論 病気とは何か?

膠原病こそ過敏反応だ

投稿日:2019年12月28日 更新日:

学者先生方は免疫の働きではあるけれども、人間にとって無害な異物を排除するために起こる都合の悪い免疫の働きをアレルギーと定義しています。ところで無害であるかは誰が判断するのでしょうか。免疫にとっては、異物である限り無害有害にかかわらず、異物である限りはそれを排除するようにアプリオリ(先天的)に遺伝子により、決められているだけなのです。例えば、食べ物に含まれている農薬も今のところ農薬の使用量は決められていますから、人体に影響はありませんが、今許されている農薬の許容量を500倍にすれば農薬は殺人兵器になるでしょう。さらに微量でも人体にとって有害であるのはいくらでもあります。例えば青酸カリなどもほんの微量で人の命を奪ってしまいます。だからこそ異物を量に関係なく排除しようとする働きは正しいのであり、人間が勝手に無害有害と決めているだけなのです。しかも、人体は有害であるか無害であるかを決めるよりもはじめは異物だと認識していても生命に危害がない限りは共存できるとわかれば、自然後天的免疫寛容によって異物と認識することを止めてしまうという賢い働きも内蔵しているのです。

ところが、免疫は殺さなくてもよい異物に対し、殺すために用いるIgG抗体を使って膠原病を起こします。これを過敏反応といわずして他に何と言えばいいのでしょうか。いわば死んだ毒蛇を生きていると見なし、切りつけたり銃で殺そうとするようなものです。死んだ毒蛇に慌てふためいた状態は過敏反応と言うべきでしょう。さらにあえて付け加えると、ウイルスが体内に侵入して、熱が出たり咳き込んだりくしゃみをしたり体がだるくなるのは都合の悪い反応とは言えないでしょうか。このような時にウイルス感染症を過敏反応と言っているでしょうか。

-理論, 病気とは何か?
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

多系統萎縮症もherpesウイルスがゲノムのDNAに潜伏感染するときに部位特異的遺伝子組み換えという突然変異を起こして生まれた神経変性疾患なのです。更新2025.8.6

多系統萎縮症もherpesウイルスがゲノムのDNAに潜伏感染するときに部位特異的遺伝子組み換えという突然変異を起こして生まれた神経変性疾患なのです。多系統萎縮症(MSA)のMSAは、英語でMultip …

no image

何故、肺癌が最も癌死が多いのか?更新2025.5.27

何故肺癌が最も癌死が多いのか? がん死亡者数で最も多いのは、男性では肺がん、女性では大腸がんが最も多いです。 男性については肺がんは男女合わせたがん死亡原因の第1位で、男性では特に多く、がん死亡全体 …

no image

生まれつきの遺伝子癌は存在しないのですが何故癌になりやすい人が生まれるのでしょうか?更新2025.9.1

生まれつきの遺伝子癌は存在しないのですが何故癌になりやすい人が生まれるのでしょうか?父親と母親から受け継いだ癌抑制遺伝子の対立遺伝子の一つが生まれつき喪失しているからです。これを英語でLoss of …

no image

ワールプルグ効果とは?更新2025.6.25

ワールブルグ効果とは、がん細胞が酸素が十分に存在する環境(好気的環境)でも、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化(OX-PHOS)を十分に利用せず、主に解糖系でATPを産生する現象を指します。この現象は、 …

no image

なぜゲノムDNA1本で遺伝子情報が含まれているのに自然に46本の染色体に分けられてしまったのですか?更新2025.8.18

なぜゲノムDNA1本で遺伝子情報が含まれているのに自然に46本の染色体に分けられてしまったのですか?ヒトの細胞には46本の染色体がありますが、これは遺伝情報を効率的に管理し、細胞分裂を円滑に進めるため …