アトピー性皮膚炎 コラム

薬疹はアトピーである

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 いつも言っていますように、人間が必要な物質は5大栄養素と水と酸素だけであります。病気を治すと称して、免疫を抑える様々な化学物質やあらゆる種類の化学物質が毎日毎日病人に投与されています。人体の免疫の遺伝子が薬を異物と認識した時に、化学物質である薬を排除しようとします。皮膚から排除しようとするときに見られる様々な皮膚に現れる症状を薬疹というのです。湿疹や蕁麻疹として見られることが一番多いのです。湿疹はアトピーと同じものであり、蕁麻疹とはアレルギー性蕁麻疹といわれるものです。

 実を言えば、無理やり病気の治療のために薬を飲まされたために生じた薬疹は、知らぬ間に食べ物や水の中に含まれて人体に侵入してきた化学物質を排除しようとする働きを目に見える形にしてくれたものといえるのです。まるで薬疹が特別な意味を持っているように感じられるのですが、蕁麻疹やアトピーのことを食物付着性薬疹といってもよいのです。ただ飲食物に含まれている化学物質は病気を治すために無理やり飲まされているわけではないので、皮膚に現れたアトピーや蕁麻疹を薬疹と思わないだけなのです。皆さんは、食べ物や水や空気に化学物質が満載されていることを誰にも教えられないものですから、気楽に毎日毎日食生活を楽しんでおられるのですが、実は知らぬ間に薬、つまり化学物質を飲まされ続けているのです。本当は薬疹とアトピーや蕁麻疹は同じ病気であることを医者が教育すべきでありますが、医者達は真実を伝えることを一切しないものですから、無知な大衆はいつまでもいつまでも知らぬが仏の生活をし続けているだけなのです。もちろん医者たちはアトピーや蕁麻疹の原因は不明であり、一生治らないと言い続けて金を儲けることにいそしむだけです。このような病気を治さないようにしているのも、免疫の遺伝子を抑え続けるためであることも誰よりもよく知っているのが医者であるにもかかわらず、であります。本当に困ったものです。

 ここで湿疹と蕁麻疹の違いについて述べておきましょう。免疫が異物を表皮で排除しようとするとアレルギー性の薬疹(アトピー)となり、表皮の下の真皮から異物を排除しようとすると蕁麻疹として現れるのです。なぜ同じアレルギー反応であるにもかかわらず、このように湿疹と蕁麻疹という違いが生まれるのでしょうか?それは表皮と真皮の間に免疫反応では破りきれない壁があるからです。この意味を説明するためにまず皮膚の構造について説明しましょう。皮膚は大きく表面側から、表皮、真皮、皮下組織の3層から成り立っています。まず表皮について説明しましょう。

 表皮の細胞は5層から成り立っています。毎日毎日お風呂に入るたびに垢が剥がれているということをご存知でしょう。この垢の実態は何でしょうか?表皮の最外層である角質層の細胞であります。この角質層はどのようにして作られるのでしょうか?この角質層の細胞を作るためには、表皮の全ての種類の細胞を作る幹細胞が必要です。この幹細胞はどこにいるのでしょうか?表皮の一番最下層にあります。この一番大事な幹細胞層のことを基底細胞層といいます。この基底細胞層にある幹細胞が分裂して、その上に2つめの細胞層である有棘(ゆうきょく)細胞層ができます。さらにこの細胞が変化して3つめの顆粒細胞層が生まれます。この顆粒細胞層の上に、さらに4つめの淡明細胞層があります。最後に5つめの角質細胞層となり、これが垢となって毎日剥がれ落ちていくのです。ちなみに4つめの淡明細胞層は、掌と足の裏の表皮にしかないことを付け加えておきましょう。従って、掌と足の裏以外の皮膚は4つの層でできているのです。表皮の幹細胞である基底細胞層は、角質細胞と違って簡単に引っ掻き破ったりすることができない上に、アレルギーの炎症によって破ることもできないのです。

 表皮の下にある真皮で異物である化学物質が侵入し、それを免疫がアレルギー反応で処理しようとする時に、真皮にある毛細血管が拡張し、血漿成分も真皮の組織に漏出しやすくなり、そのために赤く腫れるのです。もちろんアレルギーですから、肥満細胞からヒスタミンが放出され痒みも起こるのです。目で見るとミミズ腫れとか膨隆疹ともいわれる蕁麻疹の症状が出現するのです。ところが真皮の毛細血管周囲に様々な炎症が起こっても、頑丈な基底細胞層があるために、痒みを感じて掻きすぎても破りきれないのです。ただ基底細胞層が上に押し上げるだけで、つまり膨隆するだけで破れないのです。

 蕁麻疹に似た症状で紅斑症といわれるものがあります。紅斑症も蕁麻疹の仲間ですから少しふれておきましょう。顕微鏡で真皮と表皮の境界を見てみましょう。この境界は水平な直線ではなくて、波のように凹凸状の波線が続いています。この凸状部を真皮乳頭部といい、この乳頭部にある毛細血管が軽いアレルギーによって拡張すると赤く見えるのです。この紅斑にも、多形性滲出紅斑、結節性紅斑、硬結性紅斑、環状性紅斑などがあります。原因不明の紅斑は全てアレルギー性のものであります。

 蕁麻疹にしろ、紅斑症にしろ、生命には全く問題ないどころか自然とアレルギーの炎症反応は消失してしまうので、放置して経過を見るだけでよいのです。なぜならば蕁麻疹や紅斑症を起こす化学物質は、真皮組織の毛細血管やリンパ管によって吸収されてしまい、真皮層から消えてしまうからです。さらに血流に運ばれたそのような化学物質は、肝臓で処理されて胆汁酸とともに大便として排泄されるか、あるいは腎臓で尿として排泄されてしまいます。ときには表皮でアトピーとして処理されることもあるのです。さらにいつまでもいつまでも侵入する化学物質に対して蕁麻疹を起こし続けても、アトピーと同様に、最終的には排除しようとしている化学物質とは自然後天的免疫寛容を起こして人体の免疫は共存するようになるのです。

 とりわけ薬疹といわれるものは、生命を守るために人間の免疫が化学物質である異物を皮膚から出そうとしているので、生死には直接的には関わりがないにもかかわらず、すぐに医者はステロイドを使いたがります。皆さん、皮膚の病気で死んだ人を見たことがありますか?皮膚の症状は異物を排除する最も便利なルートであるにもかかわらず、ステロイドを使ってそのルートを閉鎖してしまうので、いつまでも蕁麻疹も紅斑症も治らないのです。もちろんアトピーもそうですね。ステロイドを使ってしまうと一時的には免疫の遺伝子のONのスイッチはOFFになりますが、必ず遺伝子は修復されてONになり、リバウンドが生じ元の木阿弥になるので、蕁麻疹や紅斑の際にも絶対にステロイドを用いてはならないのです。現代の治らない病気のほとんどが、実は「ステロイド性遺伝子変成症」という医原病であるのです。病気を治すのは患者の免疫の遺伝子しかないのにもかかわらず、遺伝子をいじめて毎日毎日、病気造りに励んでいるのが現代の医薬業界なのであります。残念です。

 ここでアトピーと蕁麻疹の違いについてまとめてみましょう。化学物質を表皮で処理する時に生じる症状がアトピーです。従って投与された薬によってアトピーという形で薬疹が出ることもあるのです。一方、蕁麻疹は化学物質を真皮で処理するときに生じる症状であります。もちろん毎日摂取している飲食物に含まれる化学物質を、アトピーではなくて蕁麻疹で処理していることもあるのです。化学物質である異物を免疫が認識すると、ブラジキニンやヒスタミンが生じ、血管を拡張させ血管透過性を亢進させてアトピーや蕁麻疹の症状が生じます。このヒスタミンは肥満細胞から遊離し、ブラジキニンは血漿成分が炎症のために活性化されて組織に遊離します。最後はアレルギーはIgEを武器として用いて、このアレルゲンと結びついたIgEが肥満細胞や好酸球や好塩基球と結びつくと、さらにヒスタミンやブラジキニンが大量に組織に遊離し、本格的なアレルギーになるのです。アトピーも蕁麻疹も、処理している敵は同じでありますが、その敵を処理する場所が皮膚の組織の浅層であるか深層であるかの違いだけなのです。ついでにアレルギーであるアトピーと気管支ぜんそくと花粉症の違いについて述べておきましょう。3つとも免疫はIgEを武器として利用しているのでありますが、戦う器官が異なるだけで、実は同じ化学物質を敵として戦っているだけなのです。

 さらについでに膠原病とアレルギーの違いを述べておきましょう。同じ化学物質を免疫は敵に回しているのですが、免疫が用いる武器が異なると同時に、戦う場所は同じであることもあるし異なることもあるのです。膠原病の場合は免疫が用いる武器はIgGであり、アレルギーの場合はIgEであるのです。それでは戦う場所が同じである膠原病とアレルギーの例のいくつかについて述べましょう。例えば、皮膚でIgGで戦う病気には天疱瘡や乾癬があります。天疱瘡は表皮にある化学物質をIgGで戦い、乾癬は主に真皮にある化学物質をIgGで戦っているのです。ちなみに天疱瘡も症状の種類によって、尋常性天疱瘡、増殖性天疱瘡、落葉状天疱瘡、紅斑性天疱瘡の4つに分けられています。乾癬も臨床症状により、尋常性乾癬、滴状性乾癬、膿泡性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性後遺症の5つに分けられます。医学で一番難しいのは免疫学です。私もできる限り分かりやすく書いていますが、じっくり読み込まないと理解できないでしょう。でもついてきてください。

 もうひとつ膠原病とアレルギーとが実は同じ敵と戦っているという、とんでもない例をあげましょう。これからの話もほとんどの人が初めて聞かれることになるはずです。膠原病であるシェーグレン症候群という病名を聞いたことがあるでしょう。目の乾きや口の乾きが主症状であります。実はこのシェーグレン症候群とアレルギー性結膜炎は同じ化学物質を同じ場所で戦い、ただ免疫の武器が異なるだけなのです。こんな話を聞かれると、「えーっ!」っと、びっくりされるでしょう。現代の医療では、シェーグレン症候群はリウマチと同じぐらいに代表的な自己免疫疾患といわれているのですが、まず自己免疫疾患という病気など存在しないことを確認してもらいたいのです。自己免疫疾患がないという論文についてはここを読んでください。皆さん、シェーグレン症候群がどのように生じるかご存知ですか?アレルギー性結膜炎で、長期にわたってリンデロンを点眼したために、アレルギーが膠原病に逆クラススイッチしたのです。つまりアレルギーになってしまえばIgGがIgEにクラススイッチしてしまうので、アレルギーの人は膠原病にならない保証を得ているにもかかわらず、医者たちがリンデロンというステロイドで、クラススイッチをもたらすBリンパ球のAID遺伝子をOFFにしたために、元のIgGの世界である膠原病に戻ってしまったのです。これを私は逆クラススイッチと呼んでいるのです。まさにドライアイは医者の使ったリンデロンによって逆クラススイッチしたために、花粉が運ぶ化学物質をIgEで流し去るために必要な涙を作れなくさせてしまったのです。ドライアイも医原病の一つであり、まさにシェーグレン症候群も医原病なのです。皆さん、医原病がいかに多いかご存知でしょう。

 このような真実は私だけが知っているのではないのです。我が母校の京大の名誉教授であり文化勲章受賞者であられる本庶佑先生が抗体のクラススイッチの遺伝子を見つけられたにもかかわらず、アレルギーと膠原病は同じ化学物質と戦っていることを一言も口にされないことが残念で残念でたまりません。彼のような世界的に高名な最高の医学者が、私の知っている真実を少しでも語られれば、難病で一生苦しまなければならない膠原病の患者さんがどれほど救われるかを考えると悲しくてなりません。私の知っている真実を彼が知らないはずがないからです。悲しいですね。

 今現在、大学医学部で最も必要な講座は医原病学講座であるべきなのです。というのは、21世紀の病気の原因は化学物質とヘルペスにくわえて、免疫の遺伝子を変えてしまう遺伝子改悪性医原病の3つだけであるからです。3つめの病気である遺伝子改悪性医原病と私がどうして名付けたかお分かりになりますか?詳しく説明しましょう。たとえステロイドを代表とするらゆる免疫抑制剤で、免疫の遺伝子を一時的に変えて症状が消えたとしても、遺伝子は修復されるので、ひとたびステロイドを使えばやめることができなくなるのです。現代の病気治療は対症療法薬であり、決して根本治療薬ではないのです。この対症療法薬というのは、まさに神なる免疫の遺伝子を無理やり抑えつけているだけなのです。なぜならば一時的に変えられた遺伝子の働きは、必ず元の正しい遺伝子の働きに戻す修復の仕組みが遺伝子の中に内蔵されているからです。ステロイドをやめれば、遺伝子修復に伴う禁断症状であるリバウンド症状が出てしまうので、さらに症状がひどくなってしまうのです。しかもステロイドを長く使えば使うほど、あらゆる正しい遺伝子の発現がOFFにされてしまうので、癌細胞を免疫で殺そうとする働きもなくなり、従って癌にもなりやすくなるのです。もちろん風邪もひきやすくなり、さらに極めて大きな問題を引き起こしているのです。それはステロイドを使っている間に、人体のあらゆる神経にヘルペスウイルスが無限大に増え続けているので、ステロイドをやめたときにこのヘルペスウイルスとの戦いのためにあらゆる神経症状が出現してしまうのです。とりわけ痛覚神経に増えたヘルペスとの戦いによる痛みが耐えきれなくなるのです。その代表的な病名が線維筋痛症であり、リウマチ性多発筋痛症であり、慢性疲労症候群であり、病名のつかない様々なステロイド性遺伝子改悪性医原病であるのです。残念です。ステロイドは死ぬ時には必要ですが、治療薬ではないということを、皆さん十分に理解しておいてください。ヘルペスについてはここを読んでください。

 しかしながら、世界中の医科大学でこの医原病講座を設置していることを聞いたことがありません。当然でしょう。彼らが病気を作った責任を問う講座を作るはずがないからです。ついでに書き加えれば、世界中の薬学部の講座にも免疫を抑える薬を使ったために生じる薬原病学という講座がないのも不思議ですが、これも当然です。世界中の薬学部出身者が作っている薬は、38億年かけて進化した免疫の遺伝子をいかに抑えて病気を作り出すかの薬しか作れないからです。免疫の遺伝子は絶対であり、神なる存在であることに世界中のお偉い医学者たちはまるで気づいていないのです。悲しいことです。免疫を助ける薬は必要最低限のワクチンと抗生物質と抗ヘルペス剤と漢方薬しかないことにも気づいていないのです。残念なことに製薬メーカーは儲からない漢方薬を未だかつて作ったことがないのです。とりわけ製薬メーカーが漢方薬を栽培することは絶対にやらないことなのです。なぜならば漢方薬は薬というよりも農産物であるので、工場で作るわけにはいきません。しかも漢方薬を作るのには1年もかかりますからお金が一切儲からないので作らないのです。残念です。病気を治すどころか、病気造りの医薬業界が永遠に繁栄することは確かでしょう。なぜならば医学の究極の目的である病気を根絶するということが実現してしまえば、同時にこの世から医薬業界も絶滅してしまうからです。本音と建前のギャップが無限大である世界は、医薬業界の右に出る業界はありません。資本主義は金に一番力を持たせる世界であるので、この矛盾は永遠に消え去ることはないでしょう。残念です。

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