コラム 病気とは何か?

免疫を抑えてはいけない理由、それは病気を作るからである

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~ほとんど全ての薬は免疫を抑える薬であるから使ってはいけないのです~

 まず、免疫とは何かについて述べましょう。この世に5大栄養素と水と酸素だけが存在し、他の異物がなければ、免疫の働きは生まれなかったでしょう。太陽系が46億年前にこの宇宙に生まれ、同時に地球が生まれ、38億年前に生命が無機物から生じたといわれます。さらに太陽系が生まれる前に宇宙が150億年前に生じたといわれています。この宇宙はビックバンよって生じたといわれていますが、それ以前については一切何も分かりません。まさに神のみぞ知る世界であります。

 私は無神論者でありますが、ビッグバン以前の世界がどのようにして作られたかについては誰も知りませんから、これに対する解答は神のみぞ知るというわけです。さらに現在知られている生命は、植物・動物の全てのDNAは全て共通であり、ただ遺伝子が異なるだけで、この世に無限と思われる種が生まれたのも不思議と言わざるを得ません。これも神の世界に属する事柄かもしれません。

 いずれにしろ生命がこの地球上に生じて以来、生命同士はお互いに生存競争を繰り広げてきました。それぞれの生命を維持するためには、エネルギーが必要であり、かつ新陳代謝をする必要があるために、他の生命をいわゆる食物として摂取し合ったのです。このような生命にとって有用なもの以外が入り込んだときに、それを排除する機構が生まれました。それが免疫の始まりであります。この免疫の進化は生命が38億年かけて進化していったように、徐々に完成され、最後に最も生命の中で高等である人間に最高の免疫のシステムを付与することができたのです。そして、現代の科学は人間の免疫の働きを分子のレベルにまで明らかにすることを可能にしたのです。もちろん、今なお細かい点は明らかになっていないこともありますが、免疫の働きを担う蛋白は38億年かけて完成された遺伝子の働きの発現の結果、蛋白が行うことが分かったのです。つまり、遺伝子は蛋白を作る為に人間の全ての60兆個の細胞の中に等しく同じく分配されていることが分かったのです。そして、人間にとって必要な5大栄養素と水と酸素以外の異物が体内に侵入したときに排除しようとする働きが免疫の働きであるということも分かったのです。

 異物の中で一番恐ろしいものは、感染症を引き起こす細菌やウイルスであったのですが、現在これらの人体の生命を脅かす敵はワクチンと抗生物質と人間の免疫によって征服されてしまいました。ところが新たなる異物が文明の名によって無理やり人体に摂取されるようになったのです。この異物を排除するために人体の免疫はアレルギーや膠原病を起こすようになったのです。免疫の働きを明らかにした免疫学は、このような化学物質という異物を排除する人間の免疫のメカニズムを完璧に明らかにしたのですが、残念なことに現代の治療医学はこのような免疫の進化の意味や、基礎医学である免疫学の完璧な理論と事実を無視し、例えば花粉症を過剰反応だと決め付けて、免疫を抑えることにしか興味を全く示さないのです。

それでは風邪のウイルスによって花粉症と同じ症状が出ても、何故過剰反応といわないのでしょうか?花粉症の治療薬としては、ステロイドを使うのはごく当たり前になっていますが、何故風邪のウイルスのときにステロイドを使おうとしないのでしょうか?そしてその症状を過剰反応と言わないのでしょうか?風邪のウイルスによる様々な不都合な症状、鼻水・鼻づまり・咳・倦怠感などはステロイドを投与すれば一挙に消えてしまうのに、何故風邪の時にはステロイドを使わないのでしょうか?ちょっと考えてください。

 ・・・・・・実を言えば答えは簡単です。風邪の症状を取るためにステロイドを与え続ければ、症状は完璧に一時的には消失しますが、肺炎になって死んでしまうからです。というのは、ステロイドによって免疫が抑え続けられればウイルスはそれこそ人体を我が世の春と考え、体内で無限に増殖し続けることが可能であり、いつの間にか肺の細胞である肺胞も死んでいってしまい、呼吸が出来なくなってしまうからです。
 
 それに一体過剰とは科学的にどのような意味を持つのでしょうか?つまり普通の状態よりも多すぎる、強すぎる、感じすぎる、というような意味で使われているのでしょう。それでは普通よりも知能が高すぎる人は過剰知能の持ち主として批判するでしょうか?オリンピックでスピッツの7個の金メダルよりも多く金メダルを取ったフェルプスや、日本に2個の金メダルをもたらした北島康介は強すぎるのではないでしょうか?過剰な強さを非難すべきでしょうか?世界の芸術家は普通よりも遥かに感受性が強すぎる人たちの集団ではないでしょうか?彼らも過剰な感覚の持ち主として非難されるでしょうか?

つまり私の言いたいことは、過剰であるという言葉には悪いという科学的な根拠は何もないということです。例えばアレルギーも初めから今ほど多くはありませんでした。最初にアレルギーを感じ出した人たちは、それこそ異物を認識する遺伝子が最も優れた人たちの集団であったのです。人間にとって必要でない化学物質を、誰よりも早く誰よりもわずかでも気付いた人たちでした。言い換えると、環境に不必要な化学物質が蓄積し出したことを最初に警告した集団であったのです。今でこそ、世界中に化学汚染物質が環境の中に埋めつくされているので、アレルギーでない人を探すのが難しいくらいになりました。

このように免疫は人体にとって不必要な異物が侵入したときに、それを排除しようとする戦いの武器なのであります。異物を認識する遺伝子の多様性、つまり異物を認識する免疫の力が繊細で強い人は、実は中世のペストに感染しても、それをやっつける抗体を作りやすかったので生き残ったと考えられます。現在ではエイズのウイルスが体内に入っても、異物を認識しやすい免疫の多様性を有している遺伝子を持っている人は感染しにくく、また感染しても長生きするということ分かっています。
 
それではここで異物には大きく分けて2種類あり、一つは生きた異物であり、殺さなければ人間が殺される怖い敵となるのですが、もう一つは死んだ異物であり、殺すことができないので怖い敵になり得ないので共存できる異物であります。まず生きた異物について述べましょう。それは感染症を起こす異物であります。この異物との戦いは死ぬか生きるかの戦いであり、ワクチンと抗生物質と人間の免疫の力によって人間の勝利に終わりました。しかしもう一つの死んだ異物である化学物質についても少し詳しく述べましょう。この異物は既に死んでいるわけですから、体内で増殖することがないので、殺す必要もありません。このような異物が侵入したときには、体外へ吐き出せばいいだけですが、実際吐き出せば免疫の戦いの勝利となるわけです。しかし繰り返し侵入したらどうなるでしょうか?もちろん繰り返し排泄すればよいのです。がしかし、無限に入ってくる異物に対しては、つまり農薬や保存剤や防腐剤や抗生物質や人工香料、人工色素などの化学物質が無限に侵入するたびに、人体の免疫はそれを排除するということをやり続けるでしょうか?ここに免疫の絶妙な賢明な答えが隠されているのです。直接生命を脅かすものでない限り、人体はこのような異物とは共存できるというメカニズムを免疫は用意してくれていたのです。つまり殺す必要のない異物に対して免疫は攻撃することを止めてしまうものです。これが私が世界で初めて臨床で見つけた自然後天的免疫寛容なのであります。

 この事実は実は私だけが知っているのではありません。同じ事実を東京大学名誉教授の多田富雄という免疫学の先生が人間ではなく実験動物で見出していたのです。この仕事に対して彼は文化功労賞を授与されました。結局私は人間の臨床で見つけた自然後天的免疫寛容を、多田富雄名誉教授は動物実験を用いた基礎研究の中で見つけたのです。つまり私と多田先生とが見つけた免疫寛容は、相手が人間であるか動物であるかの違いだけだったのです。
 
 さらに、現代の病気で難病とされている膠原病についても一言触れておきましょう。大学病院などに行けば、アレルギー・リウマチ・膠原病と標榜されている科があります。これは伊達や推挙で掲げられた看板でありません。膠原病の代表がリウマチであり、さらに膠原病はアレルギーと同じ病気であるということを示唆している極めて『科学的』な病院の看板なのであります。臨床の先生でも免疫学を真剣に勉強した先生ならば、このような看板をかけることには何の抵抗も感じないでしょう。しかしながら残念なことには彼らは自然後天的免疫寛容をご存じないのです。もちろん言うまでもなく、リウマチが治るなどというのも夢にも思ってはいません。免疫学を勉強すれば、先にあげた東大の免疫学の先生であった多田先生の仕事を知らない訳はありません。つまり大量に抗原を入れ続ければ、アレルギーの症状がなくなり、最後にサプレッサーT細胞が働き出し、免疫寛容を起こし、症状が全てなくなり、その異物であるアレルゲンと共存できるのであるということを知らない訳はないのです。

 何故これだけ素晴らしい看板を掲げているのにもかかわらず、このような簡単な事実をご存じないのでしょうか?さらに、免疫学を少し勉強するだけで、クラススイッチの事実を知らないわけにはいきません。IgMやIgGからIgEやIgAに抗体の種類(クラス)が変わること(スイッチ)を知らないで通すわけにはいきません。しかもこのクラススイッチの遺伝子は、日本人である京大の名誉教授の本庶佑先生が見つけたことも医者ならば誰でも知っているはずです。どうしてこのような基礎の免疫学の事実を臨床に応用しないのでしょうか?

 答えは極めて簡単です。薬で病気を治そうとするからです。ところがその薬とくると、如何なる優れた薬でも免疫を抑えることしかできないからです。医学者や薬学者が作ってきた薬はすべからく免疫を抑えるだけなのです。全ての薬には効能書きがあります。本来効能書きは病気を治す効能について書くべきものなのですが、何せ病気そのものを治すことができる薬は皆無ですから、薬の効能は実は免疫を抑える効能であり、免疫を抑える度合いによって薬が効くとか効かないとかいうお話のレベルなのです。

一般大衆は、薬は病気を完治させるもの、つまり治せる化学物質と考えていますが、これは間違いも甚だしいのです。今いみじくも薬を化学物質と書きましたが、まさに人間にとっては環境汚染物質である化学物質のひとつが薬と称されているのです。従って、私が薬は毒薬だという根拠は、まさに薬が人間にとって異物であると同時に、免疫を抑えるだけで、さらに病気を治せないためなのです。それが薬は出来る限り飲むな、と常々患者に言い続けている理由なのです。
 
 さらに視点を変えて、薬を飲んではいけない理由を述べましょう。それはアレルギー・膠原病の薬は全て免疫を抑えるものでありますから、実は免疫を抑えるという意味は、人類が38億年かけて完璧と言える程に進化させてきた遺伝子の発現を全て抑えようとするからです。まるで遺伝子が悪を成しているがゆえに、遺伝子の働きを徹底的に抑え込もうとしているのです。何という人類の進化に対する冒涜でありましょうか。私達がこの世に生を受けるのも全て遺伝子の働きといえます。精子と卵子が合体し、受精卵となり10ヶ月かかってこの世に人の姿をして生まれるのも、男や女の成長も、老化も、死も、全て遺伝子の成せる業といっても過言ではないのです。このような遺伝子の働きに対して真っ向から戦いを挑んでいるのが、免疫を抑える薬の効能なのです。

 例えば、アレルギーを起こすIgE抗体を作ったり、膠原病を起こすIgG抗体を作ったりするまでに、どれだけ多くの免疫の遺伝子が活動しているかご存知でしょうか?これらの抗体を作るまでに関わる免疫細胞の遺伝子の数の総計は数百あるといえます。このような遺伝子の働きを、基礎の免疫学が解明すればするほど、人間はその働きを抑える薬を作って、人間の遺伝子に対して障害をますます増やしていることにまるで気が付いていません。

 私は免疫を抑える薬を作り、何の反省もなく嬉々として使っている医学者に対して、敢えて聞きたいのです。『貴方は遺伝子を傷つけることに罪の意識を感じませんか?』と。『もし感じなければ貴方は遺伝子が病気を作っているとお考えですか?』と。『アレルギーや膠原病は遺伝子病ですか?』と。もちろん彼らはイエスとは言わないでしょう。

 それでは視点を変えて次のような問いかけをしてみましょう。『逆に免疫を上げる薬を作ることはできますか?』と。答えは簡単です。絶対に不可能です。この問いは次の問いに似ています。『頭を良くする薬を作ることはできますか?』と。この問いに対しては全ての人が答えをお分かりでしょう。『それでは筋力を強くする薬は作れますか?』と。この答えもお分かりでしょう。これらの答えは唯ひとつあります。『薬は作れませんが、刺激すれば必ず良くなります』と。

 とりわけ免疫というのは、外部から異物が侵入するという刺激があって初めて、免疫が働きだすのです。何のために?もちろんその異物を殺したり排除するためです。もちろん排除することができないときには共存するためです。異物が侵入して初めて免疫の遺伝子が発動されるのです。逆に言うと、異物が体内に侵入しない限りは免疫の働きなどというのは一生使う必要はないのです。つまり異物が侵入して初めて免疫が刺激され、免疫の働きが高まるものですから、結局いわゆる病気を作ることによってしか免疫の働きは高まらないという結論に達します。従って現代医学の医薬品の中で免疫を高める薬などというのは皆無であるということがお分かりでしょう。

 ただ免疫の働きをヘルプする薬はあります。それは異物である生ワクチンや不活化ワクチンと抗生物質です。ワクチンは生きた異物である病原菌を殺すために、前もって弱い病原菌を接種しておくと強い病原菌が入ってきても簡単にIgG抗体を作ることができるからです。一方、抗生物質は病原菌の中の細菌は殺すことができたり、増殖できないようにしてくれます。が、残念ながら、病原菌の中でウイルスを殺す薬は未だ作られていません。ただ抗ヘルペス剤だけが作られましたが、ウイルスであるヘルペスの増殖は防ぐことはできますが、殺すことはできないのです。細菌もウイルスも殺すことができるのは唯一、やはり人体の免疫だけなのです。
 
 免疫こそ命の泉なのです。この命の泉を枯らそうと日夜励んでいるのが現代の製薬メーカーであり、私以外の全ての医者であります。どうしたらこのような間違った医療が正される日が来るのでしょうか?皆さん考えてください。

 それでは私の医学がどのようにして免疫を上げているかについて述べましょう。ここでまず病気とは何かについて書いてから免疫を高める方法についても触れましょう。

 病気とは異物が侵入したときに排除しようとする尊い免疫の戦いであります。従って悪い病気という言葉は間違っているのです。異物を排除しようとするのは何故間違っているのですか?貴方がたも自宅に突然見知らぬ人が侵入したときに、それを排除しようとするのは当然のことではないでしょうか?このように異物を排除しようとするときに見られる症状を病気と言うわけですから、病気は全て良い病気なのです。

 ただ、古来以来、医者達はこの免疫の戦いは外から見えないものですから、戦った時に見られる症状や症候を病気だと言ってきたものですから、常に症状は人間にとって不愉快で不都合で好ましくないものですから、病気を常に悪いものだと考えてきた間違いを犯しつづけてきたのです。この間違いを正すのが大変なのです。現代これだけ科学が進み、免疫が分子や細胞のレベルで解明されてきたにもかかわらず、一般大衆にとっては人体の免疫は今でもブラックボックスでありますから、やはり症状を病気と考えている人が全てであります。しかも症状は不快なものですから、症状を病気と考えるのは仕方のないことなのです。このような大衆の無知に付け込んで、医学者は相も変わらず『病気=症状』と思わせてこの症状を取ることが治療だと思わせ、一般大衆を欺き続けています。大衆の側としては症状が取れれば楽になるものですから、現代医学が素晴らしいと思い込み、病院に行けば相も変わらず病気が治ると信じ込んでいます。

 しかしながら、病院通いの途中で本当に病気が治っているかどうかと疑問を持つ人も現れてきました。このような病院の治療の間違いに気がつき始めた人達が私の患者さんになってくれるのです。普通の患者さんは勝手に症状がなくなれば病気が治っていると思い込み続け、いつまでもいつまでも病院は患者で溢れ続けます。特に老人の患者は医療費を支払う額が少ないものですから、病院をサロン代わりにしているのです。本当にかかった費用の全てを払えば、自分で払うべき医療費は高くなるので病気も治らずに払う高い医療費に対して疑問を感じる人も現れるでしょうが、福祉国家の名の元で医療費が安いものですから、医者は病気を治さなくとも仕事が繁盛するしだいです。高額医療になるとますます国が補助するものですから、懐に痛みを感じないので不景気でも病医院が繁盛するようになっています。これを目ざとく気がついた偏差値の高い学生達が猫も杓子も医科大学を目指すことになります。今でも年間の国民総医療費は34兆円、国家税収が50兆円、総予算が80兆円という超赤字でも、医療費は高騰し続けます。免疫を抑える薬しか作れないわけですから、病気が治っているわけでもないのですから、ますます病人が増えて医療費が今後高騰していくでしょう。

 以上の事柄は税金の高さについても言えます。源泉徴収が行われているので、サラリーマンはどれだけ税金を払っているかの実感がありません。直接自分で所得税を納めるようになれば、税金の使い方にもっと疑問を持つでしょうに。医療費にしろ税金にしろ、このような惨状をどうすれば良くなるでしょうか?まず、病気とは何かを正しく保健体育の授業の中で小学校から正しく教えるべきです。さらに病気は自分で治すものであり、自分の免疫で治すものであるということも徹底的に教育すべきです。特に成人病は必要な栄養を不必要なほど摂取するために、自分で作っていることに気付かせるべきです。美味しい炭水化物であるパンやうどんやラーメンや米を摂り過ぎると全て糖に変わり、使われなかった糖は全て中性脂肪に変わり、動脈硬化や肥満を起こし、最後は死をもたらす高血圧、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞になることを徹底的に教えることです。このような成人病は薬で治すものではなくて、美味しい糖分を控えるということによってのみ可能になることも教えるべきです。

 次に心の病に関しては正しい生き方を教えるべきです。一言で言えば、心に異物を入れないことです。言い換えると心に邪悪な感情を感じないようにすることです。具体的には『足るを知る』という生き方、自分の能力以上のものを求めない生き方、人を妬んだり嫉んだり恨んだりしない生き方、自分が欲しいけれども持っていないものを持っている人の幸せを喜んであげる生き方、最後に運命を引き受ける生き方を子供のときから教えるべきです。このような生き方は現代の教育とは全く異なることに驚かざるを得ません。このような生き方は本当の心の幸せをもたらし、免疫を上げることが可能であり、かつ健康な寿命を延ばすことが明らかになっております。これらは心に対して喜びという刺激を与えることによって、体の免疫を上げることができるのです。

 最後に癌でありますが、これも癌遺伝子の発現が細胞に生じたときに生じるものですから、病気とは言えません。癌についても色々と述べたいのですが、別の機会にします。ただ生まれたときに持っている原癌遺伝子を癌遺伝子にさせないようにすることです。癌遺伝子を癌にならせないように、アンチ癌遺伝子を傷つけないような生活をすることです。まず、タバコを吸わない、大酒を飲まない、肥えない、バランスのよい食事を摂る、免疫を抑えないようにする、ハッピーな心を持ち続ける、人の幸せを自分の幸せのように感じる、規則正しい生活をする、ストレスから上手に逃げる、などが知られています。

 最後の最後の病気の原因は、薬であります。先ほど述べたように薬は免疫を抑える薬が90%以上であります。まず解熱剤、頭痛薬、生理痛の薬、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤、抗アレルギー剤、抗免疫抑制剤、抗リウマチ薬、生物製剤、ステロイド、抗癌剤、これらは見掛けの症状は除去しますが、病気を治せません。さらに免疫を抑えることによって、感染症が起こりやすくなり、癌なども起きやすくなります。

 また、免疫を抑えている間に人間の体に寄生したがるウイルスである何種類かのヘルペスウイルスが神経に増殖することにより、このヘルペスとの戦いのために様々な神経症状が出続けます。しかも一度増えたヘルペスウイルスを免疫が抗体を作って倒すことは極めて難しいので、後々問題を起こします。

 免疫を抑えるということは、免疫の遺伝子を知らないうちに変えてしまっているので、この遺伝子を正常に戻す途上で初めの症状がひどくなってしまいます。これを免疫の離脱症状(リバウンド)といいます。このリバウンドを乗り越えさせるのが、私のアトピーとリウマチの治療の大部分となります。

 さらに薬は製薬メーカーの工場で作られた化学物質ですから異物となり、アレルギーを起こしたりショックを起こすことで新たに病気を作ります。私は訳の分からない病気は全て薬によって起こされたものと考えています。これらは全て医原病というべきものです。医原病が病気の90%以上を占めていると考えています。ところが医学書には医原病の「医」という言葉さえありません。新しい医学の講座が必要です。それは医原病科と名づけられるべきです。

 最後に実際的な現代の病気についてコメントしておきましょう。子供の病気は風邪とアレルギーしかありません。大人の病気は風邪とアレルギーに加えて膠原病と成人病だけです。さらに現代治療が最も必要とされていると思われる病気は、アレルギーと膠原病であります。このふたつの病気に対する現代の治療は例の如く全て間違っています。何故ならばアレルギーも膠原病も免疫を抑える薬しか出せないので、免疫の働きを抑えると戦いが一時的に止まるので症状は消えるのですが、絶対に治せないのです。にもかかわらず医者達はこのような治る病気を治らない病気だと言い続けています。この世の中には治らない病気というのは遺伝病以外ないのです。アレルギーも膠原病も遺伝子の正しい発現により異物を排除しているだけなのであり、決して遺伝子病でないことを知っておいてください。治らない病気というのは医者が治る病気を治らないようにさせているだけなのです。その手段は免疫抑制剤という薬によってであります。膠原病は免疫を抑えないことによってクラススイッチを起こし、アレルギーに自然にさせ、さらにアレルギーは免疫を抑えないことによって自然に後天的免疫寛容を起こせば良いのです。前者のクラススイッチは京大の本庶佑先生によって発見され、後者の免疫寛容は東大の多田富雄と京大の坂口志文によって見つけ出されました。実はこれらの学者先生方は全て基礎医学の免疫学の先生でありますが、臨床では私が世界で初めてクラススイッチの事実と免疫寛容の事実のふたつを私が見つけたのですが。ワハハ。

 最後にまとめを書きましょう。アレルギーも膠原病も免疫を抑えない限り絶対に治る病気です。病気は人間が作りその病気を治すのは人間の免疫であります。免疫を抑えない限り現在は全ての病気が治るといっても過言ではありません。ただ治りやすさと治りにくさの度合いが異なるだけです。私に診察されるまでにどれだけ免疫を抑えて免疫の遺伝子を変えてきたか、だけであります。どれだけ抑えたかは当院で免疫を抑えない治療を行うことによってリバウンドの度合いと長さによっておのずから判明します。いずれにしろ、医者の出す薬は出来るだけ飲まないほうがよろしい。必要な西洋薬はワクチン、抗生物質、血圧の薬、補助療法としてのホルモン剤(チラージンS)、胃炎・潰瘍のための胃薬や、時に睡眠薬も許されるでしょう。

 ここでひとつ注意しておきたいことがあります。たとえば更年期になって生理が止まったときに、いわゆるホットフラッシュなどの更年期障害の症状を経験する人があります。この時、産婦人科医は女性ホルモンが減ったのでこれを補う治療をHormone Replacement Therapy(HRT)と称して女性ホルモンを勧めますが、これは間違っています。何故ならば更年期は老化の一つに過ぎないので、老化の結果、女性ホルモンが作られなくなっただけのことであり、子供を産む必要がなくなれば女性ホルモンは必要がないだけのことです。この更年期も遺伝子の自然な発現の結果であり、全ての女性に更年期があるのは全ての少女に初潮があるのと同じです。我が子に出来る限り早く色気をつけるために女性ホルモンを投与する親がいますか?実はいるのです。しかし親が投与するのでありません。売春宿の経営者が金儲けに行うのです。先日の新聞に出ていました。インドでは幼い少女達を売春婦に仕立て上げるために、つまり女性の魅力を少しでも早く増やして、仕事をさせるために8歳ぐらいの貧しい少女達に女性ホルモンを投与し、男の餌食にならせて金を儲ける大人たちがいることが報道されていました。悲しいことです。

 また、閉経後に女性ホルモンを入れることによって、女性生殖器の癌が増えるということがアメリカの大規模調査で分かったので、アメリカでは即時女性ホルモンを投与することを中止しましたが、日本人の女性は体質が違うという理由で今なお日本ではHRTが行われています。残念なことです。何故女性ホルモンが癌を作りやすいのかという理由の一つは、やはり女性ホルモンが免疫を抑えるからだということも周知の事実です。

 このように老化を病気にしてしまっている医学界も問題です。近頃アンチエイジングなどと称して色々な薬が売られていますが、これも遺伝子に対する間違った挑戦です。確かに老化も遺伝子の自然な発現の一つであり、全ての人に遅かれ早かれ訪れるものです。老化に挑戦するよりも老化を素直に受け入れることが遥かに大切だと思います。今後も老化を治すことができないのは、癌を治すことができないのと同じです。癌が老人の病気であるのも、やはり免疫の低下が一枚かんでいることも明らかにされています。

 最後にステロイドを使ってもよい、というよりも使わなければならない状況について述べましょう。一番よく見られるのはアレルギーによる気管支の粘膜の狭窄による喘息発作などの、死ぬか生きるかの緊急事態に際してや、アレルゲンが大量に人体に侵入することによって生じるアナフィラキシーショックにおけるステロイドはもちろん許されるでしょう。ステロイドはあらゆる免疫の細胞の核の中に簡単に入り込んでDNAの遺伝子の発現を変えるので、簡単に免疫の働きを実行する蛋白の製造を完全にストップさせるので、気管支を狭めようとする免疫の働きや、全身の血管を広げようとする免疫の働きを簡単に抑えてくれます。そして窒息死やショック死から脱出させることが可能であるからです。このような状況も突然起こるのではなくて、徐々に抑えられた免疫反応がリバウンドするためですから、初めから免疫を抑えなければ死を招くような喘息発作やショックは滅多に起こるものではないと考えています。

 それでは、免疫を上げる方法はどこにあるのでしょうか?まさに東洋医学です。その代表が漢方生薬と鍼灸と漢方風呂であります。私はこのような免疫を上げる手法を用いてほとんど全ての病気を治しています。いや、治すのではなくて、患者さんの免疫をヘルプすることによって、患者さん自信が病気を治してくれています。病気を治すのは患者さん自身なのです。医者は患者さんの免疫をヘルプすることだけが許されるべきなのです。

 現代の臨床医学は傲慢すぎます。医者は病気を治すどころか免疫を抑えることによって病気を作っているのです。みなさん、医者が貴方がたに投与しているお薬の効能書きを読んだことがありますか?病気を治せない薬なのにその副作用たるや読むだけで背筋が寒くなります。なぜこのような怖い副作用が起こるのでしょうか?答えは簡単です。薬は人間にとって異物であるからです。従って薬が様々なアレルギーや様々な膠原病を起こす副作用を持っているのは当然なのです。いつも滑稽に思っていることは農薬や除草剤、防腐剤、保存剤などの異物が人体に侵入することによって、それを排除しようとする崇高な免疫の働きによって生じたアレルギーや膠原病を、さらに再びその免疫の働きの戦いを抑えるために薬という新たなる異物を医者が投与することによって、さらに激しいアレルギーや膠原病を起こしている医療です。この薬という異物は人体の細胞の様々な正しい働きも止めてしまうことがあるので細胞毒にもなりえます。以上述べたような意味で、私は薬を毒薬だと言っているわけです。異物を排除しようとしている免疫の働きを抑えるために、さらに新たなる薬という異物を入れることを滑稽に思いませんか?これが現代の治療薬として厚生省が認めている薬なのです。

 正しい医療を行う為に、またうなぎ登りに高騰している無駄な医療費を削減するためにも、医者に見せるための効能書きを患者にも見せるべきです。効能書きに羅列されている副作用に患者は度肝を抜かれて誰も薬に手を出すことはなくなるでしょう。そうすれば国民の健康は回復しますが、製薬業界や医療業界は総倒れとなるでしょう。その為にさらに日本経済も悪化し不景気が続き、やはり薬は必要だということになるでしょう。ワハハハ。

 製薬メーカーも医者も、もっと人間の免疫の遺伝子に対して敬意を払うべきです。人間の頭脳などというのは38億年という遺伝子の進化に勝てるはずはないのです。

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