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がん治療に用いられる「丸山ワクチン」による治療は価値があります。更新2025.10.10

投稿日:

SSM治療(丸山ワクチン)の概要。
SSM治療とは、「Specific Substance MARUYAMA」の略で、がん治療に用いられる「丸山ワクチン」による治療のことです。
開発経緯:1944年に丸山千里博士(元日本医科大学教授)によって、もとは結核菌から抽出された成分をもとに皮膚結核などの治療薬として研究が始まりました。
がん治療への応用:結核の治療に使っていた患者に、たまたまがん患者がいなかったことから、後にがん治療への研究が進められました。

SSM治療(丸山ワクチン)の成分:主成分は、結核菌から抽出した多糖体「アラビノマンナン」です。
多糖体「アラビノマンナン」とは 多糖体「アラビノマンナン」は、結核菌の細胞壁に存在する特徴的な多糖体であり、丸山ワクチンの主成分です。丸山ワクチンでは免疫系を活性化させることで、免疫系の働きを高めがん細胞の増殖を抑制する効果があるとされています。多糖体「アラビノマンナン」は、結核菌をはじめとする抗酸菌の細胞壁に含まれる重要な成分です。アラビノースとマンノースという単糖からなる多糖で、特に「リポアラビノマンナン(LAM)」という糖脂質の形で存在し、免疫反応との関連で注目されています。

多糖体「アラビノマンナン」の構造と特徴
構成: アラビノースとマンノースという2種類の単糖が結合した多糖体です。
糖脂質: 結核菌の細胞壁では、脂質と結合した「リポアラビノマンナン(LAM)」として存在しています。
免疫反応: LAMは、宿主の免疫系に認識される抗原として機能します。免疫細胞である樹状細胞の受容体(Dectin-2など)に認識されることで、宿主の免疫応答を誘導します。Dectin-2とは免疫細胞の表面に存在するパターン認識受容体(PRR)であり、C型レクチン受容体(CLR)ファミリーの一員です。主に菌類(真菌)や細菌(ミコバクテリアなど)由来のマンノースリッチ糖鎖などの炭水化物構造を認識することで、感染防御に関与します。Dectin-2は、自然免疫応答を活性化し、サイトカイン産生やIL-17産生T細胞の分化誘導を通じて免疫応答を調節することで、宿主の防御に重要な役割を果たします。IL-17とは炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質の一種で、主にTh17細胞や他の免疫細胞から分泌されます。好中球の遊走・活性化を促し、様々な細胞に炎症性物質の産生を誘導することで、炎症反応を促進する役割を担います。ヘルペスによる乾癬や多発性硬化症などの自己免疫疾患である慢性炎症性疾患であり、これらの疾患の治療にはIL-17の働きをブロックする生物学的製剤が用いられますが大間違いです。

免疫調節作用: リポアラビノマンナン(LAM)は免疫調節作用を持ち、炎症性サイトカイン(MIP-2、TNF、インターロイキン6など)の産生を促します。MIP-2(訳はマクロファージ炎症性タンパク質-2)は、好中球の走化性と活性化を促進するケモカインの一種です。ケモカインとは走化性サイトカインの総称で炎症反応に関わるサイトカインであり、マクロファージや好中球などによって産生されるので、MIP-2 ( Macrophage Inflammatory Protein-2 で、日本語ではマクロファージ炎症性タンパク質-2)で、これはマクロファージや好中球が産生する化学遊走物質(ケモカイン)の一種です。炎症部位への好中球の集積に重要な役割を果たします。

MIP-2の主な特徴と機能
アポトーシス細胞とマクロファージの相互作用:
好中球の動員:
MIP-2は、炎症部位へ好中球を呼び寄せる働き(走化性)や、好中球を活性化させる作用があります。
CXCケモカインの一種:MIP-2はCXCケモカインファミリーに属し、CXCR1やCXCR2などの受容体に結合することで機能を発揮します。
マクロファージや単球からの産生:主にマクロファージや単球、上皮細胞などによって産生されます。
サイトカイン:細胞から分泌され、他の細胞に情報を伝えるタンパク質の一種です。MIP-2もサイトカインの一つです。
ケモカイン:白血球などの細胞を特定の場所へ誘導するサイトカインです。MIP-2( Macrophage Inflammatory Protein-2 で、訳してマクロファージ炎症性タンパク質-2)はまたケモカインの仲間でもあります。

アラビノマンナンの特徴
成分:
結核菌に含まれる脂質と多糖体を組み合わせた「リポアラビノマンナン(LAM)」として知られ、マンノース骨格、アラビナン領域、キャップ構造などから構成されます。
免疫への作用:免疫系を活性化させると同時に、抑制する働きも持ち合わせています。

丸山ワクチンの成分としての役割
主成分:
1944年(昭和19年)に開発された丸山ワクチンは、結核菌から抽出したアラビノマンナンを主成分としています。
メカニズム:丸山ワクチンは、自然免疫の司令塔である樹状細胞を刺激して活性化させることで、がん細胞の増殖を抑える効果があると考えられています。
用途:当初は皮膚結核、肺結核、ハンセン病の治療に用いられましたが、後にがん治療の補助療法としても研究されました。

SSM治療(丸山ワクチン)のがんに対する作用
丸山ワクチンは、以下の2つの主な作用機序によって、間接的にがんの進行を抑えます。
免疫細胞の活性化:免疫システムに働きかけ、リンパ球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞といった免疫細胞を活性化させます。これにより、がん細胞にとって不利な環境を作り出し、がん細胞が自滅するように促します。
コラーゲン増加作用:注射されたワクチンによって、がん細胞の周囲に多量のコラーゲンが作られます。このコラーゲンががん細胞を封じ込め、栄養補給路を遮断することで、がんの増殖や転移を防ぎます。
SSM治療(丸山ワクチン)の治療の現状
医薬品としての承認:
丸山ワクチンは、国からの医薬品としての承認は得られていません。
有償治験薬としての承認:しかし、「無効と断定するものではない」という特例的な判断により、現在でも「有償治験薬」として患者に供給されています。
治療対象:免疫療法であるため、がんの種類や部位を問わず、幅広いがんに使用できます。
SSM治療(丸山ワクチン)の治療の利用状況:日本医科大学のウェブサイトによると、2015年末までに約40万人の患者が丸山ワクチンを使用しています。

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