キラーT細胞はヘルペスウイルスが感染している大量の癌細胞(増殖過剰細胞)を殺すことが出来るのに何故キラーT細胞は殺しきれないのでしょうか?それは長い時間かけて癌細胞(増殖過剰細胞)が増えれば増えるほど同時にヘルペスが人体の細胞内で増殖しすぎた細胞が細胞の中でどんどん増えていくわけで、かついわゆる癌細胞にならないherpes感染細胞も増えすぎているので更にそれに伴って増殖関連遺伝子が変異したいわゆる癌細胞が増えすぎてしまっているので細胞内にherpesが感染している細胞の総計は莫大な数になります。このherpes感染細胞の数に比べてherpes感染細胞のヘルペスを殺してくれるキラーT細胞は極めて少ないのです。ヘルペスが増えていくスピードとヘルペスを殺してくれるキラーT細胞の増殖して2倍になる速度は比べることが出来ないほど少ないからです。さらに骨髄で生まれたナイーブT細胞が胸腺でキラーT細胞の資格となるCD8という補助レセプターを身に着けてリンパ腺に出ていくのですが極めて数少ないherpesを認識できる選ばれたナイーブキラーT細胞でなければ役立たずのナイーブキラーT細胞となるのです。さらにナイーブキラーT細胞が活性化するのにヘルペスウイルスを認識できるAPC,ヘルパーT細胞と、このナイーブキラーT細胞の三者が同じリンパ節が一緒に会合しなければヘルペス感染細胞を殺すことが出来ないのです。一方一個のヘルペスが細胞に感染すると一回の分裂で数百個増えるのは簡単なことなのです。しかも一個の活性化キラーT細胞が殺せるherpes感染細胞はせいぜい時間をかけて数十個と言われ、その後は疲れ切って死んでしまうと言われています。
つまり癌細胞が極めて少ない初期にはそれなりに活性化キラーT細胞の働きも価値があるのですがヘルペスが増えかつherpes感染細胞が増えだしかついわゆる癌細胞がすごい勢いで増えていくと活性化キラーT細胞は圧倒されてしまい無力になってしまうのです。
因みに血液の中の100万個のT細胞のうち、たった1個のT細胞だけがヘルペスウイルスを認識できるだけだというほどにある特定の病原体を認識できるT細胞は極めて少ないのです。T細胞には3種類あってヘルパーT細胞、キラーT細胞、抑制T細胞の三つです。