なぜシリーズ 理論 自己免疫疾患はない

すべての自己免疫疾患の原因は8種類のヘルペスウイルスのどれかであるherpes感染症にもかかわらず何故自己免疫疾患は存在しないのに100種類以上もある自己免疫疾患があるとされ、しかもそれぞれの自己免疫疾患に個々の自己抗体が明示されています。なぜこんなことが起こるのでしょうか?更新2025.10.22

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答えは簡単です。免役の遺伝子は長い進化の中で自己と非自己である見えない体内に感染した病原体である敵を完全に抗原提示細胞(APC)が区別できるようになり更に自己であることを証明することができるHLA(MHC1分子とMHC2分子)が生まれて初めて急速な免疫の進化を遂げることができました。

抗原となる一つの蛋白が持っているエピトープは何種類もあります。
抗原となる一つのタンパク質は、複数の異なるエピトープ(抗原決定基)を持っているのが一般的です。

複数のエピトープを持つ理由
タンパク質の大きさ: 抗原となるタンパク質は巨大な高分子であるため、その表面には、抗体が結合できるさまざまな部分が存在します。
抗体の多様性: 免疫系は、多様な抗体を作り出すことで、一つの抗原に対しても複数の異なる部位を認識できるように進化しています。そのため、単一の抗原に複数の異なる抗体が結合します。
免疫応答の強化: 複数のエピトープを同時に認識することで、より強力な免疫応答が引き起こされます。

エピトープの種類
エピトープは、その構造によって主に2種類に分けられます。
立体(コンフォメーション)エピトープ:
タンパク質が折りたたまれて形成される、立体的な構造によって作られるエピトープです。
アミノ酸配列上では離れている部分が、タンパク質の三次元構造の中で接近することによって形成されます。
抗体と結合するエピトープの大部分は、この立体エピトープです。

線状(リニア)エピトープ:
タンパク質を構成するアミノ酸の配列が、そのまま免疫系に認識されるエピトープです。
主にT細胞が認識するエピトープですが、一部の抗体も認識します。
このように、一つの抗原タンパク質には複数の種類の異なるエピトープが存在することで、多様な抗体が結合し、強力な免疫応答を可能にしています。

一つの抗原となるタンパク質は、複数の異なるエピトープ(抗原決定基)を持っています。エピトープとは、免疫細胞や抗体が認識して結合する、抗原の特定の部位のことです。
複数のエピトープを持つ理由
タンパク質の大きさ
抗原となるタンパク質は比較的大きな分子であり、免疫細胞や抗体が認識できる部位は、そのごく一部にすぎません。そのため、大きなタンパク質には、さまざまな部位に複数の異なるエピトープが存在します。

免疫応答の多様性
一つの抗原が複数のエピトープを持つことで、免疫系は多様な攻撃を仕掛けることができます。たとえば、異なる免疫細胞や抗体がそれぞれ異なるエピトープを認識して結合することで、より強力な免疫応答が引き起こされます。

エピトープの種類
エピトープには、抗原の構造によって主に2つの種類があります。

線状(連続的)エピトープ
アミノ酸が一次配列上で連続して並んでいる部分です。
タンパク質が変性して立体構造が失われても、このエピトープは認識され続けます。

立体(不連続)エピトープ
タンパク質の立体構造において、離れた位置にある複数のアミノ酸が空間的に近接することで形成される部分です。タンパク質が変性すると、このエピトープは失われてしまいます。
人間が感染症にかかったり、予防接種を受けたりすると、体内で作られる抗体(ポリクローナル抗体)は、抗原タンパク質にある複数のエピトープにそれぞれ結合する抗体の混合物となります。これは、多岐にわたるエピトープに対して免疫応答が起こるためです。

100種類もの自己免疫疾患それぞれに特異的な抗体のリストをすべて挙げることは困難です。その主な理由は以下のとおりです。
単一の疾患に複数の抗体が関与する場合がある:たとえば、全身性エリテマトーデス(SLE)では、抗核抗体(ANA)、抗DNA抗体、抗Sm抗体など、複数の自己抗体が関連します。

1つの抗体が複数の疾患に関与する場合がある:抗核抗体(ANA)は、SLEだけでなく、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、橋本病など、さまざまな自己免疫疾患で陽性になることがあります。

特定の抗体が病気の原因ではない場合がある:診断に役立つマーカーとして使われる一方で、必ずしも病気の直接的な原因ではないとされる自己抗体も存在します。

以下に、いくつかの代表的な自己免疫疾患と、それに関連する特異性の高い自己抗体の一部をご紹介します。

代表的な自己免疫疾患と関連抗体

疾患名関連する主な自己抗体補足
全身性エリテマトーデス(SLE)抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体抗dsDNA抗体と抗Sm抗体は疾患特異性が高いとされています。
関節リウマチ(RA)抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)、リウマチ因子(RF)抗CCP抗体は疾患特異性が高いマーカーです。
強皮症抗セントロメア抗体(限局型強皮症)、抗トポイソメラーゼⅠ抗体(全身型強皮症)どちらの抗体もそれぞれサブタイプの診断に役立ちます。
多発性筋炎・皮膚筋炎抗Jo-1抗体、抗SRP抗体、抗PM-Scl抗体抗Jo-1抗体は炎症性筋疾患のサブタイプを特定する上で重要です。
橋本病抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)甲状腺を攻撃する自己抗体です。
バセドウ病抗TSH受容体抗体(TRAb)甲状腺を刺激し、甲状腺機能亢進症を引き起こします。
シェーグレン症候群抗SS-A抗体、抗SS-B抗体唾液腺や涙腺を攻撃する自己抗体です。
自己免疫性肝炎抗平滑筋抗体(ASMA)、抗LKM-1抗体肝臓を攻撃する自己抗体です。
セリアック病抗組織トランスグルタミナーゼ抗体(抗tTG抗体)グルテンに対する自己免疫反応です。
グッドパスチャー症候群抗GBM抗体腎臓と肺の基底膜を攻撃する自己抗体です。
多発性硬化症視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)では抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)古典的な多発性硬化症に特異的な抗体は確立されていませんが、類似疾患で重要な抗体があります。
抗リン脂質抗体症候群抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体、ループスアンチコアグラント血栓症や流産を繰り返す症候群に関与します。

このリストは網羅的なものではなく、病気の数も関連する自己抗体も多岐にわたります。より詳細な情報は、各疾患の専門的な文献や医療機関のウェブサイトを参照してください。

抗体の種類が同じ自己免疫疾患で多数あるのはなぜ?
同じ種類の自己抗体が関わる自己免疫疾患が複数存在する主な理由は、以下の複合的な要因によるものです。

1. 標的組織の違い
自己抗体は特定の分子(自己抗原)を攻撃しますが、その自己抗原は複数の異なる組織に存在する場合があります。同じ自己抗体であっても、どの組織や細胞に炎症や損傷を引き起こすかによって、異なる疾患として現れます。

例:
抗核抗体(ANA): 全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症など、複数の自己免疫疾患で見られます。ANAは細胞の核内にある多様な物質を標的としますが、攻撃される臓器や細胞の種類が異なると、症状や病態が異なる別の疾患となります。

2. 自己抗原の分子多様性
同じ名称の自己抗体であっても、実際には異なる分子の部分(エピトープ)を認識していることがあります。これにより、同じ種類の自己抗体を持つ患者間でも、病態に違いが生じることがあります。

3. 多様な遺伝的要因
特定の自己免疫疾患になりやすい遺伝的素因(HLA遺伝子など)は、しばしば複数の自己免疫疾患と関連しています。複数の自己免疫疾患を併発する「多発性自己免疫症候群」の患者がいることからも、共通の遺伝的背景が示唆されています。遺伝的要因は疾患リスクを高めるだけで、どの疾患が発症するかを決定するわけではありません。

4. 環境要因
自己免疫疾患の発症には、遺伝的素因に加えて、感染症、ストレス、環境汚染物質などの環境要因が引き金となると考えられています。これらの要因が自己免疫反応を活性化させることで、その人の遺伝的素因や体内の状態に応じて、異なる疾患を引き起こす可能性があります。

5. 免疫系の複雑な相互作用
免疫系は細胞や分子が複雑に相互作用して働いており、自己抗体はその一面に過ぎません。同じ自己抗体が存在していても、それを産生するB細胞や、ヘルパーT細胞などの他の免疫細胞の働き方、そしてサイトカイン(細胞間の情報伝達物質)のバランスなど、免疫系全体の相互作用によって病態が異なってくることがあります。
これらの要因が単独で作用するのではなく、複雑に絡み合うことで、同じ種類の自己抗体を持つ複数の自己免疫疾患が生み出されていると考えられています。

これらの自己抗体はIGM抗体ですか?IgG抗体ですか?
多くの自己免疫疾患で病態形成に深く関与している自己抗体は、主にIgGクラスです。しかし、IgMクラスの自己抗体も疾患によってさまざまな役割を担っています。

IgG自己抗体の主な役割
病原性の中心: 自己免疫疾患で臓器や組織の損傷を引き起こす主要な自己抗体はIgGです。
長期的な免疫記憶: IgGは長期にわたる免疫記憶を形成するため、慢性的な自己免疫反応を引き起こします。
胎盤通過: 胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリンであり、母体のIgG自己抗体が胎児に影響を及ぼすこともあります。

IgM自己抗体の主な役割
自然自己抗体: 健康な人にも存在する自然抗体は主にIgMであり、通常は病原性がありません。
初期の免疫反応: IgM抗体は、新しい抗原に初めて接触した際に最も早く産生されます。
保護的な役割: 自己免疫疾患では病原性のあるIgG自己抗体が中心ですが、一部のIgM自己抗体は、炎症を抑制したり、アポトーシス(プログラム細胞死)を起こした細胞を除去したりするなど、保護的な役割を果たす可能性が指摘されています。

具体的な自己抗体の例
抗核抗体(ANA):
全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病で検出される抗体群であり、IgGクラスの抗体が病態に関与します。
リウマトイド因子(RF):
関節リウマチやシェーグレン症候群などで見られる自己抗体で、自己のIgGのFc部分を攻撃する抗体です。IgMクラスのRFがよく知られていますが、IgAやIgGクラスのRFも存在し、IgM RFよりも病原性が高いと考えられています。
抗CCP抗体:
関節リウマチに特異性の高い自己抗体で、主にIgGクラスの抗体です。

要約
自己免疫疾患の病態形成において、臓器・組織障害に直接関わる主要な自己抗体はIgGです。一方で、IgMクラスの自己抗体は初期の免疫反応や免疫系の恒常性維持に関わっており、中には疾患を抑制するような保護的な役割を持つものもあると考えられています。

因みにherpesが増殖してビリオン粒子を作るときにエネルギーをどのように調達しているのか?

ヘルペスウイルスは、単独でエネルギーを作り出すことができないため、感染した宿主細胞のエネルギーを乗っ取ることで増殖に必要なエネルギーを調達しています。具体的には、以下のようなプロセスでエネルギーを奪い、細胞の代謝を改変します。

宿主細胞の分子機構を乗っ取る
ウイルスは宿主細胞に侵入すると、そのDNA複製やタンパク質合成といった細胞の分子機構を「ハイジャック」します。これにより、細胞本来の活動ではなく、ウイルス自身の増殖に必要なタンパク質や核酸(DNA)を合成させます。

代謝プロセスを操作する
ヘルペスウイルスは、宿主細胞の代謝プロセスを自分にとって有利なように変更します。例えば、ある研究では、ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がマクロファージ(免疫細胞の一種)に感染すると、細胞の酸化リン酸化(ミトコンドリアで行われる効率的なエネルギー生産)を阻害することが示されています。その代わりに、解糖系(グルコースを分解してエネルギーを得るプロセス)の速度を上げさせ、より多くのエネルギーをウイルスの増殖に回します。

ミトコンドリアの機能を利用・改変する
ヘルペスウイルスは、宿主細胞のミトコンドリアの構造と機能を変化させることが分かっています。別の研究では、ヘルペスウイルスが特定のタンパク質を用いてミトコンドリアを標的にし、ミトコンドリアDNAを放出させることで、免疫経路を活性化させてウイルスの再活性化を助けるという、驚くべき仕組みが発見されました。

細胞の免疫応答を回避する
ウイルスはまた、細胞がウイルス感染を感知したときに起こるストレス応答(免疫防御反応)を妨害するタンパク質を生成します。これにより、細胞の防御機能が低下し、ウイルスはより効率的に増殖活動を続けることができます。

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