なぜシリーズ 理論

免疫チェックポイント分子と言われているPD-1とCTLA-4とは全く異なった機能を持った蛋白です。更新2025.8.3

投稿日:2025年8月1日 更新日:

CTLA-4 (Cytotoxic T-Lymphocyte-Associated Protein 4)とは、何でしょうか?免疫チェックポイント分子であり、ヘルパーT細胞の活性化を抑制する働きを持つタンパク質です。ヘルパーT細胞は、体内に侵入した病原体でなどの異物を攻撃する免疫細胞ですが、戦いが勝利に終わればヘルパーT細胞は用済みですからヘルパーT細胞の活性化は必要なくなります。自己免疫疾患はこの世には存在し無いのでCTLA-4と自己免疫疾患は何の関係もないのです。また、がん細胞はCTLA-4を利用して免疫細胞からの攻撃を逃れようとすることがありと言われますが、がん細胞は自己免疫疾患と同じくこの世には100%ないのでがん細胞はCTLA-4を利用して免疫細胞からの攻撃を逃れる必要もないのでCTLA-4を阻害する薬剤は、すべておかねもうけのための手段に過ぎないのです。CTLA-4は主にヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)と制御性T細胞(Treg)に発現します。

CTLA-4の主な働きとは: 活性化していたヘルパーT細胞の活性化抑制により病原体との戦いを終わらせることです。CTLA-4は、ヘルパーT細胞の表面に発現し、抗原提示細胞(APC)から情報を受け取っても、T細胞の攻撃力を活性化させないように戦いを終わらすためにブレーキをかける役割を担っています。CTLA-4はキラーT細胞(CD8陽性T細胞)には発現しません。CTLA-4はヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)と制御性T細胞(Treg)に発現します。したがって、CTLA-4の発現は、キラーT細胞には発現しないという点がポイントです。つまりこの世にない癌細胞殺すわけにはいかないのです。アッハッハッハ!!!

CTLA-4は免疫チェックポイント分子なので、ヘルパーT細胞の活性化を抑制する働きがあります。ヘルパーT細胞は、他の免疫細胞の働きを調節する司令塔のような役割を担っており、CTLA-4は、ヘルパーT細胞が過剰に活性化されるのを防ぐことで、病原体との戦いが終わった免疫反応を制御して終わらせることが出来るので癌との関りは一切ないのです。
一方、CTLA-4分子を持っていないキラーT細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞を直接攻撃・排除する役割を担っており、CTLA-4による抑制は必要ありません。

したがって、CTLA-4の発現は、T細胞の種類によって異なり、キラーT細胞には発現しないという点がポイントです。

T細胞には3種類ありキラーT細胞とヘルパーT細胞とiTregの三つです。iTregだけは癌細胞とは関りがなくアレルギー反応を終了させるための免疫寛容を起こすT細胞である特別な細胞でアルトとだけを覚えておいてください。

癌に関わるT細胞はキラーT細胞(CTL)とヘルパーT細胞だけです。キラーT細胞は、ヘルペスウイルス感染細胞やヘルペスの感染により生まれた癌細胞を直接、攻撃してヘルペスもろとも癌細胞を殺すシステムをもっていますがこのような特別な能力を発揮するためにはヘルパーT細胞と抗原提示細胞(APC)がキラーT細胞を活性させるためには絶対に必要なのです。実はヘルパーT細胞も活性化するために抗原提示細胞(APC)が必要なのです。

抗原提示細胞(APC)には3種類あります。1つ目は代表的な抗原提示細胞(antigen presenting cell略してAPC)である活性化した樹枝状細胞細(dendritic cell)と2つ目は活性化したマクロファージ(大食細胞)と3つ目は未熟なB細胞です。なぜ樹枝状細胞細(dendritic cell)が代表となる抗原提示細胞(APC)なのは抗原ペプチドをMHCに乗せてリンパ節まで運ぶことができる唯一の抗原提示細胞(APC)であるからです。従ってリンパ節でT細胞に抗原ペプチドを提示できる抗原提示細胞(APC)は活性化した樹枝状細胞細(dendritic cell)なのです。

キラーT細胞(CTL)はT細胞受容体(TCR)とCD8という補助受容体とCD28という共刺激分子を持っています。一方ヘルパーT細胞はT細胞受容体(TCR)とCD4という補助受容体とCD28という共刺激分子を持っています。キラーT細胞(CTL)もヘルパーT細胞(Th)も持っている共刺激分子となるCD28は抗原提示細胞(APC)が持っているB7蛋白(B7-1とB7-2)といわれる共刺激分子と結合します。B7-1 (CD80)とB7-2 (CD86)との違いは、T細胞の活性化に関わる共刺激分子であり、それぞれCD80とCD86というタンパク質として知られています。CD28もB7蛋白もどちらも共刺激分子といわれるのですがAPCのB7蛋白がT細胞を刺激してT細胞が活性化しやすくしているのです。実はB7-1 (CD80)とB7-2 (CD86)のどちらもT細胞上のCD28と結合し、T細胞の活性化を促進しますが、発現する細胞や結合する相手に違いがあります。発現細胞の違いはB7-1 (CD80)は主に活性化されたB細胞、マクロファージ、樹状細胞に発現します。B7-2 (CD86)はB細胞、マクロファージ、樹状細胞に加えて、一部のT細胞や上皮細胞など、より幅広い細胞に発現します

ここでキラーT細胞(CTL)とヘルパーT細胞(Th)との違いは二つありますがその一つ目は機能の違いでありキラーT細胞(CTL)は細胞に感染したヘルペスウイルスなどの細胞内寄生でしか生きられない病原体を細胞ごと殺戮することであり、一方ヘルパーT細胞(Th)はキラーT細胞(CTL)の殺しのヘルプをすることなのでヘルパーT細胞(Th)と呼ばれるのですがヘルパーT細胞(Th)も自分の数多くの同じT cell receptor(TCR)にピッタリ合う多くの敵(抗原)である多数の病原体のペプチドとT細胞receptor(TCR)に結合するだけでは活性化されないのです。下の図にこのほかに下の絵図に示したように他にも細かい装置が必要なのです。

このような抗原ペプチドに出会う前の未熟なバージンT細胞のままではキラーT細胞(CTL)を活性化する手助けはできないのです。現在でも残念なことには今なおキラーT細胞(CTL)がどのように活性化されるのかは不明なのです。

バージンT細胞から敵(抗原ペプチド)を見つけて活性化したT細胞になるためにも、同じ抗原を認識している抗原提示細胞(APC)と出あって刺激してくれるAPCのヘルプが必要なのです。キラーT細胞(CTL)もヘルパーT細胞(Th)も同じ抗原を認識している抗原提示細胞(APC)と出あってはじめて活性化されるのです。ここで下図に左からAPCとCTLとの結合状態と中央にAPCとTh cellとの結合状態とAPCとT cellとの複雑な結合を済ませてやっと初めてAPCはT細胞を活性化可能となるのです。右端のT cellはキラーT細胞(CTL)もヘルパーT細胞(Th)の二つが含まれています。

左の三つの絵図には抗原提示細胞(APC)は、細胞のMHCⅠ分子とMHCⅡ分子とMHCに乗せられたヘルペスウイルス由来のペプチドが結合しています。ヘルペスウイルスは、APC細胞内で自己のタンパク質と同様に分解され、ペプチドとしてMHC分子に結合し、ヘルパーT細胞(Th cell)やキラーT(CTL)に提示されています。このように正確にヘルペスウイルスのペプチド抗原がAPCによってT細胞に提示されるとT細胞は初めて活性化されるのはリンパ節なのです。

上記の絵図に示したリンパ節で起こるT細胞とAPCが完璧な結合が生まれるのに厳しい順序があります。1番目はT細胞表面には接着分子があり、樹枝状細胞(APC)の表面にも接着分子がありこの二つの細胞が接着すると離れられなくなります。2つ目は上の中央の図にあるようにTh cellと結合しているCD4の補助ReceptorがAPCのMHCⅡ分子に止め金の様にはまっています。この留め金がT細胞とAPCの相互作用を強めるのです。更にTCR(T細胞)と抗原ペプチドとしっかり結合していることがTh cellの接着分子の蛋白の発現を強めるのです。この3つの働きがT細胞とAPCの結合をマジックテープの様に接着してくれるのでまるで神経シナプスに似ているので「免疫シナプス」といいます。

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