PILRα(Paired Immunoglobulin-like type 2 Receptor α)とは、哺乳類に広く分布する細胞表面分子で、免疫細胞に抑制性のシグナルを伝達するタンパク質です。ヒトでは免疫細胞だけでなく神経細胞にも発現が認められます。このすべての細胞に発現している 細胞表面分子であるPILRα(Paired Immunoglobulin-like type 2 Receptor α)にherpesは足場にしてあらゆる細胞膜に結合してあらゆる細胞に感染できるのですべての細胞に癌細胞(増殖過剰細胞)にしてしまうのです。
HSVの細胞側のエントリーレセプターとして宿主側分子をPILRα(ピラーα)と呼びます。PILRα(ピラーα)とは何かについては詳しく後述します。乞うご期待!!
微小管(びしょうかん)とは何でしようか?真核生物の細胞骨格を構成する管状の構造体で、細胞の形態形成や染色体分離など、細胞のさまざまな機能に重要な役割を果たしています。
微小管の主な特徴は①タンパク質のαチューブリンとβチューブリンがつながったダイマー(二量体)を基本構成単位とする②細胞骨格で最も堅固な部分を形成する③重合と脱重合を繰り返す非常に動的な構造物です。重合とは一種類またはそれ以上の単位物質の分子が、二つ以上化学的に結合して、もとのものより分子量の大きい化合物を作ることです。④細胞分裂の際には紡錘糸となって現れます。
微小管の役割は①細胞の形を決めたり、形を保ったりする②細胞小器官やタンパク質を細胞内へ移動させる③細胞分裂の際に染色体を分離する④線毛や鞭毛などの特殊化した細胞突起の運動に関与する⑤細胞分裂の際には、中心体から伸びる微小管が紡錘糸となって染色体を2つに分ける働きをします。線毛とは、細胞の表面に生えている毛状の構造で、医学用語では「繊毛」ではなく「線毛」と表記します。線毛の役割には①精子の運動②脳、気管、輸卵管などの上皮組織の水流発生③気管などの呼吸器官でウイルスや細菌を排除する。
線毛には、波打ち運動を起こす「運動線毛」と、運動せず機械受容などのセンサーとして働く「一次線毛」があります。気道上皮には200~300本程度の線毛を持った線毛細胞が多く存在し、線毛が相互に共調運動することで、気道に侵入した病原体や異物を粘液と共に体外に輸送・排泄します。また、細菌の表面にも線毛が存在し、他の菌や宿主の細胞と接着する器官として機能します。他の菌との接着に利用されるものは遺伝子の伝達をするため「性線毛(sex pili)」と呼ばれます。鞭毛(べんもう)とは、細胞の原形質表面にある糸状の突起で、運動性をもつ小器官です。繊毛と似た構造をしており、運動機構も共通しています。
鞭毛と繊毛の違いは、主に形状や細胞あたりに生えている数によって区別されます。鞭毛は本数が少なく長いため、繊毛は本数が多く短いためです。
鞭毛は、次のような生物に見られます。①原生動物の鞭毛虫類②海綿動物の細胞③藻類④菌類の遊走子・配偶子⑤精子⑥細菌。鞭毛の代表例としては、精子の鞭毛が挙げられます。バクテリアの多くは鞭毛と呼ばれる細長いらせん状繊維を菌体から伸ばし、それを根元のモーターで高速回転して推進力を発生させ、水の中を泳ぎ回ります。ヒトの体にも鞭毛運動が見られ、脳室上皮細胞、気管上皮細胞、卵管上皮細胞、精子などに存在します。生命の誕生や生体防御などの重要な役割を担っています。
表 ヒトヘルペスウイルス科の分類

ヒトヘルペスウイルス(human herpesvirus, HHV)はα、β、γは、それぞれのヘルペスウイルスの3つの亜科に分類される。

図 1 ヒトヘルペスウイルスの構成とエントリー経路
(A)ヒトヘルペスウイルス科のウイルスの構造を示す。(B)エンベロープをもつウイルスが宿主細胞内にエントリーするための2つの経路(宿主細胞膜との直接の膜融合、エンドサイトーシス経路)を示す。いずれの経路でも、ウイルスエンベロープ上のグリコプロテインと細胞側の膜上のレセプターとの会合による膜融合が必須である。テグメントはテグメントタンパク質でありウイルスの侵入と同時に細胞質に放出されます。このタンパク質は、ウイルス増殖に有利な細胞環境の構築に貢献しています。
HSV-1は全てのヘルペスウイルスのプロトタイプ(基本形、原型)と言われており、HSV-2とは、ゲノム上の相同性は約50%と高いものの、他のヘルペスウイルス科のウイルスとはゲノム上も、表現型も異なる性格を有する。HSV-1は広い組織への感染性をもち、実際、角膜ヘルペス、口唇ヘルペス、ヘルペス脳炎、性器ヘルペス(陰部ヘルペス)など様々な疾患を引き起こし、我が国ではおよそ数百万人から数千万人が罹患していると推定されている。HSV-2は主に性器ヘルペスの原因ウイルスとして有名であり、我が国では受診者数だけで年間約72,000人にものぼる。性器ヘルペスはHSV-1によって引き起こされる場合もある。また、HSVは初感染後、知覚神経節の神経節細胞に潜伏感染し、宿主の免疫低下時の細胞の分裂増殖時に歩調を合わせて、細胞よりもはるかに多く分裂増殖しまくりヘルペスの子供であるビリオンは近隣の細胞に感染しそこでも同じことを繰り返して増え続けます。増えすぎた細胞から新しい細胞に感染するときに大食細胞やNK細胞に捕食されたときや細胞にいる間に細胞もろともインターフェロンαやインターフェロンβによって細胞自殺により細ヘルペスウイルス細胞がもろとも死滅するとあちこちの皮膚に水疱状の皮膚炎が見られ、同じことを繰り返し終生引き起すだけのみならずあらゆる細胞に感染してヘルペス性脳炎も起こすのです。
HSV-1, -2のエントリー(細胞侵入)に先立つ宿主細胞表面への吸着には、いくつかのエンベロープグリコプロテイン(外衣糖蛋白)が関わっており、その中でも、HSV上のグリコプロテイン C (gC訳して糖蛋白C)の宿主細胞上のヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)等との会合が吸着に関与しています。ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)とはヘパラン硫酸プロテオグリカン(heparan sulfate proteoglycans; HSPGs)は、コアタンパク質にヘパラン硫酸(HS)が共有結合した分子群で、細胞外マトリックスの成分の一種です。コアタンパク質とはプロテオグリカン(糖蛋白質)を構成するタンパク質ほぼすべての動物細胞の細胞膜表面や細胞外基質に存在し、成長因子シグナル伝達や細胞接着、酵素触媒などの生物学的プロセスに関与しています。HSPGs(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の糖鎖であるヘパラン硫酸(HS)は、軸索誘導因子、細胞外マトリックス、成長因子やサイトカインなどの分子を結合させる能力を持ち、生体内の発生過程の様々な現象に関わっている。また、HSPGsは多くの分子と相互作用し、その機能を調節しています。ウイルスがフィロポディアなど細胞移動に必要な細胞突起に吸着した際、ウイルス粒子がエントリーしやすい細胞体の方に細胞表面を移動した後にエントリーする”viral surfing”という考え方が提唱されている。フィロポディアとはフィロポディアは糸状仮足と言われ、フィロは糸状でポディアは仮足で細胞が遊走する際に伸長する構造です。フィロポディアの日本語訳は糸状仮足で、フィロポディアの役割は細胞の遊走方向を決定する、遊走のための足場を構築します。血管新生、細胞の遊走、新型コロナウイルス感染などに関わり、血管新生において伸長する血管の先端にある内皮細胞が血管新生タンパク質に反応して形成されます。また、新型コロナウイルスは侵入した細胞にフィロポディアの形成を促しているのです。この現象は、レトロウイルス、ヒトパピーローマウイルスなどのほかに、HSV-1、ヒトサイトメガロウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスでも見られ、viral surfingにおけるウイルス粒子接着にも、HSV-1のgC(グリコプロテインC)とHSPG(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の会合(結合)が中心的役割を果たしている。このようにgCは、HSVの吸着という局面に非常に重要なはたらきを担っているが、膜融合, エントリーを含めた、ウイルスの生存において必須な分子ではないのです。これに対してgBはウイルスの生存において必須な分子なのです。
HSVのエントリー(細胞侵入)には、gB(グリコプロテインB)以外に、gD、gH、gLが関与しており、gDはNectin-1、HVEM (herpes virus entry mediator)、3-O-HS (3-O-硫酸化ヘパラン硫酸)と会合する。Nectin-1(ネクチン-1)は主に細胞接着に関与する分子で,膜貫通糖タンパク質で、細胞接着分子として機能しています。上皮や内皮細胞の接着接合部やタイトジャンクションの組織化に役割を果たし、神経シナプスにも関与しています。タイトジャンクションとはタイトジャンクション(密着結合)とは、細胞同士を密着させて細胞間隙をシールする細胞接着装置で、生体のバリア機能を担っています。タイトジャンクションは、皮膚や腸管、血管内腔などの上皮細胞系や内皮細胞系に存在し、役割は、皮膚の表皮を構成する顆粒層に存在し、皮膚のバリア機能(障壁機能)を高めて外部からの刺激物の侵入を防ぎます。又、腸管の上皮細胞に存在し、腸内細菌や病原菌、毒素などの外来異物の侵入を防ぎます。タイトジャンクションは、クローディンと呼ばれるタンパク質がジッパーのように結合して形成されています。透過型電子顕微鏡では、隣接する細胞の細胞膜が融合しているように見えることから、密着結合とも呼ばれます。
Nectin-1は、Poliovirus receptor-related 1(PVRL1)やCD111とも呼ばれ、免疫グロブリン超ファミリー(IgSF)に属するヒトのタンパク質です。免疫グロブリン超ファミリー(IgSF)とは、免疫グロブリンに特徴的なIgドメインを持つタンパク質のグループです。IgSF分子群は、Igドメインを介して他の分子との接着や認識を行っています。IgSF分子群は、神経系や免疫系、他の生体システムなど、さまざまなシステムに存在しています。また、IgSF分子群には細胞接着タンパク質(IgSF-CAM)や免疫関連タンパク質、レセプター分子なども含まれます。IgSFは、免疫グロブリン超遺伝子族(immunoglobulin super gene family)とも呼ばれます。
VEM (virus entry mediator訳はウイルス侵入仲介物)はT細胞、B細胞、単球、樹状細胞などに発現しているTNFレセプターファミリーに属するI型膜貫通タンパクであり、LIGHT、lymphotoxin-α (LTα以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-β)といわれた。)の分子のレセプターとなり、発現細胞に活性化の副シグナルを伝達する。一方、HVEMは宿主受容体であるヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)であり、ウイルスエンベロープ糖タンパク質との相互作用を通じて単純ヘルペスウイルス(HSV)の侵入を促進します。BTLA (B and T lymphocyte attenuator)、CD160のリガンドとなり、T細胞、B細胞に抑制化のシグナルを伝達する 。attenuatorの訳は抑制です。リンホトキシン-α(LTα)は、以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-α)として知られていました。活性化したリンパ球によって分泌される可溶性のタンパク質で、免疫応答に関与しています。TNFαと最も近いホモログで、炎症や自己免疫疾患に関与していることが示唆されていましたが自己免疫疾患は存在しないのでヘルペスとの戦いに伴う炎症を起こします。
LTαはTNFスーパーファミリーのタンパク質の1つで、以前は腫瘍壊死因子ベータ(TNF-β)として知られていました。ヒトではLTA遺伝子によってコードされるタンパク質です。LT-αは、抗増殖活性を示し、腫瘍細胞株の細胞破壊を引き起こします。TNFSF1とも呼ばれます。LTαとLTβはヘテロダイマーを形成し、リンホトキシンβ受容体(LTβR)を介してシグナルを送信します。トキシン(毒素)という名前が付いているのでLTαの特徴には①細胞増殖を抑制する活性がある②腫瘍細胞株の細胞破壊を引き起こす③脾臓の濾胞構造の発達を支援するからです。
HSVのエントリーレセプターとしてのPILRα3. HSVのエントリーレセプターとしてのPILRα(ピラーアルファ)とは何でしょうか?
gBと会合し、膜融合を起こす分子としてpaired immunoglobulin-like type 2 receptor α(PILRα)を同定されました。PILR発現細胞である単球等へのHSV-1感染は、gBとPILRα、gDとHVEMの会合のどちらか一方を、抗PILRαモノクローナル抗体もしくは抗HVEM(ヘルペスウイルス侵入メディエーター)モノクローナル抗体で阻害すると感染が抑制されることから、PILRαは単球等のPILR発現細胞において、gDレセプターと共役する、HSV gBのエントリーレセプターであります。(図2A)
PILRは単球、顆粒球などに発現している細胞表面分子であり、ITIM (immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif)を有する抑制化レセプターのPILRαとITAM (immunoreceptor tyrosine-based activation motif )を有するDAP12と会合する活性化レセプターのPILRβから成っている。マウスではPILRαとPILRβがCD99を認識し、免疫反応を制御します。一方、ヒトPILRβでは、PILRαと比べて、139番アミノ酸が、トリプトファンからロイシンに変異していることによって、HSV-1, -2のいずれのgBとも会合せず、従って、ヒトPILRβに対するリガンドは明らかでない。
VZVについて。
VZVは、扁桃などで、T細胞、樹状細胞、単球などに感染した後、感染細胞にのって全身に運ばれ、初感染時、主に小児で水痘(水疱瘡)を起こす。感染後、VZVはHSVと同様に知覚神経節に潜伏感染し、成人では免疫低下時に感染細胞内で分裂増殖して、免疫が回復したときにNK細胞やキラーT細胞に破壊されてた崩壊産物が帯状疱疹という形でみられるのです。一方で、VZVは初感染時や免疫低下時に再活性化といわれる分裂増殖時に増えたVZVがあちこちの神経細胞や血管内皮細胞などに感染して脳炎、脊髄炎、Ramsay-Hunt症候群のような脳神経炎やVZV関連脳血管炎なども引き起す。VZVの感染には様々な細胞にエントリー(細胞侵入)するためにgB、gE、gH、gLが必須であるといわれていますが不明な部分が多いのです。VZVの侵入に関与する分子としてはcation-independent mannose-6-phospahe receptor(MPRci)がVZVの感染を促進することが報告されているがVZV上のどの分子と会合するかは明らかでない。また、gEはinsulin degrading enzyme (IDE)と会合し、VZV感染を促進することが報告された。しかし、IDE、MPRciは、膜融合を引き起すことができないことから、IDEやMPRciは、VZV感染におけるエントリーレセプターと呼ぶには十分ではないが様々な細胞にVZV感染を促進することはできるのですが、VZVの生存に必須であるが、エントリーには必須ではないと考えられる。

図 2 HSV, VZVのグリコプロテインとエントリーレセプター
(A)HSV、(B)VZVのエントリー及び膜融合に必要なグリコプロテインと各々のグリコプロテインに対応する宿主側エントリーレセプターを示す。VZVのgEは、エントリー及び膜融合に必須といわれていたが、VZVの生存に必須であるが、エントリーには必須ではないと考えられる。図2の略語の説明。HVEM: Herpesvirus entry mediator、3-O-HS: 3-O-硫酸化ヘパラン硫酸、PILRα: Paired immunoglobulin-like type 2 receptor α、MAG: Myelin-associated glycoprotein、NMHC-IIA: Non-muscle myosin heavy chain IIA、MPRci: cation-independent mannose-6-phospahe receptor、IDE: Insulin Degrading Enzyme。
VZVのエントリーレセプターとしてのMAG(Myelin-associated glycoprotein)について。
VZVは、HSV-1と同様にαヘルペスウイルス亜科に属すことから、VZVのgBレセプターの候補として、PILRαと相同性を持つ分子を探索された結果、アミノ酸レベルで、12%の相同性があるmyelin-associated glycoprotein(MAG)が同定された。myelin とは髄鞘(ミエリン)のことで,神経細胞に機能を与える役割を持つ鞘(さや)様の脂質に富む構造体である。MAGは、魚類からほ乳類までの神経組織に発現している100kDaのI型膜タンパクである。MAGは神経軸索上の分子NgR1(Nogo Receptor 1)、NgR2、paired Ig-like receptor B(PIR-B)あるいはGD1a、GT1b等のガングリオシドと結合することにより、神経軸索が伸長するのを抑制し、神経組織の構築に関与している。ガングリオシドとはガングリオシドは、おもに中枢神経系の神経細胞において、原形質膜(細胞膜)の外葉に脂質ラフトを形成する酸性スフィンゴ糖脂質で細胞膜外層に存在する物質です。ガングリオシドは、細胞増殖、分化、接着、シグナル伝達、細胞間相互作用、腫瘍形成および転移に関与しています。ガングリオシドの蓄積は、様々な疾患に関与します。ガングリオシドの蓄積はヘルペスウイルスによる神経細胞変性疾患の結果なのです。シアル酸残基を有する酸性スフィンゴ糖脂質で、哺乳類の組織、特に脳や神経組織に多く存在し、細胞の増殖や分化、接着、シグナル伝達、細胞間相互作用、腫瘍形成および転移に関与しています。
ガングリオシドは、ヘルペスウイルスの細胞侵入に際して細胞膜のエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれ、ライソゾーム内の加水分解酵素によって分解されます。
興味深いことに、MAGとヒト免疫グロブリン定常領域との融合タンパク(MAG-Ig)はVZV gBだけでなくgE発現細胞とも会合し、逆に、VZV gB-Ig、gE-IgもMAG発現細胞と会合した。MAGはVZV gB、gEと会合するにも関わらず、MAG発現細胞はVZV gB、gE、gH、gLを発現細胞とだけでなく、gB、gH、gL発現細胞とも同程度の膜融合効率を示し、gE, gH, gL発現細胞とは膜融合を起こさなかった。以上のことから、VZVの膜融合においては、これまでgB、gE、gH、gLが必須であるとされてきた説とは異なり、gB、gH、gLだけで十分な膜融合が引き起せることが明らかとなった。一方、MAG(Myelin-associated glycoprotein)発現細胞はVZV感受性となり、MAG発現細胞へのVZVの感染は、抗MAGモノクローナル抗体で特異的に阻害された。以上のことから、MAG(Myelin-associated glycoprotein)はVZV gBと会合し、膜融合を引き起こせるVZVのエントリーレセプターであることが判明した(図2B)。
HSV、VZVの組織指向性について。
ウイルスの感染組織指向性を決定するにあたって、標的組織へのエントリーが可能かどうかも重要な要因のひとつである。例えばHIVのT細胞、マクロファージへの指向性は、エントリーレセプターであるCD4, CXCR4, CCR5に依存している。これまで、HSVあるいはVZVの感染に関与する宿主側分子として挙げられてきた、HVEM, Nectin-1, IDE( Insulin Degrading Enzymeインスリン分解酵素), MPRciなどは、多臓器に分布しており、HSV, VZVの神経組織指向性を説明するには不十分であった。Nectin-1(ネクチン-1)とは、上皮や内皮の細胞における接着接合部やタイトジャンクションの組織化に関わる膜貫通糖タンパク質です。また、ヘルペスウイルスや仮性狂犬病ウイルスが細胞に侵入する際の標的分子としても機能します。MPRciとはcation-independent mannose 6-phosphate receptorで略して MPRCIは訳してカチオン非依存性マンノース 6-リン酸受容体 (MPRCI) は、新しく生成されたリソソーム酵素と細胞外リソソーム酵素の両方をリソソームにパッケージングする働きをします。MPRCI の細胞内位置はこれら 2 つの機能を反映しており、受容体はゴルジ体、エンドソーム、および細胞表面にあります。
ところが興味深いことに、HSV-1のgBもMAG(Myelin-associated glycoprotein)と会合し、MAGを介して膜融合を引き起こしMAG発現細胞に感染することが判明した。MAG(Myelin-associated glycoprotein)は、神経組織にのみ局在するので、MAGが、VZVとHSV-1両方の神経組織指向性に関わるエントリーレセプターであると考えられた。逆に、神経組織以外へのHSVの感染において、既知のgDレセプターであるHVEM, Nectin-1とともに、PILRαやユビキタス(普遍的)に分布するgBレセプターである、non-muscle myosin heavy chain IIA (NMHC-IIA)が作用しているものと考えられる。一方、VZVにおいては、IDE( Insulin Degrading Enzymeインスリン分解酵素), MPRci (cation-independent mannose 6-phosphate receptor)以外に、皮膚や血球系細胞など、神経組織以外の組織に分布するエントリーレセプター分子は報告されていないが、未知のgBレセプターが存在していると考えられる。IDEとは
Sialic acid-binding immunoglobulin-like lectin (siglec)とウイルス感染について。
糖鎖を認識する分子のうち、酵素や抗体を含まないタンパクをレクチンと総称します。レクチン(Lectin)とは、蛋白質です。植物や動物、微生物、ウイルスなどに存在する糖タンパク質やタンパク質で、糖に特異的に結合する物質の総称で酵素や抗体を含まないタンパクです。ラテン語の「糖をlegere(選択する)」に由来します。レクチンには、次のような性質や役割があります。①細胞膜の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する②動物では、病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して免疫系を活性化させる細胞凝集反応を起こす③レクチンは、豆類や植物性食品、動物性食品などに広く含まれています。豆類に含まれるたんぱく質のレクチンは一種の自然毒で、安全に食べるには、乾燥した豆を水に浸し、沸騰した状態で十分に加熱調理する必要があります。なぜ豆類に含まれるレクチン蛋白質は一種の自然毒になるのでしょうか?植物が生み出す有毒な「レクチン」を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
また、レクチンと糖の親和性を利用したレクチン染色は、細胞表面に存在する糖と結合したレクチンを組織化学的に認識する手法です。レクチン染色とは、レクチンと糖の親和性を利用して、細胞表面の糖と結合したレクチンを組織化学的に認識する手法です。レクチンは、免疫反応の産物以外の糖結合性のタンパク質または糖タンパク質で、細胞または複合糖質を凝集する性質があります。一定の糖構造を特異的に認識し、結合する特性に注目して、細胞表面の複合糖鎖の検索や細胞機能の解析に用いられます。
ウイルスとレクチンの関わりでは、例えば、HIVウイルス, SARS コロナウイルス, 麻疹ウイルスなどと会合するDC-SIGN等が知られており、C型レクチンと呼ばれる。C型レクチンとは、レクチンとして知られる炭水化物(糖)結合タンパク質の一種です。 Cタイプの指定は、結合にカルシウムが必要であることから来ています。 C 型レクチンドメインを含むタンパク質は、細胞間接着、病原体に対する免疫応答、アポトーシスなど、さまざまな機能を持っています。また、HIV, HTLV-1(成人型のT細胞白血病ウイルス-1)の感染効率を高めたりします。Galectin-1はS型レクチンである。SはSulfurのSで「硫黄」です。 S型レクチンとは、遊離のチオール基を必要とするレクチンの一種です。チオール基(-SH)とは、硫黄原子(S)を含む有機化合物の末端にある置換基です。チオールは、硫化水素やメチルメルカプタンなどのSH基を有する化合物の総称です。レクチンとは、植物や動物、微生物などに存在するタンパク質や糖タンパク質で、糖に特異的に結合する性質を持つ物質の総称です。細胞表面の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する性質があり、動物では病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して免疫系を活性化させる防御タンパク質として働きます。さらに、前に述べた、VZVの感染効率を高めるMPRci(cation-independent mannose 6-phosphate receptor)はP型レクチンである。P型レクチンとはP 型レクチンのpは、マンノース 6-リン酸のリン酸のpです。
レクチンはウイルスとの相互作用にも重要なのです。I型レクチンであるSiglec-1が、HIV, porcine reproductive and respiratory syndrome virus (PRRSV)などのウイルスと吸着するのです。I型レクチンとはI型レクチン(I-type lectins)とは、免疫グロブリン様ドメインを糖鎖認識ドメインとして持つレクチンの総称です。レクチンは、植物や動物、微生物、ウイルスなどに存在する糖タンパク質で、糖に対する特異的結合活性を持つ物質です。細胞表面の糖鎖や細胞壁成分の多糖を認識する性質があり、動物では免疫系を活性化させる防御タンパク質として機能しています。レクチンは、病原微生物や癌細胞表面の糖鎖を認識して、自己・非自己を識別できるのです。
補体を活性化する経路に「レクチン活性化経路」があります。「レクチン活性化経路」とは何でしょうか?補体系の働きは5つあります。その一つが補体系を活性化させるレクチン活性化経路によって、病原体の細胞壁の糖鎖構造を糖鎖結合性タンパク質のレクチンが認識して補体を活性化させる経路があります。補体の活性化経路には3つあり、①レクチン経路のほかにも②古典経路や③第2経路(代替経路)があります。レクチン経路の活性化経路は、血清レクチンの一種であるマンノース結合レクチン(MBL)が病原体の表面の糖鎖に結合して活性化されることで起こります。MBLはマンナン結合蛋白(MBP)とも呼ばれ、マンノースやN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)にカルシウム依存的に結合します。
補体が活性化すると、貪食細胞や抗体を呼び寄せ、活性化させる働きがあります。補体や抗体が抗原に結合することで、抗原が貪食細胞によって捕らえやすくなる現象を「オプソニン化(オプソニン効果)」といいます。オプソニンとは「味付け」という意味です。
ウイルスや細菌の表面にあるマンノースやN-アセチルグルコサミンやのN-アセチルノイラミンサンの意味や他のsiglec(sialic acid-binding immunoglobulin-like lectin、シグレック)とヘルペスウイルスとの関わりについて説明していきましょう。MAG(Myelin-associated glycoprotein)はSiglec-4とも呼ばれているI型膜貫通タンパクであり、siglec(シグレック)は1か2個のV-セット免疫グロブリン様ドメインとそれに続く1から16個のC2-セットを持つ。V-セットIg様ドメインによって、シアル酸を含む様々なタイプの糖鎖を認識する。ヒトsiglec(シグレック)は、Siglec-1〜Siglec-16までが同定されているが、Siglec-13は欠番であり、Siglec-XIIはV-セットドメインにあるアルギニンに変異があるため、シアル酸を認識できない。siglecがシアル酸を介して標的分子を認識するという特徴をもつことから、MAGによるgBの認識にもシアル酸が関与していると思われる。シアル酸とは何か?シアル酸とは、N-アセチルノイラミン酸です。シアル酸とは、ノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名です。通常、糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。ノイラミン酸とはN-アセチルノイラミン酸(NeuAc)で、NANAです。シアル酸の生合成の過程で生成される物質で、ヒトのシアル酸はNANAです。N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)(シアル酸)はアミノ糖であると同時にデオキシ糖です。糖の誘導体にはN-アセチルノイラミン酸(NeuAc)とN-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を基本に、30種類を超える糖の誘導体が生体物質として存在します。N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)とは N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)は、ブタやラットなどの哺乳動物に存在するシアル酸の一種で、ヒトでは合成されず微量しか存在しない非ヒトシアル酸です。N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)と並ぶ哺乳類の主要なシアル酸です。シアル酸は、細胞間での情報伝達や細胞間接着作用、サイトカインの取り込み、細胞の品質管理など生体制御作用を担っています。また、炎症などの障害が生じたときに糖鎖から切断酵素により遊離することから、炎症マーカーとしても注目されています。
シアル酸は、ムチンから得られる酸性の糖で、細胞と細胞の情報伝達に関わっています。ムチンとは、動物の消化管や気道、唾液腺などで作られる粘液の主成分で、糖とタンパク質が結合した高分子糖タンパク質です。体を保護したり、潤滑したりする役割があります。
ムチンは、次のような特徴があります。①難分解性で、消化管上皮を保護する機能がある②唾液中のムチンは、細菌を集めて外に追い出す作用がある③オクラ、モロヘイヤ、長芋などに多く含まれる④ムチンは、唾液の粘性のもととなっており、食べ物を口の中でやわらかくして飲み込みやすくする役割があります。⑤ツバメの巣などのネバネバした食材にも含まれています。人の細胞にも含まれ、母乳や卵などにも存在します。⑥ウイルスや細菌などが細胞に感染することを防ぎ、免疫力を高める働きがあります。⑦ノイラミン酸は分子内にカルボキシル基とアミノ基を持つ特殊な9炭糖でガングリオシドなどの糖鎖の一部として存在している⑧ノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。⑨通常、糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。
上記のようにMAGによるHSV、VZVの感染にも、シアル酸が関与している可能性がある。シアル酸とはノイラミン酸のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。通常糖鎖の非還元末端に存在し、細胞の認識など重要な機能を担っている。ノイラミン酸は分子内にカルボキシル基とアミノ基を持つ特殊な9炭糖でガングリオシドなどの糖鎖の一部として存在していることが多いのです。一方PILRαも、免疫グロブリン様ドメインをもち、そのリガンドであるHSV gB、CD99、PANPと会合(結合)する際には、これらの分子上のシアル酸を必要とする。この意味でも、PILRαはsiglec(シグレック)に類似の分子といえる。実際、前述のように、MAGはPILRαとの相同性検索から浮かび上がった分子でもある。従って、HSV, VZV、HIV, PRRSV以外のウイルスでも様々なsiglecと会合し、siglecをエントリーに利用する可能性があり、siglec分子群とウイルスの相互作用を明らかにすることにより、ウイルスの感染成立のメカニズムの一端に迫れることが期待される。また、ウイルス感染における糖鎖の利用という観点から、ウイルスのエントリーレセプターなどとしての、宿主細胞側の糖鎖だけでなく、HSV gBやインフルエンザウイルスHA、HIV gp120、C型肝炎ウイルスE1、E2、ウエストナイルウイルスE、SARSコロナウイルスS、M、エボラウイルスGPなどのように、ウイルス側の表面(糖)タンパクの糖鎖修飾も、感染組織指向性の変化や、宿主免疫からの逃避を可能にする免疫原性変化をもたらすなど、ウイルス感染機構を解析する上で重要であると考えられる(図3)。

図 3 HSV感染における糖鎖の関与
(A) HSVはgCを介して、宿主細胞膜のヘパラン硫酸プロテオグリカンを利用して細胞膜表面へ吸着する。また、gDと3-O-硫酸化へパラン硫酸の会合を介して、細胞内へエントリーする。 (B) O型糖鎖修飾を受けたHSV gBはPILRαと結合し、HSVの宿主細胞へのエントリーを可能にする。(C) しかし、gBの特定のアミノ酸のO型糖鎖修飾を欠くと、PILRαと結合できず、宿主細胞へエントリーできない。
PILRαタンパク質とは、「Paired immunoglobulin-like type 2 receptor αの略」で日本語は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ」です。
哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質で、単純ヘルペスウイルスや他のヘルペスウイルスが細胞に感染する際に利用します。PILRα(対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ)タンパク質は、単純ヘルペスウイルスや他のヘルペスウイルスの仲間が持っている糖鎖とペプチドを同時に認識する分子機構を備えています。それはPILRαタンパク質に結合する糖ペプチドを添加すると、免疫細胞のPILRαと単純ヘルペスウイルス側の糖タンパク質の結合部位がふさがれてしまうので、ウイルスが細胞膜に結合できないのでヘルペスウイルスの細胞への侵入が阻害されてしまうからです。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると死滅することがなく、神経節の中に潜んでいたり細胞のゲノムにプロウイルスとして潜伏感染しているため正常な免疫は手も足も出すことができないのです。逆に、細胞の免疫力が弱まった時に再び分裂増殖してから免疫に増えすぎたヘルペスを認識されて免疫に戦いを挑まれて様々な症状を現します。病気の症状は免疫が高まったときに見られるのです。にもかかわらず殺され切ることは絶対に無いのでヘルペスウイルスは、哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質(PILRα)を最大限利用し尽くして免疫応答を抑えることで、ヒトの組織の一般の細胞や免疫細胞や末梢神経細胞や中枢神経細胞などが持っているPILRαタンパク質を利用して様々な細胞に自由自在に必ず感染できるのです。だからこそ人体のあらゆる細胞に感染して細胞の免疫が低下した細胞の分裂増殖の機会に乗じて細胞がヘルペスも同時に分裂する間に数十倍、数百倍分裂増殖してしかも細胞から5大栄養素や核酸の原料のみならずエネルギーのすべてを奪って癌細胞を無限に増やして人体の正常な細胞はもとより癌細胞まで餓死状態にさせて最後は両者の細胞も餓死状態になり悪液質のために命を失ってしまうのです。細胞が二つに分裂するのに必要な24時間という長い時間の間に数分という短時間に2倍に分裂できるヘルペスは多い時には何千回も分裂増殖できるのでヘルペスが増えた分だけ細胞の癌関連遺伝子は変異してしまう可能性を増やしてしまうのです。
人は癌細胞が増えすぎて癌死するのではなくヘルペスが無限大、増えすぎたためにヘルペスが癌死をもたらしたのでヘルペスがひとを殺してしまったというべきなのです。癌についてはここのみならずあちこちに書きまくっていますから全部読んでください。ロイアルレイモンド博士についてもここを読んでください。ヘルペスがゲノムにプロウイルスとして潜伏感染したときに部位特異的遺伝子組み換えをやって癌関連遺伝子の二つを変異させる確率を高めるのです。
プロウイルスとは何でしょうか?ウイルスが宿主に感染した後免疫が低下してかつ細胞分裂が行われるときに感染細胞の染色体に侵入してプロウイルスとして潜伏感染(溶原感染)して宿主細胞のゲノムDNAに自分のゲノムを組みこむときに同時に宿主細胞のゲノムDNAを部位特異的組み換えが必然的に生じてしまい様々な種類の遺伝子変異を起こしてしまいあらゆる種類の遺伝子病が生まれることになるのです。
ヘルペスは宿主細胞のDNAに組み込む前には免疫が及ばない自律神経節にまず隠れます。免疫が落下してかつ細胞分裂が行われるときに染色体のDNAに侵入出来て初めて遺伝子変異を起こせるのです。
哺乳類の免疫細胞表面にあるたんぱく質(PILRα)とは何でしょうか?PILRαタンパク質とは、「Paired immunoglobulin-like type 2 receptor αの略」で日本語は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファ」と訳します。PILRα(ピラーアルファ)は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の表面にある糖鎖とペプチドを同時に認識する分子です。ウイルスタンパク質の中にある7個のアミノ酸配列のペプチドと糖の両方を認識する恐らくヘルペスウイルスだけが持っているユニークな結合によって、立体構造が大きく変化します。単純ヘルペスウイルスは脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、小児ヘルペスなど、あらゆる人の組織のあらゆる細胞に感染してあらゆる多様な疾患を引き起こす難治性の病原性ウイルスであり、日本だけでも年間約7万人が治療を受けていると言われています。症状がなくても日本人すべてに感染しています。特に、若い時に一番多くみられる性器ヘルペスは既存の抗ウイルス薬では完治が不可能で、ヘルペス脳炎では致死的もしくは重度の後遺症が残る場合があります。単純ヘルペスウイルスの感染機構の解明は、これらの感染症を制御するうえで大変重要ですから他の研究者の知らないヘルペスに関する真実を書きまくっているのです。残念ながら私自身も64年間ヘルペス脳炎を患って生きてきたのです。だからこそ誰も治せない自分の病気を解明するためにかつ自分で治すために三つ目の大学である京都府立医科大に入ったのですが「京都府立医科大」の教授連も誰も原因治療は不可能であるどころか治療と称する免疫を抑える病気つくりの名人が集まっている大学病院であることを知ったときには未来に絶望して4回目の自殺を仕掛けたのですが無理でした。その経緯についてはただで読める「私の苦痛に塗れた自伝」の電子書籍をこの私のサイトに載せていますからここを読んでください。お陰で死なずに苦しみながら「癌の原因もヘルペスである」ことを見つけ何人もの癌をも治せるようになりました。これも100年前にすべての癌を完治させたロイアルレイモンドライフ博士との出会いがあったからです。何十万人の他の医者が治せない難病を完治させた臨床経験と自分自身の病気から学んだ経験が真実の医学を医学から教えてくれたのは言うまでもありません。ロイアルレイモンドライフ博士の「光癌療法」についてはここを読んでください。
ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質(glycoprotein)が存在し、その中でも糖蛋白であるglycoproteinB(gB、糖蛋白B)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαタンパク質(日本語訳は「対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファタンパク質」)と結合すると、免疫細胞がヘルペスを攻撃できないように抑制するスイッチがオンになって、8種類のあらゆるヘルペスウイルスは免疫細胞から回避できるので難なく細胞内へ侵入します。それらの結合機構の構造的な基盤を述べましょう。Herpesウイルスのエンベロープ(外皮)のgBとペプチドと結合した細胞膜にあるPILRαタンパク質(対になった免疫グロブリン様2型受容体アルファタンパク質)の、PILRαとgBとペプチドとの複合体の結合機構の立体構造が、原子レベルで解明されました。その結果、PILRαはこれまでgBの糖部分だけを認識していると考えられていましたが、実際は糖部分とたんぱく質(ペプチド)部分の両方を同時に認識していました。さらに、外からPILRαタンパク質に結合する7アミノ酸からなる糖ペプチドを加えると、PILRαタンパク質を競合阻害し、単純ヘルペス感染を阻害できることが判明しました。単純ヘルペスウイルスは脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、小児ヘルペスなど、多様な疾患を引き起こす難治性の病原性ウイルスであり、日本だけでも年間約7万人が治療を受けています。特に、性器ヘルペスは既存の抗ウイルス薬では完治が不可能であるのみならず、ヘルペス脳炎では致死的もしくは重度の後遺症が残る場合があります。私の場合はヘルペス脳炎で右目が視力ゼロになってしまいました。
ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質が存在し、その中でもglycoprotein B(gB)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαタンパク質と結合すると、それが免疫細胞の攻撃を抑えるスイッチの役割を果たし、単純ヘルペスウイルスは難なく細胞へ侵入します。PILRαは免疫系の細胞や、神経系などのあらゆる種類の細胞に、ヘルペスウイルスに感染させてしまい免疫を低下させてヘルペスを増殖させ、難治性の脳神経変性疾患はじめ、癌までも引き起こしてしまうのです。最後に残された唯一の病気の原因はワクチンができない8種類のヘルペスウイルスなのです。ただしこのヘルペスを増やすのは患者自身の「不満を耐え続けざるを得ない生活から生まれる心のストレスそのものなのです。」
ヘルペスウイルスは、細胞膜との融合やendocytosis(viropexis)によって細胞質内に侵入・脱穀した後、核内で増殖し、核膜をかぶって成熟します。ViropexisとはViropexisはバイロペクシスと読み、ウイルスが細胞膜と融合するか、endocytosis(エンドサイトーシス)と呼ばれる二つの過程のいずれかを経て細胞質内に侵入する現象をバイロペクシスというのです。
ウイルスは細胞に吸着し、Viropexisによって細胞質内に侵入・脱穀した後、核内で増殖し、核膜をかぶって成熟します。特に、ヘルペスウイルス以外にピコルナウイルスやパポバウイルスなどのウイルスがViropexisによって宿主細胞に侵入します。ピコルナウイルスとは直径約 30nm の大きさで envelope. を持たない小さな(pico) RNAウイルスと言う意味でこの名がある。パポバウイルスとは慢性の脳炎である行性多巣性白質脳症 (progressive multifocal leukoencephalopathy, PML)の原因ウイルスです。
ヘルペスウイルスは、宿主細胞の中で不活性(休眠または潜伏)状態でとどまるため、感染は生涯続きます。ときとしてウイルスが免疫低下のときに再活性化し、増えすぎたヘルペスビリオンが免疫細胞に察知されてしまうと感染細胞が免疫細胞やインターフェロンαなどに破壊されたときに病気の症状が現れます。
ヘルペスウイルスは、好中球やマクロファージなどの免疫細胞表面にある免疫受容体PILRαを利用して宿主の免疫系に排除されず、宿主に感染しています。PILRαはヘルペスの糖部分だけではなく、ヘルペスのペプチド領域も同時に認識するというユニークな結合をしています。また、結合に伴い、PILRαは大きく構造変化しており、変化した部分は糖ペプチドの認識に直接関わります。糖ペプチドとPILRαの相互作用には糖、ペプチドの両方が必要であります。PILRαのリガンドは、糖だけでなく糖とペプチドの両方を同時に認識しているのです。
ほとんどすべての細胞膜にPiLRαタンパク質が存在している膜タンパク質です。ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖蛋白質が存在し、その中でもglycoprotein B(gB)が、宿主の免疫細胞表面にもあるPILRαタンパク質と結合すると、それが免疫細胞の攻撃を抑えるスイッチの役割を果たし、単純ヘルペスウイルスは難なく細胞へ侵入します。膜タンパク質は、あらゆる細胞膜に存在するタンパク質で、細胞内外の情報伝達や物質の輸送など様々な役割を担っています.
PiLRαとはほとんどすべての細胞が持っている糖タンパク質であるPiLRαは、ヘルペスウイルスのエンベロープに存在する糖タンパク質であるglycoprotein B(gB)と結合して細胞内から核に侵入して、細胞の核にあるゲノムDNAにherpes自身のDNAを組み込んで細胞のあらゆる遺伝子を部分特異的遺伝子組み換えを起こして突然変異を起こしてしまいあらゆる難病の原因を毎日毎日増やす可能性が高まってしまうのです。何故ならばあらゆる難病は遺伝子のherpesによる変異によって起こるので、いかに優れた免疫の働きも遺伝子を元の正常な配列に戻すことはできないので難病が生じるのです。
細胞膜にあるPiLRαの役割とはPiLRαは、宿主細胞の膜受容体でありヘルペスウイルスのエンベロープに存在する糖タンパク質であるglycoprotein B(gB)に結合することで、ウイルスの細胞への侵入が可能になりherpesは宿主細胞の遺伝子を自由自在に変異させて難病を生み出してしまうのです。
PiLRα(paired Ig-like type 2 receptor α略してPILRα訳はペア・イムノグロブリン様レセプターα)は、哺乳類に広く分布する細胞表面分子で、免疫細胞に抑制性のシグナルを伝達するタンパク質です。ヒトでは、免疫細胞だけでなく神経細胞にも他の多くの細胞膜に発現が認められます。
PiLRαは、単純ヘルペスウイルスが宿主細胞に感染する際に、ウイルスの感染を助ける役割を担います。具体的には、PiLRαが単純ヘルペスウイルスの表面にある糖鎖のglycoprotein B(gB)とペプチドを認識し、ウイルスの侵入を促進します。