ガン コラム

癌と細胞周期とは極めて深い関わりがあります。更新2024.7.27

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癌と細胞周期とは極めて深い関わりがあります。癌細胞は一個の細胞に800個もあるがヘルペスによって突然変異という不可逆の変異が何回も続けて起きることによって生じます。ヘルペスが関わらなければ数百万分の1の確率しか起きない異変が増殖に関係するその癌原遺伝子と癌抑制遺伝子の二種類の癌関連遺伝子の上に偶然に生じると一個の癌細胞が生まれその癌細胞の中で第二、第三、・…という具合に偶然に偶然が重なって何十年も長い時間がかかってほとんど奇跡的に生じたのが癌細胞であり絶対に治らない病気として最後は死に至るのは当然とされていますが本当でしょうか?嘘です。間違ったがん発生の根本原因であるherpesを100%無視した癌治療が癌死をもたらしてしまっただけです。癌原遺伝子と癌抑制遺伝子の二種類の癌関連遺伝子の突然変異が癌細胞を生み出すことには世界中の癌学者はだれも異論をはさむことはないのですが100年前にロイアルレイモンドライフ博士はこの癌ウイルス(ヘルペスウイルス)を簡単に殺すことができたのです。ライフ博士は癌細胞の中に群れ集まって蠢いている癌ウイルスを光の共振作用で殺すことで癌細胞をも殺すことが簡単にできたのです。彼が殺した癌ウイルスはヘルペスウイルスであったことは私が証明したのでヘルペスウイルスが癌を生み出すことはここを読んでください。

一個の細胞には23500個の遺伝子があり癌原遺伝子と癌抑制遺伝子の二種類の癌関連遺伝子の総数は800余りあります。このように今ではおおくのが知られていますがそのほとんどの癌関連遺伝子が細胞周期と何らかの関わりをもっているのです。細胞周期は細胞分裂周期ともいわれるように細胞の増殖分裂の仕事に直接かかわっているので癌は増殖の異変なので当然のことながら細胞周期と癌は極めて密接な関係があります。ですから細胞周期とは一体何かの基礎から癌の細胞周期はどこが違うのかまでのポイントを復習しましょう。

細胞周期とは何か?細胞の最も根本的で重要な営みは分裂して細胞の数を増やすこと、すなわち「増殖」することです。この増殖のために細胞内のあらゆる部分がこの作業に関わっています。細胞周期とは細胞が増殖する時に1個の細胞がたどる一連の順序だった出来事なのです。最後に1っこの細胞が分裂して2個になると細胞周期を一回りしたことになるのです。

細胞周期は倍加という細胞の中味を2倍にすることと2倍にされた中味を分配という2個に分けるという二つの要素から成り立っています。細胞の中味でとりわけ重要なのは遺伝物質であるDNAですからDNA複製が倍加の中心になります。次に倍加したDNAを2個に分けるためにはまず染色体という分配しやすい形にしたうえで紡錘体という専用の分配装置が使われます。ところが中味を倍加するDNA複製と倍加したDNAを分配装置である紡錘体とが直接に連絡を取り合うことが出来ないのでここで突然に登場するのが「細胞周期エンジン」なのです。

「細胞周期エンジン」とは何でしょうか?この「細胞周期エンジン」はそれ自身は「DNA」の倍加や「DNA」の分配には関与はしないのですが「DNA」の倍加や「DNA」の分配の双方を直接に結び付けることが出来る唯一の蛋白質なのです。「細胞周期エンジン」の実体はサイクリンとCDK複合体というキナーゼ(リン酸化酵素)であり事実上「DNA」の倍加と「DNA」の分配の全過程を取り仕切っているのです。しかしこの「細胞周期エンジン」には高度な制御系が連結しています。倍加、分配、細胞周期エンジン(エンジン)の三者で細胞周期を回すことが出来るのですが肝心のDNAが傷ついていないかや遺伝子であるDNA複製時のトラブルを監視する「チェックポイント」と言われる監視システムが必ず付属しているのです。以上倍加、分配、細胞周期エンジン(エンジン)、チェックポイントの4つが細胞の中に備わっている細胞周期の制御系であり後は燃料である栄養分供給されれば増殖を始めることが出来るのです。因みに倍加にはDNA複製によるDNAの倍加、細胞構成成分の倍加、細胞の成長があります。分配には高度に凝縮された分配に適した形態のDNAと、染色体分配装置である紡錘体、細胞質分裂による細胞構成分の分配があります。細胞周期エンジンは簡単にエンジンと呼ばれることが有りますがサイクリン‐CDK複合体の事です。チェックポイントにはDNA損傷チェックポイントとDNA複製チェックポイントと紡錘体チェックポイントがあります。

細胞周期エンジンの実体は何でしょうか?サイクリン(cyclin)とサイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent-kinase略してCDK)という2個のタンパク質からなる複合体である。この2個のタンパク質が合わさってリン酸化酵素 (kinaseキナーCDKゼ)として働く。サイクリンとキナーゼはほぼ同じくらいの大きさのタンパク質で実際にキナーゼの酵素活性をもっているのはCDKのほうである。しかもCDKというのはキナーゼであるのですがcyclin-dependent-kinaseなのでサイクリンに依存しているキナーゼなのです。サイクリンはそのキナーゼの活性を調節する役割を持っているのです。人の細胞には複数のサイクリンと複数のCDKがあり細胞周期の時期によって何種類かのサイクリン‐CDKの組み合わせを使い分けるのですが、サイクリンとCDKの二つが複合体になってはじめてリン酸化酵素としてのキナーゼの働きが発揮されるのです。サイクリンは少なくとも20種類以上が見つかっている。人のCDKは10種類以上ある。人のCDK1はcdc2と呼ばれる。細胞周期によってサイクリンの量は大きく変化するがCDKの量は何時も一定である。因みに細胞周期では何が周期的に変動するのか?細胞周期エンジンの活性である。4種類の細胞周期エンジンがあり一つ目はG1細胞周期エンジン、二つ目はG1/S細胞周期エンジン、三つ目はS細胞周期エンジン、四つ目はM細胞周期エンジンの4種類の細胞周期エンジンが活性をバトンタッチしていきます。CDKはサイクリンと結合してCAKで活性されればすぐに働けます。CAKとは何でしょうか?実はCDKがキナーゼとして活性化されるにはまずサイクリンと結合しなければなりませんがさらにもう一段階のステップが必要なのです。それはCDK蛋白質には基質と結合する部分であるTループとサイクリンと結合するPSTAIRという領域を持っています。このTループの中にあるアミノ酸のトレオニンをリン酸化しなければキナーゼとして活性を発揮できないのです。このトレオニンをリン酸化する専用のキナーゼがありこのキナーゼをCDK活性キナーゼと呼び英語でCDK₋activating kinase 略してCAKと呼ぶのです。

細胞周期の制御のポイントは「時期が来るまでこの活性を如何に抑えておくか」という点なのです。細胞周期の活性を抑えるためにはやはり「リン酸化」という方法を使うのです。CDKたんぱく質の中にはリン酸化されるとCDKの活性が抑制できる部位が2か所ありT14とY15と言われる場所でありここをリン酸化して待機状態にしておくのです。このリン酸基を外しさえすればすぐに細胞周期エンジン動き出すのです。細胞周期エンジンの抑制方法はあと二つあります。一つは細胞周期エンジンに結合してその活性を抑えるCDK阻害因子(CDK inhibitor略してCKI)というタンパク質を使う方法です。もう一つはサイクリンを分解してしまう方法です。パートナーであるサイクリンが無くなればCDKは活性化することが出来なくなってしまうからです。

細胞周期チェックポイントは何のためにあるのでしょうか?細胞周期で一番大切なのはDNAの複製の正しい順序や細胞分裂の正確な順番です。ところが例えばDNAの複製の途中でDNAが傷ついた時には細胞周期エンジンにはこのような点検項目がないのでかまわずDNAの複製や分裂を開始してしまうと正常なDNAや全く同じ二個の細胞ができなくなってしまいます。細胞周期チェックポイントはこのような異変に対して事態が収まるまで一時的に細胞周期の進行を止めておくためのシステムが細胞周期チェックポイントの仕組みなのです。つまり「チェックポイント」は「事故が起こった時のブレーキ」と考えてください。この事故は「DNAに損傷」が起こった事故でありこの時にブレーキをかけてDNAの損傷の部位までを発見してくれる中心的なのが役割までしてくれるのがATMとATRという二つのタンパク質なのです。ATMは放射線などによるDNAの二本鎖切断に特異的に反応するのに対してATRは紫外線や化学物質による一本鎖の損傷に対して反応するのです。

細胞周期エンジンのシステムが完璧であればこのエンジンを動かす燃料と栄養があればいつでも増殖が可能でしょうか?不可能です。細胞の外から増殖してよいというシグナル(信号)を発する増殖因子(growth factor略してGF)が細胞表面の受容体に結合しない限り増殖は始まりません。

増殖因子の代表には二つあります。一つはEGFであり、二つ目はPDGFです。EGF(Epidermal growth factor略してEGF訳して上皮成長因子)は血液、尿、汗、唾液などほとんどの体液に含まれ上皮細胞以外の増殖にも関わっています。二つ目はPDGF (platelet-derived growth factor略してPDGFで訳して血小板由来成長因子)で、血清中に含まれ血管の平滑筋を増殖作用があり血小板が凝固するときに血小板から放出する物質であり血小板以外の様々な細胞に含まれ幅広い増殖作用を持っています。EGFとPDGFに共通するのは受容体の種類です。受容体チロシンキナーゼという受容体に結合し細胞内に伝わったシグナルが最終的には細胞周期エンジンの制御系に作用して増殖を促すのです。増殖因子については別の機会に書く予定です。

成人の体では何故細胞の増殖が必要か?成人の体に中では筋肉や骨と違って使い捨ての消耗品が使われている臓器の細胞が多いからです。従って消耗細胞をいつも新しい細胞を補給する必要があるからです。その代表が骨髄の細胞や消化管の細胞や皮膚や粘膜の細胞なのです。このような増殖が日常的に行われている組織には幹細胞(stem cell)という特殊な細胞があり分裂しながら新しい細胞を補給しているのです。幹細胞(stem cell)とは、複数の種類の細胞に分化できる「多分化能」や、あるいは多分化能を維持したまま分裂できる「自己複製能」をもつ細胞をいいます。一個の細胞が同時に「多種類の細胞に分化できる能力」と「自分の元の細胞と同じ細胞を複製能力」の2種類の能力を持ち合わせている細胞を幹細胞といいます。

肝臓、腎臓の様な器官や、内分泌腺、血管などの組織には幹細胞は存在しないのですが、組織の一部がダメージを受けるとその組織の細胞は少しずつ入れ替わることができるのは一時的に増殖が起こって失われた部分が補充され元に戻ると増殖は止まります。このような組織の細胞は普段は休止したように見えますが、組織の損傷が起こればいつでも増殖を再開できる状態にあるのです。

対照的なのは筋肉や神経のような特徴的な形と専門化した機能を持った組織は胎児期や小児期までは増殖が起こるがその組織に必要な細胞数が満たされ成熟すると基本的に増殖が再開することは無い細胞がいます。このような細胞を終末分化細胞と呼ぶのです。終末分化細胞は分裂はしないが休むことなく死ぬまで働き続けることができるのです。

細胞周期のG1期の特徴は何でしょうか?G1期のR点とは何でしょうか?G1期はS期にすすむか、G1期にとどまるかを選択する時期がG1期なのです。細胞周期の中で最も安定した時期なのです。何故でしょうか? G1期の中には目に見えない一つのポイントであるR点(restriction point訳して制限点)があります。R点より前にいる限り細胞周期に入らないのでG1期にとどまるかぎりG1期の細胞は安定しているのです。制限点であるR点を通過すると元には戻らずG1期S期G2期M期と進み始めるのです。

G0期はG1期の変種であって「増殖」という成人の細胞が毎日毎日やらざるを得ないノルマから逃れ、それぞれの細胞の固有の働きに専念できる時期はこのG0期なのです。われわれの命を支える心臓の筋肉神経や脳の細胞はすべてこのG0期に忙しく働いているのです。

有糸分裂(ゆうしぶんれつ、mitosis)とは、何でしょうか?

M期のMはmitosis(有糸分裂) の頭文字であり何故有糸分裂というのは細胞分裂が起こる時に核分裂のことで、「染色体」や「紡錘体」などの糸状の構造が現れるから有糸分裂と言われるのです。細胞分裂の際にクロマチンが染色体を形成し、この染色体が紡錘体によって分配される核分裂様式のことです。生殖細胞において相同染色体を分離させる減数分裂(meiosis)も有糸分裂の亜形であり減数有糸分裂といいます。M期は短時間に大きな変化がみられる時期なのです。4つの細胞周期のM期を除いたM期以外のG1、S、G2期の3つをまとめて間期(interphase)といいます。

細胞周期の間期(かんき、Interphase)とは何でしょうか?一般的な細胞がそのほとんどの期間を過ごす細胞周期の段階である。間期の間に、細胞は有糸分裂に備えてDNAを複製する。間期は、細胞にとって「日常生活」または代謝を行う期間であり、栄養素を獲得して代謝し、成長し、DNAを読み取り、他の「正常な」細胞機能を行う。真核細胞の大部分は、そのほとんどを間期で過ごす。間期は以前は resting phase (休止期/静止期) と呼ばれていた。しかし、間期は細胞が単に休止している状態ではなく、むしろ細胞は活発であり、後の細胞分裂に備えている状態であるため、resting phase (休止期/静止期)という名称が間期に変更された。

間期では、細胞は有糸分裂や減数分裂に備える。体細胞 (体の通常の二倍体細胞) は細胞分裂によって自己複製を行うために有糸分裂を行い、二倍体の生殖細胞(精母細胞や卵母細胞)は有性生殖のための一倍体の配偶子(精子や卵)を作り出すために減数分裂を行うのです。

G1期、S期、G2期期(interphase)の間期の細胞と核の図(下図)

間期には①G1、②S、③G2期の3つの段階があり、それぞれの段階の終了時には、次の段階へ進行する前に細胞周期チェックポイントがその段階の完了を確認する。

①G1期 (Gap 1) には、細胞が成長し通常の機能を行う。この期間には、大量のタンパク質合成が起こり、細胞が(元のサイズの約2倍に)成長する。より多くの細胞小器官が産生され、細胞質の体積が増加する。細胞が再び分裂を行わないときには、G0期へ移行する。

②S期 (Synthesis) には、細胞がDNAを合成し、染色体数が (半保存的複製によって) 2倍になる。

③G2期 (Gap 2) には、細胞が分裂に備えて成長を再開する。ミトコンドリアが分裂し、細胞は有糸分裂が始まるまで成長し続ける。植物では葉緑体もG2期に分裂する。加えて、頻繁に分裂しない一部の細胞はG0期と呼ばれる段階に移行する。これは間期とは異なる段階であることもあるし、G1期の延長であることもある。

間期、そして間期の各段階に費やす期間はさまざまであり、細胞種と生物種の双方に依存する。哺乳類の成体の大部分の細胞の間期は約24時間であり、細胞周期の90–96%に相当する。G2期が完了すると、細胞は核の分裂 (有糸分裂) と細胞の分裂 (細胞質分裂) が行われる比較的短い期間に突入する。有糸分裂と細胞質分裂の完了の後、娘細胞は再び間期のG1期へ進行する。

細胞周期において、間期はM期の終期と細胞質分裂に引き続いて進行する。代わりに、間期はG0期によって中断されることもあり、ある環境ではG0期の終了後に間期の残りの段階が進行する。間期の最終チェックポイントであるG2チェックポイントの完了に成功すると、有糸分裂の最初の段階である前期、または植物では”preprophase”へと進行する。

G0期は、細胞が分裂も分裂への準備も行わないG1期の延長として、またはそれとは異なる細胞周期外の静止期 (quiescent stage) としても捉えられる。

間期と他の細胞過程

減数分裂での配偶子形成の過程では、間期に引き続いて減数分裂が起こる。プログラム細胞死の過程では、アポトーシスが間期に続いて起こるか、または間期を阻止して進行する。

M期は5段階に区分できます。①前期(prophase)②前中期(prometaphase)③中期(metaphase)④後期(anaphase)⑤終期(telophase)の5つです。

前期(prophase)の細胞と核の図

 ①前期(prophase)

染色体凝縮が開始する。核膜はまだ存在している。中心体が微小管形成中心として機能し、微小管の重合が進み紡錘体の形成が始まる。間期に複製された二つの中心体は、モータータンパク質であるキネシンの働きで離れていく。モータータンパク質とはモータータンパク質は、アデノシン三リン酸(ATP)加水分解によって生じる化学エネルギーを運動に変換するタンパク質。 アクチン上を動くミオシン、微小管上を動くキネシンやダイニンが知られている。

前中期(prometaphase)の細胞と核の図

 ②前中期(prometaphase)

染色体凝縮がさらに進行する。核小体の消失が始まる。離れた二つの中心体は紡錘体極となり、そこから伸びた微小管が染色体の動原体(kinetochore)に結合する。この微小管は動原体微小管とよばれる。この図では微小管が核膜内に進入している。核膜崩壊型の有糸分裂を行う生物では核膜が消失する。

中期(metaphase)の細胞と核の図

③中期(metaphase)

分裂中期の細胞。ほとんどの染色体 (青) が赤道面に配列した状態。緑が紡錘体。

凝縮を完了した染色体が細胞の赤道面に配列する。このときそれぞれの染色体において一対の姉妹染色分体が識別可能となる。染色体の各1セットが各々正しく紡錘体に結合しているかがチェックされる(紡錘体チェックポイント)。結合に支障がある場合は細胞周期が停止する。この時期は正しい染色体分配、ひいては細胞分裂のための本質的なステップと考えられている。

後期(anaphase)の細胞と核の図

 ④後期(anaphase)

姉妹染色分体をつなげていた動原体付近のタンパク質(コヒーシン)が切断され、分離可能となる。それぞれの姉妹染色分体は分裂装置の働きにより、両極へと移動する。微小管の働きによって染色分体が移動すると共に、紡錘体極が離れていく。

終期(telophase)の細胞と核の図

⑤終期(telophase)

後期に分配された娘染色体が分散してクロマチンに戻る。核小体が再構成される。核膜崩壊型の分裂を行う生物では、核膜も再構成される。

癌の細胞周期と正常な細胞周期とはどこが違うのか?癌は遺伝子の変異が原因となっておこる病変ですが細胞で起こる変異がすべて発がんと関係しわけだはない。23,500個もある遺伝子の中でも800余りの限られた特定の遺伝子である癌関連遺伝子のどれかにヘルペスが起こした変異だけが発がんと関わっているのです。この変異のほとんどが細胞周期と何らかの関わりを持っているのです。

癌関連遺伝子は癌原遺伝子(proto-oncogene)と癌抑制遺伝子(tumor suppressor gene)の2種類がある。細胞の中でどちらもヘルペスによる変異がなければそれぞれ大切な機能を果たしているのですがヘルペスによる変異によって「性質が変化する」ことで発がんの原因になるのが癌原遺伝子(proto-oncogene)であり、変異によって「機能が失われる」ことが発がんの原因になるのが癌抑制遺伝子(tumor suppressor gene)なのです。

代表的な癌関連遺伝子と細胞周期との関係の例としてRB1遺伝子からできる蛋白であるpRBはG1期の細胞が増殖サイクルに入るかどうかを決定する段階のR点で働いている。pRBの機能が失われればR点という障壁がなくなってしまう。つまりRB1遺伝子は癌抑制遺伝子(tumor suppressor gene)なのです。

細胞周期エンジンが全く正常でも増殖シグナルを伝える段階が狂うとEGF受容体の一つであるerb-b2やシグナるうぃ伝達する仲介因子であるRasに異変が起こると増殖因子も存在しないのに細胞が勝手に増殖シグナルを発信してしまうことが起こってしまうのです。erb-b2やRasは癌原遺伝子(proto-oncogene)なのです。細胞の外から増殖を刺激する因子は多くそのシグナルの伝わり方も様々なのであるから、その数だけの癌関連遺伝子は800個もあるのです。

一個の正常な細胞が悪性度の高いがんに変わるのはヘルペスが癌関連遺伝子の変異をどれだけが多く生み出すのかによって決まるのです。医者が免疫を抑えれば抑えるだけヘルペスが増えてしまい増えた細胞が多くなればなるほど細胞のゲノムに潜伏感染しているうちになればなるほど癌関連遺伝子の変異が積み重なり最後は癌死となるのです。この癌死は医者と製薬メーカーが作り出した医原病なのです。治療と称して免疫を抑えて最後は癌を作るという悍ましい世界が医薬業界なのです。悲しいですね。

大腸癌はヘルペスによってどのようにして生まれるのでしょうか?一個の正常な大腸(結腸、直腸)の粘膜細胞がヘルペスによって悪性度の高い転移性の癌細胞に変わっていくのは複数の癌関連遺伝子の変異がどのような順番で積み重なっていくのかを詳しく説明しましょう。まずヘルペスウイルスは初期段階にまずAPC(Adenomatous Polyposis Coli略してAPC訳して腺腫性大腸ポリポーシス)の遺伝子である癌抑制遺伝子が突然変異します。突然変異したAPCは家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis Coli 略して FAP)という良性の常染色体優性の癌抑制遺伝子変異の遺伝性(良性)の疾患を起こし、この FAP 患者には数百~数千に及ぶ多数の大腸腺腫が発生し、やがて癌原遺伝子も変異してしまうと二つの癌関連遺伝子が癌化してしまうので大腸癌となるのです。1991 年にこの FAP の原因遺伝子が単離され APC(Adenomatous Polyposis Coli)遺伝子と命名された。

FAP患者家系の多くが、この APC 遺伝子に変異を有することが明らかとなり、さらに非遺伝性の大腸癌においても高い頻度で APC 遺伝子の変異が発見されたことから、この APC 遺伝子の変異はヒト大腸癌の発癌において癌のリスクを高める大きな役割を果たしているのです。この現象はLOHの結果としのとして説明できます。

LOHとは何でしょうか?家族性大腸腺腫症の原因遺伝子として単離されたAPC遺伝子は,家族性のみならず散発性も含めた大腸癌発生における癌抑制遺伝子なのです。APC遺伝子の変異は,複数の遺伝子変異が関わる多段階発癌の中でも最初のイベントであり,ポリープ発生の直接的原因と考えられる。

LOH(loss of heterozygosity訳してヘテロ接合性の消失),すなわち対立遺伝子座(アリル)の欠失を意味します。 LOHが生じると,残りの正常なアリルに変異が誘発されやすいことが知られており,癌関連遺伝子の一つである腫瘍抑制遺伝子の不活性化を引き起こしてしまうので癌になりやすさを高めてしまいます。このメカニズムは網膜芽細胞腫家系(Rb)やLi-Fraumeni症候群(p53)などで腫瘍が多発するメカニズムと同じことなのです。

このメカニズムをもっと詳しく説明しましょう。「遺伝する癌」は癌全体の1%程度を占めます。遺伝する癌で最初に見つかったのは小児の目にできる網膜芽細胞腫という遺伝性腫瘍の原因となるRB1遺伝子である。このRB1遺伝子の遺伝様式に興味ある特徴があり、このRB1遺伝子は機能的には「劣性」なのに優性遺伝をするといっていいのです。つまり突然変異をしたRB1遺伝子のアレルを「a」とすれば網膜芽細胞腫の患者はヘテロの「A a」である。「劣性」の「a」が1個でもあれば「癌のリスクは高まるので癌になりやすいので伝わり方は優性遺伝と考えられます。しかし発がんに至るにはもう片方が欠失してA a→aになるかまたは突然変異してA a→a aになる必要があります。この現象をヘテロ接合性の喪失とか消失と呼ぶのです。ヘテロ接合性の消失は英語でloss of heterozygosityであり略してLOH となります。このLOHというヘテロ接合性の消失は癌抑制遺伝子の全般に共通する性質なのであって「遺伝する癌」の遺伝子だけに見られるものではないのです。従って「遺伝する癌」以外にすべての普通の癌の多くはヘテロ接合性の消失によって「癌になるリスクを高めて」生まれた癌も数多くあるということです。

以上の癌についてのややこしい(?)説明が終わったので大腸がんになるまでの経過の詳しい説明に移りましょう。

大腸がんになっていく初期の段階にまずAPC(Adenomatous Polyposis Coli)遺伝子の変異が起こりWntシグナル経路の仲介因子であるAPC遺伝子によって作られたAPCタンパク質を失って周囲との釣り合いが取れない高い増殖・分裂したがるさいぼうがポリープを作るようになります。Wntシグナル経路とはWntシグナル経路によって、細胞表面受容体を介して細胞内へシグナルを伝達するタンパク質によって開始されるシグナル伝達経路の1つである。Wntという名称は、winglessとint-1という2つの遺伝子の名称に由来するWntシグナル経路は、細胞表面受容体を介して細胞内へシグナルを伝達するタンパク質によって開始されるシグナル伝達経路の1つである。Wntという名称は、winglessとint-1という2つの遺伝子の名称に由来する「混成語」ですある。このポリープを形成する細胞の鬱の1個で第二の遺伝子の変異がK‐ras遺伝子で生じます。K‐ras遺伝子とは癌原遺伝子のひとつで、rasはシグナル伝達因子でGTP結合蛋白質です。K‐ras遺伝子は細胞増殖を促進するシグナルを、細胞内で伝達するという役割を持つKRASタンパクを作り出す遺伝子です。第二の遺伝子であるK‐ras遺伝子の変異が更に大きな細胞集団である中期のⅡ型腺腫になります。更に大きくなり後期のⅢ型腺腫になります。後期のⅢ型腺腫の段階に達した時点でこのうちの1個の細胞でTP53遺伝子の変異が起こります。この変異によってTP53遺伝子の変異によって作られたTP53は癌抑制蛋白の機能を失って細胞周期チェックポイント(監視)やアポトーシスに異常をきたすと変異を持つ不良癌細胞がにわかに増えてくると同時に不良癌細胞を排除することもできなくなって悪性度が一気に加速してしまうのです。TP53遺伝子とは何でしょうか?p53遺伝子とは、一つ一つの細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持ち、細胞ががん化したときアポトーシスを起こさせる遺伝子です。この遺伝子による機能が不全となるとがんが起こると考えられている、いわゆる癌抑制遺伝子の一つです。癌関連遺伝子には二種あります。癌原遺伝子と癌抑制遺伝子です。人体には40兆個の細胞があります。40兆個の細胞の一つ一つの細胞にはなんと800個の癌関連遺伝子がありますのでヘルペスウイルスにとっては癌関連遺伝子を変異させるのは極めて簡単なのです。癌細胞自身は何も怖くはないのですが増えすぎたヘルペスが癌を作ってしまうことが怖いのです。ヘルペスウイルスがいなければ癌は起こりません。しかも誰もこの恐ろしい真実を知りません。残念です。

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