①癌死とは何でしょうか?②突然死とは何でしょうか?③老衰死とは何でしょうか?この三つの死は直接的には何がもたらすのでしょうか?癌死、突然死、老衰死の三つの死はそれぞれ癌、突然、老衰が直接的な死因ではなく三つとも直接的な死の原因は心臓の自律神経の交感神経に感染したherpesウイルスが心臓の働きをストップさせて心不全のために酸素が脳のみならず全身に送ることができなくなるためです。
心臓の拍動は自律神経よって支配されています。もちろん、心臓は自動能をもつので自発的に拍動することができますが、その拍動は心臓神経といわれる自律神経の交感神経と副交感神経によって調節されているのです。生命を維持する最重要な臓器である心臓に分布して心臓を支配しているのは自律神経だけなのです。
何故心臓は自動能を持っているのでしょうか?人が自分の体を動かすことができるのは、脳からの司令が電気信号として伝わり筋肉を動かしているのですが、一方、 心臓は独立した電気のシステムを持っているので、いわば自分のためだけの電気モーターで動いているので心臓は外に取り出しても体外でも動くことができるのです。
心臓神経の中枢は心臓血管中枢とも言われますが延髄にあります。下図に延髄にある心臓中枢と心臓反射の関係を示します。延髄から心臓に行く交感神経幹神経節のひとつである星状神経節から出た交感神経は主に心室に分布しており神経伝達物質はノルアドレナリンです。ヘルペスは免疫に見つかりにくいので、あらゆる神経節に感染したがります。交感神経幹にある星状神経節の交感神経の働きがヘルペスによって異常になって正常に働かくなって心臓血管中枢からの刺激が心室に伝わらなくなってしまうと心拍数の増加のみならず心筋の収縮力も血圧も無くなってしまうと「死」を迎えることになります。一方洞房結節と房室結節に分布している迷走神経が心臓の副交感神経線維なのですが人の「死」には迷走神経反射による心肺機能の低下による心肺停止も報告されています。因みに迷走神経の神経伝達物質はアセチルコリンで、かつ心臓や胸腹部に分布する副交感神経は迷走神経線維です。
心臓中枢のである延髄からの心臓の神経支配と心臓反射
心臓中枢である延髄は、左図のように心臓や頚動脈洞(圧受容器反射)や頚動脈小体や大動脈(大動脈弓)や心房の各部分から送られて来る情報を受け取り体内の状況を感知すると、状況に応じてただちに、反射的にそれに対応するように心臓神経を介して心臓調節を行う。それを心臓反射という。
①頸動脈洞反射
②頚動脈小体反射
③ベーンブリッジ反射
④大動脈神経反射
神経反射とは何でしょうか?そもそも神経には中枢神経と末梢神経があり,さらに末梢神経は運動神経,知覚神経,自律神経に分けられますが,反射神経という名前の神経は医学的にはどこにもありません.それでは反射とは何でしょうか?反射の医学的な定義は,特定の刺激に対して意識されることなく反応が起こることです。このため反射にはその刺激を感じる受容体,その刺激を伝える経路(求心路),その刺激に対して反応を起こす反射の中枢(折り返し点),その反応を末梢に伝える経路(遠心路),反応を起こす効果器(筋肉)の5つの要素から成り立っています。
そして生理的な反射には,大きく分けて体性反射と自律神経反射の2つがあります.このうち体性反射には深部反射と表在反射などがあり,深部反射は伸張反射である膝蓋腱反射が代表的です。これは膝の腱がハンマーで叩かれることにより,局所的に伸ばされるため,その腱に関係した筋肉(膝蓋腱反射では大体四頭筋)が収縮して足が上方に上がります。
また表在反射には咽頭反射(喉の奥を触るとオエっとはきそうになる)が代表です。つまり体性反射の深部反射と表在反射などは1種の防御反応といえます.そのほか体性反射の中には屈曲反射,原始反射,病的反射、姿勢反射などがあります。このうち屈曲反射は皮膚や筋肉などが有害な刺激を受けると,刺激を受けた部位を刺激から遠ざけるように屈筋が収縮する反射です。因みに延髄には循環、呼吸、嘔吐、嚥下、消化などの中枢を含み生命維持に不可欠な機能を担いその一つの機能が心拍数の調節なのです。
原始反射は新生児期にみられ,中枢神経系の発達とともにやがては消失して見られなくなる反射です。代表的なものに,脊髄レベルで起こる把握反射(赤ちゃんの手のひらに指を当てると無意識に握ろうとする,生後3ヶ月頃に消失)や,脳幹レベルの反射である吸引反射(唇をこすると,乳児が乳を飲むように唇が動く反射,生後4ヶ月頃まで見られる)などがあり,赤ちゃんの神経の発達に障害がないか,あるいはその後に障害が起こっていないかを見るのに使われます.
また病的反射というのは,小児の時には見られていた反射がその後の中枢神経系の障害により再び見られるようになるものを言い,把握反射や吸引(飲)反射などに加え有名なBabinski反射があります.これは足の裏を鍵など少しとがったものでこすると足の親指が足の甲側に反り返るという反射で1種の逃避反射です.大体2歳ころまでの赤ちゃんには普通に見られるのですが,その後の中枢神経系(錐体路という運動神経の経路)の発達により抑制されて見られなくなります.つまり逆にこの反射がまた出現すると言うことは,錐体路の障害を意味するわけです。
さらに姿勢反射ですが,これは姿勢を維持しようと無意識にコントロールする反射を言います.その代表は立ち直り反射で,これは関節の位置を知る深部感覚や平衡器官,それに視覚の情報などを脊髄,脳幹,小脳などで統合して身体の筋緊張を調節することにより直立姿勢を維持する反射であります.
次に自律神経反射は内臓反射とも言われますが,交感神経や副交感神経を介して血圧や脈拍,発汗や胃腸の運動などをコントロールしており全身の状態を保って生きて行くのに必要な反射であり,頸動脈洞反射(喉元を圧迫すると脈がゆっくりとなり血圧が下がる)や圧発汗反射(圧迫が加わると汗をかかなくなる),対光反射(眼の瞳孔に入ってくる光の量を調節する反射)などがあります。何故自律神経反射は内臓反射と言われるのでしょうか?それは内臓の殆どの機能は自律的に無意志の内に反射的に行われているので内臓反射は自律神経反射と言われるのです。
さてそれでは最後に反射神経とは何でしょうか?神経には中枢神経と末梢神経があり,さらに末梢神経は運動神経,知覚神経,自律神経の三つに分けられますが,反射神経という名前の神経は医学的にはどこにもありませんが一般的には.刺激に対して瞬間的に反応する能力を持っている人が,刺激を受けた時に脳で意識せずに無意識のうちにその刺激に対して素早く身体を反応させることを意味しており,医学用語の反射に近い言葉の使い方になります。此の一般的な反射神経が優れていると言われるのは,視覚を始めとしたいろいろな感覚刺激,各種姿勢反射,脊髄レベルでの屈曲反射などが優れていること意味しています。あくまでも医学的な反射神経とは,刺激を受けた時に脳で意識せずに無意識のうちにその刺激に対して素早く身体を反応させることを意味しています。従って反射神経とは医学的な解剖学的な言葉ではなく「様々な神経が反射的に素早く反応している反射的現象」を述べているだけなのです。
頚動脈洞神経反射とは何でしょうか?圧受容体反射とも言います。血圧変化に対して強力な調節作用を持つ。圧受容器である頸動脈洞は総頸動脈から内頸動脈が分岐し膨隆した部にあり血圧が上がるとこの頸動脈洞への血圧の刺激によって,動脈圧が下降する反射現象が起こります。頸動脈洞は頭部,とくに脳へ動脈血を供給する入口に当たり,この壁には動脈圧を感受する血圧受容器が局在しています。哺乳類の血圧受容器はだいたい60~200mmHgの範囲の血圧変化に応答して,血圧情報を神経インパルス信号に変え,舌咽神経を経由して延髄の心臓血管運動中枢へ送っています。
頚動脈小体反射とは何でしょうか?大動脈小体反射とは何でしょうか?二つとも化学受容器反射とも言います。頚動脈洞のすぐ近くにある頚動脈小体と大動脈弓壁にある大動脈小体には、血液の化学組成であるCO2濃度を感知する化学受容器( chemoreceptor )があります。化学受容器は血液中のCO2濃度が増加するとそれを感知して心臓中枢にその情報を送り、反射的に心拍数を増加させることによりCO2を排出させるように働く。副交感神経系の求心性要素をなすものは,迷走神経,舌咽神経,および骨盤内臓神経に含まれている。舌咽神経に沿う頸動脈小体carotid bodyと迷走神経に沿う大動脈小体aortic bodyがあり,化学受容器として働き,血液の酸素,二酸化炭素濃度の変化やpHの変動を受容する。頸動脈洞における血管圧変化を感受し,頸動脈小体では血流中の化学的成分(酸素分圧,水素イオン濃度)変化を感受する。
ベーンブリッジ反射とは何でしょうか?この反射装置は右心房壁にある。心臓への還流血液量を増加させると心臓が、機械的に引き延ばされ、この部位の伸展受容器が興奮して迷走神経の心臓枝に含まれている求心性神経を介して反射機構が作動、心拍数が増加する。つまり心房に入る血液量が増え心房壁が伸ばされると、それを感知して反射的に心拍数を増加して、心房内の血液を早く動脈内に押し込もうとする反射機構をベーンブリッジ反射という。
大動脈神経反射とは何でしょうか?大動脈弓や頚動脈洞には内頚動脈の起始部にある血圧を感知する圧受容器 baroreceptor がある。血圧が上昇すると圧受容器はそれを感知して心臓中枢に伝える。すると副交感神経を介して反射的に心拍数を減少させ、血圧を下げるように働く反射機構です。
上記のように身体には自律神経システムを作動させるセンサーがありこのセンサーは素早く心臓反射を起こして心臓中枢である延髄の心臓血管中枢に異常を知らせます。このセンサーには化学受容器(chemoreceptor)と圧受容器(baroreceptor)の二つがあるのです。
化学受容器(chemoreceptor)は頸動脈(頸動脈小体)と大動脈(大動脈小体)に存在し、酸素分圧の変化(低酸素状態やアシドーシス)を感知する。この学受容器の興奮(インパルス)が延髄の心臓血管中枢に異常を知らせる。
圧受容器(baroreceptor)は頸動脈(頸動脈洞)と大動脈(大動脈弓)に存在し、血圧変化に対して強力な調節作用を持つ。圧受容器の興奮はインパルス(活動電位)として心臓調節中枢に伝わる。低酸素状態や急激な血圧増加は、臓器の傷害を招く。化学受容器と圧受容器はともに頸動脈と大動脈に存在し、これらの変化からバイタルオルガン(生命器官)である心臓と脳を保護しているのである。
心臓反射を起こすセンサーの神経と心臓の自律神経機能
低酸素状態になると化学受容器が低酸素を感知し、心臓反射で心臓血管中枢である心臓調節中枢(心臓中枢)にインパルスを送り、心臓血管中枢(心臓中枢)は交感神経を介して、心拍数、血圧を増加させる。少しでも多くの酸素を臓器に提供しようとするのです。
一方、急激な血圧増加は、脳や心臓の血管傷害を引き起こすが、それを防ぐため圧受容器が働く。血圧が急激に増加すると、圧受容器がその異常を感知し、心臓反射で心臓血管中枢(心臓中枢)にインパルスを送る。心臓血管中枢では副交感刺激を介し心拍数を減少させ、血圧を下げることで臓器を保護しようとする。この反射が副交感神経である迷走神経反射であります。