症例報告197例目
完治された病名1)クローン病
患者:21歳、男性
松本漢方クリニックに来られて病気を作り出したのは他でもない自分自身だということが身をもって理解され、今まで我慢し続けてきたくらい生き方から明るく、自分に正直に生きる心の持ち方に変わった患者さんです。
この患者さんは小学1年生の頃に紫斑病性腎炎を起こし、1か月程度入院生活を送っていました。当時、患者さんは少年野球に入っており練習に頑張り過ぎてストレスが過大になってしまい、免疫が抑制され、人体にとって異物である化学物質を腎臓の結合組織でIgG抗体を用いて排除する戦いが起こっていまい腎炎が起こってしまったのです。退院後は特に異常は起こらず、普通に運動もできる活発な生活を送っておられました。
お腹が弱いと思い始めたのは中学生の時でした。中学生時代は主に晩御飯を食べている途中でお腹が痛くなりましたがそれも 10 分くらい休憩すれば食事を再開できました。10 分で治らないときはお風呂に入ってお腹を温めれば治まったので特に気にすることなくそのままにされていました。
高校生時代は上記に加えてよく部活の前にお腹が痛くなるようになりました。というのも先輩とあまり良い関係が築けていなかったのでストレスを感じていたからです。また以前も見られていたのですが中学1年の頃の血液検査で貧血が見られ、お腹が弱いのもあり、いい機会だと思って内科に診察を受けに行きました。診断の結果、貧血も深刻視するまででもないが、それでも気になるのなら直腸検査、胃カメラでもしてみますかと言われたので両方受けられました。直腸検査の結果は異状なしだったが、胃カメラで軽度の胃炎、軽度の食道カンジダ、ピロリ菌の3つの異常が見つけられました。食道カンジダ、ピロリ菌は飲み薬を処方され、それを飲むとすぐに完治されて治療は終わりました。胃炎は軽度なので治療は病院では行わずに終わったそうです。
以後、今までは月1回もしくはそれ以上のペースで食事中に腹痛に襲われていたのが、年2、3回程度になりました。依然として部活前にお腹が痛くなりましたが、先輩が卒業して以降は腹痛が全くなくなり、患者さんはストレスによる過敏性腸症候群だったのだろうと自己完結したとのことです。そして大学に入学して大学1年生最後の冬まで腹痛は嵐の前の静けさのように一度も起こりませんでした。
2 月の春休みイタリア旅行に行き現地で40度の熱、腹痛、下痢を発症。現地の医者に流行りの胃腸かぜと診断されました。何も食べずにスポーツドリンクだけでしのいでいると少し体調が回復するも、体力を戻そうと食事を摂ると、また腹痛と下痢が続いてしまいました。帰りの飛行機の日はお腹の体調が悪くなかったのでなんとか帰国できました。帰国してからも数日間、ご飯を食べるたびに体調を崩し、ある日40度弱の熱が出て病院に行かれました。検査を受けるとクローン病と診断され緊急入院と手術をすることが決まりました。あと少しで敗血症というところまでいっていたそうです。
小腸回りの膿を除去する手術を受け、膿が出てきた穴が特定できなかったことから小腸を切断することなく手術を無事に終えました。その際に小腸が狭窄を起こしていることも分かりました。手術を終えて入院生活が始まると同時に病気の説明を受けられました。「この病気は一生治らない、食事制限も一生まとわりつく。」そう説明されたとき、患者さんは完全に感情が止まり、まるで他人事のようにしか思えませんでした。
食事制限により出されたエレンタールは美味しいと感じる味の種類が多く、野菜や魚を食べられ、お菓子などはダメだがもともと食べないのでなんとかやってけるとは思ったものの、「好き嫌いせずになんでも食べ、運動もして、またにアルコール類を飲み過ぎたりするときもあったものの比較的健康的な生活を送っていた自分がなぜ」とは何度も疑問に感じておられました。入院中はペンタサを一日6錠、エレンタールを一日2袋を処方され毎日飲まれていました。入院中の症状は下痢、軟便、発熱を起こしたものの症状が軽かったのでレミケードを飲み始められるのを患者さんはギリギリまで先延ばしにしようとされました。
その頃、母親から松本漢方クリニックについて聞かされました。患者さんは手記を読んだり、掲示板を見たりしましたが、すぐに受診することを決められずにいました。
そして退院されたその晩、退院祝いでネギトロ丼を食べました。すると翌日、熱を出し再び病院に行くと非常に高い炎症値が出ていて二度目の緊急入院と手術が決まってしまいました。二度目の手術では小腸を切除されその小腸に穴(穿孔)があることが確認されました。その後も一度目の入院と全く同じ症状、処方をされました。
二度の手術をしたものの普段の生活に支障をきたすような大した症状はなく、二度目の入院も同様に退院され、これを機に松本漢方クリニックを受診することを決められました。
初めて患者さんを診た時は暗い雰囲気で嫌なことがあったりすると我慢してやり過ごすことが身に沁みついている性格であることが見てわかりました。もっとわがままになってハッキリとすること、我慢しないように心の持ち方について指導しました。患者さんは私の様なハッキリと物事を言うタイプの人間が苦手なのか、顔に出てしまっていましたが、患者さん自身もその性格を直したいと思っていたため、できるだけ明るく我慢しないように生活されました。そのおかげか何回目かに受診された際には明るい雰囲気になっていました。病状も、もともと軽いものでしたが下痢はほぼなくなり軟便の頻度も減りました。食事は何でも食べてよいと言いました。患者さんは手術直後ということで最初のうちは消化の良いものをメインで食べ、数か月かけて何でも食べるようにしていかれました。
当院にかかり始めて1年ほどで食事をしていても体調は安定し、軟便は週の半分くらいになり、下痢は月に一度あるかないかくらいまで回復されました。それから3ヶ月後には便秘気味になり、クローン病の症状は完治されました。もう当院には来られていません。
症例報告198例目
完治された病名1)クローン病
患者:22歳、男性
2013年5月末頃、39度近くの高熱が出たため近所の病院で風邪薬をもらい、服用するとすぐに熱は下がりましたが、その後も一週間おきに発熱を繰り返すようになりました。発熱を繰り返していくうちに腹痛、下痢、嘔吐感といった症状も出始めてきたので少し離れた総合病院へ受診されました。しかし明確な原因は分からず、おそらくウイルス性の胃腸炎の疑いと見なされて薬を出され数週間服用し続けました。しかし全く症状は改善されませんでした。
7月になると症状はさらに悪化していきました。発熱、腹痛、下痢、嘔吐感に加えて口腔内カンジダを発症し、食事がほとんど取れない状態になってしまいました。様々な検査を受けてきました明確な原因は特定できず、8月には検査入院で2週間入院されましたが原因は特定できませんでした。点滴(おそらくステロイド入り)と病院の脂っぽくない栄養バランスの良い食事によって症状は改善していきました。退院後、しばらく体調が安定しましたが、10月に入ると症状が再発し、食事もとれず体調が悪化していきました。元々スポーツをやっていて体格が良かった患者さんは75~80㎏程度あった体重が激減し、58~60㎏まで落ちてしまいました。様々な検査が行えることから一番近くの大学病院に通院されていましたが、いつまでも原因がわからず、治るのかという不安な気持ちを抱え続け、精神的に非常に辛い日々を送りました。
12月初め、大腸カメラにて小腸の一番後半部分に縦走潰瘍があるのを見つけられ、クローン病と診断されました。担当医からは“現代医学では治すことのできない病気である”、“これから一生付き合っていかなくてはいけない”、“将来手術をすることになる可能性が高い”などと言われ、ペンタサとエレンタールが処方されましたが、患者さんはどこか他人事のように全く実感がわかず、何も考えることができませんでした。
クローン病と診断された翌日、親から松本漢方クリニックを教えてもらったそうです。患者さんは私が書いた膨大な量の理論や当時掲載されていた患者の闘病手記を読んでから半信半疑だったそうですが来院されてきました。
2013年12月15日松本漢方クリニックにて初受診。大学病院でクローン病と診断されてから1週間後のことです。診察を始めて最初に「絶対に治したる」と言って暗い顔だった患者さんを安心させました。今まで病気についてネガティブなことしか言われてこなかった患者さんは私のこの言葉を聞いて非常に楽になったそうです。その後、私が書いた潰瘍性大腸炎とクローン病の論文でも書いてあることですが、病気は自分の免疫で治す事、クローン病の主な原因は化学物質とストレスであることを説明し、私の理論を理解してもらい、ストレスを溜め込みすぎないように心の在り方を変えるように指導しました。
食前食後の漢方煎じ薬、さらに免疫を上げるために漢方風呂とお灸を処方し続けてもらいました。患者さんの場合、大学病院で出されたペンタサを1週間と短期間しか飲んでいなかったため、リバウンドが多少の下痢と微熱程度と軽度で済みました。そして今まで起こっていた腹痛、嘔吐感はすぐに良くなりました。時々、ストレスで腹痛や嘔吐感が出ることもあったそうですが、以前とは比べ物にならないほど生活が楽になったとのことです。そして何より食事制限がなくなったことで食事を楽しめるようになったことが一番の喜びでした。運動も行って、体重は以前と同じ70㎏程度まで戻りました。とにかくストレスを溜め込まないように、良い意味で適当に、大雑把に過ごしてあまり気にし過ぎないようにされています。現在はクローン病の症状は完治されて当院での治療を終了しました。
症例報告199例目
完治された病名1)クローン病
患者:28歳、男性
初期症状が起こったのは患者さんが22歳の夏頃のことでした。腹痛が起こり、次第に痛みが増していき、半年後には全身倦怠感を伴う腸閉塞まで起こしていました。地元の病院に入院し腸閉塞の治療を受けた後は腹痛が治まりましたが、検査を重ねられたのちにクローン病であると診断を受けたのです。
数ヶ月後、退院された頃には腹痛はほぼほぼなくなっていましたが、厳しい食事制限と栄養剤のエレンタール、ペンタサを食後に毎日服用するように指示されました。しかし、退院してから腹痛が治まっていたことにより次第に怠け出し、毎食後のペンタサだけ飲み続けておられました。不摂生な日が続くと狭くなった腸管に食べ物が溜まって圧迫感を感じることがあったそうですが、病気を発症した当初程の痛みや倦怠感はなかったためそのままにされていました。食後の薬の服用と2ヶ月に1度の通院と検査以外は健常者と全く変わらずこんな状態が6年程続きました。
しかし6年後くらいから再び腹部に少しの違和感を感じ始め、次第に腹痛の痛みが強まっていき、耳鳴り、全身倦怠感が酷くなっていきました。数ヶ月後には仕事の時間以外は家でずっと横になって腹痛を耐えるようになり、食欲も当然のようになくなり、体重は10㎏も落ちてしまいました。この痛みを何とかしたいという思いで、以前テレビで漢方でアトピーの子供を根治させたというのを思い出し、インターネットで「クローン病 漢方」と検索されてみたところ、松本漢方クリニックのホームページを見つけられました。
当時掲載されていた闘病手記を読まれ、にわかに信じられず後ろ向きな気持ちでしたが、幸運なことに自宅から当院に行くのにそう遠くなかったため、思い切って当院に受診することにされました。
最初は、週に1回の漢方風呂、食前食後の漢方煎じ薬とお灸(1日3セットを1回)を処方し毎日続けてもらい、定期的に鍼灸の施術を受けてもらいました。食事制限もファストフード以外は何でも食べても良いと言いました。
患者さんは当院のサイトを見つけてすぐにペンタサの服用を止めていたためか、漢方を飲み始めて1週間ぐらい経って3日間、高熱と全身倦怠感が起こりました。このリバウンドが起こったあとは夜中に痛みで目が覚めるほどの腹痛がましになり、食事も摂れるようになりました。すると耳鳴り、倦怠感も治まっていきました。諸事情により漢方風呂に入る環境を整えるのに時間がかかり1か月ほど入れませんでしたが、週に1回4~5時間入るようにしてからは腹痛がかなりましになり、全身の倦怠感が良くなっていきました。治療は始めて2ヶ月後には今まで寝込んでいたのが嘘のように外出できるまで回復していき、食事も食べ過ぎなければ何でも食べられるようになりました。