症例報告

急性喉頭蓋炎完治の症例報告(コメントなし)更新2023.2.22

投稿日:2023年2月22日 更新日:

症例報告1例目

完治された病名1)急性咽頭蓋炎

患者:20歳、男性

この患者さんは以前、潰瘍性大腸炎・クローン病で治療され完治された患者さんです。7月半ばあたりから風邪のような症状が起こりましたが喉が痛いだけだったので軽く考えていました。

大学の春学期末試験が迫っている中、休めない状況の中で喉の痛みが日に日に強くなっていきました。食べ物を飲み込むときに強い痛みが伴うようになり、喉に口内炎が出来ているのかと思った患者さんは、私の論文の中に口内炎や喉の痛みはヘルペスウイルスが原因であると書いていたため、余っていた抗ヘルペス剤を1日4錠ほど飲まれましたがどんどん痛みが増すばかりでした。余っていた抗生剤も1日3錠ほど飲まれましたがこちらも全く症状に変化は見られず、次第には飲み食いするたび、果てに唾を飲み込むだけで喉に強い痛みを感じるようになりました。さらに息苦しさも感じるようになりました。しかし喉を見てみても何も異変が見られなかったそうです。おかしいと思った患者さんは大学の試験が終わり次第すぐに近所の耳鼻科に行かれました。それが7月末のことです。

耳鼻科で鼻からファイバースコープを入れられ診てもらったところ、「開業医では手に負えないレベルの喉頭蓋炎」「このままでは命に関わる」と言われ、すぐに大きな病院で治療するようにとのことでその足で家の近くの大学病院へ向かいました。のちに患者さんの親御さんにその耳鼻科の医者から心配の電話が入ってくるほどのものだったそうです。

大学病院の耳鼻咽喉科でもう一度鼻からファイバースコープを入れられ診てもらったところ、やはり喉頭蓋が腫れてこのままだと窒息すると言われました。喉頭蓋は気管の入り口、つまり声帯の前についている弁のようなもので、食べ物や飲み物を飲み込むときに誤って気管に飲食物が入らないように気管の入り口をカバーし、食道に飲食物を通すためのものです。患者さんの喉頭蓋は腫れて膨らみ、気管を塞ぎかけている状態だったのです。このままでは命に関わるとのことでステロイド剤と抗生剤を併用して治療するために緊急入院せざるを得ませんでした。

ステロイドは50㎎から始めて1日10㎎ずつ減らし、1週間ほどの入院でステロイドと抗生剤の点滴をされました。1週間で腫れが引き、ファイバースコープで見ても正常な喉頭蓋の形に戻り、8月初め頃に退院することができました。

患者さんはステロイドは免疫を抑え、表面的に症状を良くしているだけだということを理解されていたので、また症状がぶり返す可能性が充分にあり得ると考え、退院してすぐに私の松本漢方クリニックの方へ連絡を入れました。喉頭蓋炎は細菌が感染することで起こり、通常はインフルエンザ菌 Haemophilus influenzaeb型が原因です。患者さん希望により抗生物質を処方しました。退院時に大学病院からもらった抗生物質も含めてしっかり毎3錠服用されていました。しかし、不安は的中し予測通りに症状が悪化していきました。退院して1~2週間後ぐらいに抗ヘルペス剤を1日10錠、喉の漢方煎じ薬として駆風解毒湯を処方してしばらく続けてもらいました。すると症状は悪化せず、しばらく平行線を辿りながら徐々に症状が良くなっていき喉頭蓋炎を完治することができました。

漢方煎じ薬はステロイドに負けないほど気管支を拡張することが出来る上に、免疫を抑制する作用は全くないものですから、最後は自然後天的免疫寛容をもたらすことができるのです。

何故、漢方煎じ薬が免疫を抑えないのか?理由を簡単に述べておきましょう。ステロイドを止めて漢方煎じ薬だけ用いると、初めは抑制されていたIgE抗体が必ず上昇していきます。これが漢方煎じ薬が免疫を抑制していない証拠のひとつです。プレドニンなどのステロイドを使えば、好きなようにIgE抗体を下げることができます。リバウンドというのはステロイドをやめた後に免疫の抑制がなくなると再びこのIgE抗体が上昇していきヘルペスウイルスや化学物質といった異物を排除しようと戦いが起こり症状として現れるのです。さらに漢方煎じ薬だけを使い続けると、最後に自然後天的免疫寛容を起こし、自然に必ずIgE抗体が下がってくるのも漢方煎じ薬が人体の免疫の働きをヘルプしているだけで、抑制しているわけではないことを証明しているのです。さらに詳しく漢方煎じ薬が免疫を上げる理由を知りたい方は「漢方はなぜ免疫を上げるのか? partⅠ」と「漢方はなぜ免疫を上げるのか? partⅡ」を読んでみて下さい。

-症例報告
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

シェーグレン症候群完治の症例報告Part1(コメントあり)更新2021.12.17

シェーグレン症候群完治の症例報告Part1(コメントなし)もあるので良ければ読んで下さい。 症例報告1例目の研究報告 治した病名:シェーグレン症候群、関節リウマチ、再生不良性貧血、ドライアイ 一生治ら …

no image

SAPHO症候群完治の研究報告(コメントあり)更新2022.1.18

こちらに症例報告のみ掲載している「SAPHO症候群完治の症例報告(コメントなし)」もありますので良ければ読んで下さい。 症例報告1例目の研究報告 治した病名:1)SAPHO症候群、2)仙腸関節痛 以前 …

no image

潰瘍性大腸炎、クローン病完治の症例報告Part16-①(コメントあり)更新2022.3.26

症例報告37例目 完治された病名1)潰瘍性大腸炎 患者:13歳、男性 この世には原因の分からない病気などはひとつもありません。病気とは一体何でしょうか?病気という言葉には実体がありません。病気とは単な …

no image

潰瘍性大腸炎やクローン病完治の症例報告Part83(コメントなし)更新2023.5.12

症例報告201例目 完治された病名1)潰瘍性大腸炎 患者:父親55歳、娘23歳 親子で松本漢方クリニックに受診され、完治された方々です。 父親が40歳の時、潰瘍性大腸炎を発症しました。会社での長時間労 …

no image

萎縮性胃炎完治の研究報告更新2022.2.13

研究報告1例目 完治させた病気1)萎縮性胃炎2)十二指腸下行脚憩室3)肺の斑状のすりガラス影4)耳の閉そく感5)アレルギー性鼻炎6)慢性頭痛7)生理痛8)気管支喘息9)眩暈10)腹痛11)背部痛12) …