症例報告184例目
完治された病名1)クローン病
患者:19歳、男性
20歳までのクローン病の原因は2つしかありません。1つ目は受験勉強です。2つ目は母親のプレッシャーです。この患者さんの母親は心が免疫を抑え、クローン病を自分が作ることに一役買ってしまったことを理解しておられました。子供の膠原病は全て母親が作っているといっても過言ではありません。子供が生まれたときは、母親は自分の子供を自分のものだと思い込み、子供に献身しますが、子供に物心がつきだすにつれて、子供の人生は子供のものであるという認識に到達すべきです。子供は弱い立場にいますから、いつまでも親の思いに逆らうことができず、自分の思いとは違った母親の思いに無理やりに従うために密かに耐えているというときにステロイドホルモンが必要となるのです。その結果、IgGがIgEにクラススイッチできなくなり、クローン病となってしまうのです。
患者さんは赤ちゃんの頃からよく熱を出す子でした。それも40度を超える高熱でした。肺炎になって入院したこともありました。水疱瘡や突発性発疹、手足口病、中耳炎、予防接種をしていたにもかかわらずおたふく風邪にもかかりました。そして9歳でスギ花粉症を発症されました。母親はその都度医者にかかったり、市販薬を買ったりして、なんの疑問ももたずに薬を飲ませてきました。
しかし、よく熱を出すことはいいことなのです。彼は異物を認識する力が優秀だったのです。だからこそクローン病にもなったのです。
さぁ、何の目的で赤ちゃんのみならず、感染が起こったときに熱を出すのかを詳しく説明してあげましょう。免疫の働きを充分に理解すれば熱が出ることは良いことだと分かるでしょう。しかも熱を下げることは間違っていることも分かってもらえるでしょう。実は一番悪いことは人体にウイルスや細菌が入ることなのですが、この世からウイルスや細菌を絶滅することができるでしょうか?それは無理であるからこそ、体内に入ってきたウイルスや細菌などの病原菌を排除するために熱を出さねばならないことも完全に理解していただけるでしょう。皮肉を言わせてもらえば、ウイルスや細菌は私たちの祖先ですから、この地球上から彼らを根絶することは祖先を根絶させることになりますからやめたほうがいいでしょう。アッハッハ!ただ人体に入ったときは迷惑ですから、熱を出しながら殺す必要があるので、人体に侵入した祖先は殺すのは当然です。確かにワクチンができ、抗生物質が作られ、抗ヘルペス剤も作られましたが、チャンスがある限り人体に入り込もうとしている病原菌を絶滅することはできないので、入った以上は殺す戦いをせざるを得ないのです。いずれにしろ熱で死ぬこともないということも分かってもらえるでしょう。
平安時代末期の武将の平清盛は熱病で死んだといわれていますが、こんなバカな話はありません。熱で死んだのではなく、平家滅亡の危機に際して平家の総帥としてのストレスが誰よりも強く、源氏を相手に戦い続けたのですが、風邪をひき、ストレスがかかっている間はステロイドホルモンを出し続けて頑張りすぎたのです。その間に増殖した風邪のウイルスがどんどん気管支や細気管支に侵入し、いつまでも風邪のウイルスとの戦いが続いて熱を出し続けたにもかかわらず、さらに肺炎球菌による2次感染が起こり、心身ともに剛健であった平清盛もさらに肺炎で高熱を出し続け、最後は息ができなくなってくたばったのでしょう。彼の生きていた平安時代に熱を下げる薬がなかったことは幸いだったのですが、ストレスによる免疫の抑制の為に病原菌に最後は打ち勝つことができなかったのでしょう。この熱が長く続いたので、100%医学に無知な平安時代においては熱病で死んだとされざるを得なかったのでしょう。この熱がどの様にして彼を守ろうとしたのかをこれから説明していきましょう。この説明もやや難しくなりますが、できる限り分かりやすく書いてあげますからついてきてください。
まずウイルスや細菌が人体に入ると何が起こるでしょうか?まずこの病原体を大食細胞(マクロファージ)や樹枝状細胞(デンドリティック・セル)が食べます。するとその敵を認識したマクロファージやデンドリティック・セルが、TNF-αとインターロイキン1β(IL-1β)とインターロイキン6(IL-6)というサイトカインを出します。これらのサイトカインは人体の内から作るものですから、内因性の発熱物質といわれます。これらのサイトカインは周辺の細胞のレセプターと結びつき、この情報を核のDNAに送り、細胞にサイクロオキシゲナーゼ2という酵素を作らせ、細胞膜の脂質の成分であるアラキドン酸からプロスタグランディンE2という生理活性物質を作らせるのです。さらにこのような内因性発熱物質であるTNF-αとIL-1βとIL-6が、血液脳関門を通過し、脳の視床下部の細胞に到達し、同じようにアラキドン酸からプロスタグランディンE2を作るのです。このプロスタグランディンE2が脳の視床下部に働くと、視床下部の発汗中枢や体温調節中枢の働きが開始され、体温のセットポイントを高めに移動させて、体の脂肪組織にある褐色脂肪に働いて脂肪を燃やして熱を出させ、発熱を起こすのです。さらに皮膚の血管収縮をもたらして皮膚の血流を減らして皮膚からの過剰な熱の喪失を減らして、最後は発熱という状態になるのです。
もうひとつ外因性の発熱物質というものがあります。人体にとって有害な細菌であるグラム陰性細菌といわれる全ての細菌の細胞膜に持っているリポポリサッカライド(LPS)という脂質と糖でできた成分があります。これも熱を上げることができるので、外因性の発熱物質といわれます。このLPSは単に熱を引き起こしたりするのみならず、ショックを起こしたり、さらに人間にとって不快な症状を起こすので内毒素といわれます。
このLPSも先ほど述べたように大食細胞や樹枝状細胞に食べられると、内因性の発熱物質を作らせて熱が上がるだけではなく、もうひとつ重要な仕事をします。大食細胞(マクロファージ)や樹枝状細胞(デンドリティック・セル)は、TLR-4(Toll-likeReceptor4)を細胞膜に持っています。このTLR-4にこのLPSが結びつくと、これらの細胞の核に情報を伝えて直接的にサイクロオキシゲナーゼ2という酵素を作らせ、熱を上げさせるプロスタグランディンE2を作り、先ほど述べたように熱を上げるのです。
それでは次に、どうして熱を出させることが免疫にとって都合がよいのでしょうか?まず第1に熱が上がると病原菌が増殖しにくいからです。ご存知のように体を冷やすと風邪に引きやすくなるのは、低温で病原菌が増殖しやすい証拠なのです。従って熱が上がって病原菌と戦っているときにはお風呂に入らないほうがいいのです。なぜならば必ず湯冷めをするからです。体が冷えると病原菌が増えるからです。2つめは、後天免疫、つまり抗体を作る免疫の働きが、熱が上がるとより激しくなり病原菌を殺しやすくなるからです。結局は病原菌を殺すためには抗体が必要となるのです。抗体が作られない限りいつまでも病原菌は体内で増え続けてしまうのです。皆さんご存知のように、ワクチンは病原菌が体内に入ったときにすぐに抗体ができるように準備しているのです。さらに3つめは、先ほど述べた3つの内因性発熱物質のひとつであるTNF-αは自分の細胞を傷つけることが分かっております。ところが熱が上がるとTNF-αの細胞毒性が減るために、自分の細胞が傷つくことが少なくなるということも分かっております。
全ての頭痛薬、解熱剤、生理痛やリウマチの痛み止めの薬は、まさにこのプロスタグランディンE2の働きをなくすためにあるのです。薬局や医院で一番良く売れているロキソニンはどんな仕事をするのでしょうか?まさに今述べた、炎症や発熱を引き起こすプロスタグランディンE2の生合成を抑制します。プロスタグランディンE2の合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによってであります。つまりロキソニンはシクロオキシゲナーゼという酵素を作る遺伝子の発現を抑えてしまうのです。原因を全く考えずに闇雲に遺伝子の働きを変え、一時的に症状を取るだけなのです。しかも遺伝子の働きを変えた後の副作用や遺伝子の修復については何一つ説明がないのです。ちょうど熱という原因で死ぬことがないように、痛みという原因で死ぬことがないのにもかかわらず、製薬メーカーや病院は解熱剤や痛み止めを出しまくっています。後は野となれ山となれ、というわけです。
ちなみに当院では解熱剤や痛み止めは全く置いていません。なぜならば必要がないからです。私の医療は全て原因医療であり、患者が死なない限り全ての病気は患者自身の免疫で治せるのです。病気を治すのは患者さんの免疫だけであり、免疫を上げてあげれば病気の原因である化学物質やウイルスや細菌を殺すか、排除するか、共存するか、封じ込めるかのどれか一つの解答を必ず免疫が出してくれるのです。
さて、潰瘍性大腸炎やクローン病やリウマチの患者さんは、レミケードやヒュミラという生物製剤という薬をご存知でしょう。このレミケードは、まさに免疫の最初の異物を認識し敵をやっつけるTNF-αの働きをなくすために作られたのです。TNF-αの名前の由来を説明しましょう。TNF-αのTはTumorのTであり、NはNecrosisのNであり、FはFactorのFであります。日本語に訳すと“腫瘍を殺す因子”であります。つまりTNF-αは腫瘍も殺す力があるのにもかかわらず、この働きを抑えてしまいますと癌になりやすくなるのです。実際に私の患者さんでレミケードを40回以上も投与されて癌になった人もいます。さらにレミケードは人間にとって人工的に作られた異物ですから、その異物に対して抗体ができてしまい、投与しているうちにショックを起こして死んだ人もいます。
私は常に言っていますが、免疫の働きは、つまり免疫の遺伝子は38億年かかって作り上げた完璧なシステムであります。このシステムを遺伝子のレベルまで解明し尽くすのが学問でありますが、この遺伝子の働きを変えることは許されないということに誰も気がつかないのです。いや、本当は全ての医学者は気づいているのですがね。世界中でただ一人、免疫の正しさを知っている私が叫びまくっても世の中は変わりません。この世には賢い人は少ないので結局は無知な大衆は現代の医学の犠牲者にならざるを得ないのです。残念至極であります。権力や権威や学問の間違いを罰することができない限りは、永遠に一般大衆は騙され続けるでしょう。
そして大学受験に際しては、患者さんは芸術関係の大学への進学を望みましたが両親との考えが対立し、結果的には親の希望に沿った方向に進むことになりました。この時の患者さんの心の葛藤はご両親の想像以上のものだったのでしょう。それは自分の免疫を抑え込んで病気を作ってしまうほどだったのですから。
他人の始まりは家族から出発します。次に近隣の人たちであり、学友であり、学校の先生であります。独り立ちするために自分で飯を食い始めると会社の同僚であり、上司であり、さらに大きくは社会であり、世界が自由意志を阻害する広い世界となります。いずれにおいても自分の自由意志が発揮できないときに、我慢するにしろ戦うにしろ、必ず肉体も精神もエネルギーが必要です。このエネルギーを支えているのがステロイドホルモンであります。常に思い通りにいかないときには、我慢したり色々と他に対して抵抗を続けねばなりません。ましてや自分の意思を貫徹きる支配者になるためには、ますますステロイドホルモンが必要となります。いわゆるストレスに耐えていかねばなりません。男の最大のエゴの成就への道は権力を得ることです。近頃は女性も社会進出が著しくなり、知能の高い人は権力を振るうことができるようになりました。いずれにしろ他人を支配することが男にとっても女にとっても最大の快楽であります。
子供も100%保護される赤ちゃんから、徐々に自由意志を持ち始め、脳の遺伝子の実現、つまり自由意志と判断力を発揮し、快楽を拡大しようとし始めます。このときにまず母親との衝突が生じます。母親は自分の子供に良かれと思って自分の思うようにならせたいと思いますが、子供はそれを快く思わないことがあります。このときに葛藤が起こり、ストレスが強くなり、副腎皮質ホルモンを出しながら抵抗を続けます。この副腎皮質ホルモンがまさに免疫を抑えながら母親の自由意志と戦い続けることを可能にさせるのです。
元来異物を認識できる優れた免疫の遺伝子を持っている子供は、文明の作り出した無限大の化学物質に対して、優れた免疫を持っているのでIgEを作りやすく、このIgEを武器として化学物質と戦うとアレルギーになるのですが、ストレスホルモン、つまり副腎皮質ホルモンを出し続けると抗体の製造工場であるBリンパ球のAID遺伝子が働かなくなり、いわば逆クラススイッチをせざるを得なくなり、IgGを作り出してしまうのです。化学物質をIgGで処理しようとすると膠原病となり、腸管に毎日毎日大量に入ってくる化学物質とIgGで戦うと、クローン病や潰瘍性大腸炎という病名を作られてしまうのです。
ここで皆さんは同じ化学物質を飲み食いしているのに、このような病気になる人とならない人がいるのはなぜかとお思いでしょう。その理由を説明しましょう。一言で言えば、遺伝子の違いということになります。遺伝子とは何かを分かりやすく順々に説明し、最後に異物を認識する反応の違いを説明して見せましょう。
皆さんがご存知のように、人体は60兆個の細胞からできています。その60兆個の細胞の全てに、いわゆる遺伝情報をコードしている遺伝子を運んでいる核があります。その全ての核の中には、お父さんとお母さんからもらった染色体があります。この染色体に連綿と半保存的に半永久的に親が子に受け継がせる遺伝情報を満載している遺伝子が載っているのです。
それでは染色体とは何でしょうか?皆さん、細胞は毎日毎日分裂していることはご存知でしょう。子供は大きくなるために細胞分裂を繰り返して成長し大人になることもご存知でしょう。この細胞分裂が行われる直前に 1 個の細胞を取り出して、その細胞の核をギムザという染色物質で染めますと、2 本の棒状になった物体が見えます。これを「ギムザで染色された物体」ということで、染色体と名づけました。このような 2 本の染色体が 23 種類あります。この 23 種類全ての染色体が 60 兆個の細胞の全てに分配されているのです。従って人体には2×23×60 兆=2760 兆本存在するのです!
さて、それではなぜ1種類だけの染色体ではなく、23種類も必要なのでしょうか?それは1本の染色体に人間の構造と機能を定める遺伝子情報の全てを載せることが不可能だからです。それではなぜ23種類ではなくて、もっと数多くの染色体があれば、人間はスーパーマンになっていたかもしれませんが、38億年の生命の進化の中で決められた染色体数ですから、なんとも答えられません。1000本もあれば『スーパーコンピューター京』に人間はなれたかもしれませんね?アッハッハ!それではこのような23種類の違った染色体は誰からもらうのでしょう?父親と母親からであります。父親の精子から1本、母親の卵子から1本もらうのですが、なぜ2本ずつもらうことができないのでしょうか?
先ほど述べたように、全ての細胞の核には23種類の染色体があります。父親の1個の細胞である精子にも独自の23種類の染色体が2本ずつあり、母親の1個の細胞である卵子にも独自の23種類の染色体が2本ずつあります。この2本ずつ染色体を持った精子と卵子が結びついてしまうと、1個の受精卵は4本も染色体を持つことになります。さらにその子供が大きくなり子供を持つようになると、孫は8本の染色体を持つことになり、子孫の染色体が無限に増えることになってしまい、親と子供が全く違った種になったりすると困ります。染色体23種類を23対、計46本だけ持たせて親と子と似た人間を作るために、精子と卵子は受精する前に、持っている23種類の染色体のそれぞれの2本ずつの染色体を、必ず1本ずつに減らすのです。これを減数分裂といいますが、そのメカニズムについてはまた機会があれば説明しましょう。
減数分裂した精子と卵子の細胞が融合し、同時に核も融合し、2本の染色体が23種類もつことになります。このうち23種類のうちの1本が父親由来のものであり、残りの1本が母親由来のものであると考えてください。(実は全く同じものではないのですが、説明をすれば難しくなるので省きます。またチャンスがあれば説明しましょう。ただ一言付け加えておきます。父親と母親の染色体が結びつくときに交叉と組み換えがあり、さらに遺伝子の多様性が高まるのです。)さらにここで説明しておかなければならないことがあります。23種類の染色体には番号が付いています。実は23種類のうち22種類は常染色体と名づけられています。最後の23番目の染色体は性染色体といわれるものです。女性はXXという2本の性染色体を持ち、男性はXYという2本の性染色体を持ちます。つまり男性と女性では性が違うので、最後の23番目の性染色体だけがこのように違うのです。
1番目から22番目までの精子と卵子に入っている常染色体について、男の精子の1番目の染色体と女の卵子の1番目の染色体は同じ種類の遺伝情報を載せており、男の精子の2番目の染色体と女の卵子の2番目の染色体も同じ種類の遺伝情報を載せています。以下22番目まで同じなのです。受精が行われると1番目同士、2番目同士・・・22番目同士とが結びつきます。最後に卵子と精子が23番目の染色体は減数分裂をして1本になるときに、Xだけを持つ精子とYだけを持つ精子となり、卵子は1本の性染色体になるとどちらもXだけの性染色体を持つことになります。
さぁ、ここで、男の2本ずつの23種類の染色体を持った精子と、女の2本ずつの23種類の染色体を持った卵子が受精して受精卵になるためには、まず減数分裂をする必要があります。減数分裂した後に精子と卵子が結びついて受精卵を作るときに、何種類の染色体の組み合わせができるかがやっと理解され始めたと思います。つまり1番目~23番目までの染色体からそれぞれ1本ずつを選んで、新たなる染色体を作ることで受精卵になって子供を作ります。さてそれでは何種類の受精卵ができるでしょうか?もうお分かりでしょう。つまり男の23種類からそれぞれ1本ずつ選び、女の23種類からそれぞれ1本を選んで、1個の受精卵の染色体が出来上がります。その組み合わせの数は2を23回かければよいわけです。つまり2の23乗個の種類の染色体ができます。つまりそれだけ異なった遺伝子を持った子供ができるわけです。2の23乗=8388608となり、800万以上となります。従って子供をいくら生んでも、絶対に同じ子供ができないわけなのです。
この違いは化学物質を認識する違いをももたらします。兄弟でアレルギーになりやすい人や膠原病になりやすい人がいるのに自分はなりにくい、という話はいくらでもあります。異物を認識して最後にIgGやIgEを作る遺伝子は単一の遺伝子ではありません。複数の様々な遺伝子が絡み合って最後にIgGやIgEを作ることができるのです。現在でもどのような遺伝子がどのように、いつ働きあってアレルギー反応を起こすのかとか、膠原病を起こすのかは誰も知りません。おそらく永遠に知ることは不可能でしょう。なぜならば生命は数学ではないからです。生きることはあらゆる環境に対応し、あらゆる遺伝子の対応の仕方によって、それこそ変幻自在であり、妖怪変化の予言不可能な世界であります。生きるという事は、時間というパラメーターの中で空間という条件に加えて、さらに成長、感情のみならず、体内環境という条件を一つにすることは不可能であります。最高の条件を遺伝子に求めることは不可能なのです。だからこそ人間が勝手に遺伝子を操作してはならないのです。そんな馬鹿なことができるのがステロイドでありiPSであるのです。遺伝子を操作するという神をも恐れぬ大それた傲慢さはやめましょうと私は言い張るのです。
さて本論に戻り、遺伝子が何であるかを説明しましょう。先ほどからこの染色体に遺伝情報が親から子に伝えられるといっていますが、それでは染色体は何から作られているでしょうか?ご存知のようにDNAという化学物質からできています。この化学物質がDeoxyribo Nucleic Acidと呼ばれ、頭文字をとってDNAと呼ばれるのです。このDNAは何から成り立っているでしょうか?アデニン(adenine)(A)、チミン(Thymine)(T)、グアニン(Guanine)(G)、シトシン(Cytosine)(C)という塩基性の化学物質(これを塩基といいます)とリン酸と糖の3種類の分子からできています。2003年にヒューマンゲノム計画により、人間の1個の細胞の染色体は30億対の塩基から成り立っていることが明らかにされたことはご存知でしょう。さらに遺伝子としては2万数千種類あるということも分かりました。
それでは遺伝子は遺伝情報を親から子へ伝えると言いましたが、遺伝子とは何かを定義しましょう。遺伝子は一言で言えば、タンパク質を作らせる情報であります。この遺伝子には2種類あります。構造遺伝子と調節遺伝子の2種類であります。構造遺伝子は人体を構成するタンパク質や酵素の設計図であり、調節遺伝子は構造遺伝子の発現を制御するタンパク質因子の設計図であります。タンパクは10万種類以上が人体には存在しているといわれていますが、それではタンパクは何からできているのでしょうか?アミノ酸であります。人体を構成しているタンパクは20種類のアミノ酸から作られています。実はこのアミノ酸を作らせる情報が構造遺伝子であります。
先ほど4つの塩基であるA、T、G、Cについて述べました。この4つうちの3つの塩基で1つのアミノ酸が決まります。この3つの塩基をトリプdレットといい、これはアミノ酸をコードしているのでコドンともいいます。このコドンによって指定されたアミノ酸が作られ、アミノ酸同士が結びつくことをペプチド結合といい、アミノ酸が10以下で構成されているものをオリゴペプチドといい、アミノ酸が10以上100以下で構成されたものをポリペプチドといいます。タンパク質というのは、アミノ酸が100個以上で構成されているものをいいます。
それでは遺伝子産物であるタンパクにはどのようなものがあるでしょうか?タンパクは生命活動の根源であり、10種類のタンパクに分けられます。
1つ目は、細胞・組織・器官の形を保持する構造タンパクです。
2つ目は、体の中の様々な分子や物質を輸送するためにタンパクと結びつく必要があります。このようなタンパクを結合タンパクといいます。
3つ目は、人体は生きた化学工場でありますから、人体に摂取された物質を代謝してエネルギーを作ったり、様々な化合物を作ったりしなければなりません。そのためには触媒となる酵素が必要です。この酵素もタンパクなのです。
4つ目は、体の機能を調節する様々なホルモンもタンパクでできているものがあります。
5つ目は、人体に侵入した物質を細胞の外から細胞の中へと、その情報を伝えるためには、細胞膜の受容体に結びつく必要があります。この受容体もタンパクからできています。
6つ目は、そのような情報を細胞質や核に伝えるためのシグナル伝達を行う必要があります。このようなシグナル伝達物質もタンパクであります。
7つ目は、逆に細胞内から細胞外へ分子を移動させるためには、細胞膜に輸送タンパクが必要です。これをトランスポータータンパクといいます。
8つ目は、もう皆さんご存知のように、IgEやIgGは免疫抗体といわれますが、まさにこの抗体もタンパクから成り立っています。
9つ目は、先ほど受精卵の話をしました。この受精卵が10ヶ月かかって赤ちゃんになるのですが、たった1個の受精卵の細胞から人間に変えなければなりません。そのためにはひとつの細胞を分化させて274種類の細胞にして出産時には3兆個の細胞を作る必要があります。そのためにも、細胞分化を誘導したり、かつ組織や器官を作らなければなりません。このような仕事をするのもタンパクなのです。
最後の10番目は、私が常にステロイドは遺伝子の転写を変えてしまうので、使ってはならないと言っていますが、遺伝子を発現するためには転写因子の働きが必要です。この転写因子もタンパクでできているのです。
最後に書き添えておきたいのですが、人体に10万種類のタンパクがあるといわれていますが、人間が持っている25000種類の遺伝子が全てタンパクを発現したとしても足りなくなります。どのようにして10万種類ものタンパクを作ることができるのでしょうか?この謎は未だに完全に解かれていません。それがエピジェネティックスといわれる新しい遺伝学であります。エピジェネティックスとは後成遺伝学といわれます。
2010年4月中旬、排便時に出血がでましたが、普段から便秘で便が硬かったからだろうと市販の痔の軟膏を使用し様子をみました。ところが4月25日に下痢を起こし、翌日から肛門が痛み、立っていても横になってもずっと痛いと患者さんが訴え、4月27日にかかりつけの内科医に受診されました。診断結果は肛門周囲膿瘍と言われ、応急処置として膿を出されましたが根治には手術が必要になるので肛門科を受診するように言われました。
4月30日に肛門科を受診。腫れは引いているので今回は問題ないが、 免疫力が落ちると再発するといわれました。本当は免疫力が落ちるから再発するのではなくて、免疫力が上がるから免疫と異物との戦いが始まり再発するのであります。受験を控えていることもあり、担当医と話し合い、塾の夏期講習が始まる一週間前に入院、手術をされました。7月に痔ろう根治手術を受けて無事に終わり、経過もよく5日で退院できました。その後も何度か通院され、8月の終わりには完治されました。
しかし10月に入ると治ったはずの肛門周辺からときどき膿のようなものが出るようになりました。痛みはないものの痔ろうが再発したのかもしれないと思い、10月12日に手術を受けた病院を訪ねました。すると痔ろうの手術の後に膿が出るのはクローン病である可能性が高いので、大腸内視鏡検査をしましょうと言われました。
初めて聞く病名に早速インターネットで調べてみると、厚生労働省指定の特定疾患、難病、原因不明、一生治らないなど、母親は目の前が真っ暗になりました。どこかに救いはないのかと思い、クローン病の患者向けに書かれた本も取り寄せ読み漁るも、死ぬことはないと書きつつ、ステロイドをはじめとする薬漬けの日々、厳しい食事制限や様々な合併症、さらに症状が進むと腸管切除はては人工肛門と読めば読むほど絶望されました。
幸いなことに当時はクローン病の主症状である下痢や腹痛はまだありませんでした。内視鏡検査の結果にもクローン病の所見はみられませんでした。しかし大腸がところどころ赤くなっていたので、この炎症がいずれ潰瘍となりクローン病になると医師に断言されてしまいました。暴飲暴食をしないで消化の良いものを食べるようにと指示され、クローン病は原因不明といわれているのにそんな事で防げるのだろうかと疑問に思いながらもクローン病食の料理本を参考になるべく消化の良いものを心がけました。
一方で他に発症を食い止める治療法はないのかインターネットで調べ、断食療法や酵素療法、爪もみや腸もみ、安保徹氏やバーナード・ジェンセン氏の本などいろいろ調べてきました。しかしどの方法もクローン病を止める確信が持てなかったそうです。
大腸内視鏡検査を受けてから4か月間、体調に変化はありませんでした。しかし大学受験があることから花粉症を抑えるため、薬をきちんと飲んで症状を抑えていたそうです。すると受験がひと段落した2月の終わりから口内炎ができ始めました。以前から口内炎はよく1個か2個程度できるようで塗り薬や貼り薬を使っていました。しかし今回は10個ほどの口内炎が舌やのどなど口の中のいたるところにでき、1か所良くなってもまた別のところにできて一向に治りませんでした。また耳も痛いと訴え、耳鼻科で診てもらうも耳の掻き過ぎといわれ、口内炎の塗り薬と傷の薬が処方されました。しかし効果はありませんでした。
受験戦争を乗り越えるストレスに耐えるために、自分の副腎皮質でステロイドホルモンを大量に出している間は免疫が抑制されていたのです。免疫が弱まっている間にヘルペスウイルスが増殖していたのです。まさに受験が終わり、受験のストレスから解放され、遊びだした途端に免疫が回復され、ヘルペスウイルスとの戦いが始まったのです。耳まで痛いのは、ラムゼーハント症候群の不全型といわれる症状が出ていたのです。全てヘルペスとの戦いがその周辺の神経で行われていたのです。
クローン病の合併症に口内炎があるため、母親はクローン病が発症してしまったのかと不安になり内科で相談されましたが、内科医は他の症状がないなら大丈夫だろうとのことでした。それでも母親の不安は消えませんでした。
クローン病も口内炎も免疫が上がったために生じるのです。クローン病の敵は化学物質であり、口内炎の敵はヘルペスウイルスであり、同時に免疫が戦いを行うと合併症となるのです。合併症という言い方自身も実はおかしいのです。まるで原因が分からない言い方を医者はしますが、実は免疫が回復し、2つの敵と戦っているだけなのです。つまり免疫が上がった結果であるのに、まるで原因不明の病気が2つ起こっているような書き方は間違っています。
受験から解放されると患者さんは友達と遊びまくっていました。そして3月下旬頃から時々下痢をするようになり、すこし熱も出るようになりました。クローン病の診断基準のひとつに慢性的な下痢が6週間続いた場合とあったのを読んで知っていた母親はもう少し様子を見ることにされました。またこの頃、岡本裕氏の本を読んで現代薬に疑問を持ったので、口内炎にプロポリスをつけるだけにして、下痢には特に何もしませんでした。
さらに免疫が高まり、クローン病も本格的に発症したのです。免疫の回復が病気を生み出したのです。私から言わせると、良いことなのです。
2011年4月に入り大学生活が始まりました。しかし口内炎は相変わらず治らず、日に1,2回下痢も続いていました。そのうち時々出血するようになり、患者さんもいろいろ調べ、母親と同じように不安になってしまいました。4月14日、学校の昼休み中に患者さんから「排便のたびに出血する」と連絡があり患者さんと母親は話し合った結果、16日に病院に行くことにしました。しかし母親は他に方法がないか様々な語句でネット検索されました。そして「クローン病、口内炎」で検索したところ、松本漢方クリニックでクローン病の治療を受けていた方の闘病手記を見つけました。それをきっかけに私が書いたクローン病の理論やヘルペスの理論を半日も読み続けました。なぜ息子さんはクローン病になったのか、どうすれば治るのか。そもそも病気とは何か。母親はこの時、症状とは免疫が回復して免疫力が上がって起こる状態であり体内にいる異物を排除しようとしているだけであることを理解されたのです。
受験のストレスから解放され今まで患者さん自身が出していたステロイドホルモンによって抑えられていた患者さんの免疫はまずヘルペスウイルスを見つけ出し戦いを始めました。その戦いによって口内炎が起こり、ストレスや花粉症の薬等により逆クラススイッチが起こりIgE抗体で戦えなくなってしまっていた免疫がIgG抗体で体内に入ってきた化学物質を殺そうと腸管で戦い起こった症状がクローン病だったのです。つまり口内炎はクローン病の合併症ではないのです。共通するのは免疫が上がったということで、戦っている場所や戦っている相手が別物なのです。この戦いを終わらせるためには漢方薬や鍼灸で免疫を上げIgG抗体の世界からIgE抗体の世界にクラススイッチさせ、アレルギーが起こり、最後は免疫に戦いをあきらめさせ化学物質と共存させる。症状がでているのは治る道の第一歩です。
この母親は医学に対してはド素人の主婦でしたがクローン病とヘルペスウイルスとは別の病気であるという事を明確に区別され、しかも受験のストレスから開放され、ステロイドホルモンが不必要になったときにやっと免疫が回復し、免疫が上がったためにクローン病やヘルペスとの戦いが始まったことを理解されていたのです。すごいですね!アハハ!!
とりわけクローン病で用いられるステロイドやペンタサは、全て免疫の中枢であるリンパ球を殺していきます。まさに見えない殺人医学であります。しかもそのステロイドやペンタサは、全て人間にとっては異物なのです。
ステロイドは元来、全ての人が自分自身の副腎皮質で作っているのでありますが、全く同じものを製薬工場で作るわけにはいきません。従って人工的なステロイドは、見かけや働きは同じステロイドといえども、人間にとっては異物となるのです。しかしながら人工ステロイドは投与された人間の免疫の遺伝子も抑えてしまうので、すぐに異物と認識することができないだけなのです。従って人工ステロイドはまるで異物でないように免疫に思われてしまうのです。
一方ペンタサはまさに人間にとって異物であり、しかも免疫を抑える度合いはステロイドと比べてはるかに弱いものですから、人体の免疫はペンタサを異物と考え、ペンタサを排除するためにIgEやIgGを作り、新たにペンタサに対してアレルギーや膠原病を副作用として生み出してしまうのです。もちろんリンパ球もペンタサを使えば使うほどリンパ球の幹細胞も死んでいき減っていくのです。
早速ご主人と相談し、松本漢方クリニックに連れて行くことにされました。息子さんにもその話をするも最初は抵抗していましたがご両院が説得して当院へ連れていくことになりました。
2011年4月17日早朝5時30分、神奈川の自宅を出て大阪の松本漢方クリニックに向かい、その道中の新幹線の中で当院で治療した患者の闘病手記を息子さんに読ませました。松本漢方クリニックでは、まず目の検査、尿の検査、血液検査、そして鍼と灸をしていただき、私と診察を受けてもらいました。
目の検査は、膠原病の人は必ずアレルギーがありますから、結膜の状態を見ます。必ず多かれ少なかれステロイドの点眼薬やステロイド入りの坐薬を使ったり服用させられたり、さらに塗られたりされてきているので、ステロイド性白内障の有無を見るためにも行います。
尿の検査は、尿に鮮血やタンパクや糖が出ていないかがすぐに分かるので行います。膠原病で一番治りにくいのは腎炎ですから、その有無を見つけ出すキッカケになります。
血液検査は、まさに目に見えない膠原病の種類、膠原病の炎症の度合い、ステロイドの影響があるかないか、さらにステロイドの影響の度合い、栄養状態などについての情報が一挙に手に入ります。自覚症状と同じぐらいに最も大切な情報であります。
鍼灸はまさに免疫を上げるために行います。お灸は自分で免疫を上げるツボを押し、自分でやってもらえるように指導します。お灸をやった箇所から痒みが出てきます。クラススイッチが最初に生じる場所となります。膠原病は必ずアレルギーにして初めて、その後に免疫寛容が起こるのです。
「治ります。この世に治らない病気はない。絶対治してあげます。」と力強く励まし、握手をして終わりました。
薬は下痢止めと出血をとめる漢方生薬2種類、花粉症用の粉末漢方、抗ヘルペス剤のベルクスロン、抗生剤のフロモックス、肛門につける赤い軟膏、お灸用のカマヤミニを処方しました。自宅に帰って早速漢方を煮出して飲み始めました。翌朝、約1か月ぶりに固形便が出て、次の日からはまた下痢だったのですが、2か月近く続いた口内炎はベルクスロンを飲んで10日ですっかり良くなりました。鍼灸や漢方の効果に驚き、漢方を毎日欠かさず飲み、お灸も積極的にやりました。
子供のクローン病、潰瘍性大腸炎が激増しています。なんと3ヶ月でクローン病になった赤ちゃんを知っています。しかも治しました。化学物質が妊娠中に優れた免疫を持った胎児に大量に放り込まれ、生後まもなくさらに母乳から10万種類といわれる化学物質の何種類かが大量に赤ちゃんに入ったためなのです。赤ちゃんも知らず知らずのうちに、胎児のうちに母親のストレスで作られた副腎皮質ホルモンが胎児の免疫に影響を与え、出産後もアレルギーに出るべき化学物質が膠原病に変えてしまったのでしょう。
2011年5月~7月小リバウンド
しかし新しい環境での慣れない大学生活や長時間の通学に少なからずストレスを受けていたのか、なかなか免疫は上がりきらず、大きな変化はありませんでした。出血はいつのまにか止まっていたそうですが、便はだいたいは下痢で、軟便のときもあるという状態でした。週末になると口内炎が1,2個でき、熱が出るという小さなリバウンドが4,5回起こりました。私はこうした様子をみていて、本格的なリバウンドは夏休みにおきるのではないかなと予感しました。
そして2011年8月にリバウンドが起こりました。7月中旬頃からときどき腹痛を訴えるようになり、夏休みに入ると39.7度の熱に腹痛も強くなってきました。熱はフロモックスを飲んで2日程で下がりましたが、腹痛は続きました。出血を止める漢方を、炎症をとる漢方に変えてフロモックスを引き続き飲むよう指示しました。8月上旬がリバウンドのピークでした。一日中お腹が痛く、少し食べただけでも激痛でお腹をおさえてうずくまっていました。食べられない患者さんに少しでも栄養をと母親は甘酒や豆乳を飲ませていました。
死なない限り病気は全てよいことなのです。ところが人間を殺すような病気の原因はこの文明には何もないのです。よしんばこの患者さんの炎症がひどくなり、潰瘍がますます深くなって腸管に穴が開いたところで、手術をすれば命は取り留めることができます。この手術はクローン病の治療ではないのですが、腹膜炎による敗血症を防ぐために命を取り留めるためにやらねばならないのです。クローン病がクラススイッチしてアレルギーになり、免疫寛容を起こすことと、この手術とは別物なのです。仮に手術をやったとしても、その後クラススイッチも免疫寛容も生じるのです。なぜならば手術したからといって、免疫の働きがなくなるわけではないからです。
生きている限り免疫の遺伝子は働き続けます。死なない限りは免疫は永遠に働き続けますから、全ての病気は死なない限りは自分の免疫で治す事ができるのです。この世に治らない病気は何一つありません。死なない限りは。私は今まで35年間で延べ何十万人の患者を診てきました。しかし誰も殺したことはありません。人は病気で死ぬのではありません。間違った医療で死ぬのです。間違った医療とは免疫の遺伝子を変えてしまう人為的遺伝子病のためだと言っても言い過ぎではありません。
症状は良いことなのだ。免疫は優秀なのだ。と言い聞かせて耐え続けました。そして8月中旬頃から腹痛は徐々によくなってきました。下痢はしばらく続いていましたが、8月25日に固形便が出てからは腹痛もなくなり、便の状態も安定しました。同時に背中のあちこちを痒がりましたが、時節柄虫刺されなのかアトピーなのかよくわかりませんでした。8月30日からサークルの合宿に参加した際にはカレーを食べたそうですが、大丈夫だったそうです。
このリバウンドが過ぎてからの9月は2回ほどお腹がゆるくなりましたが、以前のような下痢はしなくなりました。そして9月下旬から鼻水が出るようになりました。クラススイッチしてアレルギー性鼻炎がでたのです。鼻炎の薬を処方し飲み続けると一週間もしないうちに鼻水は止まりました。クローン病をアトピーにクラススイッチしても良いし、アレルギー性鼻炎にクラススイッチしても良いし、とにかく体の中では免疫の遺伝子はIgGをIgEに変えてくれているのです。
下痢止めの漢方は10月末で終了し、その後も下痢をすることはなく、むしろ便秘気味になりました。クローン病や潰瘍性大腸炎が治っていくと、徐々に便秘になっていきます。便秘になることはクローン病が治っていく証です。もちろん痛みもなくなり、痔ろうもなくなり、発熱もなくなっていくのは、クローン病や潰瘍性大腸炎が治っていく証拠です。
今回の患者さんは一般の病院でクローン病と診断される前に、松本漢方クリニックで治療を受けることができました。よってクローン病で用いられる薬は使っていません。それでもこれだけのリバウンドがありました。いかにストレスが大きかったのか、むやみに薬に頼ることが怖い事なのか、おわかりいただけたでしょう。
その後、患者さんの血液検査結果が正常値に戻ったことで当院での治療を卒業されました。