潰瘍性大腸炎・クローン病 症例報告

潰瘍性大腸炎やクローン病完治の症例報告Part67(コメントなし)更新2022.11.16

投稿日:2022年11月12日 更新日:

症例報告160例目

完治された病名1)クローン病

患者:29

患者さんがクローン病だと診断されたのは20歳のときでした。お腹が頻繁に痛くなり、病院へ行き大腸の検査をしたところクローン病だと言われました。それからは、食事制限をしてペンタサとミヤBM(整腸剤)を6年くらい飲み続けていました。その頃の仕事のストレスからか、症状が悪くなり、下血と下痢と痛みが激しくなり、疲れやすくなったように感じていました。いつもかかっていた病院でその旨をいうと、大腸の検査と小腸の検査をすることになりました。結果は悪く、狭窄している部分もあると言われました。それからは当分食事の代わりにエレンタールを飲むように言われました。しかし、このままずっとまともに食べられなくなるのはいけないと思い、インターネットで他の方法を検索し、そして松本漢方クリニックのホームページを見つけたのです。患者さんたちの手記や私の論文を読んで当院でなんとか病気を治したいと思い、電話をされてから来院されたのです。

2012年2月頃に来院されました。下痢と下血の漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を処方し、食事はなんでも食べていいと伝えました。何でも食べても良い、絶対に治ると言われて患者さんはとてもうれしかったと後に言っていました。

それから当院の治療を続けて2年半くらい経った頃、治療を始める前に比べて状態が良くなってきました。患者さんは6年くらいペンタサとミヤBM(整腸剤)を服用していたのですぐには下痢がなかなか止まらず、ゆっくり軟便になっていきました。またリンパ球の値もなかなか上がらず、少しずつ上がって、下がって、また上がってとゆっくりゆっくり治ろうとしているように見られました。焦ってかえって症状を悪化させないようにゆっくり休みながら治療を進めるようにしました。

それからゆっくり治療を続けて2016年9月の血液検査結果の値が良くなりました。それからもゆっくり少しずつ良くなっていきました。以前は、夕方くらいになるとガスがたまってお腹が苦しくなったり、逆に出てくれるようになったと思ったらガスが出すぎて外出中など人と一緒にいるときは特に困ったりされましたが、全くガスが出ないわけではないですが、良くなってきたのか治まってきたように感じられました。

また、以前は呂律が回らないということもありました。これは、脳神経の第Ⅹ脳神経迷走神経にヘルペスが感染され傷害を受けると呂律が回らなくなるのです。初めて呂律が回らないという症状が起こったので患者さんはとても驚き、不安になりました。呂律の原因を説明をし、抗ヘルペス剤を処方したので患者さんはとても安心されました。また患者の手記からどんな症状が出たのか、自身と同じ症状の患者の方の手記を読んで「リバウンドなんだな」と安心されたりしました。人それぞれ出方は違いますが、同じ病気の患者の方の手記は参考になり励みになっていました。

止まっていた生理も、きちんと数ヵ月前から来るようになり順調に来るようになりました。生理も長い間来なかったため、本当に来るようになるのだろうかと不安に思っていた部分があったそうですが、きちんと生理が来るようになってから病気はきちんと治るんだと実感され、クローン病も絶対治ると確信されました。

2017年4月頃、たまに下痢や軟便が起こりましたが、便も固形のものが多くなってきました。痛みも以前は頻繁にあり、つらかったものが、たまにあるくらいで痛みもそこまで酷いものではなくなりました。下血はほとんどありませんが、月に1、2回くらい少し出てくるくらいになりました。

クラススイッチによりアトピーも出てきて、鼻水も良く出ました。アトピーも特に楽しかったとか嬉しかったとか心から感じる時にアトピーが出るような感じでした。ストレスがかかっていないので免疫が上がって異物を排除しようと戦いが起こってアトピーや鼻水が出てくるのです。

病気になって嫌なことばかりでしたが、病気になったことで色々と気づかされることも多くとても勉強になったそうです。気づいたことで病気を治すきっかけにもなり、これからの人生にとてもプラスになったのです。今では無事に完治されて日常生活を普通に送れるようになり、当院の治療を終了しました。

症例報告161例目

完治された病名1)クローン病

患者:15歳、男性

2015年6月中旬、中学3年生の時に軽度の腹痛と下痢のため、かかりつけの小児科を受診。その小児科ではウイルス性腸炎と診断され、整腸剤を処方されました。出された薬を全て飲み終わった後は少し良くなった様に感じられるも、暫くすると食事中の下腹部痛と食欲減退、3ヶ月で体重が2㎏減少することが起こり、別の小児科クリニックを受診しました。

そこのクリニックでは、「IBS(過敏性腸症候群)」と診断され、整腸剤と漢方を処方されました。服用後2~3日は何となく良くなったように感じられましたが、その後も症状は変わらず持続した為、胃腸科クリニックを受診し、今までの経緯と食事直前・食事中・食後の下腹部痛、夜間に寝ている時に腹痛で目が覚めるといった当時の症状を伝えました。

医師は、「夏バテの延長と消化不良」と診断され、整腸剤と胃薬を処方されました。「消化の良いものを取るように」と言われ、その通り続けていましたが、症状は変わらず、こんな状態が2ヶ月半続きました。

2学期が始まると、突然、学校で嘔吐し、体重が減少した事で体力も低下しました。2度目に受診した小児科クリニックで今度は外科医に診察されたところ、「IBSではなく、IBD(炎症性腸疾患)かも・・・。早めに市立病院に行ってください」と言われ、2日後に市立病院を受診しました。そして、その2日後の9月16日に検査目的で入院しました。検査の結果、「IBD」と診断されました。

普段聞きなれない病名に不安を感じた母親は即調べてみると、潰瘍性大腸炎・クローン病をまとめてIBDと呼ぶ事、難病である事、症状・治療・予後等について書かれており、それらが決して将来が明るいものではない事がわかりました。母親は、パソコン画面に記載されている有名病院名を見てはどこかに名医は居ないかと、必死にマウスを動かしていました。そして『漢方科 松本漢方クリニック』が目にとまり、松本漢方クリニックのHPに辿り着くきっかけになったのです。

夜中の2時、クローン病完治の理論、大量の論文を気が付くと読みふけっていたそうです。西洋医学では難病と言われ、一生付き合い、治らない病気と言われているのに『自分の免疫の力で治す』『クローン病は完治する』と言っている医師がいる。母親は一瞬頭の中がパニック状態になったそうです。

私の理論は専門用語や難しい言葉がいっぱい出てきますが、読み進めていくうちに『完治する』と確信されました。しかし、入院中の息子さんの付き添いや、医師からの病状説明に追われる毎日で、あっと言う間に時間が過ぎ、松本漢方クリニックの存在がなくなりつつありました。それでも、どうしても気になりご主人に松本漢方クリニックのことを言ったそうです。その時のご主人の反応は驚く訳でもなく、いつもと変わらない様子で聞いていたそうですが、実は気になって後から調べてくれていたようです。

話しを戻しまして、一般検査に加え、腹部CT(単純・造影)・胃カメラ・大腸カメラ・小腸造影・注腸造影と、炎症性腸疾患を疑っての、ありとあらゆる検査を受けさせられました。しかし、大人でも短期間にこれほどの検査を受けるのは容易な事ではありません。今まで一度も入院や検査をした経験のない14歳の子供が死ぬ思いで検査を受け続けて、どれだけ辛く痛かったことでしょうか。母親は二度と検査を受けさせたくないと強く思いました。

検査が全て終わり、担当医から説明がありました。1)腹部CTにて、回盲部に狭窄と炎症が認められたこと。2)大腸カメラにて、粘膜浮腫と潰瘍が認められたこと。3)小腸造影にて、回腸と上行結腸間に瘻孔を認めたが、注腸造影では明らかではないこと。4)痔瘻が2箇所に認められたこと。以上の結果から、クローン病と診断されました。

入院開始から、エレンタール:2100 kcal/日、脂肪乳剤補助による点滴:2回/週という栄養療法を受けました。そして、検査終了後からはペンタサを 1 日8錠服用し始めました。市立病院には小児のクローン専門医が居ない事、更にワンステップ上の治療が必要になる事を説明され、2015年10月22日に都内の国立成育医療研究センター病院を紹介されました。

医療研究センターの消化器外科担当医は、検査記録・データ・画像などを見るなり、「瘻孔の有無が明確ではないので、小腸造影が必要になります。痔瘻もあったようなので、内瘻が無いかの確認のためCT検査をします。」と言いました。それを聞いて私達が返事をする前に、すぐさま息子さんは、「小腸造影は絶対にやりたくない!!」と抵抗していました。本人が以前、「死ぬ思い」と言っていたため、両親も二度と受けさせたくありませんでした。また受けたとしても前回のように病態が明確にならなければ検査をする意味もなく、これ以上息子さんに辛い思いをさせるのには反対でしたので、検査を受けるのも、次の治療(生物学的製剤)を受けるのも止めようと決めました。

しかし、担当医は頑なに検査と治療(生物学的製剤)を受けさせようとしました。押し問答の末、一旦今後の方針は週明けまで保留となりましたが、ご家族は今回のやり取りを経て松本漢方クリニックへ行くことを決心されました。

息子さんに松本漢方クリニックの事を説明し、納得した上で、国立成育医療研究センター病院の検査も治療も断りました。受診することを決めてすぐに松本漢方クリニックに電話されたそうです。まず鍼灸の予約を入れてもらい、診療の流れや週末の混雑状況、受診の際に必要なもの、ホームページを良く読んで来てもらうように説明をしました。それからは毎日、松本漢方クリニックのHPを開き、私の理論と当時掲載されていた患者さんの手記を必死に読み始められました。

松本漢方クリニック初診、家族5人連れで車約6時間かけて受診されました。挨拶を済ませて早速、患者である息子さんに今何が一番辛いことか聞きました。食事がたべられないというので、何でも食べても良いと伝えると、息子さんは大泣きし、ご両親も感涙しました。入院から1ヶ月半エレンタールだけで過ごしていたため、息子さんにとってどれだけ嬉しい言葉だったことでしょう。

病気は必ず治る!病気は医者が治すのではない、患者自身の免疫が治すのであって私はそのヘルプをするだけです!常套句を言って食前食後の漢方煎じ薬を処方し、毎日お灸もするように指導し、何かあったらいつでも連絡するように伝え診察を終了しました。

翌日、早速漢方を煎じてみて独特な匂いと強烈な味に苦戦されました。慣れてきた頃には一気に飲み込むようになったそうです。味消しにミンティアが一番良いらしく、愛用していました。お灸も生まれて始めての経験だったからか、熱さに耐えられず、僅か10秒程度しか出来ませんでした。また、一箇所3回すべきところを2回しか出来ませんでした。

入院中のCT検査で認められた狭窄のせいか、1ヶ月半ぶりに食べた固形物のせいか、普通の食事に戻して2日目から腹痛が出てきました。嘔吐もあり、急いで私の元へ電話して相談されました。追加でアシクロビル錠と漢方煎じ薬を1種類処方し飲んでもらいました。それからは腹痛と下痢との戦いの毎日でした。

食事は食べたり食べなかったり、学校には1日居る事が出来ず、午前中だけ授業を受けるのが精一杯でした。体力もかなり低下していたのでバス通学は出来ず、車(知人やタクシー)で通っておられました。また、トイレに間に合わず何度も便失禁することもありました。腹痛で階段を上るのも辛くなり、行動範囲が制限され、1階の居間とトイレの往復のみになりました。

2学期は数日しか登校出来ず、自宅療養をしていました。日中は座椅子での生活が主で、夜は布団で寝られず、前屈みになったり・体を丸めたり・座ったりと、兎に角、痛くて痛くて体の置き所がない日々が続きました。

息子さんが骨と皮だけになっていくのを見て、母親は可哀相で、どうしてやることも出来ない自分を責めたりする事もありました。このまま見ているしかないのか、良い方向にいくのかと不安になっては、ご主人から「みんなそう思う時があるってさ。手記に書いてあるよ。そう言う時は、先生の理論と手記を読んでみて」と勧められ、冷静になり、そのようにされました。「大丈夫。絶対良くなる!! 先生を信じて、今は耐えるしかない。」と、自分に言い聞かせました。

治療から1ヶ月くらい経った頃から、痛みが徐々に弱くなり、食欲も出てきました。食事は1日3回食べられるようになり、表情も明るくなってきました。それまでは痛い時に会話が出来ませんでしたが、話す事が出来るようになりました。そして15歳の誕生日、お祝いが出来ました。

治療から40日目の12月5日、2度目の受診で松本漢方クリニックへ来院されました。「褒められなくてもいい。頑張り過ぎなくていい。」「まだ15歳。子供らしくていい。『心の持ち方が大事』この病気の原因はストレスであり、頭の良い賢い奴がなる。」周りの事は気にしないで良いと言って心の持ち方を指導しました。息子さんの性格は、自分でこうと思ったら周りのことは聞かない頑固なところがありつつも、周りの目を気にしすぎるといった神経質で真面目な性格であると診察をしていてわかりました。自分で意識していなくとも「頑張らなくてはいけない。」と、頑張りすぎている自分がいて、次第にストレスを蓄積していたのでしょう。また、周りの人たちも息子さんへストレスを与えていたのでご家族は反省されていました。

腹痛が強くて学校へ行けない事を聞き、食後の漢方煎じ薬を変えることにしました。お腹が張るという事でフラジール錠を処方しました。1週間後にはお腹の張り感はなくなり、1日10回以上だった下痢が2~3回に減り、腹痛も更に弱くなってきました。そして2度目の受診から4日目に、「兔のうんちみたいなコロコロ便が出た。」と言い、5日目には、「バナナうんち」が2ヶ月ぶりに出ました。ご家族は大喜びされたそうです。それから食欲も食べる量も増え、腹痛も気にならない位に良くなり、夜も布団で寝られるようになりました。痛みで目が覚める事もなくなりました。今まで出来なかった事、当たり前だった普通の日常が帰って来ました。行動範囲も広がり、階段の上り下りも大丈夫になりました。3学期にも行けるようになりました。

治療をして7ヶ月、食後の漢方煎じ薬を変えてからリバウンド時の激しい腹痛も無く、1日1~2回のバナナうんちが出ており、日常生活を送ることが出来ていました。4月に高校1年生(15歳)になり、片道1時間半バスと電車で通えていました。新しい環境と不安と体力不足により、いつダウンするかとご両親は心配されていましたが、無事に登校できていました。

4月23日、3度目の診察。家族5人が診察室ですでに待っていました。今困っていることを聞くと、週末になるとお腹が少し痛くなると答えたので、「なんで週末に痛くなるんや?」と聞いてみると息子さんは「ストレスがあるんだと思います。」と言いました。残念!逆です!!症状は免疫が上がっている証拠なのです。「平日はアホみたいに1番とるつもりで必死に勉強しとるんやろ。ステロイドホルモン多量に出てるんや。」とついつい大きな声で言ってしまいました!次の日が休日なので週末になると必死に勉強を頑張っていたのが緩んでストレスが減少すると同時にステロイドホルモンの放出が少なくなり、抑制されていた免疫が上がって症状が出てきたのです。

ストレスは免疫力を高める上で敵となりますが、現代社会においてこれからの長い人生でストレスから逃れることは不可能です。ストレスを溜め過ぎないように発散し、また溜め過ぎないように他人に嫉妬せず、他人の幸せには自分の事の様に置き換えて自分の幸せに思う、自分の能力以上に頑張り過ぎない、程よく適当にすることがストレスを溜めないコツです。性格を変えることは難しいでしょうが、心の持ち方変えられるので、今のありのままを受け止めようという気持ちと、少しの柔軟性を持ってほしいと思います。

その後、息子さんは無事に完治されて当院での治療を終了しました。

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