症例報告60例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:2歳
この患者さんがアトピーを発症したのは、生後2ヶ月半頃でした。ポツポツと顔に湿疹が出来始め、それが少しずつ広がり、リンパ液が出る様な状態になりました。お母様にもアトピーがあり、患者さんを妊娠している時に右手小指が荒れ始め、範囲が少しずつ広がり、汁をともない、炎症を起してパンパンにふくらんでいたそうです。それがいくつかの指に表れ、お子様の沐浴や水仕事、料理はもちろん、お風呂も困難なものにしていました。皮膚科ではステロイドを処方されましたが、リバウンドに恐怖を感じ、使用はしなかったそうです。
そんな中、患者さんであるお子様の症状はみるみる悪化し、おしりとおちんちんを除く身体全体、乳首は変形して、手足の指の先まで発疹で覆われました。掻きむしって血まみれになるまで、手を身体に布で包んで寝かせたりしたそうです。皮膚科は4軒ほどまわられましたが、処方されるのは結局ステロイドばかりでした。血まみれの状態に耐えきれず、ステロイドを一度使うと顔は嘘のようにきれいになったそうです。しかし、もちろん段々と効き目の間隔は狭まり、しばらくすれば効かなくなります。医師は「塗らなければ治らない。」などと言い、あげく処方された抗アレルギー剤でお子様が蕁麻疹を起すと、蕁麻疹を止める薬を出そうとする始末でした。お母様はそれを断り、医師に頼るのを諦め、ワセリンで保湿をしながら何とか悪化を防ごうと頑張っている時に、知人から当院を紹介され、当時掲載されていたホームページの手記を読んでこられました。ステロイドを使い始めてから3週間が経っていました。
初診が終わり、漢方治療を始めることになると、まず家に帰ってステロイドを全部捨てたそうです。これまでの医師は「掻くと悪化するから掻くな」と言いますが、私は「痒かったら掻けばいい」と言います。掻いて傷になったとしても、漢方風呂は普通の何倍もの速さで回復させます。汁は出たがって痒みを起させているのだから、早く出してやればいい、という考えです。それから食事制限はせず、基本的には何でも食べていい、と言います。この患者さんが血液検査で反応したのは卵白だけでした。まだ母乳だけでしたが、お母様が卵を食べると、初めのうちは赤い発疹が出ましたが、様子見ながら続けると、1ヶ月もすれば免疫寛容を起こし、出なくなりました。
患者さんはまだ小さかったので、漢方風呂は1日分を3日で使ってもらいました。お風呂に入ると痒みが増すのかいつも泣き叫んでいたそうですが、初めて漢方風呂に入れた瞬間からとても気持ち良さそうに、落ち着いた表情をしていたそうです。1週間はステロイドのリバウンドが生じ、身体全体が赤くなりましたが、やがてそれが、うすくかさぶたの様になりました。首の後ろなどは、アトピー特有の象の様なザラザラ肌になりましたが、それも徐々になくなりました。
熱は1週間程高めで、何度か電話をかけてこられましたが、激しい炎症は起こしませんでした。漢方風呂も熱心に1日2回、朝夕1時間ずつ、毎日漢方風呂に入れられました。夜中に2~3度授乳で起きれば、冷蔵庫に冷やしておいた薄い漢方風呂の汁を霧吹きに入れてふりかけ、紫雲膏をすり込んだそうです。沐浴で浸かるお母様の手も漢方風呂効果で、1週間で一部の指は綺麗に治りました。
治療開始から3ヶ月で随分きれいになっていました。少しずつ指先から湿疹が消えていき、乳首が治り、お腹がきれいになり、最後に残っていたのは、手足の部分でした。ご主人の故郷(インドネシア)に行くと、さらにきれいになりました。日本は化学物質がそこら中にありますが、化学物質の少ない発展途上国に行くと、アトピーをはじめとするアレルギーが急に良くなる例は多くあります。日本に戻ると、再び顔が赤くカサカサになりましたが、1ヶ月程で治りました。その後アトピーが治りかけた頃、何度か蕁麻疹が出ました。蕁麻疹はアトピーの不発型とも言える状態であり、戦いの終焉が近いことを示唆しています。
治療開始から9ヶ月が経ち、1歳を過ぎてからは、時々一部に蕁麻疹の様なものが出る事がたまにありますが、日常生活には全く問題ありません。アトピーの症状は全くなくなったので、治療を終了しました。
症例報告61例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:1歳4ヶ月
この患者さんは、1ヶ月検診の時に「乳児湿疹」と言われました。それが2ヶ月目には範囲が広がり、大きな湿疹となったので、小児科にいくと塗り薬を処方されました。この塗り薬を塗った次の日には、顔いっぱいに広がってしまったので、もう一度小児科へ行きました。前回とは違う医師だったそうですが、「アトピーでしょうか?」と聞いたところ、「乳児湿疹でしょう。軽いステロイドの入った薬を出しておきましょう。」と言われました。翌日から数日間ステロイドを塗ると、見事に赤みは消えましたが、しばらくすると、薬を塗る前よりも、もっとひどい湿疹が出てきました。お母様がリウマチで当院を通院されていたのがきっかけで、2003年10月7日、松本漢方クリニックに来られました。アトピーの治療は、リウマチの治療よりもはるかに簡単であります。
漢方風呂と消毒液、塗り薬を処方し、漢方治療がスタートしました。それからは、鍋で薬草を煮出し、その濃い液を、お風呂上がりに塗り、そして紫雲膏を体中に塗りこんでおられました。そのため、服にも、よだれかけにも、よく赤い色がついていたそうです。朝の消毒は痛がり、暴れて嫌がるので、できない日が多かったそうですが、その分、お風呂上がりに何度も紫雲膏を塗りこんでいました。生後3ヶ月末頃から5ヶ月くらいが、特にリバウンドがひどく、頬はじゅくじゅくとし、赤い湿疹が出ていました。この頃はとても暑がり、汗をかくと痒がるので困ったそうです。布団に寝かしつけると泣いて起きるので、この頃は、昼も夜もなく、1日中抱いていたそうです。
2004年、生後6ヶ月に入る頃になると、やっと抱かなくても、夜少しは眠れるようになりました。手足のアトピーは、かさかさと乾いてきた感じでしたが、頬はリバウンドを繰り返しました。ただ、この頃から少しじゅくじゅくとした感じはなく、少しずつ乾燥してきた感じでした。7月、満1歳を迎える頃、アトピーは頬に赤く残っていたものの、全体的にかなり綺麗になってきたので、お風呂は、一日おきでいいと伝えました。
ポリオワクチンの接種に行くと、保健所に来ておられた医師が湿疹を見ると、「一度小児科で原因を調べてもらわないと。内臓からくることもある。」などと言いました。漢方治療していることを伝えると、「漢方で、アトピーが治るわけはない」と言われたそうです。現代医療は見かけの症状だけを一時的に除去し、治ったかのように見せかけるだけであります。ステロイドを使用すると嘘のように症状が消えてしまうため、患者さんを治ったと喜ばせて簡単に騙すことができるのです。このような医師が、アトピーは皮膚の問題ではなく、免疫の問題であることを理解しているかは甚だ疑問です。
10月初旬、食べた柿が原因で、治まっていたアトピーが、頬に赤い湿疹になって、すぐにじゅくじゅくとしたものに変わり、いつになくひどくなりました。更に、蕁麻疹のようなぶつぶつが出ました。いつもの赤いものではなく、初めて見るものでした。それでも、熱もなく、食欲もあり、下痢などの他の症状もないので、しばらく放っておくと、そのまま綺麗に治っていきました。その後、たびたび少し頬が赤くなることは、何度かありますが、数日で消えてしまいます。
治療開始から約1年で、治療を終了しました。
症例報告62例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:6歳
この患者さんは、3歳の時、アトピー性皮膚炎になってしまいました。御祖母様もお母様もアトピーがあり、2人とも知らず知らずのうちにステロイドを使用しており、手放せない状態になっていたそうです。その経験から子供にはステロイドを絶対に使わせたくなかったということで、非ステロイドの薬を皮膚科で処方されていました。しかし、なかなか良くならず困っていたところ、お父様がインターネットで松本漢方クリニックを見つけ、来院されました。
漢方煎じ薬、漢方浴剤、消毒薬、塗り薬などを処方し、治療が始まりました。煎じ薬は、苦くて3歳児にはきついかと思ったのですが、意外と平気で飲んでくれたそうです。漢方浴剤は浴槽にかなり色が付いてしまいましたが、マンションを出て行くときに弁償してもいいという思いで頑張ったそうです。
治療を開始して1年足らずで、すっかり良くなり、治療を終了しました。
症例報告63例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:4歳
松本漢方クリニックを訪れたのは、2014年5月9日。きっかけはお母様の発熱と、おでこから滴る汁に、これ以上このままではヤバイと感じた事、以前お兄様が通院されていたのでご紹介をいただきました。
この患者さんは、ちょうど生後2週間の時に、いわゆる乳児湿疹、新生児ニキビと言われるようなブツブツが、目の周りからおでこ、頬へと日に日に広がっていきました。生後3ヶ月頃に、皮膚科を受診。案の定、ステロイドが処方され、そこから約1年、ダラダラと顔を中心にステロイドを使っておられました。改善の兆しが見られないのでステロイドをやめ、インターネット上の色んな記事を読み漁り、手作り化粧品、乳酸菌、脱保湿・脱入浴、色々試されたそうです。しかし、どの方法もよくなってきたと実感できませんでした。夏になれば少し状態が落ち着きますが、秋から冬になるとまた酷くなり、血まみれになりながら顔面をかきむしる状態でした。ステロイドを独断で絶ってから1年2ヶ月ほど経った時に、細菌感染で発熱してしまい、リンパ液が出て限界を迎えた時に、ご親戚が当院に通院されたことから口コミで松本漢方クリニックのことをご存知になり、来院されました。
早速、漢方風呂、塗り薬、漢方煎じ薬、抗生物質を処方して、治療が始まりました。さっそくその日から漢方を使うと、リンパ液が止まったそうです。治療開始からちょうど1週間後に、掻いてなくてもどんどんリンパ液が溢れ出すほどに、激しいリバウンドが始まりました。ところが、この激しい状態は数日でひいていき、それからは、それほど酷くなる事はなく、湿疹が季節や体調によって全身のどこかしらに出て、日に数度掻きむしる日々が続いたそうです。
治療開始から半年で、毎日入っていた漢方風呂を1日おきでよくなりました。治療開始から1年半経ったあたりで漢方風呂は終了することができ、現在治療開始から2年2ヶ月、患者さんは4歳半の時に、ほとんどの症状が消えてしまいました。たまにプツプツと湿疹が出たり、ヘルペスが出現したりはしますが、紫雲膏や抗ヘルペス剤の軟膏を塗るぐらいで、日常生活に全く問題は無くなりましたので、治療を終了しました。
症例報告64例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:7歳
今、お子様は7歳で、通院されてから5年目になります。
この患者さんは、生後1ヶ月目に、ひどい乳児湿疹が出ました。じくじくとしていて、顔面と頭皮の全てに湿疹が出ました。毎日、2回のお風呂にいれて、1ヶ月検診でアンダーム軟膏を処方され、これを塗っているうちに、2ヶ月ほどでかさぶたになり、一旦、全てきれいになりました。でも、よだれがすごく多かったせいか、ほっぺとあごの湿疹だけは消えず、その間もずっとアンダーム軟膏を塗られていました。
1歳を過ぎて、保育所に通うようになると、咽頭が弱く、すぐに赤く腫れて熱を出しました。かぜもすぐにひき、保育所には、月の半分しか行っていませんでした。その間、風邪薬も飲ませていたそうです。そして薬が2週間ほど続くと、お尻が真っ赤になるほどのじくじくした湿疹ができ、またアンダームを塗ると、2~3日で乾いて、一皮向けて治る、という具合で、病院では薬疹と診断されました。
1歳半の冬。腕の内側にじくじくした湿疹が出ました。直ぐに治ると思いながらアンダームを塗っていましたが、だんだん効かなくなってきました。そして、ある日、風邪から肺炎になり、入院をされました。入院中の病院で、湿疹の薬も処方され、その時に初めてアトピーと診断されました。また、塗り薬も弱いステロイドが含まれているものを処方されました。風邪をよく引くようになり、他の医院の風邪薬が2週間続くたびに、お尻は真っ赤になり、アンダーム→乾燥→ひと皮剥けるの症状が繰り返されました。湿疹が半年近く治らない状態の時に、保育所の先生から、当院をご紹介いただいたそうです。
2歳近くなったころ初診で来られ、治療がスタートしました。2歳のお子様に漢方が飲めるのか、心配だったそうですが、良く言い聞かせて、飲んだ後に黒砂糖を口に入れてやると飲んだそうです。
治療開始から1週間で、両腕、両足、お尻にじくじくがでてきました。そこから6ヶ月は、リバウンドが続き、本当にかわいそうな状態でした。腕や、掻く指先が血だらけになったりしました。保育所に紫雲膏を預けて、塗っていただいたりと、先生にも協力していただけました。でも、あまりじくじくがひどいと、ほかの子供との接触もあるので、大きなガーゼを貼られてしまうこともありました。
治療開始から1年で、湿疹の大きさが少し小さくなり、痒みがマシになり、お尻が少しずつ回復してきたようでした。その後も右腕、左腕と、湿疹の範囲が少しずつ治まっていきました。でもその間にも風邪をひいたり、インフルエンザにかかったり、咽頭炎、クループ、肺炎と、感染症にはかかりがちでした。
途中、通院されない期間があり漢方が中断した時もありましたが、治療開始から3年経過時に、症状が一気に改善しました。湿疹がどんどん消えていって、蕁麻疹が出るようになりました。蕁麻疹はアトピーの不発型であり、治療の終焉を示唆しています。予想通りその歳の冬に湿疹が出なくなりました。
治療開始から3年半、翌年の夏、腕と背中に再び湿疹が出現しましたが、漢方薬を処方すると、1週間で引きました。風邪はあまりひかなくなり、季節によって湿疹が出ることはあるものの、日常生活には問題がなくなったので治療を終了しました。