物凄くものすごく!!長いのでどんどん上げていきます!初めての方は最初の①のところから読んで下さい!!
「何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?①」
「何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?②」
さらに癲癇とはどういう病気かを脳の異常な電気信号を記録する脳波から説明しましょう。まず癲癇は神経細胞の巨大なネットワークである脳全体にかかわる病気ですから脳の成り立ちを知ってもらうために「脳の構造」と「大脳皮質にある脳の機能局在(存在する部位)」とherpesが一番感染したがる「大脳基底核に存在する四つの核」とherpes感染のときに最も興奮の影響を受け癲癇発作が大脳全体に広がらせる「大脳皮質―大脳基底核ループ」の図を下に示します。大脳皮質―大脳基底核ループは漠然と一例だけのループ(輪)が描かれていますがループの道筋は一つだけではなく無数のループが存在し、大脳基底核にherpesが感染するとそれらのループを通じて大脳皮質の数えきれない神経細胞に異常な信号が伝えられ大脳皮質の抑制ニューロンである局所的なわずかな介在ニューロンでは完全に100%対抗できなくなり癲癇の興奮しすぎ発作が出現するのです。局所的という意味は範囲が限られた部分です。ヘルペスの炎症の度合いに応じて多種多様な癲癇発作が生じるのです。とりわけ「大脳基底核に存在する四つの核」に感染したherpesがすべての癲癇の大元の原因ですからしっかり大脳基底核の図を見てください。つまり大脳基底核にherpesが感染しなければ癲癇は起こらないのです。大脳基底核は運動をコントロールする役割を果たしており、大脳基底核が不調を来たすと癲癇のみならずパーキンソン病などにみられるように、重篤な運動の障害が生じます。パーキンソン病については後で詳しく書きます。大脳基底核の多くの神経細胞が同期した活動を示すのでヘルペスにより神経細胞の電気的な同期生(同時性)が運動の障害を大きくさせ個々の神経細胞の障害が癲癇としてあるいはパーキンソン病として誰もがわかる運動異常の病気として現れるのです。
癲癇は、下図の大脳基底核に感染したherpesがミクログリアとの戦いで神経細胞に様々な炎症の波及が大脳基底核の神経細胞を興奮させすぎて興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸が神経シナプスに出すぎて異常な興奮がいくつかの大脳皮質-大脳基底核ループの神経回路網に起こる異常な同期性(同時性)によって生じ、しかもこの興奮を抑える介在性抑制神経はその興奮を抑えきれずに反復、発生する癲癇発作作を主徴とする癲癇として現れるのです。四つの大脳基底核を構成する多くの神経細胞に感染した殺すことが絶対不可能なヘルペスが患者さんの免疫が上昇した時に脳のグリア細胞の中の唯一の免疫細胞であるミクログリアによって攻撃されたときに生じる異常電気信号が興奮性の過剰なグルタミン酸を神経シナプスに放出することで生ずる発作です。殺しきれないので興奮を一時的に抗てんかん薬で抑えても人間は生きている限り生き散る限り知らないうちにストレスがかかったりなくなったり自然に免疫の上げ下げを自分自身の生活の中で気づかずにやっているので少なくとも癲癇はherpesが原因であることを認識しない限りは一生癲癇の対症療法の抗癲癇薬を飲み続けざるを得ないのです。
この異常な脳全体に同時に興奮を生じさせる神経回路網は脳の局所にとどまる場合もあれば、さらにその他の脳の部位に広がっていく場合もあれば、あるいは全ての大脳皮質領域を同時にまきこむ場合もあります。例えば上の図の大脳皮質―大脳基底核ループは一つの輪だけしか書かれていませんが大脳基底核の細胞がヘルペスが起こす炎症の刺激シグナルが伝わっていく皮質たった一つではないのです。このループ(輪)の神経回路の行先(投射先)の大脳皮質は巨大な神経のネットワークであるので無数の脳の神経細胞が同時に異常に興奮してしまうのです。
大脳基底核から無数の神経回路のループによって伝えられる異常な電気信号による異常な情報は大脳皮質の何百億個の神経細胞に伝えられ大混乱をきたし霊長類の頂上に君臨している賢い人間の大脳皮質も異常な電気信号に対して正しい判断が不能となるどころか大脳の異常な電気的反応として仕方なく癲癇が起こるのです。抑制の介在神経細胞などは屁のツッパリにもなりません。因みに上の図の大脳皮質‐大脳基底核ループの異常な電気信号は脳幹にも及んでいますから脳幹の異常な反応が出ているのですが癲癇の症状が強すぎて隠されているだけなのです。が、時には脳幹の興奮による症状も出ることがあります。今並行して書いている最新の論文は「なぜ統合失調症は起こるのか?」ですが統合失調症も改善させた臨床経験があり統合失調症の原因はすでに知られているようにドパミンの過剰な作用によるものですが脳幹のドパミンを脳内で最も多く産生する神経核にherpesが感染した後、脳の免疫が上昇した時に脳の免疫を司るミクログリアが脳幹の細胞に感染したヘルペスを攻撃し始め脳幹の神経核に異常電気信号が発せられて統合失調症の様々の症状が出るのです。「ドパミンの過剰作用によるドパミンの毒性であると言われている統合失調症は何故起こるのか?」の論文を楽しみにしてください。しかし発生のメカニズムの解明が一番難しいのでは言うまでもありません。
更にもう一つの難病中の難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因も過剰なグルタミン酸の毒性であると言われていますが、このALSもherpesが運動ニューロンである一次運動ニューロンと二次運動ニューロンのシナプスに感染したためにグルタミン酸の過剰産生と放出が多くなることと、そのためにシナプス間隙にたまったグルタミン酸の再取り込みの機能が正常に働いていないからです。ALSの論文も頭では完成していますので近いうちに発表します。ALSにしろ統合失調症にしろ神経伝達物質が過剰で生ずると言われている難病は数多くの因子が絡みあって生ずる複雑極まりのないこれらの病気の解明には深い論理的洞察が必要なので正答を出すのが難しくなるのです。ヘルペスが根本原因であるのは分かってはいるのですが何故ならば抗ヘルペス剤投与と免疫を上げる漢方煎剤で症状は軽減改善する臨床的証拠をわたしは持っているからです。後はそれを免疫学的理論で証明さえすれば完全なのですが、しかしながら癲癇が起こるメカニズムの様に過剰な興奮と過少な興奮の抑制と免疫のストレスによる低下とミクログリアとherpesとの戦いによる三つの少ないファクターではALSと統合失調症は説明しきれないのですが目星はついています。乞うご期待を!!!そのために毎日毎日勉強に明け暮れています。この世に38億年かかって病気から人体の生命(遺伝子)を守ってきた免疫の遺伝子が治せない難病はこの世に何一つありません。あらゆる病気は一人一人が持って生まれた免疫の遺伝子しか治せません。現代の医学は病気を作っているだけです。何故ならば免疫を抑える薬しか製薬メーカーは作れないからです。唯一免疫を上げる薬は人間と同じ遺伝子で作られて植物である漢方生薬しかありません。白人は資本主義を繫栄させて金を儲けるしか他になにも興味を持っていないのです。残念ですね。白人の中には漢方を毒薬と考えている輩もいます。悲しいですね。
脳疾患のみならず、殆どすべての難病や不明な病気や自己免疫疾患気の原因はherpesです。ALSも改善させた臨床経験を持っていますので自信をもってALSの原因もherpesであると皆さんに伝えることができます。自己免疫疾患も原因不明な病気も難病もすべてヘルペスが原因です。更にALSとは逆に大脳基底核の一部である黒質-線条体のドパミンが少なくなればパーキンソン病も改善させた臨床経験を持っていますがパーキンソンもherpes感染によるものですが何故ヘルペスによってドパミンが減ってパーキンソン病が生じるのかの論文もまもなく出来上がります。ご期待ください。
ここで脳の神経変性疾患も免疫で中心を占めているミクログリアとherpesとの戦いで生じる炎症が原因ですから脳の免疫の王者であるミクログリアについて詳しく見てみましょう。
脳の免疫細胞はミクログリアしかありませんと言ってもいい過ぎではありません。何故ならば適応免疫のリンパ球は脳の実質には通常、存在しないからです。しかも脳の血管にはBBBと言われる毛細血管の密着結合とミクログリアを含む四つのグリア細胞で造られたblood-brain barrier(血液脳関門)があり薬物が血中から脳内への移行を制限する機能を持っていますがヘルペスとミクログリアと戦うときにはミクログリアが放出するサイトカインのIL-1βがBBBに隙間を開けて抗ヘルペス剤であるアシクロビルを脳内に入りやすくするのです。何故ならばBBBは解剖学的には脳毛細血管で内皮細胞同士の密着結合(tight junction)と、免疫細胞であるミクログリアを含む四つのグリア細胞により形成されているのでヘルペスウイルスが神経細胞を介して脳内に侵入したときや神経細胞に感染したherpesが増殖して隣の細胞に感染して癲癇などが起きる時には、グリア細胞のミクログリアだけではherpesに対して太刀打ちできないときにも助っ人が必要なのでミクログリアが構成成分であるのでBBBを少し開けて脳には通常見られない自然免疫細胞やマクロファージや樹状細胞や適応免疫の細胞であるTリンパ球をBBBを通じて引き入れるので脳内にマクロファージやT細胞が見られるようになるのです。以上の真実も世界中の医者は誰も気付いていないようです。
また脳室周囲器官にはBBBのシステムが欠如している上に、アシクロビルは極めて安全な核酸アナログですからそこから選択的に取り込まれています。いずれにしろアミノ酸やグルコースなどの神経活動のエネルギー源となる栄養素はBBB(血液脳関門)を通じて脳内に選択的に輸送されますが、多くの物質は脳内に自由に入るわけではないのです。
すでに述べたようにBBBは解剖学的には脳毛細血管で内皮細胞同士の密着結合(tight junction)と、グリア細胞により形成されていますが、水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を透過し難いのですが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素であるグルコース、アミノ酸、核酸であるヌクレオチドなどは選択的に血液脳関門を透過する。また、脳毛細血管内皮細胞に発現するP糖タンパク質などの排泄トランスポーターが、内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げているのです。P-糖タンパク質(P-gp)は,リン酸化タンパク質であり、細胞膜上に存在して細胞毒性を有する化合物などの細胞外排出を行う。gp はglycoーproteinの略でグリコプロテインと読み、タンパク質を構成するアミノ酸の一部に糖鎖が結合したものです。P-gpは、様々な薬物を細胞外へ排出する腸や肺、腎臓の近位尿細管、血液脳関門の毛細血管内皮細胞等に発現しており、様々な薬物を細胞外へ排出するトランスポーターである.消化管粘膜のP糖タンパク質は,薬物を管腔側に排出し,また,脳血管内皮細胞のP糖タンパク質は,薬物の脳組織内への分布を制御しているのです。
脳に感染したherpesとミクログリアとの戦いで生ずる炎症により脳のすべての原因不明な病気が免疫が上がった時に起こります。言うまでもなく免疫が落ちているときにもヘルペスはこっそり悪事をしでかしているのです。それはこっそりと感染神経細胞内で自分の子孫であるビリオン粒子を増やしているのです。さらに免疫が落ち続けているとその細胞から細胞外に出て別の多くの神経細胞に感染してしまうのです。細胞外に出た時にミクログリアに見つかると戦いが始まり炎症が生じてその炎症の波及が近くの神経細胞に波及して神経細胞が傷つき異常な過剰な興奮の電気信号が生じて癲癇の症状も生まれるのです。
ミクログリアは末梢の免疫におけるマクロファージと同じ役割どころかNK細胞と似た免疫の仕事を脳で果たしています。末梢神経でのherpesの戦いでは自然免疫の中心を占めているマクロファージが戦いの症状のすべてを起こすきっかけになってしているように脳や脊髄で見られるすべての原因不明の脳疾患は病原体ウイルスであるherpesが原因ですからこのヘルペスの最強の敵であるミクログリアが脳をherpesから守るためにどんな奮闘ぶりを発揮しているかを勉強しましょう。
中枢神経における免疫細胞ミクログリアとherpesと戦いの経過。
ミクログリアは中枢の免疫担当細胞であり、中枢神経系に存在する常在性マクロファージそのものなのです。神経細胞を守るグリア細胞は神経細胞の10倍 存在しているのです。10倍ですよ!!そのグリア細胞のうち10分の一がこの上もない憎い病原体ウイルスであるherpesから脳の神経細胞を守るために神経細胞と同じだけの数のミクログリアが脳に常在しているのみならずヘルペスと戦いだすと必要なだけ増えることができるのです。脳の神経細胞と同じ数の免疫細胞にあるミクログリアが脳に存在しているのはまさに殺しきれないherpesが神経細胞に感染し続けないようにするためですが殺しきれないので増えないように神経細胞の核の中に押し込むことしかできないのです。ヘルペスのいわば人間の免疫から逃れる知恵の方が人間の免疫よりも数枚も上手なのです。
神経細胞一つに対して一個のミクログリア細胞があるということはまるで一人の人間に一人の警察官が護衛しているのと同じなのです。ミクログリアは何から神経細胞を守っているのでしょうか?herpesからです。神経変性脳疾患にならないようにherpesから脳を守っているのです。優れたワクチンで病原体が引き起こす病気がこの世からなくなってしまいました。ところが唯一ワクチンが効かないしかも強力な人間の免疫では殺しきれない最後に残った病原体はherpesウイルスだけとなってしまいました。しかも世界中の80億のすべての人に感染しておりしかも人にいったん感染すると人体の230種類の組織のすべての細胞に感染できるスパイクを多種多様持っているのはヘルペスだけなのです。それに加えて末梢神経細胞にも脳や脊髄の中枢神経にも唯一独占的に感染している病原体はもはやherpesウイルスの仲間しかこの世には存在していないのです。だからこそ病気の原因は病原体であるヘルペスしかないと断言できるのです。もしヘルペスを殺せる『薬』を発明できれば俗な話になりますがノーベル生理医学賞を10個どころか100個はもらえることになるでしょう。アッハッha!!!!だってあらゆる難病が無くなってしまうからです。念のために発明と発見の違いを説明しましょう。「発見」はこの世にあったのですが人に知られていなかったものを、初めて見つけることであり「発明」はこの世になかったものを、初めてつくりだすことです。
ミクログリアは細長い突起を有し、それをダイナミックに動かし、herpesの感染のためにシナプスや軸索や細胞体等が炎症が起こって傷ついていないかを知るために接触させヘルペスによってその形状や機能が異常になったかを監視しherpesの感染があることがわかればミクログリアの細胞体は肥大化やミクログリアの細胞分裂により数が増え活性化するとサイトカインであるIFNγ・TNF-α ・ IL-1β ・ IL-6 などのヘルペスと戦うための炎症性サイトカインや化学物質と共存するための免疫寛容を起こすためにTGF-β ・ IL-10 などのサイトカインを産生します。これらのサイトカイン以外に、他の免疫細胞を呼び寄せる走化因子と呼ばれるケモカインや活性酸素や一酸化窒素や栄養因子であるBDNF (brain derived neurotrophic factor脳由来神経栄養因子)などを大量に産生しヘルペスウイルスやヘルペスにかかわる分子を貪食しヘルペスによって死んでしまった細胞までも処理するのです。
活性酸素種( Reactive Oxygen Species略して ROS)とは、大気中に含まれる酸素分子が、より反応性の高い化合物に変化したものの総称です。多くの好気性生物は、生命維持に必要なエネルギーを得るため、ミトコンドリアで絶えず酸素を消費している。これらの酸素の一部は、代謝過程において活性酸素と呼ばれる反応性が高い状態に変換されることがある。 呼吸鎖で活性酸素を生成するのは、主にミトコンドリア中の電子伝達系の複合体Ⅲにおける反応である。一般的にスーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシドイオン)、ヒドロキシルラジカル(水酸基ラジカル)、過酸化水素(ペルオキシドイオン)、一重項酸素の4種類です。ラジカル(radical)とは、過激な反応をするという意味があり不対電子を持つ原子や分子やイオンのことを指します。 通常、電子は二つずつ対になって(共有電子対)同一軌道上に存在しています。アニオンは負に荷電したイオンのことです。活性酸素は、酸素分子が不対電子を捕獲することによって、スーパーオキシド(超酸化物)、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、という順に生成する。スーパーオキシドは酸素分子から生成される最初の還元体であり、酸素分子に1電子が加わったもの(O2-)です。還元体とは電子を正常な酸素分子より多く持っている酸素分子のことです。
スーパーオキシド(超酸化物)は還元体電子を多く持っているのでその電子を他の分子に与えたくてつまり酸化したい酸化作用を持っているので本来はその酸化作用による殺菌作用など,生体防御機構に関与している他の活性酸素の前駆体であり、生体にとって重要な役割を持つ。一酸化窒素は窒素と酸素からなる無機化合物で、化学式であらわすと NOで酸化窒素とも呼ばれ、 酸素に触れると直ちに酸化されて二酸化窒素 NO₂ になるのでスーパーオキシド(超酸化物)は酸化力が強いので一酸化窒素と反応してその酸化作用が無くなります。
活性酸素が癌の原因の一つになるのは何故でしょうか?活性酸素の中でもヒドロキシルラジカルは、極めて反応性が高いラジカルであり、活性酸素による多くの生体損傷は、ヒドロキシルラジカルによるものです。過酸化水素の反応性はそれほど高くなく、生体温度では安定しているが、金属イオンや光により容易に分解して、ヒドロキシルラジカルを生成するのです。過酸化水素は、化学式 H₂O₂ で表される化合物で過水と略称される。主に水溶液で扱われ対象により強力な酸化剤にも還元剤にもなり、殺菌剤、漂白剤として利用される。
活性酸素は普通の状態でも1 日に細胞一個あたり約10 億個発生し、これに対して生体の活性酸素消去能力である抗酸化機能が働くのですが活性酸素は細胞内のDNAを損傷し、平常の生活でも活性酸素によるDNA 損傷の数は一個の細胞あたり一日数万から数10 万個になるが、DNA 損傷はすぐに修復されます。ところが1 日に一個の細胞あたり約10 億個発生する活性酸素が細胞内のDNAを損傷しDNAの癌原遺伝子を癌遺伝子に変異させてしまうと癌が生まれるのです。
ミクログリアはherpesウイルスに対応するために自分の細胞膜受容体を含む様々な分子の発現をヘルペスウイルスと戦いやすくするために変化させ、herpes感染病巣部へ移動したり、ダメージを受けた細胞やヘルペスが原因であるアルツハイマー認知症で見られるアミロイドβタンパク質(Aβ)などの神経細胞の残骸である細胞外タンパク質の貪食も行います。脳に感染したヘルペスは感染した神経細胞の種類や部位によって多発性硬化症やアルツハイマー病やうつ病や統合失調症や自閉症やADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)や発達障害などの神経精神疾患を引き起こすのです。自閉症は正式には自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)と言います。対人関係が苦手·強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。このような病気は脳の細胞に感染したherpesと免疫細胞であるミクログリアとの戦いで正常な神経細胞の機能が異常になって細胞機能不全となる脳の病気です。
脳に感染したヘルペスが多発性硬化症(MS)やアルツハイマー病(AD)やうつ病や統合失調症や自閉症やADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder注意欠如・多動症)や発達障害などの神経精神疾患を引き起こすメカニズムもすべてわかっていますからいずれ一つ一つ発表します。
免疫が下がっている間に免疫が本人が知らぬ間に突然に上がった時に例えば癲癇の原因である大脳基底核に感染したherpesと免疫がどれだけ激しい戦いが繰り広げられるかを想像できますか?大脳基底核の四つの神経核(⑴線条体の尾状核と被殻⑵淡蒼球⑶視床下核⑷黒質))を構成する数多くの脳神経細胞体に感染したherpesをミクログリアが一斉に攻撃しだしたら全般性の癲癇発作が大脳基底核の細胞に生じても何も不思議ではないのです。ましてや一部分の細胞体に部分発作がおこるのは容易に想像できます。
ミクログリアは、どのようにして生きている細胞と死んだ細胞を見分け、貪食するのでしょうか?
herpes感染細胞が感染されたことにより神経細胞の細胞膜に傷がつきます。脳の神経細胞の一般的には存在目的はすべての神経に伝わる興奮の情報を電気信号に変えて大脳皮質まで伝えることですがヘルペスが神経細胞に感染すると様相が異なってきます。
その前にどのようにして要塞の如く頑丈な骨に骨で囲まれた脳と脊髄の神経細胞にどこからherpesは感染できるのでしょうか?herpesが初感染できるのは末梢の粘膜や皮膚からです。HSV は初感染後,感染局所の粘膜上皮細胞で増殖する.病態を引き起こすことは希であり,ほとんどが不顕性感染である。局所で増殖した HSV は,病態発症の有無にかかわらず,感染局所を支配する知覚神経末端に感染する.そして,ウイルス粒子がアクソン内(軸索内)を逆行輸送され,三叉神経節または仙髄神経節や脊髄後根神経節に到達し,一過性の増殖後,潜伏感染に移行する.潜伏している HSV は免疫抑制剤や月経やストレスなどで免疫が下がると,ウイルス粒子の産生がこっそり開始される.増えたウイルスはアクソン内(軸索内)を順行輸送され,再び局所に病態を引き起こす.このようにHSV は潜伏・増殖を繰り返し,宿主に終生住み着いてしまう。人体に侵入したherpesはまずはともあれ神経節からあらゆる組織にある神経に感染しその神経軸索を伝って中枢に向かって進み脊髄のすぐそばにある後根神経節まで辿り着きそこで一休みして免疫が落ちるまで長期間にわたって神経細胞の核の中に隠れ住むのです。中枢の免疫が落ちると後根神経節から脊髄神経からさらに脳まで感染し続けるのです。
どのようにしてヘルペスは寄生細胞の免疫の強弱を知ることができるのでしょうか?
難しい自問ですが答えを出しましょう。感染した細胞核に隠れる限りは絶対に細胞外にいる殺しの専門家であるキラーT細胞やナチュラルキラー細胞やミクログリア細胞には絶対に見つからないので感染細胞もろとも殺されることはないので安心です。ところが寄生した生物(人)が死ぬまで隠れているつもりは毛頭ヘルペスは持っていません。虎視眈々と自分のコピーである子となるビリオン粒子をできる限り数多く生み出すチャンスを狙っています。ヘルペスの複製の多くのプロセスは核内で行われるのですが自分の完全なコピーを生み出すには細胞核から細胞質に出ていかざるを得ない段階がいくつかあるのです。この細胞質に出た時に殺される敵にはまず感染細胞自身が持っている免疫の働きと細胞外にいて細胞内にherpesがいるかを監視している二つなのです。それではherpesの増殖にとってどのプロセスが危険であるかを知るためにまずヘルペスウイルスの代表であるHSV(単純ヘルペス)の増殖のプロセスをまず勉強しましょう。
Herpesウイルスの増殖のプロセスつまりHSV の増殖・潜伏感染機構を詳しく勉強しましょう。下に1-15までのプロセスの絵図を示します。
1.HSV は複数のレセプターを介して宿主細胞に侵入する.ウイルスの細胞への侵入後,ウイルス粒子中のテグメントタンパク質である UL41および VP16が細胞質へ放出される.蛋白のUL41は宿主のmRNA を分解することによって宿主タンパク質の合成を阻害し,ウイルスタンパク質の選択的な翻訳に寄与する。VP16は核に運ばれる。ウイルス蛋白のUL41は宿主のmRNA を分解することによって宿主タンパク質の合成を阻害するので、ここでも宿主の細胞機能が障害されることになります。
2.カプシドは核膜孔まで運ばれ,ウイルス DNA を核に放出する.
3.核内でウイルス DNAは環状化して潜伏感染を始めます。
4.テグメントタンパク質である VP16により α 遺伝子群の転写が活性化される.核で合成されたウイルス mRNA は細胞質へ運ばれ α タンパク質に翻訳される.α タンパク質は核に運ばれ,β,γ 遺伝子の発現を制御する.
5.α タンパク質によって β 遺伝子群の発現が活性化され,β タンパク質が生成される.
6.β タンパク質群はウイルス DNA の複製に関与するタンパク質を多く含む.これらの作用によりウイルス DNA はローリングサイクル機構で複製され,中間体として巨大なコンカテマー(concatemer)を形成する.コンカテマー(concatemer)とは何でしょうか?直鎖状多量体ともいう.ローリングサイクル機構で複製されたヘルペスウイルスの短いゲノムDNAがいつくか直鎖状に連結した未完成な巨大なDNAの中間体が生まれるのです。
7.ウイルス DNA の複製が行われると,γ 遺伝子群が発現してγ タンパク質群が作られる。
8.γ タンパク質群には主にウイルス粒子の構造タンパク質が含まれ,空のカプシドが生成される.
9.カプシド生成後,ウイルスのDNAの中間体である巨大なコンカテマーがウイルスゲノムの大きさに開裂した完全なウイルス DNA が空のカプシドへパッケージングされる。このカプシドをヌクレオカプシドと言います。
10.ヌクレオカプシドは核膜内膜でいったん核膜の内膜から一次エンベロープを獲得することによって核内膜と外膜との間に出芽し,次に,一次エンベロープと核外膜が融合することによってヌクレオカプシドが細胞質に放出される.出芽とは何でしょうか?出芽(しゅつが、 Budding)とは、生物やウイルスが数を増やす方法の一つで、親の体のある部分例えば遺伝子から、子の体ができて、それが次第に大きくなって独立する例えばビリオン粒子になることです。
11.その後,ヌクレオカプシドは細胞質でテグメントタンパク質を獲得します,テグメントタンパク質とはなんでしょうか?テグメントタンパク質には,転写因子, 核酸分解酵素,プロテインキナーゼ等が含まれており,herpesの効率的な細胞感染成立に寄与している。更に直接二次エンベロープ中にヌクレオカプシドとビリオンのエンベロープを結合する働きもあります。
12.細胞質内のトランスゴルジネットワークで最終エンベロープを獲得する.トランスゴルジネットワーク(TGN)とは,まずトランスの意味は輸送であり小胞体からゴルジ体へと輸送された タンパク質が,液胞,細胞膜等の目的地別に選別・輸送される際の分岐点となる重要なオルガネラ(小器官)であるのでゴルジタイが輸送の中心となるからトランスゴルジネットワークと言われるのです。小胞体は最大の細胞内膜系であり、この小胞体の細胞内膜の主成分は細胞膜成分と同じくリン脂質です。粗面小胞体は蛋白の生合成を行い、滑面小胞体は脂質の生合成を行います。小胞体内腔では糖鎖によるタンパク質と脂質の修飾をします。ゴルジタイは複数の層から成り立ち小胞体と機能協力をしており小胞体と同じく糖鎖によるタンパク質と脂質の修飾と小胞からの輸送の出発点であると同時に小胞への到着点です。このように小胞体が小胞輸送の発着点になるのはタンパク質と脂質に糖鎖を付加するので原料と完成品の輸送も小胞体が仕事としてやっているのです。
13.最終の二次エンベロープを獲得したウイルス粒子はエクソサイトーシスで細胞外へ放出される.エクソサイトーシスとは何でしょうか?エキソサイトーシスとは細胞外への分泌形態の一つで開口分泌とも言う。細胞内で合成された物質は分泌顆粒内にひとまず貯留されこの、エクソサイトーシス(開口分泌)によって分泌されます。
14.局所の HSV は末梢神経の軸索を上向し,三叉神経節または脊髄後根神経節又は脊髄後根神経節に潜伏する.潜伏中のherpesウイルスの DNA はエピゾーム状(環状)に存在し,LAT のみが転写される.LATとは何でしょう。Latency―associated ―transcriptsの略で潜伏関連転写物と訳します。潜伏感染中は感染性ウイルス粒子(ビリオン)を産生する能力は温存しているがウイルス粒子自体は検出されない。しかしLATと呼ばれる一群の遺伝子群の転写物を除けば他の転写産物であるRNAや遺伝子の発現産物である蛋白は認められないのです。
ストレス等の刺激によって免疫が落ちると再活性化され増殖したウイルスは更に末梢神経を下向し,局所で増殖し回帰発症を引き起こす.
もう少し詳しくそれぞれのプロセスの説明を加えましょう。
1.吸着・侵入、脱穀の段階ではHSV(単純ヘルペスウイルス) の細胞への侵入には,5 つのエンベロープ糖タンパ ク質(glycoprotein B(gB), gC, gD, gH および gL)が関与 しており、ヘルペスウイルスのエンベロープ上のgCで細胞表面のプロテオグリカン(へパラン硫酸)に吸着し、gB、gDおよびgHによりエンベロープは細胞膜と融合し、カプシドは細胞内へ侵入する。細胞質内に侵入したウイルスのヌクレオカプシドは細胞の核と融合して細胞の核膜孔近傍に移動し、ここで脱穀が起こり、核膜孔を通じてウイルスDNAが核内に放出されます。
2.ウイルスDNAの転写およびウイルス特異タンパクの合成・調節の段階ではウイルスDNAは、細胞RNAポリメラーゼを利用して、転写される。ウイルス特異タンパクは、α―β―γの順に合成される(cascade regulation)。これらのタンパクは抗原性があり、それぞれimmediate-early antigen(前初期抗原)、early antigen(初期抗原)およびlate antigen(後期抗原)とよばれる。α遺伝子は5個知られており、その転写は、タンパク質合成阻害剤存在下でも起こる。αタンパクは2~4時間でピークに達する。HSVビリオン(感染性をもつ完全な粒子)のテグメント(エンベロープとヌクレオカプシドの間のタンパク)中のαTIV(VP16)はα遺伝子にトランスに作用し、α遺伝子の転写を促進する。トランスに作用するとは何でしょうか?分子生物学におけるトランスとは、「異なる分子の間で機能する」の意味であるので「トランスに働く」というのは、「異なる分子の間で機能する働きがある」という意味になります。対義語はシスでシスに働くというのは同一分子上の遺伝子発現を調節するDNA またはRNA の領域で働くことです。一般に、トランスに働くとは標的遺伝子に対してその標的遺伝子の発現に影響を与えるような、別の遺伝子もしくはその別の遺伝子発現の産物であるRNAまたはタンパク質を指す用語である。タンパク質の場合は一般に転写因子という。因みにシスはラテン語で「同じ側」の意味であり、「同じ側で発現調節する要素」がシスエレメントの原義です。一般にシスエレメントは同じ遺伝子上流部の転写因子が結合する領域を指す場合が多いのです。αタンパクはいずれも調節機能を持ち、β遺伝子を活性化、βタンパクの合成を促進する。
β遺伝子の転写は、αタンパクの合成が先行する必要がある。DNA合成阻害剤存在下でもβ遺伝子の転写は起こる。DNA合成阻害剤とは何でしょうか?核酸合成阻害薬の一つがDNA合成阻害剤です。細胞が遺伝の情報を次の細胞に伝えて生き延びていくためには,DNAなどの核酸が重要な働きを担っています.その核酸が作られる過程を妨害して,遺伝情報を引き出せないようにするのが核酸合成阻害剤です.核酸を作る鋳型として大切なDNAの働きやDNAが複製されるのを妨害して作用するのがDNA機能阻害薬です。βタンパクは感染後5~7時間でピークに達し、主に核酸代謝およびウイルスDNAの複製に関与するのです。β遺伝子にコードされるタンパクは、①DNAポリメラーゼなどDNA複製に必須な蛋白②チミジンキナーゼ(TK)、リボヌクレオチド・リダクターゼなどの蛋白です。しかしチミジンキナーゼ(TK)、リボヌクレオチド・リダクターゼなどの蛋白はDNA合成に関与しますが必須ではなく、細胞の他の酵素でも代替できるものがある。①を欠く変異体は増殖できないが、②を欠く変異体は増殖中の宿主細胞では増殖できます。
γ遺伝子は、ビリオンを構成するγタンパクをコードしており、その発現にはαタンパクおよびβタンパクの合成とDNA複製が必要である。しかし、γタンパクには、gB、gDおよび主要カプシドタンパクなど感染初期および後期を通して合成されるものがある。
3.ウイルスDNAの複製のプロセスではTKとDNAポリメラーゼなどの蛋白が必要ですがウイルスDNAは、TKとDNAポリメラーゼの遺伝子をもっている。ウイルスDNAは、感染3時間後より合成が始まり、9~12時間持続する。ビリオン内のDNAは線状であるが、感染細胞内では環状となり、ローリングサークル様式で複製される。
4.宿主タンパクの合成についてはherpes感染により、宿主細胞の高分子合成は阻止される。この高分子合成妨害によって神経細胞の機能障害が起こり興奮や抑制の電気信号が異常になり癲癇の発生に寄与することがあるのです。
5.ウイルス粒子の形成・成熟、放出のプロセスではカプシドを構成するタンパクは、細胞質で合成され、核に移動し、核内でカプシドを形成する。核内でローリングサークル様式で複製したDNAはゲノム単位に切断され、カプシドにパッケージされてヌクレオカプシドが形成される。核内のヌクレオカプシドは核膜を被り一度核膜外腔に出た後、再び細胞質に侵入、テグメントを獲得し、ウイルス糖タンパクで修飾された細胞膜を最終的にエンベロープとして被り、空胞内に出芽して、細胞外へ放出されます。
6.宿主細胞の変化については>感染細胞には核内封入体の形成と膜の変化がみられる。封入体とは何でしょうか?
封入体とは異常な物質の集積により形成される細胞内の異染色領域であり、能動的機能を有しない小体。ウイルス感染細胞に見られ細胞質内に形成される封入体を細胞質内封入体、核内に形成される封入体を核内封入体、両者に形成される封入体を混合型封入体と呼ぶ。感染初期の封入体はDNAに富み(HE染色で青色)、大きく(宿主細胞のクロマチンを核周辺部に圧排、核内大部分を占拠)、ウイルス抗原を含む(蛍光抗体染色陽性)。感染後期の封入体はDNAを失い(HE染色でピンク)、核辺縁部の宿主クロマチンとの間にhaloを生じ、ウイルス抗原を含まない(蛍光抗体染色陰性)。封入体は異常な物質の集積により形成される細胞内の異染色領域であり、能動的機能を有しない小体ですから細胞に被害を及ぼすことはないのです。
細胞膜の傷が活動電位を生み出し異常な電気信号として神経終末に伝えられると仕方なくシナプス後膜からシナプス間隙に異常な興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸が何の意味もなく次の数多くの神経に伝えられ、さらに異常な興奮が繰り返されいくつかの大脳皮質-大脳基底核ループの神経回路網に同じ異常が同時に起こると、脳に生じた異常な電気発火が癲癇発作となるのです。
Herpesがまた神経細胞の核内で自分のコピーであるビリオンを増やすために神経細胞の細胞内や核内の機構を利用され過ぎたために細胞の正常な代謝が行われなくなったり、細胞の小胞体やゴルジ体や損傷や細胞の機能障害が生じたり、さらに利用されすぎたので寿命の尽きた神経細胞は、細胞外に大量の細胞内の残骸となるATPを放出します。通常細胞外にはATPはほとんど存在しないため、このATPが損傷を受けたherpes感染神経細胞が存在するサインになります。大脳基底核周辺の多くのミクログリアはこの炎症性のATPを感知して、ATPの濃度が高いほう、つまり損傷を受けた神経細胞のほうへと向かって移動します。移動したミクログリアは上記に書き記した様々なサイトカインを放出して炎症反応を引き起こしたり、BDNFを放出して神経細胞を保護するのを助けたりしますがherpesを殺すことができないので癲癇は一生治らない病気と言われるのです。
一方、すでにヘルペスウイルスの感染のために神経細胞のダメージが大きすぎて助けられないときはつまり死にかけている状態の神経細胞は核酸の一部であるUDPも放出します。UDPはウリジン二リン酸(ウリジンにリンさん、Uridine diphosphate)、略号 UDPはヌクレオチドの一種である。ウリジン二リン酸(ウリジンにリンさん、Uridine diphosphate)、略号 UDPはヌクレオチドの一種である。ミクログリアがこのUDPをプリン受容体であるP2Y受容体(P2Yじゅようたい、P2Y receptors)で感知すると、アメボイド状と言われるアメーバ状に変化し貪食する準備を始めます。損傷の激しいherpes感染神経細胞は細胞膜の構造が壊れるので、通常膜構造のなかで整列しているホスファチジルコリンが露出します。ミクログリアはこの露出したホスファチジルコリンを目安にして貪食を始めます。こうして、損傷の大きい細胞のみを貪食し、そうでもない細胞は貪食しないようにしています。
ヘルペスと戦わない正常状態のミクログリアは小さな細胞体をもち,四方に細かく枝分かれした突起を伸ばした形態をもつラミファイド型のミクログリアと呼ばれます。ラミファイドは「枝分かれをした」という意味です。herpesを見つけると活性化しアメーバ様の形態をしたミクログリアはアメボイド型と呼ばれアメーバのように動き回ります。アメボイドはアメーバに似ているという意味です。神経細胞の損傷や脳組織内へのヘルペスウイルスの侵入に応答して活性化型へと移行したミクログリアは貪食作用を示してherpesやherpes感染細胞の残骸を取り除く。活性化しアメーバ運動をしているミクログリアの姿は末梢の免疫細胞であるマクロファージと非常に良く似ており脳においてマクロファージと全く同じ役割を果たしています。それどころかそれ以上の仕事をしています。
ミクログリア細胞はヘルペスが感染しやすい黒質におけるミクログリアの占める割合は黒質の細胞の12%にのぼりますが皮質や脳梁におけるミクログリアの占める割合は神経細胞の5%ほどです。大脳基底核のherpesが感染した細胞の周辺には活性化したミクログリアが非常に多くふえてherpesが感染した大脳基底核の神経細胞を排除するために殺そうとして傷つけたりするときに多くの神経細胞の軸索や神経細胞体に異常な電気信号を突如同時に引き起こし癲癇発作を起こしてしまうのです。
ここで脳の神経細胞と末梢の細胞との決定的な違いを十分に知っておいてもらいた点があります。それはあらゆる末梢の細胞にherpesが感染してもherpesが感染した単一の細胞だけの感染症の問題で終わってしまうのですが、脳の神経細胞にherpesが感染すると侵入部位のオリゴデンドログリア細胞が作る髄鞘などの絶縁体が傷つくと異常な活動電位が発生して正常な活性電位が乱されたりして神経細胞につたわってきた情報が異常な電気信号として脳の神経細胞のすべてに伝わってしまうのです。しかも神経線維は束になっているのでちょうど電線のコードの絶縁がはがれて裸の銅線と銅線が接触するなどの、決められた道順(回路)を通らずに近道をすることショートが起きると、大きな異常な電流が流れ、電線の過熱や発火が発生して、火災を起こすなど非常に危険になるように神経線維の束がいわば火災を起こしているのが脳の癲癇と言ってもいいのです。
それのみならず神経線維の束に感染したherpesと免疫細胞のミクログリアとの殺しの免疫の戦いが始まると更に神経が刺激され大脳基底核から大脳皮質を巡るループが作るシナプスも興奮の神経伝達物質であるグルタミン酸ばかりを放出して抑制の神経伝達物質であるGABAもシナプスの興奮を抑制できずに興奮の異常信号が大脳皮質まで送られ大脳皮質も大量の異常な情報を処理できずに「わたしにはどうにもなりません」という反応が癲癇の症状になるのです。
またミクログリアがヘルペスと戦っている部位の神経細胞から放出される化学誘引物質の核酸でもあるATPおよびADPによってミクログリアの突起伸長やミクログリアが神経細胞の周辺に集まってくるのみならずherpes感染によって神経崩壊によって神経細胞外に放出された残骸のAβ(アミロイドβ)やブラジキニン、グルタミン酸、補体C5a、CCL21、NGF、EGFといった多岐にわたる因子がミクログリア走化性誘導因子になる。NGFは nerve growth factorの略で、神経成長因子であり神経軸策の伸長及び神経伝達物質の合成促進作用、神経細胞の維持作用、細胞損傷時の修復作用、脳神経の機能回復を促し老化を防止する作用を持ち合わせた重要なタンパク質です。EGFはEpidermal Growth Factorで上皮成長因子(または上皮増殖因子、上皮細胞成長因子、上皮細胞増殖因子)です。
ミクログリアは中枢神経系の機能に様々な影響を及ぼすが、herpes感染による神経細胞障害などによって活性化したミクログリアからは腫瘍壊死因子(TNF-α)、IL-1β、IL-6などの炎症性サイトカインが大量に放出され、ヘルペスが感染した細胞を排除しようとして中枢神経系の免疫性の炎症応答を引き起こし、ミクログリア由来の炎症性サイトカインにより中枢神経系の機能に異常が起こり、癲癇以外に多発性硬化症やアルツハイマー病やパーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)や統合失調症などの中枢神経系疾患を引き起こしてしまうのです。これらの脳変性疾患の原因はすべてヘルペスなのです。
ヘルペスを処理するためにミクログリアから放出されるケモカインもまた炎症応答や神経変性を引き起こすなど、生理学的および病的状態に大きく寄与しています。ミクログリア細胞からはケモカインであるCCL3(MIP-1α)やCXCL2(MIP-2)が、核酸であるプリンの受容体であるP2X7受容体の刺激を介して産生および放出されるのです。MIP-1αはmonocite inflammatory protein 1αの略でMIPは単球性炎症性たんぱく質の略です。そしてヘルペスによって痛覚神経が障害されると脊髄のミクログリアでCCL3の発現が増加し、痛覚神経に感染したherpesにより持続した疼痛が起こるのです。炎症性サイトカインやケモカイン以外にも、一酸化窒素(NO)、活性酸素(ROS)、グルタミン酸などがミクログリアから放出され、最悪の場合はherpesと感染神経細胞の死を誘導してしまうのです。そうでなければ生き残ったherpesが近隣の神経細胞に感染してしまうからです。
一方、ミクログリアから産生放出されるサイトカインなどの液性因子は、神経系の調節にも密接に関わり、神経系にヘルペス感染が起こった異常時において活性化したミクログリアから放出される脳由来神経栄養因子(BDNF)は神経の興奮を引き起こし癲癇を悪化させることがあるのと言われていますが実はherpes感染神経細胞の傷を修復するためなのです。ミクログリア由来の脳由来神経栄養因子(BDNF)は正常時には記憶や学習に重要な役割を担っているのです。発達期や出生後早期においては、ミクログリアから分泌されるインスリン様成長因子1(IGF-1)がニューロンの生存維持に必要な役割をも持っているのです。免疫細胞は人体を守るために進化した細胞ですから自分を傷つける自己免疫疾患を起こすことは絶対にあり得ないのです。
まだまだこれからですよ!難しいですが頑張って着いて来て下さい!!
「何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?④」