アルツハイマー病 コラム てんかん なぜシリーズ

何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?⑥更新2022.7.10

投稿日:2022年7月10日 更新日:

ものすごくものすごく!!長いので読むのがかなり大変ですが頑張って着いて来て下さい!!初めての方は下の①から読んで下さい!それでは本論にいきましょう!!!
何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?①
何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?②
何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?
何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?④

何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?

大脳辺縁系の一部である扁桃体(へんとうたい、 Amygdala)とは、何でしょうか?扁桃体はヒトを含む高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在する、アーモンド(扁桃)形の神経細胞の集まりで 情動反応の処理と記憶において主要な役割を持ち、 扁桃核(へんとうかく)とも言う。
癲癇の原因はヘルペスであるという理論を武器にして癲癇を治した経験を持っている私の癲癇の定義は、「てんかん(癲癇)」とは、脳内の神経細胞にherpesが感染し炎症を起こし興奮性シナプスの過剰な働きによる「てんかん放電」によって「てんかん発作」を起こしそうになり、更にその過剰な神経の興奮を抑制できる抑制性シナプスの働きもherpesの炎症によって抑制されて生ずる神経疾患です。
癲癇はどこにでもあるありふれた病気です。子どもから大人まで、どんな年齢にも見られますが、多くは小児期と高齢期に発病します。
癲癇は今日、およそ患者のヘルペスに対する免疫の強弱により30種類のてんかん症候群に分類されています。そのなかには薬を飲まなくても自然に免役が上がって癒るものから、数年あるいはそれ以上薬を飲み続けなくてはならない癲癇、そしてどのような薬を服用しても発作がとまらない難治性癲癇までと様々です。脳の手術によって発作が完全に止まる、あるいは著しく軽くなるてんかんもあります。癲癇はてんかん発作をヘルペスと免疫の力のバランスによって繰り返し起こす大脳の疾患です。てんかん発作は、大脳の働きがいろいろな組み合わせで表れるので、その症状は多彩です。しかし、ひとりの人の発作症状はほぼ一定していて、あれこれ変わることがないのはヘルペスが感染している脳の神経細胞やヘルペスの感染量が決まっているからです。患者の免疫の強さが大きく変わらない限りは一定した形の発作が繰り返して起きることが癲癇の特徴です。
てんかんには共通した性質があります。それは大脳の神経細胞から一斉に出現する過剰な放電(発射)であり、その放電(発射)は脳波に記録される特徴的な波である棘波(きょくは)として目で見ることができます。てんかんに特有なこの脳波異常は、てんかん発作が起きている最中にはもちろん、発作がないときにも証明する事ができます。何故ならばherpesが感染して住み着いている脳内の神経細胞で再活性化してローリングサークル型のDNA複製を核内で行い始めます。できたての数多くのDNAを細胞質に放出し成熟した自分の子供であるビリオンを作り出すためにてカプシドなどの部品をいろいろ作り出して増殖します。感染された細胞はできたてのヘルペスウイルスであるビリオン粒子に気が付いてアポトーシスするためにインターフェロンαやインターフェロンβを産生しだすと増殖をやめてしまい軽い炎症で終わってしまうのですが軽い癲癇発作が起こることがあるのです。つまり軽い炎症を起こし興奮性シナプスの過剰な働きによる「てんかん放電」によって「てんかん発作」を起こしそうになり、かつヘルペスによるその過剰な刺激による神経の興奮を抑制できる抑制性シナプスの働きもherpesの炎症によって抑制されて生ずる癲癇が見られることがあるのです。従って癲癇は、いつ起こるかは予知できない特有の発作を繰り返し、かつ脳波に棘波が表れる病気と言うことができます。
ところが見かけの発作症状はてんかん発作に似ていますが、てんかんに含まれない病気があります。失神発作、アルコールけいれん、心因性発作、憤怒けいれん、夜驚症などですが、これらの病気には癲癇に特有な脳波異常は是体に見られません。何故ならば失神発作、アルコールけいれん、心因性発作、憤怒けいれん、夜驚症はヘルペスが原因ではないからです。因みに「夜驚症」とは、睡眠障害の一種であり、恐怖の叫び声などを伴って、突然目を覚まし、おびたような表情や動作を示し、通常その間、家族などが話しかけても反応は鈍く、目を覚ました後は、ほとんど何も覚えていない睡眠障害です。
また、脳波に棘波をはじめとする癲癇性異常が認められるものの、何の発作症状もない場合があります。例えば、患者さんの身内の方に脳波異常が認められることがありますが、一生の間に一度も発作がなければ、癲癇ということはできません。これはヘルペスによって傷付けられた脳神経の障害が完全に修復されたからです。
しかも同じ発作を繰り返し、かつ何らかの脳波異常を示しても、癲癇から除外される病気があります。例えば、進行性の脳腫瘍や急性の脳炎のためにけいれん発作が現れる場合があります。これらの急性・進行性の脳疾患が原因となって発作が起きる病気は癲癇とはいいません。同じ発作を繰り返し、かつ何らかの脳波異常を示しても、てんかんから除外される病気があります。例えば、進行性の脳腫瘍や急性の脳炎のためにけいれん発作が現れる場合があります。これらの急性・進行性の脳疾患が原因となって発作が起きる病気は癲癇とは言いません。
てんかんに発作以外の神経・精神障害が重複する場合があります。例えば、出生時の障害に引き続いて脳性麻痺や精神発達遅滞が現われ、これに重なっててんかんが発病する場合です。この重複障害は胎児であるときにherpesに対する抗体がない妊婦から生まれて生ずる癲癇と同じ脳病変に基づくものです。これとは別に、重い癲癇発作を繰り返し反復した結果、知的な障害や精神的な問題などが現われる場合があります。てんかんに重複する障害と発作症状のどちらが重いかによって、医療・処遇上の力点は変わってきます。

癲癇は脳神経疾患としては世界中で最も多い病気の一つであり、有病者数は全世界で約5,000万人で、発症率は人口の1%前後ですから日本では50万人ほどです。日本では四番目に多い脳神経疾患です。18歳以下の子供がおよそ8割を占めています。なぜこんなに未成年者に癲癇が多いのも癲癇の原因がherpesである根拠の一つです。というのは妊婦がかかったことのないヘルぺスウイルスに出産前に感染して脳の神経に感染したからです。先天性の脳障害のすべてはヘルペスにかかったことのない妊婦が妊娠初期から中期にかけて脳が未完成である時期に感染したherpesが原因であるのです。
それでは何故、癲癇が世界中の脳疾患で一番多いのでしょうか?まず8種類のherpesのどれかに感染していない人は誰もいないこと、感染したherpesは免疫が弱い中枢神経系に住みたがり、herpesは生まれてすぐ感染するので成人する前に癲癇を発症して一生治らない病気にされてしまい、厳しい競争社会である資本主義の世界で生きるために自分の思うようにはならないストレスが多く脳の神経にherpesは増殖する一方ですからヘルペスによる脳の神経変性疾患のひとつである癲癇も増えていくのです。
ヘルペスウイルスは古くからすべての人類の脳神経にも感染し住み着いてきたので合成ステロイドがなかったにもかかわらずストレスが多かった有名な人物が癲癇になりました。例えば法律を守るために毒杯を飲んで自殺せざるを得なかったソクラテスやブルータスに裏切られ暗殺されたユリウス・カエサル、勝てない戦争を起こし最後は愛人と自殺せざるを得なかったアドルフ・ヒトラーは死に方を見ればわかるように政敵が多かったのでストレスが多くてherpesが脳にまで感染していったのです。しかも癲癇の全般発作時の激しい全身の痙攣と意識喪失のために決して治らない恐ろしい病気とされ今も昔も、偏見や差別の対象となってきました。自分から癲癇であると告白することは許されないのです。
完治は不可能であるとされていますが嘘です。治ります。わたしは治した経験もあり書き述べてきたように癲癇の原因もすべて熟知しているのでるから断言できるのです。対症療法にすぎない抗癲癇薬を用いることによって、治らないようにしているだけです。精神や神経の治療薬のみならずワクチンと抗菌剤を除いた他のすべて薬は病気の根本を治すものではなく製薬メーカーと医療関係者だけが治療の独占権と独り占めにした知識を武器として病気を治さなくても報酬がもらえるように医療法を自分たちに都合のいいように作った法律を盾にして無責任な資本主義的経済行為をやりつづけているのです。病気を治してこそ報酬がもらえる医療システムに変えるべきです。病気を治せない医療行為は医療ではありません。自分の病気を治せるのは自分の免疫だけです。病気の原因を解明せずして病気を治すことはできません。しかしherpesだけが最後に征服できない病原ウイルスであることを認めてしまうと、医薬業界は病気を作り続けることができないので破綻してしまうので誰も口にはしないのです。今はやっている新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンが効果あると思いますか?儲けるのは製薬会社だけです。

さて遅まきながら癲癇の脳波の重要性について語りましょう。癲癇の研究は臨床脳波学における中心課題の一つであり脳波が癲癇の診断や治療において最も威力を発揮するのです。しかし癲癇に見られる異常な同期発火脳波が何故みられるのかの原因については誰も知りません。Herpesの炎症による神経細胞の刺激であることは言うまでもないことですが、乳幼児期におこる癲癇の原因は出産時に産道を通過するときに産道に多いヘルペスに赤ちゃんが感染したからです。脳神経細胞の大脳基底核にある神経細胞の神経細胞体に感染したために癲癇発作を起こし電気信号である脳波に異常が出てくるのですが後で詳しく説明します。いずれにしろ癲癇を起こす子供たちは誕生と同時に脳にherpesが感染してしまって免疫が十分に出来上がる前に、大脳基底核にあるさまざまな脳神経細胞の神経細胞体に感染してしまったのです。例えば意思決定をつかさどる線条体と言われる被殻と尾状核は大脳辺縁系と大脳新皮質からそれぞれ興奮性入力を受けているのですが、大脳辺縁系の細胞に感染したherpesによって興奮性入力が強くなりすぎると癲癇が起こるのです。
ちなみに線条体という名前は線条体の尾状核と被殻が軸索繊維の束である白質の内包によって分断され尾状核と被殻が互いに連絡している部分が線条としてみえるので尾状核と被殻をまとめて線条体と命名されました。内包とは何でしょうか?内包は視床と大脳基底核の間にある白質部分で間脳に含まれ、大脳新皮質や視床からの軸索繊維の束から成り立っており軸索繊維は白く見える脂肪の多いオリゴデンドログリアで被覆されているからで白質部分となります。因みに神経細胞の細胞体が集まっている部分が灰白質となるのです。何故ならば細胞体は神経線維と違って脂肪でできているわけではないからです。
線条体の被殻の働きは大脳皮質の運動野と感覚野から興奮性の神経物質であるグルタミン酸を受け入れて身体の随意運動の調節や筋肉の緊張を調整を行いますが、ヘルペスが線条体の被殻に感染して炎症を起こすと興奮が強すぎて癲癇を起こしやすくなります。
線条体の尾状核は大脳基底核の黒質緻密部からドーパミン神経からドーパミンをおくられ、興奮を抑制されますが、尾状核にherpesが感染すると興奮を抑制できなくなり癲癇を起こしやすくなります。
大脳基底核の構成要素に淡蒼球があり淡蒼球外節と淡蒼球内節と腹側淡蒼球の三つに分けられます。線条体から抑制性のGABA作動性の抑制性の入力を受けます。淡蒼球からの抑制性のGABA作動性の出力は視床下核および淡蒼球内節と黒質網様部へ入力しますが線条体にherpesが感染しているとGABAの抑制が効かなくなり癲癇が起こりやすくなるのです。初めに説明したように癲癇は神経の興奮と抑制のバランスが崩れた時に発生するのですがこのように大脳基底核の様々な神経核の神経細胞にherpesが感染したために免疫が上がった時に脳の大食細胞であるミクログリアがヘペスと戦うと神経の興奮と抑制のバランスが崩れ癲癇が出るのです。決して大脳新皮質の神経細胞にherpesが感染して生ずるのではなく神経細胞の多い旧皮質である大脳基底核の細胞に感染したからです。だからこそ天才でも癲癇の人がいるのです。
視床下核も実は大脳基底核の構成要素の神経核の一つで淡蒼球外節から神経抑制作用を持つGABA作動の入力を受けると同時に大脳新皮質から直接興奮性のグルタミン酸茶道の入力を受けています。さらに視床下核の神経細胞は興奮性のグルタミン作動性であり黒質網様部および淡蒼球内節の興奮性のGABA作動性の神経細胞への興奮の出力を行うほかに淡蒼球外節への投射を行い、神経を興奮させようとするのです。

しかもどの脳の部位に感染したのかは今なお未知であり原因がわからず興奮しすぎる神経があるにもかかわらず他方ではその神経の興奮を抑制できる抑制神経と言われる神経が働いていないということだけはわかっているだけです。

2)脳波検査
てんかんの検査の中で最も重要なのは脳波検査です。脳波は脳の神経細胞が出すわずかな電流で、それを記録することで脳の異常を診断します。正常時の脳波は小さなさざ波のような波が記録されますが、発作時にはいくつかの神経細胞が同時に電気を出すために大きな電流が流れ、とげのようにとがった波(棘波:きょくは)や、やや幅の広い大きなとがった波(鋭波:えいは)などが現れます。このようなてんかん発作に関係する波を「発作波」と呼びます。脳波は形だけでなく、その出方によって電流の出ている脳の部位がある程度わかり、発作型の判断の参考になります。但し、脳はいつも同じ状態ではないため、一度の検査で異常がない場合でも繰り返し記録したり、発作時の記録をとることが必要な場合もあります

しかし原因はヘルペスであることはわかっているので癲癇を治す方法はあるのです。私が既にやって治した脳の免疫を上げる漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を投与するだけでいいのですが世界中の医者たちはこんな簡単な儲からない治療をだれもやろうとしないのです。なぜならば難病を治してしまえば医者は失業するからです。病気を私が最も多く治してきた得意とする自己免疫疾患の原因もherpesであるにもかかわらず大学の治験のための研究でさえ世界中の自己免疫疾患の専門家の誰一人もやらないのです。何も難しい患者さんに負担や苦しみを与える治験になるわけでもないのに残念ですね。アルツハイマーも同じ治療をやれば治っていく人が何人もいます。アルツハイマーの私が最高の症例です。16歳から原因不明のヘルペス性脳炎であったのですがその病気の一つである若年性認知症(若年性ヘルペス性海馬体炎)と若年性ヘルペス性扁桃体炎のために記憶力が落ち同時に感情が制御できなくなり続けましたが現在は抗ヘルペス剤と漢方煎じ薬を大量に服用しているのでいずれの病気も進行が抑えられ77歳になった今でも世界でただ一人の抗ヘルペス医療をやり続けています。現在の原因不明な病気はヘルペスです。脳の病気は一度脳細胞がヘルペスにより崩壊させられてしまうと修復が困難であるので完治することは難しいのですが確実に私の脳神経変性疾患に対する根源的原因治療であるので病気の進行を止めてくれるのです。
癲癇の脳波の特徴は、高振幅な棘波と徐波が不規則(hyps‐arrhythmia)に出現します。(hyps‐arrhythmiaは点頭てんかんに特徴的な高振幅律動性の異常脳波です。点頭てんかんは英語でInfantile spasm(乳幼児の筋肉の痙攣)であり、ウエスト症候群に特徴的にみられます。 点頭てんかんは、通常1歳未満の乳児に発症する予後不良のてんかん症候群です。「点頭」という意味は「うなずく」であり、その症状に、頭を下に垂らし、縦に動かしてうなずくような仕草をするという特徴があるので点頭癲癇と呼ばれます。

てんかんの脳波判定に重要なのは、基礎律動に対して「突発波」と呼ばれる突然で一過性に出現する脳波活動です。 その突発波の中でも、特に棘波(spike)、鋭波(sharp wave)はてんかんの診断評価に重要です。棘波の持続時間は 20~70ミリ秒、鋭波は 70~200ミリ秒で、ともに鋭いピークです。棘波と鋭波は、個々の神経細胞の過剰興奮と多数の細胞の興奮の過剰な同期を反映しています。
棘波・鋭波のあとに徐波が続くことがあり、それぞれ棘徐波複合と鋭徐波複合と言います。この徐波は過剰な興奮を抑えるための抑制の過程を反映しています。
棘波・鋭波が単独で発生する場合はてんかんの焦点範囲は狭く、棘徐波複合や鋭徐波複合が形成される場合はてんかんの焦点範囲が広範囲に及んでいるからです。


てんかん発作型の国際分類について
発作症状はてんかん発作型として、国際的に分類がなされています。主に部分発作と全般発作の二つに分類されます。大脳の局所にてんかん発射が発生して起こる発作を部分発作と言い、両側の大脳半球の広範な部位にてんかん発射が現れるものを全般発作と言います。

部分発作は発作時に、意識の減損があるかどうかにより、意識が保たれている時は単純部分発作として分類され、意識が減損している場合は複雑部分発作として分類されています。

単純部分発作の中の運動発作は四肢の部分的なけいれんやジャクソニアンマーチをとるものなどを言い、偏向発作は多くは頸の回旋運動で、てんかん焦点側と反対側へ回旋する場合向反発作ともよばれています。姿勢発作は特異な強直肢位をとる発作であり、音声発作は発声あるいは言語停止などです。体性感覚あるいは特殊感覚発作は外的刺激なしに起こる異常感覚や視覚、聴覚、臭覚、味覚などの発作症状です。高次大脳機能障害の発作としての精神発作には、言語障害発作、既視感などを呈する記憶障害発作、時間変容や夢様状態などを呈する認識発作、恐怖、怒りなどをしめす感情発作、大視症などの錯覚発作、音楽、光景などの発作症状を示す構造幻覚発作などが分類されています。

複雑部分発作には、単純部分発作として始まり意識減損する複雑部分発作と、始まりから意識減損する複雑部分発作があります。またこの複雑部分発作には自動症を伴うこともあります。自動症には口をもぐもぐしたり、ものを噛む動作をしたり、口をならしたり、飲み込み動作などの食機能自動症、手をもじもじしたり、服のボタンをいじったり、手をふりまわしたり、こすりつけたりするなどの身振り自動症、あるい動き回ったりする歩行自動症などがあります。また単純部分発作や複雑部分発作からさらに二次性に全般化発作となり、強直間代発作へと発展することがあります。

全般発作は通常発作の初めから意識消失をともない、運動症状は両側性です。脳波は両側性で、両側半球に広くひろがる神経回路網の発射を反映しています。全般発作は、欠神発作(3Hz棘徐波複合を呈する)、非定型欠神、ミオクロニー発作、間代発作、強直発作、強直間代発作、脱力発作あるいは失立発作に分類されています。
癲癇発作とは脳の神経細胞が、過剰に興奮した状態がてんかん発作です。てんかん発作は、大きく分けて「全般発作」「部分発作」に二つに分類されます。全般発作は最初から一気に脳全体が興奮状態になるもの、部分発作は、脳の一部から興奮が始まるもので、そこから最終的には脳全体に広がる場合もあります。大人の場合、部分発作が割合として多いです。小児では全般発作が多く起こります。発作の症状は、全般発作、部分発作それぞれの中でさらに細分化されますが全般発作について説明しましょう。

てんかんは、昔は精神的な障害のように思われていましたが、脳の神経細胞の異常な電気活動により起こるものであることがわかっています。このことは、脳の表面に電極を貼って、脳から出てくる電気活動を記録すると(脳波)、てんかん波といって脳の異常活動を記録することができるのです。
てんかんでは、どのようにして一般にひきつけと言われる痙攣(けいれん)が起きるのでしょうか。
大脳皮質の「運動野」といわれる領域は反対側の手足の動きを司っていますが、ここに異常な電気活動が起きると、これに対応して反対側の手足のけいれんが起こります。現象としては筋肉が収縮・痙攣しているのですが、そのおおもとは脳の神経細胞の興奮ということになります。始めは運動野以外の場所で起きた異常な電気活動が、神経細胞同志の連絡を介して、脳の様々な他の場所に広がるのです。この異常な活動が運動野にも波及すると、反対の手足のひきつけが起きます。ひきつけとは自分の意思とは無関係に、突然手や足が突っ張り、全身を硬直させる状態のことです。 ひきつけはけいれんと同じ意味で使われていますが、一般的には小児のけいれんに使う場合が多くのです。 脳の神経細胞が異常に興奮した場合や、脳になんらかの異常がある場合などに起こります。

全般発作は最初の臨床的徴候が、発作開始時に大脳の両側の半球がヘルペスに侵襲されていることを示す発作です。意識は障害されることがあり、この意識障害が発作開始時の症状であることもあります。運動現象は両側性である。発作時脳波像は発作開始時両側性であり、これは両側半球に広汎に広がっている突然のニューロン発射を反映しています。因みにニューロン発射は小脳内に存在するプルキンエ細胞にも見られます。小脳のプルキンエ細胞は後脳に位置する高密度な領域で、機能の一部として身体や脳の他の領域からの入力を受け、ヒトの体の動きの正確さやタイミングなどを微調整する働きを保持しています。このように小脳にもヘルペスが感染して全般発作の最初の臨床的徴候がかかわっていることも考慮すべきです。癲癇発作は大脳の異常ニュウロン発作だけにより起こるっているのではないのです。

 全般発作はてんかん発作の国際分類では①欠神発作(定型、非定型)、②ミオクロニー発作、③間代発作(かんたいほっさ))、④強直発作(きょうちょくほっさ)、⑤強直間代発作、⑥失立発作(しつりつほっさ)の六つに分類できるのでそれぞれの特徴的な症状と脳波を書き記しましょう。
①欠伸発作…短時間の意識消失。脳波は3Hz棘徐波複合です。
②ミオクローヌス発作…手足や身体が一瞬ビクッとなる。ミオクローヌスの意味は、筋肉や筋肉群に起こる素早い稲妻のような収縮を指します。 ミオクローヌスは片手にだけ、または上腕、脚、顔面の1つの筋肉群だけに起こることもあれば、多くの筋肉で同時に起こることもあります。脳波は多棘徐波複合(棘波が2つ以上続いて徐波につながる。あるいは 棘波が2つ以上続く。)が見られます。ミオクローヌスのミオは筋肉でありクローヌスは間代という意味です。間代という意味は次に説明します。
③間代発作(「かんたいほっさ」とか、「かんだいほっさ」とよみます。)…意識を失い、全身または一部の筋肉が律動的に収縮と弛緩が交互に繰り返し攣縮 (れんしゅく) を繰り返すので間代という言葉ができたのです。つまり間をおいて代わる代わりに収縮と弛緩が交互に繰り返す攣縮 (れんしゅく)が起こるから間代という名前がつけられたのです。手足が突っ張り、身体が硬くなる。間代は英語でクローヌスです。脳波は棘徐波複合です。
④強直発作…突然意識消失とともに全身の手足をつっぱらせて硬くする。大発作とも呼ばれる典型的なてんかん発作の一つです。 突然意識消失とともに全身の手足をつっぱらせて硬くする発作が数十秒から1 分続く。そのあとで、筋に収縮と弛緩が交互に繰り返し、手足をがくがくさせるような発作を間代発作と言います。脳波は棘徐波複合です。
⑤強直間代発作…大発作とも呼ばれる典型的なてんかん発作の一つです。突然意識消失とともに全身の手足をつっぱらせて硬くする発作が数十秒から1 分続いた後に(強直発作といいます)、筋に収縮と弛緩が交互に繰り返し、手足をがくがくさせるような発作(間代発作)を起こします。痙攣は普通数分以内におさまります、その後、患者は大きな息を吐き、口角より泡を吹いて眠りこみます。発作中、尿を失禁したり、舌を噛んで血がでたりすることもあります。発作が終わってもすぐに意識がすぐもどらず、その後もうろう状態を経て徐々に起きてくるのが特徴です。てんかん発作の中で最も良く知られていて、古くより大発作と言われてきました。前ぶれもなく突然起こることがあります。 全身が硬くなり、細かなけいれんが左右対称に10~20秒くらい続きます。脳波は強直発作と同じ棘徐波複合です。
⑥失立発作…激しい転倒発作。体幹の緊張が急に失われて立つことができなくて倒れる。ミオクロニー失立てんかん発作ともいわれます。脳波は多棘徐波複合(棘波が2つ以上続いて徐波につながる。あるいは 棘波が2つ以上続く。)です。

部分てんかんは、局在関連性てんかんとも呼ばれ、脳の過剰興奮の始まる場所が決まっていて、その場所と関連する症状から始まります。
意識障害のない単純部分発作の人は自覚症状としてはっきり覚えていることができますが、中には意識障害が伴い、意識障害のほうが先行して始まることもある複雑部分発作は、周囲の人から声をかけられたり、様子を見ていた人の情報が頼りです。始まる部分によって下記に分類されます。
①前頭葉てんかん②側頭葉てんかん③後頭葉てんかん④頭頂葉てんかん
タイプによって異なりますが、発症年齢が小児期までで、脳には病気のないタイプは薬がよく効き、発作を抑えやすいです。脳に何らかの病気や炎症、頭部外傷が元になっているタイプは薬では完全に発作を抑えられないケースもあり、発作を抑えるための手段として、脳の過剰興奮が始める場所を特定して切除する手術をすることで発作を止めたり、回数を減らす方法もあります。
部分てんかんには、『特発性部分てんかん』と『症候性部分てんかん』に分類されます。
特発性部分てんかんは、小児によく見られます。このてんかんは年齢に関連して起こり、症状の経過はよいとされています。
症候性部分てんかんは難治性になりやすいてんかんと言われており、治りにくく、長時間の治療が必要となるケースが多い。

『部分てんかん』と『全般てんかん』の違いは、てんかんの原因が脳の一部に特定されているのが『部分てんかん』で、最初から脳全体に過剰な興奮が起こるのが『全般てんかん』です。
さらに、そこから原因不明の『特発性てんかん』と脳の病気が原因となって発症する『症候性てんかん』に分けられます。従っててんかんの診断はまず発作型の診断を決めて次に症候群の診断を行う二段構えになっています。「二段構え」の意味はまず発作型の癲癇を確定した後でてんかん症候群の診断を国際分類に従って診断するのです。つまりまず患者さんのもつ原因不明の単一または複数のてんかん発作の発作型が確定したら、それらの発作の組み合わせと認知障害や麻痺などの神経学的症候および脳波所見を総合して、てんかん症候群国際分類に従って原因が明らかな癲癇症候群の診断がなされます。てんかん症候群の診断がつけば、それに基づいて最後は最も有効な薬物の選択がなされ、また病気の今後の成り行きが予想できます。
さらに外科手術の対象となるかどうかは、まず症候群診断が全般癲癇か部分てんかん(局在性の癲癇)かによって分かれ、全般てんかんは基本的には外科手術の対象から外れます。さらに部分てんかんの中でも、外科手術によって発作が抑制される可能性の高いもの(たとえば内側型側頭葉てんかん)とあまり高くないものに分かれていることも知っておいてください。
さてまず患者さんのもつ発作がてんかん発作であると確定したら、てんかん発作国際分類に従ってそれらの発作の発作型を決めます。てんかん発作国際分類では、発作型の決定は臨床症状のみでなく、それに伴う脳波所見を必要とする場合があります(たとえば定型欠神発作 における3ヘルツ棘徐波複合)。したがって、てんかん発作の確定診断には発作時脳波記録が必要であり、できればビデオ・脳波同時記録を施行されることが望まれます。
次に患者さんのもつ単一または複数のてんかん発作の発作型が確定したら、それらの発作の組み合わせと認知障害や麻痺などの神経学的症候および脳波所見を総合して、てんかん症候群国際分類に従っててんかん症候群の診断がなされます。てんかん症候群の診断がつけば、それに基づいて最も有効な薬物の選択がなされ、また病気の今後の成り行きが予想できます。
外科手術の対象となるかどうか(適応)は、まず症候群診断が全般てんかんか部分てんかん(局在関連てんかん)かによって分かれ、全般てんかんは基本的には外科手術の対象から外れます。さらに部分てんかんの中でも、外科手術によって発作が抑制される可能性の高いもの(たとえば内側型側頭葉てんかん)とあまり高くないものに分かれます。

それでは最後に現代用いられているどんな抗てんかん薬があるでしょうか?抗てんかん薬の作用はなんでしょうか?

薬の作用は目的は異常な電気的な興奮を一時的に抑えるだけですから原因治療ではないので飲んでも一生治らないのです。しかも薬を飲んでいても何かのきっかけで一時的に突発的に興奮が強くなれば薬で抑えることができなくなり、癲癇発作が起こることはしばしばあります。しかも正常な興奮を抑えることもありますから正常な神経活動ができなくなるので正常な脳の活動に作用に影響があることは言うまでもありません。しかもどの抗てんかん薬も副作用が多すぎます。

抗てんかん薬の作用によって抗てんかん薬を三つに分けることができます。

1.興奮系の働きを抑える。神経の興奮をさせないようにすることです。

神経細胞は、Na+やCa2+が細胞膜を通過して細胞内に入ることで興奮し始めます。これらのイオンの動きを抑えることで過剰な興奮が起こらないようにする薬を以下に示します。

①フェニトイン、② カルバマゼピン、③ バルプロ酸、 ④ゾニサミド、 ⑤エトスクシミド、 ⑥トピラマート、 ⑦ラモトリギン、⑧ペランパネルなど

2.抑制系の働きを強める。脳内にはGABAという興奮を抑える働きをもつ物質がある。

抑制系を強める抗てんかん薬はGABAの働きを強め、てんかんを抑える薬です。

①ジアゼパム、 ②クロナゼパム、 ③クロバザム 、④ガバペンチン 、⑤バルビタール系 、⑥ビガバトリンなど

3.新しい作用をもつ抗てんかん薬は、これまでとは違った作用で過剰な興奮を抑え、抑制的な働きを強めることで、てんかんを抑える。1.「興奮系の神経を抑制」と2.「抑制系の神経不活化」の二つの働きを同時に合わせ持たせた薬です。1種類しかありません。

①レベチラセタムだけです。

アルツハイマーと癲癇の違いはなんでしょうか?       

説明が前後してしまいましたがそもそも「興奮系の神経」や「抑制系の神経」とは何かについてもう一度みていきましょう。まず興奮させる神経とか抑制する神経とはいったいどんな神経なのでしょうか?まずシナプスの話から始めましょう。神経細胞は英語でニューロンです。シナプス伝達とは何かから見ていきましょう。

シナプス(接合部)とはニューロン間(神経細胞間)あるいはニューロンと筋繊維間にあり、あるいはニューロンと他の細胞間の接合部位とその構造です。生体内で、情報が神経から神経へと伝えられ、各種の感覚や運動や反応がおこされるためには、いくつかのニューロンに次々と興奮が伝えられることが必要である。その際、シナプス部における神経(ニューロン)間の興奮の伝達はシナプス伝達とよばれ、興奮が単一の神経繊維の軸索から神経細胞体へ更に樹状突起まで伝わる活動電位の伝導とは違った方法によるのです。活動電位や脱分極についてはここを読んでください。シナプスには化学シナプス(小胞シナプス)と電気シナプス(無小胞シナプス)に分類されます。まず化学シナプス(小胞シナプス)について説明します。後で電気シナプス(無小胞シナプス)についても触れます。というのは電気シナプスは網膜の細胞間や心筋の筋繊維間などで広くに見られるからです。

化学シナプスの基本構造はシナプス前神経細胞の軸索の先端が他の神経細胞の樹状突起や筋繊維と20nm(ナノメーター)ほどの隙間(シナプス間隙)をあけてシナプス接着分子によって細胞同士が接着しています。シナプス接着分子は神経細胞の軸先と他の神経細胞樹状突起の先端が離れないようにする分子です。

興奮による情報伝達は一方向に行われ、興奮がシナプスに達するとシナプス小胞が神経細胞膜に融合して細胞膜からシナプス間隙に神経伝達物質が放出されるのです。そして拡散した神経伝達物質がシナプス後細胞にある受容体に結合すると刺激が伝達されていくのです。

神経伝達物質とは何でしょうか?神経伝達物質は、ニューロンで生成されて、興奮や抑制を他の神経細胞に伝達する物質のことを言います。神経伝達物質の主な働きは、神経終末から分泌されて、その興奮を次のニューロンまたは効果器に伝達する役割をしています。神経伝達物質の種類は50種類以上ありますが、その働きが分かっているのは20種類程度です。

三大神経伝達物質と言われるセロトニンとドーパミンとノルアドレナリンは脳内や中枢神経系で働く神経伝達物質のうち、モノアミン神経系と呼ばれる神経伝達物質です。 20種類の中で特に重要な働きをもつ神経伝達物質が以下の通りです。

①アセチルコリン(興奮させる働きがあり、骨格筋や心筋などの収縮を促す)

②GABA(抑制させる働きがあり、ストレスなどを和らげる)

③セロトニン(抑制させる働きがあり、落ち着きや安定感をもたらせる、幸せ感をもたらす)

④ノルアドレナリン(興奮させる働きがあり、記憶力や集中力を高め、やる気を作り出し、やる気が極まると怒りにもつながる)

⑤アドレナリン(興奮させる働きがあり、心拍数をあげる)

⑥ドーパミン(興奮させる働きがあり、創造性や運動機能を高め、快楽、達成感をもたらす)

⑦オピオイド(興奮させる働きがあり、意欲などが失われる働きがある)

化学シナプスは働きによって三つに分けられます。①興奮性シナプスと②抑制性シナプスと③シナプス前抑制性の三つです。抑制性シナプスはシナプス後抑制性とも呼ばれます。

①の興奮性シナプスとは、シナプス伝達によってシナプス(接合部)の後の細胞(シナプス後細胞といいます。)を脱分極させ、活動電位の発火を促進するシナプス結合のことです。専門的な言い方をすると興奮性シナプスは信号を受け取ると興奮性シナプス後電位という信号をシナプス後細胞に発生させます。興奮性シナプス後電位は英語でExcitatory  PostSynaptic  Potenntialであり略してEPSPです。EPSPは神経細胞の分極状態が無くなる電位となるために脱分極というのです。脱分極が活動電位の発火なのです。まさに癲癇発作というのはこの活動電位の発火が無秩序にあちこちのシナプスで集団的に生じることで起こっているのです。このアットランダムな活動電位の発火を起こす原因は数多くの神経に感染したherpesなのです。どのようにしてヘルペスが起こすのかは最後に書きます。興奮性シナプスを形成するシナプスの前にある細胞(シナプス前細胞)は、興奮性ニューロンと呼ばれます。シナプス前細胞とはシグナルを伝える方の細胞であり、シナプス後細胞はシグナルを伝えられる方の細胞を言います。さらに興奮性シナプスとは、シナプス後細胞の活動電位発生を促進させるシナプスのことであり、興奮性のシナプス伝達によってシナプス後細胞が脱分極し、細胞膜の膜電位がある一定の閾値を超えるとシナプス後細胞に活動電位が発生するのです。

②の 抑制性シナプスは、逆にシナプス後細胞の発火を抑える作用をするのです。抑制性シナプスは信号を受け取ると抑制性シナプス後電位という信号を発生させます。抑制性シナプス後電位は英語でInhibitory PostSynaptic Potenntialで略してIPSPです。IPSPは神経細胞の分極状態がより強化される電位となるため過分極と呼ばれるのです。

③のシナプス前抑制性は英語ではpresynaptic inhibitiontと言い興奮性シナプスが起こす興奮性シナプス後電位(EPSP)を減少させます。もっとわかりやすく言い換えると、シナプス前抑制とは、興奮性のシナプス伝達をするシナプス前ニューロンの神経終末部にシナプスを作り、そこからの興奮性物質の放出を減少させて、興奮性シナプス伝達効果を抑制する仕組みです。

興奮性シナプスを形成するシナプス前細胞を興奮性ューロン、抑制性シナプスを形成するシナプス前細を抑制性ニューロンと呼ぶ。神経の興奮伝達においては興奮性シナプスといった場合には興奮は化学的に行われるので興奮性の化学シナプスのことを指します。化学シナプス以外にあります。電気シナプスも癲癇の発作にも関りがありますのでここで少し 電気シナプスとは何か?についてまとめておきましょう。化学シナプスとは異なって電気シナプスは抑制のシナプスとして機能するのです。電気シナプスは神経細胞間がイオンなどを通過させる分子がギャップ結合によって異なるニューロン同士の細胞質が直接連結しているので細胞間のイオンの移動が容易なのです。この抑制性の電気シナプスは網膜の神経細胞間や筋繊維間などで広く見られます。化学シナプスよりも高速な伝達が行われ多くの細胞が協調して作用できるのです。又海馬や大脳皮質の抑制性の神経細胞の樹状突起間や下オリーブ核や視床にも発見され電気シナプスは高速で伝わるのでこれらの中枢神経の情報の伝達手段として重要視されています。

 興奮性の化学シナプスでは、シナプス前終末(シナプスの前にある神経の終末)から放出された化学物質の神経伝達物質がシナプス後膜上(シナプスの後ろにある神経細胞の膜の上にある)の受容体に結合することでシナプス後細胞が脱分極する。神経細胞から放出され、作用する物質として、人の中の 神経伝達物質の種類は100種類以上にも及ぶ中枢神経系ではグルタミン酸が、末梢神経系ではアセチルコリンとノルアドレナリンが主な興奮性神経伝達物質として用いられています。同じ神経伝達物質でも、シナプス後膜上の受容体の種類が違えばその神経伝達物質のその作用も異なる。例えばアセチルコリンは、ニコチン受容体に結合するとシナプス後細胞を興奮させるが、ムスカリン受容体はサブタイプによって興奮作用を示すものと抑制作用を示す二種類の受容体があります。ギャップ結合とは、隣り合う 神経細胞や上皮細胞 をつなぎ、水溶性の小さいイオンや分子を通過させる細胞間結合 のことです。

末梢神経系の主な興奮性伝達物質と興奮性ニューロンの種類

アセチルコリン    ①運動神経、②交感神経節前線維、③副交感神経

ノルアドレナリン①交感神経節後線維

中枢神経系の主な興奮性伝達物質と興奮性ニューロンの種類

グルタミン酸       ①中枢神経全般

アセチルコリン    ①前脳基底部、②中脳橋被蓋

ドーパミン           ①黒質緻密部、②中脳腹側被蓋野など

ノルアドレナリン①青斑核、②外側被蓋

アドレナリン       ①孤束核、②背側縫線核

セロトニン           ①縫線核

図1.興奮性シナプスの構造とシナプス伝達課程

 興奮性の化学シナプスの基本的な構造は、神経伝達物質を内包するシナプス小胞がシナプス前終末に集積し、シナプス間隙を挟んで伝達物質受容体の並ぶシナプス後膜と相対している(図1)。シナプス前終末には神経伝達が放出されるアクティブゾーンがあり、直径30-50 nmのシナプス小胞とともに、伝達物質の開口放出に必要な電位依存性カルシウムチャネルやSNAREタンパク質が集積している。SNAREタンパク質とは、 神経細胞 において シナプス小胞 が 細胞膜 ( シナプス 前膜)へ融合する過程を媒介するタンパク質である。シナプス間隙はシナプス前終末と後細胞間の12-20 nmの隙間であり、開口放出された神経伝達物資はシナプス間隙を拡散してシナプス後膜上の受容体に結合する。

 シナプス後膜の直下にはシナプスの構造タンパク質や調節タンパク質が集積したシナプス後肥厚(post‐synaptic density; PSD)呼ばれる構造がある。興奮性シナプスはシナプス後肥厚が発達しています。

 興奮性シナプスの形態は、脳の多くの領域で見られるボタン状シナプスの他、網膜のリボンシナプスや、脳幹や毛様体神経節で見られる杯状シナプスなど多岐にわたる。ボタン状シナプスは、樹状突起に1 μm以下の間隔で密に並んだスパインと呼ばれる微細な突起にシナプスを形成している。多くの場合、単一のボタン状シナプスの入力による脱分極は大きくないが、一つの神経細胞に数千から数万も存在するスパインへのシナプス入力の加算によってシナプス後細胞で活動電位が発生する。アクティブゾーンに特殊な構造を持つリボンシナプスや単一シナプスに複数のアクティブゾーンを持つ杯状シナプスは、一度に多数のシナプス小胞が開口放出され、シナプス後細胞を強く興奮させる。

シナプス伝達過程を説明しましょう。開口放出された神経伝達物質はシナプス間隙を拡散し、シナプス後細胞膜上の受容体に結合する。シナプス後細胞膜上の受容体に二種類あります。イオンチャネル共役型受容体と代謝活性型受容体の二つです。

イオンチャネル共役型受容体の場合は、神経伝達物質の結合によって即座にイオンチャネルが開き、ナトリウムやカルシウムといった陽イオンが細胞内に流入することでシナプス後細胞が速いスピードで脱分極する。代謝活性型受容体の場合は、受容体への神経伝達物質結合によってGタンパク質を介した細胞内シグナルが働き、受容体とは別に存在するカリウムチャネル等の開口状態が変化することで遅いスピードで脱分極が起こる。 

電気生理学的に興奮性シナプスを説明しましょう。 興奮性シナプスにおいて神経伝達物質がイオンチャネル共役型受容体に結合すると陽イオンのコンダクタンス(膜透過性)が増加する。静止膜電位付近では、これら受容体の反転電位より細胞の膜電位は低いので、細胞外の陽イオンがシナプス後細胞に流入し膜電位は脱分極する。この膜電位変化を興奮性シナプス後電位(excitatory post‐synaptic potential; EPSP)という。このとき電流は細胞の内側に向かって流れ、この内向きの電流を興奮性シナプス後電流(excitatory post‐synaptic current; EPSC)と呼ぶ。また、細胞膜を横切って電流が流れることで細胞外電場にも変化が生じるので、興奮性シナプス後場電位(field EPSP; fEPSP)と言う。

 代謝活性型受容体では、カリウムコンダクタンス(膜透過性)の低下による遅いシナプス後電位と細胞膜の電気抵抗の増加がある。

次にシナプス可塑性について説明しましょう。可塑性とは、変化させた後に元に戻らない状態や性質を意味します。

 興奮性シナプス、特に脳内のシナプスは、活動依存的に短期可塑性および長期可塑性を示し、動的な神経ネットワークを構築している。「活動依存的に」という意味は勉強すればするほど頭に記憶した知識はいつまでも覚えて忘れないという意味です。だから77歳になっても勉強を継続して短期可塑性および長期可塑性の理解と記憶を増やしているのです。

短期可塑性とは代表的なものとして、paired pulse facilitation(PPF)およびpaired pulse depression(PPD)が挙げられる。PPFとPPDの意味はシナプス前細胞を連続して刺激した際に、1回目のシナプス伝達と比較して2回目のシナプス伝達が促通(facilitation)または抑圧(depression)される現象である。短期可塑性のメカニズムには、シナプス前終末へのカルシウム流入と開口放出確率の変化、およびシナプス小胞プールの大きさが関与しているのです。つまりカルシュームが多くかつ開口放出が多ければ多いほどかつシナプス小胞が多ければ多いほど2回目のシナプス伝達が促通(facilitation)がしやすくなるのです。

長期可塑性とは高頻度刺激で誘発される長期増強(long-term potentiation; LTP)および低頻度刺激で誘発される長期抑圧(long-term depression; LTD)があり、数十分以上の時間にわたってシナプス伝達強度が変化する。また、シナプス前細胞-後細胞の発火タイミング依存的にLTPもしくはLTDが生じるスパイクタイミング依存性シナプス可塑性(spike timing dependent plasticity; STDP)と呼ばれる現象が様々なシナプスで見られる。

 長期可塑性ではタンパク質リン酸化・脱リン酸化や転写・翻訳等の機構により長期的にシナプス伝達が変化するが、開口放出が変化する場合や伝達物質受容体が変化する場合など、可塑性の発現機構はシナプスの種類や刺激パターンによって多様である。長期可塑性に伴って樹状突起のスパイン形態の変化が生じることもあり、シナプスの機能と形態が共に変化することで神経ネットワークの構築と改変が行われている。

図2.シナプス可塑性の例について具体的にしましょう。

(a)海馬苔状線維(MF)-CA3シナプスで記録したPPF。短い時間間隔で連続刺激を行うと、1回目の応答(fEPSP)と比較して2回目の応答が増加している。

(b)MF-CA3シナプスのLTP。100 Hz・100回の高頻度電気刺激を行うと、その後30分以上にわたってシナプス伝達が増強される。

 シナプス前細胞で発生した活動電位は軸索を伝播し、シナプス前終末に到達する。シナプス前終末では、活動電位による脱分極で電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。カルシウムイオンが引き金となってアクティブゾーンに係留されていたシナプス小胞が細胞膜に融合し、シナプス小胞に内包されていた神経伝達物質がシナプス間隙に開口放出される。

抑制性シナプスとは何でしょうか?

 抑制性シナプスとは、シナプス伝達によってシナプス後細胞を過分極させ、活動電位の発生を抑制するシナプス結合のことである。抑制性シナプスを形成するシナプス前細胞は、抑制性神経細胞と呼ばれる。抑制性の化学シナプスにおいては、GABAやグリシンなどの神経伝達物質を放出する抑制性神経細胞の軸索終末とシナプス後細胞が抑制性シナプスを構成する。主な抑制性シナプスは、GABA作動性シナプスとグリシン作動性シナプスであり、複数の神経伝達物質を共放出するシナプスも存在する。

 神経細胞のうち、伝達物質としてGABAあるいはグリシンをもち、シナプス後膜においてClイオン透過性を上昇させ細胞膜を過分極させるか、シャント効果により膜電位の伝播を抑制するものを抑制性神経細胞という。大脳皮質では約20%の神経細胞がGABAを伝達物質としてもつGABA作動性抑制性神経細胞である。局所回路においてのみ作用することから介在神経細胞とも呼ばれ、興奮性神経細胞からの出力を調整し、同期性を制御したり、過剰興奮を防ぐなど重要な機能をもつ。介在ニューロンとは、所属する部位だけに軸索が限局し、近傍の神経細胞にのみ情報を伝達するニューロンのことを指す。介在の本来の意味は二つのものの間に別のものが挟まるという意味です。この間に挟まって存在する介在ニューロンは形態学的、電気生理学的、神経化学的に多種多様であり、形態・機能・マーカータンパク質の発現などの点からも多様であり、大脳皮質では形態的には大型バスケット細胞、小型バスケット細胞、ネストバスケット細胞、シャンデリア細胞、紡錘細胞、ダブルブーケ細胞、マルチノッチ細胞などと呼ばれる介在ニューロンが存在する。シナプスを形成する部位からは、興奮性神経が過剰興奮しないように樹状突起、細胞体、軸索部分にそれぞれ特化した抑制性神経細胞が存在し、その機能と密接に関連しているのです。発生期には終脳腹側の基底核原基で産生され、大脳皮質に移動し局所回路に組み込まれるのです。

図1.抑制性入力のスイッチングの一例の具体的な説明をしましょう。

聴覚の情報にかかわる内側台形体核の抑制性神経細胞は外側上オリーブ核に投射するが、軸索終末部では抑制性神経伝達物質のスイッチングが生じる。すなわちP1-2ではGABAのみが放出されるが(左)、未熟期(P6-7)の共放出の時期(中)を経て、グリシンのみの放出を行うようになる(右)。

 中枢神経系には興奮性神経細胞の他に多数の抑制性神経細胞が存在する。大脳皮質では約20%の神経細胞が抑制性神経細胞である。大脳皮質の抑制性神経細胞の大多数は、局所回路において作用することから介在神経細胞(interneuron)とも呼ばれ、興奮性神経細胞からの出力を調整し、出力の同期性を制御したり、過剰興奮を防ぐなど重要な機能をもつ。

 抑制性神経伝達物質にはGABA及びグリシンが有るが、中枢神経系においてはGABA作動性神経細胞が広範囲に存在しており、グリシン作動性神経細胞は主に脳幹部及び脊髄に存在している。またGABA及びグリシン共放出の形態も存在することが知られている。また、聴覚中継路核の外側上オリーブ核(lateral superior olivary nucleus, LSO)における内側台形体核(medial nucleus of the trapezoid body, NMTB、trapezoidは台形様の)からの抑制性入力において、単一神経終末部から放出される伝達物質が未熟期にはGABA優位であったものが、GABA及びグリシン同時放出の時期を経て、成熟期のグリシン優位の状態へと徐々に発達変化していくことも報告された。このように共放出を含めた3つの抑制性伝達物質放出様式を持つ(図1)。

 抑制性神経細胞の作用機序は抑制性神経細胞から放出されたGABAやグリシンは、シナプス後膜においてGABAA及び/もしくはグリシン受容体の活性化を介してClイオン透過性を上昇させる。Cl平衡電位が静止膜電位より深い場合には過分極応答を引き起こす。Cl平衡電位が静止膜電位より浅い場合やあるいは静止膜電位に近い場合においても、Clイオン透過性の亢進によって膜抵抗が小さくなることによって、膜電位の伝播を抑制する。

 幼若期、あるいは成熟後においても神経損傷等の病態時には、細胞内Clイオン濃度が比較的高い事が知られている。このため、Clイオンの平衡電位は静止膜電位よりも浅い状態にある。このような状態ではGABAA受容体の活性化により、Clイオンは細胞内から外へ流出する形となり、過分極応答ではなく、脱分極応答を示す事が知られている。

抑制性神経細胞の分類は 大脳皮質における抑制性神経細胞は樹状突起上に棘突起が乏しい(aspiny)といった共通の特徴を有するものの、形態・機能・マーカータンパク質の発現などの点からは非常な多様性をもつ。例えば大脳皮質には、形態的には大型バスケット細胞、小型バスケット細胞、ネストバスケット細胞、シャンデリア細胞、紡錘細胞、ダブルブーケ細胞、マルチノッチ細胞などが存在する。

 シナプスを形成する部位からは、興奮性神経細胞上の樹状突起、細胞体、軸索部分にそれぞれ特化した抑制性神経細胞が存在し、その機能と密接に関連する。軸索に形成された抑制性シナプスは、興奮性神経細胞からの出力を強力に抑制し、シナプス前抑制と呼ばれる。遠位樹状突起に形成された抑制性シナプスは、近傍の樹状突起への興奮性入力を局所的に微調節する。

 抑制性神経細胞が発現するマーカータンパク質からはパルブアルブミン、ソマトスタチン、カルレチキュリン、さらにカルレチニン陽性細胞の中にはニューロペプチドYや血管作動性消化管ペプチド (vasoactive intestinal polypeptide, VIP)などを発現する抑制性神経細胞に分類される。

ようやく終わりが見えてきました。次で最後です!皆さん最後まで着いて来て下さい!!
何故、どのようにして癲癇が起こるのでしょうか?⑦

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