潰瘍性大腸炎・クローン病 症例報告

潰瘍性大腸炎、クローン病完治の症例報告Part27(コメントなし)更新2022.5.22

投稿日:2022年5月21日 更新日:

症例報告61例目

完治された病名1)潰瘍性大腸炎2)流産

患者:33歳、女性

2006年5月、ちょうど就職活動が終了した直後、下痢により1日5回ほどトイレに行くようになりました。当時、友人が続々と内定をもらう中、患者さんはすぐに内定が取れず、毎日、会社説明会、面接を入れ続け、かなりのストレスを溜めていたことにより彼女の体からステロイドホルモンが大量に出され免疫が抑制され、殺しのIgGが化学物質やヘルペスを殺そうとして下痢の症状が起こったのです。異変を気づきつつもあまり気にせずそのままにしていましたが、下痢がずっと続いたため、数カ月後に病院を受診。お腹が緩くなっているだけかもしれないと診断されビオフェルミンを処方されましたが、飲んでも状態は改善しませんでした。トイレに間に合わないことも多々あり、ましてや年頃の女性が漏らしてしまったときは本当に情けなく、つらい思いをされたことでしょう。

そんな状態が1年ほど続き、さすがに母親が大きな病院で検査をしてもらおうと言い、大学病院で内視鏡の検査を受けるとそこでやっと潰瘍性大腸炎の診断がつきました。2007年4月のGW直前のことでした。「この病気は一生治らず、うまく付き合い続けていく必要がある」医師に言われ、患者さんはショックを受けました。何回も述べているように現代の医療で治らないと言われる自己免疫疾患の原因は全て化学物質とヘルペスウイルスなのです。しかしすでに死んだ無生物である化学物質と全てのヘルペスウイルスを殺しきることはできないので大量の漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を使って免疫を上げさせてクラススイッチを起こし殺しのIgGから排除のIgEに変えて、最終的に自然後天的免疫寛容を起こして免疫とヘルペスウイルスの戦いを休戦し共存すれば症状が治ってしまうのです。

当時の症状は、1日5~6回ほどの下痢のみで、軽症~中等症レベルでした。ペンタサの飲み薬とペンタサ注腸を処方されましたが、注腸は投薬するのが面倒で時間もかかるため飲み薬だけ飲まれていました。3年ほど続けていましたが、特に症状に変化はなく改善されませんでした。

2010年10月に薬をサラゾピリンに変えることになりました。この時から、少しでも症状を改善したいと前向きに思うようになり、一緒にもらっていたサラゾピリン注腸も真面目にやり、寛解となりました。そこから4年ほど病気のことは気にせず、日々を過ごすことができていました。(排便回数1日2回、下痢はあり。)しかし、症状がおさまったのは薬により免疫を抑えて一時的に炎症を抑えただけでいずれ必ず再発し以前より悪化してしまうのです。患者さんが病気を治そうと前向きになっているのに逆に病気づくりをさせられていると思うと憤りを感じざるを得ません。

サラゾピリンに変更してから特に症状もなく生活していました。2014年2月に結婚し、その年の6月に妊娠が判明。大学病院の先生から「サラゾピリンは妊娠中でも飲める薬なので、母体の安定のためにも飲み続けてください」と言われました。しかし患者さんはお腹に赤ちゃんがいる中で薬を飲むことにかなり抵抗があり、医師と相談したうえで薬をやめることにしました。その後、薬をやめても全く症状はなく、便は何年かぶりの普通便となり、むしろ完治したのだと思わせるくらい快調でした。

しかし2015年3月、出産後2ヶ月ほど経ったころからトイレに行くことが多くなっていきました。ついに下血もし始め、最後は1日20回ほどトイレに行き、出すものがなく、血だけ出るようになりました。体も38度の熱でフラフラでした。なんとか病院に行き、即日入院が決まりました。女性は出産する時まで胎盤ホルモンを出してお母さんの免疫がお腹の中にいる赤ちゃんを攻撃しないように免疫を抑制します。なので出産を終えると急激に胎盤ホルモンが減って抑制されていた免疫が元に戻り、免疫を抑えている間に増殖したヘルペスウイルスと化学物質と免疫の戦いが始まり、リウマチやシェーグレン症候群などの膠原病の症状が起こるケースが多いのです。

入院中ではステロイドの投与が始まりました。このとき、ステロイドがよくない薬だと漠然とは知っていましたが、高熱によりフラフラで1日も早く生まれた子供のもとに戻らねばと思っていた患者さんは、ステロイド治療を受けました。その日の夜には症状が落ち着き、一瞬にして治まった症状にそのときは“なんてすばらしい薬なんだ”と思うくらいでした。しかし、ここからステロイド地獄への道に向かっていったのです。

10日ほどで退院され、ステロイドの減量が開始されました。ところがステロイド20mgに減量になったころ、また悪夢のような症状が現れ始めました。トイレは1日10回超、下血は再開し、そんな中での育児もあるので毎日フラフラになってしまいました。体力の限界を感じ再度入院。今度はレミケードやプログラフを試しましたが効かず、またステロイドを使うことになってしまいました。

ステロイドで症状が落ち着き、退院後は前回よりも慎重に減量したのですが、ステロイドをやめた1週間後、また症状が現れました。このときは、まず手足の関節痛や腰痛(仙腸関節炎)が出ました。その後、頻回の下痢が出始め、またフラフラの状態に戻ってしまいました。医師からは「またステロイドを」と言われましたが、同じことの繰り返しだと思い、ステロイドは断固拒否しました。代わりにヒュミラを投与された結果、すべての症状が消え、2015年10月に寛解となりました。この時はヒュミラ様様と思っていました。そうです。ステロイドを使い始め炎症が治まったあと減量を行うと抑制されていた免疫が徐々に元に戻っていき、免疫が抑制されていた間に増殖したヘルペスウイルスと化学物質と免疫が再び戦い始めてさらに激しい炎症を起こすのです。そしてまたステロイドを使って炎症を抑え、炎症が治まったらまた減量をして炎症を起こすの繰り返しとなってしまうのです。

寛解後、1年ほどヒュミラを投与していましたが、2016年10月、2人目の妊娠が判明しました。そして、それとともに体調も悪化しました。医師と相談し、ヒュミラの本数を一時的に増やして、なんとかこれ以上の悪化を食い止めていましたが、流産をしてしまいました。のちに流産と潰瘍性大腸炎の悪化は関係なしと医師に言われたそうです。

流産後、皮肉にも体調は安定し始めていたのですが、胞状奇胎の疑いで再手術をした後、また症状が悪化しました。胞状奇胎とは、水ぶくれとなった絨毛細胞(妊娠時の胎盤をつくる細胞(栄養膜細胞またはトロホブラストとも呼ぶ))が子宮内に充満し、「いくら」や「ぶどうの房」のような状態を指す疾患です。約500妊娠に1回の割合で発生するといわれています。近年、妊娠数の低下に伴って減少傾向にあります。
胞状奇胎は精子と卵子の受精の異常によっておこり、母親の卵子由来の核(DNA)が消失し、父親の精子由来の核のみから発生(雄核発生)する全胞状奇胎と、父親からの精子2つと母親からの卵子1つが受精した3倍体から発生する部分胞状奇胎(胎児共存)とに分類されます。

胞状奇胎の肉眼像

2016年12月、年末で病院が閉まってしまうこともあり、予約なしで大学病院の主治医のところへ行きました。しかし、主治医は忙しかったようで外来担当の若い医師の診察を受けました。以前もヒュミラを一時的に多く投与して体調が安定したので同じようにしたいというと、その医師にそっけなく「そういう風に使う薬じゃないんですけどねー」と言われました。その一言で患者さんはやっと大学病院の医師や薬に踊らされているモルモットなんだと気づきました。そもそも免疫力をあげて病気を治すのが一般的なのに、なぜ免疫を抑える必要があるのかと今更ながら矛盾に気づきました。遅すぎますが。ですが、気づかせてくれた若い医者には嫌味も込めて感謝しなければなりませんね。アハハ!

そこからインターネットで「潰瘍性大腸炎完治」で調べ、松本漢方クリニックを見つけました。松本理論と当時掲載されていた沢山の患者さんの手記を読み、ここならいける!!と思い当院に受診することを決意されました。私のホームページやブログには様々な理論や情報があり、どれも重要ですが、患者さんが一番心に刺さったのは「ステロイドは麻薬です!」の一言でした。2回の離脱に失敗し、離脱症状に苦しんだ患者さんは、この言葉は本当にその通りだなと思い、正しいことを伝えてくれていると確信もしたのです。

そして、2016年12月28日の最終営業日にご主人と一緒に大阪まで来られました。年末のかなり忙しい時期なのに、松本漢方クリニックの話をしてすぐに仕事の調整に動き、翌日大阪に一緒に行ってくれたご主人には感服ものですね。当日13時に大阪に到着され、松本漢方クリニックに来院されました。漢方薬の匂いが充満している院内に不思議と落ち着きながら、先に鍼灸を受けてもらった後、診察を行いました。開口一番に「遠いところ、ご苦労さん!」と労いの言葉を言って握手し患者さんの緊張をほぐしつつ、下痢、出血のほかに頭痛や肩こりなどの症状を確認し、最後に「自分の免疫で治すんやで」と再度言って、最後のもう一度握手をして診察を終えました。後日、患者さんは体は疲れていましたが、気持ちは充実していたと今でも覚えているとおっしゃっていただけました。当日、帰宅したのは21時を過ぎていましたが、すぐご主人と一緒に漢方を煮出しました。

翌日から下痢止めと止血の漢方を飲み始めました。下痢止めの漢方は手記に書かれていた通り、かなりのマズさでこれを毎日飲み続けることができるか不安だったそうですが、3日で慣れたそうです。止血の漢方は全く問題ありませんでした。アシクロビルも6錠×4/日から始めてもらいました。当時1日の排便回数は5回ほどでしたが、1週間で2~3回に減り、1カ月後の2017年1月末には排便回数1~2回で、下血もなくなりました。本当に喜ばれていましたが、それと同時にリバウンドがいつ来るのかいつ来るのかとドキドキされていました。

2017年3月末、だんだんと体が痛くなってきました。下痢が4~5回に増えていきました。この時にリバウンドがもう来そうだなと確信していた患者さんは、良くなるまで会社を休職し、子供の保育園の送り迎えや食事も近くに住んでいる実家の母親にお願いしました。絶対乗り越えてやるという強い意気込みを感じます。

2017年4月に入り、肩に尋常じゃない痛みが起こりました。肩こりと呼べるようなものではなく、肩に鉛がのっているような感じでした。それが2週間ほど続き、今度は両足首、両手首、両膝肘に痛みが出ました。手足首の骨が見えないくらいむくみ、激痛により、歩行も困難で、お腹の調子もよくなかったため(1日10回超の下痢下血)、家の中でも1日1回はトイレに間に合わず、漏らしてしまうような状態が続きました。

あまりにも壮絶なリバウンドに本当に心が折れそうになる時も多々ありました。漏らしてしまった後、お風呂場で体をきれいにしているときは泣けてきました。そんなときは、同じように苦しんだ人の手記を見つけて、励みにしていました。1ヵ月ほどこのような状態が続き、寝たきりのような生活で食事もあまり取れず、体重は5kg痩せ、生理も止まってしまいました。2週間に一度電話診察をしてもらい、水分をちゃんと取ってるか、漢方風呂に入った直後に電話をもらったときは「湯冷めするなよ~。」等心配したり、活も入れながら患者さんを支え続けました。

2017年5月のGWに入り、手足首等の痛みはまだまだありました。ご主人の提案で気分転換に車で少しドライブに行かれました(患者さんはほぼ歩けないので、近くのドライブスルーのスターバックスにでしたが)。3週間ぶりに外に出てとても気持ちがよかったそうです。治療中にストレスを溜めると鬱にならないように体の中からステロイドホルモンを出して免疫を抑制し治りが遅くなってしまうので気分転換してストレスを減らすことは良いことです。ただし無理ない範囲でですがね。

その頃から1日2回の下痢のみ下血なしに収まりつつありました。患者さんの免疫が上がり始めてきた証拠です。またGW明けから近所の鍼灸院に1週間に一度行ってもらいました。お灸だけでなく鍼も受けて免疫を上げて欲しかったためです。するとだんだんと体の痛みも少なくなっていきました。最初は家から10分の最寄駅まで行くのに10歩歩いては休むという感じで30分弱かかっていましたが、2017年6月に入る頃には、まだ痛むところもありましたが、通常の生活ができるレベルにまで体が戻っていきました。

2017年6月初旬、今度は激しい腰痛が出始めました。この腰痛により、良くなっていた膝にも負担がかかり、また2週間ほど寝たきりになりました。ちょうどこのとき、落ち着いていたお腹も一緒に悪くなり、下血をし、排便回数1日4回ほどになりました。再びリバウンドが出てきたのです。それほどまでに大量のステロイド剤や免疫抑制剤を長期間医者に入れられてきたのです。しかし前回のリバウンドに比べて出てきた症状が良くなってきていました。しばらくしてリバウンドを無事乗り越え完治された患者さんは現在、当院には通われておりません。この世に治らない病気はないと患者さんたちは常々私に証明してくれますね。

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