アトピー性皮膚炎 症例報告

アトピー性皮膚炎完治の症例報告Part11(コメントなし)更新2022.3.25

投稿日:

症例報告40例目

完治された病名1)アトピー性皮膚炎

患者:9歳、女性

この患者さんは、生後3ヵ月を過ぎても乳児性湿疹がなかなか良くならず、腕や足の関節が赤く切れて痛々しい状態が続きました。ミトン(手袋)をはめてもすぐに外してしまい、かきむしっていたそうです。この頃から、赤ちゃん特有のつるつるした肌ではなく、弱い薄い皮膚で乾燥しがちでした。

・最初の小児科(生後の乳児検診~1歳過ぎまで通院)

4ヶ月の時、初めてアレルギーテスト(採血)をしてもらい、「卵白」にクラス3の反応が出ました。離乳食の頃は、卵を除去する指導も受けました。

〈処方されていた薬〉
セルテクトドライシロップ
ロコイド軟膏
プロペト

一年間は定期通院をして上記の薬をもらっていたが、お子様の皮膚の状態は、全くと言っていいほど何の改善も見られません。11ヶ月の頃、高熱が出て、胸から肩にかけてカポジー水痘様疱疹ができました。水ぶくれがつぶれて、消毒をして薬を塗るのも包帯を替えるのにも号泣し、とても可哀想な状態でした。これが初めてのヘルペスです。

・二つ目の小児科(1歳過ぎ~7歳始めまで通院)
1歳時の採血テスト…「卵白」クラス2「IgE値 20」
3歳時の採血テスト…「卵白」クラス1。「ダニ、ハウスダスト」クラス3。「カモガヤ、オオアワガエリ」クラス5。「IgE値 297」↑
4~5歳で「IgE値 150」程度
6歳「Ige値 333」↑
7歳「IgE値 684」↑

〈処方されていた薬〉
セルテクトドライシロップ
クラリチンドライシロップ
アルメタ軟膏とヒルドイドソフト軟膏の混合
リンデロンVG軟膏

アレルギー薬としては、だいたいこの処方が続き、約4~5年の間、抗アレルギー薬とステロイド入りの塗り薬を使っていました。アトピーの症状が慢性化していた部分は、ひじの関節、手首の関節、ひざの関節、太ももの裏、足首。症状は少し軽くなったり、重症化したりの繰り返しで、その間にヘルペスにも何度もかかり、その度に薬を服用してました。

一年を通して、春と秋はイネ科の花粉症が出て鼻水や目のかゆみ、夏は汗をかくと慢性化部分の湿疹がジュクジュクしてかゆみがひどくなり、夏場は絶対と言っていいほど「とびひ」にかかりました。冬は乾燥肌に悩まされ、肌はいつも粉をふいたようにカサカサ。この頃、いつもの小児科で、新しくシングレアチュアブル錠が処方されました。医師は喘息の薬と言ったそうですが、お子様は喘息の症状は出たことがなく、きちんとした説明もないまま薬だけが増やされていきます。

お母様の妹様から当院の情報をもらい、当院のホームページを見られました。そして2011年8月30日、岡山から新幹線に乗って、当院を受診されました。初診時に、これからかゆみはピークに達するまでどんどん出ますが、必ず治ると伝えました。

〈処方した薬〉
煎じ薬
漢方入浴剤
紫雲膏、中黄膏
消毒薬
漢方粉薬(鼻水、目のかゆみ用に)
抗生剤フロモックス(発熱時に)

遠方なので、二週間に一度ほど電話診察で薬を送ることになり、調子が悪い時や、不安なことがある時は、いつでも電話診療をすることにしました。

治療開始後、すぐに今までの抗アレルギー薬を絶って、漢方のせんじ薬を飲む毎日が始まりました。お子様はしばらくの間、泣きながら飲んでいたそうです。飲むのを拒否したことも度々です。せんじ薬と同量以上の水を用意して、苦い味を消しながら飲んでおられたので、水分で満腹になり、一時期かなりの少食になってしまいました。

リバウンドの始まった皮膚は、イライラとかゆみがひどく、出血するまでかき続けるのでキズになり、消毒とシャワーをするたびに朝から号泣です。紫雲膏、中黄膏の塗り薬をぬって、やっと落ち着き、学校に行く前のこの支度だけでずいぶんと時間がかかりました。漢方のお風呂には欠かさず毎日入ってもらいました。お風呂も毎日、泣きながら入っていたそうで。かなりぬるくしないと、キズが相当しみるらしく、入ってしばらくすると体が慣れてくるようでした。

リバウンドはどんどん進み、目のまわり、おでこ、首筋、腕、手の甲、手首、おなか、ひざ、ひざ裏、太もも裏、足首、にまで広がりました。湿疹がジュクジュクし始めると感染症を起こして、熱が出ました。毎日必ず熱を計るように指示し、熱が37.2度以上出始めたら要注意と伝えました。高熱が出て、ピリピリ・ちくちくとした痛みが走るのは「ヘルペス」が原因です。電話診療でヘルペスの薬とフロモックスを処方し、熱はすぐに下がりました。ピリピリとした痛みも引きました。

毎日が痒みとの戦いで、手足の関節がキズになって切れているので、体を思うように動かすのも辛く、体育の授業は着替えをするにも皮膚がこすれて痛いので、一年生の間はよく見学をされていたそうです。切れた傷からは出血するので、身につける服はいつも血だらけです。冬になっても綿のTシャツ、体に触れてもなるべく痛くない服を選ぶのが大変だったそうです。タイツやハイソックスは、皮膚がこすれて関節に当たるので履くこともできません。

リバウンドの見た目の状態から、周りの人に冷たい目で見られたり、どうしてアトピーがそんなにひどいのかと友達に聞かれたり、ずいぶん辛い思いをされたようです。お母様も周りの人から色々と言われてきました。アトピーは治るの?漢方はいいと聞くけど本当に?お子様の肌の状態を見て、可哀想に…と同情されたことも。そんな中、この親子は毎日せっせと、せんじ薬・漢方風呂・消毒をして塗り薬、を繰り返していきました。辛いリバウンドの日々が続きましたが、お子様もアトピーを克服したい一心で、途中でくじけそうになりながらも頑張ってきました。

治療開始から9ヶ月目。二回目の診察で当院を受診。まだリバウンドの途中でしたが、大変だけどがんばって今のまま続けるように伝えました。いつも電話の時でも、「治るよ!がんばって!」と励ましました。

治療開始から1年。肌の状態は一年前に比べると、格段に良くなっています。キズから出血がないことや、手足の関節の曲げ伸ばしが自由にできるようになったこと、夏には、半袖を着たいとお子様本人から言い出したそうです。体の動きも活発になってきて、汗をかいてもキズが滲みるようなことはなくなりました。この頃から、漢方入浴は一日置きに入ることにしました。

治療開始から1年2ヶ月。肌の調子は、ますます良くなりました。寝る前には手首などに、少しかゆみが出ますが一時的なもので、イライラするような以前のかゆみはなくなってきましたが、掻くことで、皮膚から落ちるポロポロした皮が部屋のいたる所に散乱していました。寝た後の布団の上は特にすごかったそうです。それだけ、皮膚が再生を繰り返しているのだということがよくわかりました。時間が経つにつれて、このポロポロの皮膚が部屋に落ちていない状態になってきました。肌の見た目もずいぶん落ち着き、キズができていた所はキズがほとんどなくなり、強い皮膚になりつつあります。今までひどい乾燥肌に悩まされてきましたが、この冬が近づいてきても、極端にカサカサすることもありません。紫雲膏、中黄膏は毎日塗ってもらいました。

治療開始から2年半。ひどいリバウンドも峠を過ぎて生活できるようになったと感じたそうです。狂ったようにかきむしることは少なくなり、冬場は乾燥肌に悩みますが、リンパ液が滲んで痛々しかったことを思えば皮膚もずいぶん強くなりました。皮膚が痛くて体を動かすのも辛い日々が続きましたが、3年生の今は体育の授業を休むこともなくなり、活発に動けるようになりました。たまに痒みや痛みを訴えますが、よく眠れているようです。治療を始めてリバウンドが続いていた頃は、1年間ずっと体重も増えずにヒョロヒョロした体型でしたが、今は体重も増えて体力もつき、皮膚が少しずつ強くなっています。月2回ほど電話で漢方薬を送り、せんじ薬を飲む、紫雲膏と中黄膏を塗る、月に2回ほど漢方入浴のお風呂に入る、この3点です。

治療開始から3年経ち、治療を終了しました。現在は感知され通院されていません。

症例報告41例目

完治された病名1)アトピー性皮膚炎

患者:4歳

この患者さんは、生後1ヶ月頃から顔に湿疹が出来始め、1ヶ月検診で薬(アンダーム軟膏)を処方されていました。一向に良くならず、アレルギー専門の病院で診てもらい食事制限と薬を処方されました。リンパ液が出てきて酷くなったため、再度受診すると亜鉛化軟膏とワセリンを処方されました。これで良くならなければ弱いステロイドを使用するとの事。

お母様の考えで、ステロイドは使用したくなかったので別の病院を受診したが結果は同じでした。ステロイドも使用せず、出来れば食事制限なしの治療方法はないものかとネットで調べていると当院のホームページを見つけられて、お子様が3ヶ月半の頃に受診されました。

 

初診時に熱を測ると37.6度だったので「感染しているよ」と伝え、抗生物質を服用。顔は紫雲膏を塗り真っ赤でした。帰宅後、塗り薬〔エルタシン〕と紫雲膏を塗ってもらいました。毎日、朝晩の消毒と塗り薬、漢方風呂に入れ1週間すると少しずつ赤みと湿疹が引いてきました。漢方風呂に入れると痒くてかきむしって泣き叫ぶ為15分~30分入れるのがやっとでした。途中、電話診療で「痒くなるのは当然、大いに結構」と伝えると、お母様も一緒に掻いてあげたそうです。

治療開始から10日過ぎると今までなかった背中太ももにも湿疹が広がってきました。電話診療のたび、「少しずつ何でも食べなさい」と伝え、卵、牛乳が入った食品も食べるようにしました。そのせいか痒みが増し機嫌も悪く夜も2,3時間ごとに起きては泣いていたので痒いね、と抱っこしながら寝かせていたそうです。

治療開始から1ヶ月ぐらいまでは顔もかきむしって枕や衣服に血や汁が付いていた。

治療開始から2ヶ月すると急に良くなった感じで赤みもなくなり、朝方まで寝てくれるようにもなりました。

さらに治療開始から2ヶ月半ぐらいの頃、離乳食の事もあり2回目の受診をされる。見た目には随分綺麗になっていてお風呂も2日に1回でいいと伝えました。秋になると湿疹が出たので、電話診療で「最後に花粉が残るからね」と伝える。2週間程、漢方風呂に入れると湿疹も引いていました。それから4年がたちましたが秋に少し湿疹がでる程度で何でも食べられるようになりました。

5歳になった頃、治療を終了しました。現在は完治して通院されていません。

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