症例報告33例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎2)ステロイド皮膚症
患者:37歳、女性
この患者さんがアトピーを発症したのは、12歳ぐらいのころでした。最初はまぶたにかゆみ、湿疹が出て、それが徐々に身体全身へと広がっていきました。中学・高校・専門学校時代は皮膚科を転々とされ、ステロイドの軟膏で対応していました。最終的に地域で有名な個人病院へ通院されておりましたが、ごわごわした皮膚をみて、薬を塗り続けることに疑問を持ち、脱ステロイドを決意されて、27歳の時に民間療法を開始しました。
民間療法をしても、顔は赤く、皮膚はボロボロで、一時的によくなった時期もあったのですが、完治はできません。結局は悪化してしまい、全国に何カ所かある診療所へ行き、入院に至った経過があります。その後は、一時的に皮膚はきれいなったが、またアトピーが出てくることの繰り返しで、担当の医師は、薬を切らさないようにと言うだけでした。
その後、結婚され、一人目の出産をし、冬になると、ステロイド皮膚症のため、明らかに手の内側の色が真っ赤で異様な皮膚になり、地元の皮膚科を受診し、またステロイドを塗り始めてしまいました。二人目(年子)を出産し、また冬になると、ステロイド皮膚症のため、異常な皮膚になっていました。何か違う治療法はないかとインターネットを探していたところ、当院を見つけられました。ご家族の協力を得て、当院の存在を知ってから2か月後の平成27年の3月に初診で来られました。
初診は副院長でしたが、私とも話をして握手をしました。漢方煎じ薬と紫雲膏、漢方風呂での治療を開始しました。リバウンドについてかなり気にされており、不安になられてよく電話をかけて来られましたが、必ず乗り越えれば良くなると励ましました。現在の西洋医学のアトピー治療は、標準治療のステロイド使用が中心で世の中が回っていますが、ステロイドで完治した人がいるのか、甚だ疑問です。皮膚科医自身が最も感じているでしょう。
治療を開始して数年間、リバウンドとの戦いでしたが、4年ほどで完全にリバウンドが収束し、治療を終了しました。
症例報告34例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:37歳 女性と、お子さん
この患者さんは、小学校低学年の頃、肘の内側と膝の裏にアトピーが出ていましたが、最寄りの病院の塗り薬を塗ってやりすごしていました。そこからマシな時期もあれば、症状が出る時もあり、その度に病院で処方された塗り薬を塗っていました。高校生になると見た目を気にするようになり、症状が少しでも出るとすぐに塗り薬で抑えていました。大学生になり、飲食店のバイトの洗剤がきつく、指の症状がひどくなってきました。当時には、ステロイドに疑問を持ち、その時にお付き合いしていた彼氏のお母さんから当院を紹介してもらったそうです。
初診で紫雲膏と煎じ薬を処方しました。大学3回生の秋頃、煎じ薬を飲み始めて一カ月経たないくらいで、リバウンドが始まり、顔の口周りに赤い湿疹ができ、首に広がっていきました。採血で値を見るとIgEの値がかなり上昇していました。
そこから、年末年始にかけてどんどんひどくなり、顔、腕、手、首が赤くただれ、リンパ液がたくさん出てきました。消毒をして漢方風呂に朝晩入り、お風呂に浸かっている時だけが体が少しラクだったそうです。お風呂から上がると、綿の布で腕も首もグルグル巻きにして、リンパ液が服や布団に着くのを防いでいたそうです。表皮がなく、真皮が直に出ているような状況で、あまりにもリバウンドがきついので、煎じ薬を飲むのを止めて、リバウンドのスピードを落とすことにしました。
リバウンドのスピードはゆっくりになりましたが、赤く腫れぼったい顔でした。辛いリバウンドの間も私の理論を読み込まれ、辛かったら携帯に電話をかけるように伝えました。そこからゆっくりリバウンドと付き合いながら、大学も卒業され、そしてだんだん肌の状況も落ちつきました。そして、25歳でお子さまを出産後、また症状が出てきました。授乳中は紫雲膏でやりすごしていましたが、卒乳後にもう一度治療を始められました。煎じ薬を飲み始めて、以前のリバウンドよりもひどくはなかったものの、やはりしんどかったそうです。
その後、2人目のお子様を妊娠されて、症状はまた落ち着いていきましたが、29歳でお子さまを出産されると、また症状が出てきました。さらに2人目のお子様が1歳を過ぎた頃、お子様の足首に湿疹ができ、だんだんひどくなってきました。この足首も少し経てば治まるだろうと思われていたそうですが、どんどん広がる一方なので、消毒して紫雲膏を処方しました。アトピーは主に足首、膝の裏、太腿、鼠径部、首、腕、手にできています。 ある時、お腹に大きな水ぶくれがたくさんできており、それはカポジ水痘様発疹症と診断しました。消毒をし、漢方風呂に何回も入ると、ゆっくりですが良くなっていきました。お子さまはステロイドはもちろん、松本漢方クリニックの薬以外は使用したことはありません。
2012年、この方の首に硬くて熱と痛みを持ったニキビのようなものができ、だんだん首や腕まで広がっていきました。私は、ストレスが終わった後ホッとしてストレスが解き放たれ、ヘルペスが出たのだと伝えました。
そして32歳の時に3人目を妊娠されました。すると症状は少しずつ落ち着いていきました。これは女性ホルモンによって免疫が抑えられ、妊娠中はマシになり、産後にリバウンド症状が出てくるからです。妊娠中はつわりがきつく、煎じ薬は飲めなかったそうです。この間も2人目のお子様は比較的夏の高温多湿な環境時にひどくなっています。3人目のお子様も無事産まれ、アトピーが少し出現しましたが、自然治癒で治し、その後何の症状も出ることなく育っています。2人目のお子様は小学2年生の頃までアトピーの症状がありましたが、徐々に消えていき、最後はかゆくてかいても前ほど傷にならなくなってきました。
お母様は毎シーズン夏から秋の時期にアトピーとヘルペスの症状が出るのですが、煎じ薬と抗ヘルペス剤を服用しつづけた結果、以前よりもマシな時期が長くなってきて、徐々に傷もほとんどなくなりました。
現在はお母様もお子さまも完治され、通院はしておりません。
症例報告35例目
完治された病名1)アトピー性皮膚炎
患者:38歳 女性
この患者さんは、小さい頃から皮膚が弱く、夏には、いつもあせもが出現していました。中学生、高校生になると、運動クラブに入っていたので、よく汗をかきました。腕の曲げるところは、痒くて赤くなっていました。いろんな病院にも行きましたが、その頃はアトピーという病名はほとんど聞きませんでしたが、病院から何の説明もなく、ステロイドを処方されておりました。
社会人になり、顔が赤くなるのが嫌で薬を毎日塗っていました。その頃は大学病院の皮膚科へ月に2度程通い、いつも同じ塗り薬をもらっていました。するとその冬、ステロイドの副作用で顔がパンパンにふくれて、顔中真っ赤になり、ブツブツだらけになりました。外にも出れなくなり、また違う薬をもらい、何とか元の顔に戻りましたが、年中少し暑くなると顔がほてってすぐに顔が真っ赤になっておりました。
結婚して高槻に住まれてから、当院のことを口コミで知り、2001年(平成13年)7月に受診されました。漢方煎じ薬を服用し、消毒して漢方風呂に1時間入り、お風呂を出てからは紫雲膏を塗ることを毎日続けてもらいました。翌日から早速リバウンドが始まり、顔は腫れて、二重まぶたは一重になり、顔からリンパ液も出てきておりました。この方は顔だけではなく身体全体でしたので、大変だったと思います。全身に紫雲膏を塗るため、すぐに下着は真っ赤になり、夜は全く寝れなかったそうです。買い物に行くときも帽子、サングラス、マスク、手袋をして行ったそうです。首や腕が突っ張るので曲げたり動かしたりすることが難しく、歩く時にも肌が痛むので、まともな日常生活が送れませんでした。
一進一退の状態が続きましたが、治療開始から3年で一挙にリバウンドが収束し始め、普通に生活できるようになりました。見た目も皮膚がどんどんきれいになっているのがわかります。他の患者さんの症例を見てもわかるように、長くリバウンドが続いても、免疫を抑えることなく、自然後天的免疫寛容を起こすと必ずよくなることがお分かりだと思います。
完治され、現在は通院されておりません。