アトピー性皮膚炎 症例報告

アトピー性皮膚炎完治の症例報告Part6(コメントなし)更新2022.2.25

投稿日:2022年2月9日 更新日:

研究報告26例目

治した病名:1)アトピー性皮膚炎

患者: 11歳

当院に初めて来られてから、8年目ぐらいの患者さんです。

生後1ヶ月で顔にニキビのような発疹がたくさん出て、乳児湿疹と思ってあまり気にされていなかったのですが、1歳過ぎぐらいから髪の毛の中や全身にアトピーが出てきました。小児科を受診され、朝晩、抗アレルギー剤を処方され、2~3年飲み続けていましたが良くなりませんでした。その後、水をたくさん飲みといいと聞き、水を飲んだりされたそうですが、治る事はありませんでした。

幼稚園に行く前頃に、ご家族から当院のことを口コミで聞き、来院されました。その後、ご家族のご協力のもと、毎日漢方風呂と、漢方煎じ薬を服用してもらいました。

入園時の頃はリバウンドが本当に酷く、全身に発疹が出て顔は赤く腫れ上がり、人相も変わる程でした。夜は痒くて眠れず、朝には掻きむしった皮がシーツにポロポロめくれ落ち、シーツの痕がいっぱいで毎日布団に掃除機をかけ、シーツも毎日洗っていたそうです。

徐々にアトピーは改善し、小学校に入学する頃には顔がとてもきれいになり、本人も私も随分気持ちが楽になり、夜も少しずつ眠りが深くなっていったそうです。今でも痒みがあったりカサついたりする事があるそうですが、ひどいアトピーだったというと周囲にびっくりされるほどになりました。

現在は完治され、通院はしておられません。

症例報告27例目

完治させた病名1)アトピー性皮膚炎

患者:28歳、女性

この患者さんは、保育園に通っていたころから卵白でアレルギー反応を起こし、痒みや赤みが出現していましたが、お母さまの継続的な除去食の実施により成長とともに皮膚はさっぱりきれいに改善されました。

小学生になると冬場両手が乾燥し、毎年のように赤ぎれができていましたが、これも一時的に過ぎませんでした。中学になり、部活で毎日汗をかくようになると、膝裏や下着がこすれる部分に痒みが出現。皮膚科を受診するとステロイドを処方されました。薬をこまめに塗り続けた結果、一時的に膝や裏や肘の痒みや赤みは改善されましたが、しばらくするとリバウンドが出現し、再びステロイドを塗ることということを繰り返していました。

大学生の時は顔から体にかけて真っ赤になった部分が熱を持ち、両手掌には水疱もできはじめ、傷を掻いては潰れを繰り返し、傷口はヒリヒリと痛みを生じていたとのこと。成人式の数か月後前からアトピーの点滴治療のクリニックに通院を始められ、ステロイドや抗アレルギー剤を大量に投与されてしまいます。この副作用によって、授業中ウトウトしてしまったり、夜が眠れなかったり、昼夜逆転に近い生活を送っていたそうです。皮膚の傷は以前よりひどくなり、皮膚をかきむしると皮が簡単に剥がれ落ちてしまう状態であったとのこと。

社会人5年目の秋に、7軒目となるアトピーの病院では強力に免疫を抑制するプロトピック軟膏を処方されました。医師からは「塗布し始めは灼熱感があるが、それを超えると痒みが軽減される」、と副作用の説明を受けたため、毎日のように髪の毛の生え際に塗り続けた結果、以前より傷の治りが遅く、いつの間にか引っかいても出血しない硬い皮膚になってしまいました。妊娠中は禁忌と記載があったため、今後妊娠した時のことを検討されて、通院をやめられたそうです。

そんな時お母様より当院を紹介いただき、治りたい一心で受診されました。初診日は食前の漢方、アシクロビル4錠/回×朝昼夕寝る前、紫雲膏と中黄膏、漢方風呂を数日分処方し、採血も行いました。

治療開始後2日で大腿部は蕁麻疹のような症状が出始め、それが首や顔全体にひろがり、口角も切れ始めました。出勤できる余裕もなく本格的な治療は実家ですることにされました。

初回処方薬:アシクロビル、紫雲膏、中黄膏、漢方風呂

<通院1か月目>

1週間ほどすると38度台の発熱、ひどい悪寒。耳下と鼠径部のリンパの腫れ、透明~黄色のさらさらのリンパ液の漏れは耳下だけではなく両脇と鼠径部にまで至り、抗生剤を内服してもらいました。熟睡できず、全身を掻きむしっては全身から出たリンパ液が下着にくっつき、夜中にタオルや下着を交換して過ごしていたそうです。昼はほぼ寝たきりの状態、夜は目が冴えている状態。座るだけで精一杯、首を動かすことや笑うこともできないぐらい傷口がピリピリと全身に響いていたそうです。漢方風呂は唯一リラックスできる時間だったとのこと。漢方風呂に3時間も入っていると、傷口に薄くて白い膜が覆いかぶさり皮膚を修復している様子。お風呂に入った直後は、薄皮がどんどん捲れ始め、ポロポロと掻いていると大さじ1杯分ほどの落屑がありました。皮がはがれると急激に寒気を感じ、急いで薬草風呂の濃縮した液体を綿花に浸し、化粧水の感覚で全身に塗布した。(アトピーの激しいリバウンドを経験された患者さんの多くが、悪寒を感じると訴えられます。)ひっかき傷のあるところにはアシクロビルの軟膏、乾燥部分には中黄膏、炎症のある部分には紫雲膏という順序で塗布してもらいました。はじめの1か月は症状が全身にまで広がっており、広範囲のスキンケアが必要だったため中黄膏・紫雲膏はそれぞれ1個を3日~4日ほどで使い切るというスピードで消費しておられました。

患者さんが、濃縮した漢方風呂の液の作成方法を提供してくださいました。

浴槽に60度のお湯を1/5程度張り二重にした排水ネットの中に薬草を入れ、蓋をし、1時間ねかせる。1時間後に排水ネットを取り出し搾り取る、すると150ml程度の濃縮液が完成する。使用時以外は冷蔵庫にいれて洗顔や皮膚が乾燥したときに使用する。お茶用ネット等は薬草が膨らむとすぐにパンパンになるので、伸縮性のある排水ネットが使いやすいとのこと。

<2か月目>

毎日3時間以上の漢方風呂と内服薬、紫雲膏と中黄膏によるスキンケアのお陰でようやく寝たきりの生活を卒業し外出できるようになりました。1日のスケジュールは、7時半起床、8時〜9時の間に漢方風呂を蒸し、9時からお風呂に入り、入浴後のスキンケアは一人で行えるまで回復、30分かけて全身のすみずみまで丁寧に漢方の濃縮液と軟膏塗布したそうです。どんなに夜遅くても昼に沸かした漢方風呂に入りそこから30分かけてのスキンケアを徹底されました。全身症状としてはステロイドを常々塗布していた両股のリンパ液がとどまることなく滲出しました。平熱に戻ったので抗生剤は中止しましたが、右くるぶしの紅斑と腫れを認めたため、一時的に服用してもらいました。

<3か月目>

毎日3時間の漢方風呂と煎じ薬、アシクロビルの内服は継続してもらいました。傷口が増え始めたため、入浴前に消毒薬を傷口に染み込ませ、3分ほど乾燥させてから入るよう指導しました。このころから脇や両股からでていたリンパ液も出なくなり関節の可動域が広がったようです。

<9か月目>

煎じ薬とアシクロビル内服は継続。漢方風呂はこれまで欠かさず1日2回入っていたが、ようやく入らなくても過ごせるような、ごわつきのない皮膚の感覚になってきたとのこと。漢方風呂を沸かさない日は、必ず朝夜1日2回、紫雲膏と中黄膏を塗布されました。

<15か月目>

皮膚の状態がほぼ正常になり、普通の生活が送れるようになったため、治療を終了しました。現在は通院されていません。

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