眼圧の上昇の有無にかかわらず、脳に情報を伝達する眼の視神経が損傷され視野が狭くなる進行性の障害を生じる病気です。視神経は脳神経ですからいったん障害された神経を回復させ視野を回復させることはできません。徐々に視力が低下します。約120万本ある視神経の線維が、眼球からの出口である視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)で障害されるからですがなにが視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)を解明しましょう。結論から先に述べますと網膜中心動脈と網膜中心静脈の内皮細胞に感染したヘルペスです。
まず網膜内の血管の構造と働きについて説明しましょう。
網膜中心動脈と網膜中心静脈は、視神経の中を並んで走っており、視神経乳頭のところで4本に枝分かれして網膜に広がっています。心臓から動脈を通って網膜へ入ってきた血液は、毛細血管へ分かれて末梢である網膜の細胞に酸素や栄養を渡し、老廃物を受け取って静脈に入り心臓へ帰ります。もう一つの緑内障の原因は心臓から動脈を通って網膜へ入ってきた血液は、毛細血管へ分かれて血管豊富な脈絡膜に感染したヘルペスの可能性も考えられるのですが、むしろ脈絡膜に感染したヘルペスはブドウ膜炎や脈絡膜炎を起こしやすいのです。
脈絡膜やブドウ膜とは何でしょう?
脈絡膜は、薄い膜で、強膜と網膜の間に挟まれています。 脈絡膜は色素性で異常に血管が豊富で常に新たに作り変えられている組織です。その主な機能は、ほとんどの眼球構造に栄養素と酸素を供給することにあります。色素性細胞の存在および血管の極度の豊富さのために、脈絡膜は暗錆色(くらいさびいろ)に見える。眼球壁を構成するのは3枚の膜で、内層から網膜、眼球中膜(あるいは眼球血管膜)、強膜とよぶが、眼球中膜の大部分は脈絡膜からなる。脈絡膜は、網膜の最外側にある網膜色素上皮層とは密着し、強膜の内層とは緩く付着する。ただし、視神経が眼球に入る部位では脈絡膜は欠けているし、黄斑(おうもん)(網膜の中央部)のところでは強膜と固着している。視神経が眼球に入る部位では脈絡膜は欠けているので眼球からの出口である視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)で障害されて起こる緑内障の原因にはなりにくいのです。脈絡膜の前方は毛様体、さらに虹彩へとつながっている。したがって、眼球中膜は脈絡膜、毛様体、虹彩の3部からなっており、脈絡膜、毛様体、虹彩の3部をブドウ膜と呼んでいます。脈絡膜の厚さは約0.3ミリメートルで、組織学的には4層を区別できる。すなわち、外方から脈絡上板、血管板、脈絡毛細管板、基底板である。このうち、血管板の層がもっとも厚く、太い血管を多数含んでいる。この層から毛細血管の供給を受ける脈絡毛細管板が、網膜の表層に栄養を与えている。このように脈絡膜は、眼球壁、とくに色素上皮層と神経上皮層(視細胞層)の栄養をつかさどるとともに、血管板内の多数のメラニンを含有する色素細胞の存在によって、外部からの散乱光線を吸収する働きも行っている。脈絡膜は血管と色素細胞のために赤黒く見えるため、ぶどうの赤黒さに似ているので臨床医学では脈絡膜を「ぶどう膜」とよぶことがある。